AIに聞いても自社の名前が出ない原因は、1つに決まりません。
先に、社名を入れた質問と社名を入れない質問に分けて聞くと、原因の候補が絞れます。
社名を入れても出ないときは、AIが読める所に自社の事実が置かれているかを見ます。
社名を入れないときだけ出ないなら、質問と記事のずれ、ページの中身、読み込めるかどうかの順に点検します。
記事を続けて書いてきたのに、自社の業種のことをAIに聞くと、並ぶのはほかの会社の名前だけ、という場面があります。
何が足りないのかが分からないまま記事を足しても、同じ結果が続くことがあります。
この記事は、弊社が作った「買い手がAIに聞く40問」のうち、次の1問に答えるために書きました。
「AIに聞いても自社の名前が出てきません。原因は何ですか?」
書くのは原因の切り分け方までで、ここを直せば名前が出る、という約束はしません。
対策の全体は、LLMO対策のやり方を9つの工程で書いた記事にまとめてあります。
結論:原因は、聞き方を2つに分けてから探します
先に全体を表で示します。
起きていることを左の列から探し、右の列の確かめ方へ進んでください。
症状ごとの、考えられる原因と確かめ方
| 症状 | 考えられる原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 社名を入れて聞いても、AIが「情報が見つからない」と答える | AIが読める所に自社の事実が書かれていない、またはページが読み込めていない | 会社概要とサービスのページを開き、質問の答えが文章で書いてあるかを読む |
| 社名を入れると出るが、説明が古い、または合っていない | ページによって、同じ事実の書き方が食い違っている | 同じ項目を、サイト内の複数のページで読み比べる |
| 社名を入れないと出ない。その質問に答えるページが自社に無い | 引用される候補になるページが無い | 質問文の横に、答えているページの題を書いてみる |
| 社名を入れないと出ない。答えるページはある | 質問とのずれ、またはページの中身 | 冒頭の2〜3文が、質問の答えになっているかを読む |
| 引用元に並ぶのが、第三者のページだけ | 自社サイトの外に、自社の名前や事実が載っていない | 引用元を1件ずつ開き、誰のページかを書き出す |
上の2行は、社名を入れた質問で分かる症状です。
下の3行は、社名を入れない質問で分かる症状で、原因の候補が上の2行とは別になります。
2つの聞き方を混ぜたまま「出ない」とひとくくりにすると、どの行に当たるのかが決まりません。
記事の側で直せる原因は、質問とのずれ、ページの中身、読み込めるかどうかの3つです。
知名度や、第三者のページでの言及のように、記事の外で決まる部分もあります。
この記事では、先に手の届く3つを扱い、記事の外の部分はそのあとに分けて書きます。
この記事の数字の出どころ
数字の出どころは、2種類に分けて書きます。
「海外の研究では」「海外の実験では」と書いた数字は、海外の論文から引いたものです。
「弊社では」と書いた数字は、弊社が自分のサイトと作業で数えたものです。
弊社では海外のGEO・LLMO・AIOの論文を93本読み、1本ずつ解説した一覧と、全体のまとめを公開しています。
お断りしておくと、これらの論文は英語と海外での検証が中心です。
日本語の質問や日本の中小企業で、同じ数字になるとは言えません。
実験の環境で確かめられたことと、実際のAIのサービスで起きることも、分けて書きます。
LLMO対策という言葉そのものの説明は、LLMO対策とは何かを書いた記事に分けてあります。
図で見る:切り分けは5つの段階で進めます
原因を1つ選んで測り直すまでの流れを、5つの箱で示します。
図は上から下へ進みます。
図の読み方:金色の箱は3番目です
金色で囲んだ3番目が、この記事でいちばん伝えたい段階です。
AIの答えの下に並ぶ引用元を開き、誰のどんなページが使われたのかを読みます。
1番目と2番目は、AIに聞く作業です。
3番目で読んだ内容をもとに、4番目で原因を1つ選び、5番目で同じ質問をもう一度聞きます。
引用元を読まずに4番目へ進むと、原因は当て推量で選ぶことになります。
1番目と2番目は、別の欄に記録します
社名を入れた質問と、入れない質問とでは、AIがしている仕事が違います。
前者は名指しされた会社の説明で、後者は候補の中から何社かを選ぶ作業です。
記録の欄を分けておくと、どちらで出なかったのかが、あとから読み返したときに分かります。
矢印の横の言葉は、次の段階へ渡すものです。
2番目から3番目へ渡すのは、答えの本文と引用元の両方になります。
まず、社名を入れた質問と入れない質問に分けます
最初の作業は、同じAIに2種類の質問をすることです。
社名を入れた質問で出るかどうかと、社名を入れない質問で出るかどうかは、別々に数えます。
海外の実験:製品名を出すと9割超、伏せると1割未満でした
海外の実験によると、製品名を出して聞いた質問と、名前を伏せて分野で聞いた質問とで、製品名が答えに現れる割合に大きな差がありました。
| 聞き方 | ChatGPTの小型モデル(検索機能なし) | Perplexity(検索機能つき) | 分母 |
|---|---|---|---|
| 製品名を出した質問 | 99.4% | 94.3% | 112製品に3問ずつ、336回 |
| 名前を伏せて分野で聞いた質問 | 3.32% | 8.29% | 112製品に7問ずつ、784回 |
対象は、新製品の紹介サイトで支持を集めた、英語圏のスタートアップ112社です。
2025年12月に、2つのAIへ合計2,240回聞いています。
判定は、製品名の文字列が答えのどこかに現れたかどうかだけを見る、機械によるものでした。
製品の中身を正しく説明できた割合を測った数字とは違います。
分野で聞く質問には「新しい」「最近登場した」といった条件を付けたものが含まれ、実行は1回だけです。
日本語での検証はなく、査読前の論文なので、日本の中小企業で同じ割合になるとは言えません。
それでも、名前を聞けば答えることと、分野で聞いたときに挙がることは別だ、という点は切り分けの出発点になります。
別の調査でも、社名を入れた質問ではほぼ毎回出ていました
102のブランドを5つのAIで測った海外の調査では、社名を含む質問で名前が出た割合は94.0〜100%でした。
社名を含まない質問では、AIごとに12.0〜51.5%まで下がっています。
この調査は、AIでの見え方を計測するサービスの共同創業者が、自社の顧客のデータを集計したものです。
条件の詳しい所は、あとの節でもう一度書きます。
社名を入れた質問だけを試して「出ている」と判断すると、買い手が社名を知らずに聞く場面が、点検から抜けます。
2種類の質問の作り方
質問は、次の表の型で作れます。
| 質問の種類 | 入れる言葉 | 質問の型 | 分かること |
|---|---|---|---|
| 社名を入れた質問 | 自社の社名 | (社名)はどんな会社ですか | AIが、会社の事実を読める所から拾えているか |
| 社名を入れた質問 | 自社のサービスの名前 | (サービス名)はどんなサービスですか | サービスの説明が、読める形で置かれているか |
| 社名を入れない質問 | 買い手の困りごと | (困りごと)のときは、どうすればいいですか | 困りごとの段階で、自社のページが使われるか |
| 社名を入れない質問 | 依頼先の選び方 | (業種)の会社を選ぶポイントは何ですか | 依頼先を探す段階で、自社のページが使われるか |
かっこの中は、自社の言葉に置き換えます。
社名を入れない質問は、商談や問い合わせで実際に聞かれた言葉から作ると、買い手が打つ文に近づきます。
記録に残すこと
聞いたら、その場で次のことを書き留めます。
- 聞いた日、AIの種類、質問文
- 答えの本文に、自社の名前が出たかどうか
- 引用元に、自社のページが入ったかどうか
- 引用元の件数と、それぞれのページの題
名前が出ることと、自社のページが引用元に入ることは、別の出来事です。
欄を2つに分けておくと、あとで原因を選ぶときに迷いません。
同じ質問は2回聞き、2回とも同じ結果だったかも書いておきます。
社名を入れても出ないとき:AIが読める所に事実があるかを見ます
社名やサービスの名前を入れて聞いても出ないなら、知名度より手前の所に原因の候補があります。
AIが調べに行った先に、その質問に答える文章が置かれていたかどうかです。
弊社でも、社名を入れた質問で出ないことがありました
弊社では2026年10月2日に、社名を入れた質問を2問、Claudeに2回ずつ聞きました。
弊社のページが引用元に入ったのは、4回中2回です。
1問は2回とも入り、もう1問は2回とも入りませんでした。
入らなかったのは、弊社のサービスの名前を入れた質問で、AIは2回とも「情報が見つからなかった」と答えています。
社名を入れれば必ず出る、とは言えない実例です。
自社の名前で聞いて出なかったときも、同じことがほかの会社で起きていると受け止めて、次の点検に進めます。
海外の研究:読み込みの失敗は10.1%でした
海外の研究では、引用されなかったページの原因を4つに分類しています。
同じ質問で引用されなかったページと、引用された競合のページを1組にして、949組を比べたものです。
そのうち10.1%は、技術的な読み込みの失敗でした。
中身は、アクセスの遮断、表示のあとから組み立てられる本文の読み込み失敗、文字化け、広告やメニューに本文が埋もれている、の4つです。
この分類は、研究用に組み立てた模擬の環境で、英語圏中心のページを使って得られました。
原因の診断もAIが行っていて、実際のAIのサービスでの検証は今後の課題とされています。
割合は小さくても、ここに当たっていると、文章をどれだけ直しても結果は変わりません。
そのため、点検の順番としては最初に置きます。
確かめる所は3つです
| 確かめる所 | 見方 | 当てはまったときにすること |
|---|---|---|
| ページが開けて、本文が文字で読めるか | 会社概要とサービスのページを開き、説明が画像の中だけに入っていないかを見る | 画像の中の説明を、文章として本文に書く |
| 質問の答えになる事実が書いてあるか | 何の会社か、誰向けか、対応できる範囲、所在地が、文で書かれているかを読む | 欠けている項目を、置くページを決めて書き足す |
| ページごとに書き方が食い違っていないか | サービスの名前や対応範囲を、複数のページで読み比べる | 正しい値を置くページを1つ決め、ほかをそろえる |
3つとも、自社サイトを開いて読むだけで確かめられます。
サービスの名前は、社内の呼び方と、サイトに書いてある名前が違っていることがあります。
買い手が打つ名前で、サイトに説明の文章があるかを見てください。
事実をそろえる手順は、自社サイトの事実を同じ表記にそろえる記事に、一覧表の作り方から書いてあります。
社名を入れないと出ないとき:珍しい結果ではありません
社名を入れない質問で名前が出ないことは、海外の研究でも繰り返し報告されています。
自社だけに起きている問題だと受け取る前に、3つの研究の数字を条件と一緒に見ておきます。
知名度の順に、73%・44%・11%でした
海外の調査によると、社名を入れない質問で名前が出た割合は、ブランドの知名度の段ごとに大きく違いました。
| 知名度の段 | ブランドの数 | 社名を入れない質問で名前が出た割合 |
|---|---|---|
| 世界的に知られた大手 | 11 | 72.9% |
| 中堅・地域の有力ブランド | 36 | 43.6% |
| 小規模・特定の分野のブランド | 55 | 11.4% |
対象は102のブランドで、2026年3月から5月に、5つのAIで集めた回答を集計しています。
数字は、各ブランドを最初に計測したときの平均です。
業種は法人向けのソフトや金融などに偏っていて、質問の言語は明記がなく、例文はすべて英語でした。
著者は、AIでの見え方を計測するサービスの共同創業者で、データはそのサービスの顧客のものです。
データは公開されておらず、査読前の論文です。
論文自身も、この差を因果の証明とは呼んでいません。
知名度を上げれば名前が出るようになる、とは示されていない、ということです。
同じブランド・同じ質問・同じAIの組み合わせを3回以上測ると、63.2%は毎回名前が出ませんでした。
社名を入れない質問では、出ないほうが多数だったことになります。
飲食店4,776軒の85.6%は、一度も薦められませんでした
別の海外の調査では、バリ島の2つの地区にある飲食店4,776軒を登録簿にまとめ、4つのAIがどの店を薦めるかを数えました。
96通りの質問を7日間で2,208回聞いた結果、85.6%の店は一度も薦められませんでした。
口コミが50件以上ある店に絞っても、72.6%です。
答えに入るかどうかは、口コミの件数、自社サイトの有無、価格の表示、第三者のサイトでの言及の量と関係がありました。
星の評価の高さは、答えに入るかどうかとは関係が見られていません。
質問はすべて英語で、分かったのは要因どうしの関連までです。
自社サイトを作れば薦められる、という因果は示されていません。
この調査は、飲食店向けの口コミ管理などの道具を販売する企業が、費用を出して実施したものです。
論文はその立場を明記し、自社に都合の悪い結果も載せていますが、利害のある側の調査である点は割り引いて読みます。
仕様が同じなら、670回すべて有名ブランドでした
海外の実験では、有名なブランド1つと架空のブランド9つを並べ、AIに1つ選ばせています。
10の商品の仕様をすべて同じにすると、3つのAIは670回の試行すべてで有名なブランドを選びました。
一方、架空のブランドの評価を星0.075個分だけ高くすると、半分の確率で逆転しています。
題材はスキンケア商品で、言語は英語と中国語、商品の一覧をAIに直接渡した実験室の設定です。
AIが自分でウェブを調べる実際の使われ方とは条件が違い、日本語では試されていません。
名前の差が決め手になったのは、ほかに比べる材料が無いときだった、と読めます。
3つの研究の受け止め方
3つとも、知名度や言及の量と、AIの答えに出るかどうかに関係があった、という結果です。
どの研究も、知名度を変えて結果を比べたものとは違うので、原因だとまでは言えません。
受け止めとしては、社名を入れない質問で出ないのは自社だけの失敗とは限らない、という所までで十分です。
知名度は、今日の作業で動かせるものでもありません。
次の節からは、弊社の数字を1つ見たあと、記事の側で確かめられる3つの原因に進みます。
弊社は1,008本あっても、22回中1回でした
記事の本数が足りないから出ない、と考える前に、弊社自身の数字を見てください。
弊社のメインサイトの公開記事は、2026年10月2日の時点で1,008本です。
それでも、社名を入れない質問をAIに聞くと、弊社のページが引用元に入ったのは22回中1回でした。
測った条件
| 項目 | 内容 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 測った日 | 2026年10月2日 | 1日だけの結果 |
| AIの種類 | Claude | ほかのAIでは違う結果になりうる |
| 聞いた質問と回数 | 13問を2回ずつ、合計26回 | 回数は少ない |
| 社名を入れない11問 | 弊社のページが引用元に入ったのは22回中1回 | 入った1回は、その質問に答える記事を公開してあった質問 |
| 社名を入れた2問 | 弊社のページが引用元に入ったのは4回中2回 | 1問は2回とも入り、もう1問は2回とも入らなかった |
| サイトの公開記事数 | 1,008本 | メインサイトの数 |
社名を入れない質問で入った1回は、その質問に答える記事を公開してあった1問でした。
残りの21回では、1,008本のうちのどの記事も、引用元に入っていません。
この記事と同じ質問を聞いた結果
この記事の質問も、同じ日に同じ条件で、Claudeに2回聞いています。
弊社のページは、2回とも引用元に入りませんでした。
引用元として付いたページは、1回目が7件、2回目が10件です。
答えの本文に、弊社の名前も出ていません。
名前が出ない原因を尋ねる質問でも、弊社は出なかった側にいます。
この数字から言えること、言えないこと
言えるのは、記事が1,008本あるという事実だけでは、22回のうち21回で引用元に入らなかった、という所までです。
本数が引用と無関係だ、とまでは言えません。
13問と少なく、1つのAIに1日聞いただけの結果だからです。
それでも、出ない原因を「記事が少ないから」と決めてしまう前に、立ち止まる材料にはなります。
入った1回が、質問に合わせて書いた記事のある質問だったことからは、本数より先に、質問と記事が対応しているかを見る、という順番が出てきます。
記事で直せる原因①:質問とのずれ
記事の側で確かめられる原因のうち、海外の研究でいちばん多かったのが、質問とのずれです。
ページの出来が悪いという話とは別で、買い手の質問と、ページが答えている内容がかみ合っていない状態を指します。
海外の研究:62.2%が、質問との意味のずれでした
先ほどの949組の研究で、引用されなかった原因の内訳は次のとおりでした。
| 原因の分類 | 割合 | 中身 | 自社で見る所 |
|---|---|---|---|
| 質問との意味のずれ | 62.2% | 質問の意図とのずれ、必要な固有名詞や文脈の欠落、情報が古い、地域が合わない | 記事の冒頭が、買い手の質問に答えているか |
| コンテンツの質 | 27.1% | 内容が薄い、断片的で要約しにくい、冗長、表にすべき内容が文章のまま | 比べられる事実が、読み取りやすい形で入っているか |
| 技術的な読み込みの失敗 | 10.1% | アクセスの遮断、読み込みの失敗、文字化け、本文が埋もれている | ページが開けて、本文が文字で読めるか |
| 構造的な排除 | 0.6% | 権威のあるページと内容が重なる、AIが読む範囲の外に埋もれる | ほかのページに無い事実が入っているか |
質問との意味のずれの中では、文脈の欠落が32.3%、意図のずれが29.1%で、この2つが大半でした。
条件は前の節に書いたとおりで、模擬の環境、英語圏中心のページ、AIによる診断です。
日本語のページで同じ割合になるとは言えません。
記事を足す前に、いまある記事が質問とずれていないかを見る、という順番の参考になります。
ずれは4つの向きで点検します
研究が挙げたずれの中身を、点検の形に直すと次の表になります。
| ずれの向き | 起きていること | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 意図 | 買い手は原因を聞いているのに、記事は用語の説明から始まっている | 質問文と冒頭の2〜3文を並べ、答えになっているかを読む |
| 文脈 | 業種、対象、条件などの固有の言葉が、本文に書かれていない | 質問に入っている言葉が、本文にもあるかを探す |
| 地域 | 対応できる地域が、記事からは分からない | 地域を尋ねる質問に、記事だけで答えられるかを見る |
| 鮮度 | 制度や数字が、書いた当時のままになっている | 本文の日付と数字を、いまの事実と照らす |
上から順に見ていき、当てはまった所で止めます。
4つを一度に直すと、どれが関係していたのかが、あとで分からなくなるためです。
質問文を横に置いて読みます
点検のときは、買い手の質問文を紙や画面の横に置き、記事の題と冒頭だけを読みます。
題に質問の言葉が入っているか、冒頭がその質問への答えで始まっているか、の2つを見ます。
読み終えたら、「この記事は、どの質問に答えるために書いたか」を1文で書いてみてください。
1文にできないときは、記事が複数の話題にまたがっていて、どの質問にも正面から答えていない見込みがあります。
買い手の質問文そのものが手元に無い場合は、質問を決める作業が先です。
弊社が40問を作った手順は、買い手の質問の決め方を書いた記事に載せています。
記事で直せる原因②:ページの中身
質問と記事が対応しているのに出ないときは、ページの中身を見ます。
ここで言う中身は、文章のうまさより、AIが答えの材料として抜き出せる事実があるかどうかです。
27.1%は、コンテンツの質でした
同じ研究で、引用されなかった原因の27.1%は、コンテンツの質に分類されています。
挙がっていたのは、内容が薄い、断片的で要約しにくい、冗長、表にすべき内容が読みにくい文章のまま、の4つです。
薄いことも、長すぎることも、同じ分類に入っています。
文字数を増やせば片づく、という話ではないことになります。
この研究には、直しても引用されなかった例も載っています。
50ページを使った実験では、手を入れたあとも163件の質問で引用されないままでした。
論文は、ページの内容とは別の、発信元の権威という壁がある場合を挙げています。
中身を直せば必ず出る、とは研究も言っていません。
中身を見る4つの所
| 見る所 | 確かめ方 | 当てはまったときにすること |
|---|---|---|
| 答えの位置 | 質問への答えが、冒頭の2〜3文にあるかを読む | 後ろにある結論を、冒頭へ移す |
| 自社の事実 | 自社で数えた数字や、実際に起きたことが書いてあるかを探す | 分母と測った日を添えて、事実を1つ足す |
| 比べられる形 | 条件や項目を並べた内容が、文章の中に埋もれていないかを見る | 行と列の言葉だけで意味が通じる表に直す |
| 余分な前置き | 答えに関係しない説明が、冒頭に続いていないかを読む | 質問に関係しない段落を、後ろへ回すか外す |
先に紹介した670回の実験でも、名前の差が決め手になったのは、比べる材料が無いときでした。
知名度で及ばない会社ほど、比べられる事実を文章と表で置いておく意味がある、と弊社は受け取っています。
この受け取りは弊社の読み方で、その実験が中小企業のページを調べたものではない点はお断りしておきます。
文章の組み立て方は、AIが引用しやすい文章の構造を書いた記事で詳しく扱っています。
記事で直せる原因③:読み込めるか・日付・構造
3つ目は、ページの入れ物の側です。
読み込めるかどうかは社名を入れた質問の節で扱ったので、ここでは日付と構造を中心に書きます。
海外の調査:日付・見出しの階層・構造化データと、引用に相関がありました
海外の調査によると、3つのAI検索が引用したページを16の観点で採点したとき、引用との相関が強かったのは次の3つでした。
| 観点 | 相関係数 | 中身 |
|---|---|---|
| 日付などの情報と鮮度 | 0.68 | 公開日や更新日が、人にも機械にも読める形で示されているか |
| 意味に沿った見出しの階層 | 0.65 | 見出しの大小が、内容のまとまりと合っているか |
| 構造化データ | 0.63 | ページの種類や日付を、機械向けの決まった書式で添えているか |
集めた引用は1,702件、採点したページは1,100で、英語の、法人向けソフトの分野に限った70問の結果です。
測ったのは相関で、因果は示されていません。
日付や構造を整えたページが引用されるようになったかどうかは、確かめられていないということです。
著者の2人は、AI検索での見え方を支援する企業の共同創業者でした。
採点の重みや測定の日付は論文に書かれておらず、外から確かめる手段がありません。
結果が著者の事業の方向と重なる点も含めて、点検の項目として借りるくらいの距離で読むのが安全です。
点検する所と、期待しすぎない所
| 点検する所 | 確かめ方 | 期待しすぎない所 |
|---|---|---|
| 日付 | 画面に出ている更新日が、実際に中身を直した日と合っているかを見る | 日付だけを新しくして引用されるかは、分かっていない |
| 見出しの階層 | 見出しだけを上から読み、話の順番が追えるかを見る | 見出しを整えただけで引用が増えるとは、示されていない |
| 構造化データ | 入れている場合、画面の内容と食い違っていないかを見る | 入れただけで引用されやすくなるとは、言えない |
| 読み込み | ページが開けて、本文が文字で読めるかを見る | 読めることは前提で、それだけで選ばれるわけではない |
右の列を先に読んでから、左の列の点検に進んでください。
構造化データについては、構造化データに期待できることと、できないことを書いた記事に分けてあります。
日付については、更新日の扱いを書いた記事で、中身を見直した日を書く進め方を扱いました。
3つの原因のうち、ここは最後に見ます。
質問とずれたページの日付や構造を整えても、ずれは残るためです。
記事の外で決まる部分
3つの原因を点検しても、それだけでは届かない部分があります。
AIが会社について答えるとき、根拠にするページは、その会社のサイトとは限りません。
ブランドの質問では、引用元の85.7%が第三者のサイトでした
海外の調査によると、AIがブランドについて答えたときの引用元は、URLが分かる13万1,514件のうち85.7%が第三者のサイトでした。
ブランド自身のサイトは14.3%です。
研究全体の対象は128のブランドで、この割合は、北欧とバルトの11の市場・12の言語で集めたデータから出ています。
日本語と日本の市場は、対象に入っていません。
著者は、AIでのブランドの見え方を分析する道具を開発する企業に所属していて、データはその企業が商用に集めたものです。
自社のサイトかどうかの判定も、ブランド名がアドレスに含まれるかで機械的に行われています。
通常の検索と比べても、AI検索は第三者の媒体に寄っていました
別の海外の研究では、1,000問の質問を米国とカナダで聞き、通常のGoogle検索と、検索機能つきのChatGPTの引用元を比べています。
第三者が書いた媒体の割合は、AI検索で約69〜92%、Google検索で約32〜54%でした。
質問は「上位10件」のような順位を求める形が中心で、データは2025年8月のものです。
引用元の種類の振り分けはAIが行い、査読を経た形跡は確認できていません。
第三者に取り上げられたからAIに選ばれた、という因果は、この研究の範囲の外にあります。
2つの研究から言えるのは、AIの答えの材料には自社サイトの外のページが多かった、という観察までです。
自社でできるのは、今ある掲載を確かめることです
記事の外の部分でも、確かめられることはあります。
業界団体の名簿や取引先の紹介ページなど、すでに自社が載っている場所を一覧にし、情報が古くなっていないかを読むことです。
進め方は、第三者のページへの掲載について書いた記事にまとめてあります。
作った口コミや、宣伝であることを隠した紹介は、ここで言う第三者の言及に当たりません。
避けたほうがよい施策は、やってはいけないLLMO対策をまとめた記事で確認できます。
引用元を読むと、原因の見当がつきます
ここまでの原因のうち、どれに当たるかを選ぶ材料は、AIの答えの下に並ぶ引用元にあります。
図の3番目の箱にあたる作業です。
引用元で見ること
社名を入れない質問を聞いたら、引用元を1件ずつ開いて、次の4つを書き留めます。
| 見ること | 書き留める内容 | 分かること |
|---|---|---|
| 誰のページか | 同業の会社、比較や紹介の媒体、公的な機関、のどれか | 自社サイトで届く質問か、外の掲載が関わる質問か |
| どの部分が使われたか | 答えの文に対応する段落や表 | AIが拾ったのが、定義か、手順か、数字か、条件か |
| 自社のページとの違い | 引用元にあって、自社のページに無い事実 | ずれなのか、中身なのか |
| 自社のページの有無 | 同じ質問に答えるページが、自社にあるかどうか | 直すのか、新しく書くのか |
4つとも、引用元のページを開かないと埋まりません。
答えの本文だけを読んで原因を決めると、誰のどんなページと比べられたのかが分からないままになります。
引用元の様子から、原因を1つ選びます
書き留めた内容から、次のように原因の見当をつけられます。
| 引用元の様子 | 見当をつける原因 | 次に読む節 |
|---|---|---|
| 同業の会社のページが並び、題と冒頭が質問の言葉どおりになっている | 質問とのずれ | 記事で直せる原因① |
| 同業の会社のページが並び、自社のページに無い事実や表がある | ページの中身 | 記事で直せる原因② |
| 自社にも同じ内容のページがあるのに、社名を入れても出ない | 読み込めるか、事実の置き方 | 社名を入れても出ないとき |
| 比較や紹介の媒体、公的な機関のページだけが並ぶ | 記事の外で決まる部分 | 記事の外で決まる部分 |
| その質問に答えるページが、自社に無い | 候補になるページが無い | 質問に答えるページを1本書く |
選ぶ原因は1つにします。
この表は弊社が切り分けの目安として組んだもので、研究がこの対応を確かめたものではありません。
見当が外れていたかどうかは、直したあとに同じ質問で聞き直して確かめます。
弊社がこの質問で読んだ引用元
先に書いたとおり、弊社がこの記事の質問をClaudeに2回聞くと、引用元は7件と10件でした。
2回とも出たページは5件で、残りは片方の回にだけ出ています。
同じ質問でも、引用元の顔ぶれは1回ごとに入れ替わっていました。
1回目の引用元だけを読んで原因を決めると、2回目には出てこないページと比べていた、ということが起こりえます。
引用元になったページの社名は、この記事には書きません。
読み方と記録の表の作り方は、AIの答えと引用元の読み方を書いた記事に詳しく載せました。
直したら、同じ質問で測り直します
原因を1つ選んで直したら、最初と同じ質問をもう一度聞きます。
数えるのは、聞いた回数のうち、自社の名前が出た回数と、自社のページが引用元に入った回数です。
1回の結果では決めません
AIの答えは、聞くたびに入れ替わります。
先に紹介した飲食店の調査では、同じ質問を同じAIに繰り返したとき、挙がる店の重なりは、AIによって0.22〜0.45でした。
1が完全に同じ、0がまったく重ならない、という指標です。
2週間後に聞き直しても重なりの度合いはほぼ同じで、論文は、答えを作るたびに生じる揺らぎだと解釈しています。
一方、102のブランドの調査では、同じ組み合わせを3回以上測ると、名前が出るかどうかはほぼ毎回同じ結果でした。
研究によって揺れ方の報告は違い、どちらも英語が中心です。
自社の質問でどのくらい揺れるかは、同じ質問を複数回聞いて、自社の記録として確かめるのが確実です。
そろえる条件
| 項目 | そろえること | 理由 |
|---|---|---|
| 質問文 | 一字一句、前回と同じ文にする | 言い回しが変わると、引用元の顔ぶれも変わる |
| AIの種類 | 前回と同じAIに聞く | AIによって、引用するページが違う |
| 回数 | 前回と同じ回数だけ聞く | 回数が違うと、出た回数を比べられない |
| 社名の有無 | 社名を入れた質問と入れない質問を、別の欄で数える | 混ぜると、どちらで変わったのかが分からない |
| 直した所 | 何を、いつ直したかを1行で書く | 結果と原因の見当を、あとで照らし合わせる |
直す所は、1回の測り直しにつき1か所にしておくと、何が関係したのかを読み取りやすくなります。
弊社は2026年10月2日に基準値を取り、11月1日ごろに、同じ質問を同じAIに同じ回数だけ聞く予定です。
まだ測り直していないので、この記事に書いた切り分けで結果が変わったかどうかは、いまの時点では分かりません。
測り方と記録の残し方は、引用されない記事の測り直しを書いた記事にまとめてあります。
続けて出なかった質問から直します
同じ条件で続けて聞き、どの回も出なかった質問が、次に直す候補です。
出たり出なかったりする質問は、すぐに書き直さず、回数を重ねて様子を見ます。
直した記事が増えるより、出なかった質問が減っていくほうを、進み具合の目安にします。
よくある質問
Q1. 記事の本数が少ないから、名前が出ないのですか
本数だけが原因だとは言えません。
弊社のメインサイトには1,008本の記事がありますが、社名を入れない11問で弊社のページが引用元に入ったのは22回中1回でした。
2026年10月2日に、Claudeへ2回ずつ聞いた結果です。
本数を足す前に、買い手の質問に答えるページがあるかどうかを確かめてください。
Q2. 社名を入れて聞いたら出ました。対策は足りていますか
社名を入れた質問で出ることと、社名を入れない質問で出ることは、別に確かめます。
海外の実験では、製品名を出した質問で99.4%と94.3%、名前を伏せた質問で3.32%と8.29%でした。
英語圏のスタートアップ112社を、2つのAIで調べた結果です。
買い手が社名を知らずに聞く質問でも、同じように試してみてください。
Q3. 知名度が無い会社は、AIに名前が出ないのですか
出ないと決まっているわけではありません。
102のブランドの調査で、知名度のいちばん低い段でも、社名を入れない質問の11.4%で名前が出ています。
論文は、知名度の差と名前の出方の関係を、因果の証明とは呼んでいません。
知名度は今日の作業で動かせないので、先に、質問とのずれ・ページの中身・読み込めるかの3つを点検します。
Q4. 構造化データを入れれば、名前が出るようになりますか
入れただけで出るようになる、とは言えません。
海外の調査で構造化データと引用に相関は出ていますが、英語の法人向けソフトの分野に限った観察で、因果は示されていません。
入れている場合は、画面の内容と食い違っていないかを確かめる所までにしてください。
Q5. 1回聞いて出ませんでした。すぐ書き直したほうがいいですか
1回の結果では書き直しません。
弊社がこの記事の質問を2回聞いたときも、引用元は7件と10件で、2回とも出たのは5件でした。
同じ質問を同じAIに同じ回数だけ聞き、続けて出なかった質問から、引用元を読んで原因を1つ選びます。
まとめ
AIに聞いても自社の名前が出ない原因は、社名を入れた質問と入れない質問に分けてから探します。
- 社名を入れても出ないときは、AIが読める所に自社の事実が文章で置かれているか、ページが読み込めるかを見る
- 弊社でも、社名を入れた2問で引用元に入ったのは4回中2回で、1問はAIが2回とも「情報が見つからなかった」と答えた(2026年10月2日、Claude)
- 社名を入れない質問で出ないことは、海外の研究でも報告されている。知名度の低い段のブランドで名前が出たのは11.4%だった(102ブランド、5つのAI、英語中心)
- 弊社のメインサイトは公開記事が1,008本あるが、社名を入れない11問では22回中1回だった
- 記事で直せる原因は、質問とのずれ・ページの中身・読み込めるかの3つ。海外の研究では、それぞれ62.2%・27.1%・10.1%だった(模擬の環境、英語圏中心)
- どれに当たるかは、AIの答えに付いた引用元のページを開いて読むと、見当がつく
- 原因を1つ選んで直したら、同じ質問を同じAIに同じ回数だけ聞く
海外の研究は英語と海外が中心で、日本語で同じ結果になる保証はありません。
この切り分けは、原因の候補を絞るための手順で、直せば名前が出ることを約束するものでもありません。
自社で進める場合の入口は、LLMO対策を自分でやる場合の記事にまとめました。
今日できる点検
道具を買わずに、今日のうちにできる点検を表にしました。
上から順に進めると、原因の候補が1つに絞れます。
点検の表
| 点検すること | やり方 | 結果の見方 |
|---|---|---|
| 社名を入れて聞く | 社名を入れた質問と、サービスの名前を入れた質問を、AIに2回ずつ聞く | 自社のページが引用元に入った回数を書く |
| 社名を入れずに聞く | 買い手が聞きそうな質問を1つ選び、同じAIに2回聞く | 自社の名前が出た回数と、引用元の件数を書く |
| 自社のページを読む | 会社概要とサービスのページを開き、説明が文章で書いてあるかを見る | 画像の中にしか無い説明を数える |
| 引用元を読む | 社名を入れない質問の引用元を、上から5件開く | 誰のページか、自社のページに無い事実は何かを書く |
| 冒頭を読む | 同じ質問に答える自社の記事があれば、冒頭の2〜3文だけを読む | 質問の答えになっているかを、はい・いいえで書く |
| 原因を1つ選ぶ | 質問とのずれ・ページの中身・読み込めるか・記事の外、から1つ選ぶ | 選んだ理由を1行で書く |
点検のあとにすること
6つの点検が終わると、社名を入れた質問の結果、入れない質問の結果、選んだ原因の3つが手元に残ります。
聞いた日、AIの種類、質問文、回数も、同じ表の端に書いておいてください。
直すのは、選んだ原因に当たる1か所からです。
翌月に同じ質問を同じ回数だけ聞くと、最初の記録と比べられるようになります。
答えるページが自社に無かった質問は、直す対象が無いので、その質問に冒頭で答えるページを1本書く所から始めます。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
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