屋根の上は、施主が自分の目で確かめられない場所です。
梯子をかけて登る人はまずいませんし、地上から見上げても、瓦のずれや板金の浮きはほとんど分かりません。
だから施主は、屋根の会社が言うことを、そのまま信じるか、まるごと疑うかのどちらかになりがちです。
この記事は、屋根工事や雨漏り修理を手がける会社の経営者の方に向けて書いています。
瓦、板金、スレートの葺き替えやカバー工法、雨樋、雨漏りの調査と修理を、地域で請け負っている会社が対象です。
外壁の塗り替えを中心にしている会社の話は外壁塗装の集客について書いた記事に、内装や水まわりまで広く手がける会社の話はリフォームの集客について書いた記事にまとめました。
この記事で扱うのは、屋根という「施主に見えない場所」を仕事にしている会社ならではの話です。
屋根の会社の集客には、ほかの住まいの工事にない難しさが1つあります。
施主が、仕事の出来を自分で確かめられないことです。
そのうえ、屋根は点検商法の入り口として、国民生活センターが何度も名前を挙げてきた場所でもあります。
まじめに仕事をしている会社ほど、この二重の壁にぶつかって、腕のよさが伝わらないまま終わっています。
この記事では、国民生活センターと消費者庁が公表している一次情報のうち、確かめられたものだけを使って、施主が何を警戒しているのかを整理します。
そのうえで、見えない屋根を施主に見せるためのページの作り方を、順番に書いていきます。
読み終えたときに、自社のサイトで最初に直す場所が1つ決まっている。
そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、施主の側からの相談
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿されたのは2022年の5月で、相談していたのは、屋根の工事を頼む施主の側でした。
経営者向けの記事で施主の相談を取り上げるのは、屋根の会社が向き合っている相手の本音が、短い文面にそのまま出ていたからです。
過去の手抜き工事で、業者を信じられなくなった
投稿者は、以前に屋根と外壁の塗装を頼んだとき、手抜きの工事をされて苦い思いをしたそうです。
次に工事を頼むときは失敗したくない。
けれど、何社かに見積もりを取って比べるだけでは、とても安心できないと書いていました。
工事の費用が大きいぶん、もう一度失敗するわけにはいかない。
良い業者を選ぶ方法はないか、という相談でした。
回答は、施主が自分で見張る方法に集まった
寄せられた回答は、どれも施主の側でできる自衛の方法でした。
ある回答者は、作業の様子をずっと見張っていればいい、と短く書いていました。
別の回答者は、悪質な業者を締め出すために業者を登録する制度を設けている市町村があるので、住んでいる自治体に問い合わせてみるよう勧めていました。
塗装と補修の知識を自分で身につけ、業者が正しく施工しているかを確かめるのがいちばん確実だ、という回答もありました。
ただしその回答者自身が、知識のない状態からでは何年かかっても正しい知識は身につかないかもしれない、と書き添えていました。
昔から看板を出し、宣伝の文句を並べず、近所の付き合いがよい店を選べ、という助言もありました。
屋根は、見張ることすらできない
回答の中身は、どれも一理あります。
ただ、屋根の工事に当てはめると、施主にできることはさらに限られます。
外壁なら、足場の外から職人の手元をのぞくこともできます。
屋根の上で何が行われているかは、施主が庭から見上げても分かりません。
下地の板が傷んでいたのか、防水の紙を張り替えたのか、釘を打ち直したのか。
施主が確かめられるのは、工事が終わったあとの見た目と、次の大雨で雨が漏るかどうかだけです。
この相談者が求めていたのは、業者の言葉をうのみにせずに済む「確かめる手段」でした。
その手段を、屋根の会社の側から先に渡しておく。
この記事が提案したいのは、そこからの集客です。
| 施主が考える自衛の方法 | 屋根の工事で起きること | 屋根の会社が先に渡せるもの |
|---|---|---|
| 作業をずっと見張る | 屋根の上は地上から見えない | 工程ごとの写真と、その日の作業の報告 |
| 何社かに見積もりを取る | 見積もりの項目がそろわず、比べられない | 項目の意味を説明した見積書の見本 |
| 自分で知識を身につける | 屋根の種類や下地の話は、すぐには覚えられない | 屋根の種類ごとの傷み方を説明したページ |
| 自治体の制度を調べる | 制度があるかどうかは地域で違う | 会社の所在、許可、加入している団体の明記 |
| 地元で長く続く店を選ぶ | 長く続いているかどうかが外から分からない | 創業の年、施工した地域、担当者の顔と名前 |
これは屋根の会社の9割が入り込む落とし穴です
問い合わせが少ないとき、屋根の会社の多くは「知られていないから」と考えます。
知られていないなら、知らせる量を増やせばいい。
そう考えてチラシを配り、紹介サイトに登録し、無料点検の案内を打ち出します。
ところが、知らせる量を増やしても、問い合わせの数はなかなか変わりません。
この記事で「9割」と書いたのは統計の数字ではありません。
住まいの工事に関わる会社の相談を受けていると、ほとんどの方が最初に「知らせる量」の話から始める、という実感を言葉にしたものです。
知らせるほど、警戒される業種がある
屋根の工事は、知らせる量を増やすほど警戒される、少し変わった業種です。
ポストに入った「無料で屋根を点検します」というチラシを見て、施主がまず思い浮かべるのは、テレビや自治体の広報で見た点検商法の話です。
案内の文面が熱心であるほど、「何か売りつけられるのではないか」という疑いが強くなります。
知らせる量を増やす前に、知らせた相手がその会社をどう受け取るかを考える必要があります。
施主が知りたいのは、会社の名前より確かめ方
施主が屋根の会社を探すとき、本当に知りたいのは会社の名前や実績の数ではありません。
この会社の言うことを、自分でどう確かめればいいのか。
工事が終わったあと、ちゃんと直ったと何で分かるのか。
この2つの問いに答えているページは、驚くほど少ないのが実情です。
施工事例の写真がきれいに並んでいても、それが確かめる手段になっていなければ、施主の不安は消えません。
屋根の工事は、人生で数回しか頼まない
施主にとって、屋根の工事は一生のうちに数回しか頼まない仕事です。
新築から何十年かたって初めて屋根の傷みに気づき、そのとき初めて屋根の会社を探します。
比べる経験がないので、見積もりの金額が高いのか安いのか、提案された工事が本当に必要なのかが判断できません。
経験のない施主が頼れるのは、ページに書かれた説明と、最初に話した担当者の受け答えだけです。
だから屋根の会社のサイトは、宣伝の場所である前に、施主が判断の物差しを手に入れる場所である必要があります。
| いまの状態 | 施主の側で起きていること | 先に手を打つ場所 |
|---|---|---|
| 無料点検を大きく打ち出している | 点検商法と同じ言葉に見えて警戒される | 点検のあとに何を渡すのかを書く |
| 施工事例の写真だけが並んでいる | 仕上がりは分かるが、確かめ方が分からない | 工事の途中の写真と、その説明を足す |
| 会社の自慢から始まっている | 自分の家の話がいつ出てくるのか分からない | 最初の画面に、施主の家で起きていることを書く |
| 問い合わせの窓口が電話だけ | 電話をかけた瞬間に売り込まれそうで怖い | 写真を送って相談できる窓口を用意する |
| 火災保険の案内を目立たせている | 「保険で無料」の勧誘と区別がつかない | 保険が使えるかを決めるのは保険会社だと書く |
屋根は、施主が自分の目で確かめられない場所
屋根の会社の集客を考えるとき、出発点にしたいのは「施主には屋根が見えない」という当たり前の事実です。
この事実が、施主の迷い方も、悪質な業者の付け入り方も、まじめな会社が損をする理由も、まとめて説明してくれます。
地上からは、傷みの大きさが分からない
2階建ての家の屋根は、庭や道路から見上げても、表面の一部しか見えません。
瓦が1枚ずれているのか、棟の下の土が崩れているのか、板金の釘が浮いているのか。
施主には、傷みがあるかどうかも、どれくらい急ぐべきかも分かりません。
分からないものについて「このままだと危ない」と言われたら、多くの人は反論できずに不安だけが残ります。
この「判断できない」状態こそが、施主が屋根の会社を選ぶときにいちばん困っていることです。
施主は屋根に上がれないし、上がらせたくもない
屋根に上がるには、梯子と、足元の勾配に慣れた体が要ります。
高齢の施主はもちろん、若い世代でも、自分で屋根に上がって確かめる人はまずいません。
一方で、見知らぬ人を屋根に上げることにも、施主は強い抵抗を感じます。
上がった人が何をしたのか、下からは見えないからです。
屋根の会社が「点検します」と言ったとき、施主の頭の中では「見てもらえるのはありがたい」と「上で何をされるか分からない」が同時に動いています。
雨漏りの原因は、水が見えた場所と違うところにある
雨漏りの修理を手がける会社なら、よく知っている話があります。
天井にしみが出た場所の真上に、穴があるとは限らないことです。
雨水は屋根の下で板や垂木を伝って流れ、入り口から離れた場所に出てくることがあります。
施主は「しみの真上を直せば止まる」と考えがちなので、原因を探す手間や、調べる日数の意味が伝わりにくいのです。
直したのに止まらなかったとき、施主はそれを手抜きだと受け取ります。
冒頭の相談者のように、一度でも苦い経験をした施主は、次の会社にも同じ目を向けます。
見えないから、工事の良し悪しが値段でしか比べられない
工事の中身が見えない施主は、比べる物差しを値段しか持っていません。
同じ「葺き替え」でも、古い屋根材をどこまで撤去するのか、下地の板を張り替えるのか、防水の紙は何を使うのかで、仕事はまるで違います。
それでも施主の目には、見積書の合計の数字だけが比べられるものとして映ります。
丁寧な仕事をする会社ほど見積もりが高く見え、手を抜く会社ほど安く見える。
見えないことが、そのまま腕のよい会社の不利になっています。
| 見えないこと | 施主の側で起きること | 屋根の会社が見せられるもの |
|---|---|---|
| 傷みの場所と大きさ | 急ぐべきかどうかが判断できない | 傷みの場所が分かる引きの写真と、近くで撮った写真 |
| 屋根の上での作業 | 上で何をされたか分からず不安になる | 作業の前と後を同じ位置から撮った写真 |
| 雨漏りの本当の原因 | しみの真上を直せば止まると思い込む | 水の通り道を調べる手順の説明 |
| 下地や防水の紙の状態 | 見積もりの違いが値段の違いにしか見えない | 撤去したときに出てきた下地の写真 |
| 工事のあとの状態 | 次の大雨まで、直ったかどうか分からない | 工事後の点検の約束と、その時期 |
数字で見る、屋根の工事に向けられた警戒
施主の警戒は、気分の問題ではありません。
国民生活センターが公表している相談の数字を見ると、屋根の工事がどれほど疑いの目で見られているかが分かります。
ここでは、一次資料で確かめられた数字だけを使います。
点検商法の相談の3件に1件以上が屋根の工事
国民生活センターは2023年10月11日に、屋根工事の点検商法について注意を呼びかける資料を公表しました。
それによると、全国の消費生活センター等に寄せられた屋根工事の点検商法の相談は、2018年度の923件から2022年度の2,885件へと、5年で約3倍に増えています。
点検商法の相談全体に占める屋根工事の割合も、2018年度の16.2%から、2022年度には35.4%まで上がりました。
点検商法の相談の3件に1件以上が、屋根の工事についてのものだったことになります。
資料は、契約した人の8割超が60歳以上だったとも書いています。
点検商法の相談は、その後も増え続けている
国民生活センターが2026年7月31日に更新した相談の傾向のページでは、点検商法全体の相談件数が年度ごとに示されています。
2023年度は12,550件、2024年度は19,249件、2025年度は19,696件でした。
屋根に限った数字ではありませんが、点検を口実にした勧誘への相談は、2年で1.5倍を超える水準まで増えたまま、高止まりしています。
同じページの最近の事例には、「屋根が浮き上がっているのが見えた。今日なら割り引く」と来訪した業者に言われて契約した、という相談が載っていました。
「保険金で直せる」という勧誘も、長く続いている
国民生活センターは2020年10月1日に、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスについても注意を呼びかけています。
資料によると、この種の相談は2019年度に2,684件で、2010年度の111件の約24倍でした。
資料には、事業者による勧誘や契約は「10月前後の秋台風シーズンに増加する傾向があり」と書かれています。
この記事を書いている10月の初めは、ちょうど施主の警戒がいちばん強くなる時期にあたります。
| 数字 | 資料の名前 | 屋根の会社にとっての意味 |
|---|---|---|
| 屋根工事の点検商法の相談 2,885件(2022年度) | 国民生活センター 2023年10月11日公表の資料 | 2018年度の約3倍。施主の警戒は年々強まっている |
| 点検商法の相談に占める屋根工事の割合 35.4%(2022年度) | 同上 | 点検商法といえば屋根、と受け取られやすい |
| 契約した人の8割超が60歳以上 | 同上 | 子どもの世代が、親の家の屋根を心配して調べている |
| 点検商法の相談 19,696件(2025年度) | 国民生活センター 相談の傾向のページ(2026年7月31日更新) | 2023年度の12,550件から1.5倍を超えた |
| 保険金が使えると勧誘する住宅修理の相談 2,684件(2019年度) | 国民生活センター 2020年10月1日公表の資料 | 2010年度の約24倍。保険の話は疑われやすい |
まじめな屋根の会社まで、同じ目で見られる構造
点検商法の業者と、地域で長く仕事をしている屋根の会社は、まったく別のものです。
ところが施主の側からは、両者の見分けがつきにくい構造になっています。
悪質な業者が使う言葉と、まじめな会社の言葉が似ている
国民生活センターの2023年の資料は、点検商法の典型的な勧誘の言葉を紹介しています。
突然訪ねてきて「近所で行う工事の挨拶に来た」と言い、「屋根瓦がずれているため点検してあげる」と持ちかける。
点検のあとには「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」と不安をあおって、契約を迫る、という流れです。
困ったことに、「無料で点検します」「瓦がずれています」「早めに直したほうがいい」という言葉は、まじめな屋根の会社も日常的に使います。
同じ言葉を使っている以上、施主は言葉だけで両者を見分けることができません。
写真を見せることさえ、疑いの種になっている
同じ資料には、ドローンで撮影したという写真を見せられて契約したが解約したい、という相談事例も載っています。
屋根の写真を見せることは、本来なら施主に屋根を見せる誠実な方法です。
けれど、どこの家の、いつの写真なのかが分からなければ、写真はかえって疑いの材料になります。
写真を見せるだけでは足りず、その写真が「確かに自分の家の屋根だ」と施主が納得できる見せ方が要る、ということです。
施主の家族が、親の家の屋根を調べている
点検商法の相談で契約した人の多くが60歳以上だったという数字には、もう1つの意味があります。
親が勧誘を受けたあと、子どもの世代が慌てて屋根の会社を調べ直している、という場面が増えているのです。
離れて暮らす子どもは、親の家の屋根を見に行くことも簡単ではありません。
その人たちがスマートフォンで開くのが、地域の屋根の会社のページです。
親を守りたい家族の目で読まれたとき、ページに「確かめる手段」が書かれているかどうかで、相談先として残るかどうかが決まります。
| 施主が見分けたいこと | 悪質な業者で起きがちなこと | まじめな会社がページに書けること |
|---|---|---|
| 訪ねてきた理由 | 近所の工事を口実にするが、実際は工事がない | 自社から突然訪問はしないと書く |
| 傷みが本当にあるか | 誰の家か分からない写真を見せる | 家の外観から屋根の位置まで続けて撮ると書く |
| 急ぐ必要があるか | 「今日なら割り引く」と決断を迫る | 急がなくてよい場合と、急いだほうがよい場合を分けて書く |
| 保険が使えるか | 「保険で自己負担なし」と言い切る | 保険金が出るかは保険会社が決めると書く |
| 契約のあとに何があるか | 次々と別の工事を勧める | 工事のあとの点検の時期と中身を書く |
問い合わせが来ないときに、屋根の会社がやりがちな打ち手
問い合わせが減ってくると、屋根の会社の多くが同じような打ち手を試します。
どれも一度は試す価値がありますが、施主に見えない屋根を見せる工夫がないまま続けると、警戒を強めるだけで終わることがあります。
ここでは、よく見かける打ち手と、その先で起きがちなことを順番に見ていきます。
「無料点検」を大きく打ち出す
チラシやページの最初の画面に、「屋根の無料点検受付中」と大きく書く。
屋根の会社にとって点検は仕事の入り口なので、自然な発想です。
ただ、施主の目には、国民生活センターが注意を呼びかけている点検商法と同じ言葉に見えます。
無料点検という言葉そのものが悪いわけではありません。
問題は、点検のあとに何が起きるのかが書かれていないことです。
点検の結果をどんな形で渡すのか、その場で契約を求めないのか、直す必要がないと分かったらどう伝えるのか。
そこが書かれていれば、同じ「無料点検」でも、施主の受け取り方はまるで変わります。
「火災保険で直せます」を前面に出す
台風や大雪のあとに、「火災保険を使って屋根の修理ができます」と案内する。
実際に保険金で直せる被害もあるので、施主の役に立つ情報ではあります。
けれど、国民生活センターの2020年の資料が取り上げたのは、まさに「火災保険を使って自己負担なく住宅の修理ができる」という勧誘でした。
保険の話を目立たせるほど、施主は「その手の業者ではないか」と身構えます。
しかも、保険金が出るかどうかを決めるのは保険会社であって、屋根の会社には決められません。
出なかったときに施主の失望を受け止めるのは、案内を出した会社の側です。
施工事例の写真を、仕上がりだけ並べる
新しく葺き替えた屋根の、きれいな仕上がりの写真をずらりと並べる。
施工事例があること自体は、会社の実績を示すうえで欠かせません。
ただ、仕上がりの写真は、どの会社の事例でも似たように見えます。
施主が知りたいのは、仕上がりより、古い屋根をはがしたときに何が出てきて、それをどう直したかです。
仕上がりだけが並んだページでは、見えない部分の仕事ぶりが何も伝わりません。
紹介サイトや一括見積もりに頼り切る
屋根の工事や雨漏り修理の紹介サイトに登録して、そこから来る依頼に頼る。
自社のサイトが弱いうちは、施主の目に触れる機会を増やす手段になります。
ただ、紹介サイトの上では、施主は何社かを横に並べて比べます。
見えない工事を値段で比べられる場所に出ていくと、丁寧な仕事をする会社ほど高く見えてしまいます。
手数料の負担もあり、件数が増えるほど1件あたりの手元に残る分は減っていきます。
ドローン点検を売りにする
ドローンで屋根を撮影して点検します、と新しい設備を打ち出す。
屋根に上がらずに全体を撮れるので、施主にとっても安全で、見せる手段として優れています。
ただ、先に触れたとおり、国民生活センターの資料にはドローンで撮影したという写真を見せられて契約した、という相談事例が載っています。
設備が新しいことは、それだけでは信用の理由になりません。
撮った写真を施主にどう渡し、どう確かめてもらうかまで書いて、初めて設備が生きてきます。
値引きと「今だけ」の案内を打つ
「今月中のご契約で工事代を割り引きます」と期限つきの値引きを打ち出す。
決断を後押しするつもりの案内ですが、屋根の工事では逆効果になりがちです。
国民生活センターの相談事例には、「今日なら割り引く」と言われて契約した、という声が載っていました。
期限を切って決断を迫る言葉は、施主にとって点検商法の典型的な合図です。
| よくある打ち手 | その先で起きがちなこと | 先にしておくこと |
|---|---|---|
| 無料点検を大きく打ち出す | 点検商法と同じ言葉に見えて警戒される | 点検のあとに渡すものと、契約を求めないことを書く |
| 火災保険で直せると前面に出す | 保険で無料の勧誘と区別がつかない | 保険金の判断は保険会社がすると書く |
| 仕上がりの写真だけを並べる | 見えない部分の仕事ぶりが伝わらない | 撤去したときの下地の写真と説明を足す |
| 紹介サイトに頼り切る | 値段で比べられ、手元に残る分が減る | 自社のページで確かめ方を見せる |
| ドローン点検を売りにする | 設備だけでは信用の理由にならない | 撮った写真の渡し方を書く |
| 期限つきの値引きを打つ | 決断を迫る合図に見える | 急がなくてよい場合を先に書く |
雨漏りで探す人と、点検で探す人は別の人
屋根の会社のページを開く人は、主に3種類に分かれます。
この3種類の人は、探している情報も、ページを読む余裕もまるで違います。
1つのページで全員に向けて書こうとすると、どちらにも届かない文面になります。
雨漏りで探す人は、今夜の雨が心配で急いでいる
天井にしみが出た、窓のまわりから水が垂れてきた、という人は、いま困っています。
夜中にスマートフォンで「雨漏り 修理」と調べ、すぐに来てくれる会社を探しています。
この人がページで最初に確かめたいのは、いつ来てもらえるのか、今夜の雨をしのぐ応急の手当てをしてもらえるのか、という2点です。
会社の歴史や屋根材の種類の説明は、この人にとっては後回しの情報です。
ただし、急いでいる人ほど、点検商法の業者に捕まりやすいことも事実です。
だから雨漏りの人に向けたページには、急ぎの対応と同じくらい、「応急の手当てと本格的な修理は分けて相談できる」という一文が効きます。
点検で探す人は、急いでいないが迷っている
一方で、雨は漏っていないけれど屋根が気になる、という人もいます。
築年数が30年を超えた、近所の家が屋根を直していた、台風のあとに瓦が落ちているのを見つけた。
この人は急いでいませんが、本当に工事が必要なのか、誰に見てもらえばいいのかで迷っています。
この人に向けたページで効くのは、屋根の種類と築年数ごとの、傷み方と点検の目安です。
「まだ直さなくていい」と言ってもらえる会社かどうかを、この人は確かめようとしています。
親の家の屋根を心配する人は、離れた場所から調べている
もう1種類、親の家の屋根を心配している子どもの世代がいます。
親が訪問の業者に点検を持ちかけられた、親から「屋根を直さないといけないらしい」と電話があった。
この人は、親の家の近くの会社を、離れた場所から探しています。
確かめたいのは、親に代わって話を聞いてもらえるか、写真や報告を自分にも送ってもらえるか、という点です。
家族が同席できる日に合わせて点検してもらえるかどうかも、この人にとっては大事な条件になります。
| ページを開く人 | その人がいちばん知りたいこと | ページに置いておく情報 |
|---|---|---|
| 雨漏りで急いでいる人 | いつ来てもらえるか、今夜をしのげるか | 受付の時間、応急の手当ての流れ、本格的な修理と分けて相談できること |
| 屋根が気になって迷っている人 | 本当に工事が必要か | 屋根の種類と築年数ごとの点検の目安、直さなくてよい場合 |
| 台風のあとに被害を見つけた人 | 保険が使えるのか、どこに相談すればいいか | 保険会社への連絡の順番、被害の写真の撮り方 |
| 親の家を心配する家族 | 親に代わって相談できるか | 家族の同席、報告の送り先、遠方からの相談の流れ |
| 訪問の業者に点検を勧められた人 | 言われたことが本当か | 写真を送って意見を聞ける窓口、その場で契約しなくてよいこと |
「売れるサイトはみな謙虚」を屋根の会社に当てはめる
ここまでの話をまとめると、問い合わせが伸びない屋根の会社のサイトには共通点があります。
会社の腕や設備のことは書いてあるのに、施主が「自分で確かめる手段」が書かれていない、という点です。
私たちは、この状態を直す考え方を「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。
主役は、屋根を見られない施主の側にいる
謙虚なサイトでは、主役は屋根の会社でも、職人の腕でもありません。
主役は、家族の暮らす家を雨から守りたいのに、屋根の上を自分では確かめられない施主です。
屋根の会社は、その施主に屋根の上の様子を見せ、判断を手伝う案内役として登場します。
創業の年や施工の件数を最初に並べるサイトは、主役の座を会社の側に置いています。
施主が知りたいのは、会社の立派さより、自分の家の屋根でいま何が起きているかです。
謙虚さは、屋根の会社では「見せる」ことに表れる
謙虚という言葉から、控えめな言い回しや丁寧な言葉づかいを思い浮かべる方は多いと思います。
屋根の会社の場合、謙虚さがいちばんはっきり表れるのは、言葉づかいより「見せ方」です。
施主に見えない屋根の上を、施主が自分で確かめられる形で渡す。
「私たちを信じてください」と書く代わりに、「信じなくても確かめられるようにしておきます」と書く。
信用を求める会社より、確かめる手段を渡す会社のほうが、結果として信用されます。
自慢を引き算すると、施主の不安が見えてくる
自社のページから、自慢の言葉をいったん引き算してみてください。
地域で一番、職人歴何十年、最新の設備、といった言葉を外すと、ページには何が残るでしょうか。
多くの場合、施主が知りたい「確かめ方」は、もともとほとんど書かれていなかったことに気づきます。
空いた場所に、施主の不安を1つずつ書き出し、それに答える情報を置いていく。
この順番でページを組み直すと、同じ内容でも読まれ方が変わります。
| 自慢の言葉 | 施主にとっての問題 | 置き換える情報 |
|---|---|---|
| 地域で一番の施工実績 | 自分の家と関係があるか分からない | 施工した地域と、屋根の種類ごとの事例 |
| 職人歴何十年のベテラン | 誰が屋根に上がるのか分からない | 点検に来る人の顔と名前、話し方 |
| 最新の設備で点検 | 設備があっても確かめ方が分からない | 撮った写真の渡し方と、報告書の見本 |
| 安心の保証つき | 何がどこまで保証されるか分からない | 保証の範囲と期間、工事のあとの点検の時期 |
| お客様満足度が高い | 何をもって満足なのか分からない | 許可を得たお客様の声と、その方の屋根の状態 |
見えない屋根を、点検報告の見本で先に見せる
施主に屋根を見せるいちばん確かな方法は、点検の報告書です。
そして集客の面で効くのは、報告書を点検のあとに渡すだけでなく、その見本をページに載せておくことです。
施主は問い合わせる前に、この会社に頼むと何が手元に届くのかを確かめられます。
家の外観から、傷みの場所まで続けて撮る
写真を見せることさえ疑われる時代に、施主が納得できる写真には条件があります。
その写真が、確かに自分の家の屋根だと分かることです。
報告書の最初には、家の外観を道路から撮った写真を置きます。
次に屋根全体、その次に傷みのある面、最後に傷みの近くの写真、と順に寄っていきます。
外観から傷みまでが1本の道でつながっていれば、施主は「これはうちの屋根だ」と自分で確かめられます。
ページに載せる見本でも、この並べ方をそのまま見せておきます。
傷みごとに「急ぐ」「様子を見る」「直さなくてよい」を分ける
報告書には、見つかった傷みを並べるだけでなく、それぞれの急ぎ具合を書きます。
雨漏りにつながるので早めに直したほうがよいもの、数年は様子を見てよいもの、直さなくてよいもの。
この3つの分け方があるだけで、施主は「全部直せと言われるのではないか」という不安から解放されます。
とくに「直さなくてよい」という欄があることは、点検商法の業者との違いをいちばんはっきり示します。
ページの見本でも、「直さなくてよい」の欄に実際に何かが書かれている例を見せておくと効果があります。
報告書は、家族にも送れる形にする
報告書は、紙で手渡すだけでなく、施主の家族にも送れる形で用意します。
先に触れたように、屋根の相談では、離れて暮らす子どもの世代が判断に加わることがよくあります。
写真と説明が1つのファイルにまとまっていれば、施主はそれを家族に送って、一緒に考えられます。
家族が納得したうえで決まった工事は、あとから揉めることも少なくなります。
報告書の見本を載せたページの置き場所
報告書の見本は、点検の案内のページの中に置くのが基本です。
雨漏りの修理の案内のページにも、同じ見本へのリンクを置いておきます。
最初の画面に「点検のあとは、写真つきの報告書をお渡しします」と1行書き、その下に見本の写真を1枚並べるだけでも、ページの印象は大きく変わります。
ここまでの話を、施主が屋根の会社に依頼するまでの流れとして図にまとめました。
報告書の見本で中身を確かめられた施主は、問い合わせの段階ですでに会社を信用し始めています。
点検の当日に初めて会う担当者にも、身構えずに接してもらえます。
| 報告書に入れるもの | 書く中身 | 施主がそれで確かめられること |
|---|---|---|
| 家の外観の写真 | 道路から撮った家の全体 | 自分の家の報告書であること |
| 屋根全体と傷みの面の写真 | 屋根のどの面か分かる引きの写真 | 傷みの場所が屋根のどこか |
| 傷みの近くの写真 | 割れ、ずれ、浮き、さびの様子 | 傷みの大きさ |
| 急ぎ具合の分け方 | 急ぐ、様子を見る、直さなくてよい | 全部を今すぐ直す必要はないこと |
| 直す方法の選択肢 | 部分の補修、カバー工法、葺き替えの違い | 自分の家に合う直し方を選べること |
| 点検した人の名前と日付 | 誰が、いつ上がったか | 責任をもって見てもらったこと |
屋根に上がる前の約束を、ページに書いておく
施主が点検をためらう理由の1つは、屋根の上で何をされるか分からないことでした。
この不安には、点検の前の約束をページに書いておくことで答えられます。
自社からは突然訪問しないと書く
国民生活センターの2023年の資料は、消費者へのアドバイスとして「突然訪問してきた業者には安易に点検させないようにしましょう」と書いています。
まじめな屋根の会社にとって、これは味方になる助言です。
自社から突然訪ねることはしない、点検はお客様から依頼をいただいてから伺う、とページに書いておきます。
施主はその一文で、訪問の業者と自社を見分けられるようになります。
もし自社が近所の工事のあいさつに回ることがあるなら、あいさつのときに点検を持ちかけないことも書いておきます。
その場で契約を求めないと書く
同じ資料には、「屋根工事はすぐに契約せず、十分に検討したうえで契約しましょう」というアドバイスもあります。
これも、まじめな会社がそのままページに書ける約束です。
点検の当日に契約のお願いはしない、見積もりは報告書と一緒に後日お渡しする、家族と相談してから決めてほしい。
ここまで書いてある会社は、施主から見て「急がせない会社」として記憶に残ります。
上がる前に、上がる場所と時間を伝えると書く
点検の当日に、屋根のどこに上がり、何分くらいかかり、何を撮るのかを先に伝える、とページに書きます。
施主が希望すれば、上がる前に梯子をかける場所を一緒に確かめることもできます。
屋根に上がらずにドローンや長い棒の先のカメラで撮る方法を使うなら、その方法を選ぶ理由も書いておきます。
上で何をするかが先に分かっていれば、施主は「上で何をされるか分からない」という不安を持たずに済みます。
| 施主の不安 | ページに書く約束 | 施主がそれで安心できること |
|---|---|---|
| 突然の訪問は怪しい | 自社から突然訪問はしない | 訪問の業者と見分けられる |
| その場で契約させられそう | 点検の当日に契約を求めない | 家族と相談する時間がある |
| 上で何をされるか分からない | 上がる場所と時間を先に伝える | 点検の中身が分かる |
| 屋根を壊されないか心配 | 写真で上がる前と後の状態を残す | 点検で傷が増えていないと確かめられる |
| 断りにくい | 工事をしなくても報告書は渡す | 気兼ねなく点検を頼める |
火災保険の話は、保険会社が決めると書く
屋根の会社にとって、火災保険の話は避けて通れません。
台風や大雪で屋根が壊れたとき、保険金で直せる場合があるのは事実だからです。
問題は、その伝え方が、国民生活センターが注意を呼びかけている勧誘とそっくりになりやすいことです。
「保険で無料」と書かない
ページに「火災保険で自己負担なし」「保険を使えば無料で直せます」と書くのはやめます。
保険金が出るかどうか、いくら出るかを決めるのは保険会社で、屋根の会社にはその約束ができないからです。
約束できないことを書けば、出なかったときに信用を失うのは会社の側です。
保険会社への連絡の順番を書く
代わりに書くのは、被害に気づいた施主が何をどの順番ですればいいかです。
国民生活センターの2020年の資料も、消費者へのアドバイスとして「加入先の保険会社や保険代理店に相談しましょう」と書いています。
まず加入している保険会社か代理店に連絡する、被害の写真を撮っておく、修理の見積もりが必要と言われたら依頼する。
屋根の会社は、その流れの中で、見積もりと被害の写真を用意する役を担います。
この順番をページに書いておけば、施主は自分で保険会社と話を進められ、会社は余計な疑いを受けずに済みます。
保険の手続きを代わりに引き受けると書かない
保険の申請を代わりに行う、申請の手数料をいただく、といった案内は、屋根の会社のページには載せないほうが安全です。
国民生活センターの資料には、高額な手数料や解約のときの違約金の説明が不十分だった、という問題点が挙げられています。
屋根の会社が担うのは、工事の見積もりと、被害の状態を正しく伝える写真までにとどめます。
| 書きがちな言葉 | 施主にどう見えるか | 置き換える書き方 |
|---|---|---|
| 火災保険で自己負担なし | 保険を口実にした勧誘に見える | 保険金の判断は保険会社がします |
| 保険が使えるか無料で調べます | 調べたあとに契約を迫られそう | 被害の写真と見積もりをご用意します |
| 申請はすべてお任せください | 手数料や違約金がありそう | まず加入先の保険会社へご連絡ください |
| 経年劣化でも使えることがあります | 何でも保険で直せると言っているように見える | 台風や雪などの被害かどうかは保険会社が確かめます |
雨漏り修理のページは、原因の探し方から書く
雨漏りの修理を手がける会社なら、雨漏りのページは点検のページとは別に作ります。
急いでいる施主に向けたページなので、書く順番が変わります。
最初の画面には、受付の時間と応急の手当てを書く
雨漏りのページを開いた人がまず知りたいのは、いつ来てもらえるかです。
最初の画面には、受付の時間と、連絡してから伺うまでのおおよその日数を書きます。
そのすぐ下に、伺うまでの間に施主ができる応急の手当てを書いておきます。
バケツや雑巾の置き方、天井から水が垂れるときに電気の器具を避けること、屋根には上がらないこと。
会社に連絡する前から役に立つ情報があるだけで、施主は「この会社は自分のことを考えてくれている」と感じます。
原因を探す手順と、かかる日数を書く
雨漏りの修理で施主の不満がいちばん生まれやすいのは、直したのに止まらなかったときです。
その不満を減らすには、原因を探す手順を先にページで説明しておくことです。
しみの場所と屋根の形から水の入り口の見当をつける、屋根や外壁に水をかけて漏れる場所を確かめる、天井裏をのぞいて水の通り道を追う。
原因によっては、1回の調査で特定できず、何度か雨を待って確かめる場合があることも、正直に書いておきます。
調べる手間と日数の意味が先に伝わっていれば、施主は時間がかかることを手抜きと受け取りません。
直らなかったときにどうするかを書く
雨漏りの修理では、直らなかったときの約束を書いている会社はまだ多くありません。
修理のあとに同じ場所から漏れたら、いつまで、どんな形で対応するのかを書きます。
この約束があるだけで、施主は「直らなかったら、また別の会社を探さなければならない」という不安から解放されます。
冒頭の相談者のように、一度苦い経験をした施主にとっては、ここがいちばん知りたいところかもしれません。
| 雨漏りのページに置くこと | 書く中身 | 施主がそれで決められること |
|---|---|---|
| 受付の時間 | 電話や写真での相談を受ける時間帯 | 今夜のうちに連絡できるか |
| 伺うまでの日数 | 連絡してから伺うまでのおおよその日数 | ほかの会社と比べて待てるか |
| 応急の手当て | 伺うまでの間に施主ができること | 今夜をどうしのぐか |
| 原因を探す手順 | 水をかける調査、天井裏の確認、雨を待つ場合 | 修理の前に時間がかかる理由 |
| 直らなかったときの約束 | 再発したときの対応の期間と中身 | もう一度失敗しないか |
台風や大雪のあとに開かれるページを、先に用意しておく
屋根の会社への相談は、台風や大雪のあとに一気に増えます。
国民生活センターの資料が示すとおり、保険金を口実にした勧誘が増えるのも、秋の台風の時期でした。
被害が出てからページを作っていては間に合わないので、季節の前に用意しておきます。
被害に気づいたときの手順を、1ページにまとめる
台風のあとに屋根の被害に気づいた施主に向けて、やることの順番を1ページにまとめます。
屋根には上がらず、地上から被害の写真を撮る。
加入している保険会社か代理店に連絡する。
突然訪ねてきた業者に、その場で点検や契約を任せない。
この順番を書いたページは、施主の役に立つだけでなく、勧誘の業者から施主を守る盾にもなります。
混み合う時期の受け方を、正直に書く
台風のあとは、どの屋根の会社も依頼が重なって、すぐには伺えない時期があります。
そのときに、伺える目安の日数と、それまでの応急の手当てをページに書いておきます。
すぐに来られないことを隠すより、正直に書いたほうが、待ってでも頼みたいという施主が残ります。
急かされずに待てる会社だと分かれば、施主は勧誘の業者に飛びつかずに済みます。
会社の状況によって変わるところ
ここまでの話は、どの屋根の会社にも当てはまるように書いてきました。
ただ、会社の規模や仕事の取り方によって、最初に手をつける場所は変わります。
下請けの仕事が中心の会社
工務店やリフォーム会社の下請けが中心の会社は、まず雨漏りのページから始めるのが向いています。
雨漏りは、施主が会社の名前を知らなくても検索して探す仕事だからです。
元請けの会社との関係を急に切る必要はありません。
自社のページで直接の相談を少しずつ受けながら、下請けの仕事と並べて育てていけば十分です。
職人が少人数の会社
職人が2人か3人の会社は、点検に来る人の顔と名前を出しやすいという強みがあります。
大きな会社のページでは、誰が屋根に上がるのかが分かりにくいものです。
「点検に伺うのは、この2人のどちらかです」と書けるのは、少人数の会社ならではの安心材料です。
瓦、板金、スレートで得意が分かれる会社
屋根の会社には、瓦が得意な会社、板金が得意な会社、スレートの葺き替えやカバー工法が得意な会社があります。
得意な屋根材があるなら、その屋根材の傷み方と点検の目安を書いたページを最初に作ります。
自分の家の屋根材の名前で探している施主に、まっすぐ届くからです。
| 会社の状況 | 最初に手をつけるページ | そのページで伝えること |
|---|---|---|
| 下請けが中心 | 雨漏りの修理のページ | 受付の時間、原因の探し方、直らなかったときの約束 |
| 職人が少人数 | 点検の案内のページ | 点検に来る人の顔と名前、報告書の見本 |
| 瓦が得意 | 瓦屋根の傷み方のページ | ずれ、割れ、棟の崩れの見分け方と急ぎ具合 |
| 板金が得意 | 金属の屋根の傷み方のページ | さび、浮き、釘の抜けの見分け方と急ぎ具合 |
| 台風の多い地域 | 被害に気づいたときの手順のページ | 保険会社への連絡の順番と、勧誘への注意 |
よくある質問
Q. 無料点検の案内は、やめたほうがいいですか?
やめる必要はありません。
点検のあとに写真つきの報告書を渡すこと、その場で契約を求めないこと、工事をしなくても報告書は渡すことを、案内と一緒に書いてください。
点検のあとに起きることが見えていれば、無料点検は施主にとって頼みやすい入り口になります。
Q. 「直さなくてよい」と書くと、仕事が減りませんか?
短い目で見れば、その場で決まる工事は減るかもしれません。
けれど、直さなくてよいと言ってもらえた施主は、本当に直す時期が来たときに、その会社へ戻ってきます。
近所や家族に紹介してもらえるのも、急がせなかった会社のほうです。
Q. 報告書の見本には、実際のお客様の屋根を使ってもいいですか?
使う場合は、必ずお客様の許可をいただいてください。
家の外観の写真は、住所や表札、車のナンバーが写らないように撮り直すか、隠して載せます。
許可が取れないうちは、自社の倉庫の屋根や、社員の家の屋根で見本を作るのも1つの方法です。
Q. 火災保険の相談を受けたら、どう答えればいいですか?
まず加入している保険会社か代理店に連絡するよう、施主に伝えてください。
屋根の会社が用意するのは、保険会社に求められたときの修理の見積もりと、被害の状態が分かる写真です。
保険金が出るかどうかを、会社の側から約束しないことが大切です。
Q. ホームページを作り直さないと、この話は実行できませんか?
作り直す必要はありません。
いまのページの最初の画面に1行足し、報告書の見本を1枚載せるところから始められます。
雨漏りのページや台風のあとのページは、あとから1ページずつ足していけば十分です。
まとめ
屋根は、施主が自分の目で確かめられない場所です。
そのうえ、国民生活センターの資料によると、2022年度には点検商法の相談の35.4%が屋根の工事についてのものでした。
施主は屋根の会社を、最初から疑いの目で見ています。
その疑いを解く近道は、施主が自分で確かめられる手段を、問い合わせの前に渡しておくことです。
家の外観から傷みまで続けて撮った報告書の見本、屋根に上がる前の約束、保険の判断は保険会社がすると書いた案内。
会社を主役にするのをやめ、屋根を見られない施主を主役にして、会社はその判断を手伝う案内役として登場する。
その考え方を、私たちは「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。
今日できる点検
最後に、今日のうちに自社のサイトで確かめられることを表にまとめました。
全部を一度に直す必要はありません。
いちばん気になった1か所から始めてください。
| 点検する場所 | 確かめること | 直すときの方向 |
|---|---|---|
| トップページの最初の画面 | 施主の家で起きていることから始まっているか | 点検のあとに報告書を渡すことを1行書く |
| 点検の案内 | 点検のあとに何が起きるかが書いてあるか | 契約を求めないことと、報告書の見本を載せる |
| 報告書の見本 | 外観から傷みまで続けて写真が並んでいるか | 道路からの外観の写真を最初に置く |
| 急ぎ具合の分け方 | 「直さなくてよい」の欄があるか | 急ぐ、様子を見る、直さなくてよいに分ける |
| 訪問についての約束 | 自社から突然訪問しないと書いてあるか | 点検は依頼をいただいてから伺うと書く |
| 火災保険の案内 | 「保険で無料」と書いていないか | 保険金の判断は保険会社がすると書き直す |
| 雨漏りのページ | 原因の探し方と、直らなかったときの約束があるか | 調査の手順と再発のときの対応を書く |
点検してみて、どこから手をつければいいか迷ったときは、報告書の見本を1枚載せるところから始めてください。
施主に見えない屋根を見せる、いちばん短い道だからです。
台風の季節が終わる前に、自社のページを、親の家の屋根を心配する家族の目で上から読んでみてください。
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