LLMO対策でやってはいけない施策は、隠し文字や指示文の埋め込み、第三者を装った口コミやランキング、AIで大量に書いて一気に公開することの3つが筆頭です。
これに、llms.txtや構造化データを「入れれば引用される」として買うこと、日付だけの更新、順位だけを追うこと、表示を保証する提案に乗ることなどを加えて、この記事では10個を扱います。
10個は、効果が確かめられていないもの、見破られるもの、規約や法律に触れうるものの3つに分かれます。
どれも実際に提案書や見積書に載っている施策なので、1つずつ、研究と公式見解に照らして確かめました。
結論:やってはいけないLLMO対策は10個あり、理由は3種類に分かれます
先に全体を表で示します。
右端の列は、同じ時間と費用を何に回すかです。
10個の施策と、やらない理由、代わりにやること
| 施策 | なぜやらないか | 代わりにやること |
|---|---|---|
| 1 AI向けの隠し文字や指示文を埋め込む | 回答まで届く割合が低く、Googleのスパムポリシーが隠しテキストを違反としている | 伝えたい内容を、読者にも見える本文に書く |
| 2 AI向けに形だけ整えたページを作る | 整えただけのページは、海外の研究でF1値0.944の精度で検出された | 社内の人から事実と数字を聞き取って書く |
| 3 llms.txtを置けば引用されると考える | 公開されたファイルの97%で、月内のアクセスが0件だった | 自社の事実を、通常のページの上でそろえる |
| 4 自作の「おすすめ◯選」で自社を1位にする | AIは第三者の媒体を引用しやすく、第三者を装えばステマ規制の対象になりうる | 自社サイトの外に、実在の言及を作る |
| 5 作文の口コミや、第三者を装った投稿をする | 検出する研究が出ており、ステマ規制の対象になりうる | 実在のお客様に、掲載の許可をいただく |
| 6 AIで大量に書いて一気に公開する | 付加価値のないページの量産は、Googleのスパムポリシーが違反としている | 質問を決め、一次情報のある記事を毎月書く |
| 7 内容を変えずに日付だけ更新する | 実際のAI検索で効くことを確かめた研究が見つかっていない | 中身を見直し、見直した日を書く |
| 8 構造化データを入れれば引用されると考える | Googleが、特別な構造化データは無いと公式文書に書いている | 通常の検索のために使い、本文の事実をそろえる |
| 9 検索順位だけを追う | AIの引用元のうち、検索10位以内のページは37.9%だった | AIに質問して、答えと出典を記録する |
| 10 「必ず表示させます」という提案を受ける | 同じ質問でも、答えと出典は日によって入れ替わる | 作業の内容と測り方を、書面で確かめる |
表の「代わりにやること」は、LLMO対策のやり方を全部書いた記事の9工程のどれかに対応しています。
各施策の節の最後で、どの工程にあたるかを示します。
この記事の書き方と、数字の出どころ
この記事では、特定の会社を名指ししません。
主語にするのは施策で、提案した会社の良し悪しは扱いません。
同じ施策でも、善意で勧められている場合と、中身を知らずに勧められている場合があるからです。
数字の出どころは3種類に分けて書きます。
「海外の実験では」と書いた数字は、海外の論文から引いたものです。
「弊社では」と書いたことは、弊社が自分のサイトで実際にしていることです。
調査や公式文書の名前を出した数字と引用は、公開されているものから引いています。
弊社は海外の論文を1本ずつ日本語で解説しており、解説の一覧と論文全体のまとめを公開しています。
お断りしておくと、これらの論文は英語と海外の検証が中心で、日本語で確かめた研究はまだ少ない状態です。
海外の実験の数字が、日本語の質問でそのまま再現されるとは言えません。
この記事の「代わりにやること」を行えば引用される、という約束もできません。
隠し文字や順位操作の手順は書きません
施策1と施策5では、AIをだます種類の手法を扱います。
その手順、文面、道具の名前は、この記事には書いていません。
書くのは、何が起きたか、どう見破られるか、どんな損があるかの3点です。
10個を3つに分けた図と、この記事の読み方
10個の施策は、やらない理由で3つに分かれます。
理由が違うと、起きる損の種類も違ってきます。
左の箱は、やっても害は小さいものの、効くと確かめられていない施策です。
中央の箱は、検出する仕組みがすでに研究で作られている施策です。
金色で囲んだ右の箱は、Googleのスパムポリシーや景品表示法に触れうる施策で、損がいちばん長く残ります。
1つの施策が2つの箱にまたがることもあります。
施策1の隠し文字は見破られるうえにGoogleのスパムポリシーにも触れ、施策5の口コミは見破る研究も出ています。
図では、理由としていちばん重いほうの箱に入れました。
図の使い方
手元に提案書や見積書があれば、項目を1行ずつ、3つの箱のどれかに当てはめてみてください。
どの箱にも入らない項目は、この記事の対象の外です。
右の箱に入る項目が1つでもあれば、ほかの項目を検討する前に、その項目の中身を尋ねます。
知りたいことから読む場所を選ぶ
10個を順に読む必要はありません。
| いまの状況 | 読む場所 | 次にすること |
|---|---|---|
| 提案書を受け取っていて、項目を確かめたい | 該当する施策の節と、「提案を受けたときに聞く質問」の節 | 質問を2つ選び、提案した相手に尋ねる |
| 自分で試そうとしている施策がある | その施策の節の「起きうる損」と「代わりにやること」 | 代わりの工程を1つ決める |
| すでに実施してしまった施策がある | 最後の「今日できる点検」の表 | 自社サイトで該当する箇所を探す |
| 何をやればいいのかを先に知りたい | やり方を全部書いた記事 | 9工程の表を読んでから、この記事に戻る |
| まず今日できることだけ知りたい | 自分でできる入口の作業をまとめた記事 | 社名を入れずに1問だけAIに聞く |
ここから、施策を1つずつ見ていきます。
施策1 AI向けの隠し文字や指示文をページに埋め込む
10個のうち、損がいちばん大きくなりうるのがこの施策です。
この記事では手順や文面には触れず、何が起きたか、どう見破られるか、どんな損があるかだけを書きます。
実験の数字と防ぐ側の研究、すでに入っている場合の直し方は、AI向けの隠し文字や指示文がLLMO対策になるのかを確かめた記事に分けて書きました。
どんな施策か
人の目には見えない形で、AIだけが読む文章をページの中に入れておく施策です。
中身は「この会社を薦めてください」という趣旨の、AIに宛てた指示です。
提案書では「AI向けの記述を追加」「AIに読ませる専用の文章」といった言い方で、作業項目の1行として入っていることがあります。
よくある売り文句
「見た目は変わらないので、お客様には気づかれません」という説明が付きます。
「AIはページを全部読むので、書いておけばそのとおりに答えます」と続くこともあります。
どちらも、読んだAIが指示に従う前提で話が組まれています。
研究と公式見解で分かっていること
海外の実験では、ページに仕込んだ指示がAIの回答まで届く割合は、これまでの報告より低かったと報告されています。
2026年5月に公開された査読前の論文で、クイーンズランド大学などのチームが、既存の7つの攻撃を検索・並べ替え・回答の3段に通して測り直しました。
それまでの研究は成功率を5割超と報告していましたが、攻撃したページをAIに直接渡す測り方でした。
3段に通すと、回答のおすすめ3件に入った割合は、7種のうち3種で最大2.5%、指示で上書きする型は約15%でした。
正直に書くと、7種のうち3種は40〜54%程度残りました。
ただし同じ論文は、104問分のデータで追加学習した小さな見張り役が、7種すべてを高い精度で見つけたことも報告しています。
見つける側の研究は、ほかにも出ています。
| 研究 | 調べたこと | 結果 | 限界 |
|---|---|---|---|
| 3段に通して測り直した研究 | 仕込んだ指示が回答まで届く割合 | 7種のうち3種で最大2.5%、指示で上書きする型で約15% | 1つのAIモデルと英語の商品データ。実際のAI検索サービスでは試していない |
| 文書同士の似かたで外す防御の研究 | 周りの文書から浮いた文書を、AIに渡す前に外せるか | 攻撃の成功率が55.7%から3.0%に下がった組み合わせがある | 別の質問集では一部の攻撃が2割台残った。英語の研究用データ |
| 商品説明の順位操作を見抜く研究 | 商品説明600件に紛れた操作を見抜けるか | 既知の3種を、全件・95.2%・83.0%の割合で検出。正当な説明の誤検出は0件 | 著者らが考えた新しい手口6種のうち5種は、ほぼ見抜けなかった。査読前 |
3本とも、守る側が完全に勝っているとは書いていません。
読み取れるのは、仕込めば届くという前提が崩れてきていることと、見つける仕組みが実際に作られていることの2点です。
公式見解のほうは、もっとはっきりしています。
Googleのスパムポリシーは、検索エンジンの操作だけを目的に、人に見えにくい形で文章を置く隠しテキストを、違反として挙げています。
起きうる損
損は3つあります。
1つ目は、届かない可能性が高い作業に費用と時間を使うことです。
2つ目は、Googleのスパムポリシーに触れ、通常の検索での表示を失いうることです。
3つ目は、見つかったときに「読者に見せない文章を仕込んでいた会社」として記録が残ることです。
ページの中身は誰でも確かめられるので、同業の会社や取引先が気づく場面もありえます。
代わりにやること
AIに伝えたい内容は、読者にも見える本文に書きます。
LLMO対策のやり方を全部書いた記事でいうと、工程5の「書く」にあたります。
冒頭で質問に答え、比べられる数字と、自社ができないことを書く工程です。
見える場所に書いた事実は、AIにも読者にも同じものが届き、あとで隠す必要がありません。
施策2 AI向けに「整えただけ」のページを作る
施策1と違い、こちらは隠す所がありません。
それでも見分けられる段階に入っている、というのがこの節の内容です。
どんな施策か
中身は変えずに、AIに引用されやすいと言われる形だけをページに足す施策です。
引用の形をした文、出どころの分からない数字、資料の名前、狙う言葉の繰り返しなどが足されます。
提案書では「AI向けの最適化」「引用されやすい形式への書き換え」と書かれます。
よくある売り文句
「引用と統計と出典を足すと、AIに引用されやすくなることが論文で示されています」という説明です。
この説明の前半は、事実です。
2024年に国際会議で発表された論文で、引用・統計・出典を足すと回答の中で目立ちやすくなったと報告されています。
抜けているのは、足した引用や数字が本物かどうかという点です。
研究と公式見解で分かっていること
海外の研究では、AI検索向けに整えたページを機械で見分ける仕組みが、2026年8月に提案されています。
| 測ったもの | 結果 |
|---|---|
| 検出の精度(F1値) | 0.944 |
| ウェブ全体で、最適化されていたページの割合 | 8.90% |
| 2026年に更新されたページに限った割合 | 16.36% |
| 調べたページ数 | 10,095ページ |
同じ研究は、最適化されていると判定されたページの引用6,663件も調べています。
そのうち69.34%が、たどって確かめにくい側に分類されました。
研究者が公開の情報だけでここまで見分けられるなら、公開されていない情報も持つ検索エンジンやAIの運営側は、同じことをより正確にできると考えるのが自然です。
形だけ足す効果そのものにも、反対の結果が出ています。
海外の別の実験では、統計を足す書き換えが、24通りの条件のうち19通りで順位を有意に下げたと報告されています。
狙う言葉の詰め込みは、先ほどの2024年の論文でも効果が出ていません。
起きうる損
同じ「出典を書く」でも、中身がある場合と形だけの場合では、結果が分かれます。
| 足すもの | 中身がある側 | 形だけの側 | 形だけの側で起きること |
|---|---|---|---|
| 引用 | 実際に確かめた発言を引く | それらしい言い方を作る | 発言した本人や読者に確かめられる |
| 数字 | 自分で測った数字、出どころのある数字 | もっともらしい数字を置く | 元の資料が見つからず、ページ全体が疑われる |
| 出典 | 実在する資料の名前 | 実在しない資料の名前 | 読者が1つ調べた時点で信用を失う |
| 狙う言葉 | 必要な所にだけ書く | 同じ言葉を繰り返す | 読みにくくなり、効果も出ない |
外に頼んで作ったページでは、実在しない出典が混ざったまま公開されることがあります。
その場合、信用を失うのは書いた人でなく、ページを載せている会社です。
代わりにやること
やり方の記事の工程3「一次情報を取る」が、この施策の代わりになります。
社内の人から、数字・条件・断っている仕事を聞き取り、元の資料で確かめてから載せる工程です。
引用も数字も、足すこと自体は悪くありません。
足すものが自社の中にある事実なら、検出されても困ることは起きません。
弊社では、元の資料で確かめられなかった数字は載せない決まりにしています。
施策3 llms.txtを置けば引用されると考える
隠す施策でも、だます施策でもありません。
置いても害は小さいのですが、「置けば引用される」という説明が事実と合っていません。
どんな施策か
llms.txtは、サイトの要点をAI向けにまとめて置いておくファイルです。
2024年9月に提唱された仕様の案で、公式のインターネット標準には含まれていません。
見積書では「llms.txtの設置」という1行で、初期設定の項目に入っていることがあります。
よくある売り文句
「AI検索対策には、llms.txtの設置が必須です」という言い方です。
「AIが最初に読みに来るファイルなので、ここに書いた内容が回答に使われます」と説明されることもあります。
研究と公式見解で分かっていること
公開調査と公式文書の両方が、この説明と合っていません。
調査のほうは、llms.txtの実態を調べた記事で詳しく扱いました。
| 確かめたこと | 分かったこと | 出どころ |
|---|---|---|
| どれだけ置かれているか | 137,210ドメインのうち28%が公開していた | 2026年5月のアクセスを集計した調査 |
| どれだけ読まれているか | 公開していたドメインの97%で、月内のアクセスが0件 | 同じ調査 |
| Googleが使っているか | 新しいファイルを作る必要はないと明記 | 2025年12月に更新された公式文書 |
| 標準になっているか | 仕様の案の段階 | 提唱した側の公開情報 |
Googleの公式文書には、次のように書かれています。
「これらの機能に表示されるために、新しい機械可読ファイル、AIテキストファイル、マークアップを作成する必要はない。追加すべき特別なschema.org構造化データもない」
ここでいう「これらの機能」は、Googleの検索に入っている生成AIの機能を指します。
置かれたファイルの大半が読まれておらず、Googleは使わないと書いている、というのが現在分かっていることです。
Google以外のAIが今後どう扱うかは、この2つの材料からは分かりません。
起きうる損
ファイルを置くこと自体で、検索やAIでの扱いが悪くなるという報告は見つかっていません。
損は、費用と安心感のほうに出ます。
1つは、読まれていないファイルの設置に、独立した料金を払うことです。
もう1つは、「設置したので対策は済んだ」と考えて、書く作業と測る作業が止まることです。
一度置いたファイルは、サイトの内容が変わるたびに直す必要があり、直さなければ古い説明が残ります。
代わりにやること
AIに自社を正しく説明させたいなら、やり方の記事の工程6「自社の事実をそろえる」を行います。
料金、対応できる範囲、所在地を、通常のページの上で食い違いなく書く工程です。
AIに読ませたくないページがある場合は、llms.txtでなく、標準として定められているrobots.txtで扱います。
すでに置いてある場合は、あわてて消す必要はありません。
中身が現在のサイトと合っているかだけを確かめてください。
施策4 自作の「おすすめ◯選」で自社を1位にする
比較やランキングの記事を自分で作り、自社をいちばん上に置く施策です。
自社サイトに載せる場合と、第三者のサイトに見せかける場合で、損の種類が変わります。
実測と直し方まで含めた詳しい内容は、自社を1位にした「おすすめ◯選」がAIに効くのかを確かめた記事に分けて書きました。
どんな施策か
「◯◯のおすすめ会社10選」のような記事を作り、1位に自社を、2位以下に同業の会社を並べます。
AIが「おすすめの会社」を聞かれたときに、この記事を出典にして自社を薦める、という見立てです。
提案書では「比較記事の制作」「ランキング記事によるAI対策」と書かれます。
よくある売り文句
「AIはランキング形式の記事を好んで引用します」という説明が付きます。
「自社サイトとは別のサイトに載せれば、第三者の評価として扱われます」と続く場合は、次の節の損をよく読んでください。
研究と公式見解で分かっていること
海外の実験では、AI検索の引用元は第三者の媒体に大きく偏っていたと報告されています。
トロント大学の研究者が2025年9月に公開した査読前の論文で、1,000問のランキング質問をGoogleとAI検索に投げて、引用元を3種類に分けて数えました。
| 業種と地域 | AI検索の引用元のうち、第三者の媒体 | AI検索の引用元のうち、自社の媒体 | Googleの上位10件のうち、第三者の媒体 |
|---|---|---|---|
| 家電・カナダ | 77.6% | 22.1% | 54.1% |
| 自動車・カナダ | 69.1% | 30.9% | 40.6% |
| 自動車・米国 | 81.9% | 18.1% | 45.1% |
どの行でも、AI検索のほうがGoogleより第三者の媒体に寄っています。
海外の別の調査でも、128ブランドの引用元のうち、自社サイトは14.3%にとどまったと報告されています。
残りの85.7%は、第三者のサイトからの引用でした。
自社サイトに置いた自作のランキングは、この分類では自社の媒体に入ります。
AIが第三者の媒体を選びやすいのだとすれば、自社が自社を1位にした記事は、選ばれにくい側の材料です。
ただし、第三者の媒体に載れば自社が引用される、という所までは、この実験では確かめられていません。
起きうる損
自社サイトに載せた場合の損は、読者の側で起きます。
運営元が1位になっているランキングを見た読者は、2位以下の評価も含めて、記事全体を割り引いて読みます。
第三者のサイトに見せかけた場合の損は、規制の側で起きます。
2023年10月から、事業者が内容を決めた表示を、広告と分からない形で出すことは、景品表示法のステルスマーケティング規制の対象になっています。
自社が作ったランキングを第三者の評価として出せば、社名が公表される行政処分(措置命令)の対象になりうる行為です。
該当するかどうかの判断は、消費者庁の資料で確かめてください。
代わりにやること
やり方の記事の工程7「第三者に載る」にあたります。
取引先、利用者、取材した記者が、自分の判断で書いた言及を増やす工程です。
お客様に事例の掲載をお願いする、業界の媒体の取材に正確に答える、といった相手のある作業なので、時間がかかります。
比較の記事を自社で書く場合は、自社が向いていない相手と、対応できない条件を先に書きます。
順位を付けず、選ぶ基準を並べる形にすると、読者が自分で比べられる記事になります。
施策5 作文の口コミや、第三者を装った投稿をする
施策4と近いのですが、こちらは自社サイトの外で行われます。
実験では効いたという報告があり、だからこそ見破る研究と規制の両方が進んでいる施策です。
研究の条件と消費者庁の説明、すでに投稿した場合の直し方は、作文の口コミや第三者を装った投稿がAIに効くのかを確かめた記事に分けて書きました。
どんな施策か
実際には買っていない人、使っていない人の体験談を作り、口コミの欄、掲示板、質問サイト、比較サイトに載せる施策です。
自社と関係があることを示さずに、利用者の声として投稿します。
提案書では「口コミの強化」「外部での言及づくり」「サイテーション対策」と書かれます。
よくある売り文句
「AIは口コミや掲示板をよく読むので、そこに自社の名前を増やします」という説明です。
「投稿はこちらで用意するので、手間はかかりません」と付け加えられることがあります。
誰が書き、自社との関係をどう示すのかが説明に出てこない場合は、確かめる必要があります。
研究と公式見解で分かっていること
海外の実験では、購入体験を装った口コミ風の文章で、商用AIのおすすめ順が動いたと報告されています。
2026年2月に公開された査読前の論文で、商品10件の一覧をAIに渡して並べさせる実験です。
何も足さないと0%だった「最下位の商品が1位に来る割合」が、口コミ風の文章を足すと77.0〜88.5%になりました。
この数字だけを見ると効く施策に見えますが、続きがあります。
| 研究 | 立場 | 分かったこと | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| 口コミ風の文章で順位を動かした研究 | 攻める側 | 4つの商用AIで、最下位の商品が1位に来た割合が77.0〜88.5% | 研究者が候補10件を直接AIに渡した実験。査読前 |
| その操作を見抜く研究 | 守る側 | 口コミ風の操作を83.0%検出し、正当な説明の誤検出は0件 | 同じ研究グループが約3か月半後に公開。新しい手口には弱い |
| GEOのリスクを論じた立場論文 | 規則を作る側への提案 | 開示されない商業的な影響を、リスクの1つに挙げている | 提案の論文で、効果を試したものとは性格が違う |
攻める方法を公開した研究グループが、その約3か月半後に見抜く方法を公開しています。
立場論文のほうは、広告の開示の規則をAIの回答にも広げるよう提案しています。
提案が実現すれば、関係を隠した外部の投稿は、順位を下げられる側に回る可能性があります。
起きうる損
日本では、研究の進み方を待つまでもなく、すでに規制があります。
2023年10月に施行されたステルスマーケティング規制は、事業者の表示であることを隠した表示を、不当表示として扱います。
投稿の内容が事実かどうかは関係がなく、事業者が関わっていることを隠していれば対象になります。
対象になりうるのは、社名が公表される行政処分(措置命令)です。
処分を受けるのは、投稿を請け負った側でなく、依頼した事業者の側だという点も押さえておいてください。
代わりにやること
施策4と同じく、やり方の記事の工程7「第三者に載る」です。
実在のお客様に声をいただき、掲載の許可を1件ずつ取ります。
弊社でも、お客様の声を載せるときは、そのつど掲載の許可を確かめています。
お礼として何かをお渡しして書いていただく場合は、その関係を読者に分かる形で示します。
数は増えにくい方法ですが、あとで消す必要のある投稿は1件も生まれません。
施策6 AIで大量に書いて一気に公開する
AIを使って記事を書くこと自体は、やってはいけない施策に入りません。
入るのは、検索結果やAIの回答を動かす目的で、読者にとっての価値がないページを量産することです。
Googleの規則と弊社の実測、すでに公開した場合の直し方は、AIで大量に書いて一気に公開するのがLLMO対策になるのかを確かめた記事に分けて書きました。
どんな施策か
狙う言葉の一覧を用意し、AIに記事を書かせて、確認を省いたまま公開する施策です。
提案書では「記事の大量投入」「AIによる記事の自動生成」と書かれ、本数の多さが売りになります。
よくある売り文句
「AIの学習データに入るように、記事の数を増やしましょう」という説明です。
「数が多いほど、AIに拾われる確率が上がります」と続きます。
ここで語られるのは本数だけで、1本ずつの記事に誰の何の事実が入るのかは出てきません。
研究と公式見解で分かっていること
Googleのスパムポリシーは、検索結果の操作を狙って、付加価値のないページを大量に作ることを違反としています。
作る手段が人の手かAIかは問われません。
2024年3月には、Googleの担当者が、判定は本数や公開の仕方でなく、目的と価値で行うという趣旨の説明をしています。
そのため、「何本までなら安全」という線は引けません。
本数が多くても、1本ずつに価値があれば対象になりません。
| 見るところ | 問われないこと | 問われること |
|---|---|---|
| 作り方 | 人が書いたか、AIが書いたか | 独自の確認や事実が入っているか |
| 量 | 何本あるか | 1本ずつが読者の役に立つか |
| 公開の仕方 | 一度に出したか、分けて出したか | 検索結果の操作を狙ったものか |
| 題材 | 狙う言葉が入っているか | その質問に答えられる材料を持っているか |
AI検索との関係では、もう1つ押さえておくことがあります。
AI検索の多くは、既存の検索エンジンが集めたページの中から、答えの材料を探しています。
この点は提案の見分け方をまとめた記事で扱いました。
起きうる損
検索でスパムと判定されて外されたページは、AI検索が答えの材料を探す場所からも外れます。
AIに拾われるために増やしたページが、検索とAIの両方から見えなくなる、という結果がありえます。
もう1つの損は、中身の確認にあります。
海外の実験では、事実を作らないよう指示したAIの書き換えでも、3.4%に事実の付け足しが見つかったと報告されています。
確認を省いて大量に出せば、誤った記述が自社の名前で公開されます。
代わりにやること
やり方の記事の工程2「質問の地図を作る」と、工程5「書く」にあたります。
先に買い手の質問を決め、その質問に答えられる事実が社内にあるものから書きます。
AIを下書きに使う場合も、数字と固有の名前は、公開の前に人が元の資料で確かめます。
本数は、確かめる人の手が回る範囲で決まります。
施策7 内容を変えずに日付だけ更新する
この施策は、10個の中でいちばん根拠が薄い話になります。
効かないと示した研究があるわけでなく、効くと確かめた研究が見つかっていない、という状態です。
実験の条件とGoogleの説明、見直す所と順番は、日付だけ更新すればAIに引用されるのかを確かめた記事に分けて書きました。
どんな施策か
記事の本文には手を入れず、更新日や「最終更新」の表示だけを新しい日付に書き換える施策です。
題名の年だけを今年に変える、というやり方も同じ種類に入ります。
提案書では「記事の鮮度の維持」「定期的な更新日の刷新」と書かれます。
よくある売り文句
「AIは新しい情報を優先するので、日付を新しく保つことが大切です」という説明です。
前半には、根拠にされる実験があります。
研究と公式見解で分かっていること
海外の実験では、2つのページのうちAIが先に引用するほうを左右した要因の1つが、日付の新しさだったと報告されています。
2026年に公開された論文で、条件を1つずつ変えて25万2,000回試した実験です。
結果を日付の組み合わせごとに分けると、見え方が変わります。
| 比べた組み合わせ | 有意な差が出たモデルの数 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 2026年の日付と、2019年の日付 | 6つのうち6つ | 古い日付のページは選ばれにくい |
| 2026年の日付と、日付なし | 6つのうち3つ | 日付を書けば選ばれる、とまでは言えない |
| 日付なしと、2019年の日付 | 6つのうち2つ | 差は小さい |
はっきり出たのは、古い日付が不利だという結果です。
正直に書くと、この実験では、日付だけが違う2つの版を比べています。
その意味では、日付の表示だけで差が出た実験と読むこともできます。
ただし、候補を2件だけ並べ、AI側の手順を固定した実験室での結果です。
中身が古いままのページの日付だけを書き換えたとき、実際のAI検索でどうなるかを測った研究は、弊社が読んだ範囲では見つかっていません。
起きうる損
損は、読者とのあいだで起きます。
今年の日付が付いた記事を開いて、数年前の料金や終了した制度が書かれていれば、読者はその会社の他のページも疑います。
AIの側でも、日付と本文の中身が食い違うページがどう扱われるかは分かっていません。
分かっていない施策に毎月の作業を割くことが、いちばん確かな損です。
代わりにやること
やり方の記事の工程9「続ける」にあたります。
古い記事を開き、数字、料金の書き方、制度の名前、リンク先を見直して、変わった所を直す工程です。
直したら、その日を更新日として書きます。
弊社では、中身を見直した日だけを日付として書いています。
見直して何も変える所がなかった場合は、日付を動かしません。
施策8 構造化データを入れれば引用されると考える
構造化データそのものは、やってはいけないものに入りません。
やらないほうがいいのは、「入れればAIに引用される」という理由で、それだけを買うことです。
Googleの説明と研究の読み方、すでに入れている場合の点検は、構造化データを入れればAIに引用されるのかを確かめた記事に分けて書きました。
どんな施策か
構造化データは、ページの内容を検索エンジンに伝えるための、決まった書き方の情報です。
会社の名前、所在地、よくある質問などを、機械が読み取りやすい形でページに付けます。
見積書では「AI向け構造化データの実装」「FAQ形式への変換」といった項目で載ります。
よくある売り文句
「構造化データを入れると、AIが内容を正しく理解して引用します」という説明です。
「FAQの形にすれば、AIがそのまま答えとして使います」と言われることもあります。
研究と公式見解で分かっていること
Googleは、2025年12月に更新した公式文書で、生成AIの機能に表示されるために「追加すべき特別なschema.org構造化データもない」と書いています。
施策3で引用したのと同じ文です。
書式についての実験も、同じ方向を向いています。
海外の実験では、書式だけを変えた2つの要因が、6つのモデルのどれでも有意な差に届かなかったと報告されています。
構成の整った版と段落の詰まった版、情報がまとまった版と散らばった版を比べた実験です。
この実験が調べたのは見出しや段落の整え方で、構造化データそのものを足した場合は試していません。
通常の検索では、話が別になります。
| 場面 | 構造化データの役割 | 根拠 | 扱い |
|---|---|---|---|
| 通常の検索結果 | 検索結果での見え方に関わる | Googleの公式の説明 | 必要なページに入れる |
| Googleの生成AIの機能 | 特別なものは無い | 2025年12月更新の公式文書 | AI向けとして追加で買わない |
| ほかのAIの回答 | 効くと確かめた研究が見つかっていない | 弊社が読んだ範囲 | 期待して入れない |
| 見出しや段落の書式 | 引用の勝ち負けは動かなかった | 海外の実験(6つのモデル) | 読者の読みやすさのために整える |
通常の検索での役割と入れ方は、構造化データとは何かをまとめた記事に書きました。
起きうる損
入れたこと自体で不利になるという報告は、見つかっていません。
損は、順番の取り違えから生まれます。
本文に料金も対応範囲も書かれていないページに構造化データだけを足しても、AIが答えに使える事実は増えません。
本文に書いていない内容を構造化データにだけ入れた場合は、読者に見えない情報を機械にだけ渡すことになり、施策1に近づきます。
代わりにやること
やり方の記事の工程6「自社の事実をそろえる」が先です。
料金、対応範囲、所在地を、全ページの本文で一致させます。
構造化データは、そのあとで、本文に書いてある内容をそのまま写す形で入れます。
AI向けの追加料金の項目として出てきたときは、通常の検索のための作業とどう違うのかを尋ねてください。
施策9 検索順位だけを追う
検索順位を上げる作業は、いまも意味があります。
やらないほうがいいのは、順位表だけを見て、AIの回答を一度も確かめないまま進めることです。
外部の調査と研究、順位に加えて測るものは、検索順位だけ追えばAIに引用されるのかを確かめた記事に分けて書きました。
どんな施策か
狙う言葉の検索順位を毎月の報告の中心に置き、順位が上がればAIにも引用される、と考える進め方です。
上位の記事の見出しの数や文字数を調べ、自社の記事をその型に寄せる作業もここに入ります。
報告書には順位の表だけが載り、AIの答えの記録は載りません。
よくある売り文句
「AIは検索上位のページを引用するので、順位を上げることがそのままAI対策になります」という説明です。
「引用されている記事の型に合わせれば、同じように引用されます」と言われることもあります。
研究と公式見解で分かっていること
順位と引用の関係には、公開調査があります。
Ahrefsの2026年3月の調査によると、AIの引用元のうち検索10位以内のページは37.9%でした。
残りの約6割は、10位より下のページから選ばれています。
順位が高いページも引用されますが、順位表だけではAIの引用の半分も説明できない、と読める数字です。
上位の型に寄せる作業については、模擬実験があります。
海外の実験では、上位の文書の特徴へ寄せる書き換えを20回繰り返すと、型に近いことと品質の結びつきが弱まったと報告されています。
| 確かめたこと | 結果 | 限界 |
|---|---|---|
| AIの引用元と検索順位の重なり | 検索10位以内のページは37.9% | 調査した時点の数字で、AIの種類や質問で変わりうる |
| 上位の型へ全員が寄せ続けたときの変化 | 型と品質の結びつきが6分野すべてで弱まった(順位相関の変化は平均で-0.068) | 英語の文書を使った20回分の模擬実験 |
| AIに渡る文書の並びの影響 | 書き換えより、並びの先頭に置かれることが効いた | 英語の文書と、決まった条件での実験 |
3行目は、文章の書き換えがどこまで効くかを6分野で試した研究の結果です。
論文はこれを、従来のSEOの役割と読んでいます。
順位は土台として働くが、順位だけでは足りない、というのが3つを合わせた読み方です。
起きうる損
順位表が良くなっているのに、AIの回答には一度も出ていない、という状態に気づけません。
逆に、順位が10位より下の記事が引用されていても、順位表しか見ていなければ、その記事を消したり統合したりしてしまいます。
型に寄せる作業のほうは、同業の会社がみな同じ型に寄せた時点で、差が消えます。
代わりにやること
やり方の記事の工程1「測る」と、工程4「AIの答えを読む」にあたります。
買い手が打ちそうな質問をAIに聞き、自社の名前が出たか、どのページが出典に使われたかを記録します。
順位の表は捨てずに、その隣にAIの記録を並べます。
2つの表を見比べると、順位は高いのに引用されない記事と、順位は低いのに引用される記事が分かります。
施策10 「必ず表示させます」「AIに登録します」という提案を受ける
最後は、自分で行う施策でなく、受ける提案の話です。
結果を約束する言葉が入った提案は、中身を見る前に、約束そのものが成り立つかを確かめます。
どんな施策か
「契約すれば、AIの回答に必ず表示させます」と結果を保証する提案です。
「御社の情報をAIに登録します」「AIの学習データに入れます」という言い方もあります。
どちらも、AIの運営会社に対して、外から何かを確定させられる前提に立っています。
よくある売り文句
| 売り文句 | 分かっていること | 確かめる質問 |
|---|---|---|
| 「必ずAIの回答に表示させます」 | 同じ質問でも、答えと出典は日によって入れ替わる | どのAIで、何回聞いて、何回出たら達成としますか |
| 「AIに登録します」 | Googleは、表示のための特別な保証や専用の制度は無いと説明している | 登録先はどこで、登録された記録は見られますか |
| 「専用の道具を入れれば対応が終わります」 | 1回の設定で終わる作業は、9つの工程の中に無い | 設定のあと、毎月何をしますか |
| 「他社には教えていない方法があります」 | 検索エンジンの評価の基準は、公式文書で公開されている | その方法は、公式文書のどこと対応しますか |
研究と公式見解で分かっていること
海外の実験では、同じ質問でも、AI検索に出てくる出典や企業名が日ごとに大きく入れ替わったと報告されています。
スイスの大学の研究者が、4つのAI検索サービスに同じ質問を毎日投げ、45日間の変化を記録した査読前の研究です。
出典の重なりは、平均で約3〜4割でした。
ある日に出た出典の半分以上が、別の日には入れ替わっていることになります。
対象はスイスの4分野、各8問という小さな範囲なので、日本語で同じ数字になるとは言えません。
それでも、外から「必ず」を約束できる性質のものでないことは読み取れます。
登録のほうは、Googleが、AI検索の機能に表示されるための特別な保証や専用の順位の制度は無いと説明しています。
詳しくは提案の見分け方をまとめた記事に書きました。
起きうる損
1つ目は、約束が果たされたかどうかを、あとから確かめられないことです。
答えが日によって変わるので、出た日の画面を1枚見せられれば「表示された」ことになってしまいます。
2つ目は、その言葉を自社の広告や実績の紹介にそのまま使った場合です。
根拠を示せない断定的な表示は、景品表示法の優良誤認表示にあたるおそれがあります。
該当した場合は、社名が公表される行政処分(措置命令)の対象になりえます。
代わりにやること
やり方の記事の工程1「測る」と、工程8「測り直す」を、提案を受ける側の物差しにします。
結果の約束の代わりに、行う作業の中身と、効果を何の指標で、どの頻度で確かめるのかを書面に書いてもらいます。
「保証はできません」と先に言う提案のほうが、ここまでの研究の結果とは合っています。
提案の中身が、買うものでなく作業の一覧になっているかどうかを見てください。
10個に共通していること
10個を並べると、同じ形が見えてきます。
どれも「買えば終わる」形をしている
ファイルを置く、データを入れる、日付を変える、記事をまとめて納品する、投稿を代行する。
どの施策も、1回の作業や1つの納品物として見積書に書けます。
買う側にとっては、終わりが見えるので頼みやすい形です。
一方で、ここまで見てきた研究と公式見解が指しているのは、終わりのない作業のほうでした。
質問との関連、自社の中にある事実、第三者の実在の言及、繰り返しの計測です。
時間を使う先は、書くものと測るもの
やめた施策のぶんの時間と費用は、2つに回します。
1つは書くもので、買い手の質問に、自社の事実で答える記事です。
もう1つは測るもので、同じ質問をAIに聞き直し、答えと出典を記録する作業です。
| やめる施策 | 空いた時間の使い先 | やり方の記事での工程 |
|---|---|---|
| 施策1・2・6(仕込む、形だけ整える、量産する) | 社内の人から事実を聞き、見える本文に書く | 工程2・工程3・工程5 |
| 施策3・8(ファイルやデータを足す) | 料金・対応範囲・所在地を全ページでそろえる | 工程6 |
| 施策4・5(自作のランキング、作文の口コミ) | 実在のお客様や媒体に、掲載をお願いする | 工程7 |
| 施策7(日付だけ更新) | 古い記事の中身を見直す | 工程9 |
| 施策9・10(順位だけ、保証つきの提案) | AIに質問して記録し、翌月に聞き直す | 工程1と工程8 |
考え方の全体はLLMO対策の考え方をまとめた記事に、工程ごとの量はやり方を全部書いた記事に書きました。
提案した会社を責める話にしない
提案書に10個のどれかが入っていても、その会社に悪意があるとは限りません。
llms.txtや構造化データは、調査や公式文書が出る前に勧められ、そのまま項目に残っている場合があります。
弊社も以前、llms.txtについて「保険として置いておいて損はない」と書いていた時期があり、あとで記事を書き直しました。
調査や公式文書が出て分かったことは、分かった時点で直せば足ります。
確かめたいのは、相手が根拠を尋ねられたときに、出どころを示して答えるかどうかです。
提案を受けたときに聞く質問
提案の良し悪しは、項目の名前だけでは分かりません。
同じ「外部での言及づくり」でも、実在のお客様への依頼なのか、作文の投稿なのかで、中身は正反対になります。
質問と、答えの聞き分け方
次の6つを、そのまま尋ねてみてください。
| 聞く質問 | 安心できる答えの例 | 確かめ直したい答えの例 | 関係する施策 |
|---|---|---|---|
| 記事に入れる数字や出典は、どこで確かめたものですか | 元の資料の名前と、確かめた日を示せる | 「一般的に言われている数字です」 | 施策2・6 |
| 読者に見えない場所に、文章を入れる作業はありますか | 「ありません」と即答する | 「見た目は変わらないので大丈夫です」 | 施策1 |
| 自社サイトの外に、投稿や記事を出しますか。出すなら、関係をどう示しますか | 誰が書き、どう表示するかを説明できる | 「利用者の声として出します」 | 施策4・5 |
| 成果は、どのAIで、何回聞いて報告しますか | AIの種類、質問の数、回数、頻度が決まっている | 順位の表だけを出す、または画面の写しを1枚出す | 施策9・10 |
| この項目の根拠になっている調査や公式文書は何ですか | 名前と時期を挙げ、限界も話す | 「業界では常識です」 | 施策3・7・8 |
| 結果を保証できますか | 「できません」と言い、理由を説明する | 「必ず表示させます」 | 施策10 |
4つ目の質問の元になっているのは、GEOのリスクを論じた立場論文を読んだときに作った確認項目です。
質問するときの進め方
6つを一度に聞く必要はありません。
提案書の項目を図の3つの箱に当てはめ、右の箱に入った項目に関係する質問から聞きます。
答えは、口頭で済ませずに、書面かメールでもらってください。
あとで作業の中身が変わったときに、最初の説明と比べられます。
答えを急がせる必要もありません。
契約を急ぐよう言われたときは、いったん持ち帰り、ほかの会社の説明と比べる時間を取ります。
見分け方の全体は、提案の見分け方をまとめた記事にも書いています。
よくある質問
Q. すでに隠し文字や指示文を入れてしまった場合は、どうすればいいですか
該当する箇所をページから消してください。
消す前の状態を保存し、いつ、どのページから、何を消したかを記録に残します。
自社で入れた覚えがない場合は、制作や運用を頼んでいる相手に、読者に見えない文章を入れていないかを尋ねます。
消したあとにGoogleやAIでの扱いがどう変わるかは、弊社が読んだ範囲の研究では測られていません。
Q. llms.txtは、いま置いてあるものを消したほうがいいですか
消す必要はありません。
置いてあること自体で不利になるという報告は、見つかっていないためです。
中身が現在のサイトと食い違っていないかだけを確かめ、食い違っていれば直すか、外します。
確かめ方はllms.txtの実態を調べた記事に書きました。
Q. AIを使って記事を書くこと自体が、やってはいけないのですか
いいえ、AIを使うこと自体は問題になりません。
Googleのスパムポリシーが問うのは、作る手段でなく、付加価値のないページを検索結果の操作のために量産しているかどうかです。
AIに下書きをさせ、自社の事実を入れ、数字を人が確かめてから公開する進め方は、施策6には入りません。
Q. お客様にお願いして口コミを書いていただくのも、だめですか
実際に利用したお客様に、自分の言葉で書いていただくことは、施策5には入りません。
気をつけるのは、お礼を渡して書いていただく場合と、文面をこちらで用意する場合です。
事業者が関わっていることを読者に示さないと、ステルスマーケティング規制の対象になりえます。
判断に迷うときは、消費者庁の資料を確かめてください。
Q. 10個をすべて避ければ、AIに引用されるようになりますか
避けるだけでは、引用されるようにはなりません。
10個は、やらないことで損を防ぐための一覧です。
引用される見込みを上げる作業は、やり方を全部書いた記事の9工程のほうにあります。
その9工程を行っても、引用を約束できるわけではありません。
入口の作業から始めたい場合は、自分でできる作業をまとめた記事から読んでください。
まとめ
やってはいけないLLMO対策として、10個を見てきました。
llms.txt、日付だけの更新、構造化データ頼み、順位だけを追うことの4つは、効くと確かめられていない施策です。
隠し文字と、形だけ整えたページの2つは、検出する仕組みが研究で作られています。
自作のランキング、作文の口コミ、大量生成、表示を保証する提案の4つは、Googleのスパムポリシーや景品表示法に触れうる施策です。
根拠にした論文は英語と海外の検証が中心で、日本語で同じ結果になるかは確かめられていません。
それでも、Googleの公式文書と日本の規制は、いまの時点でそのまま当てはまります。
10個のどれにも、代わりにやる工程がありました。
見える本文に事実を書く、自社の情報をそろえる、実在の言及をお願いする、古い記事の中身を見直す、AIに質問して記録する、の5つです。
提案書を受け取っている方は、項目を3つの箱に当てはめ、右の箱に入ったものから尋ねてみてください。
判断するのは、読んだ方ご自身です。
今日できる点検
最後に、自社のサイトと手元の書類で、今日のうちに確かめられることを表にしました。
道具は要らず、ブラウザと提案書があれば足ります。
点検の表
| 確かめること | やり方 | 見つかったときにすること |
|---|---|---|
| 読者に見えない文章が入っていないか | 主力のページを1つ開き、全体を選択して、画面に見えていない文字が浮き出ないかを見る | 入れた相手に内容と理由を尋ね、消す |
| llms.txtが置かれていないか | 自社のドメインの後ろに /llms.txt を付けて開く | 中身が現在のサイトと合っているかを読む |
| 出典の分からない数字がないか | 記事を1本選び、数字を1つ選んで、出どころをたどる | たどれなければ、その数字を消す |
| 日付と中身が合っているか | 更新日が新しい記事を1本開き、料金や制度の記述が現在のものかを読む | 中身を直し、直した日を書く |
| 自社が1位のランキングがないか | 自社サイトと、制作を頼んだ外部のサイトを探す | 順位を外し、選ぶ基準を並べる形に直す |
| 提案書に保証の言葉がないか | 「必ず」「確実」「登録」の語を探す | 何をもって達成とするのかを書面で尋ねる |
点検のあとにすること
6つのうち、1つでも該当があれば、今日はその1つだけを直してください。
該当が1つもなければ、やめる施策はありません。
その場合は、社名を入れずに、買い手が打ちそうな質問を1問だけAIに聞いてみてください。
自社の名前が出たか、どのページが出典になったかを書き留めれば、やり方の記事の工程1が1回ぶん済んだことになります。
やってはいけないことを避けた先にあるのは、この記録を毎月続ける作業です。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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