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問い合わせが自然と増える!トップページの「ボタンなし」戦略

2026 9/17

トップページに「お問い合わせはこちら」「無料相談を申し込む」といったボタンをいくつも置いているのに、問い合わせが増えない。そういう相談をいただくことがあります。そして、そのボタンを減らしたほうが問い合わせが増える場面が、実際にあります。

この記事では、「ボタンなし」という言い方で語られる考え方の中身を整理し、どういう場合に外すと効き、どういう場合に外すと逆効果になるのかを分けて説明します。地域でビジネスをされている方が、自分のサイトに当てはめて判断できる形にまとめます。

目次

「ボタンなし」が意味していること

最初に、言葉の中身をはっきりさせます。「ボタンなし」は、問い合わせへの入口を消す話ではありません。入口を1つに絞り、それ以外の押しどころを画面から取り除く、という話です。

トップページに5つのボタンが並んでいるサイトは、来た人に5通りの判断を同時に迫っています。どれを押すべきかを決める作業は、訪問者にとって手間です。その手間を引き受けるより、いったん離れるほうが楽なので、多くの人は離れます。

入口を1つにすると、その判断が消えます。読む人は「押すか、押さないか」だけを考えればよくなります。これが、ボタンを減らしたのに問い合わせが増えるという、一見おかしな結果の中身です。

ボタンを増やしても問い合わせが増えない3つの理由

1. 選択肢が増えると、決めるのが難しくなる

「資料請求」「無料相談」「見積もり依頼」「電話で聞く」を並べると、親切に見えます。ところが受け取る側は、自分がどれに当てはまるのかを考え始めます。資料請求と無料相談の違いが分からない人は、そこで止まります。

入口を複数置くなら、それぞれが誰向けなのかを1行で書き添える必要があります。書き添えられないなら、その入口はまだ整理されていない状態です。

2. 判断材料が揃う前に、決断を迫っている

初めて訪れた人は、その会社が何をしていて、自分の困りごとを扱っているのかを、まだ知りません。その段階で画面いっぱいのボタンが出てくると、売り込まれている感覚が先に立ちます。

順序を整えると、この摩擦は消えます。何をしている会社か、どんな困りごとを扱うか、進め方はどうなるか。これらが伝わったあとであれば、同じボタンが自然な次の一歩として受け取られます。

3. 追従するボタンが、本文の読解を邪魔している

画面の下や横に貼り付いて動かないボタンは、常に見えている分だけ押されやすいと考えられがちです。実際には、小さな画面では本文の一部を覆い隠します。読みにくくなった本文は読まれず、読まれなかった本文は説得の役目を果たしません。

覆い隠している面積と、押される回数を比べて判断します。押されていないなら、本文を隠しているだけの状態です。

外すもの、代わりに置くもの

外すもの 外しただけだと起きること 代わりに置くもの
「無料相談はこちら」の大型ボタン 次に何をすればよいか分からず離れる 誰に向けた相談かを1行で書いた導線
画面に追従する問い合わせボタン 本文が読みにくくなるだけで押されない 本文を読み終えた位置に1つだけ置く
ヘッダーの並列メニュー どこから見ればよいか迷う 最初に読んでほしい1ページへ絞る
「詳しくはこちら」の連続 どれも同じに見えて、どれも押されない リンク先で何が分かるかを文言に入れる

この表の右側が抜けたまま左側だけを実行すると、問い合わせは減ります。「外す」と「置き換える」は1つの作業として扱ってください。

外す前に確かめておく3つのこと

いまのボタンが働いているかどうかを確かめずに外すと、うまくいっていた導線まで壊してしまいます。着手前に次の3点を確認します。

確かめること 確かめ方 外す判断の目安
そのボタンが押されているか 解析ツールでボタンごとの押下数を見る ほとんど押されていないなら外す候補
問い合わせがどのページから来ているか 問い合わせ直前に見ていたページを調べる トップページ以外が主なら、外しても影響は小さい
電話や地図からの流入があるか 電話番号と地図のリンクの利用状況を見る 電話が主なら、画面上部には番号を残す

ここで大切なのは、計測そのものが入っているかを先に疑うことです。ボタンの押下数が0と表示されていても、計測が設定されていなければ、それは「押されていない」証拠になりません。数字を読む前に、その数字が取れる状態かを確かめます。

外したあとに置く導線の作り方

入口は1ページに1つだけ残す

残す入口は、そのページを読み終えた人がいちばん自然に望むものにします。会社紹介のページなら「話を聞いてみる」、料金の説明ページなら「自社の場合の見積もりを頼む」といった具合です。ページの中身と入口の中身を揃えます。

本文を読み終えた位置に置く

上のほうに置いたボタンは、まだ判断材料が揃っていない人の目に入ります。本文を読み終えた位置なら、必要な情報が渡ったあとです。同じボタンでも、置く位置で受け取られ方が変わります。

文言に「押すと何が分かるか」を入れる

「詳しくはこちら」は、押した先に何があるかを伝えていません。「対応できる工事の範囲を見る」「60分の相談で何を話すか確認する」のように、押した先で得られるものを書きます。押す前の不安が減るぶん、押されやすくなります。

問い合わせの手前にある不安を先に消す

押すのをためらわせているのは、たいていボタンの見た目ではありません。「しつこく営業されるのでは」「費用がいくらか分からない」「まだ具体的でないのに相談してよいのか」といった不安です。これらに答える一文をボタンの近くに置くと、押下率が変わります。

書き方は事実の範囲にとどめます。営業をしないと書くなら、実際にしない運用にします。書いた内容と実際の対応がずれると、最初の一度は押されても、次からの信頼を失います。

トップページの役割を決め直す

ボタンの数を議論する前に、そのトップページが何をする場所なのかを決めておくと、判断が速くなります。役割が決まっていないページには、あらゆる要素が「念のため」で載っていきます。ボタンが増えるのも、その結果のひとつです。

役割の決め方は、来る人の状態から逆算します。検索から来た人は、自分の困りごとを扱っているかを知りたい。名刺や紹介から来た人は、どんな会社かを知りたい。広告から来た人は、広告で見た話の続きを知りたい。どの経路が最も多いかを調べ、その人に向けて上から順に組み直します。

役割が1つに決まると、載せる要素も自然に絞られます。最初の画面に置くのは、来た人の状態を言い当てる一文と、この会社が何を引き受けるのかの説明です。自社の実績や受賞歴を最初に置くと、来た人の関心とずれます。

ボタン以外に原因がある場合

ボタンを整えても問い合わせが動かないときは、原因がページの外にあります。よくあるのは次の3つです。

1つめは、そもそも人が来ていない場合です。月に数十人しか訪れていないサイトで、押しどころを工夫しても、動く幅は限られます。この場合は、来る人を増やす作業が先になります。

2つめは、来ている人と扱っている仕事が合っていない場合です。個人向けの検索語で人が来ているのに、法人向けの仕事を説明しているといった食い違いです。解析でどんな検索語から来ているかを見ると、すぐに分かります。

3つめは、問い合わせフォームで止まっている場合です。フォームを開いた人数と、送信できた人数を比べると、ここで落ちているかどうかが分かります。

問い合わせフォームの点検

点検する項目 起きていること 直し方
入力項目が多い 書く手間を見て、その場でやめる 連絡先と用件だけに絞り、残りは会話で聞く
必須項目が多い まだ決まっていない項目で止まる 予算や希望時期は任意にする
送信後に何が起きるか書いていない 返信が来るのか分からず不安になる 返信の時間と、次に起きることを明記する
誤りの表示が分かりにくい どこを直せばよいか分からず離脱する 該当欄のすぐ横に、直す内容を書く
小さな画面で使いにくい 指で押しにくく、入力途中でやめる 携帯端末で実際に最後まで送信してみる

点検の最後は、自分で一度送信してみることです。届いた通知の文面、自動返信の内容、返信までの時間。ここまで通しで確かめると、想定と違う箇所がたいてい1つは見つかります。

業種によって判断は変わる

サイトの性格 入口の置き方 理由
急ぎの困りごとを扱う(水回り、鍵、修理) 電話番号を画面上部に残す 困っている本人は、読む前に連絡したい
じっくり比較される(住宅、教育、専門相談) 読み終えた位置に1つ置く 判断材料が揃うまで押す動機が生まれない
予約が主な目的(飲食、美容、施術) 予約への入口を各ページに固定で置く 来店の意思が先にあり、迷いが少ない
法人向けの相談(支援、制作、士業) 相談内容を1行で書いた入口を1つ 誰向けかが分からないと社内で通せない

急ぎの困りごとを扱う業種で入口を奥に隠すと、単純に機会を落とします。「ボタンなし」という言葉を一律の正解として扱うと、こうした業種で損をします。

効果の確かめ方

変更したら、効いたかどうかを確かめます。ここで手順を決めておかないと、変更のたびに印象で議論することになります。

比較する形にする場合は、始める前に3つを決めます。判定に使う指標、判定する日、そして判定の基準です。指標は問い合わせ件数のような最終的な結果にします。押下数のような途中の数字だけで判定すると、押されたのに問い合わせに至っていない状態を見落とします。

配分にも注意が要ります。新しい形を1割の人にしか見せていない状態は、比較としては成立しにくく、条件を揃えた検証とは呼べません。同じ期間に、ほぼ同じ人数へ、それぞれの形を見せる形にします。期間も、曜日の偏りが消えるよう最低でも数週間は置きます。

検証の道具は入れ替わりが激しく、以前使えたものが提供終了になっている場合があります。着手前に、いま使える道具を確かめてから設計してください。

1週間で進める手順

一度に全部を作り替えると、何が効いたのか分からなくなります。順番に並べて、1週間で一巡させる形にすると扱いやすくなります。

日 やること 終わった状態
1日目 計測が入っているか確かめる ボタンごとの押下数が読める
2日目 トップページの押しどころを数える 入口の一覧と、それぞれの押下数が並ぶ
3日目 残す入口を1つ決める ページの中身と入口の中身が揃う
4日目 重複した入口を外す 画面から迷いどころが消える
5日目 残した入口の文言を書き直す 押した先で何が分かるかが読める
6日目 携帯端末で通しで送信してみる フォームと自動返信まで確認済み
7日目 判定する日と基準を決めて記録する 次に見直す日が決まっている

7日目の作業を飛ばすと、変更したことを忘れたまま時間が過ぎます。判定する日を先に決めておくと、その日まで触らずに済み、比較が成立します。

見た目より先に効くこと

ボタンの色や大きさの相談をいただくことがあります。効かないわけではありませんが、順番としては後ろです。色を変えて動く幅より、置く位置と文言を変えて動く幅のほうが、たいてい大きくなります。

さらにその手前にあるのが、ページに書いてある中身です。何を引き受ける会社なのか、いくらくらいかかるのか、頼んだあと何が起きるのか。この3つが読んで分かる状態になっていれば、ボタンの見た目は二の次になります。逆に3つが曖昧なままだと、どんなに目立つボタンを置いても押されにくいままです。

よくある質問

ボタンを全部消してしまってよいですか

消すのは重複している入口までにします。問い合わせへの経路は必ず1つ残し、ヘッダーの案内や各ページの末尾から到達できる状態を保ちます。経路が消えると、問い合わせたい人が行き場を失います。

減らしたら問い合わせが減りました。戻すべきですか

戻す前に、減ったのが件数か、それとも相談の質かを分けて見ます。件数が減って商談につながる割合が上がっているなら、狙いどおりに働いている可能性があります。両方とも下がっているなら、置き換えの部分が抜けている合図です。

電話番号は目立つ場所に置くべきですか

急ぎの困りごとを扱う業種では、画面上部に残します。比較検討が長い業種では、読み終えた位置で十分です。判断の基準は、来る人が困っている最中かどうかです。

どのくらいで効果が見えますか

問い合わせ件数が月に数件という規模では、1か月では判断できません。3か月ほど並べて、傾向として見ます。少ない件数の上下に反応して毎月作り替えると、何が効いたのか分からなくなります。

まとめ

「ボタンなし」は、入口を消す話ではなく、入口を1つに絞る話でした。押しどころが増えるほど、来た人は選ぶ手間を負い、その手間が離脱を生みます。

手順は3つです。いまのボタンが押されているかを、計測の有無から確かめる。重複した入口を1つに絞る。残した1つを、本文を読み終えた位置に、押すと何が分かるかを書いた文言で置く。

そのうえで、急ぎの困りごとを扱う業種では電話番号を上部に残すなど、自社の性格に合わせて調整してください。一律の正解を当てはめるより、来る人がどんな状態で訪れるかから逆算するほうが、確実に効きます。

何から手を付けるか迷っている場合は、集客の手法を増やす前に確かめる1つのこともあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

中野輝規のアバター 中野輝規

合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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