検索で上位に入っているページは、AIに引用されるうえで有利です。
ただ、上位のページだけが引用されているわけではありません。
Ahrefsが2026年3月に公開した調査では、GoogleのAI Overviewsに引用されたページのうち、検索10位以内のものは37.9%でした。
順位は見続けたうえで、買い手の質問をAIに聞き、自社の名前が出るかどうかを別に測る、というのがこの記事の答えです。
結論:順位は見続け、その隣にAIの記録を足します
先に全体を表で示します。
検索順位で分かることと、順位では分からないことを分けました。
順位で分かること、順位では分からないこと
| 知りたいこと | 順位表で分かるか | 根拠にした調査や実測 | 次にすること |
|---|---|---|---|
| 狙った言葉で自社のページが何位か | 分かる | 順位表そのもの | 毎月の記録を続ける |
| AI Overviewsに引用される見込みがあるか | 一部だけ分かる | 引用されたページのうち10位以内は37.9%(Ahrefs) | 10位より下の記事も消さずに残して確かめる |
| その言葉を検索する人がどれくらいいるか | 分からない | 同じ10位以内で表示回数に23倍の差(弊社の実測) | 表示回数の列を一緒に見る |
| 社名を入れない質問で、AIが自社の名前を出すか | 分からない | 名前を伏せた質問では3.32%(海外の実験) | 買い手の質問をAIに聞いて数える |
| 今日の出典が来月も同じか | 分からない | 翌日の出典の重なりは約3〜4割(海外の実験) | 同じ質問を複数回、日を変えて聞く |
1行目は、順位表がいちばん得意なことです。
2行目からは、順位表だけでは半分も埋まりません。
この記事は、やってはいけないLLMO対策を10個まとめた記事の施策9「検索順位だけを追う」を、1本に広げたものです。
一覧では数字を1つ紹介しただけだったので、ここでは調査2つの読み比べと、Googleの説明と、順位表に足す記録の作り方を書きます。
この記事が言っていないこと
先に、誤解されやすい点を書いておきます。
検索順位を上げる作業は、いまも意味があります。
あとで紹介する調査では、AI Overviewsの94%が、検索20位以内のページを少なくとも1つ引用していました。
この記事が扱うのは、順位「だけ」を見て、AIの回答を一度も確かめないまま進めることです。
順位を追うことそのものを、やめる対象にはしていません。
数字の出どころと、この記事の書き方
この記事では、特定の会社や媒体を、施策の良し悪しの例として名指ししません。
調査を公開した会社の名前だけは、出典として書きます。
「海外の実験では」「海外の調査では」と書いた数字は、海外の論文から引いたものです。
「弊社では」と書いたことは、弊社が自分で測ったことです。
お断りしておくと、ここで引く論文と調査は英語と海外が中心で、日本語の検索で同じ数字になるとは言えません。
順位と引用の関係を調べた2つの公開調査は、どちらもGoogleのAI Overviewsが対象で、米国が中心です。
ChatGPTなどGoogle以外のAIについて、引用元の検索順位がどう分布しているかは、弊社は確かめていません。
論文は弊社が1本ずつ日本語で解説しており、解説の一覧から原文の情報までたどれます。
LLMO対策という言葉そのものの説明は、LLMO対策とは何かを書いた記事に分けてあります。
順位表で分かること、分からないことを分けた図
順位表とAIの記録は、見ているものが違います。
どちらが何を教えてくれるかを、4つの箱に分けました。
左の2つは、いま手元にある順位表で埋まります。
右の2つは、順位を調べる道具の画面には出てきません。
図の使い方
毎月の報告書を開き、4つの箱のうち、どれに当たる数字が載っているかを数えてください。
1の箱だけが埋まっているなら、いまの報告は順位だけを追っている状態です。
3と4の箱が空いていても、1の箱の作業をやめる理由にはなりません。
空いている箱を足す、という順番で考えます。
2の箱が「一部」である理由
2の箱には「見込みの一部」と書きました。
10位以内のページが引用されやすいことは、調査で確かめられています。
同じ調査で、引用されたページの6割強は10位より下でした。
順位表から読めるのは、引用される見込みのうち、10位以内に入っている分だけです。
どんな考え方で、なぜ広まっているのか
「SEOができていれば、AIにも出る」という考え方です。
狙う言葉の検索順位を毎月の報告の中心に置き、AIの回答は確かめません。
提案書や報告書での現れ方
提案書では、「検索上位を取ることがAI対策になります」という1行で書かれます。
毎月の報告書には順位の表が載り、AIに聞いた結果の記録は載りません。
社内でも同じことが起きます。
順位を調べる道具をすでに使っている会社ほど、その画面だけで判断を済ませやすくなります。
よくある説明と、合っている部分
| よくある説明 | 合っている部分 | 足りない部分 |
|---|---|---|
| AIは検索上位のページを引用する | AI Overviewsの94%が、20位以内のページを1つは引用していた | 引用されたページ全体では、10位以内は37.9%だった |
| 順位が上がれば、AIの引用も増える | 上位のページが引用される機会を持つのは確か | 順位が上がった後に引用が増えたかどうかは、AIに聞かないと分からない |
| SEOとAI対策は同じ作業だ | Googleは、サポートリンクに表示されるにはインデックスへの登録が必要だと説明している | 測る対象が違う。順位表にAIの回答は載らない |
| 順位表を見ていれば十分だ | 狙った言葉での位置は、順位表で正確に分かる | 社名を入れない質問で名前が出るかは、順位表に無い |
4行とも、説明そのものが誤りだと言っているのではありません。
合っている部分があるからこそ、足りない部分に気づきにくくなります。
なぜ広まっているのか
理由の1つ目は、根拠になる数字が実際にあることです。
Ahrefsの2025年7月の調査では、AI Overviewsに引用されたページの約76%が検索10位以内でした。
この時点では、「上位に入れば引用される」という説明は、調査の数字とよく合っていました。
同じ会社の2026年3月の調査では、この割合が37.9%になっています。
以前の数字で覚えた説明が、そのまま使われ続けている場合があります。
理由の2つ目は、順位が測りやすいことです。
順位は道具が自動で記録し、先月と今月を並べて比べられます。
AIの回答は、同じ質問でも日によって変わるので、表にしにくい数字です。
測りやすい数字が報告の中心に残るのは、自然な流れだと弊社は見ています。
2つ目の理由は弊社の見方で、調査で確かめたものではありません。
調査1:AI Overviewsに引用されたページは、検索で何位だったのか
順位と引用の関係を、いちばん大きな規模で数えた公開調査から見ていきます。
Ahrefsが2026年3月2日に公開した調査です。
何を数えた調査か
対象は86.3万のキーワードと、GoogleのAI Overviewsに引用されたURL 400万件です。
引用されたページ1件ずつについて、同じキーワードの通常の検索結果で何位だったかを調べています。
分母は「引用されたページ」です。
「上位のページのうち何割が引用されたか」を数えた調査とは、向きが逆になります。
調査の原文は、Ahrefsの公開ページで読めます。
結果:10位以内、11〜100位、100位より外が、ほぼ3分の1ずつでした
| 引用されたページの検索順位 | 割合 | 読み方 |
|---|---|---|
| 10位以内 | 37.9% | 10件しか無い枠から、全体の4割弱が選ばれている |
| 11〜100位 | 約31% | 2ページ目より後ろからも、3割が選ばれている |
| 100位より外 | 31.0% | 順位表にはまず載らない位置からも、3割が選ばれている |
| (参考)2025年7月の調査での10位以内 | 約76% | 同じ会社の以前の調査では、4分の3が10位以内だった |
1行目は、上位が有利であることを示しています。
10位以内に入れるページは1つのキーワードにつき10件だけなのに、引用の37.9%がそこから出ています。
2行目と3行目を足すと約62%です。
引用されたページの6割強は、10位より下にありました。
約76%から37.9%へ変わった理由を、Ahrefsはどうみているか
同じ会社の2025年7月の調査では、約76%が10位以内でした。
8か月ほどで、10位以内の割合はおよそ半分になっています。
Ahrefsは原因を、AIが元の質問を派生の質問に分けて検索するしくみにあるとみています。
このしくみは、クエリファンアウトと呼ばれます。
元の言葉では10位より下のページでも、派生の質問のほうで拾われることがある、という説明です。
これは調査を行った会社の見立てで、原因が実験で確かめられたわけではありません。
この調査の限界
対象はGoogleのAI Overviewsで、米国が中心です。
日本語の検索で同じ割合になるとは言えません。
ChatGPTやPerplexityなど、Google以外のAIの引用元については、この調査は数えていません。
2つの時点で割合が大きく変わっていることからも、数字は調査した時点のものとして読むのが安全です。
来年も37.9%のままだとは、誰にも言えません。
調査2:AI Overviewsの94%は、20位以内のページを1つは引用していました
調査1だけを読むと、順位は関係ないように見えてしまいます。
そこで、向きの違う数字をもう1つ並べます。
何を数えた調査か
seoClarityが2025年10月に公開した調査で、対象は36.2万のクエリです。
AI Overviewsの94%が、検索20位以内のページを少なくとも1つ引用していました。
こちらの分母は「AI Overviewsの回答」です。
回答1つにつき、20位以内のページが1つでも入っていれば、94%の側に数えられます。
調査の原文は、seoClarityの公開ページで読めます。
この調査も、GoogleのAI Overviewsが対象で、米国が中心です。
2つの調査は矛盾しません
94%と37.9%は、反対のことを言っているように見えます。
数えているものが違うので、両方が同時に成り立ちます。
| 比べる点 | 調査1(Ahrefs、2026年3月) | 調査2(seoClarity、2025年10月) |
|---|---|---|
| 規模 | 86.3万キーワード、引用されたURL 400万件 | 36.2万クエリ |
| 分母 | 引用されたページ | AI Overviewsの回答 |
| 数えたこと | そのページが検索で何位だったか | 20位以内のページが1つでも入っているか |
| 結果 | 10位以内は37.9% | 94%の回答に、20位以内が1つは入っていた |
| 言えること | 引用されたページの6割強は10位より下 | ほとんどの回答は、上位のページを土台に含んでいる |
| 対象 | GoogleのAI Overviews、米国中心 | GoogleのAI Overviews、米国中心 |
説明のための例
数字の関係を、作った例で確かめます。
実際の調査の数字とは別に、説明のために弊社が置いた例です。
ある回答に、出典が9件並んでいたとします。
9件のうち1件が検索5位のページ、残りの8件が30位より下のページだったとします。
この回答は、20位以内のページを1つ含んでいるので、調査2では94%の側に数えられます。
同じ回答を調査1の数え方で見ると、引用されたページ9件のうち、10位以内は1件です。
1つの回答の中に、上位のページと、上位でないページが一緒に並んでいる、というのが2つの調査を合わせた姿です。
2つを合わせた読み方
上位のページは、ほとんどの回答に1つは入っています。
上位にいることは、引用されるうえで有利だと読めます。
同時に、引用されたページ全体で見ると、6割強は10位より下のページです。
順位表で10位以内の行だけを見ていると、引用されたページの6割強が視界の外に出ます。
順位は土台として見続け、順位表の外にあるものを別に数える、という扱いが2つの数字に合っています。
なぜ上位以外のページも引用されるのか:Googleの説明
10位より下のページが引用される理由について、Google自身が公式のページでしくみを説明しています。
Googleがサイトの運営者向けに公開している「AI 機能とウェブサイト」というページです。
Googleが説明していること
弊社は2026年10月1日にこのページを確認しました。
ページの最終更新日は、2025年12月31日(協定世界時)と表示されています。
書かれている内容のうち、順位と引用の関係に関わるのは次の4点です。
| Googleの説明 | 順位表との関係 | 読者が確かめること |
|---|---|---|
| AIによる概要とAIモードは、クエリファンアウトという手法を使う場合がある。関連する複数のサブトピックやデータソースに対して検索を実行し、それをもとに回答を組み立てる | 順位表は、自社が登録した言葉の順位しか載せていない | 買い手の質問から派生しそうな質問を書き出してみる |
| これにより、従来の検索よりも幅広いリンクを表示できる | 10位より下のページが出典に並ぶことと合う | 10位より下の記事も、出典に並んでいないか確かめる |
| AIによる概要とAIモードでは、使うモデルや手法が異なる場合があり、表示される回答やリンクにも違いがある | 同じ質問でも、機能ごとに出典が違いうる | どの機能で確かめたかを記録に書く |
| サポートリンクとして表示されるには、インデックスに登録され、スニペットが表示できる必要がある | 通常の検索に出られる状態が前提になっている | 大事なページがインデックスに登録されているかを確かめる |
左の列がGoogleの説明で、中央と右の列は弊社の読み方です。
説明の原文は、Googleの「AI 機能とウェブサイト」のページで読めます。
クエリファンアウトを順位表の側から見る
順位表に載っているのは、自社が登録した言葉での順位です。
Googleの説明のとおりなら、AIの回答は、元の質問とは別の複数の検索をもとに組み立てられる場合があります。
その別の検索でどのページが何位だったかは、順位表には出てきません。
調査1でAhrefsが原因として挙げていたのも、このしくみでした。
派生の質問が実際にどんな言葉になるかを、弊社は外から確かめられていません。
分かっているのは、元の言葉の順位だけでは説明しきれない引用がある、というところまでです。
4つ目の説明は、SEOの土台が要ることを示しています
4行目は、順位を追う作業の側に立つ説明です。
インデックスに登録されていないページは、サポートリンクに表示される条件を満たしません。
通常の検索に出られる状態を保つ作業は、AIの回答に出るための前提として残ります。
Googleの説明を読むかぎり、順位表を捨てる理由は見当たりません。
読み取れるのは、順位表の外にも見るものがある、ということです。
研究1:検索結果とAIの出典は、どこまで重なるのか
ここまでの2つは、企業が公開した調査でした。
同じ問いを、大学などの研究者も論文で調べています。
4,706問の研究:引用されたドメインの53%は、上位10件の外でした
海外の実験では、AI Overviewsが参照したドメインのうち、平均で53%が通常のGoogle検索の上位10件に入っていなかったと報告されています。
27%は、上位100件にもありませんでした。
2025年10月に公開され、国際学会ACL 2026に、本会議とは別の枠で採択された論文です。
質問は4,706問で、すべて英語です。
2025年9月に、米国とドイツの2か所から、ログインしていない状態で検索されました。
ページ単位で数えた結果も載っています。
AI Overviewsが引用したページのうち、通常の検索の上位10件と重なるのは50%未満で、上位100件まで広げても60%未満でした。
Ahrefsの調査とは質問の数も時期も数え方も違うのに、「10位以内は半分に届かない」という向きは同じです。
5万5,393件の調査:出典ドメインの29.8%は、1ページ目の外でした
米国の大学の研究者が2026年5月に公開した論文も、同じ点を数えています。
海外の調査では、AI Overviewsの出典ドメインのうち、通常の検索結果の上位10件に出ていたのは41.4%だったと報告されています。
1ページ目の検索結果まで広げると70.2%で、残りの29.8%は1ページ目に出ていないドメインでした。
検索に使われたのは、米国で急上昇した英語の検索語55,393件です。
2026年3月13日から40日間集められ、AI Overviewsが出たのはそのうち7,583件でした。
半分以上がスポーツの検索語なので、あらゆる検索を代表する数字とは言えません。
この論文は、検索順位が低いほど引用されやすい、とは述べていません。
1万1,500問の研究:同じGoogleの中でも、出典はあまり重なりませんでした
もう1本は、通常のGoogle検索、AI Overviews、Geminiの3つを、同じ質問で並べた研究です。
海外の実験では、3つが挙げる出典の重なりは、0から1で表す指標で0.11〜0.18だったと報告されています。
2026年4月に公開され、国際会議SIGIR 2026に採択された論文です。
指標はジャッカード係数と呼ばれ、0は共通の出典が無いこと、1は完全に同じことを表します。
0.18は、どちらかが挙げた出典のうち約18%が両方に出ていた、という意味です。
質問セットは11,500問で、重なりを測ったのは、3つすべてが出典を返した7,439問でした。
集めたのは2025年12月の2日間です。
| 研究 | 比べたもの | 結果 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 4,706問の研究 | AI Overviewsが参照したドメインと、通常の検索の上位10件 | 平均で53%が上位10件の外 | 英語、米国とドイツ、2025年9月 |
| 4,706問の研究 | AI Overviewsが参照したドメインと、通常の検索の上位100件 | 平均で27%が上位100件の外 | 同上 |
| 5万5,393件の調査 | AI Overviewsの出典ドメインと、通常の検索の上位10件 | 41.4%が上位10件に出ていた | 英語、米国の急上昇の検索語、2026年3〜4月 |
| 1万1,500問の研究 | AI Overviewsと通常の検索の出典 | 重なりの指標が0.18 | 3つとも出典を返した7,439問、2025年12月 |
| 1万1,500問の研究 | Geminiと通常の検索の出典 | 重なりの指標が0.16 | 同上 |
| 1万1,500問の研究 | AI OverviewsとGeminiの出典 | 重なりの指標が0.11 | 同上 |
いちばん下の行は、検索順位と関係のない比較です。
同じ会社が作ったAIどうしでも、出典の重なりは3つの組み合わせの中で最も小さい値でした。
返された出典の数は、Geminiが平均9.68件、AI Overviewsが9.24件、通常の検索が8.75件で、ほぼそろっています。
件数は同じくらいなのに中身が重ならないので、論文は理由を出典の選び方の違いとみています。
この3本の限界
4,706問の研究は英語の質問を米国とドイツから調べたもので、日本の場所から調べた結果は入っていません。
1万1,500問の研究の対象はGoogleの3つだけで、ChatGPTなどほかのサービスで同じことが言えるかは確かめられていません。
5万5,393件の調査は急上昇した検索語に限ったもので、3本とも、ある時点のサービスを外から観察した記録です。
「上位10件に入っていなくても引用されやすくなる方法がある」ことまでは、どの論文も示していません。
読み取れるのは、検索の順位表をAIの出典の一覧の代わりに使うことはできない、という1点です。
研究2:出典は日によって入れ替わり、引用と回答に使われることも別でした
検索順位は、同じ日に2回調べてもほぼ同じ数字が返ります。
AIの出典は、そうなっていません。
同じ質問でも、翌日の出典の重なりは約3〜4割でした
海外の実験では、同じ質問を連続する2日に聞いたとき、出典の重なりは平均で0.34〜0.42だったと報告されています。
スイスの大学の研究者が2026年4月に公開した、査読前の論文です。
対象はChatGPT、Gemini、GoogleのAIモード、Perplexityの4つで、質問はドイツ語の32問でした。
4つの分野で各8問を用意し、2026年1月24日から3月20日まで毎日聞いています。
同じ質問を24時間以内に繰り返した別のデータでも、出典の重なりは0.32〜0.43で、日をまたいだ場合と同じ水準でした。
回答に出るブランド名のほうは、連続する2日で0.45〜0.59です。
出典よりは安定していますが、半分近くは入れ替わる水準だと解説記事では読んでいます。
| 比べたもの | 重なりの指標(0〜1) | 条件 |
|---|---|---|
| 連続する2日の出典 | 0.34〜0.42 | 4分野、4,044組 |
| 24時間以内に繰り返したときの出典 | 0.32〜0.43 | 引用が1件以上あった回答だけを比較 |
| 連続する2日のブランド名 | 0.45〜0.59 | 3分野、2,924組 |
| 2か月あけたときのAI Overviewsの出典 | 0.18(18%) | 前の節の4,706問の研究。通常の検索は45% |
4行目は、前の節で紹介した4,706問の研究の数字です。
2か月あけて同じ質問を調べると、出典の重なりは通常のGoogle検索が45%、AI Overviewsが18%でした。
順位表は先月と今月を並べて比べられますが、AIの出典は1回ずつの結果を並べても比べになりません。
この論文の著者は、見え方を「何回に1回出るか」という回数で捉えるよう提案しています。
32問という小さな範囲の実験なので、日本語の質問で同じ割合になるとは言えません。
出典に並ぶことと、回答の文章に使われることは別でした
順位表に無いものが、もう1つあります。
出典として並んだページが、回答の文章にどれだけ使われたか、という点です。
海外の調査では、出典の数が最も多いサービスと、ページが回答に取り込まれた度合いが最も高いサービスは別だったと報告されています。
2026年4月に公開された査読前の論文で、質問は602問、比べたのはChatGPT、GoogleのAI Overviews、Perplexityの3つです。
| サービス | 1質問あたりの出典の数(平均) | 回答への取り込まれ具合(0〜1の平均) |
|---|---|---|
| ChatGPT | 6.88件 | 0.2713 |
| GoogleのAI Overviews | 12.06件 | 0.0584 |
| Perplexity | 16.35件 | 0.0646 |
右の列は、著者が作った指標です。
回答の中で何回引用されたか、どの位置に出たか、ページと回答の言葉がどれだけ一致したか、を足し合わせています。
指標のおよそ半分は言葉の一致で決まるので、言い換えて使われた場合は低く出ることがあります。
論文自身も、サービスの間の差は引用の表示のしかたや回答の長さの違いを映している可能性がある、と書いています。
数字の大小をそのまま信じるより、「並んだ」と「使われた」は別々に数えられる、という点だけを受け取るのが安全です。
順位表に足りない列
2本を合わせると、順位表に無い列が3つ見えてきます。
何回聞いたうち何回出たか、どのページが出典に並んだか、回答の文章がそのページの何を使っていたか、の3つです。
どれも、検索順位を調べる道具の画面には出てきません。
順位では分からないこと:社名を入れない質問で、名前が出るか
ここまでは、どのページが出典に選ばれるか、という話でした。
買い手にとって大事なのは、AIの回答の文章に会社の名前が出るかどうかです。
海外の実験:名前を入れれば99.4%、伏せると3.32%でした
海外の実験では、製品名を入れて聞くと99.4%の質問で名前が回答に出たのに、名前を伏せてカテゴリで聞くと3.32%だったと報告されています。
数えたのは、製品名の文字列が回答に現れた割合です。
分母は、名前を入れた質問が336回、名前を伏せた質問が784回でした。
対象は新製品の紹介サイトに載った英語圏の112製品で、ChatGPTの小型モデルを検索機能なしで使っています。
検索機能のあるPerplexityでは、同じ順に94.3%と8.29%でした。
2025年12月に1回だけ行われた実験で、査読前の論文です。
名前を伏せた質問の多くは「新しい」「最近登場した」という条件つきだったので、数字をそのまま日本の会社に当てはめることはできません。
受け取れるのは向きだけです。
社名を入れた質問で名前が出ることと、社名を入れない質問で名前が出ることの間には、大きな開きがありました。
弊社の計測:「おすすめの会社」を聞く質問では、4回中0回でした
弊社の数字も、良いとは言えません。
弊社では2026年9月30日に、会社を探す質問4問をAIに聞きました。
弊社の名前が出たのは、そのうち1問です。
その1問は、GoogleのAIモードで2回聞いて、2回とも出ました。
「おすすめの会社」を聞く2問では、4回聞いて0回でした。
LLMOの記事を書いている会社でも、聞き方が変わるとこの結果になります。
この「4回中0回」は、順位表のどの行にも書かれていない数字です。
AIに実際に聞いて、初めて分かりました。
AI検索の引用元は、検索の上位10件と顔ぶれが違いました
名前が出にくい理由を考える材料として、もう1本あります。
海外の実験では、AI検索の引用元は第三者の媒体に大きく偏っていたと報告されています。
ランキングを求める質問1,000問を、米国とカナダで、Googleと検索機能つきのChatGPTに聞いた実験です。
AI検索の引用元のうち第三者の媒体は、6つの組み合わせで約69〜92%でした。
Googleの上位10件では約32〜54%です。
2025年8月に集めたデータを使った査読前の論文で、分類の枠組みは著者が作り、振り分けはAIが行っています。
自社サイトの記事が検索で上位にあっても、AIが根拠にするのは別の種類のサイトかもしれない、と読める結果です。
| 確かめたいこと | 順位表で分かるか | 分かる方法 |
|---|---|---|
| 狙った言葉で自社のページが何位か | 分かる | 順位を調べる道具、Googleサーチコンソール |
| 社名を入れた質問で、AIが自社を説明できるか | 分からない | 社名を入れてAIに聞く |
| 社名を入れない質問で、自社の名前が出るか | 分からない | 買い手の質問をAIに複数回聞き、出た回数を数える |
| AIがどの種類のサイトを根拠にしているか | 分からない | 回答の出典の一覧を記録する |
4行のうち、順位表が答えられるのは1行目だけです。
1行目も大事な数字なので、残りの3行を別の方法で埋めます。
弊社の実測:同じ「10位以内」でも、表示回数は23倍違いました
順位の数字には、AIとは関係のない弱点もあります。
順位だけでは、その言葉を何人が検索しているかが分かりません。
3つのドメインで比べた結果
弊社では、3つのドメインで同じ体制で記事を作っています。
2026年8月20日に、検索10位以内に入った記事1本あたりの表示回数を、ドメインごとに比べました。
28日間で2.0回のドメインと、46.2回のドメインがあり、差は23倍でした。
| 比べたもの | 少なかったドメイン | 多かったドメイン |
|---|---|---|
| 検索10位以内の記事1本あたりの表示回数(28日間) | 2.0回 | 46.2回 |
| 順位表での見え方 | 10位以内 | 10位以内 |
| 差の原因(弊社の見立て) | 検索する人が少ない言葉を選んでいた | 検索する人がいる言葉を選んでいた |
順位表の上では、どちらも「10位以内」の1行です。
差の原因は、狙う言葉の選び方でした。
順位は取れていても、その言葉を打つ人がいなければ表示されません。
この数字から言えること
言えるのは、順位の数字だけでは読者の数が分からない、ということです。
「10位以内の記事が何本あるか」を成果として報告されたときは、表示回数の列も一緒に見てください。
表示回数は、Googleサーチコンソールの検索パフォーマンスの画面で確かめられます。
AIへの質問でも同じことが起きる、と弊社は考えています。
買い手が実際には聞かない質問で名前が出ても、読む人はいません。
これは弊社の考えで、AIへの質問の量を外から測る方法を弊社は持っていません。
弊社の3つのドメインだけの数字なので、ほかの会社で同じ倍率になるとも言えません。
順位を見る意味は残ります
この実測は、順位を見る意味が無いことを示すものではありません。
表示回数は、順位と検索する人の数の両方で決まります。
順位の列と表示回数の列を並べて読めば、言葉の選び方が合っていたかどうかを確かめられます。
代わりにやること:順位に加えて、3つを測ります
順位表はそのまま残します。
その隣に、AIに聞いた結果の表を1つ足します。
順位表の隣に足す3つの列
| 測るもの | 何が分かるか | 記録の書き方 | 順位表との関係 |
|---|---|---|---|
| 買い手の質問 | 何を聞かれたときの結果か | 社名を入れない質問を、文のまま書く | 順位表の「狙う言葉」にあたる |
| 名前が出た回数 | AIの回答に自社の名前が出るか | 「2回中◯回」の形で、聞いた回数と一緒に書く | 順位表の「順位」にあたる |
| 引用された自社ページ | どのページが出典に並んだか | 出典の一覧から、自社のページのアドレスを書き写す | そのページの検索順位を隣に書く |
| 聞いたAIと日付 | どの機能の、いつの結果か | AIの名前と日付を毎回書く | 順位表の「計測日」にあたる |
3行目の右端が、この記事でいちばん勧めたい作業です。
出典に並んだ自社ページの検索順位を隣に書くと、2つの表がつながります。
2つの表を見比べると分かること
順位は高いのに、一度も出典に並ばない記事が見つかります。
その記事は、買い手の質問に対する答えが本文のどこにあるかを読み直す候補です。
順位は10位より下なのに、出典に並んでいる記事も見つかることがあります。
順位表だけを見ていると、その記事を消したり、別の記事にまとめたりしてしまいます。
消す前に、AIの記録の表でその記事のアドレスを探してください。
工程の全体は別の記事にあります
測ることを含めた作業の順番は、LLMO対策のやり方を工程ごとに書いた記事にまとめています。
この節の内容は、その工程1「測る」と、工程4「AIの答えを読む」にあたります。
弊社の設計では、買い手の質問40問をAI 3種に各2回聞くので、測る工程だけで1か月240回になります。
この回数は弊社が決めた設計で、質問を20問にすれば120回です。
最初から40問をそろえなくても、1問から始められます。
社名を入れて聞く確かめ方は、ChatGPTに自社名が出るかを調べる記事に手順を書きました。
社名を入れた質問で説明が出ても、買い手に薦められているとは言えないので、社名を入れない質問と分けて記録します。
月1回の測り方
有料の道具は前提にしません。
表計算のシートが1枚あれば始められます。
手順
| 順番 | やること | 記録するもの | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 1 | 買い手が聞きそうな質問を決める | 質問の文 | 社名を入れない。毎月同じ文を使う |
| 2 | 同じ質問をAIに2回以上聞く | 聞いた回数、AIの名前、日付 | 1回の結果で判断しない |
| 3 | 回答に自社の名前が出たかを数える | 「2回中◯回」 | 出なかった回も消さずに書く |
| 4 | 出典の一覧を見る | 出典に並んだ自社ページのアドレス | 回答の文章だけで終わらせず、出典まで見る |
| 5 | そのページの検索順位を書く | 順位と、28日間の表示回数 | 10位より下でも消さずに書く |
| 6 | 先月の行の下に、今月の行を足す | 月ごとの回数の並び | 質問の文を途中で変えない |
順番2で「2回以上」としたのは、出典が日によって入れ替わるためです。
前の節で紹介した海外の実験では、同じ質問でも翌日の出典の重なりは約3〜4割でした。
その論文の著者は、1つの質問を1日に7〜8回以上聞くことを勧めています。
ドイツ語の32問から出した目安なので、日本語の質問で同じ回数が要るかどうかは確かめられていません。
弊社の設計は各2回です。
回数を増やすほど結果は安定しますが、続けられる回数で毎月そろえるほうを優先しています。
なぜ月1回なのか
記事の数字は、公開したあとも動きます。
弊社の2026年9月23日の実測では、記事は公開した月から2か月目にかけて、1本あたりのセッションが1.9から13.6に増えました。
手を入れないと9か月目から落ち、12か月目で最大時の4分の1、16か月目で7分の1になりました。
これはサイトへの訪問を数えたもので、AIの回答で名前が出た回数を測ったものとは別です。
同じ記事でも時期によって数字が違うので、1回測って終わりにすると、良い時期か悪い時期かの区別がつきません。
月1回という間隔は弊社の運用で、研究が決めた間隔ではありません。
数字の読み方
最初の月は、0回が並ぶことがあります。
弊社も「おすすめの会社」を聞く質問では、4回中0回から始めています。
0回は、直す場所を選ぶための出発点として記録します。
1か月で動かなくても、質問の文を変えずに続けてください。
測った数字をどう読むかは、効果の測り方をまとめた記事に書いています。
報告を受けるときに聞く質問
外部の会社や社内の担当者から、順位の報告を受けている場合の確かめ方です。
相手を問い詰めるための質問ではありません。
報告に足りない列を、一緒に決めるための質問です。
5つの質問
| 聞く質問 | 答えがあるとき | 答えが無いとき |
|---|---|---|
| 順位の表のほかに、AIに聞いた結果の記録はありますか | 質問の文と回数を見せてもらう | 来月から1問だけ足してもらう |
| AIに聞いた質問は、社名を入れたものですか、入れないものですか | 2種類を分けて書いてもらう | 社名を入れない質問を1つ決める |
| 同じ質問を何回聞きましたか | 「◯回中◯回」の形で書いてもらう | 1回だけの結果は、参考として扱う |
| 10位以内の記事の、表示回数はどれくらいですか | 順位と表示回数を並べて見る | Googleサーチコンソールで自分でも確かめる |
| 10位より下の記事で、AIの出典に並んだものはありますか | その記事を消さずに残す | 記事を消す前に、出典の一覧で確かめる |
5つとも、順位の報告を否定する質問にはなっていません。
順位の表はそのまま受け取り、隣に何を足すかを相談します。
「順位が上がればAIにも出ます」と言われたとき
この説明には、合っている部分があります。
調査2のとおり、AI Overviewsの94%は20位以内のページを1つは引用していました。
そのうえで、「順位が上がったあと、AIの回答に名前が出たかは、どう確かめますか」と尋ねてください。
確かめ方が決まっていれば、その提案は順位だけを追っているわけではありません。
提案全体の確かめ方は、LLMO対策の提案を見分ける記事にまとめています。
よくある質問
SEOはもう要らないのですか
要ります。
seoClarityの2025年10月の調査では、AI Overviewsの94%が、検索20位以内のページを少なくとも1つ引用していました。
Googleも、サポートリンクとして表示されるにはインデックスに登録され、スニペットが表示できる必要がある、と説明しています。
この記事が勧めているのは、SEOをやめることとは逆で、SEOの記録の隣にAIの記録を足すことです。
検索で1位を取れば、AIにも引用されますか
引用される機会は増えますが、決まるとは言えません。
Ahrefsの2026年3月の調査では、AI Overviewsに引用されたページのうち、検索10位以内は37.9%でした。
この調査は引用されたページの側から数えたもので、1位のページのうち何割が引用されたかは、この記事で紹介した数字からは分かりません。
1位を取った言葉を質問の形にしてAIに聞き、出典に自社のページが並ぶかを確かめるのが確実です。
順位が10位より下の記事は、消したほうがよいですか
消す前に、AIの出典に並んでいないかを確かめてください。
同じ調査で、引用されたページの約31%は11〜100位、31.0%は100位より外でした。
順位が低い記事でも、AIの回答の出典になっている場合があります。
順位が低いほど引用されやすい、という意味ではないので、残すかどうかは記録を見て1本ずつ決めます。
ChatGPTでも、同じ割合ですか
分かりません。
この記事で紹介した2つの公開調査は、どちらもGoogleのAI Overviewsが対象で、米国が中心です。
ChatGPTなどGoogle以外のAIについて、引用元の検索順位がどう分布しているかを、弊社は確かめていません。
海外の実験では、通常のGoogle検索とAI OverviewsとGeminiの間でも、出典の重なりは0.11〜0.18でした。
AIごとに出典が違う前提で、使われていそうなAIを決めて、それぞれに聞いて記録してください。
AIに聞くのは、何回くらい必要ですか
1回だけの結果で判断しないことが先です。
海外の実験では、同じ質問を24時間以内に繰り返しても、出典の重なりは0.32〜0.43でした。
その論文は1日に7〜8回以上を勧めていますが、ドイツ語の32問から出した目安です。
弊社の設計では1つの質問を各2回聞き、「2回中◯回」の形で記録します。
まとめ
検索で上位にいることは、AIに引用されるうえで有利です。
AI Overviewsの94%は、検索20位以内のページを少なくとも1つ引用していました。
一方で、引用されたページのうち検索10位以内は37.9%で、6割強は10位より下でした。
どちらもGoogleのAI Overviewsを米国中心に調べた数字で、Google以外のAIについては弊社は確かめていません。
Googleは、AIの回答が関連する複数の検索をもとに組み立てられる場合がある、と説明しています。
順位表に載るのは、自社が登録した言葉での位置だけです。
社名を入れない質問で名前が出るか、どのページが出典に並ぶか、その結果が来月も同じかは、順位表には書かれていません。
順位は見続け、その隣に、買い手の質問をAIに聞いた記録を足してください。
弊社も「おすすめの会社」を聞く質問では4回中0回から始めています。
ここに書いた測り方を行えばAIに引用される、という約束はできません。
分かるようになるのは、いまの現在地と、次に読み直す記事です。
今日できる点検
どれも、手元の順位表とAIの画面があれば、今日のうちに終わります。
| 点検すること | やり方 | 書き残すこと |
|---|---|---|
| 報告書に載っている列を数える | 毎月の報告書を開き、順位のほかにAIの記録があるかを見る | ある、ない |
| 社名を入れない質問を1つ決める | 買い手が発注先を探すときに聞きそうな文を1つ書く | 質問の文 |
| その質問をAIに2回聞く | 同じ文のまま2回聞き、回答に自社の名前が出たかを見る | 「2回中◯回」、AIの名前、日付 |
| 出典の一覧を見る | 回答の出典に、自社のページがあるかを探す | 並んだページのアドレス。無ければ「なし」 |
| 10位以内の記事の表示回数を見る | Googleサーチコンソールで、順位と表示回数を並べる | 表示回数が少ない記事の名前 |
5行すべてを埋めても、順位表は捨てません。
書き残したものを順位表の隣に置き、来月の同じ日に、同じ質問でもう一度測ってください。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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