ホームページを作る前に、独自ドメインの名前と種類で手が止まっている。そんな中小企業の経営者や個人事業主の方に向けて書きます。
先に答えを書きます。
ドメインの決め方は、名前を考える前に「どの種類を取れるか」を確かめ、そのうえで名前を選び、最後に「いつまで持ち続けるか」を決める順番で進めます。
名前の候補を50個並べるより、この3つの順番を守るほうが、後から困る場面が少なくなります。
この記事では、日本レジストリサービス(JPRS)、Googleの検索セントラル、特許庁の公式ページを当日開いて確かめた範囲だけを使います。
料金の話は、条件が会社ごとに違うため書きません。特定の登録業者やサーバー会社の名前も出しません。
先に答え:ドメインは「種類」「名前」「手放し方」の順に決める
結論を3つに分けて書きます。
- 種類は、自分が登録できるものから選ぶ。.co.jpは日本国内で登記をしている会社だけが取れる
- 名前は、社名・屋号・サービス名のうち、お客様が口にしている呼び名に合わせる
- 手放し方は、更新を切らさない担当者と手順を決めておく。失効したドメインは他人が取れる
この順番にする理由は、後から変えにくいものから先に決めるためです。
種類は会社の形で決まります。名前は後から足せますが、変えるとメールアドレスもリンクも変わります。更新は、忘れた日から問題が始まります。
種類は、取れるものの中から選ぶ
JPRSの「種類と対象」のページによると、.co.jpは日本国内で登記を行っている会社が登録できます。株式会社、合同会社、有限会社などが対象です。
個人事業主の方は、登記された会社ではないので.co.jpは取れません。その場合は、日本国内に住所を持つ個人であれば誰でも登録できる汎用の.jpなどから選びます。
名前は、お客様が呼んでいる言葉に合わせる
会社名とお店の呼び名が違うことは珍しくありません。
お客様が検索窓に打つのは、看板に書いてある名前か、口コミで聞いた名前です。ドメインはその言葉に近いほど、見たときに「ここだ」と分かってもらえます。
手放し方は、取った日に決めておく
ドメインは取った日から更新が続く契約です。
担当者が辞めた、請求のメールが古いアドレスに届いていた、といった理由で更新が止まる例は、小さな会社ほど起きやすい話です。
JPRSは、廃止されたドメイン名が一定期間のあとに第三者へ登録できるようになると案内しています。詳しくは後半で書きます。
知恵袋の質問:社名を入れたかったのに、すでに取られていた
先日、Q&Aサイトでこのような悩みを拝見しました。
会社のホームページを作ろうとして、ドメインの決め方が分からない。社名を入れたかったが、すでに他の人に使われていて登録できなかった。別の案を教えてほしい、という内容でした。
回答には、社名の間にハイフンを入れる、最後に地元の名前を足す、という案がありました。別の方からは、.co.jpのほかに.comや、地域名のドメインも悪くない、という意見も出ていました。
どちらも間違いではありません。ただ、質問した方が本当に知りたかったのは「どれを選べば後で困らないか」だったはずです。
この質問が示している悩みの中身
質問の文面には、3つの迷いが重なっています。
名前が取られていたという迷い。種類をどれにするかという迷い。そして、選んだあとにどうなるかが分からない不安です。
名前だけを考え直しても、残りの2つは解決しません。
回答にある案を、公式の情報で確かめる
回答にあった「ハイフンを入れる」「地元の名前を足す」という案は、実際に使えます。
JPRSによると、英数字のドメイン名には半角のハイフンが使えます。文字数は3文字以上63文字以下です。
ただし、使えることと、お客様に伝わることは別の話です。電話や名刺で口頭に伝えるとき、ハイフンの位置を説明する手間が増えます。
これは多くの会社が迷う悩みです
ドメインの名前選びは、ホームページ作りの最初に来ます。
最初に来るから、ここで時間を使い切って、肝心の中身づくりに入る前に疲れてしまう方が少なくありません。
迷いが長引く3つの理由
1つ目は、正解が1つに決まらないように見えることです。
2つ目は、SEOに影響するという話を聞いて、名前に重い意味を持たせてしまうことです。公式の説明は後で確認します。
3つ目は、取り直しがきかないという不安です。ここは半分正しく、半分は誤解です。
悩みの種類を整理した表
| 迷っていること | 実際の分かれ目 | 決める順番 |
|---|---|---|
| 社名が取れなかった | 名前の問題か、種類の問題か | 種類を変えて取れるか先に見る |
| .jp、.co.jp、.comのどれか | 登録できる条件に合うか | 会社の形で絞る |
| SEOに有利な名前にしたい | 公式が影響を認めているか | Googleの説明を先に読む |
| 日本語ドメインにしたい | 使える種類か、使える環境か | JPRSの文字の規則を見る |
| 更新が不安 | 誰がいつ確認するか | 取った日に担当を決める |
この表の右の列を上から順に実行していくと、迷いの多くは片づきます。
この記事の範囲
読者は、従業員が数名から数十名の会社の経営者、または個人で事業を始める方を想定しています。
Googleの説明は、検索セントラルの日本語ページを2026年10月24日に開いて確かめた範囲だけを書きます。JPRSと特許庁のページも同じ日に開きました。
同じ日に開いて確かめられなかった内容は、書いていません。
近い話題の記事として、ホームページの作り方でつまずく原因と作り始める前に決める1枚の埋め方があります。ドメインの前に、ホームページで何を伝えるかを整理したい方は、先にそちらをご覧ください。
読み終えたときに決まっていること
この記事を最後まで読むと、次の3つが決まります。
自社が取れるドメインの種類。名前の候補の絞り方。そして、更新を誰が見るかです。
この3つが決まれば、ホームページの制作会社やサーバー会社に相談するときも、話が早くなります。
逆に、名前だけ先に決めて申し込むと、種類の条件で止まったり、後から社名が変わって困ったりします。
なぜ、ドメインの話は名前選びの話だけになるのか
ドメインについて調べると、出てくる解説の大半は「覚えやすい名前にしましょう」「短くしましょう」という内容です。
間違いではありません。ただ、会社が後で困る理由は、名前の良し悪しより別のところにあります。
解説が名前選びに偏る事情
ドメインを取る入口は、名前を入力して空いているか調べる画面です。
そこから先の話は、解説する側にとって商品説明になりにくい。だから、入口の名前選びに説明が集まります。
登録できる条件、失効したあとの扱い、社名が変わったときの手続きは、地味ですが、会社が長く使うほど効いてきます。
名前選びだけを見ていると見落とすもの
名前の候補だけを並べると、次の3つが見えなくなります。
選んだ種類が、自社に登録できるものかどうか。
更新が止まったとき、その名前がどうなるか。
社名や商標と、ぶつかっていないかどうか。
解説と実際の分かれ目を並べた表
| 話題 | よくある解説 | 公式に当たると分かること |
|---|---|---|
| 種類の選び方 | 信頼感で選ぶ | .co.jpは登記をしている会社だけが登録できる |
| 名前の選び方 | 短く覚えやすく | 英数字は3文字以上63文字以下で、ハイフンは使える |
| SEOとの関係 | キーワードを入れると有利 | ドメイン名のキーワードの効果はほとんどないとGoogleが書いている |
| 更新 | 忘れずに更新する | 廃止後は第三者が登録できるようになる |
| 社名変更 | 新しいドメインを取る | 属性型JPドメインは1組織1つが原則で、緩和の制度がある |
この表の右側は、すべて公式のページに書いてあることです。右側を先に知っていると、左側の解説が読みやすくなります。
ドメイン名とSEOの関係:Googleが書いていること
「ドメインにキーワードを入れると検索で有利になる」という話は、今も聞きます。
Googleの検索セントラルにある「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」には、この点についての記述があります。
キーワードを入れる効果について
同じガイドには、次のように書かれています。
「ランキングという観点で見ると、ドメイン名(または URL パス)中のキーワードだけでは、パンくずリストに表示される以上の効果はほとんどありません。」
サイト名については、「ビジネスに最もよく合った名前を選んでください」とも書かれています。
つまり、検索のためにキーワードを詰めた長い名前を選ぶ必要はない、というのがGoogleの説明です。
末尾の種類(.comや.jp)について
同じガイドに、TLD(ドメイン名の最後の部分)についての記述もあります。
特定の国のユーザーをターゲットにしている場合は多少の意味があるものの、通常このシグナルの影響は弱い、とされています。
そのうえで「どの TLD が使用されているか(「.com」か「.org」か「.asia」か)が Google 検索で考慮されることはありません」と書かれています。
Googleの「検索結果におけるサイトの掲載順位に関するよくある質問」でも、TLDがサイトのパフォーマンスに影響するかという問いに、「いいえ」と答えています。
国ごとのドメインの扱い
2015年のGoogle検索セントラルブログ(ジョン・ミューラー氏の投稿)には、国別のコード(.jpなど)の扱いも書かれています。
Googleの既定の処理では、ほとんどの国別ドメインをウェブサイトの地域ターゲティングに使う、という説明です。
日本のお客様向けのサイトなら、.jpは日本向けのサイトだと伝える方向に働きます。ただし、これはどの地域のサイトかを判断する材料の話で、順位を上げる仕組みの話ではありません。
SEOを理由に迷う必要がない場面
上の説明をまとめると、次のようになります。
| 迷い | Googleの説明 | 実務での決め方 |
|---|---|---|
| キーワードを入れるべきか | 効果はほとんどない | お客様が呼ぶ名前を優先する |
| .comと.jpのどちらが有利か | TLDは考慮されない | 登録条件と信頼感で選ぶ |
| 新しい種類は不利か | 他と同じように処理される | 長く使えるかで判断する |
| 日本向けなら.jpか | 地域の判断材料になる | 日本のお客様が対象なら選びやすい |
SEOの理由で名前や種類を決めるのは、公式の説明に照らすと、決め手として弱いことが分かります。
では何で決めるのか。ここから先の章で、登録条件と失効の扱いを順に確かめます。
Googleの説明の読み方と、名前の決め方への活かし方
ドメインとSEOの話は、古い記事がそのまま残りやすい分野です。
読む側が、いつ書かれた情報かを見分けると、迷いが減ります。
日付を確かめる
上で引いた「検索結果におけるサイトの掲載順位に関するよくある質問」のページには、「最終更新日 2026-05-30」と表示されていました。
一方、新しいTLDの扱いを説明したブログは2015年7月21日の投稿です。
2つの説明は同じ方向を向いています。TLDの種類が順位を左右するわけではない、という点です。
「Googleが言っていること」と「そう言われていること」を分ける
検索すると、公式の文書と、個人や会社の解説が同じ画面に並びます。
見分けるときは、次の表の基準が使えます。
| 見分ける点 | 公式の文書 | 個人や会社の解説 |
|---|---|---|
| 発信元 | developers.google.comなどGoogleの文書 | ブログ、まとめサイト |
| 書き方 | 「〜はありません」と範囲を限定する | 「有利になる」と言い切る |
| 更新日 | ページ内に最終更新日が出る | 日付がないこともある |
| 確かめ方 | 誰でも同じページを開ける | 根拠が示されないことがある |
公式の文書は、断定するときに範囲を限定して書きます。たとえば「ほとんどありません」と書いてあるものを「まったくない」と読み替えないよう、原文のままを引くのが安全です。
迷ったときに開く3つのページ
ドメインとSEOについて迷ったら、次の3つを開けば足ります。
検索セントラルの「SEOスターターガイド」。「検索結果におけるサイトの掲載順位に関するよくある質問」。そして「サイトを移転する方法」です。
最初の2つは、名前と種類の影響を確かめるためのものです。3つ目は、後からドメインを変えるときの手順を確かめるためのものです。
名前の付け方にも、Googleは短く触れている
Googleの文書は、名前の付け方についても短く触れています。
先に引いたとおり、サイト名は「ビジネスに最もよく合った名前」を選ぶ、という書き方です。
ビジネスに合う名前とは、お客様が口にする名前
文書は「一般的なマーケティング プラクティスに沿って決めること」をすすめています。
マーケティングの基本は、お客様が使う言葉に合わせることです。
お客様が「あの会社」と呼ぶときの言葉が、社名なのか、店の通称なのか、サービス名なのか。まずここを書き出します。
紹介される場面を想像して選ぶ
ドメインは、検索結果に出るだけの文字列ではありません。
名刺、封筒、見積書、メールの署名、車のロゴと、会社のいたるところに印刷されます。
人に口頭で伝える場面を想像して、一度で通じる名前を選ぶと、後から困りにくくなります。
よくある決め方の失敗と、その先に起きること
ドメインで困る会社には、決め方に共通した癖があります。
ここでは、実際に選びやすい4つの決め方を挙げ、それぞれの先を公式の情報と照らして確かめます。
空いている名前に飛びつく
社名が取られていたとき、空いている近い名前を探して、すぐに申し込む。いちばん多い動きです。
問題は、空いている理由が確かめられていない点です。
誰も使っていないから空いているのか。以前は誰かが使っていて、廃止されたから空いているのか。後者の場合、その名前に古いリンクや評判が残っていることがあります。
JPRSは、廃止したドメインでも「他のWebサイトからのリンクや、検索エンジンによるドメイン名の評価に関する情報は残り」と案内しています。
社名の間にハイフンを入れて無理に寄せる
質問への回答にもあった方法です。
使えることは、JPRSの文字の規則で確かめられます。英数字のドメイン名には半角のハイフンが使えます。
ただ、お客様に口頭で伝える場面で、ハイフンの有無や位置を毎回説明することになります。名刺を見て手で入力する人が、ハイフンを落とすこともあります。
意味のない文字や数字を足して、取れる形にする
「同じ名前の会社が多いから、数字を足す」という判断も見かけます。
取れはしますが、覚えてもらえません。アルファベットの羅列を足した場合は、さらに伝わりません。
名前を足す場合は、地名や事業内容など、お客様が自社を呼ぶときに使う言葉を足すほうが、通じやすくなります。
登録できない種類を、後で知る
.co.jpに憧れて準備を進め、申し込む段階で条件を満たしていないと分かる。個人事業主の方に多い流れです。
JPRSのページに、.co.jpは「日本国内で登記を行っている会社」とあるとおり、登記が前提です。
準備が先に進むほど、やり直しに使う時間が大きくなります。
4つの決め方の先を比べた表
| 決め方 | 起きやすいこと | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 空いている名前に飛びつく | 過去の持ち主の痕跡が残る | 過去にどう使われていたか |
| ハイフンで社名に寄せる | 口頭で伝えにくい | 口に出して通じるか |
| 意味のない文字を足す | 覚えてもらえない | お客様が使う言葉か |
| 登録資格を後で知る | 準備のやり直し | 種類の条件を先に読む |
社名が取れなかったとき、先に確かめること
質問者のように、社名で申し込んだら取れなかった場合、すぐに別の名前へ移る前に確かめることがあります。
誰が持っているかを調べる
JPRSは「JPRS WHOIS」という検索のしくみを提供しています。登録されたドメイン名の状態や有効期限は、そこで確かめられると案内されています。
使い方は、JPRSの「JPRS WHOISご利用ガイド」に載っています。
同じ名前を持っているのが、同業の他社なのか、全く別の業種の会社なのか、個人なのか。ここで次の動きが変わります。
取られている理由の見分け方
取られている理由は、大きく3つに分けられます。
同じ社名の別の会社が、正当に使っている場合。取った人が使わずに持っているだけの場合。そして、廃止直前や失効後で、近く空く場合です。
最初の場合は、争わずに別の案を探すのが現実的です。
不正な目的で取られていると感じたとき
JPRSは「JPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)」を案内しています。
ドメイン名を先に登録して高額での買い取りを要求したり、誤解を生じる使い方をしたりする問題に対し、申立てから裁定まで約2カ月で解決を目指す制度です。
申立てには条件が3つあります。
- 登録者のドメイン名が、申立人が権利または正当な利益を有する商標その他表示と同一、または混同を引き起こすほど類似していること
- 登録者が、そのドメイン名の登録について権利または正当な利益を有していないこと
- 登録者のドメイン名が、不正の目的で登録または使用されていること
3つがそろわなければ申立ては通りません。単に「先に取られた」だけでは、この制度の対象になりません。
日本語ドメインを選ぶ前に確かめること
「日本語で覚えやすいから」という理由で、日本語ドメインを考える方もいます。
JPRSの規則を見ると、使える場面に限りがあります。
日本語ドメインが使える種類
JPRSの「使用できる文字」のページによると、日本語ドメイン名は、汎用JPドメイン名と都道府県型JPドメイン名で使えます。
全角のひらがな、カタカナ、漢字に加えて、半角英数字とハイフンも使えます。
一方、.co.jpなどの属性型JPドメイン名では、日本語ドメイン名は「ご利用になれません」と書かれています。
日本語ドメインで気をつけること
同じページに、次の注意書きがあります。
「日本語ドメイン名を使ったホームページアドレスは、取扱事業者のサービス提供範囲やソフトウェアの対応によってご利用いただけない場合があります。」
つまり、自社が使うメールの仕組みやホームページの制作環境が対応していなければ、使えないことがあります。
日本語ドメインとGoogle
2015年のGoogle検索セントラルブログには、日本語を含むドメインの扱いに関する説明があります。
Googleは、Punycode(半角英数字に変換した表記)のホスト名を、Unicode(日本語のままの表記)と同等のものとして処理する、とされています。
この説明があるのは、新しいトップレベルドメインについての投稿の中です。日本語ドメイン全般についての説明とは別の位置づけなので、ここでは「リダイレクトや別々に正規化する必要はない」と書かれている点だけを紹介します。
日本語ドメインを選ぶ判断表
| 状況 | 向いている | 理由 |
|---|---|---|
| .co.jpを使いたい | 英数字のみ | 属性型は日本語が使えない |
| 汎用の.jpで日本語名にしたい | 日本語ドメインも選べる | 汎用JPで使える |
| メールも同じドメインで使う | 英数字が無難 | 環境が対応しないことがある |
| 看板や広告で読んでもらいたい | 日本語名は効く場合がある | 読み方が一目で伝わる |
解決策:ドメインは「種類」「名前」「手放し方」の順に決める
ここまで確かめた内容を、決める順番に並べ直します。
この順番で進めると、途中で申し込みが止まる場面と、後から困る場面の両方を減らせます。
手順1 種類を決める:登録できる条件から選ぶ
JPRSの「種類と対象」のページで、自社が登録できるものを確かめます。
| 種類 | 登録できる対象(JPRSの説明) | 数の制限 |
|---|---|---|
| .co.jp | 日本国内で登記を行っている会社 | 原則1組織で1つ |
| .or.jp | 社団法人、医療法人、特定非営利活動法人など | 原則1組織で1つ |
| .jp(汎用) | 日本国内に住所を持つ個人・団体・組織 | 数の制限なし |
| 都道府県型.jp | 日本国内に住所を持つ個人・団体・組織 | 数の制限なし |
| .ne.jp | 日本国内のサービス提供者によるネットワークサービス | 1サービスごとに1つ |
.comなど、.jp以外の種類の登録条件は、JPRSのJPドメイン名の規則の範囲外です。取り扱う事業者の案内で確かめてください。
JPRSの2026年10月1日時点の統計では、.co.jpの登録数は503,831件でした。日本の会社の入口として、広く使われている種類です。
手順2 名前を決める:社名・屋号・サービス名から1つに絞る
種類が決まったら、名前を決めます。
候補は、お客様が口にする呼び名から出します。社名、屋号、サービス名のうち、お客様が実際に使っているものが先頭です。
取れなかったときの代替案は、次の順に試します。
- 種類を変える(.co.jpが取られているなら、.jpや別の種類を見る)
- 事業内容や地名など、お客様が使う言葉を後ろに足す
- ハイフンは最後の手段にする
意味のない文字列や数字は、足さないほうが通じます。
手順3 手放し方を決める:更新と終わりの手順を先に書く
名前が決まったら、申し込む前に、更新の担当者と終わらせ方を決めます。
更新の担当者は、1人の名前だけでなく、役職で決めておくと、異動や退職の影響を受けません。
終わらせ方は、後の章で書く廃止の注意に沿って決めます。
「売れるサイトはみな謙虚」の考え方で、ドメインを引き算する
弊社は、売れるサイトは飾りを足すより、不要なものを引くことで強くなると考えています。この考え方を「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。
ドメインにも、同じことが当てはまります。
足したくなるものを、引いていく
ドメインを決めるとき、足したくなるものがいくつもあります。
検索に有利と聞いたキーワード。他社と差をつけたい珍しい綴り。長く説明的な名前。
Googleの文書は、ドメイン名のキーワードの効果は「ほとんどありません」と書いています。足す理由が、公式の説明からは見つかりません。
引いたあとに残るもの
引いていくと、残るのは次の3つです。
お客様が口にする呼び名。登録できる種類。そして、更新を続ける仕組みです。
お客様が打ち間違えにくく、口頭で伝えて一度で通じる名前が、いちばん謙虚なドメインです。
引き算のための確認表
| 足したくなるもの | 引く理由 | 代わりに残すもの |
|---|---|---|
| キーワードの詰め込み | 効果はほとんどないとGoogleが説明 | 社名や屋号 |
| 珍しい綴り | 口頭で伝わらない | 一般的な綴り |
| 長い説明的な名前 | 入力のミスが増える | 短い呼び名 |
| 意味のない文字や数字 | 覚えてもらえない | 地名や事業の言葉 |
| 複数のドメイン | 管理する更新が増える | 主となる1つ |
社名・屋号・商標との関係
ドメインの名前が、他人の商標とぶつかると、後で使えなくなるおそれがあります。
特許庁の「商標制度の概要」のページで、基本を確かめます。
商標の基本
特許庁の説明によると、商標とは「事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク」です。
文字、図形、記号などがあり、社名やサービス名の文字も商標になりえます。
先に使っていても、安心とは限らない
同じページに、次の記述があります。
「商標登録を受けないまま商標を使用している場合、先に他社が同じような商標の登録を受けていれば、その他社の商標権の侵害にあたる可能性があります。」
さらに、日本では「先に使用していたか否かにかかわらず、先に出願した者に登録を認める先願主義」が採られている、と書かれています。
ドメインの名前を決めるときも、同じ考え方で、候補の名前が他人の商標になっていないかを調べておくと安心です。
調べる場所と、頼る相手
特許庁のページには、商品・役務の区分を調べる方法として、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)が紹介されています。
商標は、マークと、使う商品・サービスの組み合わせで権利になります。同じ名前でも、業種が違えば登録できる場合があります。
判断が難しいときは、弁理士などの専門家に相談します。
社名・屋号・商標・ドメインの関係表
| 項目 | 何を決めるもの | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| 社名 | 登記される会社の名称 | 登記の情報 |
| 屋号 | 個人事業の呼び名 | 自分で決める |
| 商標 | 商品やサービスの目印を守る権利 | 特許庁、J-PlatPat |
| ドメイン | インターネット上の住所 | JPRS WHOISなど |
この4つは別々の制度です。ドメインが取れたことは、その名前を商標として使ってよいことを意味しません。
更新切れ・失効・ドロップキャッチの危険
ドメインで最も取り返しがつかなくなるのは、更新が止まって失効するときです。
JPRSの「ドメイン名の廃止に関する注意」のページに、起きることが書かれています。
廃止されたドメインは、第三者が登録できる
同ページには、「ドメイン名を廃止した場合、一定期間経過した後に、第三者がそのドメイン名を登録できるようになります」とあります。
廃止したあとも、「他のWebサイトからのリンクや、検索エンジンによるドメイン名の評価に関する情報は残り、アクセス数などが見込めることなどから、そのドメイン名が関係のない第三者に登録され悪用される可能性があります」とも書かれています。
悪用される例として、詐欺サイトと誹謗中傷サイトが挙げられています。
メールアドレスにも影響する
廃止されたドメイン名を第三者が登録し、同じメールアドレスを作って、素性を偽ったメールに悪用される可能性がある、とも書かれています。
他のサービスのログイン情報にメールアドレスを使っていると、パスワードの初期化などで、SNSアカウントを乗っ取られるおそれがあります。
取り戻せないことがある
さらに、同ページには次の記述があります。
「廃止されたドメイン名を第三者が新たに登録したとしても、商標の侵害など ドメイン名紛争処理方針(DRP)に該当する事由がない限り、第三者によるそのドメイン名の登録・使用を差し止めることはできません。」
一度手放して他人が取ると、元の持ち主でも、簡単には取り戻せません。
誤って廃止したときの猶予
同ページによると、更新の期限を過ぎて意図せず廃止となった場合でも、廃止から20日以内であれば、登録回復の申請ができます。
ただし、取り扱いや受付期間は事業者で異なる場合があり、通常は手数料が必要だと書かれています。
回復の期間を過ぎ、廃止後の期間も終わると、同じ文字列が再び誰でも登録できる状態になります。
廃止後の流れを比べた表
JPRSの「ライフサイクル」のページには、廃止後の状態が種類ごとに書かれています。
| 種類 | 廃止後の状態 | 登録回復の期間 |
|---|---|---|
| 汎用・都道府県型 | 期限の翌日から月末までの約1か月 | その月の1日から20日まで |
| 属性型(.co.jpなど) | 期限の翌日から6か月間 | 廃止された月の1日から20日まで |
回復されなければ、データが削除され、同じ文字列で再び登録できるようになります。
ドロップキャッチという言葉
廃止されたドメインが再び登録できる状態になる瞬間を狙って、先に取ろうとする行為を、ドロップキャッチと呼ぶことがあります。
JPRSが2023年3月に発表した資料にも、「ドメイン名の廃止にあたっての注意」として、廃止の危険が整理されています。
言葉を覚えるより、更新を止めないことが大切です。
社名が変わるとき、ドメインを移すときの手順
会社を続けていると、社名の変更や合併が起きることがあります。
そのときにドメインがどうなるかを、先に知っておくと慌てません。
組織名を変えるとき
属性型JPドメインは、原則として1組織につき1つです。
ただし、JPRSには「1組織1ドメイン名制限緩和」の制度があります。組織名変更、合併、事業譲渡のいずれかがあった場合、これまで使っていたドメイン名を継続して登録・利用できる制度です。
申込みはご利用の事業者を通じて行います。
組織の設立や名称変更の前に取る
JPRSの「ドメイン名仮登録」の制度では、組織設立前や組織名変更予定の段階で、CO.JPなどの属性型JPドメイン名を登録できます。
仮登録期間は6か月間です。期間内に本登録の手続きをしないと、ドメイン名は廃止になります。
別のドメインへ移すとき
Googleの「サイトを移転する方法」のページには、ドメイン名の変更も、サイト移転の例として挙げられています。
ページには、301などの永続的なリダイレクトでPageRankの損失は生じないこと、移転中は順位が一時的に変動することが書かれています。
中規模のサイトでは、新しいURLが段階的に表示され始めるまでに数週間以上かかることがある、とも説明されています。
移転のときの注意
同ページは、「一度に行う変更を1つのみにする」ことをすすめています。
ドメインを変えるときは、サイトのデザイン変更などを同時にしないほうが安全です。
また、Search Consoleの「アドレス変更」ツールを、旧サイトのすべての確認済みバリエーションで使うよう案内しています。
2015年のGoogleのブログは、ドメインを変更すると検索のための処理に時間がかかるだけでなく、メールアドレスが長期間変わらないことをユーザーが期待するため、「できるだけ長期間使用できるドメインを選択することが重要」としています。
ドメインを変える場面の対応表
| 場面 | 先にすること | 確かめる公式ページ |
|---|---|---|
| 社名が変わる | 緩和制度を事業者に相談する | JPRS 1組織1ドメイン名制限緩和 |
| 設立前に名前を押さえたい | 仮登録を調べる | JPRS ドメイン名仮登録 |
| ドメインを変える | リダイレクトとアドレス変更 | 検索セントラル サイトの移転 |
| ドメインをやめる | 周知と、メールとログイン情報の整理 | JPRS 廃止に関する注意 |
店名や社名の決め方との関係
ドメインの名前は、社名や店名の決め方と切り離せません。
店の名前をこれから決める方は、先に名前を決めてから、ドメインの空きを調べる流れが自然です。
先に名前、後からドメイン
名前の決め方は、店名の決め方 検索で自分の店だけが出て口でも伝わる名前にする手順で詳しく書いています。
その記事の考え方で名前が決まれば、ドメインは、その呼び名に合わせて種類を選ぶだけになります。
社名の表記をそろえる
社名の書き方が、ホームページごとにばらついていると、お客様にも検索にも伝わりにくくなります。
表記のそろえ方は、AIに自社を正しく伝える会社概要ページの作り方にまとめています。ドメインの名前も、その表記に近づけておくと、一貫した印象になります。
社内で決めるときの進め方
複数の人で決める場合は、先に判断の基準を1行で書いておきます。
たとえば「お客様が口にする呼び名で、電話で一度で通じること」と決めておくと、好みの言い合いになりません。
候補が3つ以内に絞れたら、種類の条件と、他人の商標に近くないかを確かめて、1つに決めます。
決めた日に、更新の担当者と、請求メールの宛先も記録に残します。
よくある質問
Q. 個人事業主でも、独自ドメインを取れますか。
取れます。
JPRSによると、汎用の.jpは、日本国内に住所を持つ個人・団体・組織であれば誰でも登録できます。数の制限もありません。
ただし、.co.jpは日本国内で登記を行っている会社が対象なので、個人事業主の方は登録できません。
Q. .co.jpと.comは、どちらがよいですか。
Googleの説明では、「どの TLD が使用されているか(「.com」か「.org」か「.asia」か)が Google 検索で考慮されることはありません」とされています。
検索順位の理由で選ぶ必要はありません。
登録条件と、お客様に与える印象で選びます。.co.jpは登記をしている会社であることが条件なので、会社の形が合えば、選びやすい種類です。
Q. ドメインは、後から変えられますか。
変えられます。ただし、手順と時間がかかります。
Googleの「サイトを移転する方法」には、ドメイン名の変更も移転の例として載っています。中規模のサイトでは、新しいURLが段階的に表示され始めるまでに数週間以上かかることがある、とされています。
メールアドレスも変わるため、最初から長く使える名前を選んでおくほうが楽です。
Q. 更新を忘れたら、どうなりますか。
期限を過ぎると、ドメインが廃止されることがあります。
JPRSによると、廃止から20日以内であれば、登録回復の申請ができます。ただし、事業者によって取り扱いが異なり、通常は手数料が必要です。
回復できないと、他人が同じ名前を登録できる状態になります。その場合、第三者による登録や使用を差し止めることは、原則としてできません。
Q. 社名が変わったら、.co.jpはどうなりますか。
属性型JPドメインは原則1組織で1つですが、組織名変更、合併、事業譲渡のときは、これまでのドメイン名を継続して使える制度があります。
申込みは、ご利用の事業者を通じて行います。事業者によっては、この制度を取り扱っていない場合があるため、先に問い合わせてください。
組織名を変える予定が決まっているなら、6か月前から使える仮登録の制度もあります。
Q. 日本語ドメインは、SEOで不利ですか。
今回確かめた範囲では、Googleの文書に、日本語ドメインが順位に不利になるという記述は見つかりませんでした。
2015年のブログには、Punycodeのホスト名をUnicodeと同等に処理するとあります。
実務で気をつけるのは、順位よりも、メールやホームページの環境が対応しているかどうかです。JPRSも、環境によっては使えない場合があると書いています。
まとめ
ドメインの決め方は、種類、名前、手放し方の順に決めます。
種類は、JPRSの説明にある登録条件で絞ります。.co.jpは日本国内で登記をしている会社、汎用の.jpは日本国内に住所を持つ個人・団体・組織が対象です。
名前は、お客様が口にする呼び名に合わせます。Googleは、ドメイン名のキーワードの効果は「ほとんどありません」と書いています。
手放し方は、更新の担当者を決めることから始めます。廃止されたドメインは第三者が登録でき、元の持ち主でも、商標の侵害などの事由がなければ差し止めることはできません。
「売れるサイトはみな謙虚」の考え方で、キーワードの詰め込みや珍しい綴りは引いていきます。
残るのは、お客様が打ち間違えない名前と、続けられる更新の仕組みです。
今日できる点検
| 点検すること | 確かめ方 | 結果の使い方 |
|---|---|---|
| 自社が登録できる種類を確かめたか | JPRSの種類と対象のページを読む | 候補の種類を絞る |
| お客様の呼び名を書き出したか | 問い合わせや商談で聞く名前を3つ書く | 名前の候補にする |
| 候補が他人の商標に近くないか | J-PlatPatで名前を検索する | 近いものがあれば専門家に相談する |
| 口で伝えて通じるか | 同僚に電話で伝えて書き取ってもらう | 通じなければ短くする |
| 更新の担当者を決めたか | 役職で担当を決めて共有する | 退職や異動の影響を避ける |
| 請求や更新の連絡先を確かめたか | 登録した連絡先のメールを開く | 古い宛先なら変更する |
| 今あるドメインの有効期限を確かめたか | 事業者の画面かJPRS WHOISを見る | 期限の前に更新の予定を入れる |
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