先日、Q&Aサイトで税理士の方の切実な相談を拝見しました。開業して数年、実務の腕には自信があるのに新規の顧問先がなかなか増えない。今の顧問先も紹介でつながった数件で、その紹介が止まったら売上が読めなくなる。ホームページは制作会社に頼んで作ったけれど、そこから問い合わせが来たことは一度もない。そういう内容でした。
これは多くの税理士事務所が通る道です。日本税理士会連合会が公表している「税理士登録者・税理士法人届出数(令和8年8月末日現在)」によれば、税理士の登録者数は82,343名。あなたの商圏にも、同じ資格を持った事務所が何十とあります。資格と実務経験だけで選ばれた時代は、すでに終わっています。それでも顧問先を安定して増やしている事務所は確かに存在します。違いは、実力より手前のところにあります。顧問先が「この先生に頼もう」と決める瞬間に、その判断を後押しするページを自社サイトに置いているかどうかです。
この記事を読み終えたとき、あなたの事務所サイトの直すべき場所が1つ決まっている状態を目指します。集客チャネルを新しく増やす話は最後まで出てきません。いま持っているサイトを、選ばれる形に変える話をします。
資格も実績もあるのに顧問先が増えない構造
腕のいい税理士ほど、集客でつまずきます。理由は単純で、実務の能力と「見込み客に伝わる形にする能力」は、まったく別の筋肉だからです。決算を締める力、節税の判断、税務調査の対応。これらは何年もかけて磨いてきました。一方で、はじめて事務所を探している経営者に対して「この先生なら安心して任せられる」と3秒で感じさせる力は、誰も教えてくれませんでした。この非対称が、実力ある事務所ほど集客で損をする原因になっています。
なぜ専門性が高いほど言葉が伝わらなくなるのか
専門性が高い人ほど、自分の言葉が専門的になっていることに気づけません。「月次巡回監査」「税務顧問」「経営助言」。事務所サイトによく並ぶ言葉です。書いた本人には意味が明快でも、はじめて事務所を探す経営者にとっては外国語に近い。読み手は意味を調べる手間をかけてくれません。分からない言葉が並んだ瞬間に、そっとページを閉じて次の事務所を見に行きます。知識の呪いと呼ばれる現象で、知っている側は、知らない状態を想像するのが難しいのです。
この壁は、書き手ひとりでは気づけません。同業の先生に読んでもらっても、同じ言葉を共有しているので違和感を感じない。試すなら、税務にまったく関わりのない知人に最初の画面だけ見せて、この事務所が何をしてくれるのか30秒で説明してもらうのが早い。うまく説明できないなら、言葉が専門的すぎるという証拠です。
事務所の自己紹介で止まるサイトの共通点
もう1つの落とし穴は、事務所サイトが「事務所の自己紹介」で終わっていることです。代表の経歴、取得資格、事務所の理念、対応業務の一覧。これらは事務所を主役にした情報です。経営者が知りたいのは事務所のことではありません。自分の会社の困りごとが、この先生に頼めば解決するのかどうか、その一点です。主役が入れ替わっているサイトは、どれだけ丁寧に作り込んでも問い合わせにつながりません。トップの見出しが事務所名や理念で始まっているサイトは、ほぼこの状態にあります。
集客チャネルを増やしても顧問先が増えない理由
顧問先が増えないと悩む税理士がまず手を出すのが、集客チャネルを増やすことです。税理士紹介サービスに登録する。リスティング広告を出す。SNSを始める。異業種交流会に顔を出す。どれも取り組みとしては真っ当です。ただし、これらをいくら増やしても、行き着く先が同じであれば結果は変わりません。
温まった見込み客が最後に冷める場所
紹介で名前を聞いた経営者も、広告をクリックした経営者も、交流会で名刺を交換した経営者も、最後は必ず同じ場所を見ます。あなたの事務所サイトです。人は誰かに会う前、依頼を決める前に、必ず名前を検索します。そこで出てくるサイトが「専門用語だらけで、料金の手がかりがなく、誰が担当するのか分からない」状態だと、せっかく温まった見込み客がそこで冷めます。上流でどれだけ手を尽くしても、この一点で取りこぼしていては報われません。
チャネルを増やす前に穴をふさぐ
これは水漏れしているバケツに水を注ぎ続けるのと同じ構造です。チャネルという蛇口を増やしても、バケツの底に穴が空いていれば、注いだ分だけ流れ落ちます。穴とは、受け皿になっていない事務所サイトのことです。先に穴をふさげば、いま持っているチャネルからの取りこぼしが減り、同じ紹介数でも成約が増えます。新しい蛇口を探すより、いまの水を受け止める順番が先です。実際、広告費を増やす前にサイトの受け皿を整えただけで、同じ問い合わせ数から成約に至る割合が変わったという声は珍しくありません。かけた費用よりも、取りこぼしを減らすことが、いちばん確実な伸ばし方です。
| よくある打ち手 | いま起きていること | 先にやるべきこと |
|---|---|---|
| 紹介サービスに登録 | 問い合わせは増えるが料金比較で他所へ流れる | サイトで人柄と対応範囲を先に伝える |
| リスティング広告を出す | クリックはされるが着地ページで離脱する | 広告の受け皿ページを1枚整える |
| SNSを始める | 更新が続かず数字も伸びない | 検索から来た人が読む常設ページを厚くする |
| 交流会に通う | 名刺は増えるが後日の検索で決め手を欠く | 検索されたとき安心できるサイトにする |
顧問先が決まる本当の瞬間はどこにあるか
顧問契約が決まる瞬間を分解すると、集客の力点がどこにあるかが見えてきます。
経営者が依頼を決めるまでの3段階
経営者が税理士を探す流れは、おおむね次のようになります。まず困りごとが生まれます。決算が近い、税務調査の連絡が来た、今の税理士の対応に不満がある。次に情報を集めます。知人に聞く、検索する、紹介を受ける。ここまでで候補が2つか3つに絞られます。そして最後に、候補それぞれのサイトを見比べて、1つに決めます。集客というと最初の「知ってもらう」段階に注目が集まりますが、契約が決まるのは最後の「見比べて決める」段階です。多くの事務所は最初の段階にばかり力とお金を注ぎ、最後の段階を制作会社に丸投げしたまま放置しています。ここに、少ない手数で成果を伸ばせる余地が眠っています。
選ばれる瞬間に効くのは「分かってくれている」感覚
選ばれる瞬間に効くのは、華やかなデザインより「自分のことを分かってくれている」という感覚のほうです。経営者が抱えている具体的な不安に、サイトの言葉が触れているか。触れていれば、経営者は「この先生は分かっている」と感じます。この感覚こそが問い合わせボタンを押させます。逆に、立派だけれど誰に向けたか分からないサイトは、記憶に残らず候補から静かに外れます。
紹介が途切れる事務所と続く事務所の違い
税理士の新規開拓で最も多いのは、いまも顧問先や知人からの紹介です。ここに頼ること自体は健全です。問題は、紹介が「運任せ」になっている事務所が多いことです。紹介が来る月もあれば、半年まったく来ない月もある。この波に振り回されると、売上の見通しが立ちません。
紹介を思い出してもらう仕掛け
紹介が続く事務所には共通点があります。紹介したくなる理由を、紹介する側に持たせていることです。顧問先が知人の社長に「いい税理士いない?」と聞かれたとき、すぐ思い出してもらえるかどうか。そのためには、日頃の対応の速さや説明の分かりやすさに加えて、「あの先生のサイトを見せれば伝わる」という状態を作っておくことが効きます。紹介された側が名前を検索したとき、そこに分かりやすいサイトがあれば、紹介した顧問先の顔も立ちます。
| 紹介の状態 | 途切れる事務所 | 続く事務所 |
|---|---|---|
| 紹介の起こり方 | 相手任せで波がある | 思い出す仕掛けがある |
| 紹介後の受け皿 | 検索しても決め手がない | サイトで不安が消える |
| 紹介する側の気持ち | 紹介して外すのが怖い | 紹介して感謝される |
| 売上の見通し | 月ごとに読めない | 紹介と検索で土台が安定 |
紹介を仕組みにするうえでも、結局は自社サイトが土台になります。紹介された経営者の多くは、会う前にサイトを確認するからです。紹介という上流を強くしたいなら、その受け皿である下流を先に整えるのが順番として正しい。
検索で選ばれる税理士サイトに必要な5つの中身
経営者が税理士サイトを見比べるとき、無意識にチェックしている項目があります。ここが埋まっていないサイトは、内容がどれだけ立派でも候補から外れます。まず全体像を1枚で確認してください。
| 項目 | 経営者が確かめたいこと | 抜けているとどうなるか |
|---|---|---|
| 対応してくれる範囲 | 自社の規模や業種に合うか | 自分向けか判断できず離脱する |
| 料金の考え方 | おおよその見当がつくか | 問い合わせるのが怖くて避ける |
| 誰が担当するか | 相性の良さそうな人か | 顔が見えず信用しきれない |
| 実際の解決例 | 自分と近い会社の事例 | 本当に頼れるか確信が持てない |
| 問い合わせの入口 | 気軽に相談できそうか | ハードルが高くて手が止まる |
この5項目は、豪華さの話ではありません。経営者が「自分のことだ」と感じ、「ここなら安心して聞ける」と思える手がかりが置いてあるか、という話です。次の章から、この5つを1つずつ具体的に埋めていきます。
専門用語が顧問先を逃している
事務所サイトで最も多い失点が、専門用語です。書いている本人は正確な言葉を選んだつもりでも、読み手にとっては壁になります。「顧問契約により継続的な経営支援を提供します」。正しい日本語ですが、はじめて事務所を探す経営者の心には何も残りません。
案内役に徹すると言葉が変わる
「売れるサイトはみな謙虚」という考え方があります。サイトの主役を事務所から訪問者に入れ替え、事務所は訪問者の悩みを解決する案内役に徹する、という発想です。案内役は、相手が分かる言葉で話します。専門用語を、経営者の日常の言葉に翻訳します。次の対比を見てください。
| 事務所の言葉 | 経営者に届く言葉 |
|---|---|
| 月次巡回監査を実施 | 毎月おうかがいして数字を一緒に確認します |
| 経営助言を提供 | 資金繰りの相談にその場でお答えします |
| 税務顧問として関与 | 税金の質問をいつでも聞ける相手になります |
| 記帳代行に対応 | 領収書の整理を丸ごと引き受けます |
見出しと最初の3行を書き換える
右側の言葉には、経営者が想像できる情景があります。翻訳するだけで、同じ内容が急に自分ごとになります。手をつける優先順位は、まずトップの見出し、次に最初の3行です。ここは訪問者が最初に目を落とす場所で、離脱の大半がここで起きます。事務所の説明で始まっているなら、経営者の困りごとから始まる文に書き換えます。「決算前になって慌てていませんか」「今の税理士に質問しづらいと感じていませんか」。読み手の頭の中にある言葉から入ると、続きを読んでもらえます。ここを直すだけで、離脱が目に見えて減ります。
料金の手がかりを置くと問い合わせが増える
料金の話題は税理士サイトで最も避けられがちな場所です。事務所ごとに条件が違うため明示しづらいのは分かります。ただ、経営者の立場に立つと、料金の見当がまったくつかないサイトは、問い合わせのハードルが一気に上がります。「聞いたら高いと言えなくなりそう」「相場を知らないまま話すのが怖い」。この不安が、優良な見込み客ほど問い合わせから遠ざけます。
決まり方の物差しを言葉で示す
具体的な数字を細かく載せる必要はありません。料金がどういう考え方で決まるのか、その物差しを示すだけで、経営者の不安は大きく下がります。売上規模で変わるのか、記帳を自社でやるかどうかで変わるのか、訪問の頻度で変わるのか。この「決まり方」を言葉で説明しておけば、経営者は自分がどのあたりかを想像できます。想像できると、問い合わせは怖くなくなります。物差しがあると、価格に敏感なだけの層より、内容で選びたい優良な経営者が安心して動きます。
| 料金の見せ方 | 経営者の受け取り方 | 問い合わせへの影響 |
|---|---|---|
| まったく触れない | 高いのではと身構える | 優良客ほど避ける |
| 要問い合わせとだけ書く | 探りを入れられそうで怖い | ハードルが上がる |
| 決まり方の物差しを示す | 自分の見当がつく | 安心して相談できる |
| 簡単な質問への答えを用意 | 誠実な事務所だと感じる | 信頼が先に立つ |
実績は数字と担当者の顔で伝える
実績の見せ方も、事務所を主役にすると響きません。「創業30年、顧問先300社」。立派な数字ですが、経営者は「大きい事務所なんだな、うちみたいな小さい会社は後回しにされそう」と感じることさえあります。実績は、訪問者が自分を重ねられる形で見せると効きます。
近い会社の解決例を短い物語にする
効くのは、自分と近い会社の解決例です。「開業3年目の飲食店が、資金繰りの見通しを立てられるようになった」。この一文には、経営者が自分を当てはめられる具体があります。守秘義務に配慮しながら、業種と規模と困りごとと解決後の変化を、短い物語として置く。ビフォーとアフターが見えると、抽象的な数字の百倍伝わります。事例は2つか3つで足ります。あなたが得意な業種のものを3つほど、丁寧に書くほうが効果があります。
担当者の人柄をどう出すか
担当者の顔と人柄も、事務所選びでは大きな要素です。お金と会社の内情を預ける相手ですから、経営者は「信頼できる人か」を強く見ます。顔写真、なぜこの仕事をしているのか、どんな相談をよく受けるのか。人となりが伝わる情報を置くと、会う前から親近感が生まれます。堅い経歴の列挙より、「経営者の孤独に寄り添いたい」といった仕事への思いのほうが、同じ悩みを抱えた社長の心を動かします。
地域で探されたときに見つかる状態を作る
税理士は地域で選ばれる仕事です。「地名 税理士」で検索されたときに見つかるかどうかは、集客の土台になります。ここで効くのが、地図検索まわりの整備です。
ビジネスプロフィールで最初に埋める項目
Googleのビジネスプロフィールを埋め、対応地域や業務を分かる言葉で書き、顧問先からの声を集める。これらは費用をかけずに始められます。最初に手をつけるのは、業務内容の説明と対応エリア、営業時間、写真です。ここが空欄だと、地図検索の結果に載っても、経営者はどんな事務所か分からず素通りします。口コミは、自然に出てきたものだけを載せます。対応に満足した顧問先へ、自然にお願いする形が健全です。
| 地域で選ばれる整備 | やること | 効きどころ |
|---|---|---|
| ビジネスプロフィール | 業務と対応地域を平易に書く | 地図検索で候補に載る |
| 地域ページ | 商圏の経営者の悩みに答える | 地名検索で見つかる |
| 顧問先の声 | 許可を得て具体的に載せる | 会う前の安心につながる |
| 写真 | 事務所と担当者の様子を見せる | 雰囲気が伝わり親近感が出る |
悩みに答える記事が、比較検討中の経営者を連れてくる
経営者が税理士を探す前には、必ず具体的な困りごとがあります。「役員報酬はいくらに設定すべきか」「インボイスで何が変わるのか」「今の税理士を変えたいが手続きが不安」。こうした悩みに正面から答える記事を自社サイトに置くと、まさにその悩みを検索した経営者が入ってきます。彼らは税理士を探している最中の、もっとも見込みの高い層です。
得意な領域に絞って深く答える
ここで大切なのは、記事の狙いをずらさないことです。アクセスを稼ぐためだけの一般論を並べても、問い合わせにはつながりません。あなたが得意な領域、実際によく相談される困りごとに絞って、深く答える。読んだ経営者が「ここまで丁寧に説明してくれる先生なら会ってみたい」と感じたとき、記事の末尾に置いた相談の入口が働きます。1本の記事で税務のすべてを網羅する必要はありません。1つの悩みに、競合の記事より深く答えることが、選ばれる近道です。
| 記事のテーマ | 入ってくる経営者 | 問い合わせへの近さ |
|---|---|---|
| 税理士の変更手続き | 今の税理士に不満がある | 非常に近い |
| 創業時の税務の基本 | これから開業する | 近い |
| 資金繰りの考え方 | お金の不安を抱える | 近い |
| 節税の一般論だけ | 情報収集だけの層 | 遠い |
問い合わせの入口を、怖くない形にする
最後の関門が問い合わせ導線です。ここでよくある失点が2つあります。1つは、入口が「お問い合わせ」の一択で、いきなり本格的な相談を求めていること。もう1つは、入力項目が多すぎて、書き終える前に手が止まること。どちらも、あと一歩の経営者を逃します。
入力項目を最小限にする
入口は段差を低くします。「まずは無料で30分、話を聞かせてください」。この一言があるだけで、経営者は気軽に手を伸ばせます。会って話すのが不安な人向けに、メールやチャットの入口も用意しておく。入力項目は最小限に絞る。名前と連絡先と、困っていることの一言。これだけで十分です。詳しいことは会って聞けばいい。入口で全部を聞き出そうとすると、それ自体が壁になります。フォームの項目を1つ減らすたびに、たどり着く人が増えます。
顧問先が決まるまでの流れを図で整理する
ここまでの話を1枚にまとめます。経営者が税理士を選ぶまでの流れと、各段階で自社サイトが果たす役割です。上流の露出をいくら増やしても、最後の受け皿が弱ければ取りこぼす、という構造がひと目で分かります。
この図の3つ目の箱、サイトで見比べる段階が、税理士事務所のいちばんの伸びしろです。ここを整えることが、いま持っている紹介と検索を取りこぼさない唯一の道です。
特定の領域で選ばれる事務所になる
「何でもやります」は、経営者から見ると「何が得意か分からない」と同じに映ります。8万人を超える税理士の中から選ばれるには、誰の何を解決するのが得意なのかを、はっきり打ち出すことが効きます。飲食業に強い、医療法人に詳しい、創業まもない会社の伴走が得意。絞ることで、その領域の経営者から「まさに自分向けだ」と選ばれます。
絞ると問い合わせが増える理由
絞ると顧客が減るように感じますが、実際は逆です。全方位に薄く見えるより、特定の経営者に深く刺さるほうが、問い合わせは増えます。専門を打ち出した事務所には、その分野の相談が集まり、対応の経験がさらに積み上がり、より選ばれるという好循環が生まれます。あなたが実際に多く関わってきた業種、話していて楽しい相手、成果を出しやすかった領域。そこに旗を立てて、サイト全体をその経営者に向けて書き直すと、集客の質が変わります。1件あたりの単価も、専門性が伝わるほど守りやすくなります。
よくある質問
ホームページを作れば顧問先は増えますか
作るだけでは増えません。増えるのは、経営者の困りごとを主役にし、案内役に徹したサイトに整えたときです。事務所の自己紹介で終わっているサイトは、更新しても問い合わせにつながりにくいというのが実際のところです。まず主役を訪問者に入れ替えることから始めてください。
紹介だけで足りているなら集客は不要ですか
紹介が好調なうちに土台を整えておくのが安全です。紹介は相手任せで波があり、途切れたときに一から立て直すのは時間がかかります。紹介された経営者の多くも会う前にサイトを見るので、受け皿を整えておくと、いまの紹介の成約率そのものが上がります。
SNSと検索、どちらを先に手をつけるべきですか
検索から来た人が読む常設ページを先に整えます。SNSは流れていく情報で、更新を止めると効果も止まります。事務所サイトは一度整えれば働き続ける資産です。土台を固めてから、余力でSNSに広げるのが順番として無理がありません。
料金をサイトに載せると値切られませんか
細かい金額を載せる話ではありません。料金がどう決まるかの物差しを示すだけで十分です。物差しがあると、優良な経営者ほど安心して問い合わせてきます。まったく手がかりがないと、むしろ価格に敏感な層だけが探りを入れてくる傾向があります。
広告を出せば手っ取り早く増えますか
着地するページが整っていれば有効です。整っていないまま広告を出すと、クリックの費用だけがかかって成約につながりません。広告は水を注ぐ蛇口で、受け皿となるページはバケツです。バケツの穴をふさいでから蛇口をひねる順番を守ってください。
今の税理士から乗り換えたい経営者の不安に応える
新規の顧問先には、これから開業する会社だけでなく、すでに別の税理士と契約している会社も含まれます。むしろ乗り換えを考えている経営者は、成約に近い有望な層です。今の対応に不満があり、質問への返事が遅い、節税の提案がない、話が専門的すぎて分からない。こうした理由で次を探しています。ところが、乗り換えには独特のためらいがあります。「途中で変えて大丈夫なのか」「引き継ぎで揉めないか」「失礼にならないか」。この不安に先回りして答えるページがあると、乗り換え層をまるごと受け止められます。
乗り換えの手順を先に見せる
乗り換えを考える経営者がいちばん気にするのは、切り替えの手間と時期です。決算期の途中で変えても問題ないのか、資料の引き継ぎはどう進むのか、今の税理士へどう伝えればいいのか。この流れをサイトで先に説明しておくと、経営者は具体的な段取りを想像できます。想像できると、迷いが決断に変わります。乗り換えは失礼な行為ではありません。会社にとって当然の見直しだという姿勢を、穏やかな言葉で伝えることも効きます。
引き継ぎの安心を言葉にする
引き継ぎで揉めるのを恐れる経営者は多い。前の税理士へ切り出すのが気まずい、資料が揃っているか不安、途中で数字が狂わないか心配。この3つが乗り換えを止める主な理由です。ここで「これまでの資料を拝見しながら、無理のない形で引き継ぎます」と一言あるだけで、心理的な重さが下がります。前の税理士との比較や批判はしません。あくまで、これから一緒にやっていく相手として、どんな伴走ができるかを語る。乗り換えの決断を後押しするのは、強い売り込みよりも静かな安心です。
事務所サイトを直す順番
直すべき場所がいくつも見つかると、どこから手をつけるか迷います。全部を一度に変える必要はありません。効果の大きい順に、1つずつ手をつけるのが現実的です。順番を間違えなければ、少ない手数で問い合わせが動き始めます。
最初に触るのはトップの最初の画面
最優先は、訪問者が最初に目にする場所です。トップページの見出しと最初の3行、そしてスマホで開いたときに最初に映る範囲。ここが事務所の自己紹介で始まっていたら、経営者の困りごとから始まる言葉に書き換えます。離脱の大半はこの数秒で起きるので、ここを直すと数字がいちばん大きく動きます。次に料金の考え方、そのあとで実績と担当者の紹介、最後に問い合わせ導線という順で整えると、無理なく前に進みます。
| 順番 | 直す場所 | なぜこの順か |
|---|---|---|
| 1番目 | トップの見出しと最初の3行 | 離脱が最も多く効果が大きい |
| 2番目 | 料金の考え方 | 問い合わせの心理的な壁を下げる |
| 3番目 | 実績と担当者 | 信頼が決め手を後押しする |
| 4番目 | 問い合わせ導線 | あと一歩を取りこぼさない |
経営者が最後に確かめている相性
料金や実績が近い事務所が2つ残ったとき、最後の決め手になるのは相性です。この人になら会社の内情を安心して話せそうか、質問しても嫌な顔をされなさそうか、長く付き合っていけそうか。数字では測れないこの感覚が、最終的な1社を決めます。事務所サイトは、この相性を会う前に感じてもらう場でもあります。
文章の温度が相性を伝える
相性は、サイトの文章の温度からにじみ出ます。硬く事務的な文章からは、話しかけづらい印象が伝わります。読み手をひとりの人として気づかう文章からは、この人になら相談できそうだという安心が伝わります。専門家としての正確さを保ちながら、隣で一緒に考えてくれる人の温度を言葉に乗せる。この匙加減が、同じくらいの事務所の中から選ばれる差になります。
不安に先回りする姿勢を見せる
経営者が口に出しにくい不安に、サイトのほうから触れておくと、相性の良さが伝わります。「こんな初歩的なことを聞いていいのか」「今さら聞けないと思っていませんか」。こうした一言があると、経営者は自分の気持ちを見抜かれたように感じ、この先生は分かってくれると受け取ります。先回りは、押しつけがましい売り込みとは違います。相手の立場に立って、聞きたくても聞けないことを代わりに言葉にする気づかいです。
| 相性が伝わる場所 | 硬いサイトの印象 | 謙虚なサイトの印象 |
|---|---|---|
| あいさつの文章 | 資格と経歴の列挙で終わる | 仕事への思いが伝わる |
| よくある質問 | 事務的な回答だけ | 不安に寄り添う言葉がある |
| 料金の説明 | 要問い合わせで突き放す | 考え方を丁寧に開く |
| 問い合わせの案内 | 本格相談を前提にする | 気軽に聞ける空気を作る |
まとめ
税理士の集客でつまずく原因は、実力の不足でも露出の少なさでもありません。顧問先が決まる最後の瞬間に読まれる自社サイトが、事務所の自己紹介で止まっていることです。専門用語を経営者の言葉に翻訳し、料金の物差しを示し、担当者の人柄を伝え、自分に近い解決例を置き、問い合わせの段差を下げる。この5つを整えれば、いま持っている紹介と検索の取りこぼしが減り、同じチャネルのまま成約が増えます。
新しい集客手法を足す前に、いまあるサイトを見返してください。主役が事務所になっていないか。最初の3行が経営者の困りごとから始まっているか。この記事で挙げた点検表を使えば、直すべき場所が1つ見つかります。まずそこから手をつけてください。
今日できる点検
| 点検する場所 | 今の状態を確かめる問い | 直す方向 |
|---|---|---|
| トップの見出し | 事務所の説明で始まっていないか | 経営者の困りごとから書く |
| 最初の3行 | 専門用語が並んでいないか | 日常の言葉に翻訳する |
| 料金のページ | 手がかりがまったく無くないか | 決まり方の物差しを示す |
| 実績の見せ方 | 数字の自慢で終わっていないか | 近い会社の解決例を置く |
| 担当者の紹介 | 顔と人柄が見えるか | 写真と仕事への思いを載せる |
| 問い合わせ入口 | いきなり本格相談を求めていないか | 低い段差の入口を用意する |
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
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