「ターゲットを絞りましょう」と言われて、業種を決めて広告を出した。それでも問い合わせが来ない。この記事は、そこで止まっている会社に向けて書いています。
結論を先に言います。ターゲットを絞ったのに集客できないとき、絞ったこと自体が間違いだった例は少数です。外れているのは、対象の決め方と、その人に出会う場所と、最初に差し出す提案と、それを伝える言葉の4つのうちのどれかです。
この4つは1本の鎖です。どこか1か所が外れていると、残りがどれだけ良くても問い合わせまで届きません。この記事では、どこが外れているかを見分ける順番と、直し方を書きます。広告の媒体を替える前に読んでください。替える前に確かめるべきことのほうが多いからです。
ターゲットを絞ったのに集客できないときに起きていること
相談で聞く症状は、おおむね3つの型に分かれます。どの型かで、見る場所が変わります。
型1 検索で探しても人数が足りない
業種を絞って検索広告を出したが、そもそも検索する人が少なくて表示されない。数週間で撤退し、「絞るのは無理だった」と結論づける流れです。
この型で外れているのは対象の決め方よりも、出会う場所です。絞った相手が検索という行動を取っていないだけで、相手がいないわけではありません。
型2 人は集まるが対象外ばかり
SNS広告で診断や資料請求を入口にしたら申し込みは来た。ただ、法人の担当者に来てほしいのに個人の申し込みが大半で、要件に合わない。
この型で外れているのは提案と言葉です。誰にでも当てはまる入口を置けば、誰でも来ます。入口の設計が対象を選んでいないのです。
型3 対象の人は来るが依頼に進まない
数は少ないが対象の人が問い合わせてくる。ところが初回の相談のあと、依頼に進まない。この型は、ターゲットを絞る作業は済んでいて、提案の段階が相手の状態より先に進みすぎています。
相手はまだ「自社が対象になるか」を確かめたい段階なのに、こちらは見積もりの話をしている。段階のずれが原因なので、対象や媒体をいじっても直りません。
3つの型を見分ける表
| 症状 | 外れている場所 | 先に見るもの |
|---|---|---|
| 広告がほとんど表示されない | 出会う場所 | 相手が検索する言葉を持っているか |
| 表示はされるがクリックされない | 伝える言葉 | 見出しに相手の状況が書いてあるか |
| 申し込みは来るが対象外 | 提案の中身 | 入口が誰にでも当てはまる内容になっていないか |
| 対象の人は来るが依頼に進まない | 提案の段階 | いきなり依頼を求めていないか |
ターゲットを絞ること自体は正しい
先に、絞る方針を手放さないでほしい理由を書きます。症状が出ると方針ごと捨てたくなりますが、捨てるべきは方針の実行の仕方のほうです。
中身が似ている業種ほど絞る意味がある
許認可の申請代行や会計の記帳のように、手続きの中身が同業と似る仕事があります。この種の仕事では、手続きの説明で差をつけるのが難しい。
そこで効くのが「この業界の事情を分かっている」という印象です。相手の業界の言葉で話せる相談先は、説明の手間が省けるぶん選ばれやすくなります。
絞ったつもりで絞れていない例
ホームページの業種一覧に1行足しただけ、広告の見出しに業種名を入れただけ、という状態を「絞った」と呼んでいる会社は少なくありません。
絞るとは、その業種の人が何に困り、どんな順番で判断するかを知り、それに合わせて提案と言葉を組み替えることです。業種名の追加はその入口にすぎません。
絞る軸は業種だけではない
| 絞る軸 | 例 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 業種 | 建設業の許可申請だけ扱う | 業界ごとに必要書類や慣習が違うとき |
| 状況 | 創業1年以内の会社だけ | 業種を問わず同じ困りごとが起きるとき |
| 規模 | 従業員10人以下の会社だけ | 社長が自分で調べて決める層を狙うとき |
| きっかけ | 更新期限が3か月以内の会社だけ | 急ぎの相手に短い言葉で届けたいとき |
検索で人数が足りなかった業種も、「状況」や「きっかけ」で切り直すと、別の出会い方が見えてくることがあります。
4つの歯車 対象・提案・届け方・伝え方
ここからが本題です。ターゲットを絞っても集客できない原因は、次の4つのつながりの中にあります。
歯車と呼ぶのは、1つが止まると全部が止まるからです。順番に見ていきます。
歯車1 対象 誰のどんな困りごとか
業種名の先にある困りごとまで決める
「建設業の会社」までで止めると、提案も言葉も決まりません。「公共工事の入札に参加したいが、経営事項審査の準備で何から手をつければいいか分からない会社」まで降ろすと、次の歯車が自然に決まります。
対象を決めるとは、業種を選ぶことより、困りごとを1つ選ぶことに近い作業です。
本当に困っている人かを確かめる
自社にとって都合のいい相手と、実際に困っている相手は別です。過去の問い合わせや受注の記録を見て、どんな状況の人が実際に依頼してきたかを数えてください。
記録が10件もあれば、業種より状況のほうがそろっていることに気づく会社もあります。その場合は、状況のほうを対象にします。
実在する1社を思い浮かべて決める
対象を会議室で組み立てると、都合のいい架空の会社ができあがります。過去に依頼してくれた中から1社を選び、その会社が依頼前に何を調べ、誰に相談し、何を見て決めたかを思い出してください。
その1社と同じ状況にある会社が、ターゲットを絞るときの対象です。架空の人物像より、実在の1社のほうが提案と言葉を具体的にします。
対象を1行で書く
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 誰が | 従業員10人以下の建設業の社長が |
| いつ | 公共工事への参加を考え始めた時期に |
| 何に困り | 経営事項審査の段取りが分からず |
| 何を確認できれば動くか | 自社が受けられるかの目安と、必要な準備の一覧があれば相談に進む |
この1行が書けていない状態で広告を出すと、残りの3つの歯車は全部ずれます。ターゲットを絞る作業の実体は、この1行を書くことです。
歯車2 提案 何として差し出すか
いきなり依頼を求めていないか
広告から直接「ご依頼はこちら」に飛ばす設計は、今まさに探している人にしか効きません。検索で人数が足りない業種では、その「今まさに」の人が月に数人しかいないことがあります。
そこで、依頼の手前に別の提案を置きます。相手が「今すぐ頼む予定はないが、それは知っておきたい」と感じる情報です。
情報提供型の入口の作り方
特定の業種の会社に向けて、使える可能性のある支援制度や、更新期限の一覧を届ける形があります。受け取る側に負担がなく、専門家側は困りごとが起きたときに最初に思い出してもらえる位置に立てます。
そこから、詳しく確認したい人にだけ個別相談を案内する。この二段構えなら、検索数が少ない対象でも出会える人数が増えます。
情報提供型の入口で守ること
情報を配る入口は、受け取った人に「売り込まれた」と感じさせた時点で終わります。配る情報は、こちらに依頼しなくても役に立つ中身にします。
期限の一覧なら、自分で手続きする人にもそのまま使える形にする。そこまで出して、それでも手が回らない人が相談に来る。この順番を崩さないことが、情報提供型の入口を長く使う条件です。
配る頻度は月1回で足ります。頻度より、1回ごとに相手の業種でしか起きない話題を1つ入れているかのほうが、読まれ続けるかを決めます。
提案の段階と向いている相手
| 提案の段階 | 相手の状態 | 向いている届け方 |
|---|---|---|
| 依頼の申し込み | 今まさに探している | 検索広告 |
| 個別相談 | 困りごとは自覚している | 検索広告、紹介 |
| 診断や資料 | 気になっているが急いでいない | SNS広告、検索 |
| 情報の定期配信 | まだ困っていない | SNS広告、既存客への案内 |
段階を1つ手前にずらすほど、出会える人数は増え、依頼までの距離は伸びます。この両方を見て決めます。
歯車3 届け方 その人がどこにいるか
検索の入口は「探している人」にしか開かない
検索を入口にする限り、こちらが対象を決めても、相手が実際に検索していなければ出会えません。これは媒体の良し悪しの話とは別で、検索という行動そのものの性質です。
Google広告のヘルプでは、キーワードのステータス「検索ボリュームが少ない」を「Google での検索履歴がほとんどないキーワードに表示されるステータスです。」と説明しています。絞った言葉がこの状態なら、検索の入口は閉じています。
同じ人はSNSにもいる
検索しない人でも、インターネットは使っています。総務省が2025年5月に公表した「令和6年通信利用動向調査」は、個人の利用状況を「インターネット利用者の割合は85.6%。年齢階層別にみると、13~69歳の各年齢階層で9割を上回っている」と報告しています。
同じ調査で、インターネット利用者のうちSNSを利用している人の割合は81.9%、検索サービスの利用は79.4%です。検索で見つからない相手も、SNSの画面には現れるということです。
SNSで相手が求めているものは情報と近況
同じ総務省の調査では、SNSの利用目的は「従来からの知人とのコミュニケーションのため」が87.7%で最も高く、次いで「知りたいことについて情報を探すため」が64.0%です。依頼先を探す場所としてSNSを開いている人は、この数字の外側にいます。
だからSNS広告では、いきなり依頼を求める提案が合いにくい。知人の近況の間に流れてきても受け取れる、情報の形をした提案のほうが相性が良いのはこのためです。
届け方を替えるなら、提案の段階も一緒に替える。媒体だけ替えて提案を据え置くと、型1から型2に症状が移るだけです。
届け方を切り替える判断の表
| 入口 | 出会える相手 | 向いている提案 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 検索広告 | 今探している人 | 依頼、個別相談 | 検索する人が少ないと表示されない |
| SNS広告 | 探していないが条件に合う人 | 診断、資料、情報配信 | 入口が広いと対象外も集まる |
| 既存客への案内 | すでに信頼がある人 | 紹介のお願い、追加の相談 | 人数が限られる |
| 業界団体や会合 | 同じ業種が集まる場 | 勉強会、情報提供 | 時間がかかる |
「この媒体はダメだった」で終わらせない
検索で人数が足りなかった、SNSでは対象外が来た。この2つは、媒体の失敗と呼ぶより、提案と言葉の組み合わせの失敗として読むほうが正確です。
媒体を替える前に、来てくれた人と来てほしかった人の差を書き出してください。差が分かれば、同じ媒体で提案だけ替える選択肢が残ります。
歯車4 伝え方 自分のためのものだと分かる言葉
業種名を足すだけでは伝わらない
広告の見出しに「建設業の方へ」と足しても、中身が誰にでも当てはまる提案のままなら、絞った意味は相手に届きません。業種名はラベルであって、中身ではありません。
伝わるのは、その業種の人だけが「それ、うちのことだ」と感じる具体です。困っている場面、使っている書類の名前、期限の呼び方といった細部がそれにあたります。
見出しで場面を描く
伝わる見出しは、相手がいま置かれている場面を1つ描いています。「更新の通知が届いたが、前回と担当者が替わっていて書類の場所が分からない」のような場面です。
場面が合っていれば、相手は自分で「これは自分のことだ」と判断します。業種名を何度も書くより、場面を1つ正確に描くほうが、ターゲットを絞った効果は大きく出ます。
場面は想像で書かず、過去の依頼者が最初の電話で話した言葉から拾います。記録がなければ、次の相談から最初の一言をメモに残すところから始めてください。
条件を増やすと負担が増える
対象外の申し込みを減らそうとして、フォームに会社名、役職、会社のメールアドレスと項目を足す会社があります。これは対象の人にとっても負担です。
「条件に合う人だけ来てください」と伝えるより、条件に合う人が「これはまさに自分のためのものだ」と感じる提案を作るほうが、対象外は自然に減ります。
言い換えの例
| 誰にでも当てはまる書き方 | 対象の人だけに刺さる書き方 |
|---|---|
| 許認可の申請を代行します | 建設業許可の更新期限が3か月を切った会社の段取りを引き受けます |
| 無料診断を実施中 | 経営事項審査を受けられるか、必要書類の有無で確かめる10分の確認 |
| お気軽にご相談ください | 入札参加の準備で最初につまずく3つの書類について相談できます |
| 実績多数 | 公共工事の入札参加資格の申請を、年間で何件扱っているか明記する |
受け皿のページまで対象の言葉で揃える
広告だけ絞って着地先が総合案内のまま
広告の見出しは「建設業の方へ」なのに、クリック先が全業種向けのサービス一覧になっている例は、相談の中で繰り返し見ます。相手は見出しで期待した具体を探し、見つからずに戻ります。
ターゲットを絞るなら、着地先も対象専用に1ページ作ります。分量は長くなくてよく、対象の困りごと、確認できること、次の一歩の3点があれば足ります。
対象専用ページに置く3点
| 置くもの | 書き方 | 置かないもの |
|---|---|---|
| 対象の困りごと | 見出しと同じ場面を、相手の用語で1〜2文 | 会社の沿革、理念 |
| 確認できること | 相談で何が分かるかを箇条書きで3つ | 全サービスの一覧 |
| 次の一歩 | 診断、資料、相談のうち1つだけ | 複数の申し込み先 |
広告と着地先の言葉を突き合わせる
広告の見出しに使った名詞が、着地先の最初の画面に同じ形で出ているかを確かめます。「経営事項審査」と書いた広告の先に「経審」としか書いていなければ、同じ相手でも別の話に見えます。
この突き合わせは、広告を出す前の5分でできます。出したあとにクリック率だけ見て悩むより、先にここを揃えるほうが早い。
検索ボリュームが少ないと出たときの読み方
表示されない理由を正しく理解する
検索広告で絞った言葉を登録すると、「検索ボリュームが少ない」という表示が出て配信が止まることがあります。これは言葉の選び方が悪いというより、その言葉で検索する人の数が、広告を出す基準に満たないという意味です。
Google広告のヘルプが示す対処は4つです。1週間後の自動確認を待つ、キーワードを削除して別の候補を探す、マッチタイプを広げる、キーワードを抽象的なものに更新する、の4つです。
対処を選ぶ順番
| 対処 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| マッチタイプを広げる | 対象の困りごとを表す言葉が複数あるとき | 無関係な検索語にも出る。除外の設定が要る |
| 言葉を抽象的にする | 業種名を外しても困りごとで絞れるとき | 着地ページ側で業種を明示して受け止める |
| 別の候補を探す | 相手が別の呼び方をしているとき | 自社の用語と相手の用語のずれを先に調べる |
| 待つ | 季節で検索が増える言葉のとき | 待つ間に別の入口を試す |
いずれも効かないなら、検索の入口そのものが閉じています。歯車3に戻って、届け方を切り替える判断に進みます。
なお、マッチタイプを広げる対処を選んだときは、除外する検索語を週に1回見直します。広げた分だけ無関係な検索語に出るので、放置すると予算が対象外に流れます。
検索数が少ないことと、絞りすぎは別
検索数が少なかったとしても、それだけで「ターゲットを絞ったのが失敗だった」とは言い切れません。出会い方や、最初の提案に改善の余地が残っているからです。
ターゲットを絞ったことを疑うのは、4つの歯車を全部確かめたあとでも遅くありません。
検索する人の数を広告を出す前に確かめる
相手の呼び方を先に集める
自社では「経営事項審査」と呼ぶ手続きを、相手は「経審」「点数」「入札の点数」と呼んでいるかもしれません。検索数が少ないと出た言葉は、自社の用語であって相手の用語でない場合があります。
直近の依頼者に、依頼前に何と検索したかを聞いてください。3人に聞けば、自社の用語とのずれが見えてきます。
検索以外の行動も数える
対象の人が検索しないなら、代わりに何をしているかを調べます。業界団体の会報を読む、同業の経営者に聞く、取引先の担当者に相談する、といった行動です。
その行動の中に、こちらの提案を置ける場所があります。検索数の少なさが示すのは、ターゲットを絞る方針の誤りより、相手の行動が検索の外にあるという事実です。
出す前の確認項目
| 確認項目 | やり方 | 分かること |
|---|---|---|
| 相手の用語 | 直近の依頼者3人に検索語を聞く | 登録すべき言葉のずれ |
| 検索する時期 | 更新期限や決算期との関係を見る | 配信を厚くする月 |
| 検索以外の行動 | 依頼者がどこで情報を得たか聞く | 検索の外に置く入口 |
| 同じ言葉で出している同業 | 実際に検索して広告枠を見る | 言葉の競り合いの強さ |
対象外の申し込みばかり来るときの直し方
来た人と来てほしかった人の差を表にする
申し込みの一覧を開いて、1件ずつ「対象だったか」を記録します。対象外が7割を超えているなら、入口の提案が広すぎます。
| 見る項目 | 来た人 | 来てほしかった人 | 差の原因 |
|---|---|---|---|
| 立場 | 個人 | 法人の担当者 | 診断の題名が個人にも当てはまる |
| 困りごと | 漠然とした不安 | 具体的な手続きの期限 | 見出しに期限や書類名がない |
| 時期 | いつか | 3か月以内 | 急ぐ理由を提示していない |
| 知りたいこと | 費用の相場 | 自社が受けられるかの目安 | 診断の中身が相場の話になっている |
入口の題名を対象の言葉に替える
「あなたの会社の助成金診断」は誰でも気になります。「建設業許可を持つ会社が今年使える制度の一覧」なら、持っていない人は申し込みません。
題名で選ぶのは、相手に負担をかけずにターゲットを絞る方法です。フォームの項目を増やす前に、ここを替えてください。
フォームに足すなら1問だけ
題名を替えても対象外が残るなら、フォームに1問だけ足します。「貴社が持っている許可の種類」のように、対象の人なら迷わず答えられ、対象外の人は答えられない問いです。
会社名や役職のような属性の欄は、対象の人の手も止めます。足すのは属性より、対象かどうかを1つで判定できる問いにしてください。
対象外の申し込みも捨てない
対象外の人が何を求めて申し込んだかは、次の提案を作る材料になります。個人の申し込みが続いたなら、個人向けの困りごとが市場にあるという情報です。
今の事業で受けないと決めるのは正しい判断です。ただ、記録だけは残して、提案を切り替えるときの根拠にします。
小さく試して次に活かす手順
1つの入口に1つの提案から始める
最初から検索広告とSNS広告と資料請求を同時に出すと、どれが効いたか分かりません。入口を1つ、提案を1つ決めて、2週間だけ回します。
見るのは申し込みの件数より、申し込んだ人が対象だったかどうかです。件数が少なくても対象が来ていれば、その組み合わせは正しい。
見る数字と判断の基準
| 見る数字 | 判断 | 次の手 |
|---|---|---|
| 表示回数が極端に少ない | 届け方が閉じている | 検索からSNSか紹介に切り替える |
| 表示はあるがクリック率が低い | 伝え方がずれている | 見出しに対象の状況を入れる |
| クリックはあるが申し込みがない | 提案の段階が遠い | 依頼の手前に診断や情報を置く |
| 申し込みの大半が対象外 | 提案が広すぎる | 題名を対象の言葉に替える |
| 対象の申し込みが続く | 組み合わせが合っている | 予算を増やす前に受け皿を整える |
2週間で付ける記録の形
記録は表1枚で足ります。申し込みが来るたびに、対象かどうか、どの入口から来たか、何を求めていたかの3つを書きます。
| 日付 | 入口 | 対象か | 求めていたもの | 次の手の材料 |
|---|---|---|---|---|
| 1日目 | SNS広告の診断 | 対象外 | 個人の相談 | 題名に法人の条件を入れる |
| 4日目 | SNS広告の診断 | 対象 | 受けられるかの目安 | 診断の中身は合っている |
| 9日目 | 検索広告 | 対象 | 費用と期間 | 依頼直前の人は検索で来る |
| 13日目 | 既存客の紹介 | 対象 | 期限までの段取り | 紹介のお願いを定例にする |
2週間分を並べると、どの入口からどんな人が来たかが一目で分かります。件数の合計より、対象の人がどの入口から来たかを見る。それが次に予算を置く場所です。
撤退の判断は歯車を全部回してから
1つの入口で結果が出なかっただけで対象ごと捨てると、次も同じ失敗をします。届け方と提案と言葉を1つずつ替えて、それでも対象の人が来ないときに、はじめて対象を見直します。
絞った対象で結果が出たあとに広げる順番
隣の対象へ1つずつ
最初の対象から依頼が安定して来るようになったら、次の対象に広げます。広げる先は、提案と言葉を少し変えるだけで届く「隣」の対象です。
建設業の許可更新で結果が出たなら、隣は同じ建設業の経営事項審査か、同じ更新手続きがある別の業種です。全業種に一気に戻すと、絞る前の状態に戻ります。
広げる前に確かめる2つのこと
1つ目は、最初の対象からの依頼が紹介でも来始めているかです。紹介が出ていれば、その対象の中で名前が覚えられています。
2つ目は、受け皿のページと提案を、次の対象用に複製できる状態にあるかです。1ページ目を作った手順が残っていれば、2ページ目は数日で作れます。
業種別に当てはめた例
許認可を扱う士業の場合
手続きの中身は同業と似ます。対象を「更新期限が近い建設業」に置き、提案を「期限までに必要な準備の一覧」にし、届け方をSNS広告と業界団体の会合に広げる。言葉は「更新」「経営事項審査」といった相手の用語を使います。
工務店の場合
対象を「築20年を超えた家に住み、水回りの不調が出始めた世帯」に置きます。提案は「家の年数別に起きやすい不調の一覧」、届け方は地域を絞ったSNS広告と既存客への案内です。
設備の保守を請け負う会社の場合
対象を「導入から7年を過ぎた設備を持ち、保守契約が切れている工場」に置きます。提案は「年数別に起きやすい故障と点検項目の一覧」で、届け方は設備メーカーの販売店経由と、工場が集まる地域の会合です。検索で「保守 工場」と探す担当者は少なくても、この経路なら出会えます。
BtoBのサービス業の場合
対象を「初めて社員を雇う会社」に置き、提案を「雇う前に決めておく書類の一覧」にします。検索数は少なくても、創業期の会社が集まる場所や制度の案内ページから届ける道があります。
| 業種 | 対象 | 提案 | 届け方 |
|---|---|---|---|
| 士業 | 更新期限が近い特定業種 | 期限までの準備一覧 | SNS広告、業界の会合 |
| 工務店 | 築年数と不調で絞った世帯 | 年数別の不調一覧 | 地域を絞ったSNS広告、既存客 |
| 設備保守 | 年数と契約状況で絞った工場 | 年数別の故障と点検の一覧 | 販売店経由、地域の会合 |
| BtoBサービス | 状況で絞った創業期の会社 | 決めておく書類の一覧 | 創業支援の窓口、紹介 |
よくある質問
ターゲットを絞ると売上が減りませんか
絞るのは提案と言葉であって、受ける仕事を減らすことではありません。絞った相手からの依頼が増えたあとで、隣の対象に広げる順番にすると、減る局面は作らずに済みます。対象外から相談が来たときに受けるかどうかは、これまでどおり個別に決めて構いません。
検索数が少ない業種は、広告をやめるべきですか
検索広告の入口が閉じているだけで、広告全体をやめる理由にはなりません。提案を依頼の手前に置き、SNS広告や紹介に届け方を替えて試してからの判断にしてください。検索広告は、依頼直前の人を拾う用途に限って残す選び方もあります。
SNS広告で対象外ばかり来ます。フォームの項目を増やすべきですか
項目を増やす前に、入口の題名を対象の人だけに当てはまる言葉に替えてください。項目の追加は対象の人の負担にもなるので、最後の手段にします。足すとしても、対象かどうかを1つで判定できる問いを1問までにします。
複数の業種を絞って同時に試してもいいですか
同時に試すと、どの組み合わせが効いたか分からなくなります。1つの対象に1つの入口と1つの提案で2週間回し、次の対象に移る順番を勧めます。
絞る前に、どのくらいの記録が要りますか
過去の問い合わせや受注が10件あれば、傾向は見えます。記録がない場合は、直近の依頼者に「何に困ってどう探したか」を聞くところから始めてください。3人に聞くだけでも、自社の用語と相手の用語のずれは見つかります。
まとめ
ターゲットを絞っても集客できないとき、絞ったことが原因である例は少数です。対象、提案、届け方、伝え方の4つのどれかが外れています。
検索で人数が足りないなら届け方を、対象外が集まるなら提案と言葉を見直す。媒体を替える前に、来た人と来てほしかった人の差を書き出す。この順番で確かめれば、ターゲットを絞る方針を捨てずに次の手が決まります。
絞ったことを疑うのは最後です。4つの歯車を1つずつ回してもなお対象の人が来ないとき、そこではじめて対象を切り直します。
その日にできる点検
| 点検項目 | 確かめ方 | 外れていたときの直し方 |
|---|---|---|
| 対象が1行で書けるか | 誰が、いつ、何に困り、何を確認できれば動くかを書く | 過去の依頼10件から状況を数える |
| 提案が依頼の手前にあるか | 広告の着地先が「ご依頼」だけになっていないか見る | 診断か情報の一覧を手前に置く |
| 届け方が相手の行動に合っているか | 検索広告の表示回数と「検索ボリュームが少ない」の有無を見る | SNS広告か紹介に切り替える |
| 言葉が対象の人だけに刺さるか | 見出しから業種名を消しても対象が分かるか読む | 書類名、期限、場面を見出しに入れる |
| 来た人と来てほしい人の差を記録しているか | 直近の申し込みを対象と対象外に分ける | 対象外が7割を超えたら題名を替える |
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ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
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