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ホームページの作り方でつまずく原因と作り始める前に決める1枚の埋め方

2026 8/31
gear

「ホームページ 作り方」で検索して、開いたページを何本も読み比べているのに、いざ自分の手を動かそうとすると止まってしまう。この状態には理由があります。世の中の解説はほとんどが「サーバーを借りて、ドメインを取って、ツールを開いて…」という手順の順番から始まります。ところが実際に問い合わせが来ないサイトを作ってしまう人は、手順の途中でつまずいているわけではありません。ツールを開く前に埋めておくべき1枚を、飛ばしたまま作り始めています。

この記事は、その1枚を先に埋めるための記事です。中小企業の経営者やウェブ担当者が、自社で、あるいは自分でホームページを作ろうとしているとき、あるいは作ったのに問い合わせが来ないとき、どこに手を戻せばいいかを1つずつ示します。読み終えたときに、あなたの「作る前に決める1枚」の項目が埋まっている状態を目指します。手順の解説は後半にまとめました。まずは作る前の意思決定から始めます。

目次

ホームページの作り方でつまずくのは手順の順番ではない

ツールの選び方を10本読んでも、手が止まったままなのはなぜか。答えははっきりしています。ホームページを作るという作業は、道具を触る前に「何を載せるか」がすでに決まっていることを前提にしているからです。道具の解説は、載せる中身が決まっている人のために書かれています。中身が決まっていない人がいくら道具の比較を読んでも、比較の軸が自分の中に無いので、いつまでも選べません。

つまずきの正体は、能力でもツールでもありません。作り始める前に決めておくべき1枚を飛ばしていることです。この1枚とは、たった3つの問いへの答えです。誰のためのページか。その人はどんな悩みを抱えて来るのか。その悩みをどう解くと言い切るのか。この3つが埋まっていれば、ツールは何を選んでもかたちになります。埋まっていなければ、どんなに高機能なツールを使っても、来た人に何も伝わらないページができあがります。

逆に言えば、この記事で一番時間をかけてほしいのは道具選びの節ではありません。次に出てくる「作る前に決める1枚」の節です。ここが埋まっていない状態で先に進むと、あとで必ず作り直しになります。作り直しは、白紙から作るより時間がかかります。だからこそ、開く前に決めます。急がば回れという言葉のとおり、最初の設計図に時間をかけた人ほど、結果として早くゴールにたどり着きます。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
解説を読み比べている段階 ツール比較を何本読んでも選べない 載せる中身を先に決める節へ進む
もう作り始めている トップページの文言で手が止まる いったん止めて設計図の3項目を埋める
作ったが問い合わせが来ない アクセスはあるのに反応がない 誰に何を言うページか書き出し直す
外注を検討している 何を頼めばいいか言葉にできない 依頼前に設計図を自分で埋めておく

この記事の読み進め方

この記事は、上から順に手を動かしながら読む前提で並べています。前半は、作り始める前に埋める設計図の3項目を1つずつ扱います。中盤は、その設計図をもとにした道具選びと手順です。後半は、公開したあとに何を見て、どこを直すかです。どこから読んでも意味は通りますが、設計図の3節だけは、順番どおりに手を動かすことをおすすめします。

紙かメモアプリを1つ用意して、読みながら「誰の」「どんな悩みを」「どう解くと言うか」の3項目を埋めていってください。読むだけで終えると、分かった気にはなっても、手は動きません。この記事の目的は、読み終えたときにあなたの設計図が埋まっていることです。知識を増やすための記事ではありません。あなたのサイトの土台を1枚作るために読んでください。読んだ内容を、その日のうちに1つでも自分のメモに書き写せば、それだけで前進です。埋まった設計図が、そのまま次の作業の指示書になります。指示書が手元にあれば、道具の前で固まる時間は、もう来ません。

すでにサイトがある人は、既存のサイトを開きながら読むと効きます。3項目のどれが空白のまま公開してしまったかが、読み進めるうちに見えてきます。空白が見つかった項目が、あなたが最初に手を戻すべき場所です。ゼロから作る人も、すでにあるサイトを直したい人も、入り口はまったく同じ設計図の1枚です。

作る前に決める1枚とは何か

作る前に決める1枚とは、ホームページの全ページに先立って埋める設計図です。紙1枚、あるいはメモアプリの画面1つで足ります。ここに書くのは、デザインの話でも機能の話でもありません。「誰の」「どんな悩みを」「どう解くと言うか」という3項目だけです。この3つが、これから作るすべてのページの土台になります。

なぜ1枚に収めるのか。項目が多いと、埋まらないまま先に進んでしまうからです。3つに絞ると、埋まっているか埋まっていないかが一目で分かります。埋まっていない項目があるうちは、ツールを開かない。この線引きが、作り直しを防ぎます。3項目のうち1つでも空白のまま作り始めると、その空白はページのどこかに必ず穴として残ります。

この設計図を先に埋める作業を、私たちは「売れるサイトはみな謙虚」という考え方で進めます。謙虚とは、へりくだることではありません。来た人の悩みを主役に置き、自社の実績や思いを後ろに下げることです。作り手が語りたいことを先に並べたサイトは、来た人には響きません。来た人が知りたいことから並べたサイトが、結果として問い合わせにつながります。この順番の入れ替えが、設計図の芯にあります。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
デザインから考えたい人 色や写真の話が先に進んでいる 載せる言葉を3項目で先に固める
機能を盛りたい人 予約や決済の機能を並べている 誰の何のための機能かを1行で書く
実績を語りたい人 自社の歴史や受賞歴が先頭にある 来た人の悩みを先頭に入れ替える
とにかく早く公開したい人 中身が空のまま枠だけ組んでいる 3項目が埋まるまで公開を待つ

この設計図がどう並ぶのかを、1枚の図にまとめました。左から右へ、埋める順番で読んでください。矢印のラベルが、次の項目に進んでよい条件です。

誰の ための1ページか どんな悩みを 抱えて来るのか どう解くと 言い切るのか ツールを 開く 1人に 絞れたら 検索語で 言えたら 1文で 言えたら 3つの箱が埋まって初めて、右の箱へ進む 空白の箱があるうちはツールを開かない

設計図が埋まっていないと何が起きるか

設計図を飛ばして作ったサイトには、共通の症状が出ます。トップページを開いても、誰に向けた言葉なのか分からない。会社の紹介は書いてあるのに、来た人が自分の悩みと結びつけられない。問い合わせボタンはあるのに、押す理由がどこにも書かれていない。これらはすべて、設計図の3項目のどれかが空白だった痕跡です。

作り直しのとき、多くの人はデザインを直そうとします。色を変え、写真を差し替え、レイアウトを組み替えます。それでも反応は変わりません。空白なのは見た目の問題ではありません。載せる言葉です。見た目の作業は楽しく、進んでいる感覚があります。しかし芯が空のままだと、いくら見た目を磨いても、来た人には届きません。

手順の解説から入ると、なぜ作り直しになるのか

手順を先に読むと、進んでいる感覚が得られます。サーバーを契約し、ドメインを取り、管理画面を開く。目に見える作業が積み上がるので、前に進んでいるように感じます。ところが、この段階では何を載せるかがまだ決まっていません。器だけが先にできて、中に入れる言葉が空のまま残ります。あとから言葉を入れようとすると、器の形が言葉に合わず、組み直しになります。

作り直しが白紙より時間がかかるのは、この組み直しが発生するからです。器を先に固めるほど、あとから言葉を入れる自由度は下がります。だから順番を逆にします。載せる言葉を先に決め、その言葉が一番きれいに収まる器を選ぶ。この順番なら、器と言葉が最初から噛み合います。手順の解説が悪いのではありません。読む順番が早すぎるだけです。設計図を埋めたあとに読むと、同じ解説が急に役立ちます。

実際に作り直しを経験した人は、口をそろえて同じことを言います。「最初にサーバーとデザインから入って、いざ文章を書く段になって、何を書けばいいか分からなくなった」。この詰まりは、能力の問題ではありません。設計図という土台を飛ばしたために、書く手がかりが無いだけです。土台さえあれば、文章は土台から引き出せます。

「誰の」を決める、たった1人の来訪者を書き出す

設計図の1項目めは「誰の」です。ここでよくある失敗は、対象を広げてしまうことです。多くの人に来てほしいという気持ちから、「中小企業の方も個人事業主の方も、これから始める方も」と間口を広げます。ところが間口を広げるほど、1人ひとりへの言葉は薄まります。全員に向けた言葉は、結果として誰の心にも刺さりません。

だから逆に絞ります。実在する1人を思い浮かべ、その人の状況を書き出します。年齢や役職より、いま何に困っていて、どんな言葉で検索し、何が決め手になったら問い合わせるのか。この1人が具体的であるほど、書くべき言葉が自然と決まります。1人に向けて書いた言葉は、同じ悩みを持つ多くの人に届きます。全員に向けた言葉は、誰にも届きません。

現場でこの作業をすると、決まってこういう声が出ます。「うちのお客さんは1種類じゃないので、1人に絞れません」。その気持ちは分かります。ただ、絞れない理由は客層の多さにありません。まだ主役の1人を選んでいないからです。売上の大半を占める1人を選び、その人のためのページをまず作る。他の客層は、その後で別のページを足せば済みます。最初から全員を1ページに詰め込むと、主役がいなくなります。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
間口を広げている 誰にでも当てはまる言葉になっている 売上の大半を占める1人を選ぶ
客層が多いと感じる 1人に絞れず対象がぼやけている 主役を1人だけ決め他は後回しにする
役職名で決めている 肩書きだけで悩みが見えていない その人が困っている場面を書き出す
自社目線で書いている 会社が言いたいことが先頭にある 来訪者が知りたい順に並べ替える

1人を書き出すための具体的な問い

1人を思い浮かべるといっても、頭の中だけでは輪郭がぼやけます。紙に問いを書き、その横に答えを埋めていきます。その人はいま、何に一番困っているか。夜、眠れないほど気になっていることは何か。これまで、その悩みをどう解こうとして、なぜうまくいかなかったか。あなたのサイトにたどり着く直前、どんな言葉で検索したか。この4つに答えられれば、「誰の」は埋まります。

答えが出てこない項目があれば、それはあなたがまだ知らない部分です。実際のお客様に聞くのが一番早い解決策です。過去に問い合わせてくれた人、契約してくれた人に、決め手を尋ねます。「なぜうちを選んだのか」を本人の言葉で聞くと、あなたが強みだと思っていた点と、相手が評価した点がずれていることがよくあります。そのずれこそ、設計図に書くべき言葉です。

1人に絞ると売上が減るという不安について

対象を1人に絞ると聞くと、その1人以外のお客様を切り捨てるように感じるかもしれません。実際は逆です。1人に向けて深く書いた言葉は、その1人だけに届くのではありません。同じ悩みを抱えた多くの人に、まとめて届きます。悩みは人によって細部が違っても、根っこは共通していることが多いからです。根っこに向けて書くと、枝葉の違う人にも刺さります。

全員に向けて書いた言葉は、逆に誰にも届きません。「どなたでもお気軽に」という言葉は、丁寧に見えて、実は誰の悩みにも触れていません。触れられていない人は、自分のためのページだと気づけません。間口を広げるほど、1人ひとりへの言葉は薄まります。だから、まず主役の1人に深く届く言葉を書き、他の客層はそれぞれ別のページで受け止めます。1ページに全員を詰め込むより、この分け方のほうが結果として多くの人に届きます。

売上への不安は、主役の選び方で解けます。切り捨てる話ではありません。順番をつけるだけです。売上の大半を占める1人を最初の主役にすれば、その人に届く言葉が、まず一番大きな売上につながります。他の客層のページは、その後で足していけます。最初から全部を狙って中途半端になるより、1つずつ確実に届けるほうが、積み上がりが速くなります。

「どんな悩みを」を決める、来訪者が入力した言葉をそのまま拾う

設計図の2項目めは「どんな悩みを」です。ここで大切なのは、悩みを自社の言葉に翻訳しないことです。来訪者は自分の悩みを、業界用語よりも生活の言葉で検索します。その言葉をそのままページに載せると、来た人は「これは自分のことだ」と気づきます。専門用語に置き換えると、その気づきが起きません。

たとえば、あなたが提供しているのが「業務効率化支援」だとします。ところが来訪者は「業務効率化」とは検索していないかもしれません。「毎日残業 終わらない」「同じ作業 手作業 ミス」といった、もっと生活に近い言葉で探しています。この生の言葉をページの見出しに入れると、来た人の悩みと言葉が一致します。一致した瞬間に、読み進める理由が生まれます。

来訪者の言葉を集める方法は、大きく2つあります。1つは、実際のお客様との会話やメールに出てくる言葉をメモすること。もう1つは、検索されている言葉そのものを調べることです。Google Search Consoleを使えば、どんな検索語で自社サイトが表示されたかが分かります。まだサイトが無い段階でも、キーワードの調査ツールで、その悩みがどんな言葉で検索されているかは調べられます。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
専門用語で書いている 来訪者の検索語と言葉が合っていない お客様が使う生活の言葉に置き換える
悩みを想像で書いている 実際の声を確かめずに埋めている 問い合わせ履歴から実際の言葉を拾う
検索語を調べていない 需要のある言葉を外している Search Consoleで表示語を確認する
まだサイトが無い どの言葉で探されるか分からない キーワード調査ツールで需要を測る

悩みは1つに絞ってよい

1ページで複数の悩みに答えようとすると、どれも中途半端になります。トップページで解決すべき悩みは、原則として1つに絞ります。その1つを深く解決するページのほうが、10個の悩みを浅く並べたページより、はるかに問い合わせにつながります。他の悩みは、それぞれ別のページを作って受け止めます。

これは記事やコラムのページでも同じです。1本の記事で扱う検索語は1つに絞る。総務省が公表した情報通信白書によると、利用者が情報を探す経路は年々多様になっています。経路が増えたぶん、1本のページが1つの悩みに正面から答えているかどうかで、見つけてもらえるかが変わります。あれもこれもと詰め込んだページは、検索する人にとって「自分の悩みのページ」だと認識されにくくなります。

検索語と悩みの言葉がずれる典型例

作り手は、自分の商品を業界の言葉で呼びます。来訪者は、自分の困りごとを生活の言葉で呼びます。この2つがずれていると、いくら良いページを作っても、検索でたどり着いてもらえません。たとえば作り手が「経営コンサルティング」と書いていても、来訪者は「売上 上がらない どうすれば」と探しているかもしれません。言葉がずれた瞬間に、両者は出会えなくなります。

ずれを埋めるには、来訪者の言葉に合わせます。自社の呼び方を捨てる必要はありません。来訪者が使う言葉を、見出しや本文に一緒に入れておくだけです。両方の言葉が載っていれば、検索する人にも、あなたのことをすでに知っている人にも、同じページで応えられます。合わせるべきは、いつも来訪者の言葉のほうです。作り手の呼び方を来訪者に覚えてもらうより、来訪者の言葉に自分が寄せるほうが、はるかに速く出会えます。

「どう解くと言うか」を決める、売れるサイトはみな謙虚

設計図の3項目めは「どう解くと言うか」です。ここが、独自メソッド「売れるサイトはみな謙虚」の核心です。多くのサイトは、この項目を「自社がいかにすごいか」で埋めようとします。実績、歴史、こだわり、技術力。どれも事実かもしれません。しかし来訪者が知りたいのは、自社がすごいことではありません。自分の悩みが解けるのかどうかです。

謙虚なサイトは、主役を来訪者に譲ります。「私たちはこんなにすごい会社です」と語りません。「あなたのその悩みは、こう解決できます」と書きます。自社は、その解決を手伝う案内役として後ろに立ちます。この立ち位置の入れ替えが、問い合わせ数を大きく左右します。ある現場では「主語を『私たち』から『あなた』に書き換えただけで、問い合わせフォームまで読み進める人が目に見えて増えた」という声がありました。

謙虚さは、弱さではありません。来訪者の悩みを正確に言い当て、その解決策を1文で言い切る強さです。「あなたのその状況なら、こうすれば解決します」と言い切れるかどうか。言い切れないなら、それは謙虚さの不足ではありません。来訪者の悩みをまだ深く理解していない証拠です。だから設計図の1項目めと2項目めに戻ります。3つの項目は、こうして互いに支え合っています。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
自社の実績が先頭にある 来訪者が自分の悩みと結びつけられない 悩みへの解決策を先頭に入れ替える
主語が私たちになっている 会社目線で読み手が置き去りになる 主語をあなたに書き換える
解決策を言い切れない できることを並べるだけで終わる 1文で解決を言い切る形に直す
案内役になれていない 会社が主役に出過ぎている 来訪者を主役にし自社を案内役に置く

言い切るための1文のつくり方

「どう解くと言うか」を1文にする型があります。「〇〇で困っているあなたが、△△できるように、私たちが□□します」。〇〇には2項目めで決めた悩みを、△△には来訪者が手に入れたい状態を、□□には自社の解決策を入れます。この1文がトップページの最初に来ると、来た人は数秒で「自分のためのページだ」と判断できます。

この1文が書けないときは、たいてい△△が抜けています。来訪者が最終的に手に入れたい状態を、こちらが分かっていないのです。「業務を効率化する」は自社の作業であって、来訪者が手に入れたい状態ではありません。来訪者が本当に欲しいのは「定時で帰れる」「ミスで謝らなくてよくなる」といった、その先の状態です。ここまで言葉にできて初めて、1文は完成します。

謙虚なサイトが強い理由

謙虚なサイトが問い合わせにつながるのは、来訪者の頭の中の順番に沿っているからです。人は初めて訪れたサイトで、まず「これは自分に関係あるか」を確かめます。次に「自分の悩みは解けるのか」を知りたがります。それから「本当にできるのか」という根拠を探し、最後に「では、どうすればいいか」という次の一歩を探します。謙虚なサイトは、この順番のとおりに情報を並べます。

自社を主役にしたサイトは、この順番を無視します。来訪者がまだ「自分に関係あるか」を確かめている段階で、会社の歴史や理念を語り始めます。来訪者の疑問と、ページが語る内容がずれるので、読み進める理由が生まれません。謙虚さとは、来訪者の疑問の順番に自分を合わせることです。合わせられたサイトは、来訪者が知りたい順に読み進められるので、途中で離脱しにくくなります。強さの正体は、この順番への忠実さです。

謙虚は、遠慮でも卑下でもありません。来訪者の悩みを正確に言い当て、解決を1文で言い切る強さを伴います。言い当てられた来訪者は、「この会社は自分のことを分かっている」と感じます。この感覚が、問い合わせへの最初の一歩になります。自社を大きく見せるより、相手を深く理解して見せるほうが、結果として信頼されます。

設計図が埋まって初めてツールを開く、作り方の全体の流れ

ここまでで設計図の3項目が埋まりました。ここからが、いわゆる「作り方」の手順です。多くの解説がここから始めますが、この記事では順番を逆にしました。中身が決まってから道具を選ぶ。この順番だからこそ、道具選びで迷いません。載せる言葉が決まっていれば、それを一番きれいに載せられる道具を選ぶだけだからです。

ホームページを公開するには、大きく分けて2つの前提が必要です。データを置く場所であるサーバーと、住所にあたるドメインです。この2つがそろって、初めてインターネット上に自分のページが存在できます。土地を借りて、住所を決めて、そこに家を建てる。この順番はどの作り方でも変わりません。家の建て方だけが、選ぶ道具によって変わります。

全体の流れは、準備、作成、公開、運用の4段階です。準備でサーバーとドメインを用意し、作成で設計図の言葉をページに落とし込み、公開でインターネットに出し、運用で反応を見て直します。この4段階のうち、最も時間をかけるべきなのは作成の前、つまり設計図です。設計図さえ固まっていれば、残りの作業は手を動かすだけになります。何を載せるかで迷う時間が消えるので、作成の速さも、できあがるサイトの一貫性も、目に見えて変わります。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
準備の段階 サーバーとドメインをまだ用意していない 置き場所と住所を先に確保する
作成の段階 設計図の言葉をページに移している 1文の要約をトップの先頭に置く
公開の段階 インターネットに出す直前 スマホ表示と問い合わせ経路を確認
運用の段階 公開後の反応がまだ見えていない 問い合わせ数を測る仕組みを入れる

設計図とツールの対応を一度に決めない

設計図が埋まると、次に道具を選びたくなります。ここで焦って、道具もサーバーもドメインも一気に決めようとすると、判断が雑になります。まず決めるのは、載せる言葉が一番きれいに収まる方向だけです。作成サービスの方向か、CMSの方向か、自分で書く方向か。この大きな方向が決まってから、細かい契約の話に進みます。

一度に決めない理由は、あとで乗り換えられる余地を残すためです。方向を先に固め、住所となる独自ドメインだけ先に押さえておけば、あとで道具を乗り換えても住所を保てます。住所さえ動かさなければ、積み上げた検索の評価は途切れません。道具は途中で変えられますが、住所を変えると評価が振り出しに戻ります。だから、大きな方向と住所を先に、細かい道具はあとで、という順番で決めます。

作り始める前にそろえておく材料

設計図が埋まったら、ページに載せる材料を先にそろえておくと、作成がなめらかに進みます。会社名や連絡先、事業の内容、これまで解決してきた事例、お客様からもらった言葉、載せられる写真。これらを1つのフォルダにまとめておきます。作成の途中で材料を探し始めると、そのたびに手が止まり、集中が切れます。

材料集めのついでに、設計図の3項目を裏づける具体を集めておくと、文章に厚みが出ます。悩みを言い当てる言葉、解決の流れ、実際に変わった様子。抽象的な説明より、1つの具体例のほうが来訪者に伝わります。材料が手元にそろっていれば、作成はそれを並べて言葉でつなぐだけの作業になります。準備の丁寧さが、そのまま作成の速さと質になって返ってきます。

サーバーとドメイン、土地と住所という前提

サーバーは、ホームページのデータを置いておく場所です。来訪者がページを開くと、そのデータがサーバーから届いて画面に表示されます。ドメインは、そのサーバーの場所を指し示す住所です。「〇〇.com」のような文字列がドメインで、来訪者はこの住所を入力するか、検索結果から選ぶことで、あなたのサイトにたどり着きます。

この2つは、作り方をどれにしても必要になります。ただし、作り方によっては、サーバーとドメインが最初からセットで用意される場合があります。無料や有料のホームページ作成サービスを使うと、この2つが内側で用意されるため、利用者は意識せずに公開できます。CMSを自分のサーバーに入れる方式を選ぶと、この2つを自分で契約します。どちらが良いかは、設計図と、かけられる手間で決まります。

ドメインには、住所としての役割のほかに、信頼の役割もあります。独自のドメインを持っているサイトと、借り物の住所の一部を間借りしているサイトとでは、来訪者が受ける印象が変わります。長く運用するつもりなら、独自ドメインを取得しておくと、あとで作り方を乗り換えても住所を保てます。住所が変わると、それまで積み上げた検索での評価がいったん途切れるため、最初に決めておく価値があります。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
とにかく早く出したい 準備の手間を最小にしたい サーバーとドメイン込みの作成サービスを選ぶ
長く運用したい あとで乗り換える可能性がある 独自ドメインを先に取得しておく
自由に作り込みたい 細かい設定まで自分で握りたい 自分でサーバーを契約しCMSを入れる
住所を軽く考えている 借り物の住所で公開しようとしている 独自ドメインで信頼と資産を残す

契約や設定でつまずかないための考え方

サーバーやドメインの契約画面は、専門用語が多く、初めてだと身構えます。ただ、つまずくのはたいてい、どのプランが自分に合うか分からないときです。この迷いも、設計図で解けます。記事を増やして悩みごとにページを作るなら、それに耐える方向を選ぶ。小さく早く出すだけなら、契約そのものが要らない作成サービスを選ぶ。設計図が、プラン選びの基準になります。

設定の細かい手順は、その場で調べれば足ります。多くのサービスに、手順を追える案内が用意されています。手が止まるのは操作の難しさより、そもそも何を目指しているかが定まっていないときです。目指す形が設計図で決まっていれば、設定は説明を見ながら進められます。分からない用語が出てきても、目的が明確なら、必要な部分だけ調べて先に進めます。

写真や画像は来訪者の悩みに寄せて選ぶ

ホームページに載せる写真も、設計図から選びます。多くの人は、きれいな風景や、雰囲気の良い素材を選びがちです。ところが来訪者が見たいのは、雰囲気ではありません。自分の悩みが解ける様子や、実際に手を動かしている現場の姿です。設計図の1人が知りたい場面を写した写真が、抽象的な素材より、はるかに強く伝わります。

たとえば、悩みを解決した後の状態を写した1枚は、言葉より速く伝わります。作業している人の表情、使っている道具、実際の成果物。こうした具体的な写真は、来訪者に「ここなら自分の悩みも解けそうだ」と感じさせます。写真も、雰囲気より具体を選びます。飾りとしての画像を並べるより、悩みに寄せた1枚を選ぶほうが、ページ全体の説得力が上がります。

手元に良い写真が無いなら、無理に飾りの素材で埋める必要はありません。文字だけでも、来訪者の悩みに正面から答えていれば伝わります。写真の役割は、あくまで言葉を補うことです。言葉の芯が弱いページに、いくら良い写真を足しても、伝わる力は上がりません。まず言葉、それを補う写真、という順番で考えます。

作り方の選択肢を、決めた1枚から選ぶ

作り方には、大きく3つの方向があります。ホームページ作成サービスを使う方向、CMSを使う方向、そしてHTMLとCSSを自分で書く方向です。どれが正解かは人によって違います。正解を決めるのは、設計図と、自分がかけられる手間と、あとでどこまで作り込みたいかです。ここでも、道具から入らず、設計図から選びます。

ホームページ作成サービスは、画面上で部品を並べるだけでページができる方向です。専門知識がほとんど要らず、公開までが速いのが持ち味です。そのかわり、細かい作り込みには限界があります。CMSを使う方向は、WordPressに代表される方式で、自由度と手間のバランスが取れています。記事を増やしていくサイトや、あとで機能を足したいサイトに向いています。HTMLとCSSを自分で書く方向は、自由度が最も高いかわりに、学習の時間が必要です。

迷ったときの基準は1つです。設計図で決めた「どう解くと言うか」を、一番きれいに表現できる方向を選びます。載せたい言葉が少なく、早く出したいなら作成サービス。記事を積み上げて悩みごとにページを増やすなら、CMS。この判断は、道具の高機能さで下しません。あなたの設計図に合うかどうかで下します。高機能な道具を選んでも、設計図が空なら意味がありません。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
専門知識がほぼ無い コードを書く時間も気力もない 作成サービスで部品を並べて公開する
記事を増やしていきたい 悩みごとにページを足す予定がある CMSを選び運用しやすい土台にする
細部まで作り込みたい 自由度を最優先したい HTMLとCSSを学び自分で組む
まだ決められない 道具の比較だけで止まっている 設計図に一番合う方向から逆算する

高機能な道具ほど良いという誤解

作り方を選ぶとき、多機能なものほど良いと考えがちです。ところが、使わない機能は、作る側にとっても来る側にとっても負担になります。作る側は設定に時間を取られ、来る側は複雑な画面に迷います。設計図で決めた言葉を載せるのに必要な機能だけがあれば、道具としては十分です。足りなくなってから足すほうが、最初から盛るより速く進みます。

道具選びで時間を溶かしてしまう人は、たいてい設計図が空です。載せる言葉が決まっていないから、どの機能が必要か判断できず、あらゆる機能を比較してしまいます。設計図が埋まっていれば、必要な機能は自動的に絞られます。「この言葉を載せられれば十分」という基準ができるからです。道具選びの迷いは、設計図の空白が姿を変えたものです。

作り方を途中で乗り換えるときの注意

最初に選んだ作り方が、途中で合わなくなることはあります。作成サービスで始めたものの、記事を増やしたくなってCMSに移りたい、という場面です。乗り換えること自体は問題ありません。注意すべきは、住所である独自ドメインを保つことと、これまで積み上げたページの評価を引き継ぐことです。ここを雑にすると、乗り換えた瞬間にアクセスが落ちます。

独自ドメインを最初から持っていれば、道具を変えても住所はそのままです。来訪者も検索エンジンも、同じ住所であなたを見つけ続けられます。逆に、借り物の住所で始めていると、乗り換えのたびに住所が変わり、そのたびに評価が途切れます。乗り換えの自由は、最初に独自ドメインを取っておくかどうかで決まります。先々の乗り換えまで見越して、住所だけは自分のものにしておきます。

トップ以外に用意しておく最低限のページ

トップページに力を注ぐと同時に、来訪者が信頼を確かめるための最低限のページも用意します。会社概要は、誰が運営しているのかを示す土台です。問い合わせ先が明記されているだけで、来訪者の安心感は変わります。運営者が見えないサイトは、どれだけ良いことが書いてあっても、最後の一歩で来訪者をためらわせます。

ほかに、来訪者がよく抱く疑問をまとめたページや、実際に解決した事例を並べたページがあると、トップページを補強できます。信頼は、トップの言葉だけでなく、周辺のページの誠実さからも積み上がります。すべてを一度に作る必要はありません。まず会社概要と問い合わせの導線を整え、そのうえで、来訪者が知りたそうな順にページを足していきます。

トップページに書く順番、謙虚なサイトの構成

設計図が埋まったら、それをトップページに落とし込みます。ここで効くのが、書く順番です。謙虚なサイトは、来訪者の悩みを先頭に置き、自社の話を後ろに下げます。開いて最初に目に入るのは、「あなたのこの悩みは、こう解決できます」という1文です。会社の紹介や実績は、その悩みに答えたあとに置きます。

順番を具体的にすると、まず来訪者の悩みと解決の1文。次に、その解決がどう進むのかの流れ。それから、実際に解決した人の声。そのあとで、自社が案内役として信頼できる理由。最後に、次の一歩としての問い合わせへの案内です。この順番は、来訪者が疑問を持つ順番に沿っています。疑問が解けた順に読み進められるので、途中で離脱しにくくなります。

やりがちな失敗は、この順番を逆にすることです。会社の理念やあいさつを先頭に置くと、来訪者は自分に関係のある話が始まるまで待たされます。多くの人は待ちません。先頭の数秒で「自分に関係ない」と判断すると、そのまま閉じます。だからこそ、最も伝えたい1文を先頭に置きます。謙虚さとは、来訪者の時間を大切にすることでもあります。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
あいさつが先頭にある 関係のある話まで来訪者を待たせている 悩みと解決の1文を先頭に移す
実績を並べている 会社の話が悩みより前に出ている 実績は解決策を示したあとに置く
問い合わせ導線が弱い 次の一歩が見えず離脱している 各節の末尾に次の案内を1つ置く
お客様の声が無い 解決できる根拠が示せていない 解決した人の言葉を本文に入れる

お客様の声は具体的な言葉で載せる

解決できる根拠として最も効くのは、実際に解決した人の言葉です。ただし「満足しました」「ありがとうございました」といった短い言葉では、根拠になりません。効くのは、どんな状況で、何に困っていて、どう変わったかまで語られた言葉です。設計図の1人と同じ悩みを持っていた人の声なら、来訪者は自分を重ねられます。

お客様の声を集めるときは、こちらから具体的に尋ねます。「どんな状況で問い合わせたか」「何が決め手になったか」「使ってみて何が変わったか」。この3点を本人の言葉で語ってもらうと、そのまま載せられる声になります。作り手が要約すると、生々しさが消えて根拠が弱まります。できるだけ本人の言葉を、鉤括弧のまま載せます。

問い合わせボタンの位置と言葉

問い合わせが来ない原因の1つに、ボタンの弱さがあります。ページの一番下に、小さく「お問い合わせ」とだけ書かれたボタンでは、押す理由が伝わりません。来訪者は、悩みが解けると分かった直後に行動したくなります。その気持ちが動いた場所に、押しやすいボタンが無いと、機会を逃します。各節の区切りに、次の一歩への案内を1つずつ置きます。

ボタンの言葉も効きます。「送信」や「お問い合わせ」だけでは、押した先に何が待っているか分かりません。「まずは無料で相談する」のように、押した先の状態が分かる言葉にすると、来訪者は安心して押せます。押す理由と、押した先の状態を、ボタンのそばに書きます。ボタンは、来訪者の背中を押す最後の一言です。ここを軽く扱うと、せっかく読み進めた人を取りこぼします。

問い合わせフォームは項目を減らす

せっかく問い合わせボタンを押しても、フォームの入力項目が多いと、途中でやめる人が出ます。名前も、住所も、電話番号も、細かい要望も、と欲張るほど、来訪者の手間は増えます。最初の問い合わせで本当に必要な項目だけに絞ります。まずは連絡が取れる情報と、用件が分かる一言で足ります。詳しい話は、やり取りが始まってから聞けます。

項目を減らすのは、来訪者への配慮であり、取りこぼしを防ぐ工夫でもあります。入力の手間が軽いほど、最後の一歩を越える人が増えます。問い合わせは、来訪者にとって勇気のいる行動です。その勇気を、長いフォームで削がないようにします。集めたい情報は多くても、最初の1回はできるだけ軽くする。この引き算が、問い合わせ数に効いてきます。

問い合わせが来ないサイトの共通点

すでにサイトを作ったのに問い合わせが来ない場合、原因の多くは設計図の空白にたどれます。アクセスはあるのに反応が無いなら、来た人が「自分のためのページだ」と気づけていません。これは1項目めか2項目めの空白です。反応はあるのに問い合わせに進まないなら、解決を言い切れていないか、次の一歩が見えていません。これは3項目めか導線の問題です。

症状から原因をたどると、直す場所が1つに決まります。やみくもにデザインを変えるのは、原因の分からないまま薬を飲むようなものです。まず、どの症状が出ているかを見ます。そのうえで、対応する設計図の項目に戻ります。設計図の項目は3つしかないので、原因の切り分けは難しくありません。切り分けさえできれば、直すのは1か所です。

問い合わせが来ない状態を放置すると、サイトは「あるだけ」の存在になります。名刺代わりにはなっても、集客の役には立ちません。ホームページは、作った瞬間が完成ではありません。来た人の悩みに答え、問い合わせにつなげて、初めて役割を果たします。作りっぱなしにせず、症状を見て設計図に戻る。この往復が、役に立つサイトを育てます。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
アクセスはあるが反応が無い 来た人が自分のためと気づけていない 誰の何のためかを先頭で言い切る
読まれるが問い合わせが無い 次の一歩が示せていない 問い合わせへの案内を分かりやすく置く
そもそもアクセスが少ない 検索で見つけてもらえていない 検索語に沿った見出しに直す
直す場所が分からない やみくもにデザインを変えている 症状から設計図の該当項目に戻る

症状から原因を切り分ける手順

問い合わせが来ないとき、やみくもに直すと時間を溶かします。まず症状を1つに特定します。アクセスが少ないのか、アクセスはあるのに読まれていないのか、読まれているのに問い合わせに進まないのか。この3つのどれかを見極めるだけで、戻るべき設計図の項目が決まります。症状の切り分けが、直す場所を1か所に絞り込みます。

アクセスが少ないなら、検索語と見出しがずれています。設計図の2項目めに戻ります。アクセスはあるのに読まれないなら、先頭の1文が悩みに触れていません。1項目めと3項目めに戻ります。読まれているのに進まないなら、解決の言い切りか次の一歩が弱いのです。3項目めと導線に戻ります。症状ごとに戻る場所が決まっているので、迷う必要はありません。この対応表を頭に入れておけば、反応が鈍いときも、慌てずに1か所を直せます。

サイトの目的を1つに絞る

ホームページには、いろいろな役割を持たせたくなります。問い合わせも、資料請求も、採用も、商品の販売も。ところが目的を増やすほど、来訪者はどこへ進めばいいか迷います。迷った来訪者は、どこにも進まずに離れます。まず、そのサイトで一番達成したい目的を1つに決めます。ほかの目的は、その1つを邪魔しない範囲で、控えめに置きます。

目的が1つに定まると、トップページの導線も、測るべき数字も、自然に決まります。目的が問い合わせなら、すべての道が問い合わせに向かうように整えます。目的が2つ以上あると、導線が分かれ、どちらも弱くなります。欲張らず1つに絞ったサイトのほうが、結果として多くの成果を生みます。目的を絞ることは、来訪者に迷いを与えないための配慮でもあります。

公開してからが本番、作ったあとに測る1つの数字

ホームページは公開して終わりではありません。むしろ公開してからが本番です。ただし、あれもこれも測ろうとすると、数字に埋もれて動けなくなります。最初に見るべき数字は1つでよいのです。問い合わせの件数です。訪問者数でも滞在時間でもありません。実際に問い合わせが何件来たか、です。これが、サイトが役割を果たしているかの答えになります。

問い合わせ件数を測るには、フォームからの送信を数えられるようにしておきます。アクセス解析の道具を入れれば、どのページを見た人が問い合わせに進んだかまで分かります。まずは件数を数えるところから始めます。数字が見えると、直した効果が分かります。設計図を直し、トップの1文を書き換え、その後に件数がどう動いたか。この因果が見えると、次に何を直せばいいかが決まります。

数字を見るときの注意点があります。1日だけの数字で判断しないことです。曜日によって訪問者の数も質も変わるため、少なくとも1週間、できれば1か月を通して見ます。短い期間の上下に一喜一憂すると、まだ効果が出ていない施策を早々にやめてしまいます。ホームページは、育てる時間の長さで差がつきます。焦らず、1つの数字を追い続けます。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
数字を見ていない 作りっぱなしで反応が分からない 問い合わせ件数を数える仕組みを入れる
指標が多すぎる どの数字を見ればいいか迷っている まず問い合わせ件数の1つに絞る
1日で判断している 短期の上下に振り回されている 1週間から1か月の幅で見る
解析を入れていない どのページが効いたか分からない アクセス解析を導入し経路を見る

数字を見て直す小さな習慣

公開したあと、数字を見る習慣があるかどうかで、サイトの育ち方が変わります。難しい分析は要りません。問い合わせが今週何件だったかを、毎週同じ曜日に記録するだけで足ります。数字が並ぶと、先週直した箇所が効いたかどうかが見えてきます。効いたなら、同じ方針でほかのページも直します。効かないなら、戻る場所を変えます。

数字を見るときの落とし穴は、1日だけで判断することです。曜日によって来訪者の数も質も変わるため、1日の上下は当てになりません。少なくとも1週間、できれば1か月の幅で見ます。短い期間の増減に振り回されると、まだ効果が出ていない施策を早々にやめてしまいます。育てる時間の長さが、そのまま差になります。焦らず、1つの数字を淡々と追い続けます。伸びない週があっても、方針が正しければ、数字はいずれ後から付いてきます。

文章の書き方、来訪者の言葉で書く

ホームページの文章は、作文の上手さで決まりません。決めるのは、来訪者の言葉で書けているかです。設計図の2項目めで拾った生の言葉を、そのまま見出しや本文に使います。専門用語や社内でしか通じない言い回しは、来訪者にとっては壁です。壁があると、自分の悩みと結びつける前に離脱します。

読みやすさも大切です。1つの段落を長くしすぎず、話が変わるところで改行します。難しい言葉には、その場で簡単な言い換えを添えます。来訪者は、じっくり読むというより、拾い読みで自分に関係あるかを判断します。だから見出しだけを追っても話が分かるように、見出しに悩みや解決の言葉を入れます。見出しを拾っただけで筋が通るサイトは、拾い読みされても伝わります。

誇張は逆効果です。「業界No.1」「絶対に解決」といった強い言葉は、根拠が無いと来訪者に見透かされます。謙虚なサイトは、できることをできると言い、できないことは正直に書きます。正直さは信頼につながり、信頼が問い合わせにつながります。大きく見せようとするほど、来訪者は身構えます。等身大の言葉が、結果として一番強く伝わります。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
専門用語で書いている 来訪者に伝わらない言葉が多い お客様が使う言葉に置き換える
段落が長い 読みにくく拾い読みできない 話が変わる所で改行し見出しを付ける
誇張が多い 強い言葉が根拠なく並んでいる できることを等身大で正直に書く
見出しが抽象的 見出しだけでは内容が分からない 見出しに悩みや解決の言葉を入れる

見出しだけで筋が通るか読み返す

来訪者は、本文を最初から丁寧に読むとは限りません。多くの人は、見出しを拾いながら、自分に関係ありそうな場所だけを読みます。だから、見出しだけを上から順に読んで、話の筋が通るかを確かめます。見出しに悩みや解決の言葉が入っていれば、拾い読みでも内容が伝わります。抽象的な見出しばかりだと、拾い読みした人には何も残りません。

この読み返しは、公開前の最後の点検として効きます。見出しだけを抜き出して並べ、それだけで「誰の、どんな悩みが、どう解けるか」が分かるか。分からなければ、見出しに具体的な言葉を足します。見出しは、拾い読みされる前提で書きます。本文をすべて読んでもらえる保証はありません。見出しだけでも筋が通る作りにしておけば、どんな読み方をされても、伝えたいことが残ります。

公開前に他の人の目を1つ借りる

自分で作ったページは、自分では欠陥が見えにくくなります。何度も見ているうちに、分かりにくい言い回しも、押しにくいボタンも、見慣れて気にならなくなるからです。公開前に、そのサイトを初めて見る人に開いてもらいます。社内の別の部署の人でも、家族でも構いません。初めての目には、作り手が見落とした引っかかりがはっきり見えます。

見てもらうときは、感想を聞くより、行動を見ます。「どこを見て、何を思ったか」「問い合わせるとしたら、どこを押すか」を、口に出しながら操作してもらいます。迷った場所、手が止まった場所が、直すべき場所です。作り手の説明なしで伝わるかどうかが、公開してよいかの基準です。実際の来訪者は、あなたの説明を聞けません。説明なしで伝わる状態になって、初めて公開できます。

難しい言葉には、その場で言い換えを添える

どうしても専門用語を使う場面はあります。そのときは、用語のすぐ横に、簡単な言い換えを添えます。来訪者は、分からない言葉に出会うたびに、読むのをやめるか判断します。その場で意味が分かれば、判断は先送りされ、読み進めてもらえます。用語を消す必要はありません。分からないまま置き去りにしないことが大切です。

言い換えは、社内では当たり前でも、来訪者には初めての言葉かもしれない、という前提で選びます。作り手にとっての当たり前が、来訪者にとっての壁になっていることは珍しくありません。迷ったら、その分野を知らない人にも通じる言葉を選びます。やさしく書くことは、内容を薄めることではありません。同じ中身を、より多くの人に届く言葉で伝える工夫です。

スマホで見たときに崩れていないか

いまや、多くの来訪者はスマートフォンでサイトを見ます。ところが作り手はパソコンの画面で作業するため、スマホでの見え方を確認し忘れがちです。パソコンでは整って見えるページが、スマホでは文字が詰まって読めなかったり、ボタンが押しにくかったりします。公開前に、必ず自分のスマホで開いて確かめます。

確認する点は決まっています。先頭の1文が、スクロールせずに読めるか。文字が小さすぎないか。問い合わせボタンが、指で押しやすい大きさと位置にあるか。写真が画面からはみ出していないか。この4点を自分のスマホで見るだけで、多くの崩れは見つかります。来訪者の大半が使う画面で確認せずに公開するのは、相手の立場を想像していないのと同じです。

作成サービスやCMSの多くは、スマホ表示に自動で対応します。それでも、自動対応に任せきりにせず、実機で見ます。自動で並び替わった結果、大事な1文が下のほうに追いやられていることがあります。パソコンで決めた順番が、スマホでも保たれているか。ここまで見て、初めて公開できます。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
パソコンだけで作っている スマホでの見え方を確認していない 公開前に自分のスマホで開いて見る
文字が詰まっている スマホで読みにくくなっている 改行と余白を調整して読みやすくする
ボタンが押しにくい 指で押すには小さいか位置が悪い 問い合わせボタンを大きく上のほうに置く
自動対応に任せきり 大事な1文が下に追いやられている スマホでも先頭の1文が最初に来るか確認

更新を止めないことが積み上げになる

公開して手を止めると、サイトはそこで成長を止めます。検索から来る人を増やすには、悩みごとにページを足し続けるのが一番の近道です。1つの悩みに正面から答えるページが増えるほど、それぞれの言葉で探している人と出会える入り口が増えます。1本の完璧なページを磨き続けるより、悩みごとの入り口を少しずつ増やすほうが、来訪者の総数は伸びていきます。

更新というと身構えるかもしれませんが、大がかりな作業は要りません。お客様からよく聞かれる質問を、1つずつページにしていくだけで足ります。質問はすべて、誰かの悩みです。悩みの数だけ入り口が作れます。更新の材料は、日々のお客様との会話の中にあります。新しいネタを探しに行く手間は要りません。すでに聞かれていることを書き起こす。この習慣が、時間とともに大きな差になります。

止めないことのもう1つの効き目は、検索エンジンからの信頼です。手が入り続けているサイトは、放置されたサイトより、来訪者にとって役立つと判断されやすくなります。更新の頻度そのものより、来た人の悩みに答え続けているかどうかが問われます。答え続けている限り、サイトは少しずつ強くなります。

同業のサイトは設計図を磨く材料になる

同じ分野のサイトを開いて、来訪者の立場で眺めてみます。ここで見るのは、デザインの上手さではありません。そのサイトが、来訪者のどんな悩みに、どんな言葉で答えているかです。自分の設計図と見比べると、自社が拾えていない悩みや、うまく言い切れていない部分が見えてきます。他社を真似るためでは困ります。自社の設計図の穴を見つけるために眺めます。

眺めるときの視点は1つです。「自分がこの悩みを持った来訪者なら、どのサイトに問い合わせたくなるか」。その理由を言葉にすると、来訪者が何に反応するのかが分かります。観察の目的は、真似ることでなく、自分の設計図を磨くことです。見えた気づきは、そのまま自社の設計図に反映します。他社の良し悪しを評価するのは目的ではありません。あくまで、自社の穴を埋める手がかりとして使います。良いと感じた点があれば、その理由を言葉にして、自分の設計図の言葉に置き換えて取り入れます。

検索から見つけてもらう最低限

どんなに良いサイトを作っても、見つけてもらえなければ来訪者は来ません。検索から見つけてもらうための最低限は、難しくありません。設計図で決めた来訪者の言葉を、ページの見出しと本文に自然に入れることです。来訪者が検索する言葉と、ページに書かれた言葉が一致すると、検索エンジンはそのページを候補に選びやすくなります。

1つのページで狙う検索語は、1つに絞ります。1ページであれもこれも狙うと、どれも中途半端になり、結果としてどの言葉でも見つかりにくくなります。悩みごとにページを分け、それぞれのページが1つの悩みに正面から答える。この作り方が、検索から来る人を増やします。記事を増やせるCMSがこの用途に向いているのは、このためです。

近年は、検索結果に生成AIによる回答が並ぶ場面も増えました。AIに引用されるための特別な小細工は要りません。Googleは検索セントラルの案内で、AI向けの特別なファイルやマークアップは不要だと述べています。やるべきことは、来訪者の悩みに正面から答え、根拠となる事実や具体例を丁寧に書くこと。人に伝わる書き方が、そのままAIに拾われる書き方でもあります。小手先の対策より、中身の誠実さが効きます。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
検索語を意識していない 来訪者の言葉が本文に入っていない 設計図の言葉を見出しと本文に入れる
1ページで欲張っている 複数の悩みを1ページに詰めている 悩みごとにページを分ける
AI対策に振り回されている 特別な小細工を探している 悩みに正面から答え事実を丁寧に書く
更新が止まっている 公開後に手を入れていない 反応を見て見出しと本文を直し続ける

設計図の3項目をもう一度おさらいする

ここまで読み進めた人のために、設計図の3項目をもう一度並べます。1つめは「誰の」。売上の大半を占める1人を選び、その人の状況を書き出します。2つめは「どんな悩みを」。その1人が生活の言葉で検索する悩みを、翻訳せずそのまま拾います。3つめは「どう解くと言うか」。その悩みの解決を、来訪者が手に入れる状態まで含めて1文で言い切ります。

この3つが埋まっていれば、道具は何を選んでもかたちになります。埋まっていなければ、どんな道具を使っても穴が残ります。迷ったら、いつでもこの3項目に戻ってください。作り方の細部で手が止まったときも、公開後に反応が鈍いときも、答えはこの3つのどこかの空白にあります。設計図は、作る前だけのものではありません。作ったあとも、ずっと戻ってくる場所です。

よくある質問

ホームページは自分で作るべきか、外注すべきか

どちらが正しいという答えはありません。判断の分かれ目は、設計図を自分で埋められるかどうかです。外注しても、「誰の」「どんな悩みを」「どう解くと言うか」を発注者が言葉にできなければ、制作側は作りようがありません。逆に設計図さえ固まっていれば、自分で作っても外注しても、ぶれないサイトになります。まず設計図を自分で埋め、それから作り方を選ぶ順番をおすすめします。

どのくらいの期間で作れるか

作成の作業自体は、作成サービスを使えば数日で公開できます。ただし、公開までの速さと、問い合わせが来るかどうかは別の話です。設計図が空のまま急いで公開しても、反応の無いサイトが早くできるだけです。設計図に時間をかけ、そのうえで作成に入ると、結果として役に立つサイトへの近道になります。急ぐべきは公開の速さより、設計図を固めることです。

作ったのに問い合わせが来ないのはなぜか

多くの場合、設計図の3項目のどれかが空白のまま作られています。アクセスはあるのに反応が無いなら、来た人が自分のためのページだと気づけていません。読まれているのに問い合わせに進まないなら、解決の言い切りか次の一歩が弱いのです。症状を見て、対応する項目に戻れば、直す場所は1つに絞れます。デザインをやみくもに変える前に、症状の切り分けから始めます。

専門知識がなくても作れるか

作れます。ホームページ作成サービスを使えば、画面上で部品を並べるだけでページができます。専門知識よりも大切なのは、設計図を埋める力です。何を載せるかさえ決まっていれば、道具の操作は説明を見ながらでも進みます。つまずくのは操作の難しさより、載せる言葉が決まっていないときです。知識の心配より、設計図の準備に時間を使ってください。操作は誰でも後から覚えられますが、何を載せるかは、あなたにしか決められない部分だからです。

公開したあとは何をすればいいか

問い合わせの件数を測り、その数字を見ながらページを直し続けます。1日だけの数字で判断せず、1週間から1か月の幅で見ます。設計図を直し、トップの1文を書き換え、その後に件数がどう動いたかを見る。この往復が、サイトを育てます。作りっぱなしにせず、症状を見て設計図に戻る習慣をつけると、時間とともに問い合わせは増えていきます。

まとめ

ホームページの作り方でつまずくのは、ツール選びでも手順の順番でもありません。作り始める前に決めるべき1枚を飛ばすからです。この1枚は、「誰の」「どんな悩みを」「どう解くと言うか」という3つの問いへの答えです。3つが埋まって初めて、ツールを開きます。埋まらないまま道具から入ると、あとで必ず作り直しになります。

設計図の芯にあるのは、「売れるサイトはみな謙虚」という考え方です。主役を来訪者に譲り、悩みを先頭に置き、自社を案内役として後ろに立たせる。この順番の入れ替えが、問い合わせ数を大きく左右します。作ったあとは、問い合わせ件数という1つの数字を追い、症状を見て設計図に戻る往復を続けます。この往復が、あるだけのサイトを、役に立つサイトへ変えていきます。作って終わりにせず、設計図に戻り続ける人のサイトだけが、時間とともに問い合わせを増やしていきます。

最後に、いますぐ手を動かせる点検表を置きます。今日この場で、上から順に自問してみてください。空白が見つかった項目が、あなたが最初に戻るべき場所です。

読者の分類 いま起きていること 次にすること
設計図の1項目め 誰のためのページか1人に絞れているか 売上の大半を占める1人を書き出す
設計図の2項目め 来訪者の悩みを生の言葉で書けているか お客様の言葉と検索語をそのまま拾う
設計図の3項目め 解決を1文で言い切れているか 困っている人が手に入れる状態まで書く
トップの順番 悩みと解決の1文が先頭にあるか あいさつや実績を後ろに下げる
スマホ表示 先頭の1文がスマホで最初に読めるか 自分のスマホで開いて並びを確かめる
公開後の数字 問い合わせ件数を測っているか 件数を数える仕組みを今日入れる

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この記事を書いた人

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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