会社のブログやお役立ち記事を、AIが答えてくれる時代になっても続ける意味があるのか。そう迷っている中小企業の経営者や担当者に向けて書きます。
先に答えを書きます。
続ける意味はあります。ただし、続け方は変えたほうがよい部分があります。
先に答え:続ける意味は、AIに書けない事実を出せるかで決まる
オウンドメディアを続けるかどうかは、記事の本数や更新頻度では決まりません。
月にどれだけ「自社にしか無い事実」を記事に出せるかで決まります。
自社にしか無い事実とは、現場の数字、お客さんとのやり取りの事例、仕事を受けるか断るかの判断の基準といった、社内にしか無い情報です。
理由は、AIが書ける記事は、AIがすでに答えているから
世の中に出回っている一般論は、AIがすでに答えます。
お客さんが「オウンドメディアとは何か」とAIに聞けば、AIは数秒で説明を返します。その説明と同じ内容の記事を、自社のブログに1本足しても、読む理由が生まれません。
一方で、「この会社が先月、実際にどう判断したか」は、AIには書けません。社内の人しか知らないからです。
Googleの公式文書も、この方向と矛盾しない
Googleの検索セントラルには、AIによる概要やAIモードに載るための特別な最適化は要らない、と書かれています。
一方で、生成AIで価値のない大量のページを作ることは、スパムのポリシーに触れる可能性があるとも書かれています。くわしくは後ろの章で原文を引きます。
続ける意味が薄くなる記事と、残る記事
意味が薄くなるのは、辞書や教科書に書いてあることを言い換えた記事です。
「〇〇とは」「〇〇のメリット」「〇〇の始め方」といった題で、一般的な説明だけを並べた記事がこれにあたります。AIに聞けば同じ内容が返ってくるので、読み手が自社の記事を開く理由がありません。
残るのは、その会社でなければ書けない記事です。先月の相談で何件がどう終わったか、見積もりでどこを確認しているか、断った依頼にどんな共通点があったか。こうした内容は、AIが代わりに書くことができません。
続けたほうがよい会社の特徴
続けたほうがよいのは、お客さんとのやり取りが毎月あり、そこから学んだことを社内で共有できている会社です。
反対に、現場の情報を誰も記録しておらず、記事のために毎回ゼロから考えている会社は、続けるほど苦しくなります。この場合は、記事を書く前に、記録を残す仕組みを作るほうが先です。
この記事の後半で、その仕組みを棚卸し表の形で示します。
この記事の読み方
この記事は、次の順で進みます。
まず、Q&Aサイトで見かけた悩みを紹介します。次に、公式文書と官公庁の統計、弊社の実測を並べます。
そのあと、月ごとの棚卸し表を使って、続けるか、やめるか、変えるかを決めます。読み終えたときに、今月出せる事実が何件あるかを数えられる状態を目指します。
先に結論を表でまとめる
| 疑問 | 答え | 根拠の置き場所 |
|---|---|---|
| 続ける意味はあるか | ある。ただし一般論の記事は減らす | 後ろの章の公式文書と実測 |
| AIで記事を量産してよいか | 価値を足さない量産は避ける | Googleのスパムポリシー |
| AIの答えに引用されるか | 自社にしか無い事実があるほど可能性が上がる | 弊社の測定と公式文書 |
| 何を変えるか | 書く中身を、事実の出し方に寄せる | 月の棚卸し表 |
Q&Aサイトで見かけた、ブログを100記事書く目標の悩み
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿は2024年9月で、AIがここまで広がる前のものです。ただ、今の中小企業にもそのまま当てはまる内容でした。
質問者は、集客のために100記事を目指す担当者だった
質問者は、SNS運用の代行をしている会社で、ライターとディレクターを兼ねている方でした。
集客の一環として自社ブログを始めることになり、まず100記事という目標を立てたそうです。
自社のサイトの強さは低いところにあり、なんとかしてあげたいという気持ちが書かれていました。
悩みは、似た記事が増えることと、社名を出すかどうかだった
100記事になると、似たキーワードの記事が出てきます。「インスタ」と「SNS」、「インスタ」と「集客」のように、内容は少し違っても、大まかには同じになる。これに意味はあるのか、というのが1つ目の悩みでした。
もう1つは、上の人から「SNS運用代行といえばうちだ、とブログで宣伝したい」と言われたことです。
社名を出すと検索で上位に行けない気がする、という不安も書かれていました。
寄せられた回答は、量より有益さに集まった
回答の1つは、100記事書けば強くなるわけではない、競合より有益なサイトを作ることが近道だ、という内容でした。
別の回答は、読む人が何を考えているかを考えてキーワードを選べば、競合と重なりにくい、と述べていました。
どちらの回答も、記事の本数よりも、読む人にとっての中身に目を向けています。
社名を出す不安には、公式文書が答えを持っている
質問者は、社名を出すと検索で不利になるのではと心配していました。
Googleの検索セントラルが示している基本は、ユーザーにとって有用で信頼できるコンテンツを作ることです。今回開いた公式文書の範囲では、社名を出すことを避けるべきだという記述は見つかりませんでした。
むしろ、誰が書いた記事かが分かるほうが、読む側は安心して使えます。社名と事実がそろっている記事は、人にとってもAIにとっても、誰の情報かを判断しやすくなります。
この質問から読み取れること
この質問の悩みは、AIが広がった今、もっと重くなっています。
100記事を一般論で埋めようとすれば、AIに頼めば数時間で終わる作業になります。同じ作業を、競合も、ほかの会社もできます。
だからこそ、本数の目標を置くより先に、何を書けるかを数えておく必要があります。
AIが答える時代に、オウンドメディアの何が変わったのか
変わったのは、記事を探す人の動きと、記事を作る側の手間の両方です。
使う人が増え、AIの答えが入口になる場面が増えた
総務省が2026年7月に公表した令和8年版の情報通信白書によると、自社の何らかの業務で生成AIを利用していると答えた割合は、日本の企業調査で86.4%でした。
同じ白書は、この割合が2024年度の企業向け調査に比べて大きく上がり、調べた他の3か国との差も縮まった、と書いています。
この数字は、企業がAIを業務に使っている割合です。お客さんがAIの回答で会社を選んでいる割合ではありません。ただ、記事を作る側もAIを使い、読む側もAIに聞くのが普通になりつつあることは分かります。
記事を作る手間は下がり、同じような記事が増える
記事を1本書く手間は、AIで大きく下がりました。
下書きが数分で出るなら、同じテーマの記事が世の中に大量に並びます。読む人から見れば、どれを開いても同じ説明が書いてある状態です。
この状態では、一般論の記事で目立つことは難しくなります。
検索の入口が、検索窓とAIの2つに分かれた
お客さんが会社を探す入口は、これまでは検索窓が中心でした。今は、検索窓に加えて、AIに質問して答えをもらう入口が並んでいます。
どちらの入口でも、元になる情報は、ウェブ上にある記事やページです。自社の記事が、事実を書いた信頼できる情報として読まれる状態になっていれば、どちらの入口にも備えられます。
入口が増えたからといって、入口ごとに別の記事を用意する必要はありません。同じ記事が、人にもAIにも読まれます。
変わらないこと:お客さんは最後に、人や会社の顔を見て選ぶ
AIが答えを返しても、お客さんは最後に、誰に頼むかを選びます。
そのとき判断の材料になるのは、その会社が実際に何をして、どんな判断をしているかです。事例、現場の言葉、数字、失敗の話といった、AIが作れない中身がここに入ります。
オウンドメディアの役割は、この判断の材料を置いておく場所になります。
| 変わったこと | 変わらないこと | 記事への影響 |
|---|---|---|
| 一般論はAIが数秒で答える | お客さんは最後に会社を選ぶ | 選ぶ材料になる事実の価値が上がる |
| 記事の下書きはすぐ作れる | 事実の確認は人にしかできない | 確認の手間が書く手間より重くなる |
| 読む人の一部がAIに変わった | 信頼は中身で決まる | AIにも人にも読める書き方にする |
| 似た記事が大量に並ぶ | 自社の経験は自社にしか無い | 経験を先に集めてから書く |
Googleの公式文書は、AI時代のオウンドメディアに何を求めているか
ここからは、公式の文書に何と書かれているかを順に確かめます。
私が2026年10月13日に、Google検索セントラルの日本語ページを開いて確かめた内容です。
「AI機能とウェブサイト」:特別な最適化は要らない
検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」というページには、次のように書かれています。
「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」
AIによる概要やAIモードに載せるための裏技はない、と公式が言っているわけです。
載るための技術条件は、ふつうの検索と同じ
同じページには、技術面の条件も書かれています。
「ページがインデックスに登録されており、Google 検索でスニペットが表示され、検索の技術的要件を満たしている必要があります」
つまり、AIの回答にリンクとして出るには、まず普通の検索に載る状態であることが前提です。記事が検索に載らないままでは、AIの回答にも載りません。
基本の確認項目:文章で書く、内部リンクでつなぐ
同じページは、これまでのSEOの基本が引き続き大切だとして、確認項目を挙げています。
クロールを許可すること、内部リンクで見つけやすくすること、重要なコンテンツをテキスト形式で提示すること、ビジネスプロフィールの情報を最新にすること、などです。
オウンドメディアの記事なら、大事な内容を画像の中に閉じ込めず、文章で書く。関連する記事同士をリンクでつなぐ。この2つが、記事の側でできる基本です。
| 公式文書の確認項目 | オウンドメディアでの当てはめ | 自社で確かめる方法 |
|---|---|---|
| クロールを許可する | 記事のページを検索から隠していない | 検索用の管理画面で記事のURLを調べる |
| 内部リンクで見つけやすくする | 関連する記事同士をリンクでつなぐ | 記事の末尾に関連記事があるか見る |
| 重要な内容をテキストで出す | 数字や結論を画像にせず文章にする | 画像を消しても意味が通じるか見る |
| ビジネスプロフィールを最新にする | 営業時間や住所が記事と一致している | 地図の表示と記事を見比べる |
AIが回答を作るときは、関連する複数の検索をかける
「AI 機能とウェブサイト」には、AIによる概要とAIモードが「クエリ ファンアウト」という手法を使う場合がある、とも書かれています。
関連する複数のサブトピックやデータソースに対して検索を実行し、それをもとに回答を組み立てる手法です。
1つの質問から、関連する小さな問いがいくつも検索される可能性があるわけです。1本の記事の中で、関連する小さな疑問に事実つきで答えておくと、拾われる場面が増えると考えられます。ここは公式が保証している話ではありません。手法の説明から導いた私の見立てです。
AIによる概要は、いつも出るわけではない
同じページには、AIによる概要は、従来の検索結果に対して付加価値があるとシステムが判断した場合にのみ表示される、とも書かれています。
そのため、通常はトリガーされない、つまり出ない場面のほうが多いという説明です。
自社の記事が、AIの概要に載るかどうかを毎日気にしても、答えは出ません。AIの概要に載る場面があることは前提にしつつ、普通の検索で読まれる記事を作ることが土台になります。
新しいファイルや特別なマークは要らない
同じページには、AI向けの新しいファイルやマークも要らない、と書かれています。
「AI 向けの特別なファイルを置けば有利になる」といった提案を受けたときは、公式の説明に戻って確かめてください。
生成AIで作ったコンテンツに、Googleはどんな線を引いているか
記事の下書きにAIを使うこと自体は、禁止されていません。引かれている線は別のところにあります。
「生成AIで作ってよいか」への答え
「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」には、生成AIは調べものや、構造を整えるときに役立つと書かれています。
そのうえで、価値を足さずに大量のページを作ると、スパムのポリシーに触れる可能性がある、と続きます。
使ってよいかどうかよりも、使ったあとにユーザーにとっての価値が足されているかどうかが問われています。
スパムポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用」
スパムに関するポリシーには、「大量生成されたコンテンツの不正使用」という項目があります。
例として挙げられている行為の1つが、次のものです。
「生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること」
同じ項目の冒頭は、この不正行為を「その作成方法は問わず」大量に作ることだと説明しています。人が手で書いても、価値がなく独自性のない記事を大量に出せば、同じ扱いになるということです。
公開前に人が確かめる:ハルシネーションの注意
ガイダンスには、生成AIの出力に不正確な情報が含まれる可能性がある、と明記されています。
「AI 生成コンテンツを公開する前に、手動でファクト チェックを行い、正確性と信頼性を確認することが重要です」
この確認は、本文だけでなく、検索結果に出る題名や説明文などにも及ぶと書かれています。社内の人が公開前に読み、数字と固有名詞を確かめる手間は、AIを使っても残ります。
品質評価者のガイドラインにも、同じ考え方がある
ガイダンスは、検索品質評価者向けガイドラインの項目にも触れています。
大量生成されたコンテンツの不正使用に加えて、ほとんど手間をかけず、ほとんど独自性がなく、ほとんど価値を付加せずに作られたメインコンテンツも、評価の対象になっています。
同じ文書には、このガイドラインはランキングで上位になるためのものではない、評価の結果がランキングに直接影響するわけでもない、と書かれています。それでも、検索側が何を価値の低いものとして見ているかを知る材料になります。
手間も独自性も価値もない記事を避ける。この線は、AI時代でも変わっていません。
作り方を読者に伝える
ガイダンスは、コンテンツがどう作られたかを読者に伝えると、読む人が文脈をつかみやすくなる、とも述べています。
AIをどこまで使ったかを書く義務があるとは書かれていません。ただ、伝えることを検討するよう勧めています。
記事の末尾に「この記事は、社内の記録をもとにAIで下書きを作り、担当者が数字を確かめました」と一行添える方法があります。
| 公式文書が示す線 | 問題になりやすい例 | 問題になりにくい例 |
|---|---|---|
| 価値を足さない大量生成 | 同じ型で題だけ変えた記事を数百本出す | 社内の事例を元に1本ずつ書く |
| 事実の確認 | AIの数字をそのまま載せる | 担当者が一次資料で確かめる |
| 独自性 | 他のサイトの要約を並べる | 自社の数字と判断を載せる |
| 読者への説明 | 作り方を隠す | 作り方を一行で書く |
公式文書から言えることと、言えないこと
ここまでの文書から言えるのは、特別な最適化は要らず、価値を足さない大量生成は避けるべきだ、ということです。
言えないのは、「この書き方をすればAIの回答に必ず載る」という約束です。同じ文書にも、基準を満たしても、クロールや掲載が保証されるわけではないと書かれています。
記事を書く側ができるのは、載る条件を整えて、読む価値のある中身を出し続けることまでです。結果は、あとから測って確かめます。
公式文書を読む順番は、AI機能とウェブサイト、生成AIのガイダンス、スパムポリシーの順がおすすめです。全部で10分もかかりません。
量産が割に合わなくなる理由と、残る道
公式文書を読むと、量産を勧める記述はありません。それでも量産に走る会社が出るのは、手間が下がったからです。
記事の数を増やしても、読む人の理由は増えない
100記事、300記事と増やしても、1本ごとに「この記事でなければならない理由」がなければ、読まれません。
質問者の悩みにあった「似た記事が増える」という問題は、AIで作るとさらに起きやすくなります。キーワードを少し変えて同じ型で出せば、数は簡単に増えるからです。
数が増えるほど、似た記事の間で読む人が迷い、どれも決め手にならない状態になります。
記事を増やす前に、整理するほうが安い
記事を足す前に、すでにある記事を整理するほうが、手間は小さく済みます。
似た題の記事を1本にまとめる。古い数字を直す。会社の最新の情報に合わせる。これらは、新しく書くより早く終わります。
AIの回答は、古い情報や食い違う情報を拾うと、誤った答えを作りかねません。
残る道:数を絞って、事実を厚くする
量産が割に合わなくなったとき、残るのは、本数を絞って1本の事実を厚くする道です。
月に1本でも、現場の数字と事例が入った記事があれば、それは他の誰も書けない記事になります。
オウンドメディアの運用を1テーマに絞る考え方は、別の記事で書きました。この記事では、その1本の中身をどう作るかに話を進めます。
弊社が測った、AIの答えに自社の記事が出る現実
公式文書は、載るための裏技がないと言っています。では、実際にAIの答えに自社の記事は出るのか。弊社は自社で測っています。
条件を先に書きます。結果だけを切り出すと、誤解を招くからです。
社名なしの質問11問を各2回聞いて、22回中1回だった
弊社は2026年10月に、Claudeで各2回、社名を入れずに質問しました。質問は、弊社の事業に関わる11問です。
合計22回の回答のうち、弊社のページが引用元に入ったのは1回でした。社名が回答に出たのも、同じ1回です。
弊社はLLMOの記事を書いている会社ですが、社名なしで聞かれると、ほとんど出てきません。
答えの記事を足した直後の追加の測定も、18回中0回だった
その後、答えの記事が無かった質問に記事を公開し、同じ方法で質問ごとに2回ずつ測りました。
追加した9問、合計18回のうち、弊社のページが引用元に入った回数は0回でした。
記事を足したら、すぐ引用されるようになる。そうは進みませんでした。
測った条件と、この数字の読み方
この数字は、Claudeに聞いた結果に限ります。ChatGPTやGeminiで測れば、別の結果になる可能性があります。
回答は聞くたびに変わります。1回の結果で決めず、月に1回、同じ質問で比べるのが基本です。
測り方は、ChatGPTで自社名を調べる方法の記事にまとめています。
| 測定 | 質問の数 | 聞いた回数 | 弊社のページが引用元に入った回数 |
|---|---|---|---|
| 社名なしの質問 | 11問 | 各2回で22回 | 1回 |
| 記事を足した直後の追加の質問 | 9問 | 各2回で18回 | 0回 |
| 条件 | Claude、2026年10月、同じ日に測定 | 設定を読み込まない状態 | 毎回結果が変わる前提 |
自社で測るときの、質問の作り方
自社で測るときは、お客さんが実際に口にする言葉で質問を作ります。
社名を入れずに、「地域名と業種と、困りごと」を組み合わせた質問を5つほど用意します。「〇〇市で、見積もりが早い工務店は」のような聞き方です。
同じ質問を、月に1回、同じ手順で聞きます。質問を毎月変えると、前の月と比べられません。
この数字が、オウンドメディアの続け方に言うこと
引用された回数が少ないという事実は、記事を増やせば出るとは限らないことを示しています。
弊社の測定で引用が多かった上位5つのドメインは、22回の回答のうち7回から10回ずつ出ていました。弊社が出たのは1回だけで、引用先は一部のサイトに偏っていました。
AIの答えに出る席は限られています。席に座るには、他のどこにも無い中身が必要になります。
引用されなかった理由は、断定できない
記事を足しても引用されなかった理由は、今の測定だけでは断定できません。
公開から測るまでの日数が短く、検索に載る前だった可能性があります。記事の中身が、他のサイトの記事より事実で劣っていた可能性もあります。質問の言葉と、記事の題がずれていた可能性も残ります。
分かっているのは、記事を出したことだけでは、引用の席は取れなかったという事実です。だからこそ、出したあとに測り、中身を直す流れを持っておくことが大切になります。
AIに書けない記事とは何か:自社にしか無い事実の種類
AIに書けない記事とは、自社にしか無い事実が入った記事です。
AIで書いた記事は引用されるかを調べた記事でも、分かれ目は入れる事実だと書きました。ここでは、その事実を6種類に分けます。
現場の数字:件数、日数、割合
1つ目は、現場の数字です。
先月の問い合わせが何件で、そのうち何件が契約に進んだか。納品までに平均何日かかったか。キャンセルの割合はどれくらいか。こうした数字は、社内の記録にしかありません。
数字は大きな成果である必要がありません。「先月の相談12件のうち、日程が合わず流れたのは3件だった」のような小さな数字で十分です。AIが作る一般論には出てこない具体性が生まれます。
事例:お客さんの固有の事情
2つ目は、事例です。
業種、地域、困りごとの背景、やったこと、その後の変化を、お客さんの許可を得て書きます。
社名を出せない場合でも、「従業員8人の工務店で、見積もりの返事が遅れて失注が続いていた」のように、固有の事情を残して書けば、読む人は自分のことのように読めます。
判断の基準:受ける仕事と断る仕事
3つ目は、判断の基準です。
どんな依頼を受けて、どんな依頼を断るか。見積もりの前に何を確認するか。値引きの相談が来たとき、何を基準に決めるか。
この基準は、会社の考え方そのものです。AIは一般的な基準なら書けますが、「うちの会社はこう決めている」は書けません。
失敗と手戻り:うまくいかなかった話
4つ目は、失敗と手戻りです。
最初に決めた方法が合わず、途中で変えた話。納期に間に合わなかった理由。やり直しになった作業の原因。
成功の話より、失敗の話のほうが、読む人にとっては判断の材料になります。同じ失敗を避けられるからです。
お客さんの質問:生の言葉
5つ目は、お客さんが実際に口にした質問です。
電話やメールで、よく聞かれる質問を、聞かれた言葉のまま記録します。「どのくらいかかりますか」「他の会社と何が違いますか」といった言葉です。
AIに聞く人も、似た言葉で質問します。お客さんの生の言葉に、事実つきで答える記事は、人にもAIにも読まれやすい形になります。
現物と手順:写真、図面、作業の流れ
6つ目は、現物と手順です。
作業の写真、使っている帳票、図面、作業の流れ。こうした現物は、文章にして初めて記事に使えます。
写真や図面は、文章で説明を添えておく必要があります。公式文書も、重要な内容はテキスト形式で提示するよう求めています。
| 事実の種類 | 例 | 社内のどこにあるか | AIが代わりに書けるか |
|---|---|---|---|
| 現場の数字 | 先月の相談件数と成約の件数 | 予約表、見積もりの控え | 書けない |
| 事例 | 従業員8人の工務店の見積もり改善 | 案件のメモ、メールの履歴 | 書けない |
| 判断の基準 | 断る仕事の共通点 | 社長や担当者の頭の中 | 一般論しか書けない |
| 失敗と手戻り | 納期に遅れた理由 | 作業の振り返りメモ | 書けない |
| お客さんの質問 | 電話で聞かれる言葉 | 電話のメモ、問い合わせ履歴 | 想像で書くことはできる |
| 現物と手順 | 帳票、作業の流れ | 現場の書類、写真 | 見ていないものは書けない |
事実を1つ、文にするときの型
事実が集まったら、文章にします。型は、結論、数字、条件、判断の4つを順に並べるだけです。
たとえば「見積もりの返事は、2日以内に出す。先月は15件のうち13件が2日以内だった。残りの2件は現地の確認が要ったため。急ぎでない依頼は、確認を待ってから出す」のように書きます。
結論を最初に言い切り、数字と条件で裏づけ、最後に判断を添えると、人が読んでも、AIが拾っても、意味が通ります。
| 順番 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 結論を一文で | 見積もりの返事は2日以内に出す |
| 2 | 数字で裏づける | 先月は15件のうち13件が間に合った |
| 3 | 条件や例外を書く | 現地の確認が要る場合は延びる |
| 4 | 会社としての判断を添える | 急ぎでない場合は確認を待つ |
AIに手伝わせてよい作業
事実そのものはAIに書けませんが、事実を整える作業は手伝わせられます。
聞き取りのメモを文章に直す。長い文を短く切る。表の形に並べ替える。誤字を拾う。これらは、事実が人の手で入っていれば、AIの得意な作業です。
ガイダンスが求めているのは、公開前に人が数字と固有名詞を確かめることです。確かめる人が社内にいれば、下書きにAIを使うこと自体は問題になりません。
事実を出すときに気をつけること
事実を載せるときは、お客さんの情報を守る必要があります。
事例は、必ず本人の許可を得てから載せます。社名や地名が特定される書き方は避け、許可が得られない部分は、業種と規模のような一般的な言い方に変えます。
数字は、記録を見て確かめたものだけを載せます。覚えている数字や、おおよその数字を書くと、あとで食い違いが出て、AIの回答にも誤って伝わるおそれがあります。
6種類は、すべてを毎月そろえる必要はありません。3種類が出れば、1本の記事は十分に書けます。
6種類のうち、まず手を付けるのはどれか
6種類のうち、記録が残っていて、すぐ記事にできるのは、お客さんの質問と現場の数字です。
予約表や問い合わせの履歴を見れば、先月の件数も、よく聞かれる質問も、すぐ拾えます。
判断の基準や失敗の話は、書く人に聞き取りをする時間が要ります。最初の月は、質問と数字から始めるのが現実的です。
月にどれだけ出せるか:自社にしか無い事実の棚卸し表
ここからが、この記事の中心です。
続けるかやめるかの判断を、気分や本数に頼らず、数えられる形にします。毎月1回、30分で埋められる表を作ります。
棚卸し表の使い方
使い方は単純です。月末に、その月に社内で起きたことを、6種類の事実に分けて書き出します。
書き出した件数が、翌月に記事にできる材料の数です。材料が0件の月は、記事を書かないという判断が正しい月です。
無理に書くと、AIに頼んで一般論で埋めることになり、最初に挙げた問題に戻ってしまいます。
月の棚卸し表の書き方と記入例
次の表の「今月の件数」を、月末に埋めます。右の列は、記入例の考え方です。
| 事実の種類 | 数える対象 | 今月の件数 | 記入例 |
|---|---|---|---|
| 現場の数字 | 件数、日数、割合を出せる記録 | 件 | 相談件数と成約件数の2つ |
| 事例 | 許可が取れたお客さんの話 | 件 | 許可済みの事例が1件 |
| 判断の基準 | 今月の判断で迷った場面 | 件 | 値引きを断った理由が1件 |
| 失敗と手戻り | 予定どおり進まなかった作業 | 件 | 納期が遅れた原因が1件 |
| お客さんの質問 | 電話やメールで聞かれた質問 | 件 | 同じ質問が3回あった |
| 現物と手順 | 写真や帳票にできるもの | 件 | 見積書の様式が1つ |
表を埋める日を、カレンダーに入れておく
棚卸し表は、気づいたときに埋める方式だと、続きません。
毎月の最終営業日に、30分だけ、カレンダーに予定として入れておきます。参加するのは、現場の担当者と、記事の担当者の2人で足ります。
その場で、今月出せる事実を口で言い合うだけでも、材料は思い出せます。メモは記事の担当者がとります。
記入例:従業員8人の工務店の、ある月
従業員8人の工務店の担当者が、月末に表を埋めたとします。
現場の数字は、相談12件のうち、見積もりまで進んだのが9件、契約が4件。事例は、許可が取れた改修の話が1件。判断の基準は、工期が短すぎる依頼を断った理由が1件。失敗は、資材の納期遅れで着工が5日延びた話が1件。
お客さんの質問は、工事中の駐車はどうなるか、が3回。現物と手順は、見積書の様式が1つ。現場の数字をまとめて1件と数えると、6種類すべてが出て、材料は合計6件です。月に2本が書ける計算になります。
この例の数字は、説明のための仮のものです。あくまで記入のイメージをつかむための例として読んでください。実在の会社の数字ではありません。
合計の読み方:材料の数で、記事の本数を決める
表の件数を足した合計が、材料の数です。
目安として、1本の記事に、事実を3つ以上入れると、一般論との差が出ます。材料が6件あれば、月に2本が書けます。3件なら1本です。材料が3件に満たない月は、記事にしないほうが誠実です。
この目安は、統計から出した数字ではありません。弊社が記事を書いてきた経験にもとづく考え方です。自社で何回か回して、合う数に直してください。
| 今月の材料の合計 | 判断 | 次にすること |
|---|---|---|
| 0〜2件 | 記事にしない | 来月のために記録の取り方を直す |
| 3〜5件 | 1本書く | 最も強い事実を中心に据える |
| 6件以上 | 2本まで書く | 事実を2つの記事に振り分ける |
| 毎月0〜2件が続く | 運用の見直し | 続けるかどうかを判断する表へ進む |
棚卸し表を3か月続けると分かること
3か月続けると、自社の材料が毎月どれだけ出るかが分かります。
材料が毎月安定して出る会社は、オウンドメディアを続ける土台があります。材料が出ない会社は、記録が取れていないのか、そもそも発信できる経験が少ないのかを見分けられます。
どちらの場合でも、本数を決めるのは材料の数です。目標の本数から逆算して、無理に埋めることはしません。
業種ごとの、材料の見つけ方の例
材料の見つけ方は、業種によって違います。次の表は、よくある4つの業種の例です。
| 業種 | 現場の数字の例 | 判断の基準の例 | お客さんの質問の例 |
|---|---|---|---|
| 工務店や設備業 | 見積もりから着工までの日数 | 追加工事を受ける条件 | 工事の期間はどのくらいか |
| 士業や相談業 | 月の相談件数と、相談後の流れ | 受ける案件と紹介する案件の分け方 | 初回の相談で何を準備するか |
| 飲食や小売 | 予約の件数、よく出る品 | 仕入れを変える基準 | 予約は何日前までに要るか |
| 製造や卸 | 注文から納品までの日数 | 小口の注文を受ける条件 | 最小の注文数はいくつか |
どの業種でも、予約表、見積もりの控え、問い合わせの履歴といった、すでにある記録が材料の出どころになります。新しく調査をする必要はありません。
材料が出ない会社は、記録の取り方から直す
棚卸し表を埋めても、材料が毎月0件の会社があります。
その場合、経験は積まれているのに、記録が残っていないことがほとんどです。電話の内容をメモしていない、見積もりの控えが人によってばらばら、失敗の振り返りをしていない、といった状態です。
記録の取り方を直すには、大きな仕組みは要りません。電話のあとに一行メモを残す。月末に5分で振り返る。それだけで、翌月から材料が出始めます。
記事の外に事実を置いておく手もある
材料が少ない月は、記事にせず、会社概要やサービスのページに事実を書き足す方法もあります。
数字や判断の基準を、サービスのページに書いておくと、記事を書かなくても、AIが読み取る材料になります。
オウンドメディアは、会社の事実を置く場所です。記事の本数を競う場所にはしません。ページの種類は問いません。
材料の見つけ方に迷ったら、先月の問い合わせの履歴を1通ずつ開いてみてください。
そこには、お客さんが実際に使った言葉と、会社が答えた内容が残っています。それがそのまま、記事の材料です。
続けるなら何を変えるのか:5つの変更点
続けると決めた会社が、変えるところを5つにまとめます。
変更点1:本数の目標を、材料の数に置き換える
月に4本、週に1本、100記事といった目標を、材料の数に置き換えます。
目標を本数にしている間は、足りない分をAIの一般論で埋める力が働きます。材料の数を目標にすると、埋めるべき穴が見えるようになります。
変更点2:題を「〇〇とは」から「当社の場合」に寄せる
一般的な説明の記事は、AIがすでに答えています。
題に「当社の場合」「先月の実例」「うちが断る仕事」のような、自社の視点を入れると、中身も自然に自社の事実に寄ります。
ただし、検索する人が使う言葉は、題や見出しに入れておく必要があります。自社の視点は題の一部に加えるだけで十分です。
変更点3:記事ごとに、事実を3つ以上入れる
1本の記事に、結論、数字、条件、判断の型で書いた事実を3つ以上入れます。
事実が3つ未満なら、記事は書かずに材料をためます。この線を決めておくと、書く前に判断できます。
変更点4:古い記事を、年に1度、直す
記事を出して終わりにせず、年に1度、数字と固有名詞を見直します。
AIは古い情報を前提に答えることがあります。会社の情報や数字が変わっているのに、記事が古いままだと、誤った答えの元になります。
直した日付を、記事の末尾に書いておくと、読む人にも新しさが伝わります。
変更点5:出したあとに測る
記事を出したあと、月に1回、社名なしの質問をAIに聞いて、自社が出るかを確かめます。
出なくても、落ち込む必要はありません。弊社の測定でも、ほとんど出ていません。大切なのは、前の月と比べて、変化を見ることです。
測り方の考え方は、GEOの効果を測る方法の記事にまとめています。
| 変更点 | これまで | これから |
|---|---|---|
| 目標 | 月の本数 | 月の材料の数 |
| 題 | 〇〇とは | 当社の場合、先月の実例 |
| 中身 | 一般的な説明 | 事実を3つ以上 |
| 更新 | 出したら終わり | 年に1度の見直し |
| 確認 | アクセス数だけ見る | AIの答えにも出るかを聞く |
AIを使ってよい作業と、人がやる作業
オウンドメディアの運用は、AIを使う作業と、人がやる作業に分けると、手間が減ります。
AIに任せて手間が減る作業
AIに任せてよい作業は、事実を入れたあとの作業です。
聞き取りメモの文章化、長い文の分割、表への並べ替え、誤字の確認、見出しの案出し。これらは、元の事実が人の手で入っていれば、時間を大きく減らせます。
人がやる作業:事実を集める、確かめる、決める
人がやる作業は3つです。事実を集めること、数字と固有名詞を確かめること、公開するかどうかを決めること。
ガイダンスが求める「公開前の手動のファクトチェック」は、この確かめる作業にあたります。
AIが出した数字をそのまま載せて、あとで誤りが見つかる事故は、確かめる人が決まっていないときに起きます。
担当を決めておく
最後に、誰がどの作業をやるかを決めておきます。
材料を集める人、下書きをAIで作る人、数字を確かめる人、公開の判断をする人。小さな会社では、1人が複数を兼ねても構いません。ただし、確かめる人と、下書きを作る人は、できれば別にします。
自分の下書きは、誤りに気づきにくいからです。
| 作業 | 担当 | 使う道具 |
|---|---|---|
| 材料を集める | 現場の担当者 | 棚卸し表 |
| 下書きを作る | 記事の担当者 | AIと聞き取りのメモ |
| 数字と固有名詞を確かめる | 別の担当者 | 社内の記録 |
| 公開を決める | 責任者 | 公開前のチェック |
続けるか、やめるか、変えるかを決める
棚卸し表を3か月つけたら、結果を見て、続けるか、やめるか、変えるかを決めます。
迷ったときに、決める基準を先に書いておきます。
3か月の結果で見る3つの数字
見るのは、3つの数字です。
1つ目は、毎月の材料の合計です。2つ目は、その材料から実際に書けた記事の本数。3つ目は、AIの答えや検索で、自社の記事が見つかった回数です。
3つ目は、社名なしの質問をAIに聞いて、月に1回確かめます。0回が続いても、すぐやめる理由にはなりません。
判断の表:材料と本数の組み合わせで決める
次の表で、自社がどこにあたるかを見ます。
| 3か月の状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 材料が毎月3件以上あり、記事にできている | 続ける | 他に書けない中身を出せている |
| 材料はあるが、記事にする時間がない | 担当を決め直す | 材料が資産として眠っている |
| 材料が毎月0〜2件 | 記録の取り方を直して続ける | 経験があっても記録がない可能性が高い |
| 記録を直しても材料が出ない | 記事は休み、ページの更新に絞る | 発信できる事実が少ない時期もある |
| AIの量産記事に切り替えたい | 公式文書の線に戻って確かめる | 価値を足さない大量生成は避ける |
やめる判断も、きちんとした選択になる
やめるという判断も、正しい選択になる場合があります。
材料が出ない時期に、記事を無理に作り続けると、中身のない記事が増え、会社の印象を下げます。休むと決めて、会社概要やサービスのページを整えるほうが、成果につながります。
古くなった記事は、すぐに消さず、内容を直して残します。すでに検索に載っているページを消すと、そこから入ってくる人の道が途切れるためです。
「売れるサイトはみな謙虚」という考え方との関係
弊社が大切にしている「売れるサイトはみな謙虚」という考え方では、足すより先に、要らないものを引き算します。
オウンドメディアでも同じです。記事の本数を足す前に、事実のない記事を引き算する。残った記事に、自社にしか無い事実を厚く書く。この順番が、続ける意味を作ります。
最初の3か月の進め方
続けると決めた会社が、最初の3か月に何をするかを、月ごとに並べます。
1か月目:記録の取り方を決めて、棚卸し表をつける
最初の月は、記事を書かなくても構いません。
電話やメールの内容を残す場所を決め、月末に棚卸し表を埋めます。件数が少なくても、数えることに意味があります。
この月に、事例を載せる許可の取り方も決めておきます。お客さんに伝える一言を、あらかじめ用意しておくと、あとが楽です。
2か月目:材料の多いものから1本書く
2か月目は、棚卸し表で材料が最も多かった事実を中心に、1本書きます。
結論、数字、条件、判断の型で事実を並べ、下書きにAIを使う場合は、担当者が数字と固有名詞を確かめます。
公開したら、記事の末尾に、確かめた日付と作り方を一行添えます。
3か月目:社名なしの質問で測って、直す
3か月目は、社名を入れない質問を3つほどAIに聞いて、自社が出るかを確かめます。
出なくても、記事を直す手がかりになります。質問の言葉と記事の題がずれていないか。答えが記事の冒頭にあるか。事実が3つ以上入っているか。この3点を見直します。
その結果を、前の章の判断の表に当てはめて、続けるか、変えるかを決めます。
| 月 | やること | 出来上がるもの |
|---|---|---|
| 1か月目 | 記録の場所を決め、棚卸し表をつける | 1か月分の材料の件数 |
| 2か月目 | 材料の多い事実で1本書く | 事実入りの記事1本 |
| 3か月目 | 社名なしの質問で測り、記事を直す | 続けるか変えるかの判断 |
途中で材料が足りなくなったとき
続けるうちに、材料が足りなくなる月が必ず来ます。
そのときは、過去の記事に戻って、数字を最新にし、新しい事例を1つ足します。新しい記事を書くより、手間は小さく、記事の価値は上がります。
記事の更新日が新しくなり、情報の鮮度も保てます。足りない月は、休むか、直すかのどちらかで構いません。
材料をためる期間は、焦らなくて構いません。記事を急いで出すより、事実がそろうのを待つほうが、読む人にもAIにも役に立ちます。ためた材料は、翌月以降の記事でそのまま使えます。
続けるときによくある失敗
続ける会社がつまずきやすい失敗を挙げます。
失敗1:AIの下書きをそのまま公開する
AIの下書きを、数字も固有名詞も確かめずに公開する失敗です。
公式のガイダンスは、公開前に人が確かめることを求めています。確かめないまま出すと、誤った数字が自社の記事として残り、AIの回答にも伝わるおそれがあります。
失敗2:似た題の記事を重ねる
質問者が悩んでいた、似た題の記事が増える失敗です。
「〇〇とは」「〇〇の方法」「〇〇のコツ」を題だけ変えて出すと、読む人にもAIにも、どれが決め手か分かりません。似た記事は1本にまとめます。
失敗3:事例を載せる許可を取っていない
お客さんの事例を、許可なく載せる失敗です。
信頼を失うだけでなく、取引そのものに響きます。許可が取れなければ、業種と規模のような一般的な言い方に変えます。
失敗4:出したまま、測らない
記事を出したきりで、AIの答えにどう出ているかを見ない失敗です。
測らなければ、直すところも分かりません。月に1回、5分で終わる確認を習慣にします。
続けることに、社内の理解を得るには
社内で「記事を書く時間がもったいない」と言われたときは、棚卸し表の合計を見せます。
材料が毎月出ているなら、書く時間は価値のある使い方になります。材料が出ていないなら、記事を書く前に記録の取り方を直す、という別の仕事が先にあると伝えられます。
どちらの場合も、感覚でなく、数えた結果を見ながら話せます。
よくある質問
Q. AIが答えてくれるなら、オウンドメディアはもう不要ですか?
不要にはなっていません。一般論の記事は価値が下がりましたが、自社にしか無い事実を載せた記事の価値は残っています。
お客さんが最後に会社を選ぶときの材料になるからです。
Q. 記事の下書きにAIを使うと、検索で不利になりますか?
使うこと自体が問題になるとは、公式文書には書かれていません。
Googleのガイダンスが問題にしているのは、ユーザーにとっての価値を足さずに大量のページを作ることです。事実を入れて、公開前に人が確かめれば、下書きにAIを使うことは禁じられていません。
Q. 月に何本書けば足りますか?
本数で決めず、材料の数で決めます。
事実が3つ以上そろった月に、1本書く。そろわない月は書かない。これが基本です。
Q. AIの答えに自社が出るようにするには、何をすればよいですか?
Googleの公式文書によると、特別な最適化は要りません。検索に載る状態を保ち、文章で事実を書き、内部リンクでつなぎます。
そのうえで、他に無い事実を載せます。弊社の測定でも、出るかどうかは毎回変わるため、月に1回測って比べてください。
Q. 材料がなくて、記事にできる事実が出てきません。
記録の取り方を直すところから始めます。
電話のあとに一行メモを残す、月末に5分で振り返る、よく聞かれる質問を書き留める。これだけで、翌月から材料が出始めます。
まとめ
AIが答えてくれる時代でも、オウンドメディアを続ける意味はあります。
分かれ目は、月にどれだけ自社にしか無い事実を出せるかです。現場の数字、事例、判断の基準、失敗の話、お客さんの質問、現物と手順。この6種類を、月末の棚卸し表で数えます。
Googleの検索セントラルは、AIによる概要やAIモードのために特別な最適化は要らないと書き、価値を足さない大量生成には線を引いています。
総務省の令和8年版情報通信白書では、生成AIを業務で使う企業が86.4%に達しています。記事を作る側も読む側もAIを使う時代に、AIが書けない中身が決め手になります。
弊社の測定では、社名なしの質問22回のうち、弊社のページが引用元に入ったのは1回でした。記事を足したから出るとは限らず、出したあとに測る習慣が要ります。
関連して、オウンドメディアとは何かと、自分で書くか、AIに書かせるか、外注するかも、あわせて読むと整理しやすくなります。
今日できる点検
| 点検すること | 見る場所 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 先月の相談と成約の件数を数える | 予約表や見積もりの控え | 15分 |
| よく聞かれる質問を3つ書き出す | 電話のメモ、問い合わせ履歴 | 10分 |
| 許可が取れそうな事例を1件挙げる | 案件のメモ | 10分 |
| 今ある記事のうち、事実が無いものを3本選ぶ | 記事の一覧 | 20分 |
| 社名なしの質問を1つ、AIに聞いてみる | ChatGPTやGemini | 10分 |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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