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中小企業の独自調査データの作り方|AI検索で参照される一次情報の公開手順

2026 10/18
2026年10月18日
中野輝規
中小企業の独自調査データの作り方|AI検索で参照される一次情報の公開手順

「AI検索で自社の名前が出るようにしたい。しかし、どの会社も似た解説記事を書いていて、差がつかない」。

中小企業の Web 担当者や経営者の方から、こうした相談をよく受けます。

ChatGPT や Gemini、Perplexity などは、質問に答えるときにウェブ上の複数のページを参照することがあります。一般論を並べた記事は、ほかのサイトにも同じ内容があるため、自社のページが選ばれる理由が弱くなります。

一方で、「この会社しか持っていない数字」は、ほかのページでは置き換えられません。

この記事では、調査会社に頼まなくてもできる「独自の一次データ」の作り方を説明します。一次データとは、自社で集めた調査や集計の結果のことです。

題材の見つけ方、アンケートの設計、個人情報への配慮、公開ページの組み立て、告知と更新までを、手順の順に進めます。

公式ページの記述は、2026年10月18日に取り直して確かめました。公開済みの数字や制度は更新されることがあるため、実際に使う前に最新の内容を見てください。

目次

先に結論:独自調査を始める前の6つの要点

番号 要点 理由
1 題材は社内の記録から探す 新しい調査を組まなくても、業務データや問い合わせの集計が一次データになる
2 アンケートは質問と回答者の偏りを点検する 偏りは回答数を増やしても消えない
3 回答数に見合った言い方にとどめる 数十件でも、傾向として正直に書けば価値がある
4 集める段階の個人情報と、公開する段階の統計を分けて考える 集計後の統計情報と、取得時の個人情報では、適用されるルールが違う
5 公開ページに調査概要を必ず書く 期間、対象、方法、回答数がない数字は根拠にならない
6 構造化データは任意とし、更新の周期を先に決める Dataset の構造化データは Dataset Search 向けで、通常の検索では使われない

全体の流れを、図で確認します。

独自の一次データを公開するまでの流れ題材を探す社内の記録から次へ集めて集計偏りと誤差を点検次へ概要を書く母数と期間を示す次へ告知と更新年1回の周期

この記事で確かめた範囲

公式ページの確認

主張ごとに、次の公式ページで確かめました。

確かめた内容 参照したページ(2026年10月18日に確認)
独自の情報や調査を点検する問い Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
非コモディティな内容、特別なマークアップが不要なこと Google 検索セントラル「生成 AI 機能向けの最適化ガイド」
Dataset の項目と文字数 Google 検索セントラル「Dataset の構造化データ」
Dataset が検索のどこで使われるか Google 検索セントラルの更新履歴(2025年11月5日)
統計情報の扱い 個人情報保護委員会 ガイドライン(通則編)と Q&A
取得時の利用目的の通知と明示 個人情報保護法ガイドライン(通則編)の該当箇所

確認に使った Google のページは英語版です。日本語版の文言とは細かく違う場合があるため、本文では趣旨として書いています。

確かめられなかったこと

独自データを公開すると、AIに引用されやすくなるのかは、公式には示されていません。

そのため、「引用される」とは書きません。この記事の目的は、選ばれる理由を1つ増やすことです。

なぜ一次データが、AI検索対策につながるのか

Google の自己評価の問いに入っている

Google 検索セントラルの「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」には、自分のコンテンツを点検するための問いが並んでいます。

その中に、独自の情報、報道、調査、分析を提供しているか、という趣旨の問いがあります。

ほかの情報源をもとにする場合の問いもあります。単に写したり言い換えたりせずに、大きな付加価値と独自性を加えているか、という内容です。

同じページの別の箇所では、出典を示すことは、独自の労力の代わりにならない、とも説明されています。

調べた内容を正確にまとめ直しただけの記事は、この問いに「はい」と答えにくい記事です。自社で集めた数字は、自然に「はい」と答えられる材料になります。

生成AI向けのガイドでも、ほかで書ける内容は薦められていない

Google の「生成 AI 機能向けの最適化ガイド」には、読者にとって有益で信頼できる、非コモディティな内容を作るよう書かれています。

コモディティな内容の例として、誰でも知っている常識にもとづく「初めて家を買う人への7つのコツ」のような記事があげられています。非コモディティな内容は、専門家や経験者ならではの見方を示すものと説明されています。

同じガイドは、他者がすでに言ったことを使い回さないよう呼びかけています。生成AIモデルでも簡単に作れる内容は避ける、という趣旨の記述もあります。

独自の調査は、この「経験者にしか書けない内容」を数字で示す手段の1つです。

引用されやすい形になる、という見方は推測

ここからは推測を含みます。AI検索の回答には、「◯◯の調査によると△%」のように、数字と出典を並べて示す場面があります。

調査の概要がはっきりした数字は、人間の書き手にとっても、引用しやすい材料です。ほかのサイトに引用されれば、自社名が第三者のページに載るきっかけにもなります。

ただし、独自データを公開すれば必ずAIに引用される、という保証はありません。選ばれる理由を1つ増やす施策として考えてください。

第三者のページに自社の名前が載ることの意味は、別の記事で詳しく説明しています。

AIは自社サイトより第三者のページを引用する

題材の見つけ方:中小企業が使える4つの材料

新しい調査の前に、社内の記録を見る

大規模な調査を組む前に、社内にある材料を探します。費用がかからず、自社にしか持っていない点も満たしやすいからです。

材料 具体例(架空) 長所 注意点
自社の業務データ 月別の施工件数、受注までの平均日数、修理依頼の多い部位 すでに記録がある 売上、単価、取引先を出さない
問い合わせの集計 内容別の割合、季節ごとの変化 顧客の悩みがそのまま見える 分類のルールを先に決める。個別の文面は出さない
アンケート 顧客や見込み客、業界関係者への質問 知りたいことを直接聞ける 質問と回答者の偏りに注意する
作業時間の計測 ある作業の所要時間を手順ごとに実測 業界の相場感を数字で示せる 人数と環境の条件を必ず書く

題材を選ぶ3つの基準

1つ目は、顧客がよく聞く質問に答えられるかどうかです。「どれくらいの期間がかかるか」「いちばん多いトラブルは何か」のように、商談で必ず出る質問に数字で答えられる題材を選びます。

2つ目は、自社にしか集められないかどうかです。公的な統計で分かることを繰り返しても、独自性は生まれません。

自社の現場で見えることに絞ります。

3つ目は、毎年くり返せるかどうかです。同じ方法で毎年集計できる題材は、推移を示せるため、年を追うごとに価値が上がります。

手元の記録だけで作る例

架空の例を挙げます。地域の住宅リフォーム会社が、過去3年間の問い合わせ約1,200件を内容別に分類し、水回りの相談が最も多かったと公表する場合です。

新しく人を集めなくても、手元の記録だけで作れます。分類のルールと件数を示せば、立派な一次データになります。

公開しないほうがよい題材

売上や利益、原価が推測できる数字は、題材にしません。取引先が特定できる集計も避けます。

契約で公開が制限されているデータも、題材から外します。迷うときは、実数を出す前に、割合や指数で足りないかを考えます。

アンケート設計の基本

アンケートは自由度が高い反面、作り方しだいで結果がゆがみます。ここでは、一般的な統計の考え方の範囲で、最低限押さえたい点をまとめます。

質問の偏りを避ける

よくある失敗 悪い例(架空) 改善例
誘導的な聞き方 「業務効率化のために AI ツールは必要だと思いますか」 「業務で AI ツールを使っていますか」
1問で2つを聞く 「料金と対応速度に満足していますか」 料金と対応速度を別の問いに分ける
選択肢の偏り 「とても満足/満足/やや満足/不満」 満足側と不満側を同じ数にそろえる
選択肢の漏れ 該当しない人が答えられない 「その他」「該当しない」を用意する
あいまいな言葉 「よく使いますか」 「週に何回使いますか」

質問の順番も結果に影響します。満足度を聞く前に不満点を細かく聞くと、満足度が下がりやすくなります。

大きな問いを先に、細かい問いを後に置くのが無難です。

設問数と事前の試し答え

設問数は、スマートフォンで5分ほどで終わる量に抑えます。目安は10問前後です。

公開前に、社内の数人に試しに答えてもらいます。迷った設問は、その場で直します。

回答者の偏りに注意する

自社の顧客や SNS のフォロワーだけに聞いた結果は、その集団の傾向を表すものです。世の中全体の傾向とは限りません。

この偏りは、回答者の数を増やしても解消しません。公開するときは、「当社の顧客を対象とした調査」のように、対象をそのまま書きます。

対象を正直に書けば、偏りのある調査でも十分に価値があります。

回答者数と誤差の目安

無作為に選んだ回答者から割合を推定するとき、誤差の大きさは回答者数でおおよそ決まります。回答の割合が半々のとき、誤差は最も大きくなります。

その場合の、95%の確からしさでの誤差の目安は次のとおりです。

回答者数 誤差の目安(±)
30人 約18ポイント
50人 約14ポイント
100人 約10ポイント
200人 約7ポイント
400人 約5ポイント
1,000人 約3ポイント

計算式は「1.96 × √(0.5 × 0.5 ÷ 回答者数)」で、表の値は小数点以下を丸めたものです。30人なら約17.9、1,000人なら約3.1になります。

たとえば回答者100人で、Aが55%、Bが45%という結果が出たとします。差は誤差の範囲に収まる可能性が高く、「Aのほうが多い」とは言い切れません。

この表は、無作為に選んだ回答者を前提にした近似です。前の項で述べた回答者の偏りは、この誤差に含まれません。

中小企業の調査では、回答者が数十人ということもよくあります。それでも構いません。

人数を正直に書き、「傾向が見られた」程度の言い方にとどめます。

集計するときのルール

割合は小数点以下1桁にそろえます。四捨五入で合計が100%にならないときは、その旨を注記します。

複数回答の設問には、「複数回答のため合計は100%を超える」と書きます。

回答者が少ない区分は、割合を出さないか、ほかの区分とまとめます。数字が不安定になるうえ、個人が推測されるおそれもあるためです。

無効な回答をどう除いたかも、記録しておきます。

個人情報と社外秘への配慮

集めるときと、公開するときで考え方が変わる

個人情報保護委員会のQ&Aでは、統計情報を次のように説明しています。複数人の情報から共通する項目を取り出し、同じ分類ごとに集計して得られる情報です。

この統計情報は、特定の個人との対応関係がなくなっている限り、個人情報に当たらないと考えられる、とされています。

別のQ&Aには、個人情報を統計処理して個人を識別できない形で使う場合、利用目的として特定する必要はない、という趣旨の回答もあります。統計データへの加工そのものを、利用目的にする必要はないという内容です。

集める段階では、個人情報のルールが適用される

氏名やメールアドレスなどをアンケートで集める段階は、別の話です。個人情報の取扱いのルールが適用されます。

個人情報保護法のガイドライン(通則編)では、次のように整理されています。

場面 求められること(法第21条)
個人情報を取得したとき あらかじめ公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知するか公表する
書面や入力画面などで本人から直接取得するとき あらかじめ、本人に利用目的を明示する

アンケート用紙や、Web の入力フォームで氏名を聞く場合は、後者にあたります。フォームの冒頭に、利用目的を書いておきます。

実務で守りたいこと

最初に、不要な個人情報は集めません。集計に氏名が要らないなら聞かず、匿名のアンケートにできないかを先に考えます。

フォームには利用目的を書きます。

「回答は集計し、統計情報として当社のサイトなどで公開します。個人が特定される形では公開しません」のような書き方です。

自由記述の扱いにも注意します。

そのまま載せると、内容から個人や取引先が特定されることがあります。公開する場合は要約し、固有名詞を除きます。

少人数の区分は出しません。「◯◯県の50代の経営者」が1人しかいない区分は、集計値でも個人が推測できます。

元のデータは、担当者を決めて管理します。パスワードやアクセス権限で守り、不要になったら廃棄します。

個人情報保護委員会は、中小企業向けの資料で、安全管理の手法の例を紹介しています。

この記事は法的な助言ではありません。判断に迷うときは、個人情報保護委員会の最新のガイドラインを読み、必要に応じて専門家に相談してください。

社外秘の線引き

業務データを出すときは、公開前に次の点を社内で確認します。

確認すること 具体的には
経営の数字が推測されないか 売上、利益、単価、原価
取引先が特定されないか 取引先名、地域と業種と規模の組み合わせ
契約上の制限がないか データの公開を制限する条項
実数以外で足りないか 割合、基準年を100とした指数

迷うときは、割合か指数で出すのが安全です。実数を出す理由が説明できない数字は、出しません。

公開ページの構成

調査結果のページは、読む人が「この数字は信用できるか」を判断できる構成にします。

推奨する構成

順番 要素 書く内容
1 タイトル テーマと年を入れる(例:「◯◯に関する調査(2026年版)」)
2 結論の1文 最も伝えたい結果を、数字入りの1文で
3 主な結果 3点から5点を、数字とともに箇条書きで
4 調査概要 期間、対象、方法、回答数
5 結果の詳細 設問ごとのグラフと表、短い解説
6 考察 現場の知見から言えること。推測は推測と書く
7 引用ルール 引用するときの出典の書き方
8 更新履歴 公開日、更新日、変更点

ページの見出し単位で内容を伝える考え方は、別の記事で詳しく説明しています。

AI検索は「ページの一部」を読む

調査概要は必ず書く

調査概要がない数字は、人間にとっても、AIにとっても、根拠として扱いにくくなります。最低限、次の4項目を表で書きます。

項目 記載例(架空)
調査期間 2026年7月1日から7月31日
調査対象 当社のサービスを過去2年以内に利用した法人顧客
調査方法 メールで案内したインターネット調査(無記名)
回答数 有効回答86件(配布310件)

業務データの集計なら、「集計期間」「対象データ」「分類のルール」「件数」を書きます。

設問文と選択肢の一覧も、ページの下部に載せておくと、結果の読み違いを防げます。

結論の1文を最初に置く

ページの冒頭に、結論を1文で置きます。たとえば「当社の顧客86社への調査では、約6割が◯◯と回答しました」という形です(架空の例)。

この1文には、母数、つまり誰に聞いたかを必ず含めます。引用する人が、そのまま使える形にしておくためです。

グラフと表は、両方そろえる

グラフは画像だけにせず、同じ数字を HTML の表でも載せます。画像の中の数字は、読み取られにくい場合があるからです。

グラフ画像には、代替テキスト(alt 属性)で、何を示すグラフかと主な数字を書きます。

縦軸を0から始めない、立体のグラフにするなど、差を大きく見せる表現は避けます。割合のグラフには、母数を添えます。

引用ルールを書く

ほかのサイトに使ってもらうことが目的なので、引用の条件を明記します。

【引用・転載について】
本調査の結果は、出典を明記いただければ自由に引用いただけます。
出典の書き方の例:「株式会社◯◯『◯◯に関する調査(2026年版)』」と書き、本ページへのリンクをお願いします。
グラフ画像の加工と数値の改変は、ご遠慮ください。

素材として使いやすいように、集計結果を CSV などでダウンロードできるようにする方法もあります。

Dataset の構造化データは任意

通常の Google 検索では使われない

schema.org には Dataset という型があり、Google はその構造化データのドキュメントを公開しています。

ただし、2025年11月5日のドキュメント更新で、ある点が明確にされました。

Dataset の構造化データは Dataset Search でのみ使われ、Google 検索では使われない、という点です。

さらに、生成AI機能向けの最適化ガイドには、Google 検索に表示されるために、新しい機械可読ファイルやAI向けのテキストファイル、マークアップを作る必要はない、とあります。

そのため、Dataset の構造化データは、入れなくても問題がない位置づけです。余力があれば入れる、という程度で考えます。

入れるなら、必須の項目から

Google のドキュメントでは、必須のプロパティは name と description です。description は、50文字以上5000文字以内の概要とされています。

また、Dataset Search は、テキストのプロパティの先頭5000文字だけを使います。長い説明は、重要な内容を前に置きます。

CSV を公開しているなら、distribution で配布の形式と URL を書けます。構造化データ全般の進め方は、別の記事にまとめています。

中小企業の構造化データ入門

記述例(架空)

次の例は、架空の調査を想定しています。自社の調査に合わせて内容を置き換えてください。

{
  "@context": "https://schema.org/",
  "@type": "Dataset",
  "name": "◯◯に関する顧客調査(2026年版)",
  "description": "当社のサービスを過去2年以内に利用した法人顧客を対象に、2026年7月にインターネットで実施した調査の集計結果です。有効回答は86件です。◯◯の利用状況と課題を、設問別にまとめています。",
  "creator": {
    "@type": "Organization",
    "name": "株式会社サンプル"
  },
  "temporalCoverage": "2026-07-01/2026-07-31",
  "distribution": {
    "@type": "DataDownload",
    "encodingFormat": "text/csv",
    "contentUrl": "https://example.com/research/2026/data.csv"
  }
}

この JSON を、HTML の script タグの中に入れ、タイプを application/ld+json にして置きます。ページに見えている内容と、食い違わないようにします。

告知の方法

ページを公開しただけでは、なかなか見つけてもらえません。次の表のような方法で知らせます。

方法 やり方
プレスリリース 結論の1文と調査概要を載せ、調査ページへリンクする
業界団体や業界メディアへの情報提供 読者に関係が深い数字を、記事の材料として届ける
SNS やメールマガジン グラフ1枚と結論の1文に絞って知らせる
協力者への報告 アンケートに答えた顧客に結果を共有する
自社の関連記事 既存の解説記事で結果を引用し、調査ページへつなぐ

プレスリリースの書き方は、別の記事で詳しく説明しています。

AI検索に正しく伝わるプレスリリースの書き方

第三者の言及を増やすときの注意

数字を使ってもらうために、不自然な依頼を重ねるのは避けます。使ってもらえるかどうかは、数字の質と、概要の明確さで決まります。

取り上げてもらう取り組みの考え方は、第三者のページに自社の名前が載ることを扱った記事に書いています。

更新の仕方

一次データは、古くなると引用されにくくなります。更新の方針は、最初に決めておきます。

5つの決めごと

決めること 内容
周期 年1回など、同じ時期に同じ方法で実施する
設問と集計方法 主要な設問は変えない。変えるときは理由を書く
URL 「最新版」のページを固定のURLで用意し、過去の版は年ごとのページで残す
更新日と変更点 数字の誤りを直したときも、更新履歴に記録する
推移 2年目以降は、前年との比較のグラフを加える

過去の版のページにも、「最新版はこちら」というリンクを置きます。

情報の鮮度の示し方は、別の記事で詳しく説明しています。

情報の鮮度とAI検索対策

独自調査でありがちな失敗

数字の根拠が、読む人に伝わらない

公開した調査が参照されにくくなる原因は、数字そのものより、書き方にあることが多くあります。

失敗 起きること 直し方
調査概要がない 誰に、いつ、どう聞いたかが分からず、根拠として使えない 期間、対象、方法、回答数を表で書く
画像のグラフだけを載せる 数字が文字として読み取られない場合がある 同じ数字を HTML の表でも載せる
少数の回答で断定する 誤差の範囲の差を、結果として述べてしまう 回答数に見合った言い方にとどめる
一度出したきりで更新しない 数字が古くなり、使われなくなる 周期を決めて、同じ方法で集計し直す

公開の目的を見失う

数字を派手に見せようとして、設問や集計を加工するのは避けます。信頼を失えば、次の調査も読まれません。

一次データの価値は、現場で本当に起きていることを、正直に示す点にあります。

都合のよい結果だけを選んで載せることも、同じ理由で避けます。望ましくない結果が出たときは、その事実と、考えられる理由を併せて書きます。

公開前のチェックリスト

数字と書き方

確認すること 確認
結論の1文に、母数と数字が入っている □
調査概要(期間、対象、方法、回答数)を書いた □
誘導的な設問や、1問で2つを聞く設問がない □
回答者が少ない区分の割合を出していない □
回答者数に対して、言い過ぎた表現がない(「明らかになった」など) □
グラフと同じ数字を、HTML の表でも載せた □
社内で、数字の再計算をした □

個人情報と社外秘

確認すること 確認
個人や取引先が特定される情報が入っていない □
売上や単価など、社外秘の数字が入っていない □
収集のときに、利用目的を示した □
引用ルールと更新履歴を書いた □

よくある質問

Q1. 回答が30件しか集まりませんでした。公開してもよいですか。

公開して構いません。回答数を正直に書き、「傾向が見られた」程度の言い方にとどめれば、読む人が自分で判断できます。

30人の場合、割合の誤差の目安は約18ポイントと大きくなります。小さな差を強調しないようにします。

Q2. 調査会社の登録モニターを使うべきですか。

予算があれば、回答者の属性をそろえやすいという利点があります。ただし、中小企業の一次データの価値は、自社の現場でしか見えないことにあります。

まず業務データや顧客アンケートから始め、必要になったら外部の調査を考える順番が現実的です。

Q3. AIツールでアンケート結果を集計してもよいですか。

集計や分類の補助に使うこと自体は問題ありません。ただし、最終的な数字は、必ず人が元のデータから再計算して確認します。

個人情報を含む元データを外部のサービスに入力する場合は、そのサービスのデータの扱いと、自社が示した利用目的の範囲内かを確かめます。

Q4. 調査結果は PDF だけで公開してもよいですか。

PDF の配布は便利ですが、主な結果と調査概要は、HTML のページにも載せることをすすめます。ページ上の文章や表のほうが内容を読み取りやすく、引用元としてリンクもしやすいためです。

Q5. 競合他社に数字を使われるのが心配です。

公開する数字は、他社に使われても困らない範囲に絞ります。実数を割合に置き換える、細かい区分は出さない、といった調整ができます。

引用されて自社名が出典として広まることは、この施策の目的の1つです。

Q6. 公的な統計と組み合わせて載せてもよいですか。

載せて構いません。自社の数字と並べると、業界全体との違いが伝わりやすくなります。

公的な統計を載せるときは、出典と調査年を必ず添えます。ただし、出典を示すだけでは自社の独自性にならないため、中心は自社で集めた数字に置きます。

まとめ

独自の一次データは、どの会社にも書ける一般論との違いを、はっきり示せる材料です。Google も、独自の情報や調査、分析があるかを、自己評価の問いにあげています。

手元の業務データや問い合わせの集計から始めれば、費用をかけずに作れます。アンケートを行うときは、質問と回答者の偏りに注意し、回答者数に見合った言い方にとどめます。

公開ページには調査概要を必ず書き、結論の1文、グラフと表、引用ルールをそろえます。集める段階の個人情報の扱いと、社外秘の線引きも、忘れずに確認してください。

同じ方法で毎年更新を続けると、そのデータは「その分野でよく使われる出典」に育ちます。まずは社内にある記録を1つ選び、集計するところから始めてください。

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この記事を書いた人

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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