制作会社や業者から「AI検索対策に構造化データを入れましょう」と提案された。そのまま見積もりに載せてよいのか、迷っている方に向けて書きます。
読者は、中小企業の経営者や、ホームページの担当を任された方を思い浮かべています。
コードの書き方の講座ではありません。入れるか入れないかを、ご自身で判断できる状態を目指します。
先に答え:AI検索のためだけに入れる必要はない
結論から書きます。
Googleは公式文書で、AIによる概要やAIモードに表示されるために、特別な構造化データを追加する必要はないと書いています。
つまり「AI検索対策だから構造化データを入れましょう」という提案は、Googleの公式の説明とは噛み合いません。
ただし、構造化データそのものが無駄という話でもありません。通常の検索結果の見せ方を整える役割は、今も残っています。
公式文書の該当箇所
Google検索セントラルの「AI機能とウェブサイト」には、次の記述があります。
「AI 機能で表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップを作成する必要はありません。また、特別な schema.org の構造化データを追加する必要もありません。」
ここで言う「特別な構造化データ」とは、AI回答に載るためだけに用意するデータのことです。そういうものは無い、というのが公式の立場です。
入れてよい場合の考え方
入れる価値があるのは、通常の検索結果で何かが変わる場合です。
たとえば会社名やロゴを検索結果に正しく出したい、商品の価格や在庫を見せたい、求人を検索の求人欄に出したい、といった目的です。
目的が具体的であれば、構造化データは手間をかけて入れる意味があります。
急がなくてよい場合の考え方
反対に、目的が「AIに選ばれたい」の一点だけなら、急ぐ必要はありません。
その手間をかける前に、ページの本文と会社情報を整えるほうが、AI検索にも通常の検索にも効きます。
この記事の後半で、事業の種類ごとに「入れる価値があるもの」と「急がなくてよいもの」を表にしました。
この記事の根拠
根拠は、2026年10月13日に開いたGoogle検索セントラルの文書です。
「AI機能とウェブサイト」「Google検索の生成AI機能向けにウェブサイトを最適化する」「構造化データのマークアップの概要」「構造化データに関する一般的なガイドライン」「組織の構造化データ」などを読みました。
公式に確かめられなかったことは、書いていません。
Q&Aサイトで見かけた、検索結果の見え方をめぐる悩み
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿は2023年3月で、AI検索が話題になる前の質問です。ただ、構造化データが何のためにあるのかを考える材料になるので紹介します。
質問者の悩み
ブログを作っている方からの質問でした。
Googleで自分のサイトを検索すると、検索結果にドメイン名がそのまま表示されてしまう。サイト名に直したいが、利用しているブログのテーマのどこを設定すればよいのか、という内容です。
自分の見え方を自分で決められないもどかしさが伝わってきました。
回答で説明されていたこと
回答者は、サイト名の表示は複数の情報をもとにGoogleが自動で判断していると説明していました。
サイト名向けの構造化データ、ページのタイトル、見出し、ソーシャル共有用の設定などが材料になり、1か所を設定すれば必ず表示される、というものではない、という趣旨です。
この質問が示していること
この質問で注目したいのは、構造化データが働く場所です。
構造化データは、AIの回答に影響を与える呪文のようなものではありません。検索結果に自社がどう見えるかを、Googleに伝えるための申告書に近いものです。
Google検索セントラルの「Google 検索に対してサイト名を指定する」には、希望するサイト名を指定するにはホームページに専用の構造化データを追加すると書かれています。
同時に、Googleはタイトルや見出しなどもあわせて見ており、自動で生成する仕組みだとも書かれています。
つまり構造化データは「お願い」であって「命令」ではありません。この性質は、あとで何度も出てきます。
なぜ構造化データがAI検索対策の話に混ざるのか
構造化データとAI検索が結びつけられる理由は、仕組みを知ると分かります。
提案する側が悪意を持っているとは限りません。言葉の連想で広まっている面があります。
「機械に読ませる」という説明の連想
構造化データは、ページの内容を機械が理解しやすい形で書き添える仕組みです。
Google検索セントラルは「構造化データを使用してページの意図を伝えると、Google はそのページをより正確に理解できるようになります」と説明しています。
AIも機械ですから、「AIにも分かりやすくなるはず」と連想するのは自然です。この連想が、提案の出発点になっていることが多いようです。
流行の言葉に合わせて商品が作られる
制作会社や広告の業者にとって、新しい言葉は商品にしやすい材料です。
少し前までは「SEO対策」と呼ばれていた作業の一部が、「LLMO対策」「AI検索対策」と名前を変えて提案されることがあります。
作業の中身が同じでも、名前が新しくなれば、新しい見積もりが立ちます。これは悪事ではありませんが、中身を確かめる側に回る必要があります。
公式が整理した「やらなくてよいこと」
Googleは2026年5月に、生成AI機能向けの最適化ガイドを新しく公開しました。
そのガイドには、無視してよい項目として、AI向けのテキストファイルや特別なマークアップの作成、コンテンツの細切れ化、構造化データへの過剰な取り組みなどが並んでいます。
構造化データは、その「過剰な取り組み」の1つとして名前が挙がっています。ただし、これは「不要な技術」という意味ではありません。くわしくは次の章で読みます。
この記事が扱う範囲
ここで扱うのは、Googleの検索とそのAI機能に関する公式の説明です。
ChatGPTやGeminiなど、ほかのAIサービスが構造化データをどう扱うかについては、今回、公式の説明を確かめられませんでした。確かめられないことは、断定しません。
AI検索全般の対策の見取り図は、やってはいけないLLMO対策を整理した記事で詳しく扱っています。
提案を受けたときに最初にすること
提案書を受け取ったら、まず「何のために入れるのか」の一文を聞いてください。
「検索結果にロゴを正しく出したい」「商品の価格を検索結果に出したい」のように、画面で確かめられる目的が返ってくれば、話を進められます。
「AIに強くなります」だけが返ってきたら、その場で決めずに持ち帰るのが安全です。
業者の提案を3種類に分けて読む
「構造化データを入れましょう」という提案には、中身が違うものが混ざっています。
言葉は同じでも、何を約束しているかで、入れる価値がまるで変わります。
提案の3つの型
次の表で、よくある言い方を3つの型に分けました。
| 提案の言い方 | 実際に言えること | 確かめること |
|---|---|---|
| AIに引用されやすくなります | Googleは、特別な構造化データは必要ないと明言している | 引用が増えた根拠の資料を見せてもらう |
| 検索結果の見え方が整います | 対応する機能があれば、リッチリザルトなどに反映され得る | どの機能の表示を狙うのか、画面の例を聞く |
| 会社情報をAIに正しく伝えます | 正式名称やロゴなどを検索結果に伝える役割はある | AIの回答に反映されるかは保証されない前提で聞く |
| 入れておいて損はありません | 本文と食い違うデータは、むしろ問題になる | 本文と一致させる作業まで含むか聞く |
1つ目の型:AIへの効果を約束するもの
最も注意が必要なのは、AIへの効果を約束する提案です。
Googleの最適化ガイドは、AEOやGEOと呼ばれる施策の「ハック」の多くは効果がなく、Google検索の実際の仕組みでもサポートされていないと書いています。
効果を約束する提案を受けたら、約束の根拠を文書で出してもらうのが安全です。
2つ目の型:検索結果の見え方を整えるもの
次に、通常の検索結果の見え方を整える提案です。
こちらは公式文書に裏付けがあります。何を表示させたいのかが具体的なら、検討する価値があります。
3つ目の型:何となく入れておくもの
最後に、理由なく「入れておきましょう」という提案があります。
これは費用だけがかかる可能性があります。本文と食い違うデータを入れてしまうと、ガイドライン違反になり得る点も、あとで説明します。
見積もりの項目に出てくる言葉の読み方
見積もりには「構造化データ実装」「スキーマ設定」「マークアップ対応」といった項目が並ぶことがあります。
どれも同じ作業を別の言い方で書いたものであることが多く、1つの作業が2行に分かれて請求されていないかも見ておくとよいでしょう。
ページ数が多いサイトでは、テンプレートに1回入れれば全ページに反映される場合もあります。1ページずつ手作業で入れる前提の見積もりなら、その理由を聞いてください。
判断を急がなくてよい理由
構造化データは、入れるのが遅れて取り返しがつかなくなるものではありません。
今月入れても、半年後に入れても、検索の仕組み上の不利益はありません。提案の期限を切られても、公式文書を読み終えるまでの時間は取れます。
急がされる提案は、内容の確認を省かせるための圧力になっていないか、一度立ち止まって見てください。
Googleの公式文書は、AI機能と構造化データをどう書いているか
ここからは、2026年10月13日に実際に開いた公式文書の記述を、順に整理します。
提案の是非を判断するときは、検索を運営している側の文書に戻るのが最も確実です。業者の説明は、その後で照らし合わせます。
「AI機能とウェブサイト」の記述
この文書は、AIによる概要やAIモードの仕組みを、サイト所有者向けに説明したものです。
冒頭に近いところに、こう書かれています。
「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。」
AI機能にページが出るための技術要件は、ページがインデックスに登録されていること、検索でスニペットが表示されること、検索の技術的要件を満たしていること。これ以外の追加要件は無い、と明記されています。
SEOの基本として挙がっている項目
同じ文書には、引き続き大切なSEOの基本が並んでいます。
クロールの許可、内部リンクで見つけやすくすること、ページ体験、重要なコンテンツをテキストで示すことなどです。
その中に「構造化データをページに表示されるテキストと一致させます」という項目があります。構造化データは、あくまで本文の内容と合っていることが前提の付け足しです。
また、ショッピングのデータやビジネスプロフィールの情報を最新にしておくことも挙がっています。AI向けの特別なデータを作るより、元の情報を正しく保つほうが優先されています。
「生成AI機能向けに最適化する」ガイドの記述
2026年5月15日に、Google検索セントラルは生成AI機能向けの最適化ガイドを追加しました。更新履歴にそう記録されています。
このガイドには、無視してよい取り組みを挙げた箇所があり、構造化データについては次のように書かれています。
「生成 AI 検索に構造化データは必要ありません。追加する必要がある特別な schema.org マークアップもありません。ただし、Google 検索のリッチリザルトの対象となるのに役立つため、SEO 戦略全体の一部として引き続き使用することをおすすめします。」
この1文には、2つの内容が入っています。AI検索には必要ないこと。通常の検索のリッチリザルトには役立つので、使い続けてよいこと。
2つの文書を並べて読む
2つの文書の関係を、表にまとめます。
| 文書 | 構造化データについての記述 | 読み方 |
|---|---|---|
| AI機能とウェブサイト | 特別な構造化データを追加する必要はない。表示テキストとの一致が大切 | AI専用の対策は不要。一致の約束は守る |
| 生成AI機能向けの最適化ガイド | 生成AI検索には必要ない。リッチリザルトには役立つ | 過剰に取り組まず、通常の検索のために使う |
| 構造化データのマークアップの概要 | ページの内容を正確に理解させ、検索結果の見せ方を豊かにする | 役割は検索結果の表示にある |
| 構造化データの一般的なガイドライン | 画面に表示されない内容のマークアップは禁止 | 本文と合わない内容は入れない |
構造化データが実際に働く場所
では、構造化データは何のために使われているのでしょうか。
公式文書をたどると、働く場所は主に3つあります。
場所1:リッチリザルト
リッチリザルトとは、通常の青いリンクと説明文に加えて、星の評価、価格、画像などが付いて表示される検索結果です。
「構造化データのマークアップの概要」には、構造化データを追加すると、よりユーザーの興味をひく検索結果を表示でき、ウェブサイトの利用も増えることが期待される、と書かれています。
ただし、対応している機能は限られています。商品、求人情報、パンくずリストなど、公式の一覧に載っているものだけが対象です。
場所2:ナレッジパネルと組織の情報
検索結果の横などに出る、会社の情報の枠をナレッジパネルと呼びます。
「組織の構造化データ」の文書によると、ホームページに組織の構造化データを追加すると、Googleは組織の管理情報の詳細を把握でき、検索結果で組織を明確化できるようになります。
ロゴや正式名称、住所、連絡先などが対象です。必須の項目は無く、内容に合うものを入れる形です。
場所3:サイト名
検索結果に表示されるサイト名についても、構造化データが関わります。
先ほどのQ&Aの悩みがこれにあたります。Googleは、希望するサイト名を指定するためのデータとして、ホームページ向けの専用の構造化データが最も重要だと説明しています。
同じ文書には、正式名称とは別に代替名を指定できること、「アイオワで一番の歯医者」のような一般的な名称は選ばれにくいことも書かれています。
3つの場所を表で見る
| 働く場所 | 何が変わるか | 小さな会社との関係 |
|---|---|---|
| リッチリザルト | 検索結果に星や価格などが付く | 商品、求人、パンくずなど、対応する機能があるときだけ |
| ナレッジパネル | 会社名、ロゴ、連絡先などの整理 | 社名で検索されることが多い会社ほど関係する |
| サイト名 | 検索結果の見出し側に出る名前 | ホームページ1つにつき1回の設定で済む |
| AIの回答 | 特別な構造化データは不要と公式が明言 | 入れても約束されるものは無い |
事例の数字を読むときの注意
構造化データの紹介では、よく大きな数字が出てきます。
Google自身の文書にも、事例が載っています。読み方を知っておくと、業者の資料に出てくる数字も冷静に見られます。
公式文書に載っている事例
「構造化データのマークアップの概要」には、複数の企業の事例が紹介されています。
たとえばネスレでは、検索でリッチリザルトを表示するページのクリック率が、表示しないページに比べて82%高くなっていると書かれています。
別の事例では、構造化データを実装したページでのユーザーの滞在時間が、そうでないページに比べて1.5倍長くなったという楽天の数字も載っています。
数字が示す範囲
この数字は、リッチリザルトという検索結果の見せ方を使った場合のものです。
AIの回答への掲載率を示す数字ではありません。業者の資料で「構造化データで3倍」のような数字を見かけたら、何の指標で、何と比べたのかを聞いてください。
自社に当てはめにくい理由
事例に挙がっているのは、大規模なサイトを持つ企業です。
もともとの表示回数が多いサイトと、月の表示回数が数百回のサイトとでは、同じ割合の変化でも実際に増える人数が違います。小さな会社では、効果を測ること自体に時間がかかります。
公式文書も、効果を比べるには数か月分のデータが必要だと説明しています。この測り方は、あとの章で紹介します。
入れても表示が約束されない理由
構造化データを正しく入れれば、必ず検索結果が変わると思われがちです。公式文書は、そうは書いていません。
提案を受けるときに、最も誤解されやすい点なので、独立した章にします。
公式の注意書き
「構造化データに関する一般的なガイドライン」には、重要な注意として次の記述があります。
「構造化データを使用して、ある機能が表示されるよう設定することはできますが、その機能が必ず表示されるとは限りません。」
リッチリザルトテストで問題が出なくても、表示されないことはある、と公式が認めています。
表示されない理由として挙げられているもの
同じ文書には、表示されない理由がいくつか並んでいます。
検索履歴や位置情報、デバイスの種類に応じて、Googleのアルゴリズムが検索結果を調整すること。別の機能のほうが適していると判断されること。テキストの検索結果が最適だと判断されることもあります。
つまり、構造化データを入れる側が、表示をコントロールしきれない仕組みになっています。
見積もりでの扱い方
この性質を知っていると、見積もりの読み方が変わります。
「構造化データを入れれば検索結果にこう表示されます」と言い切る提案は、公式の説明より強い約束をしています。
誠実な提案なら「対応する機能の条件を満たす準備をします。表示するかどうかはGoogleが判断します」という言い方になるはずです。この言い回しの差は、業者を見分ける材料になります。
作業に対して払うという考え方
表示が約束されないなら、何に対してお金を払うのかを整理する必要があります。
払う対象は「表示される条件を整える作業」です。表示される結果そのものは、買えません。条件を整える作業とは、正しい内容を、本文と合う形で、検証ツールを通る状態にして入れることを指します。
作業に対する費用としては、納得できるかどうか。そこを基準にすると、判断がぶれません。
本文のほうが先に評価される
もう1つ、見落とされやすい点があります。
構造化データは、ページの本文を説明する付け足しです。本文が薄いページに構造化データだけを足しても、ページの価値は上がりません。
AI機能に出るための技術要件も、公式文書では、インデックスされていること、スニペットが表示されること、検索の技術要件を満たしていることでした。ここに構造化データは含まれていません。
まず、ページがインデックスに登録されているかを確かめてください。Googleの生成AI向けガイドの読み方は、公式ガイドを中小企業向けに読み解いた記事で整理しています。
表で整理する
| よくある思い込み | 公式文書の記述 | 判断への影響 |
|---|---|---|
| 入れれば必ずリッチリザルトが出る | 必ず表示されるとは限らない | 表示を成果物として約束する見積もりは疑う |
| 入れればAIの回答に出る | 特別な構造化データは不要 | AI対策の名目で追加費用を払う理由は弱い |
| 本文が薄くても補える | 本文との一致が前提 | 先に本文と会社情報を整える |
| 入れておけば順位が上がる | 順位への影響は文書に書かれていない | 順位目的での導入は根拠が無い |
順位との関係
最後の行について補足します。
今回開いた文書の範囲では、構造化データを入れると順位が上がる、という記述は見つかりませんでした。
見つからなかったものを「無い」と断定はしません。ただ、順位を上げる目的で費用をかけるなら、根拠となる公式の記述を業者に示してもらってから決めるのが筋です。
本文と構造化データを一致させるという決まり
構造化データには、守るべき約束があります。守らないと、せっかく入れたデータが無効になります。
提案を評価するときに、最も実務に効く部分なので、詳しく見ていきます。
画面に出ていない情報は載せない
「構造化データのマークアップの概要」には、次の記述があります。
「ユーザーの閲覧しているページ画面に表示されない情報に関する構造化データは、その情報が正確であっても追加しないでください。」
正確な情報であっても、ページの画面に出ていなければ入れてはいけない、という厳しい決まりです。
「構造化データに関する一般的なガイドライン」の品質に関する項目にも、ページの読者に表示されないコンテンツをマークアップしないこと、と書かれています。
入れてはいけない例の具体像
小さな会社で起こりやすい例を挙げます。
本文には載せていない営業時間を、構造化データにだけ書く。古い電話番号が本文に残ったまま、構造化データだけを新しい番号にする。本文にない口コミの星の数を、構造化データに足す。
どれも、本文と一致していないという点でガイドライン違反になり得ます。
業者に頼むとき特に起きやすい食い違い
制作会社が構造化データを作るとき、元になる情報を会社から受け取ります。
そのやり取りの中で、本文の更新と構造化データの更新がずれる事故が起きます。たとえば、移転で住所を変えたのに、構造化データだけ旧住所のまま残る場合です。
本文を更新する担当と、構造化データを更新する担当が別だと、ずれやすくなります。誰が更新するのかを、導入の前に決めておいてください。
食い違いが起きやすい場所の一覧
| 項目 | 本文での書き方 | 構造化データでよく起きる食い違い |
|---|---|---|
| 会社名 | 正式名称を一貫して記載 | 通称や旧社名が残る |
| 住所 | ビル名や階数まで記載 | 旧住所のまま残る |
| 電話番号 | 問い合わせ用の番号を掲載 | 別の番号が入っている |
| 営業時間 | 臨時の変更も本文に反映 | 通常の時間のまま固定される |
| 商品の価格 | 税込と税抜を明記 | セール後の価格が反映されない |
| 求人の条件 | 募集要項に記載 | 募集終了後も残り続ける |
自社の口コミに星を付ける作業の落とし穴
構造化データの提案では、口コミの星の表示がよく話題になります。
検索結果に星が出ると目立つので、魅力的に見えます。ところが、対象には条件があります。
セルフサービングレビューという考え方
Googleの「クチコミ抜粋」の文書には、ローカルビジネスや組織の種類で星の評価を出せるのは、他の事業者に関する口コミを集めているサイトだけ、という趣旨の記述があります。
自社が自社の口コミを集めて、自社の構造化データに入れる形は、セルフサービングレビューと呼ばれる扱いです。専用のガイドラインがあり、自由に使えるものではありません。
ホームページに掲載したお客様の声を、そのまま星付きの構造化データにして出せる、とは限らないのです。
手動による対策とは
ガイドラインには、構造化データに問題があると手動による対策が実施される場合がある、と書かれています。
手動による対策が実施されると、ページがリッチリザルトとして表示されなくなります。ただし、同じ文書は「Google ウェブ検索でのページの掲載順位には影響しません」とも説明しています。
つまり、違反した場合に失うのは、リッチリザルトの表示です。ここは過度に恐れる必要はありませんが、入れた意味が無くなる点は押さえてください。
星の表示を提案されたときの確認
星の表示を提案されたら、次の点を聞いてください。
どの口コミを根拠にするのか。口コミは本文のどこに載っているのか。自社の口コミを集計した星でも、対象になるという公式の記述はあるのか。
答えがあいまいなら、その部分だけ見送るのが安全です。他の部分は予定どおり進められます。
すでに終わった機能に費用を払わない
構造化データの機能には、終了したものがあります。古い提案書は、終了済みの機能を前提に書かれていることがあります。
2026年10月13日に開いた検索セントラルの更新履歴から、確かめられたものを整理します。
よくある質問のリッチリザルトは終了した
よくある質問の構造化データは、かつて広く勧められていた機能です。
更新履歴によると、2026年5月8日に、この機能のサポート終了のお知らせが追加されました。理由は、2026年5月7日以降、この機能がGoogle検索に表示されなくなるためです。
さらに2026年6月15日には、よくある質問のリッチリザルトに関するドキュメントそのものが削除されました。
2025年に終了した機能
2025年9月9日の更新履歴には、検索結果に表示されなくなった構造化データのタイプのドキュメントを削除した、と記録されています。
対象は、コース情報、給与推定額、学習用動画、特別なお知らせ、車両リスティングです。
また、2026年1月6日には、練習問題の構造化データタイプのドキュメントが削除されました。
古い提案書を見分ける
終了した機能を前提にした提案書は、見分けられます。
「よくある質問の構造化データで検索結果の面積を広げる」といった説明が出てきたら、いつの情報かを確認してください。
次の表は、提案書に出てきやすい項目の現状をまとめたものです。
| 提案書の項目 | 現状(更新履歴で確認) | 判断 |
|---|---|---|
| よくある質問の構造化データ | 2026年5月7日以降、検索結果に表示されない | 表示目的での導入は意味が無い |
| コース情報 | 2025年9月に文書を削除 | 見積もりから外す |
| 特別なお知らせ | 2025年9月に文書を削除 | 見積もりから外す |
| 車両リスティング | 2025年9月に文書を削除 | 見積もりから外す |
| 練習問題 | 2026年1月に文書を削除 | 見積もりから外す |
本文のよくある質問は残す価値がある
注意点があります。
構造化データのよくある質問は終了しましたが、本文にQ&Aを載せること自体の価値は変わりません。
読者が知りたいことに、短く直接答える節は、通常の検索でもAIの回答の材料としても読まれ得る書き方です。構造化データが無くなっても、本文は残ります。
その意味で、構造化データに頼らず本文を整えることの意味は、むしろ増しています。
一致を保つための運用を決める
構造化データは、入れた日がいちばん正しく、時間が経つほどずれていきます。
ずれを防ぐには、入れる前に、運用の決まりを作っておく必要があります。
更新の担当を1人決める
本文を直す人と、構造化データを直す人が別々だと、片方だけ更新されます。
小さな会社なら、ホームページの更新担当が構造化データの更新も受け持つ形が現実的です。制作会社に任せるなら、更新の依頼の出し方を最初に決めておいてください。
「住所や電話番号を変えたら、制作会社へ連絡する」という一行のルールだけでも、事故はかなり減らせます。
公開前の検証ツールを使う
Googleは、構造化データの確認用にリッチリザルトテストを用意しています。
文書によると、開発中はこのテストで構造化データを検証し、公開後はリッチリザルトのステータスレポートで有効性を確認するよう勧められています。テンプレートや配信の仕方が原因で、公開後に状態が崩れることがあるからです。
見積もりに、検証と公開後の確認の作業が含まれているかは、確かめておく項目です。
変更が起きたときの点検表
会社の情報が変わる場面で、点検する場所をまとめました。
| 変更の場面 | 本文で直す場所 | 構造化データで直す場所 |
|---|---|---|
| 移転した | 会社概要、アクセス、フッター | 組織や店舗の住所 |
| 電話番号を変えた | 問い合わせページ、フッター | 組織や店舗の連絡先 |
| 営業時間を変えた | 店舗案内、トップページ | 営業時間 |
| 社名を変えた | 全ページの社名表記 | 組織の名称、サイト名 |
| ロゴを変えた | ヘッダー、会社概要 | 組織のロゴ |
| 商品の価格を改定した | 商品ページ | 商品の価格 |
作業の流れを短くする工夫
ワードプレスなどの管理ツールを使っている場合、プラグインで構造化データを自動生成できることがあります。
公式文書にも、管理ツールによっては検索エンジンの設定ページや、構造化データを扱えるプラグインがあると書かれています。本文を直せば構造化データも連動して直る仕組みなら、ずれの事故は起きにくくなります。
ただし、プラグインが出力する内容は、実際のページに合っているかを自分の目で確かめてください。初期設定のまま、不要な項目まで出力される場合があるためです。
構造化データを入れない判断も、立派な判断
運用の担当を決められない会社が、無理に入れる必要はありません。
ずれたまま放置された構造化データは、効果が無いだけでなく、ガイドライン上のリスクを抱えます。更新できない体制なら、入れない選択のほうが安全です。
後から体制が整った時点で入れても構いません。
古くなったデータは外す
ガイドラインには、最新の情報を提供すること、日時によって関連性がなくなったコンテンツはリッチリザルトを表示できないこと、という趣旨の記述があります。
期間限定のキャンペーンや、終了した求人の構造化データを残したままにすると、この条件に引っかかります。終わったものは、本文と一緒に構造化データも外してください。
制作会社に依頼している場合は、期限のあるページの一覧を共有しておくと、外し忘れを防げます。
中小企業の種類別:入れる価値があるもの、急がなくてよいもの
ここが、この記事の中心です。
事業の種類ごとに、構造化データを入れる価値があるものと、急がなくてよいものを分けました。どの機能に何が対応するかは、Google検索セントラルの「構造化データのマークアップの一覧」で確かめた内容です。
全業種に共通する判断の軸
どの業種にも共通する軸を先に示します。
軸は3つあります。その情報が、検索結果のどこかで見せたいものか。本文にすでに書いてあるか。更新し続けられるか。この3つがそろえば、入れる価値があります。
1つでも欠けるなら、急ぐ必要はありません。
判断表:業種別
| 事業の種類 | 入れる価値があるもの | 急がなくてよいもの |
|---|---|---|
| 店舗型(飲食、美容、整体など) | 組織やローカルビジネスの基本情報、サイト名、パンくず | 自社の口コミの星、よくある質問 |
| 地域の工務店、リフォーム | 組織の基本情報、パンくず、施工事例ページの記事情報 | 商品、求人(募集していなければ) |
| 士業、コンサルなど | 組織の基本情報、サイト名、記事情報 | 商品、イベント、口コミの星 |
| ネットショップ | 商品、パンくず、組織 | 記事情報(ブログが少ない場合) |
| 製造業、BtoB | 組織、パンくず、製品ページの商品情報 | 口コミの星、イベント |
| 人材募集をしている会社 | 求人情報、組織 | 商品、レシピなどの関係ない型 |
| ブログ、メディア運営 | 記事、パンくず、サイト名 | 商品、求人 |
店舗型:組織の基本情報とサイト名が先
飲食店や美容室のような店舗型は、地図の検索が主戦場です。
そのため、ホームページの構造化データより先に、Googleビジネスプロフィールの情報を最新にすることが大切です。AI機能の文書にも、ビジネスプロフィールの情報を最新に保つ項目が入っています。
地図とAIの関係は、地図検索とAI対策を扱った記事で整理しています。そのうえで、ホームページの組織情報とサイト名を入れる順番です。
工務店やリフォーム会社:施工事例の本文が先
工務店やリフォーム会社では、構造化データよりも施工事例の本文の質が結果を左右します。
どの地域で、どんな工事を、いつ行ったか。その情報が本文に書かれていれば、構造化データを足す価値が出ます。
本文が数行の写真集になっている状態で、構造化データだけを入れても、内容が薄いページの説明が整うだけです。
士業やコンサル:会社の情報を正しく伝える
士業やコンサルのホームページは、ページ数が少なく、更新も多くありません。
このタイプは、組織の基本情報とサイト名を入れておけば、構造化データとしては十分です。ほかの型を足しても、検索結果に出る機会が少ないためです。
費用と効果の釣り合いを考えると、最小限で止めるのが現実的な選択です。
ネットショップ:商品の情報が主役
ネットショップは、構造化データの効果が最も見えやすい種類です。
商品の構造化データは、価格、在庫状況、レビューの評価、配送情報などを検索結果で見せる役割があると、公式文書に書かれています。
商品数が多い場合は、1つずつ手作業で入れずに、商品ページのテンプレートで自動出力する形にしないと、運用が回りません。この点が、見積もりの金額を左右します。
製造業やBtoB:製品ページの整理が先
製造業やBtoBの会社は、個人の消費者向けの機能が合わないことが多いです。
商品の価格を出さない会社が多く、口コミの星も使えません。組織の基本情報とパンくずを入れるのが現実的で、製品情報はページの本文を整えるほうが先です。
購買担当者がAIに相談するときの材料になるのは、構造化データよりも、仕様や対応範囲を文章で正確に書いたページです。
人材募集をしている会社:求人情報は価値が高い
求人情報の構造化データは、検索の求人欄に表示される仕組みと結びついています。
公式文書には、求人情報の構造化データを追加すると、求人情報がGoogleの求人検索機能の表示対象となり、ロゴ、レビュー、評価、求人の詳細を目立たせることができる、という趣旨の記述があります。
採用に困っている会社は、構造化データの中で最も実利に近い部分です。ただし、募集を終えたら外す運用が必要です。
ブログやメディア:記事とパンくず
記事を発信している会社は、記事の構造化データとパンくずリストが候補です。
パンくずリストは、サイト階層内のどこにページがあるかを示すもので、文書では、パソコン版で提供される機能と説明されています。
ブログの記事が10本に満たない段階では、効果を測れるほどの量がありません。記事を増やすほうが先です。
入れる順番の目安
複数の型を提案されたときの、入れる順番の目安も示します。
| 順番 | 入れるもの | 先にする理由 |
|---|---|---|
| 1 | 組織の基本情報とサイト名 | ホームページ1つにつき1回で済み、更新が少ない |
| 2 | パンくずリスト | サイトの階層が決まっていれば、テンプレートで自動化できる |
| 3 | 商品または求人情報 | 検索結果の見せ方に直結し、効果を確かめやすい |
| 4 | 記事の情報 | 記事の本数がそろってから、効果を測る |
| 5 | 口コミの星やその他 | 条件が厳しく、本文との一致の手間も大きい |
この順番は、更新の手間と、検索結果への直結度で決めています。業種によって入れ替わる場合があるので、目安として使ってください。
入れたら何が変わり、何が変わらないのか
ここまでの内容を、「入れたら何が変わるか」の視点でまとめ直します。
期待しすぎず、軽視もしない見方を持つための表です。
変わると期待できること
通常の検索では、リッチリザルトやナレッジパネル、サイト名といった見せ方が変わる可能性があります。
ただし、表示は約束されていません。条件を整えて、表示されるのを待つ形になります。
変わると約束されていないこと
AIの回答に自社が出るかどうかは、構造化データだけでは決まりません。
Googleの公式文書は、AI機能に表示されるための追加の要件は無いと書いています。出るかどうかは、本文の質と、インデックスされているか、といった基本で決まります。
変化の見込みを表で比べる
| 項目 | 変わる可能性 | 根拠 |
|---|---|---|
| 検索結果の星や価格 | あり(機能の条件を満たし、Googleが表示を選んだ場合) | 構造化データの概要と一般的なガイドライン |
| 会社名やロゴの整理 | あり | 組織の構造化データの文書 |
| 検索結果のサイト名 | あり(自動判断を助ける材料になる) | サイト名の文書 |
| AIによる概要への掲載 | 特別な効果は公式に示されていない | AI機能とウェブサイト |
| 順位 | 公式文書に上げるという記述は見つからなかった | 今回開いた文書の範囲 |
| ChatGPTなど他のAIの回答 | 今回は公式の説明を確かめられなかった | 確認不可 |
構造化データより手前で確認する5項目
構造化データの見積もりを取る前に、無料で確かめられる項目があります。
「AI機能とウェブサイト」に載っているSEOの基本を、確認用にまとめ直しました。これらが崩れていると、構造化データを入れても効果が出ません。
検索のクローラーを止めていないか
検索のクローラーが、ホームページの内容を読めなければ、何を入れても意味がありません。
文書には、クロールがrobots.txtに加え、配信ネットワークまたはホスティングのインフラでも許可されていることを確認するよう書かれています。制作会社に、検索用のクローラーを遮断する設定が無いかを聞いてください。
サーバーの防御設定が原因で、意図せず遮断されている例もあります。
ページがインデックスに登録されているか
AI機能にページが出る条件の1つが、インデックスへの登録です。
Search Consoleで、主要なページの状態を確かめられます。登録されていないページに構造化データを入れても、検索結果には出ません。
登録されない原因が本文の薄さや重複なら、先にそちらを直します。
重要な内容がテキストで書かれているか
文書は、重要なコンテンツはテキスト形式で提示するよう書いています。
営業時間や対応地域、料金の考え方が、画像の中にしか無いと、機械が読み取りにくくなります。構造化データで補う前に、本文として書き起こしてください。
画像の中の文字を、本文にも書く。この作業は、構造化データより安く済み、確実に効きます。
内部リンクで見つけられるか
文書は、コンテンツがウェブサイトの内部リンクから簡単に見つけられるようにすることを挙げています。
トップページから2回の移動で到達できない大事なページは、見つけられにくくなります。サイトのつながりを点検してください。
ホームページ全体の作り方は、AI検索に向けたホームページの見直し方の記事で順を追って書いています。
会社情報が全ページで同じか
見落とされやすいのが、会社の基本情報のばらつきです。
ページごとに社名の書き方や電話番号が違うと、人もAIも、どれが正しいのか迷います。構造化データを入れる前に、本文の側を1つの正しい版にそろえてください。
そろえる項目の例は、自社名がAIの回答に出ない原因を扱った記事でも取り上げています。
5項目の確認表
| 確認項目 | 確かめ方 | 直す担当 |
|---|---|---|
| クローラーの許可 | 制作会社に設定を聞く | 制作会社、サーバー管理者 |
| インデックス登録 | Search Consoleで主要ページの状態を見る | ホームページ担当 |
| 重要情報のテキスト化 | 画像だけで伝えている情報を探す | ホームページ担当 |
| 内部リンク | トップページから主要ページへの到達を試す | 制作会社 |
| 会社情報の統一 | 全ページの社名、住所、電話番号を並べて比べる | ホームページ担当 |
この確認が先になる理由
この5項目は、AI機能の文書に、引き続き大切なSEOの基本として並んでいるものです。
構造化データの費用は、入れる時だけでなく、更新にも手間がかかります。基本が崩れたまま入れると、費用がかさんで効果が出ない、という結果になりやすくなります。
逆に、この5項目が整っていれば、構造化データを入れなくても、AI機能に出る準備はできています。
業者に確かめる質問と、入れたあとの測り方
提案を受けたときに使える質問を、表にまとめました。
そのあとに、入れたあとで効果があったかどうかを確かめる方法を書きます。
見積もりの打ち合わせで聞く質問
| 質問 | 聞く理由 | 安心できる答えの例 |
|---|---|---|
| 何の表示を狙う提案ですか | 目的が具体的かを見る | 検索結果の会社情報や商品の表示を整える、と画面の例つきで説明する |
| AIの回答への効果を約束しますか | 公式の説明と合うかを見る | 約束はできないが、条件を整える作業だと説明する |
| 本文と食い違わない確認は含まれますか | ガイドラインの一致の決まりを守れるかを見る | 本文の情報を元に作り、公開前に突き合わせる |
| 検証ツールでの確認は含まれますか | 品質の確認工程があるかを見る | リッチリザルトテストの結果を納品物に含める |
| 更新が必要になるのはどんな時ですか | 運用の負担を見る | 住所、営業時間、価格の変更時と、連絡の方法を決める |
| 終了した機能は含まれていませんか | 古い提案書を見分ける | よくある質問の表示目的の項目は外してある |
質問への答えをどう評価するか
答えが具体的で、公式文書の言葉に沿っていれば、信頼してよい提案です。
「AIに強くなります」「必ず表示されます」のような言い切りが出たら、慎重に扱ってください。Googleの最適化ガイドも、ランキングでの上位獲得を約束するようなサードパーティのツールには注意するよう、書いています。
質問への答えは、メールなどの文書で残してもらうと、後で確認できます。
入れたあとに確かめること1:リッチリザルトテスト
導入後に最初にやるのは、リッチリザルトテストです。
Googleのドキュメントでは、構造化データの有効性をチェックするうえで使いやすいツールとして紹介されています。重大なエラーが出ていないか、読み取られた内容が本文と合っているかを確認します。
エラーが無くても、表示が約束されるわけではありません。ただし、エラーがあれば表示の対象になりません。
入れたあとに確かめること2:ビフォーアフターの試験
効果を確かめる方法として、公式文書は、構造化データを含むページと含まないページのパフォーマンスを比較する方法を紹介しています。
構造化データを使っていないページをいくつか選び、Search Consoleで数か月分のデータを集めます。そのあと構造化データを追加し、同じように数か月分を記録して比べます。
季節や公開時期に影響されにくく、一定回数以上見られているページを選ぶのがコツです。小さなサイトでは、数か月かかる前提で進めてください。
入れたあとに確かめること3:生成AIの表示を見る
Googleの最適化ガイドには、Search Consoleに生成AIのパフォーマンスレポートがあると書かれています。
Google検索と、おすすめ表示の枠での生成AI機能の成果を測るためのレポートです。構造化データを入れる前後で、自社のページがどう見つけられているかを確認できます。
公式文書の構造化データの概要を詳しく知りたい方は、公式の概要を読み解いた記事も参考になります。
測るときの注意
数か月かけて比べても、原因を構造化データだけに絞るのは難しいです。
同じ時期に本文を直した、季節で検索数が変わった、といった要因が混ざります。比較の前後で、構造化データ以外の変更をなるべく入れないようにしてください。
「変化が見えなかった」という結果も、立派な判断材料です。次の投資を決めるときに役立ちます。
複数の提案を比べるときの採点
制作会社を2社以上比べる場合は、構造化データの項目を同じ物差しで見比べると判断しやすくなります。
| 見る点 | 良い提案の特徴 | 避けたい提案の特徴 |
|---|---|---|
| 目的 | 表示を狙う機能が具体的 | 「AI対策」だけで終わる |
| 範囲 | 事業に合う型だけを入れる | 全部の型を入れると書いてある |
| 約束 | 表示は保証できないと明記 | 表示や引用を確約する |
| 運用 | 更新の連絡方法が決まっている | 納品して終わり |
| 検証 | 検証結果を納品物に含める | 検証の説明が無い |
点数をつけて比べるほどの差が出なければ、金額の安い側を選んでも問題ありません。大切なのは、上の5つの質問に答えられるかどうかです。
よくある質問
Q. 構造化データを入れないと、AI検索に出てこないのですか
いいえ。Googleの公式文書は、AI機能に表示されるための追加の要件は無いと書いています。
ページがインデックスされ、スニペットが表示され、検索の技術要件を満たしていれば、AI機能のリンクとして表示される対象になります。構造化データは、その条件に含まれていません。
Q. すでに入れている構造化データは、外したほうがよいですか
本文と合っていて、更新できているなら、外す必要はありません。
公式のガイドは、構造化データをリッチリザルトの対象となるために役立つものとして、使い続けてよいとしています。食い違いがある場合だけ、直すか外してください。
外す場合は、制作会社に依頼する前に、どのページに入っているかの一覧を出してもらうと作業が早く済みます。
Q. 制作会社に任せきりでも大丈夫ですか
任せきりにすると、更新のずれが起きやすくなります。
少なくとも、住所や電話番号などが変わったときに誰が連絡するのかは、会社の側で決めておく必要があります。導入のときに、検証結果を共有してもらうのも有効です。
契約の内容に、導入後の更新の相談が含まれているかも、確かめておくとよいでしょう。
Q. ブログや記事のページにも入れたほうがよいですか
記事の構造化データは、ブログ記事の検索結果の見せ方を整えるものです。
記事数が少ないうちは、入れても測れるほどの変化は出にくいです。まず本文を増やし、整ってから検討してください。
記事の本数が増え、パンくずなどの階層も整ってきた段階が、検討の目安になります。
Q. ChatGPTなど、Google以外のAIでは効果がありますか
今回の調べでは、Google以外のAIが構造化データをどう扱うかについて、確かめられる公式の説明を見つけられませんでした。
効果があると断定する根拠も、無いと断定する根拠も、手元にありません。そのため、Google以外のAIを理由にした提案は、根拠の文書を出してもらってから判断するのが安全です。
まとめ
この記事の結論を整理します。
AI検索のためだけに、構造化データを入れる必要はありません。Googleの公式文書は、AI機能のための特別な構造化データは無いと書いています。
「売れるサイトはみな謙虚」という弊社の考え方でも、仕組みを足す前に、本文の事実を整えて、要らないものを引き算します。
一方で、通常の検索のリッチリザルトやナレッジパネル、サイト名の表示には、構造化データが役立ちます。事業の種類によって、入れる価値は大きく変わります。
入れるなら、本文と一致させること。更新の担当を決めること。終了した機能を見積もりから外すこと。この3つを守ってください。
AI検索への備えとしては、構造化データより手前の基本が先です。クローラーの許可、インデックス登録、重要情報のテキスト化、内部リンク、会社情報の統一。この5項目が整っていれば、準備はほぼできています。
業種ごとの最初の1手
事業の種類ごとに、今週中にできる最初の1手を書きます。
店舗型の会社は、Googleビジネスプロフィールの営業時間と電話番号を、ホームページの本文と見比べてください。ネットショップは、主力商品のページで価格の表記が検索結果と合っているかを見ます。
士業や製造業の会社は、会社概要の社名と住所が全ページで同じかを確認します。採用に力を入れている会社は、掲載中の求人の募集状況が古くなっていないかを見てください。
どの業種も、最初の1手は元の情報をそろえることです。構造化データを作る作業は、そのあとに来ます。
読み終えたあとの動き方
提案書を持っている方は、まず「入れたい理由を一文で言えるか」を確かめてください。
言えるなら、本文との一致と更新の担当を決めて進めます。言えないなら、いったん保留にして、手前の5項目を点検します。
保留は、断ることと同じではありません。根拠が出そろうまで、決めるのを待つだけです。
次に読むと役立つ記事
AI検索全体で、やらなくてよい対策とやるべき対策を整理したい方は、やってはいけないLLMO対策の記事が役立ちます。
構造化データも、その中の1項目として扱われています。この記事は、その1項目を事業の種類別に掘り下げたものです。
今日できる点検
最後に、今日、30分で確認できる点検を表にしました。
| 点検すること | 見る場所 | 結果で決めること |
|---|---|---|
| 提案書に「AIに強くなる」という文言があるか | 業者の提案書、見積もり | あれば根拠の文書を求める |
| よくある質問の構造化データが含まれていないか | 見積もりの項目 | 含まれていたら外す |
| 本文の社名、住所、電話番号が全ページで同じか | 会社概要、フッター、問い合わせページ | 食い違いを先に直す |
| 主要ページがインデックスに登録されているか | Search Consoleのページ登録の状態 | 未登録なら原因を調べる |
| 構造化データを更新する担当は誰か | 社内、制作会社 | 決まっていなければ導入を保留する |
| 入れたい理由を一文で言えるか | 自社の目的 | 言えなければ急がない |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
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