ChatGPTやGoogleに、自社の名前がどう扱われているかを確認したことはあるだろうか。大掛かりな計測ツールを導入しなくても、今日、無料で確かめる方法がある。この記事では、ChatGPT・GoogleのAIモード・Geminiのそれぞれについて、すぐに実践できる確認手順と、入力する内容にまつわる注意点を解説する。
この記事の前提として、LLMO対策に新しい道具は要りませんもあわせてご覧ください。
ChatGPTで確認する方法
ChatGPTのアドレスに「?q=」というパラメータを付けて質問文を渡すと、その文章が入力欄に自動で入り、送信される挙動が確認されている。基本の形は「https://chatgpt.com/?q=(質問文)」で、質問文に日本語や記号を含む場合は、URLエンコードした状態で渡す必要がある。
ただし、このパラメータは提供元の公式なヘルプページに記載があるものではない。セキュリティ研究者による調査で、この挙動自体は確認されているが、正式な仕様として保証されたものではない。予告なく変わる可能性がある前提で使ってほしい。
確認内容を残さずに試したい場合
個人アカウントの履歴に調査ログを残したくない場合、多くの解説では「ログアウト状態で試す」という方法が紹介されている。しかし、ここには誤解が広がっている点がある。ログアウト状態であっても、その対話内容は既定でモデルの学習に使われる可能性があり、学習から除外するには別途設定でオフにする操作が必要になる。
学習に使われず、かつ履歴にも残らない状態で確認したい場合は、「一時的なチャット」という機能を使うのが確実である。この機能を使った対話は学習に利用されず、不正利用の監視という目的でシステム上に最大30日間保持されたのち、削除される。「ログアウトすれば安全」というより、「一時的なチャットを選べば学習除外になる」という理解が正確である。
GoogleのAIモードで確認する方法
通常の検索結果画面から、AIによる回答だけを抜き出して確認したい場合は、検索URLの末尾に「&udm=50」を付け加える。この状態でアクセスすると、従来の検索結果や広告の大部分が表示から外れ、AIによる合成回答が画面の上部を占めるようになる。
具体的には「https://www.google.com/search?q=(調べたい語句)&udm=50」という形でアクセスする。このパラメータもGoogleが正式に公表している仕様ではなく、内部的な実装として複数の技術系情報源で確認されているものである。同種のパラメータとして画像検索・動画検索・ニュース検索にも割り当てがあるが、どの数字が何に対応するかは情報源によって食い違いが見られるため、自分で実際にアクセスして挙動を確かめるのが確実である。
ブラウザに登録しておくと毎回楽になる
この確認を日常的に行うのであれば、ブラウザのカスタム検索エンジン機能に登録しておくとよい。検索エンジンの管理画面から、クエリのURLとして「https://www.google.com/search?q=%s&udm=50」を登録し、好きな呼び出し文字列(たとえば「あい」)を割り当てておけば、アドレスバーに「あい (調べたい語句)」と入力するだけで、AIモードの回答画面に直接アクセスできるようになる。
Geminiで確認する場合の注意点
Geminiについても、通常のWeb版(gemini.google.com)を開いて質問すること自体は可能である。ただし、厳密に条件をそろえた定点観測を行いたい場合、Web版には出力のブレを制御しきれないという制約がある。応答の多様性を左右する内部設定がユーザー側から見えず、かつ検索結果を自動で取り込むグラウンディング機能が働くため、モデル単体の傾向なのか、検索結果の影響なのかを切り分けにくい。
より厳密な確認をしたい場合は、開発者向けのAPIを経由する方法がある。API経由であれば、出力のランダム性を左右するパラメータを指定でき、値を下げるほど同じ入力に対する応答が揃いやすくなる。ただし、値を0に設定しても完全に同じ回答が毎回得られると保証されているわけではない。提供元の技術文書でも、値を0にした場合の挙動について「決定論的になる」とする記述と、「ほぼ決定論的だが変動の余地は残る」とする記述の両方が見られ、完全な再現性を約束するものではない点には注意したい。日常的な自社名の確認であれば、この技術的な制約を意識するよりも、次の章で述べる「複数回試す」という原則の方が実用的である。
入力してよい内容の範囲
手軽に試せるからといって、確認のために未発表の情報や、他社に関わる機密性の高い内容を入力するのは避けたい。無料で使えるチャット系のAIサービスの多くは、既定の設定では入力内容がサービス改善や品質向上の目的で利用される場合がある。学習の対象から外す設定や、履歴を残さない機能が用意されているサービスもあるが、それでも「不正利用の監視」のような目的で一定期間はシステム上にデータが残ることが一般的である。
特に、サービスによっては、対話内容を訓練を受けた人間の担当者が品質確認のために読む可能性があると、利用規約上で明示されているものもある。自社名や公開情報の範囲内での確認であれば大きな問題にはなりにくいが、非公開のプレスリリース案や取引条件のような内容を投入するのは避け、公開情報の確認に用途を絞ることを勧める。
1回の確認で結論を出さない
ここまでの手順で確認できるのは、あくまで「その瞬間の1回の回答」である。生成AIの回答は、同じ質問を同じ条件で投げても、毎回まったく同じ文章になるとは限らない。自社の名前が挙がったかどうかを1回の結果だけで判断すると、たまたま挙がった、あるいはたまたま挙がらなかった結果に振り回されることになる。
この点については、AIの回答が毎回変わる理由も含めて、別の記事で詳しく扱っている。ここでは、少なくとも同じ質問を数回は繰り返し、出現の傾向を見るという心構えだけを押さえておいてほしい。
よくある質問
この確認方法は無料でできますか
ChatGPT・GoogleのAIモードともに、無料で使える範囲での確認が可能である。Geminiの厳密な定点観測にAPIを使う場合は、利用量に応じた従量課金が発生することがある。
自社名が出てこなかった場合、すぐに対策すべきですか
1回の確認で判断せず、複数回・複数の言い回しで試したうえで傾向を見てから判断したい。単発の結果で一喜一憂すると、的外れな対策に予算を割いてしまう可能性がある。
確認に使ったURLパラメータは、今後も使えますか
いずれも各社が正式に仕様として保証しているものではないため、将来的に挙動が変わったり使えなくなったりする可能性がある。定期的に実際にアクセスして、想定通りに機能しているかを確かめることを勧める。
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