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  3. PEST分析とは 4項目の例とテンプレート 外の変化を自社サイトの更新予定に変える手順

PEST分析とは 4項目の例とテンプレート 外の変化を自社サイトの更新予定に変える手順

2026 11/01
2026年11月1日
中野輝規
PEST分析とは 4項目の例とテンプレート 外の変化を自社サイトの更新予定に変える手順

PEST分析を調べると、政治、経済、社会、技術の4つの項目と、大手企業を題材にした記入例が並んでいます。表の形は一目で分かるのに、自社のホームページの何を直せばよいのかは、どの解説にも書かれていません。

この記事は、中小企業の経営者と、経営計画やマーケティングの資料づくりを任されたWeb担当者に向けて書きました。PEST分析の意味、4つの項目の中身、業種ごとの例、テンプレート、ほかの分析との使い分けを押さえます。そのうえで、外の変化を拾い、自社サイトの更新予定表に変えるところまで進みます。

使った資料は、書いた日に開いて確かめたものだけです。総務省統計局の統計トピックスNo.149(2026年9月20日)、総務省の令和7年通信利用動向調査(2026年5月29日公表)、経済産業省の令和7年度電子商取引に関する市場調査(2026年10月21日公表)、総務省統計局の消費者物価指数(2026年9月分、10月23日公表)、中小企業庁の取引適正化のページです。どれも2026年11月1日に開いて、記述を確認しました。

PEST分析を最初に唱えた人と年は、辞書や学術の一次情報で確かめられなかったため、書いていません。4つの項目の意味は、解説記事で広く共通している内容を、自分の言葉で書き直しています。

目次

先に答え:PEST分析は、外の変化を拾って、自社サイトの更新予定に変える道具として使う

PEST分析とは、自社の外で起きている変化を、政治、経済、社会、技術の4つの項目に分けて整理する方法です。読み方は「ぺすとぶんせき」です。

PESTという名前は、4つの項目を英語で書いたときの頭文字から来ています。Political(政治)、Economic(経済)、Social(社会)、Technological(技術)の4語です。

表を埋めること自体は、1時間もあれば終わります。ところが、埋めた表を眺めても、来週から何を直せばよいのかは見えてきません。

見えない原因は、表の項目が世の中の話で終わっているところにあります。物価の上昇も、人口の減少も、新しい技術も、自社のお客様が何を調べ、何に迷い、何を申し込むかに結びつけなければ、サイトの修正にはなりません。

中小企業の場合、結びつける先のほとんどは、自社のホームページのどこかのページです。政治の項目は料金や契約の注意書きに、経済の項目は価格の説明に、社会の項目はお客様の層と事例に、技術の項目は見つけられ方と申し込みの導線に、それぞれ対応します。

次の表が、この記事で進める全体の流れです。

段 やること 出てくるもの
1 外の変化を、4つの項目に分けて集める 変化の一覧
2 3つのふるいにかけて、自社に関わるものだけ残す 拾った要因の一覧
3 拾った要因を、サイトの4か所に対応させる 直すページの一覧
4 公表される日を調べて、更新予定表に入れる 更新予定表

流れの出口は、更新予定表です。変化の一覧は途中の材料にすぎません。この記事では、一覧を更新予定表に変える作業に、紙面の半分以上を使います。

4つの項目と、ホームページの場所の対応

4つの項目は、ホームページの決まった場所に結びつけられます。最初に対応の全体像を見ておくと、後の章が読みやすくなります。

項目 結びつくページ 書き直す内容の例
政治 契約、注意書き、制度の案内 ルールが変わった日付と、お客様に関わる点
経済 料金の説明、見積もりの案内 価格が決まる条件と、見積もりの有効な期間
社会 お客様の層、事例、よくある質問 お客様が使う言葉と、暮らしの変化に合わせた質問
技術 トップページ、申し込みの導線 スマホでの読みやすさと、受付の手段

対応の細かい決め方は、後の章で順に説明します。ここでは、4項目のどれもが、ホームページのどこかに結びつくことだけ覚えてください。

結びつかない要因が出てきたら、その要因は今回の表には載せません。載せないと決めることも、この分析の大事な作業です。

1文で言うと

PEST分析は、世の中の変化のうち、自社のお客様の行動を変えるものだけを選び、サイトのどのページをいつ直すかまで書き込む表です。

世の中の変化は無数にあります。全部を拾おうとすると、表は大きくなり、誰も読まなくなります。拾う基準を先に決めることが、この記事の軸です。

この記事で使う言葉

読み進めやすいように、記事の中で使う言葉を先に決めておきます。

言葉 意味 例
要因 項目ごとに集めた、外の変化の1件 物価が上がっている
ふるい 要因を残すか捨てるかを決める3つの問い 近いか、確かか、書けるか
拾った要因 ふるいを通って残ったもの 見積もりの有効期間が短くなった
更新予定表 拾った要因を、ページと日付に結びつけた表 料金のページを3月に見直す

要因という言葉は、解説によって「環境要因」「外部要因」と呼ばれることもあります。この記事では短く「要因」と呼びます。

表を埋める前に決める3つのこと

表を埋める前に、次の3つを決めておきます。ここが曖昧だと、拾う範囲が際限なく広がります。

決めること 決め方の目安 決めないと起きること
使い道 ホームページの見直し、価格の見直し、新しい商品の検討のどれか1つ 何でも拾って、表が大きくなる
見る期間 1年先までか、3年先までか 来月の話と10年先の話が混ざる
見る範囲 自社の商圏と取引先の業界 世界情勢まで書いて、手が止まる

この記事の使い道は、ホームページの見直しです。見る期間は1年先まで、見る範囲は自社のお客様が暮らす地域と、取引先の業界とします。

範囲を狭く決めると、表は小さくなります。小さい表は、会議で最後まで読まれます。

1日で終える進め方

この記事の手順は、1日で終えられる分量にしてあります。午前と午後に分けて進めると、頭が切り替わって進めやすくなります。

時間帯 やること 使う道具
午前の前半 使い道と範囲を決め、変化を集める 変化の記入表
午前の後半 3つのふるいにかける ふるいの表
午後の前半 拾った要因を、サイトの4か所に対応させる 対応表
午後の後半 公表の日付を調べ、更新予定表をつくる 更新予定表

1日で一通りの形をつくると、完成度は低くても、更新予定表という出口まで到達できます。出口まで行った経験があると、次の見直しが楽になります。

最初から完璧を狙うと、集める作業だけで日が暮れます。粗くてよいので、まず1周します。

忙しい人のための読み方

全部を読む時間がない場合は、次の順に拾い読みしてください。

知りたいこと 読む場所
意味と4項目の中身 この節と、続く「4つの項目」の章
自社の業種の例 「業種別の例」の章
すぐ使える表 「テンプレート」の章
今日やること 末尾の「今日できる点検」

表を埋める前に、手元に置くもの

作業を始める前に、次の4点を手元に置いておくと、途中で止まりません。

手元に置くもの 理由
最近3か月の問い合わせの記録 社会と経済の要因の材料になる
自社のホームページの主なページの一覧 直す先をすぐ選べる
契約書や取引条件の書面 政治の要因が当たる場所を確かめられる
見積もりを断られた理由の記録 経済の要因の裏づけになる

記録が手元にない会社は、今日から残し始めるだけでも意味があります。記録は、1か月分でも役に立ちます。

外の変化を知らないままでいると、起きること

外の変化を知らないままでいると、お客様が先に気づいて、自社が後から対応することになります。

場面 起きること
制度の変更に気づかない 古い案内を見たお客様が、窓口で戸惑う
物価の動きに気づかない 見積もりの金額の理由を問われて、答えられない
お客様の道具の変化に気づかない 電話だけの受付が、選ばれなくなる

どれも、起きてから直すと、お客様の信頼を失ったあとの修正になります。先に気づいて直すほうが、費用も手間も小さく済みます。

この記事に出てくる5つの会社

記事の中では、架空の小さな会社を5つ使います。業種が違うと外の変化の当たり方が変わるので、5つを並べて読むと違いが見えます。

会社 仕事 お客様
A社 住宅のリフォームを請ける工務店 戸建てに住む家族
B社 定期テストの点を上げる指導が中心の学習塾 中学生の保護者
C社 電子基板の修理を請ける小さな工場 地元の製造業の会社
D社 雑貨を店とネットで売る小売店 贈り物を探す個人
E社 相続と確定申告を扱う税理士事務所 個人と小さな会社

5つとも、実在の会社ではありません。例を読みやすくするために設定した会社です。

よくある誤解

PEST分析には、広く出回っている誤解がいくつかあります。先に整理しておきます。

誤解 実際
大企業が使う分析で、小さな会社には要らない 小さな会社ほど、外の変化の影響を直接受ける
4つの欄を全部埋めないといけない 関係の薄い欄は空でよい
一度つくれば、ずっと使える 外の変化は動くので、定期的に見直す
数字や統計が揃っていないと始められない まず現場で聞いた変化から始めてよい
分析の結果が、そのまま戦略になる 選んで決める作業が別に要る

特に4つ目は、手が止まる原因になりやすい誤解です。統計は後から足せます。最初は、お客様から聞いた話や、取引先との会話で十分です。

項目の順番に意味はあるのか

政治、経済、社会、技術の順番は、名前の頭文字に合わせた並びにすぎません。重要度の順ではありません。

業種によって、効いてくる項目は変わります。規制の多い業種は政治から、観光や小売は経済から、教育や介護は社会から見るほうが早く済みます。

C社のような修理業では、取引先との契約に関わる政治の欄と、見積もりに関わる経済の欄が先に効きます。自社に近い欄から埋めると、表が早く役に立ちます。

ほかの分析記事との違い

当サイトには、3C分析、4P分析、STP分析、SWOT分析の記事があります。どれも、表を埋めたあとに自社サイトの何を直すかまで書いた記事です。

PEST分析の記事は、同じ型でも見る方向が違います。ほかの分析が自社と市場の内側を見るのに対して、PEST分析は自社の手が届かない外側を見ます。

分析 見る範囲 各記事が答えること
3C分析 顧客、競合、自社の3つ トップページの最初の一文
4P分析 製品、価格、流通、販促の食い違い 食い違いから直すページ
STP分析 市場の分け方と狙う相手 自社サイトの一文
SWOT分析 強み、弱み、機会、脅威 やることとやめること
PEST分析 政治、経済、社会、技術の外の変化 直すページとその日付

PEST分析で拾った要因は、SWOT分析の機会と脅威の欄にそのまま入ります。外側の材料を集める作業がPEST分析で、集めた材料を使って選ぶ作業がSWOT分析です。

先日見かけたQ&Aサイトの悩み:「基板修理業のPEST分析で、何が考えられるか」

先日、Q&Aサイトでこのような質問を拝見しました。電子基板の修理を仕事にしている方が、自分の仕事についてPEST分析をしたいと考え、どのようなことが考えられるのかを知りたいと投稿していました。

質問は1行だけでした。分析の目的も、会社の規模も、お客様が誰なのかも書かれていません。

寄せられた回答は、動画の紹介が1件だけ

寄せられた回答は1件でした。言葉は違うけれど、以前に有名な実業家が話していたアドバイスが参考になる、という趣旨で、動画を1本紹介していました。

質問した方は、おそらく困ったままだったと思います。動画を見ても、自分の仕事の政治や経済に何が当たるのかは、自分で探すしかないからです。

この回答を責める気はありません。質問が短いと、答える側も短くなります。ただ、質問の側にも、答えを引き出すために書けることがあります。

質問に書かれていなかったこと

質問には、この分析を何に使うのかが書かれていませんでした。事業計画に載せるのか、仕入れ先との交渉に使うのか、ホームページを作り直すのかで、拾うべき要因は変わります。

使い道が決まっていない状態で外の変化を集めると、集めるべき範囲が決まりません。世界の半導体の動き、国内の法律、人口、電気代と、いくらでも広がってしまいます。

PEST分析で手が止まる理由は、ここにあります。項目の中身は分かっています。分からないのは、どこまで拾えば終わりなのかです。

修理業の目で見ると、何が当たるのか

この質問を、修理業の目で整理してみます。あくまで考える手がかりとしての例で、実際の会社の事実ではありません。

項目 考えられること お客様に近いか
政治 下請け取引のルールの改正、修理の依頼を受ける側を守る法律 取引先の工場との契約に近い
経済 物価の上昇、部品や電気の値動き 見積もりの前提に近い
社会 設備を直せる人の減少、古い機械を長く使う動き 修理を頼む理由に近い
技術 基板の部品の小型化、受付のオンライン化 依頼の出し方に近い

表の右の列を読むと、4項目のどれもが、見積もり、契約、依頼の出し方といった、お客様とのやり取りに結びついています。

世の中の変化を、お客様とのやり取りに結びつけて読む。その読み方を、この記事では順に説明していきます。

修理業に限らず、短い質問が多い理由

Q&Aサイトでは、短い質問がよく見られます。投稿する側は、背景を書くと長くなると感じて、要点だけを書くからです。

ところが、背景が欠けた質問は、答える側にとって、前提が分からない質問になります。結果として、一般的な答えか、別のページへの案内になります。

自社の資料づくりでも同じことが起きます。「PEST分析をやっておいて」と指示された担当者は、背景を聞けないまま、一般的な表をつくります。指示する側が、使い道と期間を1行添えるだけで、結果は変わります。

質問の書き方を直すなら

質問する側も、書き足せることがあります。次の4点を添えると、回答は具体的になります。

書き足すこと 質問の例
会社の規模と取引先 従業員数人で、取引先は地元の工場です
分析の使い道 ホームページの作り直しに使います
見る期間 来年1年の見通しを知りたいです
すでに考えたこと 物価と法改正は調べました。社会の欄が空です

使い道を書くだけで、回答の質は変わります。これは質問に限らず、自社で資料をつくるときにも当てはまります。

中小企業のホームページでも、同じ所で手が止まる

この質問は、学生の課題に限った話ではありません。自社のPEST分析を任された担当者も、同じ所で手が止まります。

経営計画の資料にPEST分析の表を入れるよう指示されたとします。ネットで調べて、政治の欄に「法改正」、経済の欄に「景気」、社会の欄に「少子高齢化」、技術の欄に「AIの普及」と書きます。

書いたものは、間違ってはいません。ただ、どの会社の表にも書ける言葉です。自社の売上にも、ホームページにも、結びついていません。

上司に「で、うちは何をするのか」と聞かれると、静かになります。表に問題があるわけではありません。表から導かれる作業が、書かれていないのです。

PEST分析とは:意味と4つの項目、何のために使うのか

ここでPEST分析の基本を、短く確認します。すでにご存じの方は、次の節に進んでください。

PEST分析の意味

PEST分析とは、企業を取り巻く外部環境を、政治、経済、社会、技術の4つの視点で整理する分析の枠組みです。

外部環境とは、自社の努力では動かせない周りの状況を指します。法律を変えることも、物価を下げることも、人口を増やすことも、1つの会社にはできません。

動かせない状況を、先に知っておく。それがこの分析の役割です。

マクロ環境と、自社が動かせる範囲

外部環境は、大きく2つに分けて考えるのが普通です。広い範囲の変化を指すマクロ環境と、競合や取引先といった身近な相手を指すミクロ環境です。

PEST分析が扱うのは、前者のマクロ環境です。競合や取引先の動きは、3C分析やSWOT分析の側で扱います。

区分 含まれるもの 自社が動かせるか 向く分析
マクロ環境 法律、景気、人口、技術の普及 ほぼ動かせない PEST分析
ミクロ環境 競合、取引先、お客様 関わり方は選べる 3C分析
自社の内側 商品、価格、人、設備 動かせる 4P分析、SWOT分析

自社が動かせる範囲に近いほど、直すべきことは見つけやすくなります。マクロ環境は遠い分、拾い方に工夫が要ります。

何のために使うのか

PEST分析を使う目的は、先を見て備えることです。外の変化が自社にとって追い風か向かい風かを、起きる前に見当をつけます。

追い風は機会、向かい風は脅威と呼ばれます。機会と脅威は、SWOT分析の外側の2つの欄に当たります。

もう1つの使い道が、思い込みを防ぐことです。自社の事業の中にいると、お客様の暮らしや法律の動きが目に入りにくくなります。決まった4つの視点で外を見ると、見落としが減ります。

4つの項目を一言で

4つの項目は、次のように短く言い換えると覚えやすくなります。

項目 一言で言うと 変化が起きる速さ
政治 守らなければならないルールの変化 公布から施行まで日付が決まる
経済 お金の流れと、買う側の財布の変化 毎月の統計に出る
社会 人の数、暮らし、考え方の変化 ゆっくり動く
技術 使える道具と、探し方の変化 普及の速さに幅がある

変化の速さが違うため、見直す頻度も項目ごとに変わります。ルールの変化は日付が決まっているので、先に予定に入れられます。社会の変化はゆっくりなので、年に1度の確認で足ります。

分析する単位を決める

会社全体でやるのか、事業ごとにやるのかも、先に決めます。複数の事業を持つ会社が1枚の表にまとめると、どの事業にも当てはまらない表になります。

単位 向く会社 注意点
会社全体 事業が1つの小さな会社 項目を絞って書く
事業ごと 事業が2つ以上ある会社 事業の数だけ表を分ける
地域ごと 複数の地域で店を構える会社 地域の条例や人口を分けて見る

事業が2つ以上あるのに1枚で済ませたくなる場合は、最も売上の大きい事業から先に1枚つくります。

PESTに項目を足す人もいる

PEST分析に、法律と環境の2項目を足して、PESTLE分析と呼ぶ人もいます。法律の項目を独立させるのは、規制の多い業種で、政治の欄が膨らみすぎるからです。

この記事では、PESTの4項目で進めます。中小企業が最初に取り組むときは、項目が少ないほうが続けやすいからです。

法律の話は、政治の欄に入れて構いません。表が大きくなりすぎたと感じたときに、初めて項目を分ければ十分です。

使う場面と、使わない場面

PEST分析は、いつでも使える道具ではありません。向いている場面と、向いていない場面があります。

場面 向くか 理由
新しい事業や商品を始める前 向く 外の追い風と向かい風を先に知れる
年に1度の計画づくり 向く 定期的に外を見直す機会になる
ホームページを作り直す前 向く お客様の行動の変化をページに反映できる
来月の売上が足りないとき 向かない 外の変化は、すぐには効かない
競合のページを直したいとき 向かない 競合は3C分析で見る

来月の売上を上げたいときは、4P分析や3C分析のほうが近道です。PEST分析は、半年から数年先を見るときに使います。

使う場面を間違えなければ、この分析はサイトの更新を計画的にする助けになります。次の章で、4つの項目の中身を順に見ていきます。

誰が、どのくらいの時間でやるのか

小さな会社では、経営者と担当者の2人で、2時間から3時間あれば最初の1枚はつくれます。時間を区切ると、完璧を狙わずに済みます。

作業 かける時間の目安 担当
使い道と範囲を決める 15分 経営者と担当者
変化を集める 60分 担当者
ふるいにかけて残す 30分 経営者と担当者
ページに対応させる 30分 担当者
更新予定表に入れる 15分 担当者

集める作業は担当者が1人で進め、残すかどうかの判断は経営者と一緒に行います。お客様を最もよく知っているのは、現場に立つ人だからです。

4つの項目の中身:政治、経済、社会、技術で、中小企業はどこまで拾えばよいのか

4つの項目を、1つずつ見ていきます。それぞれに、見る先、拾う例、ホームページとの結びつきを添えます。

数字は、2026年11月1日に開いた公的な資料から引きます。数字を引く目的は、変化が本当に起きているかを確かめることです。

政治:ルールの変化は、公布と施行の日付が決まっている

政治の項目で見るのは、法律、制度、税、補助、規制の変化です。国の政治の話だけでなく、自治体の条例や業界のルールも入ります。

政治の変化には、大きな特徴があります。公布の日と施行の日が決まっていることです。ほかの3項目と違い、先に予定へ入れられます。

最近の例として、下請法の改正があります。中小企業庁の取引適正化のページには、次の記述があります。

「本改正法は令和8年1月1日から施行されます。」

同じページによると、この法律は令和7年5月16日に成立し、同月23日に公布されました。下請代金支払遅延等防止法と下請中小企業振興法の一部を改正するもので、振興法は受託中小企業振興法という名前になります。

取引の相手が工場や事業者である会社は、契約や取引条件の説明を見直す理由になります。どの取引が対象になるかは、取引の中身や事業者の規模で決まります。個別の判断は、公式の説明で確かめてください。

見る先 拾う例 ホームページとの結びつき
法律の改正 取引や契約のルールの変更 契約や注意書きの文面
税や補助の制度 申請の受付期間の変更 制度の案内ページの日付
業界の規則 表示や広告のルールの変更 商品説明の表現
自治体の条例 地域ごとの届出の変更 対応地域の案内

制度の名前と期限は、必ず役所のページで確かめてから書きます。解説記事の記述をそのまま写すと、古い情報が残ります。

政治の項目を調べる先

政治の変化は、探す先が決まっています。解説記事を経由せず、決めた役所のページを直接開くと、日付の誤りがありません。

調べる先 見つかるもの 見る頻度
所管の役所のページ 法律の施行日、制度の案内 春と秋
自治体のページ 条例、届出、補助の受付期間 春と秋
業界団体からの案内 業界の規則、規格の変更 届いたとき
取引先からの通知 契約や取引条件の変更 届いたとき

解説記事は、役所のページを読み解く助けにはなります。ただ、日付や条件は、必ず役所のページで確かめてから書きます。

経済:物価と景気は、価格の説明に効く

経済の項目で見るのは、景気、物価、金利、為替、賃金、消費の動きです。自社の仕入れ値と、お客様の財布の両方に関わります。

経済の変化は、毎月の統計に出ます。物価は、総務省統計局の消費者物価指数で確かめられます。

2026年9月分は、10月23日に公表されました。2025年を100とした総合指数は102.2で、前年の同じ月と比べて2.1%の上昇でした。生鮮食品を除く総合も2.1%の上昇、生鮮食品とエネルギーを除く総合は2.4%の上昇です。

数字の意味を、お客様の目で読み替えます。モノの値段が前の年より2%強上がっていれば、お客様は「この値段は高いのか」を以前より気にしています。

見る先 拾う例 ホームページとの結びつき
物価の動き 仕入れ値や光熱費の上昇 料金が決まる条件の説明
金利や為替 借入や輸入品の費用の変化 見積もりの有効期間
賃金や雇用 人手不足、採用の難しさ 受付時間や納期の案内
消費の動き 買い控え、まとめ買い 価格の見せ方、セットの案内

経済の変化に合わせて、料金のページに書くのは、金額そのものではありません。金額が変わる理由と、変わるときの目安です。理由が先に書かれていると、お客様は値上げを受け入れやすくなります。

経済の項目を読むときの注意

物価の数字は、全国の平均です。自社の商圏や、自社が使う資材の値動きとは、ずれることがあります。

数字 読み方 ずれる理由
総合指数の前年同月比 暮らし全体の物価の動き 自社の仕入れ品は別の動きをする
生鮮食品を除く総合 天候で動く品目を除いた動き 食品を扱う会社は総合を見る
生鮮食品及びエネルギーを除く総合 基調的な動き エネルギー費の影響が大きい会社には合わない

2026年9月分で、総合は前年同月比2.1%、生鮮食品を除く総合は2.1%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は2.4%の上昇でした。3つの数字は、見る目的によって使い分けます。

自社に近い数字を選べない場合は、総合指数を使い、「全国の平均では」と書き添えます。範囲を示しておくと、読む人が誤解しません。

社会:人口と暮らしは、お客様の言葉に効く

社会の項目で見るのは、人口、年齢の構成、世帯、働き方、価値観、暮らしの変化です。お客様が誰で、どんな言葉を使うのかに関わります。

社会の変化は、ゆっくり動きます。人口は、総務省統計局の人口推計で確かめられます。

統計トピックスNo.149によると、2026年9月15日現在の65歳以上人口は3624万人で、総人口に占める割合は29.6%でした。前の年より0.2ポイント上がり、過去最高です。

「総人口に占める割合は29.6%と、前年(29.4%)に比べ0.2ポイント上昇し、過去最高となりました。」

同じ資料には、65歳以上の就業者数が943万人と過去最多になったことも書かれています。働く高齢者が増えると、高齢のお客様の暮らしは「引退後」の一言では片づけられなくなります。

見る先 拾う例 ホームページとの結びつき
年齢の構成 高齢のお客様の増加 文字の大きさ、電話での相談の窓口
世帯や暮らし 家族の形の変化 よくある質問の言葉
働き方 休日や夜間に調べる人の増加 予約の受付時間、返信の目安
価値観 長く使う、直して使う動き 修理や保守の案内

社会の項目の拾い方は、数字より現場の声が早い場合があります。お客様から繰り返し聞かれる質問は、社会の変化がお客様の言葉に出たものです。

社会の項目を、自社の商圏で読み直す

全国の数字は、自社の商圏の実態とずれることがあります。年齢の構成は、地域によって大きく異なるからです。

見る単位 調べる先 使い道
全国 総務省統計局の統計 大きな流れを知る
都道府県 県の統計のページ 地域の傾向を知る
市区町村 市区町村の人口の公表 商圏のお客様像を知る
自社のお客様 問い合わせと注文の記録 実際のお客様像を知る

全国の数字で大きな流れをつかみ、自社の記録でお客様の実像を確かめる。この2段構えで、社会の欄は信頼できる欄になります。

技術:道具の普及は、探し方と申し込み方に効く

技術の項目で見るのは、機械、ソフト、通信、検索、決済、人工知能などの普及です。見るのは新しい技術そのものよりも、お客様がどの道具を使っているかです。

総務省の令和7年通信利用動向調査(2026年5月29日公表)には、次の記述があります。

「スマートフォンの保有状況について、世帯の保有割合が91.8%となり、引き続き9割を上回っている。」

同じ調査では、インターネット利用者のうち77.5%が検索サービスを利用し、60.7%が商品やサービスの購入や取引に使っていました。調べて、決めて、申し込むところまでが、スマホの上で完結しています。

見る先 拾う例 ホームページとの結びつき
端末の普及 スマホで見る人の割合 画面の幅、押しやすいボタン
検索や調べ方 検索で比べてから問い合わせる行動 見出しの言葉、質問への答え
決済や申し込み ネットで申し込む人の増加 予約の手段、支払い方法の案内
人工知能の普及 人工知能に質問して調べる行動 質問に直接答える文章

技術の項目は、新しい道具を導入する話に流れやすい項目です。中小企業が最初に見るのは、お客様が使っている道具の側です。自社が道具を増やす話は、その後です。

4つの項目のうち、自社に先に効くものを見分ける

4項目すべてを同じ重さで見る必要はありません。先に効く項目を見分けると、最初の表が小さくなります。

自社の特徴 先に見る項目 理由
取引先が事業者で、契約が多い 政治 ルールの変更が契約に直結する
仕入れ品の割合が大きい 経済 仕入れ値が見積もりに響く
お客様の年齢層がはっきりしている 社会 お客様の言葉と暮らしが変わる
申し込みの多くがネット経由 技術 見つけられ方と導線が成約を決める

自社の特徴を2つ選ぶと、先に見る項目が2つ決まります。ほかの2つは、次の見直しで埋めても間に合います。

項目どうしも、つながっている

4つの項目は、独立して動くわけではありません。政治の変化が経済の変化を呼び、経済の変化が社会の変化を呼ぶ流れが、普通にあります。

つながり 流れの例
政治から経済へ 取引のルールが変わり、価格を決める手順が変わる
経済から社会へ 物価が上がり、お客様が買う前に比べる時間が増える
社会から技術へ 高齢のお客様が増え、電話とネットの両方の受付が求められる
技術から政治へ 新しい道具が広まり、表示や広告のルールが見直される

つながりを1本見つけると、2つの欄の要因が1つの文にまとまります。まとまった文は、そのままページに書く言葉の種になります。

技術の項目の落とし穴

技術の項目では、新しい道具の名前を並べて終わる表をよく見かけます。道具の名前は、お客様の行動を表しません。

並べがちな言葉 書き直した形
人工知能の進歩 質問を文章で入力して調べる人が、自社の商品についても調べている
決済の多様化 支払いの手段が少ないために、申し込みを途中でやめる人がいる
動画の普及 使い方を動画で確かめてから、問い合わせる人がいる

書き直した形は、どれもお客様が何をするかを書いています。行動で書くと、ページに書くことが決まります。

項目ごとの拾いすぎの目安

どの項目も、拾おうと思えばいくらでも拾えます。拾いすぎを防ぐために、項目ごとの上限を決めておきます。

項目 拾う数の目安 拾いすぎのサイン
政治 1件から2件 外国の政治の話が混ざっている
経済 1件から2件 世界の景気の話しか書いていない
社会 2件から3件 自社のお客様と無関係な層の話が入っている
技術 2件から3件 自社が導入しない道具の話が並んでいる

合計で6件から8件に収まると、会議で読み切れる表になります。9件を超えたら、ふるいをやり直します。

公的な数字で見る:4つの項目に、今年の実績を1つずつ当てる

ここまでに引いた数字を、1枚の表にまとめます。どの数字も、公的機関が今年公表した最新の版です。

項目 数字 出どころ 公表日
政治 下請法の改正法の施行日は令和8年1月1日 中小企業庁の取引適正化のページ 2026年11月1日に閲覧
経済 消費者物価の総合指数は前年同月比2.1%の上昇 総務省統計局 消費者物価指数 2026年10月23日
社会 65歳以上が総人口の29.6% 総務省統計局 統計トピックスNo.149 2026年9月20日
技術 世帯のスマートフォン保有割合は91.8% 総務省 令和7年通信利用動向調査 2026年5月29日

4つの数字は、1つずつがホームページの1か所に結びつきます。数字を並べると、表が現実の話に見えてきます。

数字を読むときの注意

統計の数字には、誰を数えたのかという条件があります。条件を外して引くと、自社の話に合わなくなります。

数字 数えた相手 引くときの注意
検索サービスの利用77.5% インターネット利用者 全国民の割合ではない
テレワークを導入している企業50.1% 常用雇用者100人以上の企業 小さな会社の実態は表さない
スマートフォンの保有91.8% 世帯 個人の保有割合は別の数字
物販のEC化率9.80% 物販系分野の商取引全体 ECを使う人の割合ではない

総務省の令和7年通信利用動向調査では、企業調査の対象が常用雇用者100人以上の企業です。調査の概要に、そう書かれています。5人や10人の会社には、そのまま当てはめません。

個人の保有割合は、世帯の割合と別に出ています。同じ調査で、スマートフォンを保有する個人の割合は78.9%でした。自社のお客様が個人なのか世帯なのかで、使う数字が変わります。

経済産業省の数字で、お客様の買い方を見る

経済産業省は、2026年10月21日に、令和7年度の電子商取引に関する市場調査の結果を公表しました。

2025年の消費者向け電子商取引の市場規模は、前年比5.5%増でした。物販系分野の電子商取引化率は9.80%で、前年より0.02ポイント増えています。企業間の電子商取引化率は45.9%で、2.8ポイント増えました。

この数字は、業種によって読み方が変わります。BtoCの物販は9.80%で、まだ1割に届きません。BtoBは45.9%で、取引の半分近くが電子化されています。

業種の型 読み方 ホームページで直す先
個人向けの物販 店での購入がまだ大半 店舗の案内と通販の案内を並べる
企業向けの取引 ネット経由の取引が半分近い 見積もりや注文の受付をネットで完結させる
サービス業 理美容やチケットなど増えている分野がある 予約の導線を先に整える

同じ調査で、サービス系分野は理美容サービスが前年比9.49%増でした。サービス業でも、予約や申し込みがネットに移る流れは進んでいます。

公表の日付を知ると、更新の予定が立つ

統計の公表日は、毎年ほぼ決まった時期にあります。今年の実績を並べると、来年の予定が立ちます。

資料 今年の公表日 見直せるページ
通信利用動向調査 2026年5月29日 申し込みの導線、スマホの見え方
統計トピックス(高齢者) 2026年9月20日 高齢のお客様向けの案内
電子商取引に関する市場調査 2026年10月21日 注文や予約の手段
消費者物価指数(全国) 毎月(9月分は10月23日) 料金が決まる条件の説明
価格交渉促進月間 毎年3月と9月 取引条件の案内

価格交渉促進月間は、中小企業庁が設けている期間です。取引適正化のページには、こう書かれています。

「毎年3月と9月を価格交渉促進月間として設定し、交渉と転嫁が定期的になされる取引慣行の定着を目指しています。」

取引先との価格の話し合いが多い会社は、この2つの月の前にページを見直します。次の公表日が分かれば、見直す日も決まります。

数字をページに書くときの形

引いた数字は、出典の名前と公表日をそのまま文字で書きます。リンクを貼るよりも、名前と日付を書くほうが、読む人にも検索の仕組みにも伝わります。

書き方 例
良い形 総務省統計局が2026年9月20日に公表した統計トピックスによると、65歳以上は総人口の29.6%です
避ける形 高齢者が増えています
避ける形 〜と言われています

数字を書いたら、数字の下に、自社のお客様にとっての意味を1文で添えます。数字だけが並ぶページは、読み飛ばされます。

数字が見つからないときの代わりの集め方

自社の業界に、ぴったりの統計が見つからないことがあります。その場合は、無理に数字を探さず、現場の記録で代えます。

代わりの材料 集め方 使い道
問い合わせの記録 最近3か月の質問を書き出す 社会と技術の要因
取引先との会話 契約や条件の相談のメモ 政治と経済の要因
見積もりで断られた理由 断られた件の記録 経済の要因
検索窓の候補 自社の商品名で語を入れて見る 技術の要因

現場の記録は、統計より新しく、自社に近い材料です。数字に頼れないときは、まず記録を集めます。

外の変化を更新予定表に変えるまで変化を拾う4項目に分けて絞るふるいにかける近い確か書ける結ぶページに対応直す先を決める書き込む更新日を決める春と秋に見直す

業種別の例:5つの小さな会社で、4つの項目を埋めてみる

実際に5つの会社で、4つの項目を埋めてみます。要因は、考える手がかりとして置いた例です。実在の会社の事実ではありません。

A社(リフォームを請ける工務店)の例

A社は、戸建てのリフォームを請ける工務店です。お客様は、築年数の経った家に住む家族が中心です。

項目 拾った要因 お客様への影響
政治 住宅に関する補助制度や基準の改正 工事の内容によって、受けられる制度が変わる
経済 資材や人件費の上昇 見積もりの金額が変わりやすい
社会 高齢の世帯の増加 段差や手すりの相談が増える
技術 検索で工事の事例を比べる行動 事例のページの出来で、問い合わせが分かれる

A社が直すページは、制度の案内ページ、見積もりの案内ページ、事例のページの3つです。制度の名前と期限は、役所のページで確かめてから載せます。

B社(学習塾)の例

B社は、定期テストの点を上げる指導が中心の学習塾です。お客様は、中学生の保護者です。

項目 拾った要因 お客様への影響
政治 学校教育の制度の変更 入試や成績の評価の仕組みが変わる
経済 家計の教育費の見直し 通う回数や科目を絞る家庭が出る
社会 共働きの世帯の増加 送迎や連絡の手間を気にする保護者が増える
技術 学校の連絡のオンライン化 保護者がスマホで情報を受け取る前提になる

B社が直すページは、指導の内容のページ、連絡の方法のページ、体験の申し込みのページです。制度の変更は、教育委員会や文部科学省のページで確かめた内容だけ載せます。

C社(基板修理を請ける工場)の例

C社は、電子基板の修理を請ける小さな工場です。お客様は、地元の製造業の会社です。質問に出てきた修理業の例を、ここで形にします。

項目 拾った要因 お客様への影響
政治 下請法の改正(令和8年1月1日施行) 取引条件の扱いが変わる可能性がある
経済 物価の上昇(総合指数が前年同月比2.1%上昇) 見積もりの前提が変わり、価格の説明が求められる
社会 設備を直せる人の減少 古い機械を直して使い続ける依頼が増える
技術 企業間取引の電子化(BtoBで45.9%) 見積もりや注文をネットで済ませたい取引先が増える

C社が直すページは、見積もりの案内、受付の方法、対応できる機種の一覧の3つです。改正法の影響は、公式の説明で確かめた範囲だけ書きます。

D社(雑貨を売る小売店)の例

D社は、雑貨を店とネットで売る小売店です。お客様は、贈り物を探す個人です。

項目 拾った要因 お客様への影響
政治 表示や広告に関するルールの変更 商品説明や口コミの扱いに注意が要る
経済 物価の上昇と買い控え 比べてから買う人が増える
社会 贈り物の習慣の変化 小さな贈り物や自分用の購入が増える
技術 物販のEC化率が9.80% 店で見てから買う人と、ネットで済ませる人が並ぶ

D社が直すページは、商品の説明、送料と配送の案内、店舗の案内です。物販のネット化率は1割に届かないので、店の案内を削る必要はありません。

E社(税理士事務所)の例

E社は、相続と確定申告を扱う税理士事務所です。お客様は、個人と小さな会社です。

項目 拾った要因 お客様への影響
政治 税や手続の制度の改正 申告や届出の期限、書類が変わる
経済 物価の上昇 費用の見積もりを気にする人が増える
社会 65歳以上が総人口の29.6% 相続の相談が増える
技術 世帯の91.8%がスマホを保有 相談の申し込みをスマホで済ませたい人が増える

E社が直すページは、相続の相談の案内、費用の決まり方、相談の申し込みです。制度の改正は、国税庁など公式のページで確かめた日付を入れます。

5社を並べて見えること

5社の表を並べると、同じ4項目でも、効く項目が違うことが分かります。

会社 先に効く項目 直すページの中心
A社 社会と経済 事例と見積もり
B社 社会と技術 連絡の方法と申し込み
C社 政治と経済 見積もりと受付
D社 経済と技術 商品の説明と配送
E社 社会と政治 相談の案内と費用

どの会社も、先に効く項目は2つです。4つ全部が同じ強さで効くことはありません。2つに絞ると、最初の表は小さくて済みます。

自社の業種に近い型を選び、効く2つの項目から埋め始めてください。

PEST分析の表を埋めても、何も変わらない5つの症状

ここまでで、4つの項目の中身と、5つの会社の例を見ました。表が事実で埋まっていても、現場では次のような症状が出て、止まります。

症状 現場で起きていること 本当の原因
表が埋まって会議が終わる 「よくまとまった」で解散し、翌週は何も変わらない 直す対象が、表に書かれていない
どの会社にも書ける言葉が並ぶ 「法改正」「景気」「少子高齢化」「AIの普及」が並ぶ 自社のお客様と結びついていない
世界や国の話ばかりで終わる 国際情勢の記述が長く、お客様が出てこない 見る範囲を先に決めていない
一度つくった表が何年も使われない 日付が3年前のまま、ファイルが眠っている 見直す日が決まっていない
全部が脅威に見えて何も決まらない 「厳しい」「不透明」の言葉で会議が終わる 拾う基準と、動く基準がない

5つとも、どれか1つの項目の出来が悪いわけではありません。表と、自社のホームページの間に、つなぎが欠けています。

症状1:表が埋まって、会議が終わる

PEST分析の会議は、表を埋めた時点で達成感が出やすい会議です。4つの欄が埋まると、仕事をした気になります。

会議の最後に「で、来週何をやるのか」と聞くと、静かになります。表は埋まっていても、表から導かれる作業が1つも書かれていないからです。

作業が書かれていない表は、翌月には誰も開きません。ファイルの名前だけが共有フォルダに残ります。

症状2:どの会社にも書ける言葉が並ぶ

検索して出てきた例を写すと、どの会社の表にも同じ言葉が並びます。政治の欄に「法改正」、経済の欄に「景気の動向」、社会の欄に「少子高齢化」、技術の欄に「デジタル化」と書く形です。

どれも間違いではありません。ただ、この言葉から、直すページは1枚も決まりません。

見分け方は簡単です。表の言葉の会社名を別の会社に入れ替えても、文として成り立つなら、その言葉は自社の要因になっていません。

症状3:世界や国の話ばかりで、お客様が出てこない

マクロ環境という言葉に引かれて、世界の情勢や国全体の景気を書き並べる会社があります。範囲を広げるほど、立派な分析に見えるからです。

ところが、小さな会社のお客様は、近くの商圏に暮らしています。世界の景気は、お客様の財布に届くまでに、いくつもの段階を経ます。

見る範囲を自社の商圏と取引先の業界に絞ると、書く言葉は急に具体的になります。範囲の決め直しだけで、表の読みやすさが変わります。

症状4:一度つくった表が、何年も更新されない

外の変化は、止まりません。法律は施行され、物価は動き、お客様の道具は入れ替わります。

3年前につくった表を、そのまま使い続けると、とっくに終わった変化を「これから起きること」と書いたままになります。

更新が止まる理由は、更新の日が決まっていないことです。年に2回、決まった月に見直すと決めるだけで、表は生き続けます。

症状5:全部が脅威に見えて、何も決まらない

外の変化を並べると、悪い話ばかりが目につくことがあります。物価の上昇、人手の不足、規制の強化と、向かい風が並びます。

向かい風だけを見ると、会議は「厳しい」という言葉で終わります。動く方向が決まらないまま、時間だけが過ぎます。

同じ変化は、追い風にもなります。直せる人が減れば、直せる会社の価値は上がります。変化の裏表を、1つずつ書き分けることが必要です。

なぜ小さな会社ほど、外の変化を見落とすのか

小さな会社では、経営者も担当者も、目の前の仕事に追われています。外の変化を調べる時間は、後回しになります。

もう1つの理由は、変化の知らせが、小さな会社には届きにくいことです。大きな会社には、業界団体や取引先からの案内が定期的に届きます。小さな会社は、自分から取りに行かないと、知らないまま過ぎます。

見落としの理由 起きること 防ぎ方
目の前の仕事が忙しい 外を見る時間が取れない 春と秋の1時間を予定に入れる
知らせが届かない 施行日を過ぎてから気づく 役所のページを年に2回開く
お客様の声を記録しない 変化が記憶に残らない 問い合わせの記録を残す
担当が決まっていない 誰も見ていない 見直しの担当を1人決める

見落としを防ぐ仕組みは、特別な道具が要りません。予定表に入れて、担当を決めるだけで機能します。

見落としが起きやすい変化の型

見落とされやすい変化には、型があります。型を知っておくと、表をつくるときに探す場所が分かります。

型 例 見落とす理由
ゆっくり進む変化 年齢の構成、暮らしの変化 毎日見ていると、変わった実感がない
日付が決まっている変化 法律の施行日、制度の期限 知らせが届かないと気づかない
お客様の道具の変化 申し込みの手段、探し方 自社が使う道具と、お客様が使う道具が違う
取引先の変化 発注の手順の電子化 取引先から言われるまで気づかない

ゆっくり進む変化は、数字で確かめると見えてきます。日付の決まった変化は、予定表で防げます。

症状の裏にある共通の原因

5つの症状の根は、同じです。外の変化を、お客様の行動とホームページのページに結びつけていません。

症状 欠けているつなぎ
会議が終わる 変化から作業への橋
言葉が並ぶ 変化から自社のお客様への橋
お客様が出てこない 見る範囲を決める線
更新されない 見直す日付
何も決まらない 追い風と向かい風の書き分け

つなぎを1本ずつ足していくと、症状は消えていきます。足し方は、解決策の章で説明します。

B社に起きたこと:保護者への連絡が、電話だけのまま残る

B社の場面を、保護者の目で追ってみます。ある保護者は、共働きで、昼間は電話に出られません。

学校からの連絡は、すでにスマホで受け取る形に変わっています。塾の連絡だけが電話と紙のお知らせで、見落とすたびに、保護者の負担が増えます。

B社の表には、技術の欄に「学校の連絡のオンライン化」と書いてありました。ところが、その要因を連絡の方法のページに結びつけた人がいません。

体験の申し込みを考えている保護者が、ホームページを開きます。申し込みの方法が電話だけと書いてあると、そのまま閉じます。

保護者は、塾の指導の中身を確かめる前に、連絡の手間で候補から外しました。外された事実は、問い合わせの記録にも残りません。

C社に起きたこと:値上げの理由を、先に書かなかった

C社の場面は、取引先の購買担当者の目で追います。担当者は、これまで頼んでいた基板の修理が、次の見積もりで上がっていることに気づきます。

C社の表には、経済の欄に「物価の上昇」と書いてありました。ところが、見積もりの案内のページには、価格が決まる条件が書かれていません。

担当者は、上げた理由が分からないまま、社内で説明を求められます。説明できない見積もりは、稟議に回しにくくなります。

担当者は、理由が書かれている別の工場にも、見積もりを頼みます。比べる手間をかけさせた時点で、C社は選ばれにくくなっています。

物価の上昇という経済の要因は、見積もりの案内の1文に書き直せば、取引先の説明を助ける材料になります。書かなかったことが、失注の原因になりました。

A社に起きたこと:制度の期限を、古いまま載せた

A社の場面は、高齢の親と同居する家族の目で追います。家族は、手すりの取り付けを検討していて、使える補助があるかを調べています。

A社のホームページには、補助制度の案内がありました。ところが、載っているのは数年前の受付期間で、すでに終わった制度の名前です。

家族は、問い合わせの電話で、制度が終わっていることを知ります。その場で、ほかの情報も古いのではないかと疑います。

古い制度の案内は、見つけた人に誤解を与えます。政治の欄の要因は、日付つきでページに載せ、見直す日も決めておく必要があります。

D社に起きたこと:店で見せたい物が、ネットでは伝わらない

D社の場面は、贈り物を探す人の目で追います。ある人は、友人への贈り物を、電車の中でスマホで探しています。

D社の店には、手に取って選べる雑貨が並んでいます。ところが、ホームページの商品の説明は短く、大きさや素材の写真が少ないままです。

D社の表には、技術の欄に「ネットで比べてから買う人の増加」と書いてありました。ところが、その要因は商品の説明のページに結びつけられていません。

探している人は、サイズが分からない商品を、買い物かごに入れません。店では売れる商品が、ネットでは選ばれません。

要因を商品の説明に結びつければ、書くことは決まります。大きさ、素材、手入れの仕方、包装の有無です。比べて選ぶ人が知りたい順に、ページに並べます。

E社に起きたこと:費用の決まり方が、問い合わせの前に分からない

E社の場面は、親の相続を考え始めた家族の目で追います。家族は、夜に、スマホで相談先を探しています。

E社のホームページには、相続の相談を受けると書いてあります。ところが、費用の決まり方も、相談の流れも書かれていません。

E社の表には、経済の欄に「物価の上昇」、社会の欄に「相続の相談の増加」と書いてありました。2つの要因を結んだ人はいません。

家族は、費用が分からない事務所には、電話をかけにくく感じます。物価が気になる時期に、費用が見えない相談先は、後回しになります。

社会の要因と経済の要因を1文にまとめると、ページに書くことが見えます。相談が増えていることと、費用が決まる条件の両方を、相談の案内に書けば足ります。

自社の表が症状に当てはまるかを診断する

自社の表が、5つの症状のどれに当たるかを、次の表で確かめます。

確かめること はい いいえ
表を見て、直すページの名前が1つ以上言える 症状1は出ていない 症状1が出ている
会社名を入れ替えると、別の会社の表として通じる 症状2が出ている 症状2は出ていない
お客様の顔が浮かばない要因が、3件以上ある 症状3が出ている 症状3は出ていない
表をつくった日が、1年以内である 症状4は出ていない 症状4が出ている
追い風の読みが、1件以上書かれている 症状5は出ていない 症状5が出ている

2つ以上が当てはまった場合は、新しく表をつくり直したほうが早く済みます。1つだけの場合は、その症状の対処だけを進めます。

解説どおりにPEST分析を進めると、なぜ行き詰まるのか

解説記事の手順は、どれも似ています。目的を決め、情報を集め、4つに分け、事実と解釈を分け、機会と脅威を分け、短期と長期を分けます。

手順そのものは筋が通っています。ただ、小さな会社が同じ手順を踏むと、途中でつまずく点があります。

手順 解説の言い方 小さな会社でつまずく点
目的を決める 何のために分析するかを決める 目的が「会議で出せる資料」で止まる
情報を集める 信頼できる情報源から集める 調べる時間がなく、検索で出た記事を写す
4つに分ける 政治、経済、社会、技術に分類する どの欄に入れるかで迷う
事実と解釈を分ける 客観的な事実と、影響の見方を分ける 解釈が自社の言葉になっていない
機会と脅威に分ける 追い風と向かい風に仕分ける 全部が脅威に見える
短期と長期に分ける 時間軸で整理する 長期が空欄になる

6つの手順のうち、小さな会社でつまずくのは、最初の「目的」と「解釈」の2つです。この2つを先に直すと、残りは楽になります。

目的が、資料づくりで止まる

目的を決める手順では、どの解説も「何のために分析するか」を決めるよう勧めています。ところが、現場では「経営計画に載せるため」で止まりがちです。

資料に載せることが目的になると、表を埋めた時点で終わります。この記事では、目的を「ホームページのどのページを、いつ直すか」に置きます。

目的が作業の形で決まっていると、情報を集める段階から、拾う基準が変わります。ページに書けない情報は、集める必要がなくなります。

情報を集める時間が、小さな会社にはない

大手企業には、情報を集める部署があります。小さな会社には、その時間も人もありません。

検索で出てきた記事を写すと、その記事の筆者の関心が、そのまま自社の表に入ります。自社のお客様と関係のない話が、混ざります。

集める先を絞れば、時間は短くなります。公的機関の統計は、決まった日に更新されます。問い合わせの記録は、社内にあります。この2つで、最初の表には十分です。

事実と解釈を分けても、解釈が自社の言葉にならない

解説の多くは、事実と解釈を分けるよう勧めます。「物価が2.1%上がった」は事実で、「お客様が値段に敏感になる」は解釈です。

この分け方は正しい作法です。ただ、解釈を書く段になると、「経営環境の悪化が懸念される」のような、誰の話でもない文になりがちです。

解釈は、自社のお客様の行動で書きます。「見積もりを複数の会社から取る担当者が増える」のように、誰が何をするかまで書くと、ページの直し方が見えてきます。

書き方 例 ページの直し方が見えるか
事実だけ 物価の総合指数が前年同月比2.1%上昇 見えない
誰の話でもない解釈 経営環境の悪化が懸念される 見えない
お客様の行動で書いた解釈 見積もりを複数の会社から取る担当者が増える 見える

大手企業の記入例が、使いにくい理由

解説に載っている記入例は、大手の製造業や外食チェーンを題材にしたものが多いです。小さな会社が写そうとしても、合いません。

大手の記入例 小さな会社での読み替え
為替の変動が輸出に与える影響 仕入れ先の価格改定が見積もりに与える影響
国際的な規制の強化 取引先との契約書の文面の変更
世界的な人口の変化 商圏の年齢の構成の変化
新技術の開発競争 お客様が使い始めた道具への対応

読み替えの考え方は、範囲を縮めて、お客様の行動に引き寄せることです。大きな話の欄に、近い話を書きます。

よくある間違ったPEST分析の進め方と、その末路

ここからは、現場で見かける間違った進め方と、その末路を見ていきます。1つずつ、自社に当てはまらないかを確かめてください。

間違った進め方 その末路
検索で出た例文をそのまま写す どの会社にも書ける表になる
4つの欄にそれぞれ10件以上書く 会議で読み切れず、誰も使わない
数字を調べず、感覚で書く 古い情報や思い込みが残る
外の変化を見て、自社の弱みだけを嘆く 動く方向が決まらない
作って終わりにして、見直さない 終わった話を「これから」と書いたまま使う

間違い1:検索で出た例文を、そのまま写す

忙しいとき、ネットで見つけた記入例を自社の表に写す形で始めます。時間は節約できますが、中身が空になります。

写した表を読み返すと、自社の名前を消しても通じる文章になっています。会議では「一般的な話だね」で終わります。

例文は、書き方の見本として読み、言葉は自社のお客様の話に置き換えます。置き換えた数が多いほど、表は役に立ちます。

間違い2:4つの欄に、それぞれ10件以上書く

網羅しようとして、各欄に10件以上の要因を並べます。合計40件の表は、見た目は立派です。

ところが、40件を会議で順に読むと、1時間かかります。読み終わるころには、最初の要因を忘れています。

拾う数は、合計で6件から8件に絞ります。残りの要因は、捨てずに、次の見直しの候補として別の紙に取っておきます。

間違い3:数字を調べず、感覚で書く

「最近は物価が上がっているはず」と、感覚で経済の欄を書く会社があります。感覚は、外れることがあります。

物価は、毎月の統計で確かめられます。感覚と統計がずれていることに気づくだけで、表の信頼は上がります。

数字は、出典の名前と公表日を添えて書きます。確かめられなかった数字は書かず、「確かめられなかった」と書いておくほうが誠実です。

間違い4:外の変化を見て、自社の弱みだけを嘆く

人手が足りない、物価が上がる、競合が増えると、悪い話だけを並べて終わる会議があります。嘆いて終わる会議では、何も動きません。

外の変化は、自社の立ち位置によって、追い風にも向かい風にもなります。同じ変化を、お客様の側から見直します。

外の変化 向かい風の読み 追い風の読み
設備を直せる人の減少 人手の確保が難しい 直せる会社への依頼が増える
物価の上昇 仕入れ値が上がる 理由を説明できる会社が選ばれる
高齢のお客様の増加 新規の若い層が減る 相談を丁寧に受ける会社の価値が上がる

追い風の読みを書き添えると、会議が動く方向が見えます。

間違い5:作って終わりにして、見直さない

表をつくって満足し、そのまま1年が過ぎます。1年後に開くと、日付が古く、使えません。

見直す日を、つくった日に決めます。年に2回、春と秋に1時間だけ見直す約束をするだけで十分です。

見直す時期 見るもの 所要時間
春 法律や制度の施行日、年度の変わり目の変化 1時間
秋 夏までの統計の公表、年末に向けた変化 1時間

見直しは、表を書き直す作業とは違います。古くなった要因を消し、新しい要因を1件か2件足す作業です。

うまくいった表と、うまくいかなかった表の見分け方

同じ4項目で書かれた表でも、使える表と使えない表があります。違いは、書かれた言葉の具体さに出ます。

見る点 使えない表 使える表
要因の数 欄ごとに10件以上 合計で6件から8件
言葉 どの会社にも通じる 自社のお客様の行動で書かれている
数字 出典も日付もない 出典の名前と公表日がある
読み方 脅威だけが並ぶ 追い風の読みも添えてある
出口 表で終わっている ページ名と見直す時期が書かれている
更新 つくった日のまま 春と秋の見直しの記録がある

右の列が揃っている表は、そのまま次の仕事の指示書として使えます。左の列に当てはまる行が多いほど、表は飾りに近づきます。

間違いが起きやすい場面

間違いは、場面によって起きやすさが変わります。起きやすい場面を知っておくと、先回りして防げます。

場面 起きやすい間違い 先回りの対処
上司に急に資料を頼まれたとき 例文の丸写し 範囲と使い道を、その場で聞き返す
年度の計画をつくるとき 書きすぎ 合計8件の上限を先に宣言する
外部の人に説明するとき 感覚だけの記述 出典と日付を表に入れておく
業績が悪いとき 弱みを嘆くだけ 追い風の読みを必ず書き添える
忙しい時期が続いたとき 作って終わり 見直しの日を予定表に先に入れる

間違いを防ぐ、会議の最初の一言

会議の司会が最初に伝える一言で、間違いの半分は防げます。次の3つを、会議の冒頭で伝えます。

一言 防げること
今日の目的は、直すページを1つ決めることです 表を埋めて終わる会議
要因は合計で8件までにします 欄ごとの書きすぎ
数字を書くときは、出典の名前と日付を添えます 感覚だけの記述

最初の一言を、会議の資料の1行目にも書いておくと、途中で議論が広がったときに戻れます。

間違いに気づいたときの直し方

間違いに気づいた時点で、やり直しは大きな作業になりません。次の表の順に、小さく直します。

気づいた間違い 小さな直し方 かかる時間の目安
例文を写していた 会社名を入れ替えて通じる行に印をつけ、お客様の行動の1文に書き換える 30分
要因が多すぎる ふるいの表で、3つのうち1つでも「いいえ」の行を外す 20分
数字に出典がない 公的機関のページで探し、見つからなければ現場の声の枠に移す 40分
脅威しか書いていない 各行に、追い風の読みを1つずつ足す 20分
見直しの日がない 春と秋の日付を決め、予定表に入れる 5分

全部を一度に直す必要はありません。今週は1行だけ、来週はもう1行と、少しずつ進めます。

間違いを防ぐ、表の一番下の欄

表の一番下に、毎回同じ欄を1つ足しておくと、書き直しが減ります。欄の名前は「今週直す1ページ」です。

欄の位置 書くこと 効果
表の一番下 ページ名、直す1文、担当者、期日 会議が作業で終わる
空欄のとき 会議の終わりに、必ず1つ埋める 表で終わる会議を防ぐ

欄が空のままの表は、まだ完成していません。空欄を埋めるまでは会議を終えない、と決めておくのが確実です。

5つの間違いを避ける合言葉

5つの間違いを避けるために、会議の前に唱える合言葉を決めておくと便利です。

合言葉 防げる間違い
会社名を入れ替えても通じる言葉は書かない 例文の丸写し
合計で8件まで 欄ごとの書きすぎ
数字には出典と日付 感覚だけの記述
向かい風には追い風を添える 嘆いて終わる会議
見直しは春と秋 作って終わり

合言葉を、表の一番上に書いておきます。会議のたびに目に入るので、書き方がぶれなくなります。

解決策:「売れるサイトはみな謙虚」の考え方で、外の変化をお客様の言葉に書き換える

ここからが、この記事の本題です。外の変化を拾い、直すページに落とし、更新の日付まで決める手順を説明します。

土台に置くのは、「売れるサイトはみな謙虚」という考え方です。ウェブサイトから要素を引き算して、訪れた人が迷わず次の一歩に進める形に組み直す、という考え方を指します。

PEST分析に当てはめると、拾う要因を絞り、お客様の行動に関わるものだけを残す作業になります。外の変化を知っていることを見せるためには使いません。お客様の知りたいことに先に答えるために使います。

謙虚とは、自分の知識を見せることより、お客様の知りたいことを先に置くこと

大きな話をする資料は、自分がどれだけ世の中を見ているかの披露になりがちです。世界の動き、国の方針、技術の流れを並べると、賢く見えます。

謙虚に書くとは、それらを、お客様が知りたいことの後ろに置くことです。お客様の知りたいことは、「自分の場合はどうなるのか」の一点です。

外の変化は、お客様の場合に引き寄せて初めて役に立ちます。引き寄せられない変化は、載せなくて構いません。

手順の全体像

手順は4つです。最初の2つで要因を選び、後の2つでページと日付に結びつけます。

手順 やること 出てくるもの かける時間の目安
1 外の変化を、4つの項目に分けて集める 変化の一覧 60分
2 3つのふるいにかけて、拾う要因を決める 拾った要因の一覧 30分
3 拾った要因を、サイトの4か所に対応させる 直すページの一覧 30分
4 公表の日付を調べて、更新予定表に入れる 更新予定表 15分

合わせて2時間半ほどです。1日で終わる量に収めることが、続けるコツです。

手順1と2:変化を集めて、3つのふるいにかけ、拾う要因を決める

最初の2つの手順は、要因を選ぶ作業です。集める作業は広く、選ぶ作業は厳しくします。

手順1:集める先は、4つに決めておく

情報の集め先を決めずに調べ始めると、検索で出た記事を延々と読むことになります。集める先は、4つに絞ります。

集める先 集められるもの 向く項目
公的機関の統計や発表 物価、人口、普及率、法律の施行日 政治、経済、社会、技術
業界の団体や取引先からの案内 業界のルールや規格の変更 政治、技術
自社の問い合わせの記録 お客様の質問、断られた理由 社会、経済
検索窓に入れたときの候補 お客様が実際に打つ言葉 技術、社会

公的機関の統計は、決まった日に更新されます。問い合わせの記録は、自社に特有の材料です。この2つが、最初の表の中心になります。

集める量は、1項目につき5件ほどで足ります。多く集めても、次のふるいで減らすからです。

ふるい1:近いか、自社のお客様や取引先に関わるか

最初のふるいは、距離を測る問いです。要因が、自社のお客様や取引先の暮らしと仕事に近いかを確かめます。

「世界の半導体の供給」は遠く、「地元の製造業の取引先が、見積もりの前提として物価を気にしている」は近い要因です。近さは、お客様の顔が浮かぶかどうかで測れます。

顔が浮かばない要因は、今回の表から外します。外した要因は、別の紙に書き残します。

ふるい2:確かか、日付や数字で裏が取れるか

2つ目のふるいは、確かさを測る問いです。日付や数字で、裏が取れるかを確かめます。

「物価が上がっているらしい」は確かさが足りず、「総務省統計局の消費者物価指数で、2026年9月分の総合指数が前年同月比2.1%上昇」は確かです。

確かな要因には、出典の名前と公表日が付いています。付けられない要因は、現場の声として別枠に書きます。

ふるい3:書けるか、自社のページで答えられるか

3つ目のふるいが、この分析のいちばん大事な問いです。その要因に対して、自社のページに書けることがあるかを確かめます。

「高齢者が増えている」という要因には、書けることがあります。文字の大きさ、電話での相談の窓口、手続きの付き添いの案内です。

「世界の人口が増えている」という要因には、書けることがありません。書けない要因は、拾わないと決めます。

3つのふるいの通し方

3つのふるいは、順に通します。1つでも通らなければ、その要因は外します。

ふるい 問い 通らないときの扱い
近い お客様や取引先の顔が浮かぶか 外す。別の紙に残す
確か 日付や数字で裏が取れるか 現場の声の枠に移す
書ける 自社のページに書くことがあるか 外す

通ったものが、拾った要因です。合計で6件から8件に収まれば、成功です。

C社の例:集めた変化を、ふるいにかける

C社が最初に集めた変化は、12件ありました。そのうち8件を取り上げて、3つのふるいにかけた結果を表にします。

項目 集めた変化 近い 確か 書ける 判定
政治 下請法の改正(令和8年1月1日施行) はい はい はい 拾う
政治 海外の輸出規制 いいえ はい いいえ 外す
経済 物価の上昇(総合指数が前年同月比2.1%) はい はい はい 拾う
経済 世界の景気の減速 いいえ いいえ いいえ 外す
社会 設備を直せる人の減少 はい 現場の声 はい 現場の声として拾う
社会 若者の価値観の変化 いいえ いいえ いいえ 外す
技術 企業間取引の電子化(BtoBで45.9%) はい はい はい 拾う
技術 人工知能の新機能の登場 いいえ いいえ いいえ 外す

表の判定を数えると、拾う要因は3件、現場の声として拾うものが1件です。残りの4件は、近さも書けることも足りず、今回は外しました。

外した要因は、次の見直しの候補として別の紙に残します。1年後には、近い要因に変わっているかもしれません。

向かい風と追い風を、書き分ける

拾った要因は、向かい風と追い風を書き分けて整理します。1つの変化に両方の面がある場合は、両方書きます。

拾った要因 向かい風 追い風
下請法の改正 取引条件の説明を見直す手間が出る 条件を明確に書く会社が選ばれやすくなる
物価の上昇 見積もりの金額が動く 理由を先に書く会社が信頼される
設備を直せる人の減少 技術者の確保が難しくなる 直せる会社への依頼が増える
企業間取引の電子化 紙と電話の受付が選ばれにくくなる ネットの受付を整えた会社が増やせる

向かい風だけを見ると、嘆きで終わります。追い風を書き添えた表は、次に何をするかが決まる表になります。

要因を、お客様の行動の1文に書き換える

拾った要因は、お客様の行動の1文に書き換えます。誰が、いつ、何をするかまで書きます。

要因(書き換える前) お客様の行動の1文(書き換えた後)
物価の上昇 取引先の購買担当者は、見積もりが上がった理由を社内で説明しなければならない
下請法の改正 取引先の担当者は、取引条件が改正に合っているかを確かめたがる
設備を直せる人の減少 古い機械を使い続ける工場は、直せる会社を探し続けている
企業間取引の電子化 取引先の担当者は、見積もりも注文もネットで済ませたいと考えている

この1文が、ページに書く内容の種になります。主語がお客様になっていれば、自社の自慢にはなりません。

手順3と4:拾った要因を、サイトの4か所に対応させ、更新予定表にする

要因が決まったら、ホームページのどこに書くかを決めます。最後に、日付をつけて更新予定表にします。

手順の途中で、よく起きる迷い

手順を進めていると、迷う場面があります。よくある迷いと、決め方を表にまとめます。

迷い 決め方
1つの要因が、2つの項目にまたがる 影響が先に出る項目に入れ、もう片方に印をつける
公的な統計が見つからない 現場の声として拾い、確かめられなかったと書く
書ける内容が思いつかない その要因を知ったお客様が、最初に聞く質問を考える
ページが存在しない 新しく作る候補として、更新予定表に入れる

ページが存在しない場合は、新規に作る候補にします。すでにあるページに無理に詰め込むと、ページの主題がぼやけます。

手順3:サイトの4か所に対応させる

拾った要因は、ホームページの4つの場所のどれかに結びつけます。4つの場所は、項目ごとに、書く内容の型が決まっています。

場所 結びつく項目 書く内容の型
契約と注意書き 政治 ルールが変わった日付と、お客様に関わる点
料金の説明 経済 金額が変わる条件と、変わる目安
お客様の層と事例 社会 お客様の言葉、暮らしの変化に合わせた質問
見つけられ方と申し込み 技術 検索で見つかる見出し、スマホでの申し込みやすさ

4つの場所に結びつかない要因は、拾い直しの対象です。ふるい3の問いに戻ります。

政治の要因は、日付つきで契約や注意書きに書く

政治の要因は、ルールが変わった日付と、お客様に関わる点を、1文で書きます。長い解説は要りません。

書く点 書き方の例
いつから 令和8年1月1日から、下請法が改正されて施行されています
誰に関わるか 当社に仕事を依頼される取引先の方に関わる場合があります
当社の対応 取引条件は書面でお示しします
確かめ先 詳しくは中小企業庁のページをご確認ください

最後に確かめ先を書いておくと、説明を読んだ人が、自社の場合を確かめられます。制度の細かな解釈は、公式のページに任せます。

経済の要因は、価格が決まる条件で書く

経済の要因は、金額そのものを書かずに、価格が決まる条件で書きます。物価が動いても、条件の説明は古くなりません。

書く点 書き方 C社の例
何を基準に決まるか 金額が変わる条件を書く 基板の種類と、故障の程度で決まる
何が含まれるか 追加の請求が出ない範囲を書く 原因の調査まで含む
何が別になるか 別に請求するものを先に書く 交換する部品の代金は別に見積もる
いつまで有効か 見積もりの有効期間を書く 部品の価格が動くため、期間を区切る

見積もりの有効期間を書くと、物価が動いたあとの再見積もりを、お客様が納得しやすくなります。

社会の要因は、お客様の言葉とよくある質問に書く

社会の要因は、お客様の層が使う言葉に書き換えます。年齢や暮らしの変化は、よくある質問の言葉に出ます。

要因 よくある質問に書く言葉
高齢のお客様の増加 電話で相談できますか。字は大きいですか
共働き世帯の増加 夜や休日に連絡できますか
古い設備を使い続ける動き 製造が終わった機械でも直せますか

質問の言葉は、お客様が実際に使う言い方に合わせます。問い合わせの記録から、そのまま拾えます。

技術の要因は、見つけられ方と申し込み方に書く

技術の要因は、お客様が使う道具に合わせて、検索で見つかる見出しと、申し込みの手段に反映します。

総務省の調査では、世帯のスマートフォン保有割合が91.8%、インターネット利用者の77.5%が検索サービスを利用していました。見つけられ方と、スマホでの申し込みやすさは、最初に整える場所です。

点検する場所 見ること 直し方
見出し お客様が検索する言葉が入っているか 質問の形に書き換える
申し込みの手段 スマホで完結するか 電話だけの受付を見直す
画面の見え方 スマホで読めるか 表の幅や文字の大きさを直す
受付の時間 夜や休日の連絡先があるか 返信の目安を書く

技術の欄は、新しい道具を導入する話に流れやすい欄です。この表では、お客様がすでに使っている道具に合わせることを先にします。

手順3の仕上げ:1つの要因に、書く場所は1つだけ決める

1つの要因を、複数のページに書き散らすと、更新のときに直し漏れが出ます。書く場所は1つに決め、ほかのページからはそのページへ案内します。

要因 本体を書く場所 ほかのページでの扱い
物価の上昇 見積もりの案内 料金のページから案内に飛ばす
下請法の改正 契約と注意書き 申し込みのページから案内に飛ばす
企業間取引の電子化 受付の方法 トップページから案内に飛ばす

本体が1か所なら、見直すときに開くページも1つで済みます。更新予定表の行数と、本体のページ数が一致していれば、整理はうまくいっています。

手順4:公表の日付を調べて、更新予定表に入れる

要因を4か所に結びつけたら、最後に日付をつけます。日付がない表は、見直しが先送りされます。

要因 直すページ 直す内容 見直す時期 日付の根拠
下請法の改正 契約と注意書き 施行日と対応の1文 春 施行日が決まっている
物価の上昇 見積もりの案内 条件と有効期間の説明 春と秋 毎月の統計公表
設備を直せる人の減少 事例と質問 古い機械の修理事例 秋 現場の記録から
企業間取引の電子化 受付の方法 ネットで完結する受付 春 市場調査の公表(10月)

見直す時期は、年に2回、春と秋にまとめると続けやすくなります。春は法律や制度の施行日が多く、秋は統計の公表が集まります。

更新予定表は、1ページに収める

更新予定表は、1ページに収めます。2ページ以上になると、読み返されません。

行は、拾った要因と同じ数にします。列は、要因、直すページ、直す内容、見直す時期、日付の根拠の5つです。

書き終えたら、一番上の行に「今週直す1ページ」の印をつけます。印があるだけで、会議の最後に「で、来週何をやるのか」への答えが出ます。

外の変化を理由に価格を改めるときの案内の書き方

物価の動きで価格を改めるときは、お客様への案内文が必要です。案内文には、型があります。

順番 書くこと 書き方の例
1 何が変わるか 見積もりの条件を、4月から改めます
2 いつから 4月1日以降のご依頼から適用します
3 なぜ変わるか 部品の価格が動き、見積もりの有効期間を区切る必要が出たためです
4 お客様への影響 期間内であれば、見積もりの内容はそのままです
5 相談の窓口 ご不明な点は、受付の窓口にお尋ねください

理由を3番目に置くのは、先に結論と日付を伝えるためです。お客様は、まず自分に何が起きるかを知りたがります。

言い訳めいた長い説明は書きません。事実を短く並べるほうが、信頼されます。

書き換えるときに避ける言葉

外の変化を書くとき、つい使ってしまう言葉があります。これらの言葉は、中身を曖昧にします。

避ける言葉 曖昧になる理由 言い換えの例
昨今の情勢 いつの何の話か分からない 2026年9月の消費者物価指数で
厳しい環境 何がどう厳しいのか見えない 部品の価格が前年より上がっており
お客様のニーズの多様化 誰のどんな要望か分からない 夜に申し込みたいという声が増えており
時代の流れ 根拠がない 世帯の91.8%がスマホを保有しており
最新の技術 何を指すか不明 ネットで写真を送れる受付を用意し

言い換えの例は、どれも日付や数字が入っています。曖昧な言葉を見つけたら、数字か日付に置き換えられないかを探します。

更新したあとの確かめ方

ページを直したら、直しっぱなしにしません。直したあとの様子を、次の3点で確かめます。

確かめること 見る場所 見る時期
問い合わせの質問が変わったか 問い合わせの記録 直して1か月後
申し込みの途中でやめる人が減ったか 申し込みのページの閲覧と完了の差 直して1か月後
古い情報が残っていないか 更新予定表の日付 春と秋の見直しのとき

効果が数字に出るまでには、時間がかかります。1か月で結論を出さず、3か月分を並べて見ます。

書き換えた文を点検する3つの問い

書き換えた文は、公開する前に、3つの問いで点検します。

問い 通らない例 通る例
主語がお客様になっているか 当社は最新の制度に対応しています 取引先の方の条件が、改正に合っているかを確認できます
日付や数字に出典があるか 物価が上がっています 総務省統計局の2026年9月分の統計では、総合指数が前年同月比2.1%の上昇です
確かめ先が書かれているか 制度が変わりました 詳しくは中小企業庁のページをご確認ください

3つの問いを通った文だけが、ページに載ります。通らなかった文は、書き直すか、載せないかを選びます。

書き換えの見本:4か所の文面を見比べる

4つの場所に書く文面を、書き換える前と後で並べます。後の文は、主語がお客様で、日付と確かめ先が入っています。

場所 書き換える前 書き換えた後
契約と注意書き 最新の法令に対応しています 令和8年1月1日に施行された改正に合わせ、取引条件は書面でお渡しします。詳しくは中小企業庁のページをご確認ください
料金の説明 適正な価格でご提供します 費用は基板の種類と故障の程度で決まります。部品の代金は別に見積もり、見積もりの有効期間をお伝えします
よくある質問 お気軽にご相談ください 製造が終わった機械の基板でも、直せるかどうかを先に調べてお知らせします
申し込み お電話でお問い合わせください ネットで写真と症状を送れます。夜間に送っても、翌営業日に返信します

書き換えた後の文は、読む人が次に何をすればよいかを教えます。書き換える前の文は、書いた側の気持ちを述べるだけです。

D社で、最初から最後まで通してみる

D社の例で、4つの手順を通して見ます。小売店の例ですが、型はどの業種でも同じです。

手順 D社がやったこと 結果
1 集める 物価、贈り物の習慣、ネット購入の割合、表示のルールを集めた 16件
2 ふるう 近い、確か、書けるの3つで判定した 6件が残った
3 対応させる 商品の説明、送料の案内、店舗の案内に結びつけた 直す3ページが決まった
4 日付をつける 秋の見直しの月に、商品の説明から直すと決めた 更新予定表が完成した

最初に集めた16件が、6件に絞られました。絞る作業が、この手順の中心です。

D社が最初に直したのは、商品の説明でした。大きさと素材を、すべての商品に書き足しました。

拾った要因が、少なすぎるとき、多すぎるとき

ふるいにかけたあと、要因が3件以下になる場合と、9件以上になる場合があります。どちらも、調整の方法が決まっています。

状況 起きている可能性 調整の仕方
3件以下 ふるいが厳しすぎる、または集め方が足りない 外した要因を見直し、近さの基準を少し緩める
6件から8件 ちょうどよい そのまま進める
9件以上 ふるいが緩い、または似た要因が重複している 似た要因を1つにまとめ、書けるかを厳しく見る

数に決まりがあるのは、会議で読み切れる量を守るためです。数合わせのために、要因を無理に増やしたり減らしたりはしません。

社内で意見が割れたときの決め方

要因を拾うかどうかで、意見が割れることがあります。経営者は大事だと言い、担当者は遠いと言う、といった場面です。

割れ方 決め方
近いかどうかで割れる 最近3か月の問い合わせに、関係する質問があるかを数える
確かかどうかで割れる 出典の名前と公表日を、その場で確かめる
書けるかどうかで割れる 実際に1文を書いて、読み比べる

見解を戦わせるより、材料を足すほうが早く決まります。数えるか、確かめるか、書いてみるかの3つで、ほとんど決着します。

決まらない要因は、今回は拾わず、次の見直しの候補に回します。決めきれないことを、悪いこととは考えません。

手順を回す担当と、持ち物

手順を回す担当は、1人に決めます。複数人で進めると、集めた情報がばらばらになります。

役割 担当 持ち物
進行と記録 Web担当者 3枚のテンプレート
お客様の声の提供 現場の担当者 最近3か月の問い合わせの記録
取捨の判断 経営者 ふるいの表
ページの修正 Web担当者または制作の担当者 更新予定表

経営者の役割は、判断にとどめます。集める作業まで経営者が抱えると、続きません。

続けるうちに起きる変化

更新予定表を回し始めると、会議の様子が変わってきます。変化を知っておくと、続ける励みになります。

回数 起きること 担当者の感覚
1回目 要因を絞るのに時間がかかる 何を捨てるかで迷う
2回目 前回の外した要因が、拾う要因に変わる 外の変化の動きが見える
3回目 問い合わせの質問に、直したページの話が出る 直した手応えがある
4回目以降 会議が30分で終わる 見直しが習慣になる

1回目は誰でも時間がかかります。2回目から楽になるので、1回目の出来は気にしません。

見直しを重ねるほど、自社のお客様に近い要因だけが残ります。表は、年を追うごとに、自社専用の記録に育っていきます。

謙虚に書くと、約束も小さくなる

要因を絞って、お客様の言葉で書くと、ページの約束も小さくなります。約束が小さくなると、中身との食い違いも減ります。

大きな約束は、守れなかったときの落差も大きくなります。小さくて確かな約束が並んだページは、読む人に安心を与えます。

謙虚に書くとは、できないことを書かず、できることを確かな日付と数字で書くことです。

3C分析、4P分析、STP分析、SWOT分析との使い分け:どれから手をつけるか

PEST分析のあとに、ほかの分析へ進む人は多いです。順番と役割分担を整理しておくと、同じ作業を重ねずに済みます。

分析 答える問い 材料の出どころ 向く場面
PEST分析 外で何が変わっているか 公的な統計、法律の施行日、問い合わせの記録 年に2回の見直し、サイトの作り直しの前
3C分析 顧客、競合、自社の関係はどうか お客様の声、競合のページ トップページの最初の一文を決めるとき
4P分析 売り方の4つは噛み合っているか 自社の商品、価格、販売の経路、広告 約束と中身の食い違いを探すとき
STP分析 誰に売るか 市場の分け方、お客様の層 狙う相手を絞るとき
SWOT分析 何をやり、何をやめるか 内側と外側の両方 行動を選ぶとき

PEST分析は、ほかの分析と競い合うものではありません。外側の材料を集める下ごしらえの役割を持ちます。

PEST分析の結果は、SWOT分析の外側の欄に入る

PEST分析で拾った要因は、SWOT分析の機会と脅威の欄に、そのまま入れられます。向かい風は脅威、追い風は機会です。

C社の例で言えば、物価の上昇は脅威の欄に、直せる人の減少に伴う依頼の増加は機会の欄に入ります。内側の強みと弱みを足して掛け合わせると、やることとやめることが決まります。

掛け合わせの手順は、SWOT分析の記事で説明しています。PEST分析で外側の欄を先に埋めておくと、SWOT分析の手間が大きく減ります。

3C分析は、競合の動きを足したいときに使う

PEST分析は、競合の動きを扱いません。競合のホームページが変わったかどうかは、3C分析の側で見ます。

外側の大きな変化と、近くの競合の変化は、別の道具で見るほうが整理しやすくなります。2つの結果を並べて、食い違いを探すと、直す場所が見つかります。

4P分析とSTP分析は、決めたあとの確認に使う

外の変化を拾ったあとで、自社の売り方がそれに合っているかを確かめるのが、4P分析です。価格の欄が物価の動きに合っているか、流通の欄がお客様の道具に合っているかを照らします。

誰を狙うかを決め直したいときは、STP分析です。社会の変化でお客様の層が動いたとき、狙う相手を選び直す材料になります。

5つの分析を、サイトの作り直しで使う順番

ホームページを作り直すときに、5つの分析をすべて使う場合の順番を示します。全部やる必要はありません。迷ったときの目安です。

順番 分析 決まること 決まるページ
1 PEST分析 外の変化と、更新の予定 契約、料金の説明、申し込み
2 3C分析 競合と比べた自社の立ち位置 トップページの最初の一文
3 STP分析 狙う相手と、書く言葉 自社の紹介、事例
4 4P分析 売り方の食い違い 商品の説明、料金、申し込み
5 SWOT分析 やることとやめること 全体の優先順位

最初にPEST分析を置くのは、外の変化が前提になるからです。前提を先にそろえると、あとの分析がぶれません。

同じ材料を、何度も集めない

分析ごとに材料を集め直すと、時間がかかります。1回集めた材料は、ほかの分析にも使い回せます。

材料 最初に集める分析 使い回せる分析
公的な統計と施行日 PEST分析 SWOT分析の機会と脅威
問い合わせの記録 PEST分析の社会の欄 3C分析の顧客、STP分析
断られた理由の記録 PEST分析の経済の欄 4P分析の価格
競合のページ 3C分析 SWOT分析の脅威

材料を1か所にまとめておくと、次の分析の準備が半分で済みます。共有フォルダに、「材料」という名前の1枚の表をつくっておく程度で構いません。

迷ったときの選び方

どの分析から始めるかで迷ったら、次の表で選びます。

困っていること 最初に使う分析
トップページの最初の一文が決まらない 3C分析
広告とサイトの内容が噛み合わない 4P分析
誰に向けて書くかが定まらない STP分析
何から手をつけるかが決まらない SWOT分析
外の変化に合わせて、ページの更新の予定を立てたい PEST分析

PEST分析が向くのは、最後の行の困りごとです。更新の予定を立てたいときに、最も力を発揮します。

PEST分析のテンプレート:コピーして使える記入表と、更新予定表

ここまでの内容を、そのまま使えるテンプレートにまとめます。表計算ソフトや文書作成ソフトに貼り付けて、自社の言葉で埋めてください。

テンプレートは3枚あります。変化の記入表、ふるいの表、更新予定表です。3枚を順に埋めると、最後に今週直す1ページが残ります。

テンプレート1:変化の記入表

項目 集めた変化 出どころ 公表日または施行日
政治 (法律、制度、規則の変更を書く) (役所のページなど)
経済 (物価、金利、消費の動きを書く) (統計など)
社会 (人口、暮らし、働き方の変化を書く) (統計、問い合わせの記録)
技術 (お客様が使う道具の変化を書く) (統計、検索の候補)

記入するときの決まりは3つあります。1項目につき5件までにすること、出どころを必ず書くこと、日付が分からないものは空欄にすることです。

出どころの列が空のままの行は、思い込みで書いている可能性があります。空の行に印をつけて、先に出どころを探します。

テンプレート2:ふるいの表

集めた変化 近い(はい/いいえ) 確か(はい/いいえ) 書ける(はい/いいえ) 判定

3つとも「はい」の行が、拾った要因です。「確か」だけが「いいえ」の行は、現場の声として別枠に書きます。

3つのうち1つでも「いいえ」で、現場の声にもならない行は、外します。外した行は、次の見直しのために別の紙へ移します。

テンプレート3:更新予定表

順位 拾った要因 直すページ 書き換える1文 見直す時期 日付の根拠
1
2
3

順位は、お客様が通る順で決めます。トップページと申し込みのページが先、詳しい説明のページが後です。

見直す時期の欄は、春と秋のどちらかを書きます。3行を埋めると、半年分の予定になります。

公表のカレンダーも、1枚つくっておく

3枚のテンプレートに加えて、公表のカレンダーを1枚つくっておくと便利です。いつ何が出るかが分かれば、見直す日が自然に決まります。

月 確かめるもの 直す先の候補
3月 価格交渉促進月間(毎年3月と9月)、年度末の制度の期限 取引条件の案内、制度の案内
5月 通信利用動向調査の公表(今年は5月29日) 申し込みの導線、スマホの見え方
9月 価格交渉促進月間、統計トピックス(今年は9月20日) 取引条件の案内、高齢のお客様向けの案内
10月 電子商取引に関する市場調査(今年は10月21日)、物価の統計 注文や予約の手段、料金の説明
毎月 消費者物価指数 見積もりの有効期間

カレンダーの日付は、今年の実績をもとにした目安です。来年の公表日は、各機関の公表予定で確かめてください。

3枚のテンプレートを使う順番

1枚目の変化の記入表を埋め終えたら、その日のうちに2枚目のふるいにかけます。日を空けると、集めたときの背景を忘れて、判断が甘くなります。

2枚目で残った要因を、3枚目に写します。写すときに、前の章の「4か所の対応表」を見ながら、直すページを選びます。

記入例:C社のテンプレートを埋めてみる

3枚のテンプレートを、C社で埋めた例を見ます。まず変化の記入表です。

項目 集めた変化 出どころ 公表日または施行日
政治 下請法の改正 中小企業庁の取引適正化のページ 令和8年1月1日施行
経済 物価の上昇(総合指数が前年同月比2.1%) 総務省統計局の消費者物価指数 2026年10月23日公表
社会 設備を直せる人の減少 問い合わせの記録 最近3か月
技術 企業間取引の電子化(BtoBで45.9%) 経済産業省の市場調査 2026年10月21日公表

次に、更新予定表です。

順位 拾った要因 直すページ 書き換える1文 見直す時期 日付の根拠
1 物価の上昇 見積もりの案内 価格が決まる条件と、見積もりの有効期間を書く 春と秋 毎月の統計公表
2 下請法の改正 契約と注意書き 施行日と、取引条件の確かめ先を書く 春 令和8年1月1日施行
3 企業間取引の電子化 受付の方法 ネットで見積もりを依頼できる手順を書く 春 市場調査の公表(10月)

C社は、今週直す1ページを、見積もりの案内に決めました。1つ決まると、残りの2ページの着手の順番も自然に決まります。

30分の会議で、3枚を埋める進め方

3枚のテンプレートを、30分の会議で回す進め方があります。事前に、担当者が変化の記入表を埋めておくことが条件です。

時間 進め方 使う表
0分から5分 使い道と範囲を確認する なし
5分から15分 変化を1件ずつ、3つのふるいにかける ふるいの表
15分から25分 拾った要因を、直すページに結びつける 更新予定表
25分から30分 今週直す1ページと担当を決める 更新予定表

会議で新しい情報を調べ始めないことが、30分に収めるコツです。調べる作業は、会議の前に終えておきます。

記入例:E社の更新予定表

E社の更新予定表も見ておきます。個人のお客様が中心の、相談型の事務所の例です。

順位 拾った要因 直すページ 書き換える1文 見直す時期 日付の根拠
1 65歳以上が総人口の29.6% 相続の相談の案内 相談の流れと、最初に準備するものを書く 秋 統計トピックスの公表(9月)
2 物価の上昇 費用の決まり方 費用が決まる条件と、追加になるものを書く 春と秋 毎月の統計公表
3 世帯のスマホ保有91.8% 相談の申し込み スマホだけで申し込める手順を書く 春 通信利用動向調査の公表(5月)
4 税や手続の制度の改正 制度の案内 改正の施行日と、確かめ先を書く 春 施行日が決まっている

E社が最初に直したのは、相談の流れの案内でした。相談の流れが分かると、問い合わせの電話の心理的な負担が減ります。

更新予定表を、社内で共有する1枚

更新予定表ができたら、社内で共有する1枚にまとめます。共有する相手は、経営者、現場の担当者、制作や更新を頼んでいる担当者です。

共有する項目 書くこと 目的
今週直す1ページ ページ名と担当者 すぐ動く
来月までに直すページ ページ名と見直す時期 見通しを持つ
外した要因 要因と、外した理由 次の見直しの材料にする
次の見直しの日 春または秋の日付 続ける約束にする

外した要因まで共有すると、会議のたびに同じ議論を繰り返さなくて済みます。決まったことと、決めなかったことの両方を、記録に残します。

よくある質問

Q1:PEST分析は、小さな会社でもやる意味がありますか

あります。小さな会社は、法律や物価の変化が、見積もりや契約の1枚に直接響きやすいからです。

ただし、大企業と同じ分量でやる必要はありません。拾う要因を6件から8件に絞り、年に2回、1時間ずつ見直す形で十分です。

会社の規模 目安の分量 見直しの頻度
数人の会社 要因は6件前後 年に2回、各1時間
十数人の会社 要因は8件前後 年に2回、各90分
複数の事業がある会社 事業ごとに6件前後 事業ごとに年に2回

分量を小さく始めて、続けることを優先します。

Q2:PEST分析とSWOT分析は、どちらを先にやりますか

PEST分析が先です。外側の機会と脅威を先に拾っておくと、SWOT分析の外側の2つの欄が、すぐ埋まります。

内側の強みと弱みから始めても構いません。ただ、外側の材料が薄いと、掛け合わせの段階で行き詰まります。

どちらを先にしても、2つの結果は最後に1枚の表に重ねます。重ねた表から、やることとやめることを選びます。

Q3:4つの欄が埋まらないときは、どうしますか

無理に埋めません。自社に関係の薄い欄は、空のままで構いません。

欄が空になる理由が、情報不足であれば、問い合わせの記録や取引先との会話を見直します。理由が関係の薄さであれば、その欄は今回の表では使わないと決めます。

空になる理由 次にやること
情報が足りない 問い合わせの記録と取引先の会話を見直す
自社に関係が薄い 今回は使わないと決め、理由を一言残す
変化が見つからない 役所のページと統計を、春と秋にもう一度開く

空欄にした理由を残しておくと、次の見直しで同じ迷いをしなくて済みます。

Q4:どのくらいの頻度で見直せばよいですか

年に2回、春と秋に見直すのが目安です。春は法律や制度の施行日が多く、秋は統計の公表が集まるからです。

大きな法改正や、お客様の行動を変える出来事があったときは、時期を待たずに見直します。見直しは、古い要因を消して、新しい要因を1件か2件足す作業です。

Q5:統計の数字は、どこで探せばよいですか

公的機関のページから探します。物価や人口は総務省統計局、通信の利用は総務省、電子商取引は経済産業省、取引のルールは中小企業庁が目安です。

数字を引くときは、いつ公表された版かを確かめてください。古い版の数字を引くと、状況が変わっていることがあります。数えた相手が誰かも、同じ資料に書かれています。

知りたいこと 探す先 今年の最新の公表
物価の動き 総務省統計局の消費者物価指数 2026年9月分が10月23日
高齢者の人口と就業 総務省統計局の統計トピックス 2026年9月20日
スマホや検索の利用 総務省の通信利用動向調査 令和7年版が5月29日
電子商取引の規模 経済産業省の市場調査 令和7年度版が10月21日
取引のルール 中小企業庁の取引適正化のページ 改正法は令和8年1月1日施行

更新予定表を続けるための3つの約束

更新予定表は、つくるよりも、続けるほうが難しい表です。続けるために、次の3つを約束として決めておきます。

約束 内容
見直す日を先に予定に入れる 春と秋に1時間、会議の枠を確保する
担当を1人に決める 集める、書く、直すの窓口を一本化する
直した記録を残す ページ名と、直した日付をメモする

3つの約束は、どれも特別な道具を必要としません。決めて、予定表に書くだけです。

まとめ:PEST分析は、表を埋める作業から、更新予定を決める作業に変える

PEST分析は、政治、経済、社会、技術の4つの視点で、自社の外の変化を整理する方法です。表を埋めるだけでは、直すページは決まりません。

内容 要点
意味 外の変化を4つの視点で整理する
つまずく点 拾う基準がなく、世の中の話で終わる
解決の考え方 拾う要因を絞り、お客様の行動の1文に書き換える
拾う基準 近い、確か、書ける
出口 ページと日付を結びつけた更新予定表

外の変化は、自社の手で動かせません。ただ、変化にどう備えるかは、自社のページで決められます。

2026年に公表された公的な数字を見ると、スマホの保有は世帯の91.8%、65歳以上は総人口の29.6%、物価は前年同月比で2.1%の上昇でした。どれも、お客様の行動を変える数字です。

要因を6件から8件に絞り、4か所のページに結びつけ、春と秋に見直す。この3つを決めるだけで、表は生きた予定表になります。

記事全体の振り返り

記事の流れを、最後に1枚の表で振り返ります。迷ったら、この表の左の列に戻ってください。

章 内容 持ち帰ること
意味と4つの項目 外の変化を整理する枠組み 4項目は、ホームページの4か所に結びつく
公的な数字 今年公表された最新の数字 数字は出典の名前と公表日で書く
業種別の例 5つの会社の表 先に効く項目は、会社によって2つ
5つの症状 表が動かない理由 変化とページの間に、つなぎが欠けている
解決策 3つのふるいと更新予定表 近い、確か、書けるで絞る
テンプレート 3枚の表 最後に今週直す1ページが残る

読み終えたあとの、最初の一歩

読み終えたあと、最初にやることは1つです。今日、見積もりや料金のページを開いて、価格が決まる条件が書かれているかを確かめてください。

次の一歩 かける時間 得られるもの
料金のページを開いて、条件の有無を確かめる 10分 直す候補の1つ目
問い合わせの記録を3か月分、書き出す 30分 社会と経済の要因の材料
役所のページを3つ開いて、施行日を控える 30分 政治の要因の材料
春と秋の見直しの日を、予定表に入れる 5分 続ける仕組み

4つのうち1つでも終えれば、表は動き始めます。全部を一度にやろうとせず、1つ目から進めてください。

今日できる点検

最後に、今日の30分でできる点検を表にします。上から順に、1行ずつ進めてください。

点検する場所 見ること はい/いいえ
見積もりや料金のページ 価格が決まる条件と、見積もりの有効期間が書かれているか
契約や注意書きのページ 制度やルールが変わった日付が書かれているか
古い制度や数字の案内 終わった制度や古い数字が載ったままになっていないか
よくある質問のページ 最近3か月の問い合わせの言葉が入っているか
スマホでの見え方 申し込みまで、スマホだけで進めるか
受付の方法 電話だけの受付になっていないか
更新の予定 春と秋の見直しの日が決まっているか
今週直す1ページ 更新予定表の1行目に、印がついているか

「いいえ」が付いた行が、今週の候補です。そのうち、お客様が最初に通る場所に近いものを1つ選び、今週中に直します。

点検の結果の読み方

「いいえ」の数によって、次にやることが変わります。

「いいえ」の数 状態 次にやること
0から1 外の変化への備えが整っている 春と秋の見直しを続ける
2から4 部分的に古い箇所がある いちばんお客様に近い行から直す
5以上 更新が長く止まっている 更新予定表をつくり、1ページずつ直す

行の数を気にしすぎる必要はありません。1つ直すと、その周りの行も直しやすくなります。

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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