Google トレンドは、自社のホームページに何を書くか、いつ公開するかを決める材料になる、と聞いたことはありませんか。実は、Google自身が検索セントラルの1ページを使って、その使い方を説明しています。
この記事は、そのページ「Get started with Google Trends」(日本語版の題名は「Google トレンドを使ってみる」)を、英語版の原文から読んで整理します。英語版と日本語版の比べ読み、公開後の更新の経緯、中小企業での当てはめ方も書きます。
合同会社謙虚は、3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。題材や公開時期を勘で決めず、検索の関心の動きを見て決める入口として、このページを読む価値があります。
結論:3行で言うと
- このページは、Google トレンドを題材選びと公開時期の判断に使う方法を説明しています。ただし「話題だから書く」ことは勧めておらず、自社の事業と読者に合うかを先に確かめるよう求めています
- 道具は2つです。キーワードの推移や地域を調べる[調べる]と、いま話題の語を見る[急上昇中]です。キーワード調査・季節の把握・業界との比較・自社名の検索のされ方の確認に使えると書かれています
- 英語版の最終更新日は2025年12月10日、日本語版は2025年12月18日です。比べた範囲で、意味が変わる差は見つからず、断定の強さが違う文が1か所ありました。初公開は2024年10月24日で、本文はその後ほぼ変わっていません
このページの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題(英語) | Get started with Google Trends |
| 日本語版の題名 | Google トレンドを使ってみる |
| 英語版の最終更新日 | 2025年12月10日 |
| 日本語版の最終更新日 | 2025年12月18日 |
| Google検索セントラルの中の位置(章) | 左の目次の「Monitoring and debugging」(日本語版は「モニタリングとデバッグ」)の章に入っています |
| 直近の主な更新 | 変更履歴に載っているのは、2024年10月24日の「Google トレンドの新しいドキュメント」(このページの追加)だけです。2025年12月10日の日付変更は、変更履歴にありません |
Googleがこのページで言っていること
導入:トレンドだから書く、は勧めていない
冒頭でGoogleは、Google トレンドを使うと、人々がGoogle検索でどう情報を探しているかが分かり、コンテンツ戦略を立てる助けになると述べています。
続けて、トレンドを使う前に、その題材が自社の事業と読者に合っているかを確かめるよう求めています。トレンドになっているというだけの理由で書くべきではない、という趣旨です。
迷ったときの参照先として、有用で信頼できる、人のためのコンテンツを説明した別のページが挙げられています。
Google トレンドとは何か
ページの説明では、Google トレンドは、GoogleとYouTubeの検索を集計し、匿名化し、分類したデータのランダムなサンプルです。世界全体から市区町村の単位まで、特定の語やトピックへの関心を分析できます。
つまり、全検索の完全な記録ではなく、サンプルから見た関心の動きです。データの範囲は、Google トレンドのデータに関するよくある質問に詳しいと案内されています。
道具は主に2つあり、用途が分かれます。
| 道具 | 使う場面 | 見られるもの |
|---|---|---|
| [調べる] | 自分で選んだ語やトピックを調べる | 地域別の関心、関連トピック、時間の推移 |
| [急上昇中] | いまGoogleで何が注目されているかを知る | おおよその検索ボリューム、急上昇の推移、関連ニュース記事 |
使い方の動画として、チュートリアル「Google Trends walkthrough」ほかが案内されています。
上昇中のトレンドを見張る
ページは、上昇中の語を見つけたら、自社の業界と読者に当てはまるかを考え、すでにあるコンテンツを見たうえで、自サイトで書く意味があるかを判断するよう勧めています。例として、衣料品のデパートなら新しいブランドの台頭、スポーツ報道なら注目の選手、パソコン販売なら人気が上がっている機種を挙げています。
見張り方は、全体の動きを見るか、自サイトに特有の動きを見るかで2通りです。
- 全体の動き:[調べる]の検索欄を空にして、上位の語とトピックを見る方法(国・期間・カテゴリ・属性のフィルタで絞れます)と、[急上昇中]で上昇中の語と関連ニュースを見る方法(こちらもフィルタで絞れます)。
- 自サイトに特有の動き:関心のある語を自分で並べ、[調べる]で調べる方法
後者の例が、チーズ店です。ブリー、チェダー、プロヴォローネ、パルメザン、モッツァレラの5種を並べると、パルメザンは関心が高く伸びていて、ブリーは季節性が強く(米国では感謝祭と冬の祝祭期)、モッツァレラは安定し、チェダーは10月から2月にかけて少し増え、プロヴォローネの関心は小さい、と読み取れる、という説明です。
このとき「トピック」で調べると、言語をまたいで集計され、打ち間違いや別の呼び名、略称も含まれます。打ち間違いの多い語を調べるときに役立つと書かれています。
キーワード調査
ページはキーワード調査を、読者が情報を探すときに使う語を見つける作業と定義しています。事業に近い語のリストがあれば、その中で関心が上がっているものを探せます。
まだ知られていない語は競争も少ない可能性がある、とも書かれています。
何から始めればよいか分からないときは、Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートにある「クエリ」タブが手がかりになります。すでに表示されている語と、クリックされている語が並ぶからです。
手順は次のように書かれています。
- [調べる]を開き、検索欄に語を最大5つ入れて、推移から関心が高い語と上昇中の語を見分ける
- 複数の国を狙うなら、語が最も人気な地域を示すカードを見る
- 関連トピックと関連クエリのカードで、プルダウンの「人気」(Top)から関心の高い語を、「注目」(Rising)から最近伸びている語を探す。自社と関係の薄い語は追わず、専門知識と経験のある語に絞る
- ほかの言語の関連語も確かめる。翻訳するか主言語だけにするかの判断材料になり、Search Consoleでその言語や国からの流入があるかも確認できる
- 狙う語が決まったら、SEOの基本の指針に沿ってサイトを整える
コンテンツカレンダー
Google トレンドは、何を書くかだけでなく、いつ公開するかの優先づけにも使えます。季節的な山を見つけ、人々が検索し始める少し前に質の高いコンテンツを用意しておく、という考え方です。
読者のいる国や地域に注意するよう求めています。例では、「ブリー」の関心が米国では年2回、英国では年1回ピークになります。
英国のチーズ店なら、英国で山になるクリスマス休暇の前に公開するのが理にかなう、という説明です。国ごとに別々に分析することが大切だとされています。
業界と比べる
自サイトの関連語の全体的な動きを見ると、自社の数字の増減が業界全体の動きなのか、自社だけの問題なのかを見分けやすくなる、とページは述べています。
例は保険会社のサイトで、旅行保険について次の3つの使い方を挙げています。
- 旅行保険のトラフィックが増減したとき、業界全体の検索の動きと重なるかを確かめる。分析の方法は、検索トラフィック減少のデバッグを扱う別ページに案内されています
- [調べる]で旅行カテゴリの保険の動向を見て、読者の関心を知る。フィルタでカテゴリを選ぶと絞れます
- 競合の名前を入れ、関連語から、人々がその社と一緒に何を検索しているかを知る。複数の地域で営業しているなら、地域・都市圏・市区町村ごとの検索の頻度も見られます
ブランドの認知と受け止め
自社の名前を[調べる]に入れ、期間を過去30日か90日にして、関連する検索語の「注目」と「人気」を、表の下の矢印でページを送りながら最後まで読む、という手順です。人々が自社と一緒に何を検索しているかが分かります。
たとえば、航空会社の名前と過去の事故が一緒に検索されているなら、事故の経緯と対応を説明する記事が書けます。クーポンと一緒に検索されているなら、クーポンの有無と入手方法を説明するページが作れます。
データは月次・週次・日次でダウンロードして、受け止められ方の変化を追えます。ほかの検索エンジンやソーシャルネットワークのデータと突き合わせる使い方も書かれています。
データが手作業の限界を超えたら、自然言語処理のサービスのような高度な手段を使う意味が出てくるかもしれない、と英語版は述べています。
英語版と日本語版の違い
今回の確認日(2026年11月5日)時点で、英語版と日本語版を節ごとに読み比べました。意味が変わるほどの差は見つかりませんでしたが、断定の強さが違う文が1か所ありました。
| 確認した点 | 英語版 | 日本語版 |
|---|---|---|
| 最終更新日 | 2025年12月10日 | 2025年12月18日(英語版より新しい日付) |
| 節の構成 | 導入、Googleトレンドについて、上昇中のトレンド、キーワード調査、コンテンツカレンダー、業界との比較、ブランドの認知と受け止め | 同じ構成 |
| 語を入れる上限 | 5語 | 5語 |
| ブランド分析の最後の文(高度な手段の使いどころ) | 「might make sense」(意味があるかもしれない) | 「合理的です」(言い切り) |
| 画面の用語 | Explore / Trending now / Rising / Top | [調べる] / [急上昇中] / [注目] / [人気] |
日本語版のほうが新しい日付になっています。ただ、本文を読み比べた限り、日本語版にだけ足された文や、英語版にだけ残った文は見つかりませんでした。
更新日の差は、内容の差を意味しないようです。
画面の用語は、英語の「Rising」が日本語の画面で「注目」に、「Top」が「人気」に当たります。英語の解説と日本語の画面を見比べるときは、この対応を覚えておくと迷いません。
公開後の更新の経緯
変更履歴(2024年10月24日の項)には、このページを新しく追加した旨が書かれています。理由は、Google トレンドが、人々の探し方の理解とコンテンツ戦略の見直しに役立つため、とされています。
Internet Archiveの保存分も確かめました。2024年10月28日の保存分は最終更新日が2024年10月24日で、2025年6月27日の保存分は2025年5月9日です。
この2つの保存分の本文を、現在の英語版と文単位で比べました。
違いは、2024年10月28日の保存分にあった「content content」という語の重複が直っている1か所だけです。2025年6月27日の保存分は、現在と本文が同じでした。
つまり、2025年5月9日と12月10日の日付の更新で、本文の文章が変わった形跡は、確かめた範囲では見つかりません。ページ内の書式や周辺の部品が更新された可能性はありますが、そこまでは確かめていません。
このページから、言えること・言えないこと
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| Google トレンドで、題材の候補の関心の高さや季節の山を見られる | 伸びている語で書けば、検索結果の順位が上がる(このページは順位について何も述べていません) |
| トレンドになっている語でも、自社と読者に合わないなら書かないほうがよい | 話題の語は、何でも記事にすべき |
| データは、集計・匿名化・分類された検索のランダムなサンプルである | Google トレンドの数字が、自社サイトの実際の訪問数や検索回数と一致する |
| 自社の増減が業界全体の動きかどうかを、見分ける材料になる | 業界の動きが分かれば、自社の増減の原因が特定できる |
| Search Consoleのクエリを、調べる語の出発点にできる | [急上昇中]に出る語は、そのまま自社の読者の関心を表している |
なお、[調べる]で出る数値の尺度の読み方は、このページには書かれていません。尺度はGoogle トレンドのヘルプ側の説明です。
数字の読み方と、題や公開時期を決める手順は、Googleトレンドの使い方 0〜100の数字の読み方と季節と地域で題を決める手順で扱っています。
この記事は公式ページの解説、あちらは実務の手順、という役割です。
中小企業の視点で、どう受け取るか
ここからは、Googleの説明とは別の、私の読み取りです。従業員が数人から数十人の会社が、WordPressのサイトで使う前提で書きます。
1. 調べる前に、事業に近い語を10個書き出す
Google トレンドを先に開くと、話題の語に引っ張られます。まず、自社の商品名、サービス名、お客様が実際に口にする悩みの言葉を、紙に書き出してください。
ページが求める「自社と読者に合うか」の確認は、この段階が一番楽です。
語が出てこないときは、Search Consoleの左メニュー「検索パフォーマンス」を開き、「クエリ」タブの表を見ます。すでに表示されている語は、確かな出発点になります。
2. [調べる]に5語ずつ入れ、山の形を見る
1回に入れられるのは最大5語です。書き出した10個を、2回に分けて入れます。
期間を長くしたときに、毎年同じ時期に山が来る語があれば、季節性のある題材の候補です。
これはページが言う「季節の傾向を見つける」の、私なりの具体化です。期間を何年にするかはページに指定がないため、自社の商品が売れる周期に合わせて決めてください。
3. 山の少し前に公開できるよう、予約投稿を使う
季節の山が分かったら、山の少し前に公開できるよう逆算します。WordPressなら、投稿編集画面の右側の「公開」欄にある日時を未来に設定すると、予約投稿になります。
カレンダーに「下書き完成」「公開」の2つの日付を入れておくと、前倒しが習慣になります。
4. 数字が動いたら、自社の語と業界の語を並べて見る
Search Consoleで、ある語の表示やクリックが急に増減したら、同じ語をGoogle トレンドの[調べる]に入れます。
山や谷が同じ時期に出ていれば、業界全体の動きが背景にある可能性があります。重なっていなければ、自社ページ側の要因を疑う材料になります。
順位や流入の落ち込みを調べる手順は、Google検索セントラル解説の「検索トラフィックの減少をデバッグする」の回で扱っています。
よくある質問
Google トレンドで上昇中の語を記事にすれば、検索で有利になりますか?
このページは、そうは述べていません。逆に、トレンドというだけで書くのではなく、自社の事業と読者に合うかを先に確かめるよう求めています。
Google トレンドの数字は、実際の検索回数ですか?
ページの説明では、Google トレンドの中身は、検索を集計・匿名化・分類したランダムなサンプルです。
[急上昇中]には「おおよその検索ボリューム」が出ると書かれていますが、[調べる]の数字の尺度は、このページでは説明されていません。尺度はGoogle トレンドのヘルプで確かめてください。
Google トレンドで、自社の名前を調べるとどんなことが分かりますか?
ページによれば、自社名を[調べる]に入れて期間を過去30日か90日にすると、関連する検索語の「注目」と「人気」から、人々が自社と一緒に何を検索しているかが分かります。その結果は、足りない説明ページを作る手がかりになります。
まとめ:今日できる1つのこと
自社の事業に近い語を5つ書き出し、Google トレンドの[調べる]に入れて、期間を長くして山の形を見てください。毎年同じ時期に伸びる語が1つ見つかれば、それが次に書く記事の題材と公開時期の候補です。
この記事は、Google検索セントラル解説の一覧の一本です。ほかのページの解説も、順次公開しています。
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