コメント欄、会員登録、口コミの投稿欄、掲示板。訪問者が書き込める場所があるサイトでは、そこに何が書かれるかを、自社で選べません。
この記事では、Google検索セントラルの「Prevent user-generated spam on your site and platform(サイトとプラットフォームでのユーザー生成スパムを防止する)」を、英語版の原文から読みます。何を・どの順に備えればよいかが分かります。
合同会社謙虚は、3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。書き込み欄を持つサイトの備えを、Googleの公式な言葉で確かめておくために、このページを読みました。
結論:3行で言うと
- Googleは、ユーザー生成スパムの防止は通常、難しくないと書いています。単純な抑止策でも、スパマーが断念する可能性があるという説明です
- 挙げられた対策は7つです。禁止の明示と通報の受付、怪しいアカウントの特定、検索に載せるべきでない内容の遮断、手動承認、ブロックリスト、自動登録の遮断、サイトの監視の順に並んでいます
- 2026年10月26日に英語版が更新され、「検索に載せるべき内容だけをインデックスさせる」節が加わりました。監視の節にも、Search Consoleを使う項目が足されています
このページの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題(英語) | Prevent user-generated spam on your site and platform |
| 日本語版の題名 | サイトとプラットフォームでのユーザー生成スパムを防止する |
| 英語版の最終更新日 | 2026-10-26 |
| 日本語版の最終更新日 | 2026-10-28 |
| Google検索セントラルの中の位置 | URLの上では「monitor-debug」の下。監視とデバッグの章にあたります |
| 直近の主な更新 | 変更履歴の2026年10月26日の項目で、インデックスさせない内容の扱いと、Search Consoleでの不正の監視の案内を足した、と書かれています。ほかには、2020年12月4日の移行の記録があります |
Googleがこのページで言っていること
何が問題とされているか
冒頭で、スパマーは公開されたコメントフォームなど、ユーザーが内容を入力できる場所を使って、無防備なサイトにスパムを載せることがよくある、と説明されています。
ホスティングのほか、利用者が共有ページや生成された内容、ウェブアプリを公開できるツールでも、価値のないページやサイトが大量に作られることがある、という指摘です。この「共有ページ」などの部分は、2026年10月の更新で加わりました。
防止の難しさについては、次の1文が原文にあります。
“Preventing abuse on your platform or site is usually not hard.”(プラットフォームやサイトでの不正の防止は、通常、難しくありません。)
続けて、利用者に普段は求めない確認を1つ挟むような簡単な抑止策でも、スパマーの意欲をそぐ可能性がある、と書かれています。
この記述は、Googleのスパムに関するポリシーの「User-generated spam」の節とつながっています。英語版で開くと、ユーザー向けの投稿の場を通じて加えられたスパムを指し、運営者が気づかないことも多い、と書かれています。
例には、誰でも登録できるホスティング上のスパムのアカウント、フォーラムの投稿、ブログのコメントスパム、ファイル共有の場へのアップロードが挙がっています。
対策1:スパムを許さないと、利用者に伝える
不正使用に関する明確なポリシーを公開し、新規登録のときなどに知らせます。信頼できる利用者が通報できる窓口も用意します。
対策2:怪しいアカウントを見つける
登録など、利用者の操作の記録を残し、スパムに典型的なパターンを探します。原文が挙げる4つは次のとおりです。
- フォームの入力にかかった時間
- 同じIPアドレスの範囲から届いたリクエストの数
- 登録時のユーザーエージェント(利用者のブラウザなどの種類を示す情報)
- 登録時に選ばれたユーザー名など、フォームで送られた値
こうした手がかりは、利用者の評価の仕組みづくりに使え、スパマーの特定にも役立つ、と書かれています。
コメントスパムの多くは、検索エンジンに載せたい動機で書かれます。そこで原文は、評価がまだ無い新規ユーザーの投稿に、noindexのrobots metaタグを付けることを提案しています。
ユーザーの評価が貯まったら、インデックス登録を許可します。この仕組みは、スパマーの意欲を大きくそぐ、とあります。
もう1つの手がかりがリンクです。スパマーの動機は、自分のサイトへのリンクを残すことにあることが多いため、信頼できない内容の中のリンクすべてに、nofollowまたはugcのrel属性を付けることを検討する、という提案です。
リンク先の外部リンクの属性を示すページを英語版で開くと、コメントやフォーラム投稿のリンクにはugcを付けることを勧めています。
同じページには、Googleにインデックスさせないためには、クロールを許可したうえでnoindexのルールを使う、とあります。
対策3:検索に載せる内容だけを、インデックスさせる(2026年10月に追加)
利用者が共有ページ、生成された出力、操作するツールを作れるサービスが対象です。その内容は、検索で見つけてもらうためか、リンクを知る人だけが直接開くためか、を考えるよう書かれています。
直接の共有、共同作業、道具としての利用が目的のページには、noindexのルールを適用するか、初期設定でrobots.txtによるクロールのブロックをかける、という案です。noindexは、robots metaタグまたはX-Robots-Tagヘッダーで付けます。
どちらを選ぶべきかまでは、このページに書かれていません。
対策4:怪しい投稿は、手動で承認する
特定の投稿を、公開の前に人が確認する方法です。スパマーが、その場でスパムを公開できなくなります。
原文は、日々の作業が増える点を認めたうえで、非常に効果的な方法だと書いています。ほとんどのCMSにコメントの承認機能が標準で付いているのも、その効果のためだ、という説明です。
対策5:ブロックリストで、繰り返しを断つ
スパムのプロフィールを1件見つけたら、同じ種類のものを簡単にまとめて削除できるようにします。
たとえば、同じIPアドレスから複数のスパムのプロフィールが作られているなら、そのIPアドレスを恒久的な禁止リストへ入れます。
WordPressのようなCMSには助けになるプラグインがあり、ファイアウォールの拒否リストへ入れる方法も非常に有効だとされています。
対策6:自動での登録を止める
登録フォームに、reCAPTCHAなどの確認ツールを使うことを検討します。人による送信だけを通し、自動のスクリプトで大量のサイトを作る行為を防ぐのが目的です。
対策7:サービスを見張る
最後の節は、見張る対象を6つ挙げています。最初の2つは、2026年10月に加わりました。
- Search Consoleにサイトまたはサブドメインを登録し、手動による対策やセキュリティの問題があったときのメール通知を受け取れるようにする。あわせて、ページのインデックス登録レポートと検索パフォーマンスのレポートを定期的に見て、プラットフォームの目的に合わない急増(インデックス済みのページ、表示回数、検索語)がないかを確かめる
- 新しく公開されたページの急増や、少数の利用者がインデックスされうるURLの大半を作っている、といった異常を知らせるアラートを、作成数とインデックス数の指標に設定する
- リダイレクト、大量の広告枠、特定のスパム用キーワード、エンコードされた大きなJavaScriptの塊といった、スパムの兆候。見つけるには、site:検索演算子やGoogleアラートが役立つとされています
- ウェブサーバーのログで、突然のアクセス増がないか
- フィッシングやマルウェアに感染したページがないか。Google Safe Browsing APIで、サービスのURLを定期的に試す例が挙がっています
- 確認線を決めておくこと。日本の利用者が中心のサイトに、一晩でイタリアのIPアドレスから数千件の操作が来るのは妥当か、と問います。新しいサイトの言語は、言語検出ライブラリやGoogle翻訳のAPIで調べられる、とあります
site:検索演算子のページ(英語版)には、スパムによくある語を足して検索し、自社サイトのスパムを見つける例があります。返るURLの一覧は網羅的とは限らない、との断りも付いています。
英語版と日本語版の違い
確認した日付(2026年11月5日)時点で、対策の数・項目・リンク先は一致していました。10月26日に加わった節と監視の項目も、日本語版に訳されています。
意味が変わる差は、見つかっていません。
語の揺れや強さの違いは、次の3点です。
| 項目 | 英語版 | 日本語版 |
|---|---|---|
| 最終更新日 | 2026-10-26 | 2026-10-28(2日新しい) |
| 新規ユーザーの投稿へのnoindex | 追加を「検討する」(consider adding) | 「追加することをおすすめします」。推奨の語気が少し強くなっています |
| 4つ目の対策の呼び方 | 見出しも本文もblocklist(ブロックリスト) | 見出しは「ブロックリスト」、本文は「ブラックリスト」。日本語版の中で語が揺れています |
2つ目の差は、判断に影響しえます。英語版は「検討」の強さですが、日本語版は「すべきこと」と受け取られかねません。
更新の経緯
変更履歴(英語版)と、Internet Archiveの保存版を英語版の本文で比べました。
| 時期 | 確認できたこと |
|---|---|
| 2020年12月4日 | 変更履歴に、Search Consoleのヘルプセンターから移行したガイドの1つとして載っています。このときの呼び名は「Web hosting services」で、内容は変えていないと書かれています |
| 2022年9月8日の保存版 | 最終更新日は2022-09-07。題名は「Prevent abuse on your site and platform」で、冒頭の文のリンクは「quality guidelines」と呼ばれていました |
| 2022年10月13日 | 変更履歴に、Webmaster Guidelinesを「Google検索の基本事項」へ改め、品質に関するガイドラインの節を「スパムに関するポリシー」に置き換えた記録があります。ただし、このページの名前は載っていません |
| 2023年2月9日の保存版 | 最終更新日は2023-01-26。題名は「Prevent user-generated spam on your site and platform」に変わり、リンクの呼び名も「spam policies」になっていました |
| 2024年3月・2025年6月・2025年11月の保存版と、2025年12月10日の版 | 最終更新日は順に2023-12-01、2025-02-04、2025-02-04、2025-12-10と進みますが、本文の文章は2023年2月の保存版と同じでした。12月10日の版は、今回の更新の前に私が保存していたものです |
| 2026年10月26日 | 変更履歴に「ユーザー生成スパムの防止ガイド」を更新した、と載っています。内容は、共有リンクで届けるコンテンツのインデックス登録を止める案内と、Search Consoleでの不正の監視の案内の追加です。保存していた12月10日の版と比べても、足された節と項目はこの2点で、既存の対策の文は変わっていません |
ここからは私の読み取りです。2022年秋の変更は、基本事項の刷新に合わせた呼び名の置き換えと考えるのが自然です。
ただし、変更履歴はこのページを名指ししていません。
2023年2月から2025年12月までは、最終更新日が進んでも本文は同じでした。日付が新しくなっただけでは、本文が変わったかは分かりません。
今回の2026年10月は、日付と本文の両方が動いた更新です。
取得できた最も古い保存版は2022年9月8日のものです。2020年12月から2022年9月までは、確かめられていません。
このページから、言えること・言えないこと
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| 公開されたコメント欄のような入力欄は、スパムの入口になりうる | 「コメント欄があると、検索順位が下がる」。ページは順位の話をしていません |
| 評価のまだ無い新規ユーザーの投稿に、noindexを付ける案が示されている | 「すべての投稿にnoindexを付けるべき」。対象は評価の無い新規ユーザーの投稿で、評価が貯まれば許可します |
| 信頼できない内容のリンクに、nofollowまたはugcを付けることを検討するよう勧めている | 「付ければスパムが来なくなる」。リンクを残す動機をそぐ手段として挙げられています |
中小企業の視点で、どう受け取るか
ここからはGoogleの説明とは別の、私の読み取りです。従業員が数人から数十人の会社が、WordPressで自社サイトを持っている場面を想定しました。
1. 訪問者が書き込める場所を、数え上げる
備えの前に、書き込める場所がどこにあるかを数えます。コメント欄、口コミの投稿欄、会員のプロフィール、掲示板、ファイルのアップロードが候補です。
WordPressの管理画面で見る場所は、「設定」の「ディスカッション」です。ただし、そこの「新しい投稿へのコメントを許可」の設定は、これから作る投稿の初期値です。
すでに公開した投稿には、1本ずつの設定が残っています。確かめるには、「投稿」の一覧で投稿を選び、一括操作の「編集」から、コメントの欄を見ます。
コメント欄が事業に必要なければ、まとめて「許可しない」にすれば入口が減ります。これは原文にはない、私の考えです。
2026年10月に加わった節(共有ページや生成物をインデックスさせない案内)は、利用者がページを作れるサービスの運営者向けです。コメント欄だけのサイトには、直接は当てはまらないと私は読んでいます。
2. 残すなら、承認制にして、リンクの属性を確かめる
コメントを残す場合は、先ほどの「ディスカッション」の画面で、公開前に管理者の承認を必要とする設定を確かめます。対策4に当たります。
通知のメールの宛先は、いま実際に見ている人のものにしてください。
リンクの属性は、実際に公開されたコメントの画面で、ページのソースを表示し、「ugc」という文字を探すと確かめられます。付いていなければ、テーマやプラグインの設定を調べる材料になります。
3. 問い合わせフォームは、迷惑な自動送信に備える
公開されない問い合わせフォームは、このページが想定する「載せられる」問題とは少し違います。ただ、自動の送信は対応の手間を増やします。
reCAPTCHAなどの確認を入れる場合は、入れたあとに自分でテスト送信し、メールが届くことまで確かめてください。確認を強くしすぎると、正規の問い合わせまで止まる場合がある、というのが私の見立てです。
フォームの見直しは、問い合わせフォームから問い合わせが来ない原因と直し方にまとめています。この記事は公式ページの解説で、そちらは実務の記事です。
4. 月に1回、3つを点検する
対策7を、毎月の点検にするなら、次の3つで足ります。
- Googleの検索窓で、site:検索演算子に自社のドメインと、事業と無関係な語(例:カジノ)を組み合わせて検索する
- Search Consoleで、手動による対策のレポートとセキュリティの問題のレポートを開き、通知が無いかを見る。ページのインデックス登録レポートで、登録済みのページ数が急に増えていないかも見る
- レンタルサーバーの管理画面で、アクセスが急増した日を探す
手動による対策については、Search Consoleのヘルプ(英語版)を開きました。「User-generated spam」という項目があり、主にフォーラム、ゲストブック、ユーザーのプロフィールで検出される、と書かれています。
弊社のサイトで確かめたこと
この作業中の2026年11月5日に、kenkyo.ai に対して行った確認です。Search Consoleなどの管理画面は私は見られないため、書いていません。
curl -sL "https://kenkyo.ai/wp-json/wp/v2/posts?per_page=100&page=1"を、結果が空になるまでpageの値を進めて実行し、各投稿のcomment_statusの値を数えました。返ってきた公開投稿1,301本のすべてで、コメントは「closed(受け付けない)」でした。固定ページ39本も、すべて「closed」でした- 公開記事1本(/hirinku-taisaku/)のHTMLを取得し、
comment-form、respond、wp-comments-postの3語を探しました。いずれも見つかりませんでした curl -sL "https://kenkyo.ai/wp-json/wp/v2/comments?per_page=1"を実行しました。公開されているコメントの総数は0件でしたcurl -sI "https://kenkyo.ai/wp-login.php?action=register"を実行しました。ステータスは302で、転送先は「registration=disabled」が付いたログイン画面でした。その画面には、ユーザー登録は許可されていない、と表示されていましたcurl -sL https://kenkyo.ai/contact-us/でお問い合わせのページを取得しました。フォームのHTMLに、reCAPTCHAのスクリプトの読み込みと、検証用の隠し入力欄(_wpcf7_recaptcha_response)がありました
この結果から言えるのは、次の2点です。
- 確認した範囲では、訪問者が内容を公開できる場所は、コメントも会員登録も閉じている
- 残る書き込み口はお問い合わせフォームで、確認用のスクリプトを読み込む指定がある
一方、フォームの確認が実際に自動送信を止めているかは、テスト送信をしていないため分かりません。管理画面の設定も見ていません。
よくある質問
ユーザー生成スパムとは何ですか。自社のコメント欄や問い合わせフォームも対象になりますか
Googleのスパムに関するポリシーでは、ユーザー向けの投稿の場を通じて、利用者がサイトに加えたスパムの内容を指します。コメント欄は、ブログのコメントスパムの例として挙げられています。
公開されない問い合わせフォームは、この定義の「投稿の場」には当たらないと私は読んでいます。ただし、ポリシーがフォームを名指ししているわけではありません。
ユーザー生成スパムが多いと、Googleから手動による対策を受けることがありますか
Search Consoleのヘルプには、「User-generated spam」という手動による対策の種類があります。Googleが、訪問者の投稿したスパムを検出したときの項目です。
どのくらいの量で対象になるかといった数字は、私が開いたヘルプには書かれていませんでした。
まとめ:今日できる1つのこと
WordPressの管理画面で、「設定」の「ディスカッション」を開き、コメントと承認の設定を確かめてください。そのうえで「投稿」の一覧を開き、公開済みの投稿のコメント欄が、意図した状態になっているかを見ます。
書き込める場所の数が分かれば、必要な備えも決まります。
この記事は、Google検索セントラル解説の一覧の一本です。ほかのページの解説も、順次公開しています。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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