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POPの書き方は1行目で決まる 誰の困りごとに効く品かを先に書く店頭とホームページの言葉

2026 10/11
2026年10月11日
中野輝規
POPの書き方は1行目で決まる 誰の困りごとに効く品かを先に書く店頭とホームページの言葉

商品の前に紙を立てた。字も丁寧に書いた。色もつけた。

それなのに、その商品だけ棚から減らない。

そんな朝に、「ポップの書き方が悪いのかもしれない」と、紙を書き直した経験はありませんか。

この記事は、小売店、飲食店、サロンなど、小さな店の店主やスタッフに向けて書いています。

ポップとは、商品のそばに置く、短い紹介の紙や札のことです。

ポップの書き方を調べると、色は3色から5色まで、文字は大きく、キャッチコピーは目立つ場所に、といった解説がたくさん見つかります。

どれも正しい内容で、守れば読みやすい紙になります。

ただ、読みやすい紙が、売れる紙になるとは限りません。

売れ行きを左右するのは、字のうまさや飾りよりも、1行目に何を書くかです。

この記事では、その1行目の書き方を、順番として説明します。

誰の、どんな困りごとに効く品かを、商品名より先に書く。 これが、この記事の中心です。

さらに、売れたポップの言葉は、店の外でも働かせることができます。

ホームページの商品紹介や、地図サービスの商品欄に同じ言葉を置くと、店に来る前のお客さんにも届くからです。

読み終えたときに、いま売りたい商品のポップの1行目が、1つ決まっている。それがこの記事のゴールです。

目次

Q&Aサイトで見かけた、売れない商品のポップの悩み

先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。

投稿されたのは2010年で、飲食店で働く方からの質問でした。

内容は、売れない商品がいくつかあるので、ポップを書いてみたが、効果がない、というものです。

投稿者は、値段の高さが原因だと考えていた

投稿者は、売れない理由を、大きさの割に値段が高いことだと考えていました。

そのうえで、こういう商品には、どう書いたらいいのかと尋ねていました。

小さな店でも、よく聞く悩みです。

売れてほしい商品ほど、値段や量に引っかかりがあって、紙1枚では伝えきれないと感じます。

寄せられた答えは、感想、付加価値、写真、セット売り

回答には、いくつかの案が並んでいました。

自分で食べた感想を書く、美肌やお腹のすっきりといった付加価値を伝える、写真を付ける、ほかの品とセットにする、という案です。

どれも、実際に試せる現実的な答えでした。

ただ、回答の中に、誰のための品なのかを問うものは、ありませんでした。

この質問の本当の悩みは、書き方の技術よりも、何を書けば高い品が選ばれるのかが分からないことにあります。

悩みを3つに分けると、次に何をすればよいかが見える

質問の悩みを整理すると、次の3つに分けられます。

質問の中の言葉 本当の困りごと この記事で扱う場所
ポップを書いたが効果がない 紙に何を書けば動くのか分からない 1行目の順番の章
大きさの割に高い 値段の理由を、お客さんに伝えられていない 値段の理由の章
どう書いたらいいか 書く前に決めることが決まっていない 書く前の準備の章

ポップを書くときに迷う場所は、どの店でもだいたい同じ

ポップを書く手が止まる場所は、実はだいたい同じです。

字の練習をすれば解決しそうに見えますが、迷っているのは、字よりも前の段階です。

迷いの正体は、何から書くかが決まっていないこと

売りたい商品を前にすると、書きたいことが次々に浮かびます。

素材、産地、作り方、ほかにはない点、季節、おすすめの食べ方。

全部が本当のことで、全部を書きたくなります。

けれども、小さな紙に全部を入れると、どれも目に入りません。

何から書くかが決まっていないので、紙が情報の置き場になってしまうのです。

字のうまさは、読みやすさのところまでで十分

字は、きれいに越したことはありません。

ただ、お客さんが読めれば、それで役目は果たせています。

上手な字のポップでも、売れないものは売れません。

逆に、少し不揃いな字でも、1行目が自分のことだと感じられる紙は、足を止めます。

字の練習に使う時間は、1行目を決める時間に回したほうが、効きます。

迷いを減らす順番を、先に表で見ておく

この記事で説明する順番を、先に一覧にしておきます。

順番 決めること 例えば
1 誰のための品か 忙しい朝に、手早く済ませたい人
2 その人のどんな困りごとか 朝食を作る時間がない
3 この品がどう効くか 開けてすぐ食べられる
4 商品名と値段 紙の下のほうに小さく

この記事が扱う範囲と、前の記事との分け方

店の前に立てる黒板は、先日の記事で書きました。

店の外から見える1枚の書き方は、ブラックボードの書き方の記事にまとめています。

ブラックボードの書き方の記事はこちら

今回の記事が扱うのは、店の中の、商品のそばに置くポップです。

黒板は、通りかかった人を呼び込む役です。

ポップは、すでに店の中にいる人に、この品を手に取っていい理由を渡す役です。

店の中の紙は、読む人がすでに近くにいる

店の中にいるお客さんは、商品を眺めながら、迷っています。

買うかどうかを決める直前の人なので、紙に求めるのは、迷いを1つ減らすことです。

だから、ポップの文章は、飾るよりも、迷いに答える形にします。

読者としてイメージしているのは、こんな店

飲食店のおすすめメニューの札、雑貨店の棚の紙、美容室や整体院のメニュー表の横の一言。

どれも、店主かスタッフが、手で書いたり、パソコンで打ったりして作る紙です。

専門のデザイナーに頼まなくても、書き方の順番が決まっていれば、十分に働く紙になります。

先に結論を表にしておく

項目 一般的な書き方の解説 この記事の考え方
最初に決めること 色、文字の大きさ、レイアウト 誰のどんな困りごとに効く品か
1行目 目立つキャッチコピー 読んだ人が自分のことだと思える一言
書いたあとの使い道 店頭に貼って終わり ホームページや地図サービスにも使う

一般的なポップの解説が教えてくれること

ポップの書き方を解説したページを読み比べると、教えている内容はよく似ています。

商品名と値段は小さく、キャッチコピーを一番目立つ場所に置く。文字は少なく、色は3色から5色まで。お客さんの目の高さに貼る。

どれも、紙を読みやすくするための基本です。

基本の型は、読みやすさを守るためにある

読みやすさは、買ってもらう前の入口です。

文字が小さすぎる、色がうるさい、貼る位置が低すぎる。そういう紙は、中身を読んでもらう前に目をそらされます。

基本の型は、この入口を通すために作られています。

守って損はありません。

型を守っても、売れ行きが変わらない店がある

基本を守っているのに、売れ行きが変わらない店があります。

その店のポップを見ると、読みやすい紙に、商品の特徴が整然と並んでいます。

素材のこだわり、産地、作り方、サイズ。

正しい情報なのに、お客さんの手が伸びません。

理由は、その情報が、お客さんの困りごとにつながっていないからです。

型の外にある、もう1つの判断

型が教えてくれるのは、どう見せるかです。

何を言うかは、型の外にあります。

何を言うかを決める判断が、この記事でいう1行目の順番です。

判断の種類 決めるもの 一般的な解説での扱い
どう見せるか 色、大きさ、貼る位置 詳しく書かれている
何を言うか 1行目の内容 短いキャッチコピーを、と書かれる程度
誰に言うか 紙が語りかける相手 ほとんど触れられない

1行目は、誰の、どんな困りごとに効く品かから書き始める

ここからが、この記事の中心です。

ポップの1行目には、商品名より先に、お客さんの状況を置きます。

商品名や値段は、紙の下のほうに、小さく添えれば十分です。

順番は4つ

書く順番を、4つに分けます。

1つ目は、誰のための品かを決めること。

2つ目は、その人のどんな困りごとかを書くこと。

3つ目は、この品がそれにどう効くかを書くこと。

4つ目に、商品名と値段を、小さく添えることです。

例で比べると、1行目が変わるだけで読まれ方が変わる

たとえば、パン屋のある商品の紙を比べてみます。

書き方 1行目 お客さんの受け取り方
商品名から 国産小麦のクロワッサン 良さそうだが、自分に関係があるか分からない
特徴から 3日かけて発酵させました 手間は分かるが、買う理由には届かない
困りごとから 朝ごはんを作る時間がない人へ 自分のことだと感じて、先まで読む

3つ目の書き方では、商品名がまだ出ていません。

それでも、朝に困っている人は、続きを読みます。

商品名は、読み進めたあとに出てくれば、十分だからです。

困りごとから始めると、特徴も使い道が決まる

特徴は、困りごとに効く形で並べ直すと、急に意味を持ちます。

3日かけた発酵は、朝に焼きたてのように香る、という言葉に変わります。

国産小麦は、子どもに食べさせる朝食に、という言葉に変わります。

同じ特徴が、誰のためのものかを得て、はじめて役に立ちます。

困りごとの見つけ方は、お客さんの口から拾う

では、お客さんの困りごとは、どこから見つければよいのでしょうか。

机の前で考えるよりも、店の中で聞こえてくる言葉を拾うほうが、正確です。

レジとカウンターで聞く言葉を、紙に書き残す

困りごとは、お客さんの口から、ふとした言葉として出てきます。

「これ、子どもでも食べられますか」
「贈り物にしたいんですけど」
「初めてなんですが、どれがいいですか」

こういう一言が、そのまま1行目の候補です。

質問されたことは、紙に先に答えておく

お客さんに何度も聞かれる質問は、ポップに答えを書く合図です。

1日に3回聞かれる質問なら、紙に書いておけば、3回分の説明が減ります。

店主やスタッフの手も空くので、別のお客さんの相手ができます。

困りごとの種類は、大きく4つに分けられる

困りごとの種類 お客さんの言葉の例 1行目の書き出し
時間がない 手早く済ませたい 忙しい朝でも、すぐ
選べない どれがいいか分からない 迷ったら、まずこれ
初めてで不安 失敗したくない 初めての方でも
贈り物にしたい 相手の好みが分からない 年配の方への贈り物に

高い品は、値段の理由を困りごとの側から書く

質問にあった、大きさの割に高い品は、小さな店の誰もが抱える悩みです。

値段の理由は、お客さんの得になる形で書きます。作り手の苦労は、その後ろに回します。

手間の話は、お客さんの得に言い換える

高い理由を、作り手の手間で説明すると、お客さんには他人事に聞こえます。

3日かけて発酵させた、という話は、朝に口に入れたときの香りと食感に言い換えます。

手間はお客さんの得になって、はじめて値段の理由に変わります。

量が少ない品は、何回分かを数えて見せる

大きさの割に高い品は、1回あたりの量に直すと、印象が変わります。

小さな瓶でも、使うのが1回に数滴なら、何日もつのかを書きます。

量を数字に直すと、高いという感覚は、使い切るまでの時間に置き換わります。

悩み 言い換えの方向 紙に書く内容の例
量が少ないのに高い 何回分かで見せる 毎朝1回で、約1か月分
材料が高い 食べたときの違いで見せる ひと口目の香りが違います
手間がかかっている 待たずに済む得で見せる お昼には焼きたてが並びます

業種ごとの1行目の例

順番が分かっても、自分の店の言葉に直す段階で、手が止まることがあります。

ここでは、店の種類ごとに、1行目の例を並べます。そのまま使わず、自分の店のお客さんの言葉に置き換えてください。

飲食店は、選べない人の背中を押す

飲食店のメニューの札は、迷っている人が読みます。

初めて来た人は、何が自慢の品なのか、分かりません。

そこで、「初めての方は、まずこれを」と、迷いに直接答える一言を1行目に置きます。

辛さや量が気になる品なら、「辛いものが苦手な方でも大丈夫です」と、不安を先に消します。

雑貨店と小売店は、使う場面を先に見せる

雑貨は、使う場面が思い浮かぶと、手に取られます。

「引き出しの中がすぐ散らかる人へ」「来客用のお茶が、いつも切れている人へ」のように、暮らしの中の困りごとを置きます。

用途が複数ある品は、一番多い困りごとを1つだけ選びます。

全部を書くと、どれも自分のことに見えなくなるからです。

サロンは、初めての不安を先に答える

美容室、整体院、ネイルサロンなどは、メニューの中身が分かりにくい仕事です。

「肩こりが取れない人へ」「髪のうねりで朝の支度が長い人へ」と、状態から入ります。

初めての人向けの紙には、時間の目安と、当日の流れを添えます。

業種ごとの1行目をまとめて見る

業種 お客さんの迷い 1行目の例
飲食店 何を選べばよいか分からない 初めての方は、まずこれを
雑貨店 使う場面が思い浮かばない 引き出しが散らかる人へ
食品店 贈り物に失敗したくない 年配の方への手みやげに
サロン 初めてで不安 肩こりが取れない人へ
工房 触ってよいか分からない 手に取って、重さを確かめてください

売れた言葉は、そのまま残して育てる

ポップは、1回書いたら終わりではありません。

売れた言葉を残して、育てると、店の財産になります。

売れた1行目は、日付と一緒に記録する

動きが良かったポップの1行目は、手帳やスマートフォンのメモに書き残します。

日付と、置いた場所も一緒に書いておきます。

季節が変わっても、同じ困りごとで悩む人は現れるので、言葉はまた使えます。

売れなかった1行目も、捨てずに並べる

売れなかった言葉も、残す価値があります。

どの言葉が反応されなかったのかが分かると、次の言葉の精度が上がるからです。

記録は、3列の表で足ります。

日付 1行目 反応
書いた日 実際に書いた言葉 声をかけられた、手に取られた、変化なし

変えるのは1か所ずつにする

売れ行きが変わった理由を知りたいときは、変える場所を1か所だけにします。

1行目だけを変える。置く場所だけを変える。値段の書き方だけを変える。

一度に変えると、どれが効いたのか分からなくなります。

売れた言葉に、お客さんの言い方を混ぜる

お客さんが口にした言い方は、そのまま紙に使うと効きます。

「お昼に困らない」「ちょうどいい量」のような言葉は、店側が思いつく言葉よりも、買う人の頭の中にある言い方に近いからです。

レジで聞いた一言を、次のポップの1行目に回す習慣をつけてください。

スタッフ全員で、言葉の帳面を共有する

店主だけが言葉を持っていても、スタッフが書く紙の1行目は、バラバラになります。

売れた言葉の帳面を、レジの裏に1冊置いて、誰でも見られるようにします。

新しく入ったスタッフでも、帳面を見れば、その店らしい1行目を書けるようになります。

一番をうたう言葉を書く前に確かめること

売りたい気持ちが強いと、日本一、最安、地域で一番、といった言葉を使いたくなります。

こうした言葉は、景品表示法の考え方に関わるので、書く前に根拠を確かめます。

消費者庁が2024年に示した、一番表示の考え方

消費者庁は2024年9月26日に、No.1表示に関する実態調査報告書を公表しました。

長官の記者会見で説明された内容によると、顧客満足度No.1のような表示で、調査対象の商品やサービスを使ったことがあるかを確認せずにアンケートを行うなど、「表示に見合った調査が行われていないものが少なからず見受けられた」と述べられています。

つまり、一番と書くには、その一番を支える調査が、表示の内容に見合っている必要があります。

小さな店が、日本一や最安を書く前に確かめること

日本一や最安も、一番をうたう点では同じ種類の言葉です。

書く前に、何と比べた一番なのか、いつの、どこの話なのか、根拠の資料があるのかを、店の中で確かめます。

根拠が手元に残っていない言葉は、使わないほうが安全です。

判断に迷う場合は、消費者庁や、お住まいの自治体の消費生活の窓口に相談してください。

書きたい言葉 書く前に確かめること 根拠がなければ
日本一 何の、誰が調べた日本一か 書かない
最安 いつ、どの店と比べた値段か 書かない
地域一番 範囲と期間が説明できるか 書かない
お客さんの声 実際にいただいた声か 実際の声だけを使う

一番と書かなくても、困りごとに効くことは書ける

一番という言葉を使わなくても、ポップは働きます。

困りごとに効く品だと分かれば、お客さんは、一番かどうかを気にしません。

根拠のない一番よりも、確かに言える一言のほうが、長く使えます。

売れた言葉は、店の外でも働かせる

ここまでの方法で、店の中のポップに、売れる1行目が見つかったとします。

その言葉は、紙の上だけで使うのはもったいない言葉です。

来店する前に調べる人にも、同じ言葉を届けることができるからです。

お客さんの手元には、店を調べられる画面がある

総務省が2026年5月に公表した令和7年通信利用動向調査によると、個人のスマートフォンの保有割合は78.9%でした。

年齢別に見ると、20代から50代の各年齢階層で、92.7%から93.8%です。

店に来る前に、スマートフォンで店の情報を見られる人が、働き盛りの世代ではほとんどを占めているということです。

ポップの1行目を決める順番誰の相手を決める聞く困りごと口から拾う答える効き方1行で言う添える名前と値段小さく添える

店の前の人と、画面の中の人は、同じ迷いを持っている

店の中のお客さんが迷うことは、画面の中のお客さんも迷います。

この品は自分に関係があるのか。値段はどのくらいか。初めてでも大丈夫か。

画面の中のお客さんには、スタッフに聞くことができないので、迷いはもっと大きくなります。

だから、同じ答えを、画面にも置いておきます。

流用できる場所を表で確認する

置き場所 読む人 使える言葉
店内のポップ 店の中で迷っている人 1行目、特徴、値段
店のホームページ 来る前に調べる人 1行目を見出しに、詳細を本文に
地図サービスの商品欄 近くで探している人 1行目と短い説明、写真
店の前の黒板 通りかかった人 1行目の短縮版

ホームページの商品紹介に、売れた1行目をそのまま使う

店内で売れた1行目は、ホームページの商品紹介の見出しに、そのまま使えます。

文章を新しく考えるより、売れた実績のある言葉を使うほうが、確実だからです。

商品名の前に、困りごとを置く

商品ページの見出しも、ポップと同じ順番にします。

最初に、誰の、どんな困りごとに効くかを置いて、次に商品名と値段を載せます。

ポップで見つけた言葉が、ページでも読まれる言葉になります。

質問されたことは、ページにも書く

レジで何度も聞かれる質問は、ページの「よくある質問」に載せます。

紙の下に書いた一言の答えを、少し丁寧にして、そのまま貼れば足ります。

店に来る前に不安を消しておくと、来店したときの会話が短くなります。

ポップとページの言葉を揃えると、迷わない

店頭の紙とホームページで、言葉が違うと、お客さんは別の店のように感じます。

ページで見た言葉が、棚の前にも貼ってあれば、来店した人は、探していたものだと気づけます。

言葉を揃えることは、来店した人への、最初の案内になります。

比べる点 言葉が違う店 言葉が揃っている店
ページで見た人が棚の前に立ったとき 同じ品と気づきにくい 見た言葉があって、すぐ分かる
スタッフの説明 人によって言い方が違う 同じ言葉で説明できる
売れた理由の振り返り どの言葉が効いたか不明 同じ言葉で比べられる

紙の言葉をページに持ち込むときの注意

紙に貼った言葉は、店の中の人にしか見られませんが、ページに載せた言葉は、遠くの人にも、長く読まれます。

前の章で触れた、日本一や最安のような一番表示は、紙のときよりも慎重に扱います。

根拠が手元にある言葉だけを、ページに持ち込みます。

また、期間限定の品や、季節の品を載せたときは、終わった後の更新も忘れないようにします。

古いページが残ると、来店したお客さんが、ない品を探すことになるからです。

地図サービスの商品欄にも、同じ1行目を置く

店を探すときに、地図サービスを開く人は少なくありません。

お店の紹介に、商品やメニューを載せられる場合は、そこにも売れた1行目を置きます。

地図サービスでは、短く、1行目を先頭に

地図サービスの商品欄は、読む人が少ない時間で見る場所です。

先頭に1行目、その後ろに、商品名と短い説明を置きます。

長い説明を載せるより、1行目で自分のことだと気づいてもらうほうが、続きを読んでもらえます。

写真は、困りごとが解決した場面を選ぶ

商品の写真は、商品だけを撮るより、困りごとが解決した場面のほうが伝わります。

朝ごはんの困りごとなら、朝のテーブルに並んだ写真です。

写真と1行目が同じ話をしていると、一目で意味が伝わります。

売れるサイトはみな謙虚

私たちは、「売れるサイトはみな謙虚」という考え方で、小さな店のホームページを見ています。

謙虚とは、お客さんが知りたいことを、飾らずに、先に、同じ場所で見せることです。

ポップの1行目も、ホームページの商品紹介も、この考え方で貫けます。

飾りを足す前に、知りたいことを先に出す

見栄えのよい飾りを足す前に、お客さんが知りたい内容を、1行目に出します。

困りごとに効くという答えが先にあれば、飾りは後からでも間に合います。

同じ言葉を、店とページで言い続ける

店の言葉は、毎日書き換えるものではありません。

売れた言葉を、紙にも、ページにも、地図サービスにも、同じ形で置き続けます。

続けるほど、お客さんにとって、その言葉が店の顔になります。

やりすぎて逆効果になることと、直したあとの見方

1行目の順番が分かると、張り切って、あれもこれも直したくなります。

ここでは、やりすぎて逆効果になる例と、直したあとに何を見ればよいかを書きます。

困りごとを何個も並べて、誰のことか分からなくなる

1行目に、困りごとを3つも4つも並べると、読んだ人は自分のことだと思えません。

「忙しい人にも、疲れた人にも、贈り物にも」と書かれた紙は、誰にも向いていない紙と同じです。

1枚の紙では、困りごとを1つに絞ります。別の困りごとは、別の紙に書きます。

不安をあおる言葉で、買う気持ちを冷やす

困りごとを強調しすぎて、「このままだと大変なことに」と脅すような言葉は避けます。

お客さんは、気持ちが下がった状態では、買いません。

困りごとは、事実として静かに書き、品が効く部分を明るく伝えます。

根拠のない効果をうたって、あとで困る

食品や美容にかかわる品では、効果や効能を断定する言葉に注意が必要です。

「必ず痩せる」「誰でも治る」のような言い切りは、書かないでください。

確かめられた事実と、お客さんの感想を分けて書くのが、安全です。

やりがちなことを表で確かめる

やりがちなこと 起きること 代わりにすること
困りごとを何個も並べる 誰のことか分からない 1枚に1つへ絞る
不安をあおる 気持ちが冷める 事実を静かに書く
効果を言い切る あとで問い合わせが来る 感想と事実を分ける
紙の枚数を増やす 棚が雑然とする 1商品に1枚

直したあとは、2週間、同じ見方で続ける

紙を直したら、その日のうちに結果を決めつけず、2週間ほど様子を見ます。

見るのは、その商品が棚から減る速さと、お客さんがポップの言葉を口にしたかどうかです。

難しい分析は要りません。減った数を毎晩メモするだけで足ります。

反応が薄いときは、困りごとの選び方を見直す

反応が薄いときに、字や色を直したくなりますが、先に見直すのは、困りごとの選び方です。

お客さんの口から出た言葉に戻って、別の困りごとを試します。

1行目だけを替えて、また2週間待ちます。

よくある質問

Q1 字が下手でも、ポップは売れますか

売れます。

お客さんが読める大きさと濃さで書けば、字のうまさは売れ行きの決め手になりません。

迷う時間は、字の練習よりも、1行目の言葉を決める時間に使ってください。

Q2 パソコンで作るのと、手書きと、どちらがよいですか

どちらでも、1行目の中身が同じなら、役目は果たせます。

手書きは、店の人柄が出る、書き換えが早いという利点があります。

パソコンは、同じ紙を何枚も作れる、ホームページに言葉をそのまま移せるという利点があります。

Q3 商品が多くて、全部にポップは書けません

全部に書く必要はありません。

売りたい商品、新しい商品、よく聞かれる質問がある商品の3種類から、先に書きます。

書けない商品は、棚の見出しの1行だけで案内してもかまいません。

Q4 1行目の言葉が、どうしても思いつきません

お客さんに聞かれた質問を、そのまま1行目に直してみてください。

「これ、子どもでも食べられますか」と聞かれたなら、「お子さんと一緒に食べられます」が1行目になります。

自分で言葉を作る前に、お客さんの言葉を借りるのが近道です。

Q5 ホームページがない店は、どうすればよいですか

まずは、店内のポップだけで十分に始められます。

売れた1行目が見つかったら、地図サービスの紹介欄に載せる、店の入口の黒板に書く、という順で広げます。

ホームページは、売れた言葉が10本ほどたまっていると、作るときに文章で迷いません。

まとめ

ポップの書き方で、迷ったときに戻る場所は、1行目の順番です。

Q&Aサイトの質問者が悩んでいた、大きさの割に高い品も、同じ順番で考えられます。

値段の理由を、お客さんの得に言い換えて、誰の困りごとに効くのかを1行目に置けば、紙は働き始めます。

誰の、どんな困りごとに効く品かを、商品名より先に書きます。

字のうまさや飾りは、その後で整えれば足ります。

売れた言葉は、日付と一緒に記録して、帳面に残します。

その言葉を、ホームページの商品紹介と、地図サービスの商品欄にも置くと、来店前のお客さんにも届きます。

日本一や最安のような一番をうたう言葉は、根拠が手元にあるものだけを使います。

今日できる点検

次の表の上から順に、今日の営業が終わるまでに、できるところまで進めてください。

点検すること やること 目安の時間
売りたい品を1つ選ぶ いま一番動かしたい商品を1つ決める 5分
誰のための品かを書く その品を買ってほしい人を1行で書く 10分
困りごとを書く レジで聞いた言葉を3つ思い出して書く 10分
1行目を作る 困りごと、品の効き方の順に、1行で書く 15分
一番表示を確かめる 日本一や最安と書いていないか、貼ってある紙を見直す 10分
ホームページか地図サービスを開く 同じ品の紹介に、1行目を足す 20分

全部を今日終える必要はありません。

売りたい品の1行目だけでも、書き出しておくと、頭の中のもやが晴れます。

書いた1行が、お客さんの手が伸びる最初の言葉になります。

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この記事を書いた人

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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