開業や会社設立に向けて、ロゴを自分で作るか、誰かに頼むかで迷っている方に向けて書きます。
先に答えを書きます。
ロゴの作り方は、デザインのやり方より先に「どこで使うか」を書き出すと決まります。
使う場所が決まると、必要な形と色とデータの種類が決まり、自作で足りるか依頼が要るかも判断できます。
この記事では、その順番を表と具体例で示します。
先に答え:ロゴを作る前に紙に書くことは3つある
ロゴ作りで最初に開くのは、メモ帳です。ソフトを開くのはその後です。
書くのは次の3つです。
- 誰に、何の店(会社)だと伝えたいか
- ロゴを置く場所の一覧
- 作ったあとに自分が持っていたいもの
この3つが埋まっていれば、自作でも依頼でも、仕上がりが大きくぶれません。
逆に、ここが空白のまま作り始めると、きれいなのに使いにくいロゴになりやすくなります。
1つ目は「誰に何の店か」を一文にすること
ロゴは、見た人に「ここは何の店か」を一瞬で伝える目印です。
特許庁は商標を「事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)」と説明しています。
つまり、ロゴの仕事は区別してもらうことです。
区別してもらう相手と、その店の中身が決まっていないと、区別のしようがありません。
2つ目は置く場所を全部書くこと
看板と名刺は、たいていの方が思いつきます。
見落としやすいのは、ホームページのタブに出る小さなアイコン、検索結果に出るアイコン、地図に載る店舗情報のアイコンです。
どれも小さな正方形で表示されるため、横に長いロゴはそのままでは入りません。
置く場所の一覧は、後ろの章で表にしています。
3つ目は作ったあとに持っておくものを決めること
ロゴが完成した時点で、手元に何があれば安心か。
元データ、色の指定値、使ってよい範囲のメモ。この3点を持っているかどうかで、数年後の困り方が変わります。
特に、他人に作ってもらった場合の権利の扱いは、納品前に確認しておく必要があります。
この記事の読み方
読者は、飲食店・サロン・士業・小売など、店舗や事務所を立ち上げる方を想定しています。
ロゴ作成ツールの名前や、デザイン会社の名前は出しません。判断の基準だけを書きます。
金額の話も出しません。かかる費用は、依頼先ごとに条件が違うためです。
Q&Aサイトで見かけた、飲食店開業前のロゴ自作の質問
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
質問者は、これから飲食店を小規模で始める方でした。
予算に余裕がなく、ロゴのデザインを頼むと費用がかさむと感じています。
質問の中身
質問者は、もともとシンプルな明朝体のロゴにしたいと考えていました。
そこで、無料で使えるデザインサイトや、プロ向けのソフトを使って自分で作ろうとしています。
使う予定の場所は、小さな看板と名刺の2つ。
「自作して問題になるだろうか」と、不安を書いていました。
寄せられた回答
回答は2種類に分かれていました。
1つは、ロゴは店の顔だから大事に考えたほうがよい、という励ましに近い内容です。
もう1つは、自作は問題ないが、素材を使うなら利用規約を読むこと、という実務的な内容でした。
個人利用は無料でも、商用利用はできない素材がある、という指摘が添えられていました。
この質問から読み取れること
質問者の不安は、自作してよいかどうかに見えます。
その奥にあるのは、「看板と名刺だけで足りるのか」「あとで困らないか」という心配でしょう。
自作そのものは問題になりません。
ただし、素材の規約、使う場所の広がり、権利の確認という3つの落とし穴があります。
この記事は、その3つを順に潰していく形で進めます。
ロゴを自作して、あとから困りやすい場面
開業前のロゴ作りで多い失敗は、見た目の好みで決めてしまうことです。
好みで決めたロゴは、使う場所が増えたときに破綻します。
困りごとは使い始めてから出る
ロゴを作った直後は、画面いっぱいに大きく表示して確認します。
きれいに見えるので、そこで安心してしまいます。
ところが実際には、名刺の隅、スマートフォンの小さな画面、封筒の角といった、小さな場所で使う時間のほうが長くなります。
よくある困りごとの一覧
次の表は、自作したロゴで起きやすい困りごとと、原因、先に打てる手をまとめたものです。
| 起きること | 原因 | 先に打てる手 |
|---|---|---|
| 小さくすると文字が潰れる | 細い線や小さな飾りを使った | 小さな表示でも読める形を先に確かめる |
| 看板にすると画像が粗くなる | 小さな画像データしか残っていない | 拡大しても粗くならない形式で保存する |
| 白い背景でしか使えない | 背景色つきの画像で保存した | 背景を透明にしたデータも作る |
| 色が画面と印刷で違う | 画面用と印刷用で色の表し方が違う | 色の指定値を控え、印刷前に試し刷りをする |
| 素材の規約に違反していた | 商用利用の条件を読まずに使った | 規約の商用利用の欄を保存しておく |
| 同じようなロゴが見つかった | 公的な登録の有無を調べていない | 作ったあとに検索で確かめる |
6行のうち、デザインの腕前が原因のものは1つもありません。
ほとんどが、使う場所の想定と、データの扱いの問題です。
だからこそ、センスに自信がなくても、順番を守れば自作で通用するものが作れます。
先に決めると楽になる理由
使う場所が決まっていれば、最初の下書きの時点で「小さくしても読めるか」を確かめられます。
あとから場所が増えても、最初から一覧にあれば、作り直しにはなりません。
反対に、一覧がないまま完成すると、1つ増えるたびに微調整が必要になります。
デザインの前に、誰に何の店と伝えるかを一文で書く
ロゴの前に、店の説明を一文にします。
形も色も、この一文から決まります。
一文の型
型は単純です。「(誰)に、(何を)する(店の種類)」と書きます。
たとえば、「仕事帰りの近所の会社員に、日替わりの定食を出す小さな食堂」。
あるいは、「創業したばかりの小さな会社の経理を、月次で引き受ける税理士事務所」。
ここで書いた言葉の中から、ロゴの手がかりになる言葉を1つだけ選びます。
手がかりの言葉を選ぶ基準
手がかりは、店の名前、扱うもの、店の空気の3つから選べます。
迷ったら、お客さんが人に説明するときに使う言葉を選んでください。
「あの魚の店」と呼ばれるなら魚、「あの先生の事務所」と呼ばれるなら名前の頭文字が手がかりになります。
店名そのものを決めかねているなら、先に名前のほうを固めておくと、ロゴの作業が楽になります。
名前の決め方は店名(屋号)の決め方の記事にまとめています。
一文と手がかりの対応表
| 店の種類 | 一文の例 | 手がかりの候補 |
|---|---|---|
| 飲食店 | 近所の会社員に日替わり定食を出す食堂 | 料理名、器、店名の頭文字 |
| 美容・サロン | 30代の女性に静かな時間を売る小さなサロン | 店名の文字、落ち着いた線 |
| 士業・事務所 | 創業直後の会社の手続きを引き受ける事務所 | 代表者の姓、シンプルな図形 |
| 小売店 | 地元の素材だけを扱う雑貨店 | 扱う素材、地名の一部 |
| 教室・スクール | 放課後の小学生に算数を教える教室 | 教える内容、親しみやすい文字 |
この表の右の列から、1つだけ選びます。
複数を詰め込むと、小さく表示したときに何も読み取れなくなります。
ロゴを使う場所を全部書き出す
一文と手がかりが決まったら、次は置く場所の一覧づくりです。
場所ごとに、必要な形と大きさが違います。
場所の一覧と、そこで求められる形
表にまとめます。
| 使う場所 | 見られる大きさ | 求められる形 |
|---|---|---|
| 看板・のれん | 非常に大きい | 拡大しても粗くならないデータ |
| 名刺・チラシ | 小さい(数センチ) | 細い線を避けた形 |
| ホームページの左上 | 横に長くてもよい | 横長でも収まる配置 |
| ホームページのタブ・検索結果のアイコン | ごく小さい正方形 | 正方形に収まる記号 |
| ビジネスプロフィールのアイコン | 小さい正方形 | 正方形で読める形 |
| 領収書・封筒・梱包資材 | 小さい、単色の場合もある | 1色で印刷しても読める形 |
下の3行は、見落としやすい場所です。
どれも小さな正方形で表示されることが共通しています。
検索結果のアイコンについてGoogleの案内
Google検索セントラルのファビコンのページには、次のような条件が書かれています。
「ファビコンは正方形(アスペクト比1:1)で、8×8ピクセル以上のサイズが必要です。」
さらに、さまざまな場所で適切に表示されるように、48×48ピクセルより大きなファビコンを使うことが勧められています。
また、ウェブサイトのブランドを視覚的に表したものにするよう案内があり、アイコンのURLは頻繁に変えないことも条件です。
最小が8ピクセルと小さい分、細かい飾りの入ったロゴは、そのままでは潰れます。
ファビコンの出し方そのものは、検索結果に表示されるファビコンの記事で扱っています。
ビジネスプロフィールのアイコンの条件
Googleビジネスプロフィールのヘルプによると、ロゴの画像には次の条件があります。
形式は2種類の画像形式のどちらかで、サイズは10KBから5MB。推奨解像度は縦横720ピクセル、最小は縦横250ピクセルです。
ロゴを掲載すると、Googleのサービス上でビジネスが目に留まりやすくなる、とも説明されています。
この条件を知っているだけで、ロゴを作る段階から、正方形の版を用意しておくことができます。
小さく表示しても読める形にする
使う場所が分かったら、いちばん小さな場所に合わせて形を整えます。
小さい場所で読めるロゴは、大きな場所でも必ず読めるからです。
総務省の調査が示す、小さな画面で見る人の多さ
総務省が2026年5月に公表した令和7年の通信利用動向調査では、個人のスマートフォン保有割合は78.9%でした。
お客さんの8割近くは、手のひらの画面でロゴを見ていることになります。
パソコンの大きな画面で確認したロゴが、そのまま通用するとは限りません。
小さくしても読める形の条件
確かめる項目は5つあります。
- 線の太さは、極端に細くしない
- 文字は、画数の多い字を細い書体で組まない
- 色は、背景との明るさの差をはっきりつける
- 飾りは、小さくして消えても意味が変わらないものにする
- 記号と文字が離れていても、どちらか片方だけで成立する
この5つを満たせば、名刺の隅や、スマートフォンの画面でも潰れません。
確かめ方は縮小して離れて見ること
下書きができたら、画面上で名刺の大きさまで縮めます。
次に、椅子から立って、画面から2メートルほど離れて眺めます。
何の店か、店名が読めるか。この2点が分かれば合格です。
読めないときは、細部を減らすのが先で、色を変えるのはその後です。
| 確認の方法 | 見る点 | 直し方の目安 |
|---|---|---|
| 名刺の大きさまで縮める | 文字が潰れていないか | 線を太くする、字を減らす |
| 白黒に変える | 色なしでも形が分かるか | 形の差をはっきりさせる |
| 正方形に切り抜く | 記号だけで成立するか | 文字から独立した記号を作る |
小さな画面で見る人が多いので、ロゴは小さい場所から決める
ここまでの流れを、1枚の図にまとめます。
図の通り、順番は「書き出す、小さく試す、権利を確かめる、データを受け取る」です。
見た目の作業は、その真ん中にあるだけです。
色と文字の決め方
色と文字は、迷いやすい部分です。
ここでも、先に決めた一文から選びます。
色は2色までに絞る
開業直後のロゴは、色を増やさないほうが使い回しが楽です。
基調になる色を1つ、補助の色を1つ。これで足ります。
1色でも成立するように作っておけば、領収書や封筒のように単色で刷る場面にも対応できます。
色を選ぶ手順
| 順番 | やること | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 店の空気を表す言葉を1つ書く | 落ち着き、元気、清潔など |
| 2 | その言葉に合う色の系統を決める | 暖色か寒色か、濃いか淡いか |
| 3 | 看板を置く場所の周りの色を見る | 周りに埋もれない色を選ぶ |
| 4 | 白と黒の背景で見比べる | どちらでも読めるか確かめる |
| 5 | 色の指定値を控える | あとで同じ色を再現するため |
同業の店が同じ色を使っていないかも、近所を歩いて見ておくと役に立ちます。
文字は書体を1つに決める
文字の印象は、書体で決まります。
質問者が考えていた明朝体は、落ち着いた印象と、整った印象を出しやすい書体です。
ゴシック体は力強く、小さくしても読みやすい書体です。
手書き風の書体は温かさが出ますが、小さくすると読みにくくなります。
書体は1種類に絞ります。2種類を超えると、まとまりがなくなります。
書体の違いと向く店
| 書体の系統 | 受ける印象 | 向く店の例 | 小さな表示 |
|---|---|---|---|
| 明朝体 | 落ち着き、上品 | 和食、サロン、士業 | 細い線に注意 |
| ゴシック体 | 力強い、親しみ | 食堂、教室、小売 | 読みやすい |
| 丸みのある書体 | やわらかい、親しみ | 子ども向けの店 | 読みやすい |
| 手書き風 | 温かい、個性 | 雑貨、カフェ | 潰れやすい |
書体にも使える範囲がある
パソコンに入っている書体でも、ロゴに使ってよいとは限りません。
素材サイトに置かれている書体は、個人利用なら無料で、商用利用は不可の場合があります。
Q&Aサイトの回答にも、素材を使うなら利用規約を必ず読むように、という指摘がありました。
規約の商用利用の欄は、画面を保存しておくと、後で確認できます。
自作・知人・依頼の判断表
ここまで準備ができたら、誰が作るかを決めます。
どれが正解ということはなく、状況によって向き不向きがあります。
3つの方法の比較
| 方法 | 向いている人 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 自作(無料の作成ツール) | 場所が少なく、早く開業したい人 | 素材の規約、他店との似かたを確かめる |
| 知人に頼む | 店の様子を知る人がいる人 | 権利の扱いを文書で決めておく |
| 依頼サイトや制作会社に頼む | 看板や印刷物など場所が多い人 | 条件と納品物を先に確認する |
状況から選ぶ表
| あなたの状況 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 小さな看板と名刺だけ | 自作 | 場所が少なく、試作を繰り返せる |
| 看板、制服、包装まで必要 | 依頼 | 形式をそろえた一式が要る |
| 複数の店舗を出す予定 | 依頼 | 展開しても統一がとれる |
| 一人で始めて、様子を見たい | 自作 | まず使い、育ててから整える |
| 身近にデザインの得意な人がいる | 知人 | 事情を共有しやすい |
迷ったら、いちばん小さく始められる自作から入るのも方法です。
後から整えることはできます。
ただし、店名と一緒に広く使い始めたあとで変えるのは、手間が大きくなります。
頼む場合に先に伝えること
依頼するときは、先ほど書いた一文と、使う場所の一覧をそのまま渡します。
これだけで、やり取りの回数が減ります。
加えて、避けたいイメージも添えます。「派手すぎない」「流行りに寄りすぎない」といった一言で十分です。
自作する場合の進め方
自作するなら、下書きは紙に手で描くところから始めます。
紙なら、消して描き直すのが早く、道具の使い方に気を取られません。
形が決まったら、無料の作成ツールで清書します。
ツールを選ぶときは、書き出せる形式と、商用利用の条件の2点を最初に確かめてください。
無料の範囲では、高い解像度での書き出しや、背景を透明にした書き出しが有料の場合があります。
使えると思って作り込んだあとで制限に気づくと、やり直しになります。
知人に頼む場合に起きやすいこと
知人に好意で作ってもらうと、金額も条件も曖昧なまま進みがちです。
後から「ほかの店でも使ってよいのか」「改変してよいのか」が分からなくなるのは、この形です。
口約束で済ませず、使える範囲と元データの引き渡しを、メッセージの文面でも残しておきます。
関係を壊さないためにも、先に書いておくほうが安全です。
途中で方法を切り替えるときの目安
自作で始めても、途中で依頼に切り替えて構いません。
3回作り直して満足できないときは、自作の限界のサインです。
そのとき、これまでの下書きが依頼の材料になります。
何を気に入らなかったかが具体的になるため、頼む側の説明も的確になります。
作ったあとに権利を確かめる
ロゴが形になったら、公開する前に権利を確かめます。
調べるのは、他人の権利にぶつからないかと、自分の権利がどうなっているかの2点です。
他人の商標にぶつからないかを調べる
特許庁の「商標制度の概要」には、次の注意が書かれています。
「商標登録を受けないまま商標を使用している場合、先に他社が同じような商標の登録を受けていれば、その他社の商標権の侵害にあたる可能性があります。」
ロゴを作って使い始める側も、先に誰かが登録していれば侵害になる可能性があるということです。
調べる場所は、特許庁が運営する「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」です。
商標の検索で、店名の文字と、同じ業種の登録を確かめられます。
調べるときのポイント
特許庁の説明では、商標権は「マークと、そのマークを使用する商品・サービスの組合せで一つの権利」になっています。
商品とサービスは「区分」というカテゴリーに分けられ、第1類から第45類まであります。
つまり、同じ名前でも、扱う商品やサービスの区分が違えば、状況が変わります。
自分の店がどの区分に当たるかは、J-PlatPatの商品・役務名のリストで探せます。
調べる手順
| 順番 | やること | 見る点 |
|---|---|---|
| 1 | 店名をひらがな、カタカナ、漢字で検索する | 同じ読みの登録がないか |
| 2 | 自分の店の業種の区分を探す | 飲食、美容、小売など |
| 3 | 同じ区分の登録を絞り込む | 似た名前が登録されていないか |
| 4 | 記号や図形の分類でも探す | 似た図形がないか |
| 5 | 気になる登録は、特許庁の窓口か専門家に相談する | 判断を自分だけで決めない |
調べて何も出なくても、「絶対に問題ない」とは言い切れません。
類似かどうかの判断は難しいため、事業の中心になるロゴは、専門家に見てもらうと安心です。
登録できないロゴ、できるロゴ
特許庁の「出願しても登録にならない商標」のページには、登録できない例が並んでいます。
屋号やロゴを考えるうえで、参考になる例がいくつかあります。
屋号のロゴで気をつけたい例
| 登録できない例 | 特許庁の例示 | 屋号で気をつける点 |
|---|---|---|
| ありふれた氏や名称 | 山田、スズキ、田中屋、佐藤商店 | 姓に「屋」「商店」を足しただけの名前 |
| 産地や提供場所の表示 | 「飲食物の提供」に「東京銀座」 | 地名だけを前面に出した名前 |
| 極めて簡単でありふれた標章 | 仮名1字、数字、ローマ字の1字か2字、○や△ | 1文字や基本図形だけのロゴ |
| 普通名称 | 「アルミニウム」に「アルミ」 | 扱う品物の名前だけの店名 |
ただし、使われた結果として広く知られるようになった場合は、例外として登録できることがあります。
登録を目指すかどうかは、店の規模と将来の展開で決めます。
登録は義務ではない
商標の登録は、使う前に必ず済ませなければならない手続きではありません。
特許庁も、商標権を得るには出願して登録を受ける必要がある、と説明しているだけです。
登録すると、指定した商品やサービスで、その商標を独占的に使えるようになります。
権利の存続期間は、設定登録の日から10年で、更新して続けることができます。
複数の店に広げる予定があるなら、早めに検討しておく価値があります。
著作権はどうなっているか
商標とは別に、ロゴの絵や形には著作権が関わります。
文化庁の「著作権テキスト」を読んで、確認できた範囲を書きます。
著作権は作った時点で生まれる
文化庁は、著作権について次のように説明しています。
「著作権は、こうした手続を一切必要とせず、著作物が創られた時点で『自動的』に付与するのが国際的なルールとされています。」
この仕組みは「無方式主義」と呼ばれ、登録は不要です。
ただし、ありふれた表現には創作性がありません。
同じテキストに、「ありふれたもの(誰が表現しても同じようなものになるもの)も創作性があるとはいえません」とあります。
文字を並べただけのロゴは、著作物として守られない場合がある、ということです。
他人に作ってもらったときの扱い
自分で作ったなら、著作権は自分にあります。
他人に作ってもらったときは、事情が変わります。
文化庁のテキストは、制作を他人や他社に委託した場合、「料金を支払ったかどうか等にかかわりなく、実際に著作物を創作した『受注者側』が著作者となります」と説明しています。
さらに、発注者が納品後に利用するには、そのための契約をあらかじめ交わしておく必要がある、と続けています。
ロゴを頼む際には、使える範囲と、改変してよいかを、契約か書面で決めておきます。
データは形式ごとに受け取る
ロゴが完成したら、最後にデータの受け取りです。
ここを省くと、数年後に看板を作り直すとき、データが見つからずに困ります。
受け取りたいデータの種類
大きく分けると、拡大しても粗くならない形式と、大きさが決まった画像の形式の2種類です。
前者は看板や印刷物の元データとして、後者はホームページや地図サービスに載せるために使います。
| データの種類 | 用途 | 受け取るときの確認 |
|---|---|---|
| 拡大しても粗くならない元データ | 看板、のれん、印刷物 | 文字が図形に変換されているか |
| 背景が透明の画像 | ホームページ、資料 | 白い縁が残っていないか |
| 正方形の画像 | ビジネスプロフィール、アイコン | 縦横720ピクセル以上か |
| 白黒の版 | 領収書、スタンプ、刻印 | 色なしで形が崩れないか |
| 横長の版と、記号だけの版 | 場所に応じた使い分け | 2種類そろっているか |
| 色と書体のメモ | 後から同じものを作るとき | 指定値と書体名が書いてあるか |
元データの文字を図形に変えてもらう理由
元データの中の文字が、パソコンに入っている書体のままだと、別のパソコンで開いたときに文字の形が変わることがあります。
文字を図形に変換した状態で受け取れば、この心配がありません。
依頼するときは、「文字を図形に変換した版も渡してください」と一言添えます。
受け取ったあとの保管
データは、1か所にまとめて、2か所以上に保管します。
パソコンの中だけに置くと、故障で失います。
保管するフォルダには、ロゴのデータに加えて、次の3点も入れておきます。
- 素材や書体の利用規約を保存した画面
- 依頼した場合は、権利の取り決めを書いた文面
- 商標を調べた日付と、検索した語のメモ
後から権利を説明するとき、この記録が根拠になります。
使い始めてから守るルール
ロゴは、使い方がばらつくと印象が薄まります。
一人で始める店でも、簡単な決まりを持っておくと、あとで人が増えても保てます。
余白と最小サイズを決める
ロゴの周りには、何も置かない余白を取ります。
余白が狭いと、ロゴの形が周りの文字に埋もれます。
また、これより小さくしないという最小サイズも決めておきます。
名刺で使える最小サイズを1つ決めておけば、チラシやメニューで迷いません。
余白の目安は、ロゴの文字1字分の幅を、上下左右に取ることです。
ホームページの左上のように、ロゴの横に別の要素が並ぶ場所では、特に余白が効きます。
禁止事項を先に書く
ロゴの縦横の比率を変える、色を勝手に変える、背景との差が小さい場所に置く。
この3つは、いちばん起きやすい使い間違いです。
「やらないこと」として、メモに3行書いておくだけで足ります。
変えるときの目安
ロゴは、一度作ったら一生使うものとは限りません。
ただし、変更の頻度が高いと、お客さんが覚える前に姿が変わります。
少なくとも数年は使い続ける前提で、仕上げることをお勧めします。
看板や印刷物を作り直す手間を考えれば、最初の仕上げに時間をかける意味はあります。
依頼する場合の伝え方メモ
依頼する場合は、次のメモを1枚にまとめて渡します。
文章で長く説明するより、項目に沿って埋めたほうが、受け取る側も迷いません。
メモに入れる項目
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 店の一文 | 近所の会社員に日替わり定食を出す食堂 |
| 使う場所 | 看板、名刺、ホームページ、ビジネスプロフィール |
| 避けたい印象 | 派手すぎる、流行りに寄りすぎる |
| 色の希望 | 2色まで、1色でも使えること |
| 納品してほしいデータ | 元データ、透明背景の画像、正方形の版 |
| 権利の扱い | 使える範囲、改変の可否、元データの引き渡し |
提案を見るときの基準
提案が届いたら、好みで選ぶ前に、小さく縮めて見ます。
名刺の大きさで読めない案は、どれほど見映えがよくても外します。
次に、近所の同業の店と並べて、似ていないかを確かめます。
最後に、納品されるデータの種類が、メモの通りかを見ます。
よくある質問
Q. 無料の作成ツールで作ったロゴを、そのまま店で使ってよいですか。
多くの場合は使えますが、ツールごとに規約が違います。
商用利用ができるか、素材の再配布が禁止されていないか、同じ素材を使った別の店と似ることがないか。この3点を確かめてから使ってください。
Q&Aサイトの回答でも、素材を使う場合は利用規約を読むよう指摘されていました。
Q. ロゴを商標登録しないと、使えませんか。
登録しなくても使えます。
ただし特許庁は、登録を受けないまま使っている場合、先に他社が同じような商標を登録していれば、侵害にあたる可能性があると説明しています。
使い始める前に、J-PlatPatで検索しておくと安心です。
Q. 他人の作ったロゴによく似てしまったときはどうしますか。
同じ区分で似た商標が登録されているなら、変更を考えたほうが無難です。
似ているかどうかの判断が難しいときは、特許庁の窓口や専門家に相談してください。
Q. 知人に頼んで作ってもらいました。著作権は自分のものですか。
文化庁のテキストでは、委託して作ってもらった場合、料金を払ったかどうかに関わらず、実際に作った側が著作者になります。
自分が使い続けるには、そのための取り決めが必要です。
使える範囲と、改変の可否を文面に残してください。
Q. ロゴがなくても開業できますか。
できます。
ロゴは開業の条件ではないため、最初は店名の文字だけで始める方もいます。
ただし、ビジネスプロフィールや検索結果にはアイコンが表示されるため、正方形の記号を1つ用意しておくと見つけてもらいやすくなります。
まとめ
ロゴの作り方は、使う場所の一覧を書くところから始まります。
その一覧から、必要な形、色、データが決まります。
自作か依頼かは、場所の数と、使う期間で判断できます。
作ったあとは、特許庁の特許情報プラットフォームで商標を調べ、文化庁の説明に沿って権利の扱いを確かめます。
最後に、拡大しても粗くならない元データと、小さな正方形の版を受け取って、保管します。
弊社が掲げる「売れるサイトはみな謙虚」という考え方は、ロゴにもそのまま当てはまります。飾りを足すより、引いたほうが働きます。
順番を守れば、デザインに自信がなくても、開業の看板と名刺に使えるロゴは作れます。
今日できる点検
次の表の項目を、今日のうちに埋めてください。
| 点検する項目 | 今日やること | 済んだか |
|---|---|---|
| 一文 | 誰に何の店かを一文で書く | 書いた |
| 使う場所 | 看板、名刺、ホームページ、アイコンを書き出す | 書いた |
| 最小の場所 | いちばん小さな表示で読めるか試す | 試した |
| 色と書体 | 2色までと書体1つを決める | 決めた |
| 作る人 | 自作、知人、依頼のどれにするか決める | 決めた |
| 素材の規約 | 商用利用の欄を保存する | 保存した |
| 商標の検索 | J-PlatPatで店名を検索する | 検索した |
| データ | 元データと正方形の版を保管する | 保管した |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
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