ヘッドスパを看板メニューにしたのに、新規の予約が思うように入らない。
来てくださった方は「気持ちよかった」と言ってくれるのに、2回目の予約が入らないまま終わってしまう。
この記事は、そうした悩みを抱えるヘッドスパ専門店の経営者の方と、美容室やリラクゼーションサロンでヘッドスパを柱に育てたい方に向けて書いています。
ヘッドスパには、ほかの施術にない難しさがあります。
受けるまで、何が起きるのかがほとんど分からないことです。
この記事では、その壁がどこにあるのかを整理し、予約の前と施術のあとに何を書いて何を渡せばよいのかを順番に見ていきます。
読み終えたときに、自店のページかメニュー表で最初に直す場所が1つ決まっている。
そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、自宅でヘッドスパを始めた人の悩み
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
宣伝も勉強もしているのに、新規がつかない
投稿者は、自宅でサロンを開いている方でした。
メニューは、ヘッドスパ単体の50分と、ヘッドスパに顔のお手入れを組み合わせた110分の2つ。
写真共有アプリで宣伝を続け、経営を学ぶオンラインの講座にもお金を払って通っているのに、新しいお客様がなかなかつかない。
この料金は高すぎるのだろうか、という相談でした。
回答者が返した2つの指摘
回答の1つは、料金の高い安いには答えを出していませんでした。
まず、知らない人が暮らしている家に行って施術を受けようとする人はめったにいない、と書かれていました。
続けて、料金に正解は無く、同じ値段でも高いと感じる人もいれば、もっと高くても納得する人もいる、と指摘していました。
この2つの指摘は、ヘッドスパの集客の芯を突いています。
1つは「知らない場所への不安」、もう1つは「値段が妥当かどうかは、中身が分かっている人にしか判断できない」という話だからです。
相談者が本当に困っていたこと
相談者は料金を気にしていました。
けれども、料金で迷うのは、受けたあとの自分が想像できている人だけです。
ヘッドスパを受けたことのない人にとって、50分で何が起きるのかは分かりません。
中身が分からないものに対しては、値段が安くても高くても、判断のしようがありません。
これは9割のヘッドスパが陥る罠です
ヘッドスパのお店の多くは、技術の説明と料金を並べて、予約のボタンを置いています。
この並べ方には、ヘッドスパ特有の落とし穴があります。
ヘッドスパは、受けるまで中身が分からない
カットやカラーなら、仕上がりの写真を見ればどうなるかが分かります。
ネイルも、まつげも、仕上がりが目に見えます。
ヘッドスパは違います。
施術のあとに目に見えて変わるものは少なく、価値の大半は、受けている間と受けたあとの体の感じ方にあります。
ヘッドスパは、受けたことのない人には価値がいちばん伝わりにくい施術です。
頭の上で起きていることは、本人にも見えない
もう1つの難しさは、施術を受けている本人にも、頭の上で何が起きているのかが見えないことです。
顔のお手入れなら鏡で肌を見られますが、頭皮は自分では見られません。
だから、受けた人でさえ「なんとなく軽くなった」としか言えないことがよくあります。
その「なんとなく」を、受ける前の人に伝えるのは、さらに難しくなります。
値段の前に、何が起きるかで迷っている
予約の画面まで来た人が手を止めるのは、値段を見た瞬間とは限りません。
50分のあいだ何をされるのか、髪は濡れるのか、メイクは崩れるのか、終わったあとそのまま出かけられるのか。
そうした細かい疑問が1つでも残っていると、人は「また今度」と画面を閉じます。
| 読んでいるあなたの状況 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 新規の予約がほとんど入らない | 受けたあとの自分が想像できない | 帰り道と翌朝の様子を言葉で書く |
| 来た人は満足するが2回目が無い | 次に来る理由が渡されていない | 施術のあとに頭皮の様子と次の目安を渡す |
| 値段を下げても反応が変わらない | 迷いの原因が値段にない | 当日の流れを最初から最後まで書く |
| メニュー名を工夫しても選ばれない | 技術の名前で、悩みが書かれていない | 悩みと時間でメニュー名を付け直す |
| 美容室のついでに受ける人しかいない | 単独で受ける理由が見えていない | ヘッドスパだけで来る人の場面を書く |
表のどの行に近いかを1つ決めておくと、この先の話を自店に当てはめやすくなります。
予約の前に、お客様が頭の中で迷っていること
では、ヘッドスパを受けようか迷っている人は、予約の前に何を考えているのでしょうか。
迷いは、だいたい次の4つの形にまとまります。
寝てしまったら、もったいないのでは
いちばんよく聞くのが、この迷いです。
せっかく時間とお金を使うのに、途中で寝てしまったら何も覚えていない。
それなら、もったいないのではないか、と考える人がいます。
この迷いは、後の章で詳しく扱いますが、ヘッドスパにとって大きな手がかりになります。
どこで受けても同じでは
2つ目は、どこで受けても同じではないか、という迷いです。
頭をもんでもらうだけなら、近所の美容室でも、家の近くのリラクゼーション店でも変わらないのではないか。
この迷いが解けないと、人は値段の安いお店か、いちばん近いお店を選びます。
美容室のついでで十分では
3つ目は、美容室でカットのついでにしてもらえば十分ではないか、という迷いです。
美容室でシャンプーのときに少し長めに頭をもんでもらった経験がある人は、それをヘッドスパだと思っていることがあります。
専門店に行く理由が分からないまま、わざわざ予約を取る人はいません。
何回通えばいいのか、分からない
4つ目は、何回通えばよいのか分からない、という迷いです。
1回で何かが変わるのか、それとも何度も通わないといけないのか。
通い続けることになったら、時間もお金も続かないのではないか。
ここが分からないまま1回目を受けた人は、2回目を予約する理由が見つかりません。
| 予約の前の迷い | 答えが見つからないときに起きること | ページやメニュー表に置くもの |
|---|---|---|
| 寝てしまったらもったいない | 時間を無駄にしたくなくて予約しない | 眠ってしまう人が多いことと、受けたあとの体の感じ方 |
| どこで受けても同じ | 値段か近さで選ばれる | このお店でしか受けられない時間の使い方 |
| 美容室のついでで十分 | 専門店に行く理由が無い | ヘッドスパだけで来る人の場面と、施術の時間 |
| 何回通えばいいのか | 1回で終わるか、最初から来ない | 来る間隔の目安と、その理由 |
| 髪やメイクがどうなるか | 予定の前後に入れられない | 施術のあとの髪とメイクの状態、整える時間 |
5つの迷いのうち、自店のページで答えているものがいくつあるかを数えてみてください。
多くの場合、答えているのは技術の説明と料金だけで、残りは空いたままになっています。
ヘッドスパの集客が難しくなっている理由
ヘッドスパの集客が年々難しくなっているのには、お店の努力とは別のところに理由があります。
先に構造を押さえておくと、どこに力を入れればよいかが見えてきます。
美容所の数は、まだ増え続けている
厚生労働省が2025年10月に公表した衛生行政報告例によると、2024年度末の美容所の数は277,752施設で、前の年度より3,682施設増えています。
美容所はカットやカラーをする美容室の数で、ヘッドスパ専門店だけの数ではありません。
それでも、ヘッドスパを受けられる場所の多くは美容室のメニューの中にあるので、お客様から見た選択肢は増え続けています。
これに、ドライヘッドスパを出すリラクゼーション店や、自宅でのサロンが加わります。
選択肢が増えるほど、お客様は「どこで受けても同じ」と感じやすくなります。
同じ「ヘッドスパ」でも、中身がまったく違う
ヘッドスパという言葉は、お店によって指している中身が大きく違います。
シャンプー台で泡と湯を使って頭皮を洗いながらもむもの。
服を着たまま、ベッドで頭と首をもみほぐすもの。
美容室のシャンプーのときに、数分長めに頭をもむもの。
どれも「ヘッドスパ」と呼ばれています。
お客様からすると、名前が同じなので比べようがなく、結局は値段と時間で比べることになります。
水を使うかどうかで、決まりも変わる
中身の違いは、お客様の受け方だけでなく、お店が守る決まりにも関わります。
シャンプーで髪を洗うヘッドスパは、美容師の免許や美容所の届け出が関わるとされることが多く、開業の前に地域の保健所へ確かめるお店がほとんどです。
服を着たまま頭をもみほぐすヘッドスパは、リラクゼーションとして出しているお店が多くあります。
自店がどちらの形なのかを、お客様にも分かる言葉で書いておくと、比べられたときに説明しやすくなります。
「頭皮ケア」という言葉が、使い古されている
ヘッドスパのお店のページを並べて見ると、同じ言葉が何度も出てきます。
頭皮ケア、極上の癒し、贅沢な時間、深いリラックス。
どれも間違いではありませんが、どのお店も同じ言葉で書いているので、お客様の頭には何も残りません。
言葉が同じなら、選ぶ理由は値段と近さしか残りません。
予約サイトでは、受けたあとの話が書きにくい
予約サイトの掲載枠は、写真と料金とクーポンの文言で埋まります。
そこに書けるのは、何分でいくらか、どんな技術か、までです。
受けたあとに帰り道で何を感じるか、翌朝どうだったか、といった話を置く場所は、ほとんどありません。
ヘッドスパの価値の大半はその「受けたあと」にあるので、予約サイトだけでは価値の半分しか伝わりません。
予約サイトとの付き合い方そのものは、リラクゼーションサロンの集客について書いた記事で詳しく扱っています。
この記事では、ヘッドスパに固有の「受けるまで分からない」をどう越えるかに絞って話を進めます。
| 難しさの原因 | お客様から見えていること | お店ができること |
|---|---|---|
| 受けられる場所が増え続けている | どこで受けても同じに見える | 自店の施術の形と時間の使い方を書く |
| ヘッドスパの中身がお店ごとに違う | 名前が同じで比べられない | 水を使うか、服のままか、何分かを最初に書く |
| 同じ言葉がどのお店にも並ぶ | 読んでも何も残らない | お客様が実際に口にした言葉を借りる |
| 予約サイトの枠が狭い | 受けたあとの話が見えない | 自店のページに、受けたあとの話を置く |
ヘッドスパで言ってよいこと、言ってはいけないこと
ヘッドスパの価値が伝わりにくいと、つい強い言葉で効果を言い切りたくなります。
けれども、ヘッドスパには言い切ってはいけない言葉があります。
ここを外すと、集客の前に信頼を失います。
「発毛」「抜け毛が治る」とは書けない
ヘッドスパのページで最も気をつけたいのが、髪が生える、抜け毛が治る、薄毛が改善する、といった書き方です。
医薬品医療機器等法は、医薬品として承認されていないものについて、病気の治療や予防をうたう広告を禁じています。
ヘッドスパで使うシャンプーや美容液の多くは化粧品の扱いで、化粧品として言えることの範囲は決められています。
施術そのものについても、髪が生える、病気が治る、と受け取れる書き方は避けるのが安全です。
言い切れないことを言い切らないのは、お客様に対する誠実さでもあります。
「治療」「施術で治す」も避ける
頭痛が治る、不眠が治る、といった書き方も同じです。
あん摩マッサージ指圧師などの国家資格を持たない人が、病気を治すかのように宣伝することは、法律上の問題になるおそれがあります。
資格を持っている場合でも、広告に書ける内容には決まりがあります。
迷ったら、体の不調を「治す」とは書かず、受けたあとにどう感じたかを、お客様の感想として書くほうが安全です。
代わりに書けること
言い切れない言葉を外すと、何も書けなくなるように感じるかもしれません。
実際には、書けることはたくさんあります。
施術の時間に何をするか、どんな姿勢で受けるか、受けている間にどう感じる人が多いか、受けたあと髪とメイクはどうなるか。
これらは事実なので、言い切って構いません。
お客様の感想は、その人が感じたこととして、そのまま紹介できます。
ただし、感想の中に「抜け毛が減った」のような言葉があれば、効果をうたう広告と受け取られないよう、載せ方に気をつけます。
| 書きたくなる言葉 | なぜ避けるのか | 代わりに書けること |
|---|---|---|
| 髪が生える、発毛する | 医薬品のような効果をうたうことになる | 頭皮を洗い流し、もみほぐす手順と時間 |
| 抜け毛が治る、薄毛が改善する | 病気の治療を思わせる | 施術のあとに頭皮の様子をお伝えすること |
| 頭痛や不眠が治る | 治療をうたうことになる | 受けている間に眠ってしまう方が多いこと |
| 誰でも必ず効果が出る | 根拠を示せない | 感じ方には個人差があること |
| 医師も認めた | 裏付けを示せない限り書けない | 施術者の経歴と、学んできたこと |
決まりを守っているお店ほど、選ばれやすい
髪のことで悩んでいる人ほど、これまでに大げさな広告を何度も見てきています。
そういう人は、言い切っているお店ほど疑ってかかります。
言えないことを言わず、できることを正直に書いているお店は、それだけで比べられたときに信頼の差がつきます。
この考え方は、後で扱う「売れるサイトはみな謙虚」という話にもつながっていきます。
新規が来ないときに、多くのヘッドスパがやってしまうこと
予約が入らないとき、お店は何かを変えたくなります。
ところが、よく選ばれる打ち手の多くは、ヘッドスパの「受けるまで分からない」という壁には触れていません。
間違い1 効果を強い言葉で言い切る
価値が伝わらないなら、もっと強く言えばよいと考えて、効果を言い切る言葉を増やしてしまう。
前の章で見たとおり、髪や頭皮の悩みを持つ人は、強い言葉ほど疑います。
言い切る言葉が増えるほど、決まりに触れるおそれも増えます。
間違い2 メニューを増やして、名前で飾る
選ばれないのは種類が少ないからだと考えて、メニューを増やしてしまう。
炭酸を使うもの、オイルを使うもの、首と肩までもむもの、顔まで含むもの。
それぞれに凝った名前を付けると、初めての人はどれを選べばよいのか分からなくなります。
選べない人は、選ばずに画面を閉じます。
間違い3 値段を下げて、初回を安くする
初回の値段を大きく下げて、まず1回受けてもらおうとする。
これで予約は入りますが、入ってくるのは値段で選ぶ人です。
値段で選んだ人は、2回目の値段を見て、また別のお店の初回を探します。
Q&Aサイトの回答者が言ったように、値段に正解はありません。
中身が伝わっていない状態で値段だけ下げても、迷いの原因は残ったままです。
間違い4 施術中の写真ばかり載せる
ヘッドスパの写真というと、ベッドに横たわったお客様の頭に、施術者の手が置かれている写真がよく使われます。
どのお店も同じ構図なので、写真を見ても違いが分かりません。
しかも、その写真に写っているのは受けている最中の姿で、受けたあとの姿ではありません。
お客様が知りたいのは、受けたあとの自分がどうなっているかです。
間違い5 1回目の終わりに、回数券を勧める
1回目の施術が終わった直後に、回数券や定期のコースを勧める。
お客様はまだ、1回目の体の感じ方を自分の中で確かめている途中です。
その段階でまとめて買うかどうかを迫られると、多くの人は断り、そのまま来なくなります。
間違い6 美容室のメニューの端に並べておく
美容室でヘッドスパを出している場合、カットやカラーの料金表の最後に、追加のメニューとして小さく並べてしまうことがあります。
これだと、お客様からは「ついでに付けるもの」にしか見えません。
ヘッドスパを看板にしたいのに、ページの上では看板の扱いになっていないのです。
| よくある打ち手 | その場で起きること | しばらくして起きること |
|---|---|---|
| 効果を強い言葉で言い切る | 目を引くが、疑われる | 決まりに触れるおそれと、信頼の目減り |
| メニューを増やして名前で飾る | 選択肢が増えたように見える | 初めての人が選べずに離れる |
| 初回の値段を大きく下げる | 予約は一時的に増える | 2回目が入らず、値段で選ぶ人ばかりになる |
| 施術中の写真ばかり載せる | お店らしい見た目になる | 他店と区別がつかない |
| 1回目の直後に回数券を勧める | 一部の人は買う | 断った人が戻ってこない |
| 美容室の料金表の端に並べる | 手間がかからない | ついでのメニューに見え、単独で来る人がいない |
どの打ち手も、お店の側から始まっている
6つの打ち手を並べると、共通していることがあります。
どれも、お店が言いたいことや、お店が売りたいものから始まっています。
予約の前のお客様が抱えている「何が起きるのか分からない」という迷いには、どの打ち手も答えていません。
「寝てしまった」は、いちばん分かりやすい感想になる
ここで、予約の前の迷いのうち、いちばん多い「寝てしまったら、もったいない」に戻ります。
ヘッドスパのお店の多くは、この迷いを打ち消そうとします。
けれども、受けている間に眠ってしまうことは、ヘッドスパの価値そのものに近い話です。
女性の4割が、6時間眠れていない
厚生労働省の令和元年国民健康・栄養調査は、睡眠について次のようにまとめています。
「6時間未満の者の割合は、男性 37.5%、女性 40.6%であり、性・年齢階級別にみると、男性の 30~50 歳代、女性の 40~50 歳代では4割を超えている」
40代や50代の女性に多く来ていただいているお店なら、その世代の4割以上は、ふだんの睡眠が6時間に届いていない計算になります。
同じ調査では、30歳代の女性で睡眠を妨げているものとして「育児」と答えた人の割合が最も高くなっていました。
眠ってしまう時間そのものが、ほかで手に入らない
家にいれば家事があり、職場には仕事があります。
子どもがいれば、横になっても途中で起こされます。
誰にも話しかけられず、何もしなくてよい場所で、50分のあいだ目を閉じていられる。
その時間は、日々の生活の中ではなかなか手に入りません。
眠ってしまったことを、もったいないと感じさせる必要はないのです。
眠れたことを、受けたあとの言葉で書く
「寝てしまったらもったいない」という迷いには、正面から答えます。
施術の途中で眠ってしまう方が多いこと。
眠ってしまっても、施術の手順は最後まで変わらないこと。
起きたときに、頭が軽く感じる、目の奥がすっきりする、と話す方が多いこと。
これらを、お客様の言葉として書いておくと、予約の前の迷いが「むしろ眠りに行きたい」に変わります。
ただし、眠れるようになる、不眠が治る、とは書きません。
あくまで、受けている間に眠ってしまう人が多い、という事実と感想にとどめます。
| 迷いの言葉 | 打ち消そうとする書き方 | 受け止める書き方 |
|---|---|---|
| 寝てしまったらもったいない | 寝てしまわないよう工夫しています | 眠ってしまう方が多く、それで構いません |
| 何も覚えていなかったら損 | 施術の内容を細かく説明します | 起きたあと、施術でしたことを短くお伝えします |
| いびきをかいたら恥ずかしい | 触れずに済ませる | 眠ってしまう方は珍しくなく、気にされなくて大丈夫です |
| 起きられなかったら困る | 触れずに済ませる | 終わる前に声をかけ、ゆっくり起き上がっていただきます |
この表の右の列にある言葉を、そのままページの「よくある質問」に入れておくだけでも、予約の前の迷いはかなり減ります。
売れるサイトはみな謙虚という考え方
ここまでの話を、1つの考え方にまとめます。
私たちは、お客様に選ばれるページの共通点を「売れるサイトはみな謙虚」という言葉で呼んでいます。
主役はお店の技術より、受ける人の時間
謙虚なページは、お店の技術を誇る前に、お客様が何に迷っているのかから書き始めます。
ヘッドスパでいえば、主役は施術者の手技や使っている道具より、受ける人の50分とその後の時間です。
技術の説明は、お客様の迷いが解けたあとに、裏付けとして置けば十分です。
言い切らないことが、信じてもらえる理由になる
ヘッドスパの謙虚さは、言い切らないことにはっきり表れます。
髪が生えるとは書かない。
不調が治るとも書かない。
その代わりに、施術でしていることと、受けた人が話してくれたことを、そのまま置きます。
言えないことを書かないお店ほど、書いてあることを信じてもらえます。
引き算すると、受けたあとの話が残る
効果を言い切る言葉と、どこにでもある癒しの言葉を消すと、ページはずいぶん短くなります。
そこに残るのは、施術の時間に何が起きるのかと、受けたあとにどう感じる人が多いのか、という具体的な話です。
この2つを厚くしていくのが、ヘッドスパのページの作り方になります。
受けたあとの自分を、予約の前に見せる
ヘッドスパの価値は、受けたあとにあります。
それなら、ページでは受けたあとの話を、予約の前に読めるようにしておきます。
帰り道と翌朝の様子を書く
受けた直後のお客様は、鏡を見て「顔が明るくなった」と話すことがあります。
帰り道で「目がよく見える」「肩の力が抜けている」と感じる人もいます。
翌朝、いつもより起きるのが楽だった、と次の来店で話してくれる人もいます。
こうした、受けたあとの時間の流れに沿った話を、お客様の言葉で並べます。
効果を約束する書き方にはせず、「こう話してくださる方がいます」という形にとどめます。
お客様の言葉を、言い換えずに借りる
お客様の感想は、なるべくその人が口にした言葉のまま使います。
「頭がひと回り小さくなった気がする」「久しぶりに何も考えずに眠れた」のような言葉は、お店がどれだけ考えても書けない言葉です。
お店の言葉で言い換えると、どこかで見たことのある癒しの文句に戻ってしまいます。
載せるときは、その方の許可を取り、年代や来店のきっかけを添えると、読む人が自分と重ねやすくなります。
写真は、受けている姿より受けたあとの顔
施術中の写真は、どのお店も同じ構図になります。
それより、施術のあとに髪を整えて帰る前の、お客様の表情のほうが伝わります。
顔を出せない方なら、後ろ姿や、施術のあとにお出しする飲み物の写真でも構いません。
受けたあとの時間がどう流れるのかが、写真から想像できればよいのです。
| 載せるもの | よくある載せ方 | 受けたあとが伝わる載せ方 |
|---|---|---|
| 写真 | ベッドで施術を受けている姿 | 施術のあと、髪を整えて帰る前の様子 |
| 感想 | 「最高でした」「また来ます」 | 帰り道や翌朝に感じたことを、その人の言葉で |
| 施術の説明 | 使う道具と手技の名前 | 受けている間に感じることと、その順番 |
| お店の紹介 | 落ち着いた空間、上質な時間 | 話さなくてよいこと、何もしなくてよいこと |
メニュー名は、悩みと時間で決める
ヘッドスパのメニュー名は、お店ごとに工夫が凝らされています。
けれども、凝った名前ほど、初めての人には何のメニューか分かりません。
技術の名前を、悩みの名前に置き換える
メニュー名に技術や道具の名前が入っていても、お客様はその技術を知りません。
お客様が知っているのは、自分の悩みのほうです。
目の奥が重い、頭が締めつけられる感じがする、寝つきが悪い日が続いている、髪のにおいが気になる。
こうした悩みの言葉をメニュー名の近くに置くと、自分が受けるべきメニューが見つかります。
ただし、悩みを書くときも「治す」とは書かず、「こんな日に」という形で添えます。
時間と、することを並べる
メニュー名のすぐ下に、時間と、その時間にすることを書きます。
何分のうち、頭をもむのが何分で、首と肩が何分で、髪を整えるのが何分か。
これがあるだけで、受けたことのない人も、自分の50分を想像できるようになります。
初めての人の入り口を、1つにする
メニューがいくつあっても、初めての人に勧めるものは1つに絞ります。
「初めての方はこちら」と1つ決めておけば、お客様は迷わずに済みます。
2回目からは、1回目の頭皮の様子と、その方の悩みに合わせて選び直せばよいのです。
| 今のメニュー名の付け方 | 初めての人が感じること | 付け直し方 |
|---|---|---|
| 技術や道具の名前 | 何をされるのか分からない | 悩みの言葉と「こんな日に」を添える |
| 「極上」「至福」などの飾り言葉 | どのお店も同じに見える | 時間と、その時間にすることを書く |
| 似た名前のメニューが5つ以上 | 違いが分からず選べない | 初めての方向けを1つ決めて目立たせる |
| 美容室の追加メニューとして1行 | ついでに付けるものに見える | ヘッドスパだけで来る方向けの欄を作る |
当日の流れを、最初から最後まで書く
ヘッドスパを受けたことのない人がいちばん不安に思うのは、当日に何が起きるのか分からないことです。
その不安は、流れを書いておけば消せます。
予約から、帰るまでを順に書く
予約のあと、お店に着いたら何をするのか。
最初に悩みや頭皮の状態を聞かれるのか。
どこで着替えるのか、着替えなくてよいのか。
施術はどんな姿勢で何分受けるのか。
終わったあと、髪を乾かして整える時間はあるのか。
これを、予約から帰るまでの順番どおりに書きます。
髪とメイクがどうなるかを書く
ヘッドスパに特有の心配が、髪とメイクです。
湯を使うヘッドスパなら、髪は濡れ、乾かして整えてから帰ることになります。
服のまま受けるヘッドスパなら、髪は濡れませんが、横になったあとの髪の乱れは気になります。
顔に触れるかどうかで、メイクが崩れるかどうかも変わります。
施術のあとに予定を入れたい人ほど、ここを気にしています。
髪を整える時間と、メイクを直せる場所があるかどうかを書いておくと、仕事帰りや買い物の前に予約しやすくなります。
話さなくてよいと、はっきり書く
ヘッドスパを受けたいけれど、施術者との会話が苦手だという人は少なくありません。
最初のお話のあとは、話さなくて大丈夫だと書いておきます。
眠ってしまっても構わない、という一文とあわせて置くと、予約の前の気持ちがずいぶん軽くなります。
| 当日の場面 | お客様が不安に思うこと | ページに書いておくこと |
|---|---|---|
| お店に着いたとき | 何を聞かれるのか | 悩みと頭皮の状態を5分ほどお聞きすること |
| 施術の前 | 着替えるのか | 着替えの要否と、荷物を置く場所 |
| 施術の間 | 話さないといけないのか | 話さなくてよく、眠ってしまって構わないこと |
| 施術のあと | 髪とメイクはどうなるか | 髪を整える時間と、メイクを直せる場所 |
| 帰る前 | 何か買わされるのか | 頭皮の様子をお伝えし、次の目安をお渡しすること |
1回で終わらせないために、施術のあとに渡すもの
ヘッドスパのもう1つの悩みが、1回きりで終わってしまうことです。
来た人は満足して帰るのに、2回目の予約が入らない。
これは、次に来る理由が施術のあとに渡されていないことから起きています。
頭皮の様子を、言葉で渡す
お客様は、自分の頭皮を見られません。
だから、施術のあとに頭皮がどうだったかを、短い言葉でお伝えします。
かたさを感じた場所、乾燥していた場所、前回と比べてどうだったか。
写真で見せられるなら、本人の了解を取って見せるのもよい方法です。
自分には見えない場所の話を聞いて、お客様は初めて、自分の頭皮に関心を持ちます。
ここでも、良くなった、治った、とは言わず、見えた様子をそのままお伝えします。
次に来る時期を、生活の予定に合わせて伝える
次の予約を勧めるとき、「1か月後にまたどうぞ」だけでは、お客様は動きません。
忙しい月末の前、季節の変わり目、大事な予定の前のように、その人の生活に合わせて時期を伝えます。
施術の前のお話で聞いた予定を覚えておけば、自然に勧められます。
まとめて買う話は、2回目以降にする
回数券や定期のコースは、2回目か3回目に、お客様のほうから「また来たい」と言ってくれたときに案内します。
1回目は、受けたあとの自分を確かめてもらう回です。
その日に買うかどうかを決めなくてよいと伝えておくと、かえって次の予約につながります。
施術のあとに、持ち帰れる紙を渡す
施術のあとに伝えた話は、家に帰ると忘れてしまいます。
頭皮の様子と、次の来店の目安を書いた小さな紙を渡しておくと、次に予約を取るきっかけになります。
紙には、ページの場所を示す二次元コードを入れておくと、予約まで迷わずに進めます。
| 施術のあとの場面 | 渡すもの | お客様に起きること |
|---|---|---|
| 施術が終わってすぐ | 頭皮の様子を短い言葉で | 自分の頭皮に関心を持つ |
| 髪を整えているとき | 次に来る時期を、生活の予定に合わせて | 自分の予定の中に次の来店が入る |
| 会計のとき | その日に決めなくてよいという一言 | 安心して帰り、また来たいと思える |
| 帰るとき | 頭皮の様子と次の目安を書いた紙 | 家で思い出し、予約を取るきっかけになる |
お店の形によって変わるところ
ここまでの話は、どの形のお店にも当てはまります。
そのうえで、お店の形によって力を入れる場所が少し変わります。
自宅でヘッドスパをしている
Q&Aサイトの相談者のように、自宅でサロンを開いている場合です。
回答者が言ったとおり、知らない人の家に行くことへの不安は大きく、ほかの形のお店よりも先に、ここを解かなければなりません。
最寄りの駅からの道順、建物の外観と入口、施術をする部屋の写真、施術者の顔と名前を、予約の前に見られるようにしておきます。
女性専用かどうか、家族が在宅しているかどうかも、気にされる点です。
美容室のメニューとして出している
美容室でヘッドスパを出している場合は、カットやカラーの料金表とは別に、ヘッドスパだけの欄を作ります。
ヘッドスパだけで予約できること、カットの日でなくても来てよいことを、はっきり書きます。
美容室でのヘッドスパならではの強みは、髪のことを分かっている人が施術をすることです。
ただし、そこから髪が生えるような話に広げず、頭皮の様子をお伝えできることにとどめます。
リラクゼーション店で、服のまま受けるヘッドスパを出している
服のまま受けるヘッドスパは、髪が濡れず、メイクもほとんど崩れません。
これは、仕事の昼休みや帰り道に受けたい人にとって、大きな理由になります。
湯を使わないことを、物足りなさとして隠さず、予定の合間に受けられる良さとして書きます。
| お店の形 | 予約の前に最も気にされること | 先に書いておくこと |
|---|---|---|
| 自宅でのサロン | 知らない人の家に行く不安 | 道順、入口、部屋、施術者の顔と名前 |
| 美容室のメニュー | ついでのメニューに見える | ヘッドスパだけで予約できること |
| リラクゼーション店 | 湯を使わないと物足りないのでは | 髪が濡れず、予定の合間に受けられること |
| ヘッドスパ専門店 | 専門店に行くほどの違いがあるのか | 施術の時間の長さと、その時間にすること |
よくある質問
Q1. 料金は下げたほうがよいですか
料金を下げる前に、ページで当日の流れと受けたあとの話が読めるかを確かめてください。
Q&Aサイトの回答者が言ったとおり、料金に正解はありません。
中身が伝わっていれば、同じ料金でも高いとは感じられにくくなります。
Q2. 発毛や抜け毛に悩む人に、何と書けばよいですか
髪が生える、抜け毛が治る、とは書けません。
頭皮を洗い流し、もみほぐす手順と、施術のあとに頭皮の様子をお伝えすることを書きます。
髪の悩みが強い方には、医療機関で相談することを勧めるのも、誠実な対応の1つです。
Q3. 写真共有アプリだけで集客できますか
写真共有アプリは、お店を知ってもらう入口として役に立ちます。
ただし、投稿の枠では当日の流れや受けたあとの話を十分に書けません。
投稿から、それらがまとまった自店のページへ案内する形にしておくと、予約の前の迷いを解けます。
Q4. 「寝てしまうだけ」と言われたら、どう答えればよいですか
眠ってしまう方が多いことを、そのまま認めてください。
そのうえで、誰にも話しかけられずに目を閉じていられる時間が、ふだんの生活ではなかなか取れないことを伝えます。
眠ってしまっても施術の手順は最後まで同じであることも、あわせてお伝えします。
Q5. 2回目の予約を勧めるのが苦手です
予約を勧める言葉を考えるより、施術のあとに頭皮の様子をお伝えすることから始めてください。
自分の頭皮の話を聞いたお客様は、次はどうなっているかを気にします。
そこで次に来る時期を生活の予定に合わせて伝えれば、売り込みの言葉を使わなくても、相談に近い会話になります。
まとめ
ヘッドスパは、受けるまで中身が分からない施術です。
予約の前のお客様は、値段よりも先に、50分のあいだに何が起きるのか、受けたあとの自分がどうなるのかで迷っています。
効果を言い切る言葉を外し、当日の流れと受けたあとの話をお客様の言葉で書く。
「寝てしまう」を打ち消さず、眠れる時間そのものの価値として受け止める。
メニュー名を悩みと時間で付け直し、施術のあとに頭皮の様子と次の目安を渡す。
Q&Aサイトの相談者が気にしていた料金の問題は、この順番で中身が伝わったあとに、ようやく判断できるものになります。
ヘッドスパの集客で大切なのは、強く言うことより、受ける前の人の迷いを1つずつ消していくことです。
より詳しい考え方や、ほかの業種での例は、合同会社謙虚のトップページでもご紹介しています。
今日できる点検
最後に、今日のうちに確かめられることを表にまとめます。
| 点検すること | 確かめ方 | できていなかったら |
|---|---|---|
| 効果を言い切る言葉が無いか | ページで「発毛」「治る」「改善」を探す | 施術の手順とお客様の感想に置き換える |
| 当日の流れが書いてあるか | 予約から帰るまでを順に読めるか確かめる | 着いてから帰るまでを順番どおりに書く |
| 受けたあとの話があるか | 帰り道や翌朝の感想を探す | お客様の言葉を許可を取って載せる |
| メニュー名で中身が分かるか | 受けたことのない人に読んでもらう | 悩みの言葉と時間を添え、入口を1つに絞る |
| 施術のあとに渡すものがあるか | 会計のときの流れを思い出す | 頭皮の様子と次の目安を書いた紙を作る |
いま公開しているページを開き、予約から帰るまでの流れが順番どおりに読めるかを確かめてください。
途中で「ここで何が起きるのか分からない」と感じた場所があれば、そこが最初に直す場所です。
次の休みの日までに、その1か所だけ書き足してみてください。
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