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製造業・BtoBのLLMO対策|「できないこと」を書いている会社が、条件で選ばれます

2026 10/11
2026年9月18日2026年10月11日
中野輝規
条件で絞られる法人向けの選ばれ方

「アルミの薄板で、公差の厳しい部品を小ロットで作ってくれる会社を探しています」。生成AIにこう尋ねる技術者が出てきました。

返ってくる答えの中に、自社の名前があるかどうか。

調べるとLLMO対策という言葉が出てきますが、製造業と法人向けの事業には、他業種に無い事情が2つあります。実績のほとんどが守秘義務で出せないことと、探している相手が技術者だということです。

合同会社謙虚は、ウェブサイトから要素を引き算して、訪れた人が迷わず次の一歩へ進む形へ組み直す仕事をしています。3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。

この記事では、実績が出せない前提で何を書けばいいのかをお伝えします。結論を先に言うと、この業界で効くのは「できること」ではありません。

目次

結論:条件を書いていない会社は、候補に上がりません

製造業のサイトには、たいてい「高精度加工」「短納期対応」「多品種少量生産」と書かれています。ところが、この言葉は同業のどの会社も使っています。

探している技術者が知りたいのは、その言葉ではありません。数字です。

どの材質まで扱えるのか。最大でどのくらいの寸法まで入るのか。

公差はどこまで詰められるのか。最小のロットはいくつか。

表面処理は自社でできるのか外注か。試作から量産までどのくらいかかるのか。

この条件が書かれていない会社は、条件で絞る質問の候補に上がりません。技術力があっても、見つけてもらえません。

やることは3つに絞れます

順 やること 他社が書いているか
1 対応できる条件を、すべて数字で書く ほとんど書いていない
2 対応できない条件も書く まず書いていない
3 型番ではなく、用途の言葉でページを作る 書いていない

2つ目が、いちばん効きます。理由は後半でお伝えします。

発注する側は、生成AIに何と聞いているか

検索窓に打つ言葉と、生成AIに話しかける言葉は、長さも中身も違います。

検索窓に打つ言葉 生成AIに聞く言葉
アルミ 切削 加工 アルミの薄板で、板厚1ミリ以下、公差の厳しい部品を100個作れる会社を探しています
樹脂 試作 短納期 試作を2週間で上げたいのですが、樹脂の切削で対応できる会社はありますか
金属加工 小ロット 10個だけ作りたいのですが、受けてくれる会社はありますか
◯◯ 規格 適合 この規格に適合した部品を作れる会社を、国内で探しています

右の列を見てください。すべてに、具体的な条件が入っています。

材質、寸法、公差、数量、納期。

技術者は、条件で機械的に絞ります。判断の基準は、感覚より数字です。

条件が書かれていない会社は、その時点で候補から消えます。技術力の比較は、その手前で終わります。

聞かれ方は、大きく4つに分かれます

  • この条件で作れる会社はどこか(条件で絞っている)
  • この方法で作れるか(技術的に可能かを確かめている)
  • どういう作り方があるか(工法を選んでいる)
  • この会社はどうか(すでに候補があり、確かめている)

1つ目と2つ目が、圧倒的に多くなります。どちらも、条件に答えられる情報が要ります。

いま自社が出てくるかを、10分で確かめる

対策を始める前に、現状を確かめてください。無料でできます。

生成AIを開いて、上の4つの型で質問を投げます。このとき、社名では聞かないでください。

社名で聞けば出ます。発注する側は社名を知らない状態で聞いています。

  • 「◯◯という材質で、◯◯の加工ができる会社を教えてください」
  • 「◯◯を◯個だけ作りたいのですが、対応できる会社はありますか」
  • 「◯◯という用途に使う部品は、どういう作り方がありますか」

出てこなかったときに、控えること

自社が出てこなかった場合、代わりに何が出てきたかを控えてください。この業界では、出てくるものが決まっています。

  • 加工会社を集めたマッチングのサイト
  • 材料メーカーや工具メーカーの技術解説
  • 公的な支援機関が出している企業の一覧
  • 他社が自社サイトに書いている技術の解説

2つ目が上位を占めていることが多くあります。メーカーの技術解説は、条件が数字で書かれているためです。

加工会社が同じ形で書けば、同じように扱われます。

何を聞いても出てこない場合は、サイトの設定を先に見てください

社名で聞いても出てこないときは、書き方より手前で止まっている可能性があります。生成AIの検索役が、サイトを読みに来られない状態です。

ChatGPTの検索に使われる読み取り役は、OAI-SearchBotという名前で動いています。

OpenAIの開発者向けの案内では、この読み取り役を断っているサイトはChatGPTの検索の回答に表示されない、と説明されています。

製造業のサイトでは、情報システムの担当や制作会社が、海外からの不審なアクセスを防ぐ目的で読み取り役をまとめて止めていることがあります。社内では誰も気づいていない、という形が多い箇所です。

見る場所 起きていること 頼む相手
robots.txt というファイル ChatGPTの読み取り役や、全ての読み取り役を拒否する記述が入っている 制作会社
サーバーの防御設定(WAFやCDN) 海外からの機械的なアクセスとして遮断されている 情報システムの担当
製品ページの作り 仕様表が画面の操作後に読み込まれ、最初の表示に文字が入っていない 制作会社

robots.txt は、ブラウザで自社のURLの末尾に「/robots.txt」を付ければ誰でも見られます。中身が読めなければ、制作会社に「ChatGPTの検索の読み取り役を止めていないか」とそのまま聞いてください。

「できないこと」を書くと、選ばれます

この業界でいちばん効くのに、ほとんど誰もやっていない施策です。

全社が「できます」しか書いていません

「幅広い材質に対応」「あらゆるご要望にお応えします」。この書き方をしている会社が多くあります。

ところが、技術者はこれを読んでも判断できません。幅広いと書いてあっても、自分の条件が入るかどうかが分からないためです。

結局、問い合わせて確かめることになります。

そして、問い合わせて「それはできません」と言われる。この経験を何度かすると、条件が明記されている会社だけを見るようになります。

書く形

書くこと 例
対応できる範囲 アルミ、ステンレス、鉄。最大で◯◯ミリ角まで
得意な範囲 板厚2ミリ以下の薄板が最も多くなっています
対応できない範囲 チタンと、焼き入れ後の加工は承っておりません
条件付きで対応できる範囲 熱処理は外注のため、納期が1週間伸びます
ロットの下限と上限 1個から承ります。1,000個を超える場合はご相談ください

3行目を書いている会社が、まずありません。ここを書くと、無駄な引き合いが減り、条件の合う引き合いだけが残ります。

受注が減るのではないかという心配について

できないことを書くと、問い合わせが減ると思われがちです。実際には、減るのは断ることになる問い合わせだけです。

そして、条件を明記した会社には「条件が合うことを確認したうえで」問い合わせが来ます。図面のやり取りから始められるので、商談が短くなります。

もう1つあります。生成AIが条件で絞って答えるとき、「できない範囲」が書かれていると、その会社が答えの候補として扱いやすくなります。

境界がはっきりしている情報のほうが、機械にとって使いやすいためです。

型番ではなく、用途の言葉で書いてください

製造業のサイトが見つからない、いちばん大きな理由がこれです。

自社の中で使っている言葉で書いています

製品の型番、装置の名称、工法の正式名。この言葉でページが作られています。

ところが、探している人はその名称を知りません。知っていたら、その型番で発注しています。

探しているのは、その技術で何ができるかを知りたい人です。

いま書かれている言葉 実際に打たれている言葉
◯◯工法によるプレス加工 薄い金属板 曲げ 精度
高精度マシニング加工 アルミ 削り出し 1個から
表面処理ラインナップ アルマイト 色 指定
製品Aシリーズ (用途の言葉。型番は誰も打たない)

右の列で書かれたページが1枚あるだけで、届く相手の数が変わります。

用途の言葉は、営業が持っています

どういう業界の、どういう装置の、どの部分に使われているか。この情報は、営業と技術の担当者が持っています。

社内にある情報だけで足ります。

「食品機械の、洗浄が必要な部分に使われることが多い部品です」。この1文があるだけで、食品機械の設計者が探しているときに届きます。

カタログのPDFに入っている数字を、ページの文章に出してください

製造業のサイトでよく見るのが、製品ページには写真と短い説明だけを置き、寸法や公差、材質、対応ロットはカタログのPDFを開かないと分からない作りです。社内ではカタログを渡せば話が通じるので、これで用が足りてきました。

生成AIに条件で聞かれたときに困ります。PDFの中の数字は、どの製品の、どの用途の話なのかがページの文脈から切り離された状態で読まれます。

仕様表を画像にして貼っている場合は、数字が文字として拾われないこともあります。

いまの置き場所 ページの本文に出すもの
カタログのPDF 対応できる寸法の範囲、公差、材質、最小ロットを文章か表で
画像にした仕様表 同じ表をHTMLの表で書き直す。画像は残してかまいません
営業が持っている技術資料 よく聞かれる質問と、その答えの部分だけを抜き出して

PDFは消さずに、ダウンロード用として残してください。必要なのは、PDFを開く前の段階で、条件に合うかどうかを判断できる数字がページに書かれていることです。

実績が出せない前提で、何を書くか

この業界のもう1つの制約です。取引先との守秘義務があるので、多くの実績を公開できません。

出せないもの

取引先の名称、納入した製品の形状、図面、その製品が使われている最終製品。ここは、許可が無い限り出せません。

出せるもの

出せないもの 代わりに出せるもの
取引先の名称 納入している業界の種類(食品機械、半導体、医療機器)
納入した製品の形状 その加工で難しかった条件(薄さ、公差、材質の組み合わせ)
図面 形状を単純化した参考図や、テストピース
最終製品 その部品に求められる性能(耐薬品、耐熱、清掃性)

2行目が、いちばん効きます。「この条件が難しかった」という話は、同じ条件で困っている技術者にそのまま届きます。

そして、守秘義務の範囲内で書けます。

テストピースを作って、公開してください

実際の製品が出せないなら、自社で作った試験片を出す方法があります。

自社の設備で出せる限界を示す形状を作って、寸法と公差と加工時間を測って公開する。これは自社の所有物なので、自社の判断だけで出せます。

そして、技術力を数字で示せます。

LLMOという言葉そのものの整理は、LLMO対策に新しい道具は要りませんでまとめています。

認証や規格は、番号と取得時期まで書いてください

取得している認証や規格は、名称だけでなく番号と取得した時期まで書いてください。文章で置くと、生成AIが会社の裏づけとして読み取ります。

更新の予定があれば、その時期も添えます。

第1の門と第2の門。順番を間違えると効きません

第1の門 第2の門
何が起きる場所か 情報源として拾われる 回答の中で引用される
やること 用途の言葉でページを作る 条件を数字で明記する
効きはじめ 2〜6か月 拾われた後

Google検索セントラルの資料によれば、AIによる回答に引用されたリンクの多くは、自然検索の上位から来ています。拾われていないページは、書き方を整えても読む相手がいません。

製造業のサイトは、ほとんどが第1の門で止まっています。型番と工法名でページを作っているためです。

この業界で、検索需要のある言葉の作り方

掛け算の型 例 探している人の状態
材質 × 加工 × 条件 ステンレス 薄板 溶接 歪み 技術的な壁に当たっている
用途 × 部品 食品機械 部品 洗浄性 設計の途中
数量 × 対応 試作 1個 加工 依頼 受けてくれる先を探している
工法 × 比較 切削 板金 どちらが安い 作り方を選んでいる

1つ目の型が、この業界ではいちばん強くなります。技術的な壁に当たっている人は、解決策を持っている会社をそのまま発注先にします。

比較の段階を飛ばします。

書く前に、10秒で確かめてください

候補の数 意味 どうするか
0件 誰も打っていない その言葉では作らない
1〜2件 実在するが末端 単独のページにせず、別のページの見出しで拾う
3件以上 下に広がりがある ここを狙う

ここで1つ注意があります。専門的な言葉ほど、候補が出にくくなります。

打つ人の総数が少ないためです。

候補が0でも、その言葉で探している人が実在することはあります。判断に迷ったら、その言葉を検索して、上位に競合が出てくるかを見てください。

競合が出てくるなら、需要はあります。

自社ではこれを、3つのドメインを並行して運用して確かめました。書いているのは同じ人間で、記事の作り方も公開の頻度も同じです。

変えているのは、狙う言葉の選び方だけです。

直近28日の実測 言いたいことから選んだ側 検索されている言葉から選んだ側
公開している記事 450本 653本
10位以内に入った記事 43本 157本
10位以内1本あたりの表示回数 2.0回 46.2回

23倍の差が出ました。順位はどちらも取れていて、クリック率もどちらも正常です。

違ったのは、その順位が何回画面に出たかだけでした。

第2の門。引用されやすい書き方は、測られています

2024年にKDDという国際会議で発表された「Generative Engine Optimization」という論文(arXiv:2311.09735)があります。生成AIの回答に引用されやすくなる書き方を、施策ごとに比べたものです。

書き方 引用されやすさへの働き
専門家の発言などを直接引用する いちばん大きく上がった
数字を入れる 次に大きく上がった
文章を読みやすく整える 上がった
出典を明記する 上がった
キーワードを詰め込む 唯一、下がった

論文が本文で示しているのは、上位3つの施策で引用されやすさが30〜40%ほど改善したという範囲です。施策ごとの細かい値は測り方によって変わるので、ここで押さえるべきなのは順番と、プラスかマイナスかだけです。

1つ、この研究の扱い方を補っておきます。ここで測られたのは「引用や出典が付いている状態」の効果であって、その出典が実在するかどうかまでは分けられていません。

2026年8月に公開された別の論文(arXiv:2608.16824)では、AI検索向けに最適化されたと判定されたページから取り出した6,663件の引用のうち、69.34%が「たどって確かめにくい」側に分類されています。

自社では、確かめた事実だけを書く形にしています。数値の傾向は参考にしつつ、書くのは確かめた事実だけにしています。

実在しない出典を付けたページは、読んだ人が1つ確かめた時点で信用を失います。

製造業で、4つをどう書くか

施策 製造業での書き方
直接引用 規格の条文や、材料メーカーの技術資料から該当箇所を引く
数字を入れる 公差、寸法の上限、ロットの下限、納期、加工時間
出典を明記 引いた規格の番号と、資料の発行元を本文に書く
読みやすく整える 技術者の質問と、それへの答えの形で並べる

2行目が、この業界ではいちばん自然にできます。数字は、もともと社内にあります。

書いていないだけです。

1行目も強い武器になります。規格を引ける会社は、ごくわずかです。

そして、実際にその規格で作っている人だけが、条文のどこが現場で問題になるかを書けます。

扱う分野によって、入口が変わります

分野 いちばん多い聞かれ方 先に作るページ
切削・機械加工 この材質と公差でできるか 対応できる条件の一覧(数字)
板金・プレス この形状が成立するか 成立する形状の限界と、その理由
樹脂・成形 型を作らずに試作できるか 試作の方法ごとの、費用と期間の関係
表面処理 この色と膜厚が出せるか 処理ごとの条件と、素材との相性
装置・設備 うちのラインに入るか 設置条件と、既存設備との接続
受託・OEM どこまで任せられるか 担当範囲の切り分けと、必要な情報

板金と樹脂は、「成立するか」が最も聞かれます

設計の段階で、その形状が作れるかどうかを確かめたい。この質問が非常に多くなります。

ここに答えるページを作ってください。「この曲げ半径は、この板厚では割れます」「この肉厚では、ヒケが出ます」。

成立しない条件と、その理由を書くと、設計者がそのまま参照します。

そして、参照した設計者は、そのまま見積もりを依頼します。設計の途中で助けた会社が、発注先になります。

受託とOEMは、担当範囲の切り分けが空いています

「どこまで任せられるのか」が、いちばん聞かれます。設計から任せられるのか、図面を渡す必要があるのか、部材の調達は誰がやるのか。

この切り分けを書いている会社は、ごくわずかです。表にして並べるだけで、判断の材料になります。

読んでいるのは、社内を説得する担当者です

法人向けの取引では、問い合わせてきた担当者に決定権が無いことがほとんどです。上司、購買、品質保証。

複数の人が関わって決まります。

つまり、サイトを読んでいる担当者は、自分が納得するためだけに読んでいるのではありません。社内で説明するための材料を探しています。

担当者が社内で聞かれること

  • なぜその会社を選んだのか。他に候補はあったのか
  • その会社は、うちの要求する条件を満たせるのか
  • 品質はどう担保されるのか。検査の記録は出るのか
  • 納期が遅れたとき、どうなるのか
  • その会社が止まったら、代わりはあるのか

この5つに、サイトが答えていないと、担当者は自分の言葉で説明することになります。説明できなければ、その候補は社内で通りません。

技術的に最適でも落ちます。

書いておくと、担当者が使えます

社内で聞かれること サイトに書いておくもの
なぜこの会社か 対応できる条件の一覧(数字)と、できない範囲
品質はどうか 検査の工程と、出せる記録の種類
納期は守られるか 標準の納期と、遅れる場合の連絡の仕方
体制は大丈夫か 従業員数、設備の台数、稼働の考え方
取引の条件は 支払いの条件、最低の取引単位、契約の形

2行目が抜けている会社が多くあります。「どういう記録が出せるか」は、品質保証の部門が必ず確認します。

ここが書いてあると、担当者が事前に答えを持って社内会議に入れます。

資料を用意しておくと、そのまま回されます

サイトに書いた内容を、そのまま印刷できる形にしておいてください。担当者は、社内で共有するときに紙か資料の形を求められます。

ただし、ダウンロードに登録を求めるかどうかは慎重に判断してください。登録を求めると、社内で回覧される数が減ります。

名前を取ることと、社内で広まることは、この段階では両立しません。

展示会で会った人は、後でサイトを見ています

この業界で見落とされているのがここです。

その場では決まりません

展示会で名刺を交換した相手が、その場で発注することはまずありません。会場で複数社を回って、後日、社内で候補を絞ります。

そのときに見られるのがサイトです。

会場で伝えた条件が、サイトに書かれていない。この状態だと、担当者は記憶を頼りに説明することになります。

うまく説明できなければ、書いてある会社が残ります。

会場で聞かれた質問を、そのままページにしてください

展示会は、見込み客が何を知りたいかを、まとめて聞ける場です。調査の場としては、これがいちばん効率的です。

会期中、聞かれた質問をその場で書き留めてください。会期が終わったら、多かった順に並べて、上から10個をページにします。

次の展示会までに、そのページが検索から人を連れてきます。

展示品を、そのまま公開してください

展示会に出したサンプルは、公開してよいものとして作っているはずです。守秘義務の面でも安全です。

その寸法、公差、材質、加工にかかった時間を書いて、サイトに載せてください。会場に来なかった人にも、同じものが伝わります。

サイトの外に載っている自社の情報も、同じ数字にそろえてください

生成AIが答えを組み立てるときに読むのは、自社サイトだけとは限りません。展示会の出展者ページ、業界団体の会員名簿、部品調達のポータルサイト、業界紙の取材記事にも、自社の加工範囲や設備が書かれています。

こうした掲載は、出したときのまま何年も放置されがちです。サイトでは最大寸法を更新したのに、ポータルには古い数字が残っている。この食い違いがあると、AIはどちらを信じてよいか決められません。

年に1度、自社名で検索して出てくる外部の掲載を一覧にし、加工範囲・最大寸法・対応ロット・認証の4つがサイトと同じかを確かめてください。展示会に出るたびに出展者ページの文面を作り直すなら、そのときにサイトの数字を写すのがいちばん手間がかかりません。

やらなくていいことが、3つあります

1つ目:AI向けの案内ファイルの設置

サイトの内容をAI向けに要約したファイルを置く施策です。Google検索セントラルには、このファイルを検索で使うという記述がありません。

Googleの担当者からも、対応する予定は無いという説明が出ています。

設置しても、AI側のクローラーがそのファイルを読みに来ている形跡は、ほとんど確認されていません。置くこと自体に害はありませんが、先にやることが他にあります。

2つ目:設備の一覧を増やすこと

保有設備の型番を並べたページを作っている会社が多くあります。これは、社名で来た人が確かめる場所としては意味があります。

ただし、設備の型番で検索するのは、すでにその型番を知っている人だけです。役割としては、すでに知っている人の確認用です。

設備を増やすより、その設備で何ができるかを条件で書いてください。

3つ目:AI専用の構造化データ

これを入れたから回答に出るという性質のものではありません。検索エンジン側も、順位を決める要素ではないと説明しています。

効果は、順番に3つ測ります

順 測るもの 手間 分かること
1 生成AIに聞いて、出方を控える 月に10分 いま出ているか
2 検索の管理ツールで、表示回数を見る 月に10分 拾われる側に入ったか
3 問い合わせ時に「何で当社を知ったか」を聞く 一言足すだけ 引き合いにつながったか

この業界では、もう1つ見るべき数字があります

断ることになった問い合わせの割合です。

条件を明記する前と後で、この割合が下がっているかを見てください。下がっていれば、条件が正しく伝わっています。

問い合わせの総数が減っても、断る数が減っていれば前進しています。

0という数字には、2つの意味があります

測って0だったとき、来ていないのか、記録されていないのかを先に切り分けてください。

自社では、これで一度つまずいています。日報に「クリック0人」と出続けていたので押されていないと判断していましたが、実際は計測の仕掛けが1行も入っていませんでした。

押されても記録されない状態だったということです。

90日の進め方

時期 やること この時点で分かること
1週目 生成AIに4つの型で質問して、出方を控える いまの立ち位置
1〜2週目 対応できる条件を、すべて数字で書き出す 社内にある数字が表になる
2週目 対応できない条件も書き出す 境界がはっきりする
3〜4週目 条件の一覧のページを1枚作る 条件で絞る質問に答えられる
5〜10週目 用途の言葉で、2週に1枚ずつ作る 検索の管理ツールに表示が出はじめる
11〜12週目 テストピースを作って、寸法と公差を公開する 守秘に触れない実績ができる
毎月1回 1週目と同じ質問を投げ、出方の変化を見る 効いているかどうか

1〜2週目の作業は、調べ物なしで進みます。数字はもともと社内にあります。

書き出す作業だけです。

よくいただく質問

取引先が固定されているので、新規は必要ないのですが

それでも、社名で検索されたときに何が出るかは整えてください。

既存の取引先でも、担当者が代わります。新しい担当者は、まず社名で検索します。

そこで条件が分からないと、社内で別の候補が検討されます。

そして、取引先の集中は、それ自体がリスクでもあります。検索から人が来るには時間がかかるので、必要になってから始めると半年は何も来ません。

技術情報を出すと、真似されませんか

条件と数字を出すことと、ノウハウを出すことは別です。

公差の限界を書いても、それを出す方法までは書きません。「ここまでできる」は出して、「どうやって出しているか」は出さない。

この線引きで十分です。

そして、条件を出していない状態では、そもそも比較の対象になりません。真似される心配の前に、見つけてもらう段階にいます。

書ける人が社内にいません

書く作業は外に出せます。ただし、数字と、できない範囲は社内で出してください。

ここを外に出すと、どの会社のサイトにも書いてある「高精度・短納期・多品種少量」に戻ります。数字を持っているのは現場だけです。

効果はどのくらいで出ますか

ページを作る作業は、検索結果に安定して出るまで早くて2か月、遅いと半年です。

そして、この業界は検討期間が長くなります。設計の途中で見つけた会社に発注が出るのは、その製品が量産に入る半年から2年後です。

いま書いたページが売上になるのは、来年以降だと考えてください。

すでに検索上位にあるページも書き換えるべきですか

先ほどの研究には続きがあり、施策の効果が検索順位によって反転することが報告されています。すでに上位にあるページに同じ施策を足すと、下がる方向に働く場合があります。

3位以内に入っているページは、触らないでください。触るなら、検索結果に出ているタイトルと説明文の調整だけにとどめてください。

まとめ

製造業と法人向けの事業について、お伝えしたことを整理します。

探している相手は技術者で、条件で機械的に絞ります。「高精度」「短納期」「多品種少量」では、判断できません。

必要なのは数字です。

そして、いちばん効くのに誰もやっていないのが、対応できない条件を書くことです。境界がはっきりしている情報のほうが、機械にとっても人にとっても使いやすくなります。

断ることになる問い合わせが減り、条件の合う引き合いだけが残ります。

実績が守秘義務で出せなくても、書けるものがあります。納入している業界の種類、その加工で難しかった条件、自社で作ったテストピースの寸法と公差。

どれも、自社の判断だけで出せます。

まず、10分だけ使ってください

生成AIを開いて、発注する側が打ちそうな質問を4つ投げる。自社が出てくるか、出てこないなら代わりに何が出てくるかを控える。

そして、出てきたページを1つずつ見てください。そこに数字が書かれていて、自社に書かれていないなら、それが次にやることです。

この記事に書いたことを、そのまま御社のページに

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この記事を書いた人

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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