2026年8月27日、GoogleがAI Overviewsの表示方式を変更していることが明らかになった。これまでの「もっと見る」ボタンを押さないと全文が見えない方式から、特定のクエリでは最初から全文が自動的に展開される仕様への変更である。通常の検索結果はさらに下へ押し下げられることになる。
この記事では、この変更の一次情報と、SEO・LLMO対策の観点から何が変わり、何が変わらないのかを整理する。
何が変わったのか
2026年8月27日、SEO専門家のChris Long氏がX(旧Twitter)上でこの変化を最初に指摘し、その後Googleが変更を確認した。海外のSEOメディアSearch Engine Landの報道によれば、変更内容は次の通りである。
| 従来の仕様 | 新しい仕様 | |
|---|---|---|
| 初期表示 | 要約の一部のみ、続きは「もっと見る」ボタンで展開 | 特定のクエリでは最初から全文が自動的に完全展開 |
| 通常の検索結果への影響 | 比較的早い位置に表示されやすい | さらに下へ押し下げられる |
| スクロール中の挙動 | 該当なし | ユーザーが既にスクロールしている場合は展開がキャンセルされ、読んでいる位置を失わせない配慮がある |
Googleは何と説明しているか
Googleの広報担当者はSearch Engine Landの取材に対し、「特定のクエリについて、AI Overviewsはシステムが最も有用と判断したトピックで動的に拡張される可能性がある」とコメントしている。さらに、ユーザー調査によってこの動的な体験のほうが検索を有用だと感じさせ、より深い探索を促すことが確認されたとも説明している。一方で、対象となるクエリの範囲や、今後の展開予定については明言していない。
SEO・LLMO対策への影響
Search Engine Landの記事は、「AI Overviewsによってクリックが減ると考えていたなら、この完全展開の後はさらに減ることが予想される」と警告している。すでにAI Overviews対策で解説した通り、AI Overviewsの表示によるクリック率の低下はグローバルで実測されている現象だが、今回の変更はその傾向を後押しする方向に働くとみられる。
ただし、この変更によって対策の本質が変わるわけではない。AI Overviewsが完全展開されるかどうかにかかわらず、そこに引用されるかどうかを左右するのは、見出し直下に結論を置く書き方や、専門家の引用・統計データといった検証可能な要素の有無である。表示面積が増えるということは、引用されたときの露出がむしろ大きくなる可能性も意味しており、一概に悪い変化とは言い切れない。
今、変えなくていいこと・見直したいこと
今回の変更を受けて、中小企業のWeb担当者が変える必要があるのは対策の中身ではない。見直すべきは心構えのほうである。クリック数だけを成果指標にしていると、今回のような変更のたびに一喜一憂することになる。LLMO対策に新しい道具は要りませんで解説した通り、AIに引用される確率を高める一次情報の提供や構造化された書き方は、Googleの表示仕様が変わっても価値を失わない。
一方で見直したいのは、指名検索やブランド言及といった、クリックに依存しない指標の追跡である。表示面積が拡大するほど、クリックされなくてもAIの回答内で自社が紹介される機会そのものは増える可能性があり、その効果はクリック数ではなく指名検索の推移や問い合わせ経路のヒアリングでしか捉えられない。
この変更についてよくある質問
全てのクエリでAI Overviewsが完全展開されるようになりますか
現時点ではGoogleは対象範囲を明言していない。「システムが最も有用と判断したトピック」という説明にとどまっており、全クエリへの一律適用とは述べられていない。
この変更に対して個別に対策する必要がありますか
個別の技術的な対策は不要である。表示方式の変更であり、引用されるための条件(一次情報・統計データ・構造化された書き方)自体は変わっていない。
クリック数がさらに減ったら、どう成果を測ればいいですか
指名検索の推移や、問い合わせ時に「どこで自社を知ったか」をヒアリングする定性的な確認が、クリックに依存しない成果測定の代替手段になる。
まとめ:表示面積が変わっても、引用の条件は変わらない
AI Overviewsが自動で完全展開されるようになったことで、通常の検索結果はさらに目立ちにくくなる。しかし、これはあくまで表示方式の変更であり、AIに引用されるための条件そのものが変わったわけではない。一次情報の提供と検証可能な要素の充実という、これまでの対策の方向性を変える必要はない。
今日できる点検
| 状態 | 今日やること |
|---|---|
| 成果指標をクリック数だけで見ている | 指名検索の推移を追う仕組みがあるか確認する |
| 問い合わせ時に流入経路をヒアリングしていない | 「どこで知ったか」を尋ねる項目を問い合わせフォームに加える |
| この変更を受けて技術的な対策を検討している | まずは一次情報と構造化された書き方が既にできているか見直す |
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