新作を入れても、店に来る人が増えない。
セールを打てば人は来るのに、終わった途端に客足が戻ってしまう。
自社の通販も開いているけれど、見られている割に注文が入らない。
この記事は、そうした悩みを抱える小さなアパレルブランドとセレクトショップの経営者の方に向けて書いています。
実店舗を1つか2つ持ち、自社の通販も自分たちで回している規模の方を思い浮かべています。
アパレルの集客には、ほかの業種にない難しさがあります。
服は、着てみるまで自分に合うかどうかが分からない商品です。
この記事では、その「着るまで分からない」がお客様の足と指をどこで止めているのかを整理します。
そのうえで、セールに頼らずに人が来て、店頭と通販のあいだを行き来してくれる形へ、何から直せばよいのかを順番に見ていきます。
読み終えたときに、自店の売り場か通販のページで、最初に直す場所が1つ決まっている。
そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、半額セールが続く店の悩み
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
値引きの手札を使い切った店の相談
投稿者は、婦人服を扱うお店の方でした。
いまの時期はほぼ半額のセールがずっと続いている。
来月の頭に数字を作らないといけない時期があり、そこで集中して人を集めたい。
けれども、すでに限界までセールをしているので、これ以上は値引きできない。
何かおまけの品を付けるなど、よい案があれば教えてほしい、という相談でした。
回答者が勧めたこと
付いていた回答は、おまけの品を用意するくらいなら、さらに値引きしてでも在庫を処分したほうがよいという意見でした。
半額の品をレジでさらに割り引く。
仕入れ先から特に安い品を期限付きで借りてきて、利益を取らずに店頭に並べる。
地域で大きなお祭りがある時期には、その人出をあてにする。
そうした、思い切った手を打たなければ人は動かない、という答えでした。
回答者の言う「見切るときは思い切って見切る」という考え方は、在庫の処分としては筋が通っています。
商売は1年を通して帳尻を合わせるもので、儲けるときと手放すときにメリハリをつけるべきだ、という回答者の言葉にも、現場を知る人の重みがあります。
ただ、この回答はどれも、人を集める手段として値段か人出を使う、という前提に立っています。
値段を下げるか、人が多く集まる場所と時期に乗るか。
どちらも、店の外側の力を借りる方法です。
店の内側、つまり売り場や通販のページで、お客様の迷いを解く手については触れられていませんでした。
相談者が本当に困っていたこと
ただ、この相談には、回答では触れられていない問いが残っています。
半額にしても人が来ないのなら、人が来ない理由は値段の側にないのではないか、という問いです。
相談者は、値引きの次の手を探していました。
けれども、値引きは「この店の服が自分に合う」と分かっている人にしか効きません。
合うかどうかが分からない服は、半額になっても、半額分の損をする危うさを抱えたままです。
値段を下げる手札が尽きたとき、店に残っているのは「この服は自分に合うのか」という問いに答える手札だけです。
そして、その手札は多くの店で、まだ1枚も切られていません。
この記事では、その残った手札の切り方を扱います。
値引きを否定するつもりはありません。
季節の終わりに在庫を見切ることは、服を扱う商売では避けて通れない仕事です。
困るのは、見切りのためのセールが、人を呼ぶための手段に置き換わってしまうことです。
そうなると、セールの無い時期には人が来なくなり、セールの時期を前に倒すしかなくなります。
たとえば、秋物の入荷が始まった9月の店を思い浮かべてみてください。
夏物のセールがまだ続いていて、店頭の入口には割引の札が並んでいます。
その奥に、定価の秋物が掛かっています。
店に入ってきたお客様の目に最初に入るのは、割引の札です。
秋物は、割引の札の向こう側にある「まだ安くなっていない服」に見えてしまいます。
店主としては秋物を見てほしいのに、店の並べ方そのものが「待てば下がる」と語りかけている状態です。
これは9割のアパレル店が陥る罠です
アパレルの店の多くは、人を集める話になると、新作の入荷とセールの告知を繰り返します。
この繰り返しには、服という商品ならではの落とし穴があります。
人を呼ぶ話と値段の話が、同じ箱に入っている
集客というと、店の前を通る人や画面を見る人を増やす話だと思われがちです。
けれども、アパレルの売り場で起きていることを細かく見ると、人が来ないことと、来た人が買わないことは別の問題です。
前者は知られていない問題で、後者は迷いが解けていない問題です。
この2つを同じ箱に入れたまま、どちらにも効くと思って値札の数字を下げていると、セールのたびに少しずつ利益が削れていきます。
来た人が買わずに帰る理由が見えていない
店頭なら、試着室に入ったあと何も買わずに出てくる人がいます。
通販なら、商品のページを何度も開いたのに、カートに入れずに閉じる人がいます。
どちらも、その場で理由を言ってくれることはめったにありません。
店主の側からは、ただ「買われなかった」という結果だけが見えます。
その結果を「値段が高かったのだろう」と読んでしまうと、打ち手はセールしか残りません。
試着室の前で接客をしていると、お客様が鏡の前で首をかしげる瞬間に立ち会うことがあります。
その首のかしげ方は、値札を見たときのものとは違います。
袖口を引っぱったり、裾を持ち上げたり、横を向いて腰まわりを確かめたりしているときの迷いです。
実際には、丈が分からなかった、手持ちの服と合わせる絵が浮かばなかった、返せるかどうかが不安だった、という理由で手が止まっていることがよくあります。
新作とセールの告知だけが続く理由
人を呼ぶための発信が、新作の入荷とセールの告知に偏るのには理由があります。
この2つは、書くことに迷わないからです。
入荷した服の写真を撮って、値段と色の数を添えれば、投稿は1つできあがります。
セールなら、何割引きかを書けば済みます。
一方で、その服を着たときに丈がどこまで来るのか、どんな体型の人に向いているのかを書こうとすると、手が止まります。
試着してみないと分からないことを言葉にするのは、手間がかかるうえに、外れたら苦情になりそうで怖いからです。
その結果、発信の中身は「新しい服が来ました」と「安くなりました」の2種類に絞られていきます。
受け取る側から見ると、どちらも「この店の服が自分に合うかどうか」には答えていません。
店主が忙しすぎて、迷いに気づけない
小さな店の店主は、仕入れ、接客、発送、帳簿、発信のすべてを抱えています。
展示会の季節には店を空け、セールの準備で夜まで値札を付け替え、休みの日に通販の写真を撮る。
その忙しさの中で、試着室から出てきたお客様の表情を思い返す時間は、なかなか取れません。
迷いに気づけないのは、店主の感度が鈍いからではありません。
迷いを拾う時間と仕組みが、店の1日の中に組み込まれていないからです。
この記事の後半で、その時間を最小限にして拾う方法を扱います。
数字で見る、服が買われる場所
経済産業省が2025年8月に公表した電子商取引に関する市場調査によると、2024年の「衣類・服装雑貨等」の物販のうち、ネットで売買された割合は23.38%でした。
同じ調査は、消費者向けのネット取引全体について「商取引の電子化が引き続き進展しています」とまとめています。
言い換えると、服の買い物の4分の3以上は、いまもネット以外の場所で行われています。
ネットで探して、店で確かめて、また家でネットを見る。
服を買う人は、この往復の途中で迷い、途中で止まります。
小さな店が実店舗と自社の通販の両方を持っていることは、この往復を自分の店の中で完結させられる、という強みでもあります。
大きな商業施設の店は、店で確かめたお客様が別の店の通販で買っても、それを止める手段をあまり持っていません。
小さな店は、店主やスタッフの顔が見えるぶん、店で確かめた人が家に帰ってから自店の通販を開く理由を作りやすい立場にいます。
その理由を作れていない店が多い、というのがこの記事の出発点です。
なお、通販の商品ページ全般の作り方は、業種を問わず共通する話として別に整理されるべきものです。
この記事では、服という商品に固有の話に絞ります。
サイズ、着たときの感じ、合わなかったときの交換と返品、セールとの付き合い方、そして店頭と通販の行き来です。
どれも、食品や雑貨の店ではあまり問題にならず、服の店では毎日のように起きていることです。
| 読んでいるあなたの状況 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| セールのときしか人が来ない | 値段以外に選ぶ材料が渡されていない | 着たときの丈や生地の話を売り場と通販に書く |
| 試着しても買わずに帰る人が多い | 手持ちの服と合わせる絵が浮かんでいない | 合わせ方を1着につき2通り見せる |
| 通販の閲覧は多いが注文が少ない | サイズと着用感の不安が解けていない | 製品の寸法とスタッフの着用感を並べて書く |
| 通販で買った人が店に来ない | 店と通販が別の店に見えている | 通販の購入者に店で直せることを知らせる |
| 店で買った人が通販を使わない | 店で着た記録が残っていない | 試着したサイズを控えて渡す |
表のどの行に近いかを1つ決めておくと、この先の話を自店に当てはめやすくなります。
迷ったら、いちばん上の行から読み進めてください。
服を買う人は、どこで迷っているのか
服を探している人の頭の中では、値段を見るより前に、いくつもの問いが浮かんでいます。
店頭と通販で問いの形は少し違いますが、根っこは同じです。
自分の体に合うのか
いちばん大きな問いは、この服が自分の体に合うかどうかです。
肩が落ちすぎないか、袖が長すぎないか、丈がどこまで来るのか。
店頭なら試着すれば分かりますが、試着室に入るまでの心理的な壁があります。
通販では、その壁さえ越えられず、数字を見ながら想像するしかありません。
手持ちの服と合わせられるのか
2つ目の問いは、家にある服と合わせられるかどうかです。
服は1着で完結する商品ではありません。
いま持っているパンツやスカート、靴と組み合わせたときにどう見えるかが分からないと、人は「家で考えてから」と言って店を出ます。
そして、家に帰ってから考え直すことは、ほとんどありません。
家に帰ると、クローゼットの前に立つまでに夕飯の支度や仕事の連絡が割り込んできます。
翌日には、店で見た服の色や形の記憶が薄れています。
通販でも同じで、カートに入れたまま数日たつと、なぜそれを選んだのかが本人にも分からなくなります。
店頭で「家で考えます」と言ったお客様に、その場で何か1つ手渡せるものがあれば、この記憶の薄れ方は変えられます。
その手渡すものについては、この記事の後半で具体的に扱います。
失敗したときに戻せるのか
3つ目は、合わなかったときにどうなるのかという問いです。
店頭で買った服なら、タグを切る前に気づけば相談できるかもしれません。
通販で買った服は、届いてみて合わなかったら、返せるのか、交換できるのか、送料は誰が持つのか。
この答えがページのどこにも見当たらないとき、人は購入のボタンを押しません。
答えがあっても、ページのいちばん下の小さな文字の中に埋もれていれば、見当たらないのと同じです。
お客様は、返品の条件を探しにわざわざ別のページへ行くほど熱心ではありません。
いま買う理由があるのか
4つ目は、いま買わなくてもよいのではないか、という問いです。
セールを繰り返している店ほど、この問いが強くなります。
待てば安くなると知っている人は、待つことを選びます。
しかも、待つことには何の手間もかかりません。
店側が「いま買う理由」を値段の外側で示せていないと、お客様にとって合理的な選択は、次のセールまで待つことになります。
これは、お客様が悪いわけでも、店の服が悪いわけでもありません。
店が渡している判断の材料が、値段しか無いだけです。
裏返すと、値段のほかに判断の材料を渡せれば、お客様はセールを待たずに決められるようになります。
この服は今月から来年の春先まで着られる、手持ちの服と3通りに合わせられる、洗っても縮みにくい。
そうした材料がそろうと、待つことの得が小さく見えてきます。
店頭と通販で、迷いの出方が違う
この4つの迷いは、店頭と通販で、出てくる順番が違います。
店頭のお客様は、まず服を手に取り、体に当てて、鏡を見ます。
体に合うかどうかの迷いは、試着室で答えが出ます。
残るのは、手持ちの服と合うか、いま買う理由があるか、という迷いです。
通販のお客様は、反対に、体に合うかどうかの迷いがいちばん最後まで残ります。
写真を見て、手持ちの服と合いそうだと思い、値段にも納得したのに、最後にサイズの表の前で手が止まる。
そこで返品の条件が見当たらなければ、ページは閉じられます。
同じ服でも、店頭で解けている迷いと、通販で解けていない迷いがある。
この違いを知っておくと、店頭の接客で自然に答えている内容を、そのまま通販のページに書き写せばよい場所が見えてきます。
| 服を買う前の迷い | 答えが見つからないときに起きること | 売り場や通販に置くもの |
|---|---|---|
| 自分の体に合うか | 試着室に入らない/カートに入れない | 製品の寸法と、着た人の身長と普段のサイズ |
| 手持ちの服と合うか | 家で考えると言って帰る | 定番の服との合わせ方を2通り |
| 失敗したら戻せるか | 通販で購入のボタンを押さない | 交換と返品の条件を購入画面の手前に |
| 生地の厚みや透けはどうか | 季節が合わないと思って見送る | 光にかざした写真と、重ね着の目安 |
| いま買う理由があるか | セールを待つ | 着られる時期と、手入れして長く着る話 |
5つの迷いのうち、自店の売り場と通販で答えているものがいくつあるかを数えてみてください。
多くの店で答えているのは、値段と素材の名前だけです。
残りの問いには、お客様が自分で答えを出すしかありません。
服は、着るまで分からない商品です
ここからは、なぜアパレルの集客が値段の勝負に流れやすいのかを、商品の性質から見ていきます。
服には、ほかの商品と比べて答えにくい問いがいくつも重なっています。
サイズの表記は、店ごとに意味が違う
同じ「M」と書かれた服でも、店が違えば、ブランドが違えば、身幅も着丈もばらばらです。
日本産業規格によると、衣料のサイズ表示には決まりがあり、そこでは着る人の体の寸法、たとえば胸囲や胴囲、身長を基準に区分が決められています。
ただ、その区分が示しているのは「どんな体の人に向けた服か」です。
その服がゆったり着る形なのか、体に沿う形なのかまでは、表記からは読み取れません。
同じ体の人に向けたMでも、肩を落として大きめに着せる服と、きれいに体に沿わせる服とでは、着たときの印象がまるで違います。
お客様はそれを知っています。
だから、表記だけを見ても安心できず、試着するか、通販なら寸法表を見て手持ちの服と比べるしかありません。
ところが、寸法表に載っている数字の測り方は、店によって違います。
身幅を脇の下で測るのか、胸のいちばん広いところで測るのか。
着丈を首の付け根から測るのか、肩の頂点から測るのか。
測り方が書いていない寸法表は、お客様にとって「数字はあるけれど比べられない表」になっています。
たとえば、身幅52センチと書かれたシャツがあったとします。
お客様は家にあるお気に入りのシャツを測って、身幅50センチだったとします。
この2つの数字を見て、お客様は「2センチ大きいだけなら、ほぼ同じ着心地だろう」と考えます。
ところが、店が胸のいちばん広いところで測り、お客様が脇の下の縫い目で測っていたら、数字の差は着心地の差を表していません。
届いた服を着てみて「思っていたよりきつい」と感じたお客様は、その店の寸法表を信じなくなります。
次にその店の通販を開いたとき、寸法表は見ずに、閉じてしまいます。
着たときの感じは、写真に写らない
服の写真は、色と形をよく伝えます。
けれども、生地の厚みや、肌に触れたときの感じ、動いたときの落ち感は、写真にはほとんど写りません。
店頭では手に取って確かめられますが、通販では写真と短い説明だけが頼りです。
「やわらかい生地です」と書かれていても、どのくらいやわらかいのかは人によって受け取り方が違います。
「透けにくい素材です」と書かれていても、白いシャツの下に何を着ればよいのかまでは分かりません。
着たときの感じが伝わらないまま、お客様は「たぶん大丈夫だろう」という賭けをするか、賭けをやめてページを閉じます。
着られる季節が読めない
服の迷いには、季節の読みにくさも加わります。
秋物として並んでいる長袖のシャツが、9月の暑い日にも着られるのか、11月の寒い日にも重ねて着られるのか。
お客様は、買ったその日から何週間着られるかを、頭の中で数えています。
着られる期間が短いと感じた服は、値段がそのままでも割高に見えます。
反対に、春と秋の両方で着られると分かった服は、同じ値段でも割安に見えます。
着られる季節と重ね方を書いておくことは、値段を下げずに服の値打ちを伝える方法の1つです。
似合うかどうかは、本人にも分からない
サイズが合っていても、まだ迷いは残ります。
その服を着た自分が、ふだんの暮らしの中でどう見えるかが分からないからです。
職場に着ていけるのか、休日に着ると気取って見えないか、手持ちの靴に合うのか。
この問いの答えは、服の説明をどれだけ詳しくしても出てきません。
答えを出せるのは、その服を実際に着て暮らしている人の様子です。
スタッフが自分で着てみてどう感じたか、どんな服と合わせたか、着たあとに洗ってみてどうだったか。
そうした話は、店の中では接客のときに自然に口に出ているのに、通販のページや発信にはほとんど載っていません。
体型の悩みは、口に出しにくい
服の迷いには、もう1つ厄介な性質があります。
お客様は、迷いの理由をなかなか口に出しません。
二の腕が気になる、お腹まわりを隠したい、肩幅が広いのが悩み。
そうした体型の悩みは、店頭のスタッフにも打ち明けにくく、問い合わせの欄に書くのはもっと抵抗があります。
だから、お客様は黙って試着室から出てきて、黙ってページを閉じます。
店の側から先に「二の腕が気になる方は、袖がこの位置まで来るこちらの形が向いています」と書いておくと、お客様は誰にも打ち明けずに答えを受け取れます。
口に出しにくい迷いほど、店の側が先回りして言葉にしておく価値があります。
| 服が持つ答えにくさ | お客様の頭の中で起きていること | 店側が渡せる材料 |
|---|---|---|
| サイズの表記が店ごとに違う | 自分の普段のサイズが当てにならない | 測り方つきの寸法と、手持ちの服との比べ方 |
| 生地の感じが写真に写らない | 厚さや透けを想像で補っている | 光にかざした写真と、重ね着の目安 |
| 動いたときの形が見えない | 座ったときや歩いたときが分からない | 座った姿と歩いた姿の写真 |
| 似合うかどうかが分からない | 自分の暮らしに置いた絵が浮かばない | スタッフが着た日の話と合わせ方 |
| 洗ったあとが分からない | 縮みや色落ちを心配している | 実際に洗ってみた結果 |
この表の右の列は、どれも特別な道具がなくても用意できるものです。
多くの店で足りていないのは、手間をかけて言葉にする時間と、それを置く場所です。
セールに頼る体質は、どこから来るのか
セールに頼りたくて頼っている店主はいません。
それでも、気づけば年に何度もセールを打つ形になっているのには、業界全体の流れと、小さな店の内側の事情の両方があります。
服の数は増え続けている
経済産業省が2024年5月にまとめた「繊維産業の現状と政策について」によると、国内の服の数はこの30年あまりで大きく増えています。
資料には、次の一文があります。
「国内におけるアパレル供給点数は、1990年には約20億点だったが、2022年には1.8倍以上に増加。」
同じ資料は、2022年の衣料品の輸入浸透率が数量ベースで98.5%だったことも示しています。
国内で手に入る服の数が30年あまりで2倍近くに増え、その大半が海外で作られている。
つまり、お客様の前には、よく似た服がかつてない数で並んでいるということになります。
よく似た服がたくさん並んでいると、人は違いを探すのをやめて、値段で比べ始めます。
小さな店がこの流れに巻き込まれると、値段以外の違いを伝える前に、値札の数字で比べられてしまいます。
値札の数字しか、比べる材料が無い
店の服には、それぞれ選んだ理由があるはずです。
セレクトショップなら、店主が展示会で何十着も手に取ったうえで、この1着を選んでいます。
自社ブランドなら、型紙の段階で何度も直して、着たときの形を決めています。
ところが、その理由は店主の頭の中にあって、売り場にも通販のページにも出ていないことがよくあります。
お客様の目に入るのは、写真と値段と素材の名前だけです。
展示会で店主がこの服を手に取ったとき、何に惹かれたのか。
ほかの候補と比べて、なぜこちらを選んだのか。
袖の付け方なのか、生地の落ち感なのか、洗っても形が崩れにくいところなのか。
その一言があれば、お客様は値段以外の物差しで、この服をほかの店の服と比べられます。
その状態では、お客様がほかの店の服と比べるときに使える材料は、値段しかありません。
値段で比べられれば、値段を下げた店が選ばれます。
そうして、セールを打たないと人が来ない形ができあがっていきます。
セールで来た人は、次のセールで来る
セールには、もう1つ見落とされがちな副作用があります。
セールで初めて来たお客様は、その店を「安いときに行く店」として覚えます。
その人が次に来るのは、次のセールの知らせが届いたときです。
定価のときに来てもらうには、その人の中にある店の覚え方を書き換える必要がありますが、セールの知らせを送り続けている限り、覚え方は固まっていく一方です。
セールの回数が増えると、定価で買ってくれていたお客様も、待てば下がることを学びます。
すると、定価の時期の売上が落ち、それを補うためにまたセールを打つ。
冒頭の相談者の「ほぼ半額のセールがずっと続いている」という状態は、この繰り返しの先にあります。
見切りのセールと、人を呼ぶセールは別のもの
ここで、セールを2つに分けて考えておきます。
1つは、季節の終わりに売れ残った服を現金に変えるための、見切りのセールです。
もう1つは、売上が足りない月に人を呼ぶための、人を呼ぶセールです。
見切りのセールは、服を扱う商売では避けられません。
仕入れや製造の数を完全に読み切ることはできないので、季節の終わりに残った服を次の季節まで抱えるより、値段を下げて手放したほうが店の体力は保たれます。
困るのは、人を呼ぶセールのほうです。
人を呼ぶセールは、売上が足りないという店の側の事情で打たれます。
お客様の側から見ると、何の前触れもなく、ある日突然、定価の服が安くなる。
それが何度か続くと、お客様は店の事情を読み取って、売上が苦しそうな時期を待つようになります。
冒頭の相談者が打とうとしていたのは、この人を呼ぶセールでした。
セールの知らせが、店の声を上書きする
もう1つ見落とされやすいのは、発信の中身への影響です。
セールの回数が増えると、店からの知らせの大半がセールの告知になります。
お客様の受信箱や画面に届く店の名前は、いつも割引の数字と一緒に並びます。
そのうち、店の名前を見ただけで「また何割引きか」と読まずに流されるようになります。
新作の着方や手入れの話を送っても、セールの知らせと同じ箱に入れられて、開かれません。
店の声が、セールの知らせに上書きされてしまった状態です。
| セールの回数 | お客様の覚え方 | 店に起きていること |
|---|---|---|
| 季節の終わりに年2回 | 見切りの時期を知っている | 定価の時期にも新作を見に来る |
| 年に4回以上 | 待てば下がると知っている | 定価の時期の来店が減る |
| ほぼ毎月 | 安いときに行く店 | セールの知らせの日にしか人が来ない |
| 常に何かが割引 | 割引の無い服は買わない | 定価が意味を失い、利益が残らない |
自店がこの表のどの行にいるかを確かめるには、去年1年のセールの日付をカレンダーに書き出してみるのが早道です。
思っていたより多い、と感じた店主の方は少なくありません。
店頭と通販が、別々の店になっている
実店舗と自社の通販の両方を持っている店でも、お客様から見ると、2つが別々の店に見えていることがあります。
ここが、小さな店の強みが眠ったままになっている場所です。
店で試着して、家では別の店から買う
店で試着して、気に入ったけれど、その場では決めずに帰る人がいます。
家に帰ってから、同じような服をネットで探し、別の店で買ってしまう。
店主としては悔しい話ですが、お客様に悪気はありません。
家に帰ったとき、その店の通販を開く理由が何も手元に残っていなかっただけです。
試着したサイズも、合わせ方の提案も、スタッフの名前も、店を出た瞬間にお客様の記憶から消えていきます。
通販で見つけて、店で確かめたい人
反対に、通販で服を見つけて、実物を確かめたいと思う人もいます。
その人にとって知りたいのは、いま店にその服があるのか、自分のサイズがあるのか、行けば試着できるのか、の3点です。
ところが、多くの自社の通販では、店頭の在庫が分かりません。
わざわざ電話をかけて聞くほどの熱意は、まだその人にはありません。
結果として、店に行く理由も、その場で買う理由も見つからないまま、ページは閉じられます。
店の空気は、通販に持ち込めないと思い込んでいる
小さな店の店主と話していると、「うちの良さは店に来てもらわないと分からない」という言葉をよく聞きます。
店の照明や音楽、スタッフとの会話、試着室の居心地。
確かに、それをそのまま通販に持ち込むことはできません。
けれども、店の良さの中身を分けてみると、通販に持ち込めるものもかなり含まれています。
スタッフが服をどう見ているか、どんな人にどの服を勧めているか、着たあとにどう手入れしてほしいか。
これらは言葉と写真で運べます。
運べるものを運ばずに「店に来ないと分からない」と言っていると、店に来たことのない人は、いつまでも店の良さを知る機会がありません。
在庫と記録がつながっていない
店頭と通販が別の店に見える根っこには、裏側の仕組みが分かれていることがあります。
在庫を店と通販で別々に持っていて、片方で売れた分がもう片方に反映されない。
店で買ったお客様の記録と、通販で買ったお客様の記録が、別の帳面に分かれている。
これは仕組みの問題なので、すぐには直せないかもしれません。
ただ、お客様から見える部分は、仕組みを全部つなぎ直さなくても変えられます。
店で試着したサイズをカードに書いて渡す。
通販のページに、店頭で試着できるかどうかを問い合わせる方法を書く。
それだけでも、2つの店が1つの店に見え始めます。
| 店頭と通販の関係 | お客様に起きていること | まず変えられるところ |
|---|---|---|
| 店で試着して帰る | 家で別の店の通販を開く | 試着したサイズと品番を書いたカードを渡す |
| 通販で見て店に行きたい | 在庫が分からず諦める | 店頭で試着できるかの問い合わせ方を書く |
| 通販で買って合わなかった | 返送の手間を思って二度と買わない | 店に持ってくれば交換できると知らせる |
| 店の常連が通販を使わない | 通販に知っている人の気配が無い | 店のスタッフが通販のページに顔を出す |
| 通販の常連が店に来ない | 店に行く理由が無い | 店でしか分からないことを通販で伝える |
小さな店だからこそ、つなげられる
大きな店では、店頭と通販の担当が別の部署に分かれていることがよくあります。
在庫も別々の倉庫で管理され、店頭で売り切れた服が通販では残っている、という状態もめずらしくありません。
店頭のスタッフは店頭の売上で評価され、通販の担当は通販の売上で評価される。
そうなると、店で試着したお客様を自社の通販に送ることは、店頭のスタッフにとって自分の数字を手放すことになります。
小さな店には、この壁がありません。
店主が店頭にも立ち、通販のページも自分で直している。
店で接客したお客様の顔を思い浮かべながら、通販のページの言葉を選べます。
この近さは、規模が大きくなるほど失われていくものです。
いまの規模のうちに、店頭と通販を1つの店として回す形を作っておくと、あとから人が増えても崩れにくくなります。
この表の右の列に並んでいるのは、大がかりな仕組みを入れる前にできることばかりです。
裏側の仕組みをつなぐのは、そのあとでも遅くありません。
よくある打ち手と、半年後に起きること
人が来ないとき、多くの店がまず思いつく打ち手があります。
どれも、その場では手応えがあります。
困るのは、半年たったころに、打つ前より苦しい形が残っていることです。
ここでは、冒頭の相談に出てきた打ち手も含めて、よくある6つを順に見ていきます。
さらに値引きする
相談の回答でも勧められていたのが、半額の品をレジでさらに割り引くという手です。
在庫を現金に変えるという意味では、確かに効きます。
ただ、その日に来るのは、割引の知らせを見て来た人です。
割引の幅が大きいほど、その人は「この店は待てばここまで下がる」と覚えます。
次の季節、同じ服を定価で並べたとき、その人は来ません。
値引きの幅が広がるほど、定価で売れる期間は短くなります。
そして、定価で売れる期間が短くなるほど、仕入れや製造の数を読むのが難しくなり、売れ残りが増えて、また値引きの幅が広がります。
おまけの品を付ける
相談者が考えていた、おまけの品を付ける手も、よく使われます。
トートバッグや靴下、香りの小物など、店の雰囲気に合うものを選べば、その場の満足感は上がります。
けれども、おまけの品が目当てで来た人は、服そのものの良さを確かめずに買っていきます。
家に帰ってから服が合わなかったとき、その人の中に残るのは「おまけはよかったけれど、服は失敗した」という記憶です。
おまけの品は、服が合うと分かっている常連のお客様への感謝としては働きますが、初めての人を呼ぶ道具としては、肝心の不安を素通りしてしまいます。
投稿の数を増やす
写真の投稿アプリで、新作の写真を毎日上げる。
これも、多くの店が真面目に続けている打ち手です。
投稿を続けること自体には意味があります。
問題は、投稿の中身が「新しい服が届きました」の繰り返しになっていることです。
見る側からすると、どの投稿も同じに見えます。
新作の写真は、その服を知らない人にとっては、ほかの店の新作の写真と区別がつきません。
数を増やすほど、1つの投稿にかけられる手間は減り、言葉はさらに短くなります。
着たときの丈や生地の感じを伝える言葉は、真っ先に削られていきます。
広告で人を集める
広告に予算をかけて、通販のページに人を送る手もあります。
広告は、送った人数を確実に増やしてくれます。
けれども、送られた先のページで、サイズと着用感と返品の不安が解けていなければ、人数が増えた分だけ「見て帰った人」が増えるだけです。
広告の管理画面には、押された回数と、ページを見た人数が並びます。
その数字だけを見ていると、集客はうまくいっているように見えます。
注文が増えないのは広告のせいだと考えて、広告の出し方を変え続ける。
本当に止まっているのは、そのあとの、着た自分を想像する場面です。
広告で送った人は、店のことを何も知らない状態でページに着きます。
店頭の常連のように、スタッフの顔も、店の服の形の癖も知りません。
その人がいちばん迷いやすいのに、ページはいちばん説明が少ない。
広告の費用を増やす前に、広告で送る先のページが、初めての人の問いに答えているかを確かめておく必要があります。
品数を増やす
選ぶ服が少ないから来ないのだと考えて、品数を増やす店もあります。
色違いやサイズ違いを揃え、新しい取引先を増やす。
品数が増えると、店頭は華やかになり、通販のページも充実して見えます。
けれども、1着ごとにかけられる説明の手間は、品数に反比例して減っていきます。
品数を倍にすると、1着あたりの写真も言葉も半分になります。
お客様から見ると、選べる服は増えたのに、選ぶための材料は減っています。
選べない人は、選ばずに帰ります。
セレクトショップの場合、品数を増やすと、店主の選ぶ目の輪郭もぼやけていきます。
もともとは「この店に来れば、この雰囲気の服が見つかる」と覚えられていたのに、いろいろな系統の服が混ざると、その覚え方が崩れます。
品数を増やす前に、いまある服の中で、店の選び方がいちばんよく表れている数着を前に出し、その服の着方を丁寧に書くほうが、店の輪郭ははっきりします。
集客イベントを単発で打つ
店頭で試着会や受注会を開く、季節ごとにポップアップの出店をする。
集客イベントは、店の名前を知ってもらう機会として力があります。
ただ、その日だけの特別な催しとして打つと、終わったあとに何も残りません。
来てくれた人の連絡先を聞かず、その人が試着したサイズや好みの形を控えず、次に会う理由を渡さないまま帰してしまう。
すると、次の集客イベントのときには、また一から人を集めることになります。
集客イベントの日は、店主もスタッフも準備と接客で手一杯になります。
来てくれた人と話す時間はあっても、その話を書き留める余裕はありません。
だからこそ、催しの前に、試着したサイズと好みを書き留める紙を用意しておくことが大切になります。
紙が1枚あるかどうかで、その日の出会いが一度きりで終わるか、次につながるかが分かれます。
大きな通販の売り場に出品する
自社の通販に人が来ないので、大きな通販の売り場に出品するという手もあります。
そこには最初から人が集まっているので、出品した週から注文が入ることもあります。
けれども、大きな売り場の中では、服は似た服と並べて比べられます。
並べて比べられたとき、写真と値段しか材料が無ければ、選ばれるのは値段の安い服です。
さらに、大きな売り場で買ったお客様は、その店の名前をあまり覚えていません。
覚えているのは、その売り場で買ったということだけです。
出品の手数料を払いながら、自店の名前が残らない売り方を続けることになります。
大きな売り場を使うなら、自店のサイズと着用感の書き方を整えたうえで、そこで出会ったお客様を自社の通販や店頭に迎える道も一緒に用意しておく必要があります。
| よくある打ち手 | 直後に起きること | 半年後に起きること |
|---|---|---|
| さらに値引きする | 在庫が動き、来店が増える | 定価の時期に人が来なくなる |
| おまけの品を付ける | その場の満足感が上がる | 服が合わなかった記憶が残る |
| 投稿の数を増やす | 投稿が途切れなくなる | 1つの投稿が薄くなり、見分けがつかなくなる |
| 広告で人を集める | ページを見る人が増える | 見て帰った人が増え、広告の費用だけが残る |
| 品数を増やす | 売り場が華やかになる | 1着あたりの説明が減り、選べなくなる |
| 集客イベントを単発で打つ | その日の来店が増える | 次の催しでまた一から集めることになる |
6つの打ち手に共通しているのは、人を増やす側にだけ力をかけていることです。
来た人が迷っている場面には、どれも手が届いていません。
逆に言えば、この表の打ち手は、迷いを解く準備が整ったあとなら、ずっとよく効くようになります。
返品を怖がって条件を厳しくすると起きること
通販を始めた小さな店が、早い段階でぶつかるのが返品の問題です。
返品の送料、戻ってきた服の検品、もう一度売り物にできるかどうかの判断。
1件ごとの手間が大きいので、条件を厳しくしたくなる気持ちはよく分かります。
「返品不可」の一文が、購入のボタンを止める
返品を減らそうとして、ページに「お客様都合による返品・交換は一切お受けできません」と書く店があります。
この一文は、返品を減らす前に、注文を減らします。
服を通販で買う人は、合わなかったらどうしようという不安を抱えて画面を見ています。
その人に向かって「合わなくても戻せません」と言うことになるからです。
サイズに自信のある常連のお客様は気にせず買うかもしれません。
けれども、初めてその店の服を買う人は、ここでほぼ確実に手を止めます。
アパレルの集客で通販から新しいお客様を迎えたいなら、返品と交換の書き方は、人を呼ぶ仕組みの一部として考える必要があります。
法律が決めている、最低限の線
返品の条件を考えるとき、知っておきたい決まりがあります。
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、通信販売の返品には法律で決められた基本の線があります。
ガイドは、通信販売について次のように説明しています。
「通信販売では、消費者が売買契約を申し込んだり、締結したりした場合でも、その契約に係る商品の引渡し(特定権利の移転)を受けた日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、契約申込みの撤回や解除ができ、消費者の送料負担で返品ができます。」
続けて、「もっとも、事業者が広告であらかじめ、この契約申込みの撤回や解除につき、特約を表示していた場合は、特約によります。」とあります。
つまり、返品の条件は店が決めてよいのですが、決めた条件は広告の段階できちんと示しておく必要があります。
同じガイドは、返品の可否や期間、送料の負担については、広告で省略できない事項として挙げています。
インターネットの通販では、注文の最終確認の画面にも表示することが求められています。
返品の条件は、隠しておく情報ではありません。
お客様が注文を決める前に、目に入る場所に置く情報です。
返品は、情報が足りなかった分の請求書
通販の返品の理由を集めてみると、多くは「思っていたのと違った」に行き着きます。
丈が思ったより長かった、生地が思ったより薄かった、色が画面で見たより暗かった。
どれも、注文する前にお客様が知りたかったのに、ページに書かれていなかったことです。
返品は、ページに足りなかった情報の分だけ、あとから届く請求書のようなものです。
返品の条件を厳しくしても、請求書の宛先がお客様に変わるだけで、足りない情報はそのまま残ります。
お客様はその請求書を払う代わりに、次からその店で買わなくなります。
返品の送料を、誰が持つか
返品の条件の中で、お客様がいちばん気にするのが送料です。
サイズの交換で、店の側が送料を持つのか、お客様が持つのかで、注文の前の迷い方は大きく変わります。
店の体力によっては、すべてを店が持つのは難しいでしょう。
その場合でも、たとえば「初めてのご注文に限り、サイズ交換の送料は店が持ちます」というように、範囲を絞って引き受ける形があります。
初めての人の迷いがいちばん深いので、そこに絞って手を差し伸べると、手間と効き目の釣り合いが取りやすくなります。
どの形にするにしても、送料を誰が持つのかは、注文の前に分かるように書いておいてください。
返品の理由を集めると、直す場所が見える
返品や交換の依頼が届いたら、理由を一言でよいので控えておくことをおすすめします。
1か月分を並べると、同じ服、同じ理由が何度も出てくることに気づきます。
その服のページに、足りなかった情報を書き足す。
それだけで、同じ理由の返品は目に見えて減っていきます。
返品の理由は、お客様がわざわざ教えてくれた、ページの直し方の手がかりです。
返品の条件を、店頭のスタッフも言えるようにする
通販の返品と交換の条件は、店頭のスタッフにも覚えてもらってください。
店で服を見ているお客様から「通販で買って合わなかったらどうなるの」と聞かれたとき、スタッフがその場で答えられると、お客様は安心して家から通販を開けます。
答えられないと、お客様は「あとで調べてみます」と言い、そのまま忘れてしまいます。
条件を短い言葉にまとめて、レジの横と試着室の近くに貼っておくと、新しく入ったスタッフでも同じ答えを返せます。
返品の多い服は、売れている服でもある
返品の理由を集めていると、返品の多い服ほど、注文も多い服だということに気づきます。
注文が多いのは、写真や値段に惹かれて買う人が多いからです。
その中に、着たときの感じを読み違えた人が一定の割合で混ざります。
返品の多い服の販売をやめてしまうと、返品と一緒に、売れる服も1着失います。
返品の多い服こそ、ページを書き直す価値がいちばん高い服です。
読み違えの原因になっている情報を書き足せば、注文の多さはそのままに、返品だけが減っていきます。
| 返品・交換の理由 | 足りなかった情報 | ページに足すもの |
|---|---|---|
| 丈が思ったより長い | 着たときに裾がどこまで来るか | 身長の違うスタッフが着た写真と裾の位置 |
| 身幅がきつい | ゆったり着る形か体に沿う形か | 形の説明と、普段のサイズとの比べ方 |
| 生地が薄い・透ける | 厚みと透けの程度 | 光にかざした写真と、下に着る服の目安 |
| 色が違って見えた | 自然光での色味 | 窓際で撮った写真と、近い色の例え |
| 手持ちの服と合わない | どんな服と合わせる前提か | 定番の服と合わせた写真を2通り |
返品の理由の欄が埋まっていくほど、ページの直し方がはっきりしていきます。
最初の1か月は、数が少なくても構いません。
数字の見方を間違えると、打ち手も間違える
人が来ない、売れないと感じたとき、店主が見ている数字は何でしょうか。
見ている数字が違うと、同じ状況でも打ち手が変わってしまいます。
来店数だけを見ている
店頭で数えやすいのは、来店した人の数と、レジを通った数です。
この2つだけを見ていると、売上が落ちたときの答えは「来店数を増やす」しかありません。
けれども、来店した人のうち何人が試着室に入り、試着した人のうち何人が買ったのかを分けて数えると、見える景色が変わります。
来店は多いのに試着が少ないなら、店に入った人が手に取りたくなる並べ方になっていない可能性があります。
試着は多いのに買われないなら、鏡の前で迷いが解けていない可能性があります。
通販の閲覧数だけを見ている
通販でも同じことが起きます。
ページを見た人の数だけを追っていると、答えは「もっと人を送る」になります。
実際には、商品のページを見た人のうち何人がサイズの表を開いたか、何人がカートに入れたか、カートに入れた人のうち何人が注文まで進んだかを分けて見る必要があります。
カートに入れたのに注文しない人が多いなら、送料や返品の条件が、最後の画面で初めて目に入っている可能性があります。
試着した数と、買われた数を分けて数える
小さな店なら、難しい仕組みは要りません。
レジの横に紙を1枚置いて、試着した人の数を正の字で数えるだけでも十分です。
1週間続けると、試着から購入に進んだ割合が見えてきます。
その割合が低い服が、店頭で迷いを生んでいる服です。
同じ服の通販のページを開き、店頭で迷われている理由が通販でも同じように残っていないかを確かめてください。
セールの効き目を、残った利益で見る
セールの効き目を、売上の数字だけで見ている店は少なくありません。
セールの週は売上が上がるので、効いたように見えます。
けれども、同じ週に残った利益を、定価の週と比べてみると、話が変わることがあります。
割り引いた分だけ1着あたりの利益は薄くなり、そのうえ、セールの前の週と後の週は定価の服が動きにくくなります。
セールの前後3週間をひとまとめにして、残った利益を定価の時期の3週間と比べてみてください。
思っていたほど残っていなかったと分かれば、人を呼ぶセールを1回減らす判断がしやすくなります。
| 見ている数字 | そこから出てくる打ち手 | 分けて見たときに分かること |
|---|---|---|
| 来店数 | 人を増やす | 入った人が試着まで進んでいるか |
| レジを通った数 | セールで数を作る | 試着した人のうち何人が買ったか |
| 通販のページを見た人数 | 広告を増やす | サイズの表を開いた人がどれだけいるか |
| カートに入れた数 | 割引の案内を送る | 最後の画面で何を見て止まったか |
| 返品の件数 | 条件を厳しくする | どの服がどんな理由で戻っているか |
数字を、店主1人で抱えない
数えた数字は、スタッフと一緒に見てください。
試着から購入に進まなかった服について、接客をしたスタッフに「お客様は鏡の前で何を気にしていたか」を聞くと、数字だけでは分からない理由が出てきます。
袖が長いと言っていた、色が顔に合わないと言っていた、手持ちのスカートに合うか迷っていた。
その一言一言が、通販のページに書き足す材料になります。
店頭のスタッフは、毎日お客様の迷いを一番近くで聞いています。
その声を拾う場を週に1回、10分でも設けると、店と通販の両方の言葉が変わり始めます。
数字を分けて見るようになると、打ち手は自然と、人を増やす側から迷いを解く側へ移っていきます。
その移り方こそが、この記事で扱う直し方の入り口です。
「売れるサイトはみな謙虚」で考える、アパレルの集客
ここまで見てきたように、アパレルの集客でつまずく場所の多くは、人が来たあとにあります。
お客様が、着た自分を想像する場面です。
私たち合同会社謙虚は、この場面を整える考え方を「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。
もともとはホームページの直し方として組み立てた考え方ですが、服の売り場と通販のページにも、そのまま当てはまります。
主役は、お客様のクローゼット
服を売る側は、どうしても服を主役にして語りたくなります。
素材の産地、縫製の手間、デザイナーのこだわり。
どれも大切な話ですが、お客様が頭の中で思い浮かべているのは、自分のクローゼットと、その服を着て出かける自分の姿です。
主役は服の側にいるのではありません。
服を着る人と、その人がすでに持っている服の側にいます。
店の役目は、その主役がうまく着こなせるように、横から道案内をすることです。
道案内の言葉は、「この服はすごい」より「この服は、あなたの持っている黒の細身のパンツに合わせると、こう見えます」のほうが伝わります。
店は、着たあとの暮らしまで案内する役
道案内は、レジを通ったところで終わりません。
家に帰って初めて着るとき、最初に洗濯するとき、季節が変わって重ね着をするとき。
そのたびに、お客様には小さな迷いが生まれます。
その迷いに先回りして答えている店は、お客様にとって「服を買う場所」から「服のことを相談できる場所」に変わります。
相談できる場所には、セールの知らせが無くても、人は戻ってきます。
たとえば、冬のコートを買ったお客様に、最初の雨の日のあとにどう乾かせばよいかを伝えておく。
春になってコートをしまう前に、ブラシのかけ方と、しまう場所の湿気の話をしておく。
そうした小さな案内を受け取ったお客様は、次の冬にコートを買い替えるとき、まずその店を思い出します。
服を売ったあとも道案内を続けることが、次の来店を呼ぶいちばん確かな方法です。
謙虚さは、分からないことを先に認めること
この考え方で大切にしているのは、店の側が分からないことを先に認める姿勢です。
「どなたにも似合います」と書く代わりに、「肩幅の広い方は、ワンサイズ上をおすすめしています」と書く。
「透けません」と言い切る代わりに、「白の場合、濃い色の下着は透けて見えることがあります」と書く。
合わない人がいることを正直に書くと、売れる数が減るように思えるかもしれません。
実際には、合う人がはっきり「自分のことだ」と分かるので、迷わずに買ってくれます。
合わない人は買わないので、返品も減ります。
合わない人を先に書くことは、合う人を迷わせないための作業です。
自慢の話は、最後に置く
素材の産地や縫製のこだわりは、書かなくてよいわけではありません。
置く順番を変えます。
お客様がページを開いて最初に知りたいのは、自分に合うかどうかです。
その答えを先に置き、合いそうだと思った人が「なぜこの値段なのか」を確かめたくなったところで、こだわりの話を読めるようにする。
順番を入れ替えるだけで、同じ文章が、自慢から納得の材料に変わります。
| 店の書き方 | お客様の受け取り方 | 起きること |
|---|---|---|
| どなたにも似合います | 自分に合うかは分からない | 試着しないと決められず、通販では見送る |
| 肩幅の広い方はワンサイズ上を | 自分の体のことが書いてある | サイズを選び直して注文する |
| 透けません | 本当かどうか確かめられない | 届いてから透けて返品になる |
| 白は濃い色の下着が透けます | 下に何を着ればよいか分かる | 下着の色まで決めて注文する |
| 長く着られる上質な一着 | よくある言葉に見える | ほかの店の服と区別がつかない |
左の列の言葉は、どの店でも使える言葉です。
真ん中の列から右に進むほど、その店でしか書けない言葉になっていきます。
サイズと着用感を、比べられる言葉にする
最初に手を付けるとよいのは、サイズと着用感の書き方です。
ここが変わると、店頭の接客と通販のページの両方が変わります。
寸法の測り方を、図と一緒に書く
寸法表を載せている店は多いのですが、測り方まで書いている店は多くありません。
身幅は脇の下の縫い目から縫い目まで、着丈は後ろの襟の付け根から裾まで、というように、どこからどこまでを測った数字なのかを書きます。
文章だけで伝わりにくければ、平らに置いた服に矢印を引いた図を1枚用意して、すべての服のページで同じ図を使います。
同じ図を使い続けることで、お客様は2着目からは迷わずに数字を読めるようになります。
測り方が揃うと、店の中の服どうしを比べることもできるようになります。
「このシャツは、先月のシャツより身幅が少しゆったりしています」と書けるのは、同じ測り方で測っている店だけです。
手持ちの服と比べる手順を渡す
寸法の数字は、それだけではお客様の体と結びつきません。
結びつけるには、お客様が家にある服を同じ測り方で測って、数字を比べる手順を渡します。
「お手持ちのいちばん気に入っているシャツを平らに置き、脇の下から脇の下までを測ってください。その数字と、下の表の身幅を比べると、着たときのゆとりの差が分かります。」
この一文があるだけで、寸法表は「眺める表」から「使う表」に変わります。
店頭でも同じ手順は使えます。
試着したお客様に、いま着ている服と、ふだんよく着ている服との違いを聞き、数字で控えておく。
その控えが、次に通販で買うときの物差しになります。
スタッフの身長と、普段のサイズを添える
寸法と並んで効くのが、実際に着た人の情報です。
身長が160センチで、ふだんはMを着ているスタッフが、この服のSとMを着比べてどう感じたか。
身長の違うスタッフが2人いれば、2人分の着用感を並べます。
「Sだと肩がちょうどよく、袖は手首の骨にかかる長さでした。Mだと肩が少し落ちて、袖をひと折りしたくなる長さでした。」
この程度の短い言葉で十分です。
写真があれば、裾の位置がどこまで来ているかも一緒に伝わります。
モデルの写真だけを載せている店は、モデルと体型の違うお客様にとって、参考になる材料が無い状態です。
生地の厚みと透けと伸び
着用感のうち、写真に写りにくい部分は言葉で補います。
厚みは「春先に1枚で着られる」「冬は下に薄手のニットを重ねられる」というように、着られる季節と重ね方で書くと伝わります。
透けは、光にかざした写真と、下に着る服の色の目安で伝えます。
伸びは、「腕を前に伸ばしても背中が突っ張らない」「座ったときに膝がきつくない」というように、動作で書きます。
素材の名前や混率は、詳しい人には役に立ちますが、多くのお客様にとっては、着たときの感じに置き換えてもらったほうが判断しやすくなります。
店頭の接客の言葉を集める
比べられる書き方の材料は、実はすでに店の中にあります。
スタッフが毎日、試着室の前でお客様にかけている言葉です。
「この形は、ひとつ下のサイズでも肩が落ちるので、きれいに着たい方はSがおすすめです」
「この生地は洗うと少し縮むので、丈は長めを選ぶとちょうどよくなります」
こうした言葉は、店頭では当たり前に口に出ているのに、書き留められることがありません。
1週間だけ、試着室の前で口にした言葉をスタッフにメモしてもらってください。
そのメモが、そのまま通販のページの説明文になります。
| 伝えたいこと | よくある書き方 | 比べられる書き方 |
|---|---|---|
| 身幅のゆとり | ゆったりしたシルエット | 手持ちの服の身幅との差で選べる表と手順 |
| 袖や丈の長さ | 着丈は何センチ | 身長の違うスタッフが着た写真と裾の位置 |
| 生地の厚み | しっかりとした生地 | 1枚で着られる季節と、重ねられる服 |
| 透け | 透けにくい素材 | 光にかざした写真と、下に着る服の色 |
| 伸び | ストレッチ素材 | 腕を伸ばしたとき、座ったときの感じ |
比べられる書き方は、1着ごとに書くと手間がかかります。
まずは売れ筋の上位の服と、返品の多い服から始めると、手間に見合った効き目が早く出ます。
1着のページが変わるまでの例
ここで、1着のページを書き直す流れを、架空の例で追ってみます。
麻のシャツを1枚、自社の通販で売っているとします。
書き直す前のページには、正面と背面の写真が2枚、素材の混率、寸法表、値段が載っています。
説明文は「涼しげな麻素材のシャツです。1枚でも羽織りでも使えます」の2文だけです。
このシャツの返品の理由を見ると、「思ったより透けた」「袖が長かった」が続いていたとします。
書き直したページでは、まず寸法表の上に、測る位置を示した図を置きます。
次に、身長158センチでふだんSを着るスタッフと、身長167センチでふだんMを着るスタッフが、それぞれSとMを着た写真を並べ、袖が手首のどこに来たかを一言ずつ添えます。
窓際で光にかざした写真を1枚足し、「白は肌色に近い下着を合わせると透けが目立ちにくくなります」と書きます。
最後に、店で人気の細身の黒のパンツと、ゆったりした生成りのスカートに合わせた写真を2枚載せます。
購入のボタンのすぐ上には、サイズの交換ができる期間を一行で書きます。
この書き直しに使う時間は、慣れないうちは半日ほどです。
その半日で、このシャツを見て迷っていた人の問いに、ページが先回りして答えるようになります。
書き直したあと、1か月ほど同じ理由の返品が届くかどうかを見てください。
届かなくなっていれば、足した情報が効いています。
まだ届くなら、返品の理由をもう一度読み、ページに足りない一言を探します。
この小さな繰り返しが、店の服のページ全体の書き方の型になっていきます。
店頭でも、スタッフが同じ言葉で接客できるようになります。
店頭と通販を、1つの店としてつなぐ
次に手を付けるのは、店頭と通販のあいだの行き来です。
実店舗と自社の通販を両方持っている小さな店にとって、ここは大きな店にまねのできない強みになります。
お客様の動きを図にすると、次のようになります。
図のどこかで記録が途切れると、お客様はそこで別の店に流れていきます。
店で試着したサイズを控えて渡す
店で試着したお客様には、その場で買わなかったとしても、試着した服の品番とサイズ、着たときの感想を書いたカードを渡します。
「この服はSがちょうどよく、袖は少し長めでした」と、お客様自身の言葉を書き写すと、家に帰ってから読み返したときに、試着室の鏡の前の記憶がよみがえります。
カードには、通販のページにたどり着ける印を添えておきます。
家に帰って考え直したお客様が開くのは、自店の通販のページになります。
通販で見た服を、店で試着できるようにする
通販のページを見ている人のうち、実物を確かめたい人には、店で試着できる道を用意します。
ページに「この服は店頭でご試着いただけます」と書き、在庫を確かめる問い合わせの方法を添えます。
前日までに連絡をもらえれば、そのサイズを取り置いておく、という形でも構いません。
来店の前に一言やりとりがあると、お客様は店に入る前から「話を聞いてもらえる店だ」と分かって来てくれます。
通販のお客様に、店でできることを知らせる
通販で買ったお客様に、店でしかできないことを知らせます。
裾の長さを店で合わせられる、サイズが合わなければ店に持ってきてもらえれば交換できる、手入れの相談に乗れる。
通販のお客様が一度でも店に来ると、その人は店主やスタッフの顔を知ります。
顔を知った人は、次に通販で買うときにも、その店を選び続けてくれます。
スタッフの顔を、通販に出す
通販のページに、知っている人の気配を出します。
着用感を書いたスタッフの名前と身長を添える。
そのスタッフが、その服をどんな日に着たかを一言書く。
店の常連のお客様にとっては、通販のページが「あの人が着ていた服」の一覧になります。
店に来たことのない人にとっても、服を選んでいる人の顔が見えると、店の服に一貫した選び方があることが伝わります。
取り置きの約束を守る仕組み
店頭での試着や取り置きを案内するなら、その約束を確実に守れる形を先に作っておきます。
通販のページを見て「取り置きをお願いしたい」と連絡してくれた人が、店に来たときにその服が売れてしまっていたら、その人は二度と同じお願いをしません。
取り置きの依頼を受けたら、その場で服に名前と日付を書いた札を付け、店頭の在庫から外す。
通販の在庫も、同じ数だけ減らしておく。
取り置きの期限が来たら、一度だけ連絡を入れ、来られないなら売り場に戻す。
この手順を紙1枚にまとめてレジの横に貼っておくと、スタッフが替わっても約束が守られます。
通販の購入者に、手書きの一言を添える
通販で服を送るとき、箱の中に手書きの一言を添えます。
「この服は、最初の洗濯のときだけ裏返してネットに入れてください」
「同じ生地のパンツが店頭にあります。お近くにお越しの際はぜひご試着ください」
印刷された納品書だけが入った箱と、店の人の言葉が入った箱とでは、開けたときの印象がまるで違います。
一言の中に、店でできることを1つ書いておくと、通販のお客様が店に足を運ぶきっかけになります。
| 行き来の場面 | いまのお客様の動き | つないだあとの動き |
|---|---|---|
| 店で試着して帰る | 家で別の店の通販を開く | カードを見て自店の通販で注文する |
| 通販で見て実物を見たい | 在庫が分からず諦める | 取り置きを頼んで店に来る |
| 通販で買って合わなかった | 返送の手間で二度と買わない | 店に持ってきて交換し、顔を覚える |
| 店の常連が通販を見る | 知らない店のように感じる | 知っているスタッフの着用感で選ぶ |
| 通販の常連が近くに来た | 店があることを知らない | 店でしかできないことを知って立ち寄る |
1つの店としてつながると、店頭は通販の試着室になり、通販は店頭の続きの売り場になります。
交換と返品の条件を、安心の材料として書く
返品の条件は、お客様の不安を消す材料として書き直します。
厳しくするか緩くするかの前に、書き方で変えられることがたくさんあります。
交換と返品を分けて書く
サイズが合わなかったときの交換と、気に入らなかったときの返品は、店にとっての手間もお客様にとっての意味も違います。
この2つを一緒に「返品・交換について」とまとめてしまうと、どちらの条件も分かりにくくなります。
サイズの交換は受けるけれど、返品は受けない、という店なら、まず交換ができることを大きく書きます。
お客様がいちばん心配しているのは、サイズが合わなかったときにどうなるかだからです。
交換の手続きを、順番に書く
交換ができると書くだけでなく、その手続きを順番に書いておくと、お客様の不安はさらに小さくなります。
連絡はどこにすればよいのか、届いた箱と袋は残しておく必要があるのか、何日以内に送り返せばよいのか、新しいサイズはいつ届くのか。
手続きが見えないと、お客様は「交換できるとは書いてあるけれど、面倒なのではないか」と考えます。
4つか5つの短い手順に分けて書き、それぞれに目安の日数を添えます。
手順が見えると、交換は「面倒なこと」から「もしものときの段取り」に変わります。
購入のボタンの近くに置く
条件は、ページのいちばん下や別のページにまとめるだけでなく、服のページの購入のボタンの近くにも短く書きます。
「サイズが合わない場合は、到着から何日以内なら交換できます」という一行があれば、お客様は安心してボタンを押せます。
先に見た特定商取引法ガイドの説明のとおり、返品の条件は注文の最終確認の画面にも表示することが求められています。
法律の求める場所に置くのと同時に、お客様が迷っている場所にも置く、と考えてください。
店頭へ持ち込めることを知らせる
実店舗を持っている店なら、通販で買った服を店に持ち込んで交換できる道を用意すると、返送の手間という大きな壁が消えます。
近くに住んでいるお客様にとっては、送り返すより店に寄るほうが楽です。
店に来たついでに、ほかの服を試着していく人もいます。
交換のための来店が、次の買い物のきっかけになります。
| 条件の書き方 | お客様の受け取り方 | 店に起きること |
|---|---|---|
| 返品・交換は一切不可 | 合わなかったら損をする | 初めての人が注文しない |
| 条件を別のページにまとめる | 探さないと分からない | 不安なまま見送られる |
| サイズ交換ができると大きく書く | 合わなくても何とかなる | 初めての人がサイズを選んで注文する |
| 購入のボタンの近くに一行 | 迷っている場所で答えが見える | カートからの離脱が減る |
| 店頭へ持ち込みで交換できる | 送り返す手間が無い | 交換のついでに店に来る人が増える |
条件そのものを緩めるかどうかは、店の体力に合わせて決めてください。
書き方を変えるだけでも、お客様の受け取り方は大きく変わります。
セールの代わりに、来る理由をつくる
迷いを解く準備が整ったら、最後に、セールの知らせの代わりになる「来る理由」を作ります。
入荷の知らせを、着方の知らせに変える
新作の入荷を知らせるときに、写真と値段に加えて、その服の着方を1つ添えます。
「この服は、去年の秋にお買い上げいただいた方の多い、細身の黒のパンツに合わせて着られるように選びました」と書けば、去年買ってくれたお客様が、自分のクローゼットを思い浮かべます。
入荷の知らせが、そのまま着方の相談の入口になります。
長く着るための手入れの話
セールを続けている店ほど、お客様は服を「季節ごとに買い替えるもの」と考えるようになります。
手入れの話は、その考え方を少しずつ変えていきます。
毛玉の取り方、型崩れしにくい干し方、しまう前の一手間。
店で買った服を長く着るための話をすると、お客様は服を選ぶときに、値段より長く着られるかどうかを気にするようになります。
長く着られる服を選ぶ人は、定価でも納得して買ってくれます。
小さな集客イベントを続ける
試着会や手入れの相談会のような集客イベントは、単発で大きく打つより、小さく続けるほうが効きます。
月に1回、決まった曜日に、新しく入った服の着方を店主が話す会を開く。
参加した人の試着したサイズと好みを控えておき、次の回の前に、その人に合いそうな服が入ったら知らせる。
これを続けると、集客イベントは毎回一から人を集める催しから、常連のお客様と会う日に変わっていきます。
季節の変わり目に、手持ちの服の話をする
季節の変わり目は、お客様がクローゼットを開ける時期です。
去年の服を出して、今年も着られるか、何を買い足せばよいかを考えます。
この時期に、新作の知らせより先に「去年お買い上げいただいた服を、今年はこう着られます」という知らせを送ると、お客様は自分のクローゼットを思い浮かべながら読みます。
去年の服の着方を知らせる中で、それに合わせる新しい服を1着だけ紹介する。
売り込みの言葉を使わなくても、買い足す理由が自然に伝わります。
去年の服を覚えていてくれる店だと分かると、お客様は来年もその店で服を買おうと考えます。
受注会で、定価の前に声を聞く
自社ブランドを持っている店なら、新作を作る前や仕入れる前に、受注会を開く方法もあります。
常連のお客様に試作の服やサンプルを試着してもらい、欲しい人から予約を受ける。
予約の数を見て、作る数や仕入れる数を決めるので、季節の終わりに売れ残る服が減ります。
売れ残りが減れば、見切りのセールの幅も小さくなります。
受注会に来たお客様は、服ができあがる前から、その服の話を聞いています。
できあがった服を受け取りに来たとき、その人はもう、この服が自分に合うかどうかで迷っていません。
受注会は、迷いを解く場であると同時に、セールに頼る体質を根元から変える仕組みにもなります。
小さな店なら、受注会は店の営業時間の中で開けます。
閉店後の1時間を使い、常連のお客様を数人ずつ招くだけでも十分です。
招いたお客様の感想は、そのまま新作の通販のページの着用感の欄に使えます。
定価で買った人にだけ渡せるもの
最後に、定価で買ってくれた人に、値引きとは違う形で報いる方法を考えます。
裾上げを店で無料で引き受ける、季節の変わり目に手入れの相談に乗る、次の入荷の前に試着の時間を取っておく。
定価で買うことに意味がある店だと伝わると、セールを待つ理由が薄れていきます。
| セールの代わりの来る理由 | お客様の中で変わること | 続けたときに起きること |
|---|---|---|
| 着方を添えた入荷の知らせ | 自分のクローゼットを思い浮かべる | 新作の時期に来店が増える |
| 長く着るための手入れの話 | 値段より長く着られるかで選ぶ | 定価で買う人が増える |
| 小さな集客イベントを続ける | 店主やスタッフに会いに行く | 常連のお客様が育つ |
| 定価で買った人への手助け | 定価で買うことに意味がある | セールを待つ人が減る |
| 試着したサイズの控え | 次に買うときの物差しが手元にある | 通販での2着目が増える |
どれも、すぐに売上が跳ね上がる手ではありません。
その代わり、続けた分だけ、セールに頼らなくても人が来る形が少しずつできていきます。
小さな店が始める順番
ここまでの話を全部いっぺんに始めようとすると、日々の接客と仕入れに追われて、どれも中途半端になります。
店主と数人のスタッフで回している店を想定して、1か月の順番を組んでみました。
最初の1週間は、数えることから
最初の1週間は、何も変えずに数えることに使います。
店頭では、来店した人、試着した人、買った人の数を、レジの横の紙に正の字で書きます。
通販では、商品のページを見た人の数と、カートに入れた数と、注文の数を、管理画面から書き写します。
あわせて、去年1年のセールの日付をカレンダーに書き出し、この1か月に届いた返品と交換の理由を一言ずつ並べます。
この1週間で、自店の迷いがどこに溜まっているのかが見えてきます。
正の字の紙は、試着室の近くとレジの横の2か所に置くと、数え漏れが減ります。
数えるのが面倒に感じたら、1日のうち一番混む時間帯だけでも構いません。
全部を正確に数えることより、毎日同じやり方で数えることを優先してください。
2週目は、売れ筋と返品の多い服から書き直す
2週目は、数えた結果をもとに、手を付ける服を3着に絞ります。
売れ筋の上位から1着、試着されるのに買われない服から1着、返品や交換の多い服から1着です。
その3着について、測り方つきの寸法、身長の違うスタッフ2人の着用感、生地の厚みと透けと伸びの言葉、手持ちの服と合わせた写真2通りを用意します。
用意したものは、通販のページに載せるのと同時に、店頭の接客でも同じ言葉で話せるように、スタッフで読み合わせておきます。
3週目は、交換と返品の書き方を変える
3週目は、交換と返品の条件の書き方を見直します。
交換と返品を分けて書き、サイズの交換ができるなら、そのことを服のページの購入のボタンの近くに一行で書きます。
実店舗への持ち込みで交換できるようにするかどうかも、このときに決めます。
条件を決めたら、注文の最終確認の画面に同じ内容が表示されているかを、自分で注文の手前まで進んで確かめてください。
4週目は、店頭と通販をつなぐ道具を作る
4週目は、試着したサイズを控えて渡すカードを作ります。
品番とサイズ、着たときの感想を書く欄と、通販のページにたどり着ける印があれば十分です。
通販のページには、店頭で試着できることと、在庫の問い合わせ方法を書き足します。
2か月目からは、来る理由を少しずつ足す
2か月目からは、入荷の知らせに着方を1つ添えることを始めます。
月に1回の小さな集客イベントを開くなら、日付と曜日を固定して、続けられる大きさで始めてください。
1か月目に数えた数字は、2か月目にも同じ方法で数え、試着から購入に進む割合と、カートから注文に進む割合が変わったかを確かめます。
店主1人で回している場合
スタッフがいない店では、全部を1人でこなすことになります。
その場合は、順番はそのままに、手を付ける服を3着から1着に減らしてください。
1着でも、測り方つきの寸法と自分の着用感と合わせ方の写真がそろうと、その服のページは見違えます。
1着を書き終えたら、次の1着に進む。
1か月で4着書ければ、そこから先は書き方の型ができているので、1着にかかる時間はずっと短くなります。
スタッフが2人以上いる場合
スタッフが2人以上いる店では、役割を分けると続けやすくなります。
1人は数える役で、毎日の試着と購入の数、通販の閲覧と注文の数を書き写します。
もう1人は書く役で、週に1着ずつ、寸法と着用感と合わせ方のページを書き直します。
店主は、週に1回、2人の話を聞いて、次に手を付ける服を決めます。
役割を固定しすぎると、書く役の人の言葉だけがページに並ぶので、着用感の欄だけは全員が交代で書くようにしてください。
体型の違うスタッフの言葉が並ぶほど、お客様が自分に近い人を見つけやすくなります。
続けるための小さな約束
どの手順も、1度やって終わりにすると効き目が続きません。
新しい服が入るたびに、寸法の測り方と着用感と合わせ方の3つを書く、という約束を店の中で決めておきます。
全部の服で完璧にそろえる必要はありません。
書けなかった服には「着用感は準備中です。店頭ではご試着いただけます」と一言だけ書いておけば、お客様は店に問い合わせるという道を選べます。
書けていない服が一目で分かるので、次に手を付ける服も自然と決まります。
| 時期 | やること | 確かめること |
|---|---|---|
| 1週目 | 来店・試着・購入、閲覧・カート・注文を数える | 迷いがどこに溜まっているか |
| 2週目 | 3着の寸法・着用感・合わせ方を書き直す | スタッフが同じ言葉で話せるか |
| 3週目 | 交換と返品の書き方を変える | 最終確認の画面に表示されているか |
| 4週目 | 試着したサイズのカードと、店頭試着の案内を作る | カードから通販にたどり着けるか |
| 2か月目以降 | 入荷の知らせに着方を添え、小さな集客イベントを続ける | 試着から購入、カートから注文の割合 |
1か月で全部を終わらせる必要はありません。
大切なのは、順番を飛ばさないことです。
数える前に書き直すと、どの服から手を付けるべきかを外してしまいます。
よくある質問
最後に、アパレルの店主の方からよく受ける質問にお答えします。
Q1. セールをやめたら、売上が落ちるのが怖いです
いきなりやめる必要はありません。
まずは、季節の終わりの見切りのセールと、人を呼ぶためのセールを分けて考えてください。
見切りのセールは残し、人を呼ぶためのセールの回数を1回ずつ減らしていきます。
見切りのセールも、時期を毎年同じにしておくと、お客様はそれ以外の時期に安くならないことを覚えます。
安くなる時期が読めると、それ以外の時期は「欲しいときに買う」という動き方に戻っていきます。
減らした回の代わりに、着方を添えた入荷の知らせや、小さな集客イベントを置きます。
そのうえで、定価の時期の試着の数と購入の数を見ていくと、セールを減らしても落ちない売上の土台ができているかどうかが分かります。
減らす順番は、売上が足りない月に慌てて打っていたセールからがよいでしょう。
セールを減らした月は、売上の数字だけでなく、定価で買ってくれた人の数と、その人たちが試着したサイズの控えがどれだけ集まったかも一緒に見てください。
控えが増えていれば、次の季節にその人たちへ知らせを送る材料が増えた証拠です。
その月の前に、去年同じ時期に買ってくれたお客様へ、手持ちの服の着方を知らせておくと、セールが無くても店に寄ってくれる人が出てきます。
Q2. 自社の通販に人が来ないのですが、先に集客をすべきですか
人を送る前に、送った先で迷いが解けるかを確かめてください。
サイズと着用感と交換の条件が書かれていないページに人を送っても、見て帰る人が増えるだけです。
まずは売れ筋の3着のページを整え、店頭のお客様に試着したサイズのカードを渡すところから始めると、すでに店に来ている人が通販の最初のお客様になってくれます。
店に来ている人は、すでに店の服の形の癖を知っています。
その人たちが通販で2着目、3着目を買ってくれるようになると、通販のページに書くべきことも、その人たちの声から見えてきます。
外から人を呼ぶ通販の集客は、そのあとでも遅くありません。
通販の集客を外に広げるときも、最初に整えた3着のページを入口にしてください。
迷いが解けるページに人を送ったときと、そうでないページに送ったときでは、同じ人数でも注文の数が違ってきます。
その差を自分の店の数字で確かめてから、広げる範囲を決めると、無駄な出費を抑えられます。
Q3. スタッフが着用感を書くと、人によって言うことが違って困ります
違っていて構いません。
身長も体型も好みも違うスタッフが、同じ服をどう感じたかが並んでいることに価値があります。
お客様は、自分に近い体のスタッフの言葉を探して読みます。
揃えるべきなのは感想の中身ではありません。
身長、普段のサイズ、試したサイズ、袖と丈がどこに来たか、という書く項目を揃えてください。
項目が揃っていれば、言うことが違っても、お客様は自分で比べられます。
反対に、項目がばらばらだと、同じ感想でも比べようがありません。
書く項目を小さな紙に印刷して、試着室に置いておくと、スタッフが試着したときにその場で書き込めます。
書いた紙は、店の中で共有のファイルにまとめておくと、通販のページを直すときにすぐ引き出せます。
同じ服について、季節をまたいで感想が増えていくと、洗ったあとの変化や、重ね着をしたときの感じまで書けるようになります。
Q4. 返品の条件を緩めると、手間が増えて回らなくなりそうです
条件を緩める前に、書き方を変えることから始めてください。
交換と返品を分け、サイズの交換ができることを購入のボタンの近くに書くだけでも、初めてのお客様の不安は大きく減ります。
返品の手間そのものは、返品の理由を集めて服のページに足りない情報を書き足すことで、少しずつ減らせます。
実店舗への持ち込みでの交換は、送料と梱包の手間がかからないうえに来店のきっかけにもなるので、小さな店ほど試す価値があります。
手間が増えるかどうかは、1か月だけ試してみると分かります。
交換の件数と、交換のために来店した人のうち別の服も買っていった人の数を数えておけば、続けるかどうかを数字で決められます。
Q5. 写真の投稿アプリには、何を載せればよいですか
新作の写真に、着方を1つと、着たスタッフの身長と普段のサイズを添えてください。
写真の中の人が自分と近い体型だと分かると、見る人はその服を自分に重ねて見るようになります。
モデルのように整った写真より、店のスタッフがいつもの立ち方で着た写真のほうが、お客様の暮らしに近く見えることもあります。
1枚の写真で全部を伝えようとせず、裾の位置が分かる全身の写真と、生地の厚みが分かる寄りの写真を組み合わせると伝わりやすくなります。
返品や交換の理由に多かった不安に答える投稿は、そのまま通販のページにも使えます。
投稿の数を増やすより、1つの投稿で答える迷いを1つ決めるほうが、見る人の記憶に残ります。
投稿の最後には、通販のページと店頭のどちらでも試せることを一言添えておくと、見た人が次に動く先が分かります。
写真の投稿アプリで店を知った人が、通販で寸法を確かめ、店で試着して買う。
その往復を、投稿の段階から案内しておきます。
まとめ
アパレルの集客で人が来ないとき、多くの店は値段を下げて人を呼ぼうとします。
けれども、服を買う人が迷っているのは、値段より前の場面です。
自分の体に合うのか、手持ちの服と合わせられるのか、合わなかったら戻せるのか。
この問いに答えないまま値引きを重ねると、セールのときにしか人が来ない形が固まっていきます。
サイズと着用感を比べられる言葉で書き、交換と返品の条件を安心の材料として置き、店頭と通販を1つの店としてつなぐ。
そのうえで、着方の知らせや小さな集客イベントで、セールの代わりになる来る理由を作っていく。
Q&Aサイトの相談者が探していた「値引きの次の手」は、値札の外側にあります。
半額にしても人が来なかったのは、値段が高かったからではありません。
値段のほかに、お客様が判断に使える材料が無かったからです。
その材料を1つずつ足していくことが、セールに頼らない集客の始まりになります。
アパレルの集客で大切なのは、強く売り込むことより、着る前の人の迷いを1つずつ消していくことです。
実店舗と自社の通販の両方を持つ小さな店は、その迷いを店頭で聞き、通販で答え、また店頭で確かめてもらえる位置にいます。
大きな店にはまねのしにくいこの往復を、自店の集客の柱にしてください。
迷いが消えた人は、定価でも納得して買い、合わなかったときも店に相談に来てくれます。
その人たちが、セールの知らせが無くても店と通販を行き来してくれるお客様になります。
より詳しい考え方や、ほかの業種での例は、合同会社謙虚のトップページでもご紹介しています。
今日できる点検
最後に、今日のうちに確かめられることを表にまとめます。
| 点検すること | 確かめ方 | できていなかったら |
|---|---|---|
| 寸法の測り方が書いてあるか | 通販の服のページで身幅と着丈の説明を探す | 測る位置を図にして全ページで使う |
| 着た人の身長と普段のサイズがあるか | 売れ筋3着のページを開く | スタッフ2人の着用感を書き足す |
| 交換の条件が購入のボタンの近くにあるか | 自分で注文の手前まで進む | ボタンの近くに一行で書く |
| 店で試着した人に渡すものがあるか | レジまわりと試着室を見る | 品番とサイズを書くカードを作る |
| セールの回数が把握できているか | 去年のセールの日付を書き出す | 人を呼ぶためのセールを1回減らす |
いま公開している通販のページを1つ開き、初めて見るお客様の気持ちで、自分の体に合うかどうかを判断できるかを確かめてください。
判断できなかった場所が、最初に直す場所です。
判断できなかった理由が、寸法の測り方なのか、着た人の情報なのか、交換の条件なのかを一言で書き留めておくと、明日からの作業の順番も決まります。
次の入荷の日までに、その1か所だけ書き足してみてください。
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