検索からのアクセスが、先月より減っている。そう気づいたとき、まず何を調べればよいのでしょうか。
Googleは検索セントラルに、この問いに答える1ページを置いています。
題名は「Debugging drops in Google Search traffic」(Google検索トラフィックの減少をデバッグする)です。この記事は、そのページを英語版の原文から読み、調べる順番を整理します。
合同会社謙虚は、3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。数字が減ったときに原因をどの順で疑うかを、Googleの文面で確かめておくことは、その測り方の土台になります。
結論:3行で言うと
- 原因の候補は6つです。アルゴリズムの更新、技術的な問題、セキュリティ、スパム、季節や関心の変化、サイトの移転です。ページは、Search Consoleのグラフから、どれに近いかを探す手順を示しています
- 順位が少し動いただけなら、すでに好調なページに根本的な変更を加えないことを勧めています。大きく落ちたときは、個別のページよりサイト全体を自己評価するよう書いています
- 変更の効果は、数日で出ることも数か月かかることもあります。Googleは変更しても目に見える結果が出る保証はないと明記しています
このページの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題(英語) | Debugging drops in Google Search traffic |
| 日本語版の題名 | Google 検索トラフィックの減少をデバッグする |
| 英語版の最終更新日 | 2025年12月10日 |
| 日本語版の最終更新日 | 2025年12月18日 |
| Google検索セントラルの中の位置 | URLの階層は monitor-debug。英語版の左の目次では「Monitoring and debugging」(監視とデバッグ)の中にあり、上部のメニューでは「Data analysis」(データ分析)の項目に入っています。どちらでも、Search ConsoleとGoogleアナリティクスの併用を扱うページと並んでいます |
| 直近の主な更新 | 公開は2023年9月26日。2024年4月26日に、変更履歴で「アルゴリズムの更新の影響と見分け方を拡充した」と告知されました。最終更新日の2025年12月10日に対応する項目は、変更履歴にありません |
Googleがこのページで言っていること
導入:道具は2つ、略図は4つ
ページの冒頭は、検索トラフィックが減る理由はいくつもあり、何が起きたかを正確に知るのは簡単ではない、と述べます。
使う道具は、Search Consoleのパフォーマンスレポートと、Google トレンド(Google Trends)の2つです。
続いて、減り方のグラフを4つの略図で示します。
見出しは、アルゴリズムの更新やサイト全体のセキュリティ・スパムの問題による大きな落ち込み、季節性、サイト全体の技術的な問題や関心の変化、集計上の不具合、の4つです。
集計の側も疑うよう、原文はSearch Consoleの「データ異常」ページの確認を求めています。データ処理の変更や記録の誤りが、減少の原因のことがあるためです。
原因1:アルゴリズムの更新
Googleは、コンテンツの評価方法を常に改良し、検索順位の仕組みも更新していると書いています。コアアップデートや小さな更新で、一部のページの結果が変わることがあります。
目立つ改善は「ランキングの更新」の一覧ページで告知しているので、自社に当てはまるものがないか確認するよう勧めています。
更新が原因かもしれないとき、原文はコンテンツに根本的な問題があるとは限らないと書きます。変更が要るかどうかは、Search Consoleで上位ページを開き、順位の動きで判断します。
- 小さな低下(例:2位から4位)。インプレッション(表示回数)に大きな変化がなくても、トラフィックが目立って減ることがあります。順位は自然に戻ることもあるので、すでに好調なページには根本的な変更を避けるよう勧めています
- 大きな低下(例:上位10件から29位)。幅広い語で上位から外れた状態です。個別のページより、サイト全体が有用で、信頼でき、人を第一にしているかを自己評価するよう求めています
変更の効果が出るまでの時間は、数日のものから数か月のものまであります。一般には、数週間待ってからSearch Consoleで再び分析するよう書いています。
原因2:技術的な問題
技術的な問題とは、Googleがページを巡回(クロール)して登録(インデックス登録)し、利用者に表示するのを妨げるエラーです。
例として、サーバーの稼働、robots.txtの取得、「ページが見つかりません」が挙がっています。
範囲は、サイト全体のこともあれば、ページ単位(noindexタグの置き間違い)のこともあります。後者はGoogleがページを巡回して初めて効くので、トラフィックの減り方が緩やかになると書いています。
確かめる場所は、「クロールの統計情報」レポートと「ページのインデックス登録」レポートです。問題の急な増加が、トラフィックの減少と同じ時期にないかを見ます。
原因3〜6:セキュリティ、スパム、季節や関心、サイトの移転
| 原因 | 原文の説明 | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| セキュリティ | マルウェアやフィッシングがあると、Googleが利用者に警告や中間ページを出すことがあり、検索トラフィックが減りうる | 「セキュリティの問題」レポート |
| スパム | 自動システムと、必要に応じた人の審査で違反を検出する。違反があると、順位が下がる、またはまったく表示されないことがある | 「手動による対策」レポートと、スパムに関するポリシー |
| 季節や関心の変化 | 新しい流行や季節で、特定の検索語の需要が変わる | クエリを1つずつ絞り、Google トレンドで見る |
| サイトの移転 | 既存ページのURLを変えると、再巡回と再登録が済むまで順位が揺れる。中規模のサイトで数週間が目安 | サイト移転のトラブルシューティングの節 |
減少のパターンを、パフォーマンスレポートで分析する
原文は、パフォーマンスレポートの主要なグラフに多くの情報が集まっていると述べます。まず見るのは、インプレッションとクリック数のどちらが減ったかです。
両方が減ったなら、上の原因のリストで探します。
インプレッションが同じでクリック数だけ減ったなら、タイトルやスニペット(検索結果の説明文)が伝わっていないか、他のサイトのリッチリザルトのほうが魅力的な可能性がある、と書いています。
そのうえで、次の順に画面を操作します。名前は日本語版の画面表記に合わせました。
- 「日付」で「過去16か月」を選ぶ。毎年の祝祭日や流行による減少でないかが分かります。もっと長く見たいときは、Search Analytics APIか一括データエクスポートで、データを自分で保存します
- 「日付」の「比較」で、過去3か月を前期または前年と比べる。クエリ、URL、国、デバイス、検索での見え方のタブをすべて開き、特定のものだけで起きた変化かを調べます
- 「検索タイプ」を切り替える。ウェブ検索、画像、動画、ニュースのどこで減ったかが分かります
- 「平均掲載順位」を見る。原文は、順位の絶対値に重きを置きすぎないよう書きます。成功の指標は、最終的にはインプレッションとクリック数です
- グラフの下の「ページ」の表で、「クリック数の違い」を選び、減りの大きい順に並べる。サイト全体の問題なら「ページのインデックス登録」レポート、一部のページならURL検査ツールで調べます
- Google トレンドで、同じ語が業界全体で減っていないかを見る
最後の節は、減少の要因を2つ挙げます。1つは関心の変化で、人々が別の語を検索したり、端末の使い方を変えたりすることです。
もう1つは季節性で、食べ物の検索を例に、1月はダイエット、11月は七面鳥、12月はシャンパンが増えると説明しています。
英語版と日本語版の違い
最終更新日は、英語版が2025年12月10日、日本語版が2025年12月18日で、日本語版が8日新しくなっています。節の構成とリンク先は一致しました。
訳の言い回しで意味が動いている箇所が3つあり、英語版を正として読み直しました。
| 箇所 | 英語版 | 日本語版 | 違い |
|---|---|---|---|
| 大きな低下の末尾 | よりふさわしいコンテンツがあるなら、それは引き続きGoogleのシステムで上位に出る | Googleのシステムで常にページが上位にランキングされるようにするには、それに相応しいコンテンツが必要 | 英語版は「他のよりふさわしいコンテンツ」が主語。日本語版は「自分のページを上位に出し続けるには」と読める |
| アルゴリズムの更新の節 | 根本的な問題がないかもしれない、と理解することが重要 | 根本的な問題はないかもしれないと「推測する」ことが大切 | 「理解する」が「推測する」になっている |
| 最後の箇条書きの前置き | 検索トラフィックに役立つ分析情報 | 検索トラフィックの「増加」に役立つ分析情報 | 日本語版は「増加」と限定している |
1行目の英語版は、次の1文です。「If there’s more deserving content, it will continue to rank well with our systems.」(よりふさわしいコンテンツがあるなら、それはGoogleのシステムで引き続き上位に出る)
更新の経緯
変更履歴(検索セントラルの更新情報のページ)と、Internet Archiveに残る過去の版を比べました。確かめられた範囲は次のとおりです。
- 2023年9月26日:変更履歴に、以前のブログ記事2本を、検索トラフィックの減少のデバッグなどのドキュメントに作り直したとあります。同日のアーカイブに、最終更新日が同じ日の版が残っています。この版には、原因の多くは元に戻せる趣旨の一文がありました。アルゴリズムの節は短く、小さな低下と大きな低下の区別もありません。方針違反の節には、手動による対策がなくてもアルゴリズムが方針違反を考慮することがある、という趣旨の文がありました
- 2024年4月26日:変更履歴に、アルゴリズムの更新の影響と見分け方を拡充し、方針と手動対策の節をスパムの問題に絞ったとあります。2024年5月10日のアーカイブで、アルゴリズムの節と、小さな低下・大きな低下の区別が加わっていることを確かめました
- 2024年8月15日:変更履歴に、コアアップデートの解説を作り直し、トラフィックの減少などの他のドキュメントの情報を取り込んだとあります
- 2025年3月以降:2025年3月のアーカイブ(最終更新日の表示は2025年3月6日)の本文は、現行版と一致しました。2024年5月のアーカイブとの間には、語句の言い換えが4か所あります。たとえば「holiday」が「festivity」に変わりました。変更履歴に対応する項目は見つかりませんでした
- 2025年12月10日:最終更新日ですが、変更履歴に項目はなく、2026年1月のアーカイブと現行の英語版の本文は一致しました。比べたのは本文の文字だけで、画像や目次は比べていません
このページから、言えること・言えないこと
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| 原因の候補は6つで、レポートの画面で見分け始められる | グラフの形だけで、原因が1つに決まる |
| 順位が少し動いただけなら、好調なページに根本的な変更は避けたほうがよい | 順位が下がったら、すぐに記事を書き直すべきだ |
| 大きく落ちたときは、サイト全体の自己評価を勧めている | 自己評価して直せば、順位が戻る(原文は保証はないと明記している) |
| スパムは、自動システムでも検出される | 手動による対策の通知がなければ、スパムの影響もない(レポートで分かるのは手動対策の有無) |
| 目立つ改善は、ランキングの更新の一覧に載る | 一覧に載っていなければ、更新は起きていない |
中小企業の視点で、どう受け取るか
ここからはGoogleの説明とは別の、私の読み取りです。従業員が数人から数十人の会社が、WordPressのサイトでアクセスの減少に気づいたとき、何をどの順に見るかを書きます。
1. 最初に、減ったのがクリックか表示回数かを見る
Search Consoleの「検索パフォーマンス」で、クリック数と表示回数の両方を出します。次に、原文が確認を求める「データ異常」ページを開きます。
私が2026年10月8日に開いた版には、パフォーマンスレポートの表示回数の記録が不正確だった、という項目がありました。修正の結果、表示回数が減って見えることがあり、クリック数は影響を受けていない、という内容です。
表示回数だけが減ってクリック数が同じなら、この種の項目が当てはまらないかを先に確かめます。
2. 落ち始めた日を特定し、自社の作業日と並べる
グラフで減り始めた日を、日付で控えます。次に、その数週間前までさかのぼって、テーマやプラグインの更新、ページの削除、URLの変更を書き出します。
noindexの置き間違いは減り方が緩やかになると原文が書いているので、直前だけでなく少し前まで探すのが安全です。
WordPressでは、管理画面の「設定」の「表示設定」にある「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」のチェックが、入っていないかを見ます。
サイト全体が落ちているなら「ページのインデックス登録」レポート、一部のページなら「URL検査」で数ページを調べます。
3. 毎年の波を先に消す
「日付」を「過去16か月」にして、前年の同じ時期と形を比べます。毎年の谷なら、同じ形の減少が前の年にもあるはずです。
クエリを1つずつ絞ってGoogle トレンドで見る作業は、アクセスの多い3〜5個から始めれば十分です。
4. 変更したら、数週間は動かさず、日付つきで記録する
原文は、効果を見るのに数週間待つことを勧めています。待つあいだに別の変更を重ねると、どれが効いたか分からなくなります。
1つ変えるたびに、日付、変えた内容、見る数字、次に見る日を、表計算の1行に書いてください。
実務の手順は、既存の記事検索順位が下がった原因を突き止める順番にまとめています。この記事はGoogleの公式ページの解説で、あちらは弊社の実務の手順です。
順位の数字の見方は、平均掲載順位とは?Search Consoleと手元の検索結果がズレる理由が参考になります。
弊社のサイトで確かめたこと
このページが挙げる「技術的な問題」の例のうち、外から確かめられる項目を、2026年10月8日に弊社のサイトで調べました。コマンドはcurlです。
記事用のサイトマップ(post-sitemap.xml)に載る1,000件のURLから12本を無作為に選び、トップページとあわせて13ページを取得しました。
| 確認した項目 | 結果 |
|---|---|
| robots.txt の取得 | 取得できた(200)。禁止しているのは管理画面の /wp-admin/ だけで、サイトマップを2つ記載 |
| 存在しないページ | 404が返った |
| 13ページのrobots指定 | すべて200。指定は「max-image-preview:large」だけで、noindexは見つからなかった。X-Robots-Tagヘッダーもなし |
| 13ページのcanonical | すべて自分自身のURLを指していた(日本語のURLは、エンコードを戻すと一致) |
この範囲では、直す箇所は見つかりませんでした。確かめていないこともあります。
Search Consoleの数字、クロールの統計情報、サーバーの長期の稼働記録、セキュリティの問題は、管理画面に入らないと見られないため、この作業では見ていません。
調べたのは13ページだけで、サイト全体の保証ではありません。
よくある質問
検索トラフィックが急に減ったとき、Googleは何から調べるよう書いていますか
パフォーマンスレポートの主要なグラフです。インプレッションとクリック数の両方が減ったなら原因のリストへ、クリック数だけ減ったならタイトルとスニペットの見直しへ進みます。
アルゴリズムの更新で順位が下がったら、記事を書き直すべきですか
原文は、順位が少し動いただけの好調なページなら、根本的な変更を避けるよう勧めています。大きく落ちたときは、個別のページより、サイト全体の自己評価を求めています。
効果の保証はないとも明記されています。
検索トラフィックの減少が、季節の影響かどうかをどう見分けますか
パフォーマンスレポートの期間を「過去16か月」にして、前年の同じ時期と形を比べます。次に、アクセスの多いクエリを1つずつ絞り、Google トレンドで同じ語が業界全体で動いていないかを見ます。
まとめ:今日できる1つのこと
Search Consoleの「検索パフォーマンス」を開き、「日付」を「過去16か月」にして、グラフの画面を1枚保存してください。
そのうえで、減り始めた日を日付で書き留めます。次の作業は、その日付と自社の作業日を並べることです。
この記事は、Google検索セントラル解説の一覧の一本です。ほかのページの解説も、順次公開しています。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
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