「ChatGPT に自社のことを聞いたら、設立年が違っていた」。「Gemini が旧社名のまま紹介している」。
「同じ名前の別の会社と、説明が混ざっている」。
AI検索が広がるにつれて、こうした相談が増えています。
AIの回答は、自社サイトだけから作られるわけではありません。ウェブ上のさまざまな公開情報が、材料になります。
そのため、自社サイトの会社概要がわかりにくいことがあります。Google ビジネスプロフィールや SNS、業界団体の名簿で、社名や事業内容の書き方がばらばらなこともあります。
こうした状態は、AIが「どれが正しい情報か」「これは同じ会社か」を判断するときの迷いのもとになると考えられます。AIがどの情報をどう選ぶかは公開されていないため、この点は推測です。
この記事は、中小企業の Web 担当者と経営者に向けて書きました。会社概要ページの作り方、社名と事業内容の表記の統一、構造化データ、ナレッジパネル、Wikidata の扱いを、手順の順に説明します。
公式ページの記述は、2026年10月18日に取り直して確かめました。画面の名前やボタンの名前は変わることがあるため、実際の画面でも確認してください。
AIが間違った回答をしたときの直し方は、別の記事にまとめています。この記事は「間違われにくい土台を作る」ところに絞ります。
先に結論:表記を統一する6つの要点
要点を、先に表にまとめます。
| 番号 | 要点 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 最初に「正式表記の台帳」を1枚作る | 迷ったときに戻る基準が社内にできる |
| 2 | 事業内容を1文で言い切り、どの媒体でも同じ文を使う | 「何の会社か」の手がかりが分散しない |
| 3 | 会社概要は、文字で読める事実の一覧にする | 画像だけの会社案内は、文字として読まれないおそれがある |
| 4 | 外部の情報は、自分で直せる場所から順にそろえる | 直せる場所を先に終えると、依頼の数が減る |
| 5 | Organization の構造化データで、表記と公式アカウントを結ぶ | Google の公式文書が、組織の区別に役立つと説明している |
| 6 | ナレッジパネルと Wikidata は、自社で作る場所とは考えない | Google は手動での作成と削除を行わず、Wikidata は自社の項目の作成を強く勧めていない |
全体の流れを、図で確認します。
この記事で確かめた範囲
公式ページの確認
主張ごとに、次の公式ページで確かめました。
| 確かめた内容 | 参照したページ(2026年10月18日に確認) |
|---|---|
| ナレッジパネルの仕組みと認証の手順 | Google ナレッジパネル ヘルプ(4ページ) |
| 組織の構造化データの項目 | Google 検索セントラル「組織(Organization)の構造化データ」 |
| ビジネス名の決め方 | Google ビジネスプロフィール ヘルプ「ガイドライン」 |
| 英語表記の登録 | 国税庁 法人番号公表サイト「英語表記の登録」 |
| 自社の項目を作ることの扱い | Wikidata の「Self-promotion」(エッセイ) |
Google の組織の構造化データのページは、最終更新が2026年9月12日と表示されていました。
確かめられなかったこと
AIの回答が、どの情報源をどれだけ重視するかは、各社が公開していません。
そのため、この記事の「統一すると回答が正しくなる」という部分は、仕組みから考えた推測です。反映の時期や確実さは、約束できません。
公式に書かれている部分と推測の部分は、本文で分けて書きます。
表記がそろっていないと、何が困るのか
AIは「どの会社の話か」を見分ける必要がある
人の目には明らかに同じ会社でも、機械は表記の違いから判断します。「株式会社サンプル」と「サンプル(株)」と「Sample Co., Ltd.」が、同じ会社だと伝わる手がかりは、多くありません。
検索エンジンの側では、人・場所・組織などの事実を集めたデータベースを持っています。Google はこれを「ナレッジグラフ」と呼んでいます。
Google のヘルプによると、ナレッジグラフの情報は、公開されている情報源から集められます。データ提供元とのライセンス契約や、コンテンツの所有者から直接受け取る情報もあります。
つまり、ウェブ上に公開された自社の情報は、自社を説明する材料になります。
表記がばらばらだと起きやすいこと
次の表は、表記がそろっていないときに起きやすい問題の整理です。公式に確認できた事実に限らず、状況から考えられる影響を含みます。
| 状態 | 起きやすい問題 |
|---|---|
| 社名の表記が場所ごとに違う | 同じ会社の情報として結び付かず、評判や実績が分かれて見える |
| 旧社名の情報が多く残っている | 旧社名のまま紹介される。別の会社として扱われる |
| 事業内容の説明が媒体ごとに違う | 「何の会社か」が曖昧になり、関係の薄い質問で紹介される |
| 同名や似た名前の会社がある | 他社の所在地や事業内容が混ざる |
| 所在地や電話番号が古いまま残る | 移転前の情報が回答に出る |
この取り組みが目指すもの
この記事の取り組みは、AIの回答を思いどおりにする方法ではありません。
誤解が生まれる原因を減らし、正しい情報を見つけてもらいやすくする土台づくりです。通常の検索や、お客様が自社を確かめるときにも役立ちます。
手順1:正式表記の台帳を作る
台帳は、迷ったときに戻る1枚の表
すべての作業の基準になるのが、自社の公式な書き方を1枚にまとめた「正式表記の台帳」です。
スプレッドシートで足ります。表記に迷ったら、この台帳を見る。
そう決めておくと、担当者が替わっても表記が崩れません。
台帳に入れる項目
| 項目 | 記入例(架空) | 決めるときのポイント |
|---|---|---|
| 正式名称 | 株式会社サンプル | 登記のとおりに書く。「(株)」の省略形は使わない |
| 読み方 | かぶしきがいしゃサンプル | 漢字の社名では特に大切 |
| 通称・略称 | サンプル | 実際に使っているものだけ。増やしすぎない |
| 英語表記 | Sample Co., Ltd. | 1つに決める。表記の型を混ぜない |
| 旧社名と変更日 | 株式会社旧サンプル(2019年4月に変更) | 年月まで記録する |
| サービス名・ブランド名 | サンプルクラウド | 社名との関係も書く |
| 事業内容の1文定義 | 次の手順で作る | 全媒体で同じ文を使う |
| 所在地 | 郵便番号から。ビル名と階数の扱いも決める | 番地の書き方を1つにする |
| 電話番号 | 公開する番号を1つに決める | 部署ごとの番号は別欄に |
| 公式サイトのURL | www の有無と末尾のスラッシュまで決める | 転送の設定もそろえる |
| 法人番号 | 13桁 | 国税庁の法人番号公表サイトで確認できる |
| 公式アカウントの一覧 | 自社が管理している SNS だけ | 使っていないアカウントは整理する |
| Google ビジネスプロフィール用の表示名 | 看板や名刺で実際に使っている名称 | 次の項で理由を説明する |
正式名称・略称・英語表記の決め方
正式名称は、会社概要ページ、フッター、利用規約、プレスリリースの末尾など「会社として名乗る場所」で必ず使います。「株式会社」を前に付けるか後ろに付けるかを間違えている外部サイトは、意外に多くあります。
略称は、本文で何度も社名を書くときに使います。初出では正式名称を書き、「株式会社サンプル(以下、サンプル)」のように対応を示します。
英語表記は、英語で調べられたときや、英語の情報が参照されるときに関係します。型は1つに決めます。
国税庁の法人番号公表サイトでは、商号と所在地の英語表記を登録して公表できます。手続きは、サイトで入力して作る「英語表記情報送信票(兼送付書)」を、e-Tax か郵送で提出する流れです。
書面で提出する場合は、代表者の氏名の記載と法人確認書類の提出が必要になります。詳しい条件は、国税庁の案内ページで確認してください。
Google ビジネスプロフィールの名前は、別の欄で管理する
Google ビジネスプロフィールのガイドラインには、ビジネス名の決め方が書かれています。看板やビジネスレターなど、実際のビジネスで一貫して使い、認知されている名称を使うことが原則です。
名前に入れられない情報も、例つきで示されています。キャッチコピー、営業時間、電話番号やURLなどです。
社名と直接関係のない法的用語(LLC、LTD、INC など)は、名前の一部として使っていると示せる場合に限られます。台帳の表示名の欄は、このガイドラインに合わせて決めてください。
旧社名は、隠さずに新社名と結び付ける
社名を変更した会社は、旧社名を消そうとしないほうが安全です。外部には旧社名が残り続けるため、同じ会社だとわかる手がかりを自社の側で用意します。
- 会社概要の沿革に「2019年4月 株式会社旧サンプルから株式会社サンプルに商号変更」と書く
- 社名変更のお知らせのページを、削除せずに残す
- 旧社名のドメインがあれば、新しいサイトへ転送する
- 構造化データの alternateName に旧社名を入れるかどうかを検討する
alternateName は、Google の説明では「組織の通称として知られている別の名前」です。旧社名が今も通称として使われているときに向いています。
手順2:事業内容を1文で言い切る
1文定義が必要な理由
AIに「サンプル社はどんな会社?」と聞いたときの答えは、多くの場合、1〜2文の要約です。
自社の側でも「何をしている会社か」を1文で言い切れるようにしておくと、どの媒体でも同じ説明が並びます。
1文定義の型
次の型に当てはめると、具体的で誤解の少ない文になります。
【社名】は、【地域・対象】向けに、【提供するもの】を【提供方法】で提供する【業種】です。
架空の記入例です。
- 株式会社サンプルは、関東の中小製造業向けに、生産管理システムの導入と運用支援を行う IT 企業です。
- サンプル税理士法人は、大阪府内の個人事業主と小規模法人向けに、記帳代行と確定申告を行う税理士事務所です。
よくない1文定義
| よくない例 | 問題点 |
|---|---|
| 人と未来をつなぐ会社です | 理念であって、事業内容がわからない |
| Web制作、システム開発、人材紹介、飲食店経営を行っています | 事業を並べすぎて、主な事業が伝わらない |
| 業界No.1のサービスを提供しています | 根拠のない最上級表現。何の業界かも不明 |
| 媒体ごとに違う文を使っている | 「何の会社か」の手がかりが分散する |
複数の事業がある場合は、力を入れている事業を1つ選び、1文目に置きます。ほかの事業は2文目で「そのほか、◯◯も行っています」と補います。
1文定義を使う場所
決めた文は、次の場所でできるだけそのまま使います。文字数の制限がある場所では、前半だけを使います。
| 場所 | 使い方 |
|---|---|
| 会社概要ページの冒頭 | 見出しのすぐ下に、そのまま置く |
| トップページのメタディスクリプション | 検索結果の説明文に使われることがある |
| Google ビジネスプロフィールのビジネスの説明 | 文字数に合わせて短くする |
| SNS のプロフィール欄 | 前半だけを使う |
| 求人サイトや業界団体の名簿 | 登録時にそのまま貼る |
| プレスリリースの末尾の会社情報 | そのまま貼る |
| 構造化データの description | 同じ文を入れる |
手順3:会社概要ページを作る
会社概要は「公式の名乗り」を確かめる場所
会社概要ページは、会社自身が公式に名乗っている情報を確かめられる場所です。デザインより、正確さと読み取りやすさを優先します。
運営者情報や編集方針など、サイト全体で「誰が運営しているか」を示す考え方は、別の記事で扱っています。
会社概要ページに載せる項目
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 事業内容の1文定義 | 見出しのすぐ下に置く |
| 正式名称 | 登記のとおり。読み方と英語表記も添える |
| 略称・ブランド名 | 「サービス名『サンプルクラウド』を運営」のように、社名との関係を書く |
| 設立 | 年月日まで書く。創業と設立が違う場合は両方を書き分ける |
| 代表者 | 役職と氏名 |
| 所在地 | 郵便番号から書く。本社と支社は区別する |
| 電話番号と問い合わせ先 | 台帳と同じ番号。問い合わせページへのリンクも置く |
| 資本金・従業員数 | 載せるなら「◯年◯月時点」と書く |
| 事業内容の詳細 | 主な事業から順に、箇条書きで書く。各サービスのページへリンクする |
| 許認可・登録番号 | 業種に応じて、建設業許可や宅建業免許などを書く |
| 所属団体・認証 | 業界団体名や取得している認証を書く |
| 法人番号 | 13桁の番号をそのまま書く |
| 沿革 | 設立、社名変更、移転、主なサービスの開始を年月つきで書く |
| 公式アカウント | 自社が管理する SNS などへのリンク |
| 最終更新日 | 情報がいつ時点のものかを示す |
画像でなく、文字で書く
会社案内を画像だけで載せていると、文字として読み取られないおそれがあります。会社案内の PDF を置く場合も、同じ内容を HTML のページに書いておきます。
数字には時点をつける
従業員数や拠点数は変わります。「2026年4月時点」と書いておけば、古い数字が引用されたときも、いつの数字かがわかります。
会社情報のページを1つにまとめる
「会社概要」「会社情報」「企業情報」「アクセス」などに情報が分散し、それぞれで内容が少しずつ違う。この状態は避けます。
どれか1つを正とし、ほかのページはそこへリンクします。
手順4:外部の情報をそろえる
直せる場所から順に進める
自社サイトを整えたら、外部の情報を台帳に合わせます。自分で直せる場所を先に終えると、他者への依頼が減ります。
| 優先度 | 対象 | 方法 |
|---|---|---|
| 1 | 自社サイト内(フッター、利用規約、プライバシーポリシー、採用ページ、過去のお知らせ) | 自社で修正する |
| 2 | Google ビジネスプロフィールなどの地図・店舗情報 | 管理画面で修正する |
| 3 | SNS の公式アカウント | 管理画面で修正する |
| 4 | 求人サイト、ポータルサイト、比較サイトの掲載情報 | 管理画面か運営会社への依頼 |
| 5 | 業界団体や商工会議所の会員名簿、自治体の事業者一覧 | 事務局への依頼 |
| 6 | 取引先の導入事例や取引先一覧 | 担当者への依頼 |
自社サイト内の古い表記を探す
自社サイトの中にも、古い表記は残っています。Google 検索で site:自社のドメイン "旧社名" のように調べると、旧社名や古い住所が残るページを探せます。
見つかったページは、更新するか、削除するか、「◯年◯月時点の情報です」と注記します。
Google ビジネスプロフィールと SNS
Google のヘルプでは、ビジネスプロフィールはナレッジパネルに似ているが、特定の場所やサービス提供地域で顧客に対応するビジネスに固有のものと説明されています。店舗や事務所がある会社は、まずここを整えます。
ビジネス名の欄は、先ほど書いたとおり、実際に使っている名称にします。事業内容は、名前に足さずに、カテゴリとビジネスの説明の欄で伝えます。
SNS は、表示名を台帳の正式名称か略称にそろえます。プロフィールには1文定義の短い版を入れ、リンク先は公式サイトのトップページか会社概要にします。
使っていないアカウントは、削除するか、更新を終えたことと公式サイトへの案内をプロフィールに書きます。
外部サイトへの修正依頼
業界団体や取引先に直してもらうときは、相手の手間を減らすために、どこをどう直してほしいかを具体的に書きます。
件名:貴サイト掲載の弊社情報の修正のお願い
貴サイトの下記ページに掲載いただいている弊社情報について、社名変更(2019年4月)に伴う修正をお願いできますでしょうか。
掲載ページ:(該当ページのURL)
現在の表記:株式会社旧サンプル
修正後の表記:株式会社サンプル
リンク先のURL:(公式サイトのURL)
依頼した日、相手、対応の状況は、台帳の別シートに記録しておきます。
住所と電話番号を含む表記の統一や、第三者に言及してもらう取り組みそのものは、別の記事で詳しく説明しています。
手順5:Organization の構造化データを入れる
画面の文章を、機械向けに書き直す
台帳の内容は、構造化データでも同じ形で伝えられます。会社には Organization という型があり、JSON-LD の形式で書くのが一般的です。
Google の検索セントラルには、組織のスキーママークアップのページがあります。構造化データを追加すると、組織の管理情報の詳細を把握して、検索結果で組織を明確化できるようになる、と説明されています。
置く場所と、必須項目の有無
Google は、この情報をホームページか、企業情報ページのような組織の説明を載せた単一のページに置くことをすすめています。サイトのすべてのページに入れる必要はありません。
必須のプロパティはありません。ページに当てはまるプロパティを、できるだけ多く入れる方針です。
構造化データ全般の考え方や、小さな会社での進め方は、別の記事にまとめています。
台帳と対応させるプロパティ
| 台帳の項目 | プロパティ | 書き方 |
|---|---|---|
| 正式名称 | name | 会社概要ページの表記と一字一句そろえる |
| 略称・通称 | alternateName | 実際に使っている通称だけを書く |
| 公式サイト | url | トップページの URL |
| ロゴ | logo | ロゴ画像の URL |
| 事業内容 | description | 1文定義の短い版 |
| 所在地 | address | 郵便番号、都道府県、市区町村、番地に分ける |
| 電話・メール | contactPoint | 台帳と同じ番号とアドレス |
| 設立日 | foundingDate | 年月日の形式で書く |
| 公式アカウント | sameAs | 自社が管理するプロフィールの URL を並べる |
記述例
次の例は、架空の会社を想定したものです。実際に使うときは、台帳の値に置き換えてください。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "株式会社サンプル",
"alternateName": "サンプル",
"url": "https://example.com/",
"logo": "https://example.com/images/logo.png",
"description": "中小企業向けに、会計ソフトの導入支援を行う会社です。",
"foundingDate": "2015-04-01",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"postalCode": "100-0000",
"addressRegion": "東京都",
"addressLocality": "千代田区",
"streetAddress": "サンプル1-2-3",
"addressCountry": "JP"
},
"contactPoint": {
"@type": "ContactPoint",
"telephone": "+81-3-0000-0000",
"email": "info@example.com"
},
"sameAs": [
"https://example.com/about/"
]
}
この JSON を、HTML の script タグの中に入れ、タイプを application/ld+json にして置きます。電話番号は、国コードと市外局番を含めて書くよう Google が求めています。
構造化データで気をつけること
構造化データの内容は、同じページに見えている文章と食い違わないようにします。画面にない情報だけを構造化データに入れると、読む側が混乱します。
業種によっては、Organization より適した型があります。Google は、組織に最も当てはまるサブタイプを使うようすすめています。
実店舗があれば LocalBusiness の仲間、通販サイトなら OnlineStore などです。
書いたあとは、Google のリッチリザルト テストなどで構文を確かめます。検査で問題が出なくても、検索結果への表示が約束されるわけではありません。
ナレッジパネルは自動で生成される
ナレッジパネルは自動で作られる
ナレッジパネルは、検索したときに出る情報ボックスです。Google のヘルプでは、自動的に生成され、ウェブ上のさまざまな情報をもとにしていると説明されています。
現在のポリシーでは、ナレッジパネルを手動で作成または削除することはできません。会社側ができるのは、元になる情報を整えることと、表示された内容に修正を提案することです。
認証を受ける
自社のナレッジパネルが表示されている場合は、本人確認を受けると、修正の提案が他より優先して処理されるとされています。確認には、公式サイトなどの自社が管理する場所へのログインが使われます。
Google のヘルプでは、ナレッジパネルの下の「ナレッジパネルの認証を受ける」をクリックする手順が案内されています。ただし、すべてのナレッジパネルが認証の対象になるわけではありません。
ボタン名や手順は変わることがあるため、実際の画面とヘルプの最新版で確かめてください。
修正を提案するときの進め方
認証を受けたアカウントでログインし、ナレッジパネルの「情報の修正を提案」から送ります。提案が複数あるときは、1件ずつ個別に送るよう案内されています。
あわせて、既存の情報の問題点と、提案内容を裏付ける一般公開の情報を書きます。自社サイトの会社概要ページの URL が、裏付けの1つになります。
| 送る前の確認 | 内容 |
|---|---|
| ログインするアカウント | 本人確認に使った Google アカウントと同じもの |
| 提案の数 | 1件ずつ分ける |
| 添える根拠 | 公開されているページの URL |
| 直接は変えられないもの | パネルの作成や削除、説明文の編集(説明文は情報源に修正を依頼する) |
結果を待つ間にできること
提案が反映されるかどうかは、Google の判断です。待つ間に、台帳と食い違う外部ページを減らしておきます。
Wikidata とどう付き合うか
Wikidata は誰でも編集できる知識ベース
Wikidata は、誰でも編集できる、構造化された知識ベースです。人や会社などの項目を持っています。
自社の項目を作れば Google や AI が正しく扱ってくれる、と期待されることがあります。しかし Wikidata の解説ページには、Google のナレッジパネルを Wikidata で変えることはできず、項目を作る理由にならないと書かれています。
自社で項目を作ることは、強く控えるよう求められている
同じ解説ページには、自分自身や自分の組織の項目を作る行為は自己宣伝にあたり、強く控えるよう求める、とあります。項目として載るのは、独立した信頼できる出典ですでに取り上げられている対象です。
自社サイト、SNS のページ、プレスリリース、広告記事、宣伝用の資料は、その出典に数えられません。登記や公的な登録の情報は識別子にはなっても、それだけで掲載の基準を満たすことはありません。
なお、この解説ページは Wikidata の寄稿者の意見をまとめた文書で、公式の規則そのものではないと明記されています。それでも、運営側の見方を知る手がかりになります。
代わりにできること
同じページは、代わりの手段として、正確な事実を載せた自社サイトを保つこと、Organization などの構造化データを使うことをあげています。この記事の手順1から5は、その具体的な中身にあたります。
あわせて、第三者の信頼できる媒体に取り上げてもらう取り組みを進めます。
対価を払って頼むときの注意
外部の業者に項目の作成や編集を頼む場合も、自己宣伝として扱われます。対価を受けて編集するときは、その事実を開示する決まりがあります。
業者に依頼する前に、Wikidata の基準と開示の決まりを読み、守れるかを確かめます。守れない依頼は、断るほうが会社の信用を守れます。
整えたあとに、AIの回答を確かめる
確かめる質問を決めておく
作業が終わったら、主要なAIに自社のことを聞いてみます。毎回同じ質問を使うと、変化が比べやすくなります。
| 質問の型 | 例 |
|---|---|
| 社名だけで聞く | 「株式会社サンプルとは、どんな会社ですか」 |
| 事業で聞く | 「会計ソフトの導入支援をしている、サンプルという会社を教えてください」 |
| 事実を聞く | 「株式会社サンプルの設立年と所在地を教えてください」 |
| 旧社名で聞く | 「旧サンプル株式会社は、いまどうなっていますか」 |
聞いた日、使ったサービス、回答の内容は、台帳の別シートに残します。同じ質問でも回答は毎回変わるため、1回の結果で一喜一憂しないようにします。
回答が間違っていたとき
間違いの原因は、自社の表記だけとは限りません。AIが古い情報を覚えている場合や、別の会社の情報が混ざる場合もあります。
間違いを見つけたあとの動き方は、サービスごとに分けて別の記事で説明しています。
Google の AI Overviews と AI Mode が間違った情報を出すときの対処法
回答が変わらないとき
表記を直しても、回答がすぐに変わるとは限りません。AIが参照する情報の更新には時間差があり、いつ反映されるかは公開されていません。
数週間たっても同じ間違いが続くなら、自社サイトの外に原因が残っていないかを探します。古い名簿や、取引先のページが元になっていることがあります。
点検の頻度と担当
表記は、変わったときに点検する
台帳は、会社の情報が変わったときに更新します。社名変更、移転、代表者の交代、サービス名の変更が起きたら、その日のうちに台帳を直します。
そのうえで、外部の掲載先に修正を依頼する流れまでを、1つの手順にしておきます。変更の連絡を受けた人が、迷わず動けるようにするためです。
変化がなくても、定期的に見る
変更がない時期も、半年に1回は外部の情報を見直します。古いアカウントや、勝手に作られた掲載ページが見つかることがあります。
| 点検の間隔 | 見るもの |
|---|---|
| 変更があったとき | 台帳、会社概要、構造化データ、地図・SNS、主な掲載先 |
| 半年に1回 | 外部の掲載ページ、AIの回答、検索結果のナレッジパネル |
| 年に1回 | 台帳の全項目、構造化データの内容、旧社名の残り方 |
担当を決める
台帳の管理者は、1人に決めます。複数人が別々に直すと、台帳そのものがずれるためです。
小さな会社では、総務や広報の担当者が兼ねることが多いでしょう。専任でなくても、変更の連絡を必ずその人に集める決まりがあれば機能します。
実施チェックリスト
自社サイトで済ませること
| 項目 | 確認 |
|---|---|
| 正式表記の台帳を作り、管理者を決めた | □ |
| 事業内容の1文定義を決めた | □ |
| 会社概要ページに、台帳の項目を文字で載せた | □ |
| 数字には時点を添えた | □ |
| 会社情報のページを1つに集約した | □ |
| Organization の構造化データを会社概要かトップに置いた | □ |
| 構造化データの内容を、画面の文章と照合した | □ |
自社サイトの外で済ませること
| 項目 | 確認 |
|---|---|
| 地図・店舗情報を台帳に合わせた | □ |
| SNS の表示名とプロフィールを台帳に合わせた | □ |
| 業界団体や取引先の掲載情報の修正を依頼した | □ |
| 旧社名の残るページを探し、新社名と結び付けた | □ |
| 主要なAIに同じ質問をして、回答を記録した | □ |
Google ビジネスプロフィールと、Search Console を使った組織情報の整え方は、別の記事で公式文書に沿って解説しています。
Google 検索セントラル解説:ビジネスの詳細を際立たせる
よくある質問
Q1. 会社概要ページを作り直せば、AIの回答は正しくなりますか。
正しくなると約束することはできません。AIの回答が、どの情報をどう選ぶかは公開されていないためです。
ただし、公式の情報が文字で読め、外部の掲載と食い違わない状態は、誤解が生まれる余地を減らすと考えられます。
Q2. 英語表記はどこまでそろえるべきですか。
台帳に定めた1つの表記を、公式サイト、構造化データ、地図、SNS で同じように使います。国税庁の法人番号公表サイトでは、英語表記を登録する仕組みも案内されています。
登録するかどうかは、海外との取引や、海外のサービスへの掲載があるかを見て決めます。
Q3. 構造化データを入れれば、ナレッジパネルは出ますか。
出るとは限りません。ナレッジパネルは、ウェブ上の情報をもとに Google が自動で生成するもので、会社側が手動で作ることはできません。
構造化データは、組織を明確にするための情報を渡す手段の1つです。
Q4. 自社の Wikidata 項目を作ってもよいですか。
自分自身や自分の組織の項目を作ることは、Wikidata の解説ページで強く控えるよう求められています。まず、独立した第三者の信頼できる出典が十分にあるかを確かめます。
出典が足りないときは、項目を作らずに、取り上げてもらう取り組みを先に進めます。
Q5. 旧社名のページを全部消すべきですか。
全部消す必要はありません。履歴として意味のあるページは、「現在は株式会社サンプル」と新社名と結び付ける注記を添えて残します。
古い情報だけが独り歩きしているページは、更新か削除を検討します。
まとめ
AIに自社を正しく伝える土台は、地味な作業の積み重ねです。正式表記の台帳を作り、事業内容を1文で言い切り、会社概要を文字で整えます。
外部の情報は、直せる場所から順に合わせます。構造化データは、画面の文章と同じ内容を機械に渡す手段として使います。
ナレッジパネルと Wikidata は、自社で作る場所ではありません。元になる公開情報を整え、第三者に正しく取り上げてもらうことが、遠回りに見えて確かな道です。
まずは、台帳の1枚目を今日作るところから始めてください。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
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