「お客様がAIに予約を頼む時代に、自社サイトは何を準備すればよいのか」という相談が増えています。ブラウザ型のChatGPT Atlasや、ChatGPT agentの話題がきっかけです。
ただし、前提が変わりました。OpenAIの公式ヘルプでは、Atlasは廃止済みで、ChatGPT agentも提供されていないと案内されています。
この記事では、後継の仕組みがサイトにどう現れるか、robots.txtがどこまで効くか、事業者が決めておくことを整理します。
内容は、OpenAIのヘルプセンターと開発者向け文書を、2026年10月17日に開いて確かめたものです。公式が書いていないことは、筆者の考えと明記しています。
先に結論 終わったものと残るもの
最初に、確かめられた事実と、事業者がやることを表にします。
| 確かめられた事実 | 事業者がやること |
|---|---|
| Atlasは廃止済みで、更新されない | Atlas向けの対策を探さない |
| ChatGPT agentは提供されていない | 同じ役割を引き継ぐ仕組みを知る |
| クラウドブラウザは署名付きでサイトにアクセスする | ボット対策が署名付きのアクセスを止めないか決める |
| ChatGPT-Userにはrobots.txtが適用されない場合がある | 守りたいページはログインで守る |
| 内蔵ブラウザの専用サイトツールは、サイトが用意したときだけ使われる | 今すぐ入れる必要はなく、将来の選択肢として知っておく |
この記事の読み方
公式のヘルプに書かれていることは、公式の説明として書きます。公式が書いていない部分は、筆者の考えと明記します。
終わったもの
OpenAIのヘルプによると、ChatGPT Atlasは廃止され、更新を受けません。ChatGPT agentのヘルプも、機能が使えなくなったと書いています。
そのため、Atlas専用の最適化という考え方は、いまは当てはまりません。
残っているもの
AIが利用者の代わりにブラウザでサイトを開き、読み、操作する流れは続いています。引き継ぐ仕組みとして、クラウドブラウザ、デスクトップアプリの内蔵ブラウザ、Chrome拡張機能があります。
どれも利用者の依頼を受けて動く点が共通しています。この記事は、この3つがサイトにどう見えるかに焦点を当てます。
サイト側の対応は3つに絞れる
事業者が決めることは、次の3つです。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 入口 | ボット対策で、署名付きのAIのアクセスを通すか |
| 守り | 見せたくないページを、ログインで守る |
| 使いやすさ | フォーム、予約、問い合わせを、人にもAIにも分かりやすくする |
AtlasとChatGPT agentは何が変わったのか
ChatGPT Atlasは廃止された
ヘルプ記事「ChatGPT Atlas retirement」は、Atlasが廃止され、更新を受けないと書いています。ブックマークや履歴は自動では移らず、ほかのブラウザに移す手順が案内されています。
また、Atlasを管理していた組織の管理者向けに、社内の資料からAtlasの記述を直すよう勧める案内もあります。
ChatGPT agentは提供されていない
ChatGPT agentは、ChatGPTが仮想のブラウザで、サイトを開いて操作する機能でした。2026年10月のヘルプは、この機能が使えなくなったと明記しています。
代わりの案内は2つです。長く複数の手順にわたる作業はChatGPT Work、ブラウザでの作業はクラウドブラウザです。
古い説明の見分け方
Atlasやエージェントモードを前提にした手順や解説は、いまは使えない可能性があります。公式ヘルプの更新状況と、機能名が現在のものかを確かめます。
用語を整理する
この記事で使う言葉を、先に表で示します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ChatGPT Work | 長く複数の手順にわたる作業を任せるための仕組み。クラウドブラウザを使うことがある |
| クラウドブラウザ | ChatGPT Workが、クラウド上の別のコンピューターで動かすブラウザ |
| 内蔵ブラウザ | ChatGPTのデスクトップアプリの中にあるブラウザ。macOSとWindowsで使える |
| サイトツール | 内蔵ブラウザで、サイトが用意した機能をChatGPTが呼び出す仕組み |
| 署名付きアクセス | リクエストに電子署名を付けて、送り主が確かめられるようにしたアクセス |
AIがブラウザでサイトを開く3つの方法
クラウドブラウザはChatGPT Workの専用ブラウザ
ヘルプによると、クラウドブラウザは、ChatGPT Workに専用のブラウザを与えるものです。クラウド上の別のコンピューターで動き、ページの閲覧、ボタンのクリック、フォームの入力ができます。
利用者が会話を離れても作業を続け、入力やサインイン、確認が必要なときに止まります。対象は、FreeとGoを除く有料プランで、対応地域に限られます。
全体の流れを、先に図で示します。
図のとおり、利用者の依頼から、サイトへの到着、重要な操作の確認まで、人の確認が何度か入ります。
新しいサイトを開く前には許可が入る
初期設定では、新しいサイトを開く前に、ChatGPTが利用者に許可を求めます。利用者は、設定で次の3つから選べます。
| 設定 | 動き |
|---|---|
| 毎回確認する | すべてのサイトで、利用者が許可する |
| 自動で許可する | ChatGPTがURLを見て、危険そうなときだけ止まる |
| 常に許可する | すべてのサイトを許可する。公式は勧めていない |
サイトごとの許可と拒否も設定できます。サイトごとの設定は、全体の設定より優先されます。
取り消しにくい操作の前には確認が入る
ヘルプによると、予約の確定や支払いなど、取り消しにくい操作や、金銭、法律、アカウント上の約束が生じる操作の前に、ChatGPTはチャットで確認を求めます。サイトの許可と、重要な操作の確認は、別のものです。
サイトを許可しても、重要な操作の確認は省かれません。
サインインが必要なサイトでも動く
ヘルプによると、サインインが必要なページに着くと、ChatGPTは止まり、利用者に専用のフォームでの入力を求めます。必要なら、2段階認証のコードも利用者が入力します。
入力したユーザー名とパスワードはモデルから見えず、ChatGPTも保存しません。サインインの状態は、期限が切れるまで、次の作業にも引き継がれます。
利用者のブラウザとは別の状態を持つ
クラウドブラウザは、利用者のパソコンのブラウザとは別に、独自のCookieとサインインの状態を持ちます。利用者の開いているタブ、履歴、保存したパスワード、拡張機能は使いません。
そのため、サイトの会員向けの機能をAIに頼むには、利用者がクラウドブラウザの側で、あらためてサインインする必要があります。
内蔵ブラウザはデスクトップアプリの中にある
内蔵ブラウザは、ChatGPTのデスクトップアプリの中のブラウザで、macOSとWindowsで使えます。独自のブラウザの状態を持ち、複数のタブの移動、ファイルのダウンロード、利用者のサインイン待ちができます。
利用者のChromeのプロファイルは使いません。Chromeで開いているページやログインの状態を使う作業には、Codex Chrome extensionという別の拡張機能が案内されています。
3つの違いを比べる
| 比べる点 | クラウドブラウザ | 内蔵ブラウザ | Chrome拡張機能 |
|---|---|---|---|
| 動く場所 | クラウド上の別のコンピューター | 利用者のデスクトップアプリ | 利用者のChrome |
| 利用者のログイン状態 | 使わない。独自の状態を持つ | 使わない。独自の状態を持つ | 既存のプロファイルやログインを使う作業向け |
| 利用者が離れても動くか | 動く | 利用者が画面を見ながら進める | 利用者のChromeの中で動く |
| サイトツール | 対象外 | 使える | 使えない |
この表は、クラウドブラウザ、内蔵ブラウザ、Codex Chrome extensionの各ヘルプにある記述をもとにしています。拡張機能の記載は、内蔵ブラウザのヘルプにある説明が中心で、拡張機能のヘルプそのものは確認していません。
サーバーのログにはどう映るのか
OpenAIの名前が付いた3つのクローラー
OpenAIの開発者向け文書は、名前の付いたクローラーを3つ説明しています。
| 名前 | 公式の説明 | robots.txt |
|---|---|---|
| OAI-SearchBot | ChatGPTの検索機能で、サイトを結果に出すために使う | 従う。変更から約24時間かかることがある |
| GPTBot | 生成AIの基盤モデルの学習に使う可能性のある内容を集める | 従う |
| ChatGPT-User | 利用者の依頼で、ChatGPTやカスタムGPTがページを開く | 利用者の操作が起点のため、robots.txtが適用されない場合がある |
ChatGPT-Userは巡回ではない
文書によると、ChatGPT-Userは、自動で巡回するためには使われません。検索結果に出すかどうかの判断にも使われません。
検索に出すかどうかをrobots.txtで管理するときは、OAI-SearchBotを使うよう案内されています。
クラウドブラウザは署名で見分ける
付いてくる3つのヘッダー
公式ヘルプ「ChatGPT Work’s Cloud browser allowlisting」によると、クラウドブラウザは、Web Bot Authという仕組みで、送るリクエストに電子署名を付けます。署名の規格は、HTTP Message SignaturesのRFC 9421です。
| ヘッダー | 内容 |
|---|---|
| Signature | 署名そのもの |
| Signature-Input | 署名の対象や作り方の情報 |
| Signature-Agent | 値は “https://chatgpt.com”(引用符を含む) |
署名を確かめる公開鍵は、chatgpt.comの決められたURLで公開されています。CDNやファイアウォールが、鍵を取得して署名を確かめれば、ChatGPTからのリクエストだと分かります。
CDNとWAFごとの扱い
ヘルプは、主要なサービスごとの扱いを、次のように説明しています。
| サービス | 扱い |
|---|---|
| Akamai | 既存の「ChatGPT Agent」というボット名で識別される。カスタムのボットカテゴリを作り、許可に設定する。署名は自動で検証される |
| Cloudflare | 署名付きのエージェントとして認識される。WAFのカスタムルールで、ボットの検出IDを指定して、許可またはスキップする。署名は自動で検証される |
| HUMAN | 「ChatGPT Agent」として既知のボットに載る。許可に設定する。署名は自動で検証される |
| Vercel | 追加の設定は要らない。署名も自動で検証される |
ヘルプは、各サービスの管理画面にある既存の名前(ChatGPT Agentなど)で探すよう案内しています。製品の呼び名と、管理画面の項目名が違う場合があります。
そのほかのCDNでは自分で確かめる
自動で認識されないCDNやファイアウォールでは、ヘルプが次の手順を案内しています。
- Signature-Agentの値が、引用符を含めて “https://chatgpt.com” と完全に一致するかを確かめる。
- 公開鍵を、chatgpt.comの決められたURLから取得する。
- SignatureとSignature-Inputを、RFC 9421に従って検証する。
- 署名の検証に成功したリクエストだけを許可する。
中継するサーバーでヘッダーが消えると弾かれる
ヘルプによると、ブロックされる場合は、途中のプロキシが3つのヘッダーを残しているかを確認します。消えると、署名を確かめられません。
あわせて、許可のルールが、各サービスの指定する名前や検出IDになっているかも確認します。
自社のログで確かめる手順
自社のサイトで、ChatGPTからのアクセスがあるかを確かめる手順を示します。筆者が整理したもので、公式の手順ではありません。
| 順番 | やること | 見るもの |
|---|---|---|
| 1 | アクセスログで、User-Agentに ChatGPT-User を含む行を探す | 利用者の依頼によるページの取得 |
| 2 | CDNやWAFの画面で、ChatGPT Agentの名前のボットを探す | クラウドブラウザの署名付きアクセス |
| 3 | 許可や拒否のルールが、意図どおりに動いているかを見る | 止めていないか、通しすぎていないか |
| 4 | ヘッダーを記録できる設定なら、Signature-Agentの有無を見る | 途中で消えていないか |
User-Agentだけで信用しない
User-Agentは、送る側が自由に書ける文字列です。公式がクラウドブラウザについて署名の検証を案内しているのは、名前だけで本物かを決められないためと筆者は考えます。
内蔵ブラウザと拡張機能は見分けにくい
見分けるための公式の案内が見当たらない
デスクトップアプリの内蔵ブラウザは、利用者のパソコンで動きます。私が確認した、内蔵ブラウザ、サイトツール、クラウドブラウザの各ヘルプには、サーバー側で見分けるための署名や、専用のUser-Agentの案内がありません。
公式が書いていないため、見分けられるとは言えません。通信は利用者のパソコンから出るので、通常の閲覧と同じように見えると筆者は考えます。
ログの読み方の整理
次の表は、ログに見えるものから、推測できることをまとめたものです。最初の2行は公式の説明にもとづき、3行目は筆者の推測です。
| 見えるもの | 推測できること |
|---|---|
| User-AgentにChatGPT-Userが入っている | 利用者の依頼で、ChatGPTがページを取りに来た |
| Signature-Agentが “https://chatgpt.com” で、署名が正しい | ChatGPT Workのクラウドブラウザによる操作 |
| 通常のブラウザと区別がつかない | 人の閲覧、または内蔵ブラウザや拡張機能の可能性。区別できない |
robots.txtはどこまで効くのか
効くものと効かないものを分ける
2026年10月時点で、公式の文書から読み取れることを、表に整理します。
| 対象 | robots.txtの効き方 |
|---|---|
| OAI-SearchBot | 効く。ChatGPTの検索結果に出すかを決める |
| GPTBot | 効く。生成AIの学習に使うかを決める |
| ChatGPT-User | 利用者の操作が起点のため、適用されない場合がある |
| クラウドブラウザ | robots.txt用の名前は案内されていない。署名で見分けて、CDNやWAFで許可か拒否を決める |
OAI-SearchBotとGPTBotは、それぞれ独立した設定です。検索には出て、学習には使われないようにもできます。
設定の例
検索には出たいが、学習には使われたくない場合の例です。
# ChatGPTの検索結果に出てよい
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /
# 生成AIの基盤モデルの学習には使わない
User-agent: GPTBot
Disallow: /
公式の文書によると、検索の結果に反映されるまで、robots.txtの更新から約24時間かかることがあります。変更した翌日に、もう一度確かめます。
守りたいページはログインで守る
この設定は、AIが代わりに閲覧して操作することを止めるものではありません。会員ページや管理画面のように、AIにも人にも勝手に触られたくない部分は、ログインとアクセス制限で守ります。
robots.txtは、クローラーへのお願いの仕組みで、アクセスを強制的に止めるものではありません。守りたい情報の保護には使いません。
robots.txtの基本は、robots.txtでAIクローラーを制御する方法の記事でまとめています。
ボット対策がお客様のAIを止めてしまうとき
止めるかは、サイトが決める
クラウドブラウザのヘルプは、サイトによっては、自動操作を制限する仕組みのために、ChatGPTがアクセスできなかったり、作業を終えられなかったりすると説明しています。この制限はサイトが決めるもので、ChatGPT側の判断ではないとも書いています。
つまり、ボット対策を強めたサイトは、お客様がAIに頼んだ予約や問い合わせまで、止めている可能性があります。
判断の選択肢
どれが正解かは、サイトの状況で変わります。次の表は、判断の整理です。
| 選択肢 | 向く状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 署名の検証に成功したアクセスを許可する | 予約や問い合わせをオンラインで受けている | 許可する範囲を、閲覧のみか、フォーム送信までかで決める |
| 何もせず、通常のボット対策に任せる | 予約や問い合わせをオンラインで受けていない | AIを使うお客様の操作が止まる可能性がある |
| AIのアクセスを拒否する | 情報の自動取得を避けたい | 署名で見分けられるため、CDNやWAFのルールで止められる |
この表の選択肢の整理は、筆者の考えです。公式の指示ではありません。
迷惑送信の対策との両立
CAPTCHA(人かどうかを確かめる仕組み)などの迷惑送信の対策は、必要です。強すぎると、正当な利用者も困ります。
署名付きのアクセスを許可するかどうかは、迷惑送信の状況と合わせて、CDNやWAFの管理画面で決めます。サイトの運営会社や、制作会社に相談するのが確実です。
サイトツール(WebMCP)という新しい仕組み
サイトが用意した機能をAIが呼び出す
OpenAIのヘルプによると、サイトツールは、内蔵ブラウザで開いているサイトが提供する機能を、ChatGPTが使う仕組みです。WebMCPという、提案段階のWeb標準を使います。
クリックや入力だけに頼らず、サイトが用意した「情報を探す」「内容を更新する」といった機能を、ChatGPTが呼び出せます。
対象になるのは内蔵ブラウザだけ
サイトツールが使えるのは、デスクトップアプリの内蔵ブラウザだけで、Chromeでは使えません。アカウントと選んだモデルが対応していて、開いているページがツールを提供している場合に限られます。
サイトがツールを提供していると、アドレスバーに矢印が出ます。矢印を選ぶと、そのツールが情報を読むだけか、変更を加えるかを確認できます。
安全のための決まり
ヘルプによると、個人情報の共有、購入、データの削除、アカウントの権限の変更、利用者に代わってのメッセージ送信といった重要な操作の前には、ChatGPTが確認を求めます。サイトやサイトツールからの指示で、情報の共有や重要な操作を許可することはできません。
また、利用者は、ブラウザの設定の許可の項目で、サイトツールをオフにできます。
中小の事業者が今すぐ入れる必要はあるか
WebMCPは、まだ提案段階の標準で、仕様が変わる可能性があります。また、サイトツールが使われるのは、内蔵ブラウザで開いた場合に限られます。
筆者は、中小の事業者が今すぐ入れる段階にはないと考えます。制作会社と将来の選択肢として話題にしておく程度でよいでしょう。
入れる場合は、公式ヘルプと仕様の最新の内容を確かめます。
フォーム・予約・問い合わせを整える
ここからは、公式の情報をもとに筆者が考えた工夫です。公式の個別の指示ではないため、推測を含むものとして読んでください。
いずれも、人にとっての使いやすさの改善にもなります。
公式が確認を求める場面に合わせる
クラウドブラウザのヘルプは、予約の確定や支払いなど、取り消しにくい操作の前に、ChatGPTが利用者に確認を求めると説明しています。サイトにも確認画面があれば、利用者とAIの双方が、内容を見直しやすくなります。
フォームの工夫
| 工夫 | 理由 |
|---|---|
| すべての入力欄に、見出しの文字(label)を付ける | 入力欄の中の薄い文字だけでは、何の欄かが伝わりにくい |
| メールや電話の欄に、種類を指定する | 何を入れる欄かが、機械にも伝わりやすくなる |
| 必須の項目と、エラーの理由を文字で示す | 色だけの表示は、読み取りにくい |
| 送信の前に確認画面を置く | 入力内容を、利用者とAIの双方が見直せる |
予約の工夫
| 工夫 | 理由 |
|---|---|
| 料金、所要時間、キャンセル規定を、予約画面の近くに文字で書く | 画像の中だけの情報は、読み取れない可能性がある |
| 空き状況を、色だけで表さない | 「14時 空きあり」のような文字も添える |
| ボタンの文言を具体的にする | 「次へ」より「日時を選んで次へ」のほうが、何が起きるかが分かる |
| 完了時に、予約番号と内容を画面に表示する | 任せた利用者が、結果を確かめやすい |
問い合わせの工夫
問い合わせ先を、フォームだけにしないことも有効です。電話番号、メールアドレス、営業時間を文字で載せておくと、AIが問い合わせ方法を調べるときも、見つけやすくなります。
動作の確認方法
- キーボードのTabキーだけで、予約や問い合わせを最後まで進められるか試す。
- ブラウザの開発者ツールで、ボタンや入力欄に名前が付いているかを見る。
- 使える環境なら、ChatGPTに「このサイトで予約の画面まで進めて」と頼み、止まる場所を見る。
3つ目は、送信はせず、確認画面の手前で止めます。
安全面で知っておくこと
公式が説明している安全の仕組み
ここでは、公式のヘルプにある説明だけをまとめます。
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| 重要な操作の確認 | 取り消しにくい操作や、金銭、法律、アカウント上の約束が生じる操作の前に、チャットで確認する |
| サイトの許可 | 初期設定では、新しいサイトを開く前に確認する。許可しても、重要な操作の確認は省かれない |
| サインイン | 利用者が専用のフォームに入力する。入力した内容は、モデルから見えない |
| サイトの指示 | サイトやサイトツールの指示では、情報の共有や重要な操作を許可できない |
公式も危険がゼロとは言っていない
ChatGPT agentのヘルプは、安全の仕組みを設けたうえで、すべての危険がなくなるわけではないと書いています。クラウドブラウザのヘルプも、プロンプトインジェクションなどを試験しているが、危険は残ると書いています。
プロンプトインジェクションとは、Webページの中に、AIへの隠れた指示を書き込み、AIに意図しない操作をさせる攻撃です。
事業者側でできること
| やること | 理由 |
|---|---|
| AIへの指示とも読める文章を、サイトに入れない | 隠した文字でAIに指示する行為は、攻撃と同じ手口に見える |
| 口コミや掲示板など、第三者が書ける場所を確認する | 悪意のある指示を書き込まれるおそれがある |
| 重要な手続きでは、サイト側にも確認画面と通知メールを残す | AI側の確認だけに頼らない |
この表は、筆者の考えです。
よくある質問
Q. ChatGPT Atlas向けの対策は、いまも必要ですか?
必要ありません。公式のヘルプは、Atlasが廃止され、更新を受けないと書いています。
AIがブラウザでサイトを開く流れは、クラウドブラウザや内蔵ブラウザなどに引き継がれています。サイトを人にもAIにも分かりやすくする工夫は、引き続き役に立つと筆者は考えます。
Q. robots.txtでChatGPT-Userを止めれば、AIの代理閲覧は止まりますか?
止まるとは限りません。OpenAIの文書は、ChatGPT-Userの動きが利用者の操作から始まるため、robots.txtが適用されない場合があると書いています。
止めたい情報は、ログインとアクセス制限で守ります。
Q. クラウドブラウザからのアクセスは、どう見分けますか?
リクエストに付く署名で見分けます。Signature、Signature-Input、Signature-Agentの3つのヘッダーが付き、Signature-Agentの値は “https://chatgpt.com” です。
主要なCDNでは、自動で認識されるものがあります。それ以外では、公開鍵で署名を検証してから許可します。
Q. 内蔵ブラウザや拡張機能からのアクセスは、見分けられますか?
私が確認した公式のヘルプには、見分けるための署名や、専用のUser-Agentの案内がありません。見分けられるとは言えないため、通常の閲覧と同じ扱いで考えます。
Q. サイトツールは、中小の事業者も入れるべきですか?
筆者は、今すぐ入れる必要はないと考えます。WebMCPは提案段階で、サイトツールの対象は内蔵ブラウザに限られるためです。
制作会社とは、将来の選択肢として話題にしておきます。
まとめ
ChatGPT Atlasは廃止され、ChatGPT agentは提供されていません。AIがブラウザでサイトを開く流れは、クラウドブラウザ、内蔵ブラウザ、Chrome拡張機能に引き継がれています。
クラウドブラウザは署名付きでアクセスするため、ボット対策が止めていないかを確かめます。内蔵ブラウザや拡張機能は、サーバー側で見分ける案内がありません。
ChatGPT-Userにはrobots.txtが適用されない場合があります。守りたい情報は、ログインとアクセス制限で守ります。
フォーム、予約、問い合わせは、見出しの文字、具体的なボタン名、確認画面を整えます。これは筆者の考えで、人にとっても使いやすさの改善になります。
本記事の内容は2026年10月17日時点です。公式ページが変わった場合は、公式の最新の記載を優先してください。
AI検索の全体像は、LLMO対策のやり方の記事にまとめています。
今日できる点検
次の表は、自社の状況に合わせて、上から確かめる順に並べています。
| 確かめること | 見る場所 | 結果で変わること |
|---|---|---|
| 予約や問い合わせをオンラインで受けているか | 自社の業務 | 受けていれば、AIを使うお客様の操作が止まらないかを確かめる |
| ボット対策を入れているか | CDN、WAF、セキュリティの設定 | 入れていれば、署名付きのアクセスの扱いを決める |
| 3つのヘッダーが途中で消えていないか | プロキシやCDNの設定 | 消えていれば、署名を検証できない |
| robots.txtの記述 | サイトのrobots.txt | OAI-SearchBotを止めていないかを見る |
| 見せたくないページの保護 | 会員ページ、管理画面 | ログインで守られているかを見る |
| フォームの入力欄の名前 | 問い合わせ、予約のフォーム | すべてに見出しの文字があるかを見る |
| 確認画面の有無 | 予約、申し込みの流れ | なければ、置くことを検討する |
公式ページの見直し先
状況は変わり続けるため、点検のたびに次の6つを開き直してください。
| 見るページ | 確かめること |
|---|---|
| ChatGPT Atlas retirement | 廃止の案内 |
| ChatGPT agent | 提供状況、移行先の案内 |
| Using cloud browser in ChatGPT | 対象プラン、サイトの許可、確認される操作 |
| ChatGPT Work’s Cloud browser allowlisting | 署名、ヘッダー、CDNごとの扱い |
| Using site tools in the ChatGPT desktop app | 対象のブラウザ、安全の決まり |
| Overview of OpenAI Crawlers(開発者向け文書) | OAI-SearchBot、GPTBot、ChatGPT-Userの役割 |
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