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ブラックボードの書き方 誰に何を1つ書くか 検索先の言葉まで揃える

2026 10/10
2026年10月10日
中野輝規
ブラックボードの書き方 誰に何を1つ書くか 検索先の言葉まで揃える

店の前に、黒いボードが1枚立っています。

昼前に何を書こうか、ペンを持ったまま数分止まってしまう日が、店主の方にはあるはずです。

この記事は、飲食店、カフェ、美容室、整体院、雑貨店など、店先にブラックボードや黒板、立て看板を出している小さな店の経営者に向けて書いています。

色ペンの選び方や、きれいな文字の練習の話は、他のページにたくさんあります。

ここで扱うのは、黒板に「何を、どの順で書くか」という文面の話です。

誰に向けた一言にするのか。何を1つだけ伝えるのか。毎日書き換える部分と、変えない部分をどう分けるのか。

そして、黒板を見た人が検索したときに、行き着いた先のページと言葉が揃っているのか。

この4つを順に書いていきます。

黒板は、書く前の判断で、読まれるかどうかの大半が決まります。 判断の順番を決めておけば、毎日のペンの前で止まる時間は短くなります。

読み終えたときに、明日の黒板に書く最初の1行が決まっている。それがこの記事のゴールです。

目次

Q&Aサイトで見かけた、黒板の文字が怖く見えるのではという相談

先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。

投稿されたのは2026年の年明けで、お店の黒いブラックボードに文字を書いている方からの質問でした。

白と黄色のペンで書いたら、怖い雰囲気になった

その方は、自分の店のボードに白と黄色のペンで文字を書いていました。

書き上がったものを眺めて、街角で見かける宗教の看板のように見えてしまい、何となく怖い感じがすると気になったそうです。

そこで、見る人はどんな印象を受けるのか、考え過ぎなのかどうかを尋ねていました。

毎日立てているボードだからこそ、見た目が気になって仕方がない。その気持ちはよく分かります。

回答は「配色は考え過ぎの面もある」だった

寄せられた回答は、黒地に白と黄色は注意喚起を連想させる組み合わせだが、考え過ぎの面もある、というものでした。

文字の形や余白、イラストの有無で印象は大きく変わる、という説明も添えられていました。

そして最後に、「内容が魅力的であれば配色はそれほど気にされない」という趣旨の一文がありました。

この最後の一文に、今回の記事の出発点があります。

回答が触れなかった「内容」の中身

配色よりも内容が大事。回答はそう言っています。

ただ、その内容を「魅力的」にするにはどう書けばよいのか、という部分は、この質問の中でも触れられていませんでした。

質問者は、色の相談をしているようでいて、本当は「このボードで合っているのだろうか」という不安を抱えているように読めます。

文字が怖く見えるかどうかを気にする前に、そもそも何を誰に伝えるボードなのかが決まっていると、不安はかなり小さくなります。

黒板は、毎日変えられる唯一の看板

店先に出すものには、いくつか種類があります。

印刷した看板、のぼり、窓に貼るポスター、そしてブラックボードです。

この中で、書いてある言葉を毎日、自分の手で変えられるのは黒板だけです。

毎日変えられるから、文面がぶれやすい

印刷物は、作り直すのに手間がかかります。だから最初に慎重に言葉を選びます。

黒板は、その日の気分で書き直せます。

自由であることは強みですが、決まりがないと、昨日は料理の話、今日は店のこだわり、明日はイベントの告知と、書く話題が毎日ばらばらになります。

通りかかる人から見ると、何の店なのか、何を伝えたいボードなのかが、はっきりしないまま記憶に残ります。

通行人がボードを見ている時間は、とても短い

歩いている人や、自転車や車に乗っている人が、黒板に向けて目を動かすのは、ほんの一瞬です。

立ち止まって全文を読んでくれる人は、ごく一部に限られます。

だから黒板の文面は、一瞬で意味が通る長さと形にしておく必要があります。

具体的な秒数を示した公的な調査は見つけられなかったため、ここでは「一瞬」としか書けません。

ただ、自分の店の前に立って、通りの向こうから自分のボードを眺めてみると、その短さは体で分かります。

黒板の役割を、表にして整理する

黒板が担う役割を、他の店先の媒体と並べて整理しておきます。

媒体 言葉を変える頻度 向いている内容
印刷した看板 ほとんど変えない 店名と業種
のぼり 季節ごと 催しや期間の目印
窓のポスター 月に数回 長めの案内
ブラックボード 毎日でも変えられる 今日の一言

黒板だけが「今日」を伝えられる媒体です。

その代わり、書く内容を自分で決め続ける負担も、黒板にはついてきます。

書く前に決めておく3つのこと

ペンを持つ前に、紙の端でもスマートフォンのメモでもかまいません。次の3つを先に決めます。

1 誰に向けた一言か

通りを歩く全員に向けた言葉は、結局誰にも向いていない言葉になります。

その日いちばん来てほしい人を1人思い浮かべて、その人に向けて書きます。

2 何を1つだけ伝えるか

黒板に3つ書くと、通りかかった人の記憶には1つも残りません。

伝えることは1つに絞り、残りは書かないと決めます。

3 見た人が次にどう動くか

黒板を見た人に、入ってもらうのか、あとで調べてもらうのか、明日また来てもらうのか。

見たあとの動きを先に決めると、1行目と2行目に書く言葉が自然に決まります。

3つを一枚の表で確かめる

決めること 決める問い 書き方の目安
誰に 今日いちばん来てほしい人は誰か 相手の状況を言葉に入れる
何を 1つだけ伝えるなら何か 候補を3つ出して1つに絞る
次の動き 見たあと、どう動いてほしいか 入る、調べる、また来る、の1つ

この表の順に決めるだけで、黒板の半分は書けたようなものです。

残りの半分は、決めたことを、短い言葉に直す作業です。

誰に向けた一言か、通る人を分けて考える

店の前を通る人は、全員が同じ状況にいるわけではありません。

状況が違えば、目に入る言葉も、足が止まる言葉も違います。

店の前を通る人を、3種類に分けてみる

まず自分の店の前を、1日観察してみます。通る人は、おおまかに3種類に分かれます。

1つ目は、これから食事や用事に出かける人です。目的の店が決まっていないので、黒板が選ぶきっかけになります。

2つ目は、駅や職場に向かって急いでいる人です。この人は今日は入りません。ただ、帰り道の候補として店の名前を覚えることはあります。

3つ目は、近所に住んでいて、毎日のように通る人です。同じ黒板を何度も見ているので、昨日と違う言葉にだけ反応します。

今日いちばん来てほしい人を1人決める

3種類のうち、今日はどの人に来てほしいのかを決めます。

雨の日なら、傘をさして歩く近所の人かもしれません。昼どきなら、昼食の店を探している会社員かもしれません。

決めた相手の状況を、黒板の言葉に1つだけ入れます。

たとえば「雨の日の昼に、あたたかい汁物があります」と書くと、雨の中を歩く人が自分のことだと気づきます。

相手を決めると、書かなくていいことが分かる

誰に向けるのかが決まると、同時に「この人には要らない情報」も見えてきます。

昼食を探す会社員に、夜の宴会コースの案内は要りません。

近所の常連に、初めての人向けの丁寧な店の説明は要りません。

書くことを減らす根拠が、相手を決めることで手に入ります。

減らすときに迷いが出たら、「その人は、通りがかりのたった一瞬で、これを読むだろうか」と自分に聞いてみます。

答えが「読まない」なら、その言葉は黒板の外に出します。

通る人の種類と、効く一言を表で整理する

通る人 今の状況 効きやすい一言の方向
これから出かける人 行き先を探している 今日の中身が分かる言葉
急いで通る人 今日は入らない 店が何屋かだけ伝わる言葉
毎日通る近所の人 黒板に見慣れている 昨日と違う変化の言葉
初めて通る人 店を知らない 何が出てくる店かの言葉

4種類のうち、1日に狙えるのは1種類です。全部に効かせようとすると、どの言葉も薄まります。

何を1つだけ伝えるか、候補から絞る

黒板にかける言葉を決めるとき、いちばん多いつまずきは、書きたいことが多すぎることです。

新しいメニュー、仕入れの自慢、店主のこだわり、営業時間の変更。どれも嘘ではありません。

候補を3つ出してから1つに絞る

最初に、今日書けそうなことを3つ、思いつくまま書き出します。

次に、3つのうち「今日の相手に最も関係があるもの」を1つ選びます。

選ばなかった2つは、明日以降の黒板に回します。捨てずに順番待ちにしておくのがコツです。

そうすると、書き足したい気持ちが落ち着きます。

3日分のネタが手元に残るので、翌朝にゼロから考える必要もなくなります。

書き出した紙は、レジの引き出しなど、毎朝手に取る場所にしまっておきます。

絞るときに使う3つの問い

1つに絞れないときは、次の問いを順に当てます。

今日だけの話か。今日だけの話は、明日の黒板では伝えられません。

通りを歩く人が、自分にとって得だと感じる話か。店の都合だけの話は、後回しにします。

黒板から店の中に、すぐ移れる話か。入ってからのことが想像できないと、足は動きません。

書かないと決めるもの

絞ると決めたら、次の種類の言葉は黒板から外します。

店の歴史や創業の経緯は、店の中の壁か、ホームページで読んでもらいます。

細かい注意書きや規約は、入ったあとの席で説明します。

読むのに時間のかかる長い説明は、黒板では最後まで読まれません。

1つに絞る前と後の違いを、表で見る

状態 黒板に書いてある内容 通る人の受け取り方
絞る前 新メニュー、こだわり、営業時間、イベント 何屋なのか分からない
絞った後 雨の日の昼のあたたかい汁物 自分のことだと気づく
絞り過ぎ 本日営業中 開いているのは見れば分かる

絞り過ぎにも注意が必要です。営業中であることは、扉と灯りで伝わります。

黒板にしか書けない「今日の中身」を1つ選ぶのが、ちょうどよい絞り方です。

見た人の次の動きを先に決める

黒板の言葉には、見た人に取ってほしい次の動きがあります。

その動きを決めずに書くと、感じのよい言葉が並ぶだけで、足は動きません。

次の動きは3種類しかない

黒板を見た人の次の動きは、3種類に絞れます。

いま店に入る。あとで調べに来る。別の日にもう一度来る。

この中から1つ選んで、文面の最後に置く言葉を決めます。

動きによって、文面の最後が変わる

いま入ってほしいなら、「ただいま席あります」のように、今の状態を伝えます。

あとで調べてほしいなら、店の名前を目立たせます。黒板の言葉が、そのまま検索の語になるからです。

別の日に来てほしいなら、「あしたは○○です」と、次の日の予告を添えます。

動きと文面の最後の言葉を、表にまとめる

次の動き 文面の最後に置く言葉 向いている日
いま入る 席の状況、すぐ出せる品 空席があって暇な時間
あとで調べる 店名、調べてほしい語 通行人が多い日
また来る 次の日の予告 常連が多い曜日

どの動きを選んでも、黒板から店の中までの距離を短く感じてもらうことが目的です。

黒板の文面を、1行目から順に組み立てる

ここまでで、相手と中身と次の動きが決まりました。

次は、それを黒板の上に並べる順番です。

1行目は、相手の状況を呼ぶ

1行目には、決めた相手が「自分のことだ」と気づく言葉を置きます。

「雨の日の昼に」「仕事帰りの夜に」「髪が伸びてきたころに」のように、相手の状況を短く呼びます。

店名や業種は、すでに看板で伝わっているので、1行目で繰り返す必要はありません。

2行目は、今日の中身を1つだけ書く

2行目には、選んだ1つの中身を書きます。

品名、メニュー、枠の空き、変更内容のいずれか1つで十分です。

説明の言葉は足さず、名詞で止めると、遠くからでも読み取れます。

3行目は、次の動きを置く

3行目には、見た人に取ってほしい動きに合わせた言葉を置きます。

「ただいま席あります」「あしたは○○です」のように、短い言い切りで終えます。

3行を超えて書き足したくなったときは、中身が2つ入り込んでいないか疑います。

3行の組み立てを、表で見比べる

行 役割 書き方の目安 例
1行目 相手を呼ぶ 状況を短く 雨の日の昼に
2行目 中身を1つ 名詞で止める 根菜のあたたかい汁物
3行目 次の動き 言い切りで終える ただいま席あります

飲食店の例で書きましたが、美容室や整体院でも組み立ては同じです。

「雨で髪がまとまらない日に」「午後のカットは空きがあります」のように、置き換えて使えます。

毎日書き換える部分と、変えない部分を分ける

黒板を毎日ゼロから書く必要はありません。

書き換える部分と変えない部分を先に分けておくと、朝の作業が軽くなります。

変えない部分は、店の入口を作る

変えない部分は、店名と、何屋かを伝える短い言葉です。

ここは、黒板の上か下の決まった位置に、毎日同じ形で置きます。

通る人は、同じ場所に同じ言葉があると、安心して店を覚えます。

日替わりの部分は、1行だけにする

毎日変える部分は、3行のうちの2行目が中心です。

ほかの行は、前日の言葉を残しておいても、黒板としては成り立ちます。

書き換える量が1行なら、忙しい日でも続けられます。

週替わりの部分は、曜日で決める

週に1度だけ変える言葉を決めておくと、黒板に「曜日のリズム」が生まれます。

毎週同じ曜日に同じ種類の話題が出てくると、近所の人はそれを覚えて、その曜日を楽しみにするようになります。

書き換えの頻度を、表に整理する

部分 書き換える頻度 書き換える量 狙い
店名と何屋か 変えない なし 店の入口を作る
1行目の相手 天気や時間で変える 数文字 自分のことだと気づかせる
2行目の中身 毎日 1行 今日来る理由を作る
3行目の動き 状況に合わせる 数文字 次の一歩を決める

書き換える量が少ない設計にしておけば、黒板は無理なく続きます。

書き方でよくある失敗と、直し方

黒板の文面で起きやすい失敗は、いくつかの型に分かれます。

自分の黒板に当てはまるものがないか、確かめながら読んでください。

全部を書いてしまう

メニューを全部書き写したり、営業時間や定休日を毎日書き並べたりすると、通る人は読むのをやめます。

全部書きたくなったら、1つだけ残して、あとは店の中の壁やホームページに任せます。

昨日と今日で、話題が違い過ぎる

昨日は料理、今日は店主の趣味、明日は貸し切りの案内、と飛ぶと、店の印象がぼやけます。

話題は、1週間に1つのテーマを決め、その中で日替わりにしていくと、まとまりが出ます。

店の中の言葉で書いてしまう

仕込みの段階での名前や、スタッフの間で通じる略称を、そのまま黒板に書いてしまうことがあります。

通る人には意味が伝わりません。初めて聞く人にも分かる普通の言葉に直します。

書いた言葉が、店のほかの場所と食い違う

黒板には「手づくり」と書いたのに、ホームページでは別の言い方をしている、ということは珍しくありません。

次の章で書くとおり、黒板の言葉とホームページの言葉が違うと、調べた人が「同じ店なのか」と迷います。

失敗の型と直し方を、表にまとめる

失敗の型 起きていること 直し方
全部を書く 何も記憶に残らない 1つだけ残す
話題が飛ぶ 店の印象がぼやける 週ごとにテーマを決める
店内の言葉 意味が伝わらない 普通の言葉に直す
言葉が食い違う 調べた人が迷う 黒板の言葉に揃える

失敗の型は、一度分かると気づくのが早くなります。

週に一度、黒板の写真を撮って並べて見ると、自分の癖がよく見えてきます。

色や飾りは、文面が決まってから足す

最初に取り上げたQ&Aサイトの質問は、色の見え方についてでした。

色の話は、文面が決まったあとに考えるのが順序として自然です。

色は2色までで足りる

白を主役にして、強調したい1語だけ別の色にする。それくらいで十分に読めます。

質問の方の悩みだった黄色は、使う量を減らし、強調する1語だけに限ると、警告のような雰囲気は薄まります。

飾りは、読む邪魔にならない場所に置く

絵や飾り罫は、文字を読む邪魔にならない隅に置きます。

絵に力が入るほど、肝心の言葉が小さくなる場合があるので、描く前に言葉の大きさを先に決めます。

黒板の言葉と、検索した先のページの言葉を揃える

黒板を見た人の何割かは、その場では入らず、あとで店の名前や黒板に書いてあった言葉を検索します。

そのとき、行き着いたページに黒板と同じ言葉が見つかるかどうかで、来店するかどうかが分かれます。

黒板を見た人は、スマートフォンで確かめる

総務省が2026年5月に公表した令和7年通信利用動向調査では、スマートフォンの世帯の保有割合が91.8%でした。

約9割の世帯にスマートフォンがあるので、黒板で見かけた店を、歩きながら、あるいは帰宅後に調べる人は少なくないと考えられます。

保有の割合は分かっても、黒板を見てから実際に検索した人の割合までは、公的な調査では確認できませんでした。

そこで、黒板を見た人が検索する場面を、店主の側が想像して備えておくことになります。

黒板とページの言葉が違うと、同じ店に見えない

黒板に「根菜のあたたかい汁物」と書いたのに、ページには「冬季限定スープ」としか載っていないとします。

調べた人は、黒板で見た料理が本当にこの店のものなのか、分からなくなります。

言葉が1つ違うだけで、確かめるための手間が増え、途中でやめてしまう人が出ます。

黒板の一言を、ページの見出しにそのまま使う

揃える方法は単純です。黒板の2行目に書いた言葉を、ページの見出しや、お知らせ欄の題にそのまま使います。

言い換えず、同じ言葉を置くと、調べた人は「さっき見たものだ」と一瞬で確かめられます。

黒板の言葉が毎日変わるなら、ページには「今週の黒板」のような欄を作り、日付つきで残しておきます。

黒板から来店までの流れを、図で確かめる

黒板から来店までの流れ黒板の一言通りで見る調べる検索するあとで調べる開くページの見出し言葉を確かめる決める来店する店に入る

図のとおり、黒板の一言から来店までは、検索して見出しを確かめる段を挟みます。

この段で言葉が揃っていないと、流れが途切れます。

揃っている例と、揃っていない例を並べる

場面 黒板の言葉 ページの言葉 調べた人の反応
揃っている 根菜のあたたかい汁物 根菜のあたたかい汁物 さっきのだと確かめられる
少しずれている 根菜のあたたかい汁物 冬のスープ 同じ料理か迷う
載っていない 根菜のあたたかい汁物 記載なし 他の店に移る

少しずれているだけでも、迷いは生まれます。

黒板に書く言葉は、ページに載せられる言葉だけにする、と決めておくと、ずれは起きにくくなります。

売れるサイトはみな謙虚

私たちは、売れるサイトはみな謙虚だと考えています。

自分の良さを大声で語るより、訪れた人が知りたいことに、先に答えているサイトのことです。

黒板を見て調べた人が、まず知りたいこと

黒板を見て検索した人は、店の理念や歴史を知りたいわけではありません。

黒板で見たものが、今日あるのか、どこにあるのか、行ったらどうなるのかを、最初に知りたがっています。

この疑問に先に答えているページは、読み手の手間を減らしていて、それが謙虚な作りです。

言い切りたいときこそ、確かめられる事実を置く

「地元で一番」「絶対おいしい」といった言い切りは、確かめようがないので、調べた人には響きません。

その代わりに、仕入れの産地、使っている素材、提供できる時間帯のように、確かめられる事実を置きます。

黒板の短い言葉を支えるのは、ページに並んだ確かめられる事実です。

ページ側に、黒板を受け止める欄を作る

黒板の言葉を受け止める場所を、ホームページのお知らせ欄に用意します。

1日1行でかまいません。日付と、黒板に書いた2行目の言葉を、同じ形で残します。

数日たつと、「あの黒板の続き」を見に来る人が出てきます。

黒板とページの役割を、表で分ける

場所 役割 書く量 書く言葉
黒板 足を止める 3行 今日の中身を1つ
ホームページのお知らせ 確かめてもらう 数行 黒板と同じ言葉と事実
店の中の壁 説明する 長めでよい 来店後に読む詳しい話

3つの場所が同じ言葉でつながっていると、お客さんは安心して動けます。

業種ごとに、1行目に呼ぶ相手を変える

組み立ては同じでも、呼ぶ相手と中身の種類は、業種によって変わります。

飲食店とカフェの場合

飲食店とカフェは、その日の天気や時間帯が、そのまま相手の状況になります。

「雨の日の昼に」「仕事帰りの1杯に」のような呼びかけで、2行目に品名を置きます。

美容室と整体院の場合

美容室と整体院は、困りごとを呼びかけに使うと、自分のことだと気づいてもらえます。

「髪が広がる梅雨どきに」「デスクワークで肩がこる日に」と呼び、2行目に空きの枠や担当を書きます。

雑貨店と小売りの場合

雑貨店は、新しく入った品の名前を2行目に置き、1行目で使う場面を呼びます。

「手土産を探している日に」と書けば、贈り物を探す人が足を止めます。

業種ごとの書き方を、表にまとめる

業種 1行目で呼ぶ相手 2行目の中身 3行目の動き
飲食店 天気や時間の状況 品名 席の空き
カフェ 休憩したい人 今日の1杯 次の日の予告
美容室 髪の悩み 空き枠 予約の案内
整体院 体の不調 当日の枠 調べてもらう語
雑貨店 贈る場面 新しい品 店内の場所

業種が違っても、1行ごとの役割は変わりません。

書いた黒板を、1週間で見直す

黒板は、書きっぱなしにせず、週に1度だけ見直すと、文面の精度が上がります。

見るのは、写真と来店の記録の2つ

毎朝、書き終えた黒板をスマートフォンで1枚撮っておきます。

週末に1週間分を並べて眺め、同じ話題が続いていないか、言葉が長くなっていないかを確かめます。

あわせて、黒板を見たと話してくれたお客さんの数を、会計のときの一言から拾って、メモに残します。

反応があった言葉を、次の週に残す

お客さんが「黒板を見て来た」と話した日の言葉を、メモに書き写します。

反応のあった言葉は、次の週の黒板に形を変えて使います。

反応のなかった言葉は、同じ形では二度と書かず、別の相手に向けて組み直します。

見直しの項目を、表にまとめる

見直す項目 確かめ方 直す方向
話題の偏り 写真を並べる 週ごとにテーマを決める
文面の長さ 3行に収まっているか 余分な行を外す
お客さんの反応 会計での一言をメモ 反応のあった言葉を残す
ページとの一致 黒板の2行目を検索する 見出しを同じ言葉に直す

見直しを続けると、書く時間が短くなる

最初の1か月は、見直しに時間がかかります。

ただ、反応のあった言葉と、使わなくなった言葉が手元にたまると、朝に迷う時間は目に見えて減っていきます。

週に1度の写真と、会計の一言のメモだけで、続けられる仕組みになります。

見直した結果は紙のメモに残しておくと、次の週にすぐ読み返せます。

反応があった言葉を3つ並べると、自分の店で効く呼びかけの型が見えてきます。

型が見えたら、それを土台にして、毎日の2行目だけを入れ替えていきます。

よくある質問

Q1 黒板に書く文字は、きれいでないといけませんか

文字のうまさより、読み取れる大きさと、行の数のほうが読まれやすさを左右します。

手書きの味は魅力になりますが、読めなければ意味が伝わりません。

通りの向こう側から眺めて、1行目が読めるかどうかを確かめてください。

Q2 毎日書き換える余裕がありません

書き換えるのは2行目の1行だけに絞れば、数分で終わります。

それも難しい日は、前日の言葉を残して、翌日に回しても構いません。

続けられる頻度を先に決めておくことが大切です。

Q3 天気が悪い日は、黒板を出さないほうがよいですか

雨風の日は、ボードが傷むことや、倒れる危険があるため、出さないほうがよい場合もあります。

その日は、扉の内側や窓の内側から見える位置に、同じ3行を書いた紙を貼る方法があります。

出す場所を変えても、言葉の組み立ては同じで使えます。

Q4 ホームページがない店は、どうすればよいですか

ホームページがなくても、地図の掲載ページやSNSの投稿に、黒板と同じ言葉を載せる方法があります。

まず、黒板の2行目の言葉を、店名と一緒に1か所に載せておくだけで、調べた人が確かめやすくなります。

常連が多い店でも、新しい人に黒板を見てもらうための受け皿は、1か所あると安心です。

Q5 英語やイラストを入れたほうが目立ちますか

目立つかどうかより、通る人が意味を取れるかどうかで決めます。

外国から来る人が多い通りなら、2行目の品名に短い英語を添える意味があります。

そうでない場所では、日本語の3行を大きく書くほうが伝わります。

まとめ

黒板の書き方は、ペンを持つ前の判断でほぼ決まります。

誰に向けた一言か。何を1つだけ伝えるか。見た人にどう動いてほしいか。この3つを先に決めます。

文面は、相手を呼ぶ1行目、中身を1つ置く2行目、次の動きを置く3行目の順で組み立てます。

毎日書き換えるのは2行目を中心にして、店名と何屋かの言葉は変えません。

黒板を見た人は、あとで店を検索することがあります。黒板の2行目の言葉を、ページの見出しにそのまま使うと、調べた人は同じ店だと確かめられます。

最初に紹介した質問の方は、色が怖く見えるかどうかで悩んでいました。

色の前に、誰に何を伝える黒板なのかが決まっていれば、悩みの大半は小さくなります。

今日できる点検

次の表の項目を、営業が終わったあとに、黒板の前に立って確かめてください。

点検項目 確かめ方 できていれば
今日の相手が決まっているか 1人を思い浮かべて名前をつける 1行目に状況が入っている
中身が1つに絞られているか 黒板の話題を数える 話題が1つだけ
次の動きが決まっているか 3行目を読み返す 動きが1つ書いてある
店名と何屋かが固定されているか 昨日の写真と比べる 同じ位置と形で置いてある
通りの向こうから読めるか 反対側から眺める 1行目が読める
黒板の2行目が検索で出るか スマートフォンで調べる 同じ言葉のページがある
ページの見出しが揃っているか ページを開いて比べる 黒板と同じ言葉
明日の候補が残っているか 順番待ちのメモを見る 3日分の候補がある

全部を一度に直す必要はありません。

まずは、明日の黒板の1行目に、今日いちばん来てほしい人の状況を書くところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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