ホームページはあるのに、問い合わせがほとんど来ない。
BtoBの中小企業で、よく聞く悩みです。フォームの使いにくさやデザインが疑われがちですが、問い合わせにたどり着く道筋が、サイトのどこにも用意されていないことも少なくありません。
この記事は、サイトの導線を整えるための手順書です。導線とは、訪れた人が次に進むための道筋のことです。
ページの種類ごとに置く案内、ブログ記事からのつなぎ方、電話番号のタップ発信、GA4での確かめ方、改善の優先順位までを順に説明します。
公式のヘルプは、2026年10月17日に開いて確かめました。画面の名前や手順は変わることがあるため、実際の操作の前に最新のヘルプを見てください。
先に結論 導線は全ページの末尾に「次の一歩」を置くこと
最初に、この記事の結論を表にまとめます。
| 決めること | 結論 | 理由 |
|---|---|---|
| 最初にやること | 次に進む案内がないページ(行き止まり)をなくす | 読み終えた人が、行き先に迷って閉じるのを防ぐ |
| 置く案内 | 次に読むページへのリンクと、その段階に合った行動の入口 | 検討の段階は人によって違う |
| 行動の入口 | 問い合わせのほかに、資料、相談、電話を用意する | 情報を集めている段階では、問い合わせが重い |
| ブログ記事 | 本文中のリンクと、末尾の案内を型にする | 読まれている記事を入口として使える |
| 確かめ方 | GA4のランディングページレポートと経路データ探索 | 入口と、その先の動きが分かる |
どれも、大きな費用は要りません。既存のページに案内を足すところから始められます。
先に直すのはフォームではない
入力項目を減らすなど、フォーム自体の改善は、導線を整えたあとに取り組むほうが効果を確かめやすくなります。
フォームにたどり着く人が少ないままでは、フォームを直しても結果が見えにくいためです。
この記事で扱わないこと
広告用のランディングページの改善と、フォーム自体の改善は扱いません。
扱うのは、自社サイトの中で、訪れた人が問い合わせまで進む道筋の整え方です。
導線設計とは次の一歩を全ページに用意すること
導線設計を、難しく考える必要はありません。
サイトのページを、訪れた人の気持ちの段階に合わせて、3つの役割に分けて考えます。
サイト全体を3つの役割で考える
| 役割 | 訪れた人の気持ち | 代表的なページ |
|---|---|---|
| 流入ページ | 困りごとを解決する方法を知りたい | ブログ記事、トップページ |
| 比較検討ページ | この会社に頼んで大丈夫か確かめたい | サービス、事例、料金の考え方、会社概要、FAQ |
| 行動ページ | 話を聞きたい、資料がほしい | 問い合わせ、資料ダウンロード、無料相談、見積もり依頼 |
BtoBの商談は、検討期間が長くなりがちです。初めて訪れた人が、その場で相談を申し込むことは多くありません。
情報を集め、比べ、社内で相談してから、行動に移ります。
3つがつながっていないサイト
問い合わせが来ないサイトの多くは、この3つがつながっていません。
たとえば、ブログ記事はよく読まれているのに、記事の中にサービスページへのリンクがない状態です。サービスページには説明だけがあって、事例や料金の考え方へのリンクがない状態も、よくある例です。
問い合わせのボタンが、上部メニューの端に小さく置かれているだけ、ということもあります。
行き止まりのページをなくす
導線設計で、最初に取り組みたいのは、次に進む案内が何もないページをなくすことです。
読み終えた人は、次にどこへ行けばよいか分からなければ、ブラウザを閉じてしまいます。
各ページの末尾に置く2つ
各ページの末尾には、少なくとも次の2つを置くことを基本にします。
| 置くもの | 内容 |
|---|---|
| 次に読むページへのリンク | 比較検討を進めるための案内 |
| 行動の入口 | その段階に合った、資料や相談の入口 |
この2つが、すべてのページにそろっているかを、まず点検します。
ページの種類ごとの役割と置く案内
ここからは、ページの種類ごとに、役割と置く案内を説明します。
先に一覧表で全体を見て、続けて各ページの内容を確認します。
一覧表 ページごとの役割と案内
| ページ | 役割 | 置く案内 |
|---|---|---|
| トップページ | 誰のどんな困りごとを解決する会社かを伝え、振り分ける | 困りごと別のサービスへのリンク、事例の入口、問い合わせの入口 |
| サービスページ | 自社の課題に合うかを判断してもらう | 関連事例、料金の考え方、FAQ、資料と相談の入口 |
| 事例ページ | 同じような会社が使っているかを確かめてもらう | 使ったサービスへのリンク、相談の入口 |
| 料金の考え方のページ | 費用感の不安を減らす | 見積もり依頼、無料相談の入口 |
| 会社概要ページ | 取引先として確かめてもらう | サービス一覧、問い合わせへのリンク |
| FAQ | 問い合わせ前の不安を減らす | 関連ページへのリンク、問い合わせの入口 |
トップページ
トップページの役割は、何の会社で、誰のどんな困りごとを解決できるのかを、数秒で伝えることです。
そのうえで、該当するサービスへ振り分けます。
最初の画面には、提供価値を一文で書きます。たとえば「○○業の△△業務を、□□に切り替える支援をしています」という形です。
困りごと別のサービスへのリンクと、問い合わせの入口も、最初の画面の近くに置きます。
サービスページ
サービスページは、比較検討の中心になるページです。
訪れた人は、自社の課題に合うか、どう進むのか、費用と期間はどのくらいかを知りたがっています。
| 置く内容 | 例 |
|---|---|
| 対象 | こんな会社に向いています |
| 提供内容と進め方 | 初回の相談から納品、運用までの流れ |
| 関連する事例 | 同じ種類の課題を扱った事例へのリンク |
| 料金の考え方とFAQ | それぞれのページへのリンク |
| 行動の入口 | ページの途中と末尾に、資料と相談の入口 |
事例ページ
BtoBでは、同じような会社が実際に使っているかが、判断の材料になります。
事例は、比較検討を後押しする大切なページです。
事例は、業種、規模、課題、取り組み、結果を、同じ型で書きます。末尾には、使ったサービスへのリンクと、相談の入口を置きます。
事例が手元にない場合は、無理に作りません。お客様の許可を得た実際の内容だけを載せてください。
料金の考え方のページ
金額を公開できない場合でも、料金がどう決まるのかは書けます。
費用感がまったく分からないことは、問い合わせをためらう大きな理由になります。
| 書ける内容 | 例 |
|---|---|
| 料金を決める要素 | 対象の範囲、件数、期間、オプション |
| 契約の形 | 初期費用と月額、一括、都度 |
| 見積もりの流れ | 見積もりに必要な情報、返事までの目安 |
置く案内は、見積もり依頼と無料相談の入口です。「概算を知りたい方はこちら」のように、気軽さが伝わる文言が向いています。
会社概要ページ
BtoBでは、社内で決裁を取る前に、担当者が会社概要を確認することがよくあります。
所在地、設立年、事業内容、代表者、連絡先などの基本情報を載せます。
会社概要は、行き止まりになりやすいページの代表です。基本情報で終わらせず、サービス一覧と問い合わせへのリンクを、末尾に置きます。
FAQ
FAQは、問い合わせ前の不安を減らすページです。
最低の契約期間、対応できる地域、相談だけでも費用がかかるかなど、営業の場で実際に聞かれる質問から作ります。
回答の中で、関連するサービスページや料金の考え方へリンクします。末尾には、ここにない質問を受け付ける問い合わせの入口を置きます。
行動の選択肢を段階に分けて用意する
行動の入口が、問い合わせ1つだけのサイトも多くあります。
情報を集めている段階の人にとって、問い合わせは心理的なハードルが高い行動です。
段階ごとの選択肢
検討の段階に合わせて、複数の選択肢を用意します。
| 段階 | 行動の選択肢 | 向いている人 | 置く場所の例 |
|---|---|---|---|
| 情報収集 | メールマガジンの登録 | 具体的な予定はないが、関心がある | ブログ記事の末尾 |
| 情報収集から比較 | 資料のダウンロード | 社内で共有して検討したい | ブログ記事の末尾、サービスページ |
| 比較検討 | セミナーや勉強会 | 詳しく知りたい | ブログ記事、事例ページ |
| 比較検討から決定 | 無料相談 | 自社の場合を聞きたい | サービス、事例、FAQ |
| 決定 | 見積もり依頼 | 予算の検討に金額が必要 | 料金の考え方、サービス |
| 急ぎ | 電話 | すぐに話したい | ヘッダー、フッター、問い合わせページ |
最初は3つから始める
すべてを最初から用意する必要はありません。
中小企業なら、まず資料のダウンロード、無料相談、電話の3つから始めると取り組みやすくなります。
資料は、サービスページの内容を整理した、数ページのPDFでも足ります。
押したあとに何が起きるかを書く
それぞれの入口には、押したあとに何が起きるかを書き添えます。
| 入口 | 書き添える内容の例 |
|---|---|
| 資料ダウンロード | 会社名とメールアドレスの入力のみ。すぐに読めます |
| 無料相談 | オンライン○分。営業目的の連絡はしません |
約束できないことは書きません。書いた内容と実際の対応が違うと、かえって信頼を失います。
「営業目的の連絡はしません」のような約束は、実際の運用に合わせて書いてください。
ブログ記事から問い合わせへのつなぎ方
ブログ記事は読まれているのに、問い合わせにつながっていないサイトはよくあります。
記事を入口として使うために、本文中のリンクと、末尾の案内を整えます。
本文に関連サービスへのリンクを置く
内部リンクとは、自社サイトの中の別のページへのリンクのことです。
記事の中で、自社のサービスに関係する話題が出てきたところに、自然な形でサービスページへのリンクを置きます。
リンクの文字は行き先が分かるものにする
Googleの公式ヘルプは、リンクの文字(アンカーテキスト)を、内容が具体的で、適度に簡潔なものにするよう案内しています。
「こちら」「詳細」のような表現は、大雑把すぎる例として挙げられています。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 悪い例 | 受発注システムの導入については、こちらをご覧ください |
| 良い例 | ○○業向けの、受発注業務の見直し支援サービスをご覧ください |
公式ヘルプは、文脈を無視してリンクの文字だけを読み、意味が通じるかを試すことも勧めています。
リンクの数と置き方
リンクの数に、公式の決まりはありません。
1記事の本文中に、1〜3か所ほどを目安にすると、読む流れを妨げにくくなります。これは書き手の見立てです。
技術面の条件
Googleの公式ヘルプによると、Googleがリンクをたどれるのは、通常、href属性を持つa要素の場合です。
ボタンの見た目をしていても、スクリプトだけで動く部品は、リンクとして読まれないことがあります。
また、同じヘルプは、関心のあるすべてのページに、同じサイト上の別のページから、少なくとも1つのリンクがあることを推奨しています。
記事末尾の案内を型にする
記事の最後は、読者が次にどうするかを考えるタイミングです。
全記事に同じ型の案内を置けるよう、テンプレートを用意しておきます。
| 欄 | 書く内容 |
|---|---|
| 関連するサービス | サービス名と、誰のどんな課題をどう解決するかの一文 |
| 関連する事例 | 業種と規模、取り組みの一文 |
| 情報を集めたい方へ | 資料のダウンロード |
| 自社の場合を相談したい方へ | 無料相談の申し込み |
記事の内容に合わせて強さを変える
記事のテーマとサービスが離れている場合は、無理に売り込みません。資料のダウンロードやメールマガジンなど、軽い行動を中心にします。
記事のテーマがサービスに直結している場合は、無料相談を目立たせます。
ナビゲーションとフッターを整える
全ページに共通する部分を整えると、一度の作業で、すべてのページの導線が変わります。
上部のメニュー
全ページ共通の上部メニューは、訪れた人がサイト内で迷ったときの道しるべです。
BtoBの中小企業のサイトなら、次の程度に絞ると分かりやすくなります。
| 項目 | 備考 |
|---|---|
| サービス | 一覧のページ |
| 導入事例 | 事例がある場合 |
| 料金の考え方 | またはご利用の流れ |
| 会社概要 | 基本情報 |
| お役立ち情報 | ブログ |
| 問い合わせ | ボタンの形にして、他と区別する |
項目が多すぎると、迷わせてしまいます。
スマートフォンでは、メニューを開かなくても、問い合わせや電話の入口が見えるようにしておくと親切です。
フッター
フッターは、ページを最後まで読んだ人が、次の行き先を探す場所です。
| 置くもの | 内容 |
|---|---|
| サービス一覧 | 各サービスへのリンク |
| 信頼の材料 | 事例、FAQ、会社概要、プライバシーポリシー |
| 連絡先 | 電話番号と受付時間、問い合わせへのリンク |
| 行動の入口 | 資料のダウンロード |
フッターは全ページに表示されます。ここを整えるだけで、行き止まりのページを大きく減らせます。
電話番号はタップで発信できるようにする
BtoBでも、急ぎの相談や、文章では説明しにくい内容は、電話で問い合わせる人がいます。
スマートフォンでサイトを見ている人のために、電話番号をタップするだけで発信できるようにしておきます。
telリンクの書き方
HTMLのリンク(a要素)で、hrefにtel:で始まる値を書くと、電話番号へのリンクになります。
MDN Web Docsのa要素の解説には、国番号から始まる記述例が載っています。リンクの文字として表示するのは、電話番号の見える形です。
| 部分 | MDNの記述例 |
|---|---|
| hrefの値 | tel:+1(800)555-0123 |
| 画面に見える文字 | (800) 555-0123 |
リンクを押したときの動き
MDNによると、tel:のリンクは、端末の能力によって動作が変わります。
携帯電話ではその番号に自動でダイヤルします。
多くのパソコンでは、通話用のプログラムが起動することがあります。連絡先の保存など、別の動作になる場合もあります。
詳しい書式は、RFC 3966を参照するよう案内されています。
日本の番号を書くとき
MDNの記述例は、どちらも国番号から始まる形です。
日本の番号を同じ形で書く場合は、国番号の+81を付け、先頭の0を除きます。これは国際電話の表記に沿った書き方で、MDNの解説に書かれた内容ではありません。
画面に表示する文字は、普段どおりの表記で構いません。
| 部分 | 書き方の例(番号は架空のものです) |
|---|---|
| hrefの値 | tel:+81312345678 |
| 画面に見える文字 | 03-1234-5678 |
電話番号を載せるときの注意
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 受付時間を併記する | 時間外にかかってきても対応できないと、印象が悪くなる |
| 画像にしない | 画像の番号は、タップ発信もコピーもできない |
| 計測する | 電話のタップが、どのページから多いかを確かめられる |
計測の方法は、GA4とGoogle Tag Managerの章で説明します。
GA4で導線を確かめる準備 キーイベントを設定する
導線を整えたら、訪れた人が実際にどう動いているかを、GA4で確かめます。
最初に、問い合わせなど重要な行動を、数えられる状態にします。
キーイベントとは
GA4では、サイトにとって重要な行動を、キーイベントとして設定します。
公式ヘルプによると、重要な行動を測るイベントを作成または特定し、そのイベントにキーイベントとしてマークを付ける必要があります。
設定の手順
既存のイベントをキーイベントにする手順は、公式ヘルプでは次のとおりです。
| 順番 | 作業 |
|---|---|
| 1 | 管理画面の「データの表示」で「イベント」を開く |
| 2 | 「最近のイベント」のタブで、対象のイベントを探す |
| 3 | イベント名の横にあるスターのアイコンを押す |
既存のイベントへのマークは、編集者以上の権限が必要です。新しいイベントを作ってマークを付ける場合は、マーケティング担当者以上の権限が必要と、公式ヘルプに書かれています。
反映のしかたと上限
公式ヘルプによると、キーイベントとしてマークしたあとの扱いは、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反映される範囲 | 作成した時点以降のレポート。過去のデータは変わらない |
| 標準レポートへの表示 | 最大24時間かかることがある |
| 上限 | 標準のプロパティで最大30個、GA4 360のプロパティで最大50個 |
導線の改善前後を比べたい場合は、マークを付けた日をメモしておきます。
フォームの送信と資料のダウンロード
Googleは、問い合わせのためにフォームやリクエストを送信したときのイベントとして、generate_leadを用意しています。
GA4の拡張計測機能を有効にしていると、ファイルへのリンクがクリックされたとき、file_downloadというイベントが記録されます。
資料のダウンロードが、PDFなどへの直接のリンクなら、これを手がかりにできます。
拡張計測機能の設定場所
拡張計測機能は、管理画面の「データの収集と修正」から「データストリーム」を開き、対象のストリームで設定します。
スイッチをオンにすると、すべてのオプションが有効になります。個々のオプションを編集することもできます。
ランディングページレポートで入口を確かめる
ランディングページとは、訪れた人が、その訪問で最初に見たページのことです。
公式ヘルプによると、このレポートは、ウェブサイトを訪れた人が最初にアクセスしたページと、各ページにアクセスした人の数を確認できる、用意されたレポートです。
開き方と主な指標
左側のメニューから、「エンゲージメント」の中の「ランディングページ」を開きます。レポートが見つからない場合は、削除されているか、既定の表示に含まれていない可能性があると、公式ヘルプに書かれています。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| セッション | サイトで開始された訪問の数 |
| アクティブユーザー数 | 訪れた個別の人の数 |
| 新規ユーザー数 | 初めて訪れた人の数 |
| セッションあたりの平均エンゲージメント時間 | ページを開いていた平均の時間 |
| キーイベント | キーイベントが発生した回数 |
キーイベントの列に数字が入るのは、キーイベントを設定してからです。
見るポイント
このレポートでは、次の3つを確かめます。
| 見るポイント | 読み取れること |
|---|---|
| 訪問が多く、キーイベントが少ないページ | 入口としては働いているが、次につながっていない可能性 |
| そのページがブログ記事の場合 | 本文のリンクと末尾の案内があるか |
| 平均エンゲージメント時間が極端に短いページ | 内容が、訪れた人の期待とずれている可能性 |
数字が示すのは、原因そのものよりも、確かめる場所です。見立てを立てたうえで、ページを実際に開いて確認します。
エンゲージメント率の扱い
公式ヘルプによると、エンゲージメントのあったセッションとは、10秒以上続いたか、キーイベントが発生したか、ページビューが2回以上発生したセッションです。
エンゲージメント率は、ほとんどのレポートでは、初期の状態で含まれていません。見たい場合は、レポートをカスタマイズして追加します。
経路データ探索で入口のあとと問い合わせの前を見る
ランディングページのあとに、訪れた人がどこへ進んだかは、経路データ探索で確かめます。
公式ヘルプでも、ランディングページを開始のポイントにして、ランディング後の行動を見る方法が案内されています。
仕様の要点
公式ヘルプで確かめられる、主な仕様は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 始点と終点 | どちらか一方だけを指定する。両方は同時に指定できない |
| 始点に選べるもの | イベント名、ページのタイトル、ページパスなど |
| 表示される数 | 各ステップで上位5つ。ステップごとに最大20個まで増やせる |
| 上位以外 | 「その他」にまとめられる |
| 指標 | 初期の状態では、イベント数 |
使い方の例1 よく読まれる記事の次を見る
始点を指定して、先へ進む動きを追います。
- 探索から、経路データ探索を作ります。
- 始点に、よく読まれているのに問い合わせにつながらない記事のページパスを設定します。
- 次のステップで、サービスや事例のページに進んだ人がいるかを確かめます。
- ほとんどが離れている場合は、記事内のリンクと、末尾の案内を見直します。
使い方の例2 問い合わせの前を見る
終点を指定して、さかのぼる動きを追います。
- 終点に、問い合わせ完了のイベントか、完了ページのタイトルを設定します。
- その直前と、さらに前に、どのページが見られているかを確かめます。
- よく通られているページは、問い合わせを後押ししている可能性があります。そのページへのリンクを、他のページからも増やすことを検討します。
ループの動きに注意する
公式ヘルプは、操作に迷っている可能性を示す、ループの動きを見つける使い方にも触れています。
同じページを行き来している動きが多いときは、次に進む案内が足りない可能性があります。
件数が少ないサイトの見方
問い合わせの件数が少ないサイトでは、数字が安定しません。
1か月単位など、長めの期間で傾向を見るようにします。1件の増減で、結論を変えないでください。
電話番号のタップをGoogle Tag Managerで計測する
電話番号を、タップで発信できるようにしたら、タップの回数も数えておきます。
拡張計測機能では数えられない
GA4の拡張計測機能には、離脱クリックがあります。
公式ヘルプによると、離脱クリックは、現在のドメインから移動するリンクのクリックが対象です。電話番号のリンクが対象になるとは、書かれていません。
このため、電話のタップを数えるには、Google Tag Managerで専用のイベントを作る方法を使います。
設定の流れ
Google Tag Managerのヘルプで確かめられる、クリックのトリガーの設定は次のとおりです。
| 順番 | 作業 |
|---|---|
| 1 | トリガーの種類で、クリックの「リンクのみ」を選ぶ |
| 2 | 発生場所で「一部のクリック」を選ぶ |
| 3 | 条件として、Click URLが「tel:」で始まる、または含む、を設定する |
| 4 | このトリガーで、GA4のイベントのタグを配信する |
| 5 | プレビューで電話番号をタップし、イベントが送られることを確かめてから公開する |
ヘルプでは、Click URLは、クリックのトリガーが成立したときに値を取得する組み込み変数と説明されています。使う前に、組み込み変数を有効にしておきます。
画面の項目名は変わることがあります。細かな表記は、実際の画面とヘルプで確認してください。
数えられるのはタップの回数
Google 広告のヘルプには、電話番号のリンクのクリックを測る機能について、計測できるのはリンクのクリックのみで、実際の通話は数えられない、と書かれています。
GA4とGoogle Tag Managerで数える場合も、同じ考え方で読みます。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| タップの回数 | 番号のリンクが押された回数 |
| 通話の件数 | 実際につながった通話。この方法では分からない |
通話の件数を知りたい場合は、電話を受けた側で、件数を記録します。
改善の優先順位の付け方
すべてを一度に直す必要はありません。
次の4つの基準で、順番を決めます。
優先順位の基準
| 順番 | 基準 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 訪問が多いページから | 影響を受ける人が多い |
| 2 | 行き止まりの解消から | 新しいページを作るより手間が少ない |
| 3 | 全ページ共通の部分から | 上部のメニューとフッターは、一度で全ページに効く |
| 4 | 問い合わせ直前のページから | 後押ししているページは、内容を充実させる価値がある |
3か月の進め方の例
| 時期 | 取り組み |
|---|---|
| 1か月目 | 問い合わせ完了、資料のダウンロード、電話のタップを計測する。上部のメニューとフッターを整える。電話番号をtelリンクにする |
| 2か月目 | ランディングページの上位10ページに、関連ページへのリンクと行動の入口を足す。記事末尾の案内の型を、全記事に入れる |
| 3か月目 | 経路データ探索で変化を確かめる。料金の考え方、FAQ、事例など、足りない比較検討のページを足す |
変更の記録を残す
変更した日付と内容は、必ず記録しておきます。
あとから数字が動いたときに、何が原因かを振り返る材料になります。
導線の改善が止まる原因と対策
導線は、一度作って終わりではありません。
続かなくなる典型的な原因を、先に知っておきます。
よくある失敗
| 失敗 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 新しいページばかり作る | 既存のページの行き止まりが残る | 既存ページの末尾への追記を先にする |
| 入口を問い合わせ1つにする | 情報収集の段階の人が離れる | 資料と相談を足す |
| 計測を設定しない | 改善の効果が見えない | キーイベントを先に設定する |
| 約束を守れない | 信頼を失う | 書いた内容を、実際の運用に合わせる |
| 変更を記録しない | 原因が分からなくなる | 日付と内容を残す |
特に、計測がない状態での改善は、効果が見えず、続けにくくなります。
月に1回の見直し
月に1回、ランディングページレポートを開いて、訪問の多いページを確かめます。
行き止まりのページがないか、末尾の案内が古くなっていないかを点検します。
売れるサイトはみな謙虚 導線は足さずに引く
ここまで、案内を置く話を続けてきました。最後に、足すだけでは足りない理由を、1つ説明します。
「売れるサイトはみな謙虚」という考え方があります。大きく見せる言葉や機能を足していくより、訪れた人が迷う要素を引いていくほうが、次の一歩を踏み出してもらえるという見方です。
導線設計にも、そのまま当てはまります。
導線から引くもの
| 引くもの | 引いたあとの状態 |
|---|---|
| 上部のメニューの項目 | 道しるべが少なくなり、迷わない |
| ページ末尾の、似た内容のボタン | 押す先が1つに絞られる |
| 行き先の分からないリンクの文字 | 押す前に、行き先が分かる |
| 約束できない文言 | 書いた内容と実際の対応が一致する |
案内を足す作業は、数が増えるほど、かえって迷わせる原因になります。
ページごとに、置く案内を絞ることが大切です。
引いても残すもの
引いても、導線に必要なものは残します。
次に読むページへのリンク、その段階に合った行動の入口、電話番号と受付時間、そして計測の設定です。
この4つがそろっていれば、小さなサイトでも、道筋は成り立ちます。
よくある質問
Q1. 問い合わせが来ないとき、フォームを先に直すべきですか
導線を整えてからのほうが、効果を確かめやすくなります。
フォームにたどり着く人が少ないままでは、フォームを直した結果が見えにくいためです。まず、ランディングページレポートで入口を確かめてください。
Q2. ブログ記事に、サービスへのリンクを何か所置けばよいですか
公式の決まりはありません。
1記事の本文中に、1〜3か所ほどを目安にし、末尾の案内の型と組み合わせると、読む流れを妨げにくくなります。これは書き手の見立てです。
Q3. 事例がない場合は、どうすればよいですか
無理に作る必要はありません。
お客様の許可を得た実際の内容だけを載せます。事例がない間は、料金の考え方やFAQなど、他の比較検討ページを先に整えてください。
Q4. 電話のタップを数えれば、通話の件数が分かりますか
分かりません。
Google 広告のヘルプにも、計測できるのは電話番号のリンクのクリックのみで、実際の通話は数えられないと書かれています。通話の件数は、電話を受けた側で記録してください。
Q5. 専任のWeb担当者がいなくても、GA4で確かめられますか
ランディングページレポートは、左のメニューから開くだけで見られます。
経路データ探索は、画面の操作に慣れが要ります。まずランディングページレポートを月に1回見ることから始めて、慣れてきたら探索を使ってください。
今日できる点検
今日の作業時間が10分あれば、次の点検表で現状を確かめられます。
| 区分 | 確認する項目 | 状態 |
|---|---|---|
| 全体 | すべてのページの末尾に、次に読むページと行動の入口がある | □ |
| 上部のメニュー | 項目が絞られ、問い合わせが見た目で区別されている | □ |
| スマートフォン | メニューを開かなくても、問い合わせか電話の入口が見える | □ |
| フッター | サービス一覧、事例、FAQ、会社概要、問い合わせがある | □ |
| 行動の入口 | 問い合わせのほかに、資料か相談の入口がある | □ |
| 入口の説明 | 各入口に、押したあとに何が起きるかが書かれている | □ |
| ブログ記事 | 本文に、行き先の分かる文字でサービスへのリンクがある | □ |
| ブログ記事 | 末尾に、案内の型が入っている | □ |
| 電話 | 電話番号が文字で書かれ、telリンクになり、受付時間がある | □ |
| 計測 | 問い合わせ完了をキーイベントに設定している | □ |
| 計測 | ランディングページレポートを、月に1回確認している | □ |
全部にチェックが入らなくても、問題ではありません。チェックの入らない行が、次にやることです。
まとめ
BtoBサイトで問い合わせが来ないとき、まず見直したいのは、訪れた人が流入、比較検討、行動の順に進める道筋があるかどうかです。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 行き止まり | すべてのページに、次に読むページと行動の入口を置く |
| 行動の入口 | 問い合わせのほかに、資料、相談、電話を段階に合わせて用意する |
| ブログ記事 | 本文のリンクの文字を具体的にし、末尾の案内を型にする |
| 共通部分 | 上部のメニューとフッターを整え、電話はtelリンクにする |
| 計測 | キーイベントを設定し、ランディングページレポートと経路データ探索で確かめる |
| 優先順位 | 訪問の多いページと、行き止まりの解消から始める |
| 記録 | 変更の日付と内容を残す |
最初の1回は、今日できる点検の表を埋めるところから始められます。
自社サイトの導線の見直しに迷うときは、初回60分のオンライン相談でお話しできます。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
初回は無料・60分・オンライン完結・その場で契約のお願いはいたしません


