自社サイトのボタンやメニューは、Googleから見て「リンク」になっているのでしょうか。画面では押せても、Googleのクローラーが辿れるとは限りません。
この記事では、Google検索セントラルの「Link best practices for Google」を、英語版の原文から読みます。リンクの書き方と文字の付け方、内部リンクと外部リンクの考え方、英語版と日本語版の違い、ページの経緯、弊社のサイトの確認をまとめました。
合同会社謙虚は、3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。リンクは自社サイトのHTMLを数えて確かめられる項目なので、このページを読む価値があると考えました。
結論:3行で言うと
- Googleがリンクとして辿れるのは、基本的にhref属性を持つ
<a>要素です。JavaScriptで後から挿入しても、同じ形ならクロールできます - リンクの文字(アンカーテキスト)は、具体的で、短めで、自然な文にします。文字が空なら、titleや画像のaltが代わりに使われることがあります
- 内部リンクは、大切なページごとに別のページから最低1本張ります。外部リンクは出典を示すのに使ってよく、nofollowは信頼できない相手に限ります
このページの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題(英語) | Link best practices for Google |
| 日本語版の題名 | Google のリンクに関するベスト プラクティス |
| 英語版の最終更新日 | 2025年12月10日 |
| 日本語版の最終更新日 | 2025年12月31日 |
| Google検索セントラルの中の位置(章) | 左の目次の「Crawling and indexing」(日本語版は「クロールとインデックス登録」)の中の「Links」 |
| 直近の主な更新 | 変更履歴に載っているのは、2022年11月9日と2023年2月15日の2件です。以後の例文の追加は、変更履歴に載っていません |
Googleがこのページで言っていること
冒頭で、原文は役割を2つ挙げています。Googleはリンクを、ページの関連性を判断する手がかりと、クロールする新しいページを見つける手段に使います。
リンクをクロールできる形にする
原文は、通常、Googleがクロールできるのはhref属性を持つ <a> 要素だけだと書いています。それ以外の形のリンクは、ほとんどが解析されず、抽出もされません。
href属性のない <a> や、スクリプトのイベントでリンクのように動く要素からは、URLを確実には取り出せない、とも書いています。例の一覧は次のとおりです。
- 推奨(Googleが解析できる):
<a href="https://example.com">、<a href="/products/category/shoes">、先頭にドットを付けた相対パス、onclickが付いていてもhrefがあるもの、classが付いたもの - 非推奨(解析を試みることはある):
<a routerLink="products/category">、<span href="https://example.com">、hrefが無く onclick だけの<a>
JavaScriptでリンクをページに動的に挿入する場合も、上の推奨の形になっていれば、クロールできると原文は書いています。
リンク先が実在のアドレスになっていること
hrefの中身は、Googleのクローラーがリクエストを送れる実際のウェブアドレス、つまりURIに似た形である必要があります。
推奨の例は、絶対URLと、/products や /products.php?id=123 のような相対パスです。
非推奨の例は、javascript: で始まる書き方です。こちらも、解決を試みることはあると原文は添えています。
アンカーテキストの置き場所
アンカーテキストとは、リンクとして見える文字のことです。原文は、この文字がリンク先のページについての情報を、人とGoogleに伝えると説明しています。
置く場所は、Googleがクロールできる <a> 要素の間です。文字が空のリンクは悪い例です。
空のときの代わりと、確認の方法が3つ書かれています。
- title属性:何らかの理由で
<a>の中が空のとき、Googleがtitle属性をアンカーテキストの代わりに使うことがあります - 画像のリンク:Googleは
img要素のalt属性をアンカーテキストとして使います。画像の内容が分かるaltを付けます。altもリンクの文字も空の画像は、悪い例です - JavaScriptで文字を挿入する場合:URL検査ツールで、描画後のHTMLにアンカーテキストがあることを確かめます
良いアンカーテキストの書き方
原文は、良いアンカーテキストの条件を3つ挙げています。内容が具体的で、適度に短く、リンクが載っているページとリンク先の両方に関連していることです。
原文は、悪い例と直した例を対にして示しています。
- 大雑把すぎる文字:「こちら」「詳細」「ウェブサイト」「記事」など。リンク先の中身が読める文字にします(例:「チーズの種類の一覧」)
- 不自然に長い文字:文の大半が1つのリンクになっている例です。原文の直し方は、文の前半の要点だけをリンクにしたものでした
- 隣り合うリンク:1語ごとにリンクを並べた例です。リンクの間に文章を入れ、それぞれの前後に文脈を残します
確かめ方のコツも書かれています。文脈を外してアンカーテキストだけを読み、そのページの内容が分からなければ、もっと具体的にします。
キーワードについては、できるだけ自然に書き、リンク先に関連する語を詰め込む誘惑に逆らうよう求めています。詰め込みは、スパムに関するポリシーの違反にあたると書かれています。
そのキーワードがなくても、読者は次のページを理解できるか。無理に入れている感じがあれば、入れすぎの可能性が高いとも書いています。
内部リンク:自分のサイトの中をつなぐ
原文は、内部リンクの文字に気を配ると、人もGoogleもサイトを理解しやすく、別のページも見つけやすくなると書いています。
大切にしているページには、同じサイトの別のページから少なくとも1本のリンクがあるべきだと書いています。読者の理解を助ける自サイトのページを考え、文脈の中でリンクを張る、という手順です。
1ページに入れるリンクの本数に、理想の値はありません。多すぎると感じるなら、おそらく多すぎる、と原文は書いています。
実務の手順としての内部リンクの設計は、弊社の別の記事「サイト構造の最適化とは?内部リンクとURL階層で検索順位を上げるSEOの基本」で扱っています。
外部リンク:ほかのサイトへ張る
原文は、他のサイトへのリンクを怖がる必要はないと書いています。出典を示すなど、外部リンクは信頼性を確立する助けになり得る、という言い方です。
リンクの前後には、読者がそこで何を得られるかの文脈を添えます。
nofollowは、相手を信頼していないときに限って使います。すべての外部リンクに付けることは避ける、と原文は述べています。
使う場面の例は、自分の好きな対象を悪く言う記事に反論する記事を書くときです。リンクを張っても、相手に自分の評判を分けたくない場合にあたります。
お金などの対価を受け取ったリンクは、sponsoredかnofollowで修飾します。フォーラムやQ&Aのように、利用者がリンクを挿入できる場所では、ugcかnofollowを付けます。
被リンク全般は、弊社の別の記事「被リンク対策はもう古いのか SEOとAI検索、中小企業が今やるべきこと」で扱っています。
英語版と日本語版の違い
2026年11月5日に、英語版と日本語版の本文を通しで読み比べました。日本語版の最終更新日は英語版より21日新しい12月31日ですが、確認した範囲で、内容を変える差は見つかりませんでした。
5つの節の見出しも、コード例のブロック13個も、両版で同じ数と順序です。見つけた差は、訳し方の違いと、例文の日本語化くらいでした。
| 箇所 | 英語版 | 日本語版 |
|---|---|---|
| nofollowを使う例の理由 | 相手のサイトに、自分の評判(reputation)の一部を渡したくない | リンク先に「ランキング評価」を与えたくない |
| 外部リンクと信頼性 | 信頼性を確立する「助けになり得る」 | 自分のサイトの信頼性を「高めることができる」 |
| 大切なページへの内部リンク | 少なくとも1つの別ページからのリンクが「あるべき」 | リンクがあることが「推奨されます」 |
1行目は、英語版が「評判」、日本語版が「ランキング評価」と、言葉の選び方が違います。順位の話として読むときは、英語版の言い方に戻るのが安全です。
ページが育ってきた経緯
変更履歴(Googleの検索セントラルの更新情報ページ)には、このページに関する記載が2件あります。
- 2022年11月9日:JavaScriptでクロール可能なリンクをページに挿入して問題ない、と明確にした
- 2023年2月15日:リンクのベスト プラクティスを新しく追加した
Internet Archiveの保存版も、本文を取得して読みました。変わった点を表にします。
| 保存版の日付 | 確認できた本文 |
|---|---|
| 2022年9月9日 | 「Make your links crawlable」という短いページ。辿れる例が2つ、辿れない例が3つ。JavaScriptで挿入したリンクの文は見当たりません |
| 2023年1月27日 | まだ短いページのまま。JavaScriptで動的に挿入しても、同じ形ならクロールできるという一文が加わっています |
| 2023年2月15日 | 現在と同じ5つの節の構成になっています。アンカーテキスト、内部リンク、外部リンクの節がここで登場しました |
| 2023年12月2日から2024年9月13日の間 | 例文が3回に分けて加わりました。onclickやclassが付いたリンク(2024年1月5日までに)、altもリンクの文字も空の画像リンク(4月27日までに)、先頭にドットを付けた相対パス(9月13日までに)です |
この3回の例文の追加は、変更履歴に載っていませんでした。保存版の日付は私が取得できた日で、変更が起きた日そのものは特定できていません。
英語版の最終更新日は2025年12月10日です。ただし、12月5日と翌年1月1日の保存版は、ページの組み立て用の版番号を除いて本文が一致していました。
12月10日に何が変わったかは、本文の差からは分かりません。
このページから、言えること・言えないこと
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
href属性を持つ <a> 要素は、Googleが解析できる形として推奨されている |
ボタンやメニューが画面で押せるなら、Googleも辿れる。原文は、スクリプトのイベントで動く要素からはURLを確実に取り出せないと書いている |
| JavaScriptで挿入したリンクも、推奨の形ならクロールできる | JavaScriptでリンクを挿入すると、辿られなくなる。原文は、推奨の形なら動的に挿入してよいと書いている |
| リンクの文字が空でも、titleやaltが代わりに使われることがある | 空のリンクでも問題ない。原文は、空のリンクテキストを悪い例に挙げている |
| 具体的で短く自然なアンカーテキストは、人にもGoogleにもリンク先を伝えやすい | キーワードを多く入れるほど良い。原文は詰め込みをスパムのポリシー違反と書いている |
| 大切なページには、別のページから少なくとも1本のリンクが求められている | リンクの本数を増やせば効果が上がる。原文は理想の本数はないと書いている |
| 外部リンクは、出典を示すなどして信頼性の助けになり得る | 外部リンクにはすべてnofollowを付けるべき。原文は、信頼しない相手に限ると書いている |
中小企業の視点で、どう受け取るか
ここからはGoogleの説明とは別の、私の読み取りです。従業員が数人から数十人で、WordPressでサイトを運営している会社を想定しています。
1. 問い合わせボタンが、本当にリンクか確かめる
いちばん先に確かめたいのは、問い合わせや予約へ進むボタンです。ここが辿れない形だと、そのページへの入口をGoogleが見つけられない可能性があります。
- Chromeでサイトを開き、ボタンの上で右クリックして「検証」を選びます
- 表示されたHTMLが
<a href="…">の形で、hrefに実際のURLが入っているか見ます <button>や<div>にJavaScriptで移動先を書いている場合は、制作会社やテーマの設定に確認します
2. 「こちら」を管理画面で探す
WordPressの投稿一覧にある検索は、本文も対象にします。管理画面の「投稿」を開き、検索欄に「こちら」「詳細はこちら」「続きを読む」を入れて、リンクの文字になっているものを数えます。
見つかったら、リンク先の中身が読める文字に直します。リンクの文字だけを抜き出して読み、何のページか分かるかで判断します。
3. 大切なページへの内部リンクを数える
売上や問い合わせに近いページを3つ選び、そのページのURLの末尾(スラッグ)を投稿一覧の検索欄に入れます。本文にそのURLを含む投稿が出てきます。
0件のページがあれば、関連する記事の本文から、文脈に沿ってリンクを張ります。メニューやフッターから張られている場合は、この検索には出てきません。
4. 有料のリンクとコメント欄の扱いを決める
広告やアフィリエイトなど、対価を受け取るリンクには、sponsoredかnofollowを付けます。コメント欄のように、利用者がリンクを書ける場所は、ugcかnofollowです。
弊社のサイトで確かめたこと
2026年11月5日に、kenkyo.ai のトップページと記事2本のHTMLを curl -sL で取得し、<a> の書き方を数えました。
見たのはサーバーから届いたHTMLで、JavaScriptが動いた後の姿ではありません。
| 見たもの | 結果(トップ/記事A/記事B) |
|---|---|
<a> 要素の総数 |
55本/79本/85本 |
href属性のない <a> |
0本/0本/0本 |
hrefが javascript: で始まるもの |
0本/0本/0本 |
<a> 以外の要素にhrefがあるもの(link 要素を除く) |
0本/0本/0本 |
hrefの実URLに加えて onclick も付いた <a> |
0本/6本/6本 |
記事Aは /site-structure-saitekika/、記事Bは /hirinku-taisaku/ のページです。
最後の行は、原文が推奨する例の1つ、hrefがありonclickも付いた形にあたります。メニューの開閉などは <button> で作られており、移動先のURLを持つ <a> とは別の要素です。
この数え方では、JavaScriptで後から挿入されるリンクと、リンクの文字の質は分かりません。前者は、URL検査ツールの「クロール済みのページを表示」から、Googleが取得したHTMLを見る作業になります。
よくある質問
リンクのhref属性がないと、Googleはクロールできませんか?
原文は、通常クロールできるのはhref属性を持つ <a> 要素だけと書いています。href属性のない <a> からは、URLを確実には取り出せないとも述べています。
一方で、非推奨の形でも、Googleが解析を試みることはあると書いています。確実に辿らせたいリンクは、推奨の形にします。
アンカーテキストを「こちら」にすると、順位に影響しますか?
原文は「こちら」を、大雑把すぎる悪い例として挙げています。順位への影響や、ペナルティについては、このページに書かれていません。
原文が挙げる理由は、アンカーテキストが良いほど、人は移動しやすく、Googleはリンク先を把握しやすいという点です。
外部リンクには、nofollowを付けたほうがよいですか?
原文の答えは、付けるのは信頼しない相手に限り、すべての外部リンクには付けない、です。出典として信頼できる相手へのリンクは、そのまま張ってよいと読めます。
対価を受け取ったリンクはsponsoredかnofollow、利用者が挿入できるリンクはugcかnofollowを付けます。
まとめ:今日できる1つのこと
サイトの問い合わせボタンを1つ選び、右クリックの「検証」で、<a href="…"> の形でURLが入っているか見てください。
1分ほどで終わります。形が違えば、制作担当に修正を頼む理由を、公式ページの文章として示せます。
この記事は、Google検索セントラル解説の一覧の一本です。ほかのページの解説も、順次公開しています。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
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