ページを開いた瞬間に画面いっぱいに広がる、メール登録のお誘い。スマートフォンで、閉じるボタンを探した経験はどなたにもあると思います。
Googleは、この種の表示を扱う公式ページ「Avoid intrusive interstitials and dialogs」(日本語版の題名は「煩わしいインタースティシャルやダイアログを避ける」)を公開しています。この記事は、その英語版を原文から読み、要点を整理します。
合同会社謙虚は、3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。このページは本文が短く、書かれていることと書かれていないことを切り分けやすいので、読む価値があります。
結論:3行で言うと
- Googleは、煩わしい表示が閲覧者の信頼を損なうおそれがあり、検索エンジンによるコンテンツの把握も難しくすると説明しています
- 代わりに勧めているのは、画面のごく一部だけを使うバナーと、CMSのプラグインなど定番の用途向けに用意された部品です
- 年齢確認のような義務の表示は、このガイドラインの対象外です。ただし、全URLを1つの同意ページへ転送するやり方は避けるよう勧めています
このページの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題(英語) | Avoid intrusive interstitials and dialogs |
| 日本語版の題名 | 煩わしいインタースティシャルやダイアログを避ける |
| 英語版の最終更新日 | 2025年12月10日 |
| 日本語版の最終更新日 | 2025年12月18日 |
| Google検索セントラルの中の位置 | 「検索での見え方(Appearance)」の章。左メニューの項目名は「Interstitials and dialogs」 |
| 直近の主な更新 | Googleの更新履歴に載っているのは、2021年12月16日に古いブログ記事をガイドラインに変換した、という1件だけです。2025年12月の更新は、履歴に見当たりませんでした |
Googleがこのページで言っていること
2つの言葉の使い分け
ページは最初に、言葉を分けています。
- インタースティシャル:ページ全体に重なる表示
- ダイアログ:ページの一部だけに重なる表示。それでも下の内容が見えにくくなることがあります
どちらも、主にプロモーションのために、閲覧者の目に入るはずの内容をさえぎる要素を指します。
表示そのものは認めています。サイトが理由があってダイアログを出すことは多い、と認めたうえで、閲覧者の邪魔になる出し方を問題にしています。
なぜ避けるのか
理由は2つ書かれています。
- 閲覧者が不満を持ち、サイトへの信頼を損なうおそれがある。使いにくいと感じたサイトには、検索経由を含め、再び訪れたくなくなる
- Googleなどの検索エンジンがコンテンツを把握しにくくなり、検索でのパフォーマンスが悪くなる可能性がある
2つ目は「可能性がある」と、言い切りを避けた書き方です。
ページ全体で使われているのは「検索でのパフォーマンス」という言い方だけで、「順位」の語は使われていません。
煩わしくない表示にする3つの方法
| 方法 | ページの説明 |
|---|---|
| 全面表示ではなくバナーを使う | 画面のほんの一部だけを占めるバナーなら、閲覧者も検索エンジンも、到着してすぐコンテンツに届く。アプリの案内には、ブラウザ標準のバナー(Safariのスマートアプリバナー、Chromeのアプリ内インストール)か、アプリストアへリンクする小さなHTMLバナーを使える。同じ小さな枠は、ニュースレター登録の案内にも使い回せる |
| 定番の部品を使う | CMSには、ニュースレター登録など定番の用途向けのプラグインが多い。WordPressなら「newsletter signup wordpress」で探す、という例が挙がっている。開発者が大規模に改善を重ねるため、Googleや他の検索エンジン、インターネット全体にとって助けになるという説明 |
| よくある間違いを避ける | ページ全体をインタースティシャルで覆うこと。同意や入力のために、閲覧者を別のページへ転送すること。どちらも、法律で義務づけられている場合を除く |
義務として表示するインタースティシャル
公開する内容の種類によって、表示が必須のサイトがあります。ページの例は、カジノのサイトの年齢確認です。
こうした表示は、このガイドラインの対象外です。そのうえで、可能なら次の2点を守るよう勧めています。
- 内容の上に表示を重ねること。そうすれば、Googleは少なくとも一部のコンテンツを索引に登録し、検索結果に出せる可能性がある
- 同意やデータ提供のために、受け取ったHTTPリクエストを別のページへ転送しないこと。全URLを1ページへ転送すると、Googlebotが取得できるのはその1ページだけになり、ほかのページは検索結果から消える
成人向けの内容で年齢確認が必須の場合は、Googlebotのリクエストを確認したうえで、年齢確認なしで内容を返すことを勧めています。確認の方法については、原文が別のページへリンクしています。
英語版と日本語版の違い
日本語版の最終更新日は、英語版より8日遅い2025年12月18日です。そこで、2つを節ごとに突き合わせました。
- 節の構成:5つの節の見出しが、同じ順で並んでいます
- してよいこと・避けることの内容:差は見つかりませんでした
- リンク先:4か所とも同じです。日本語版では、Google内のリンク先に「?hl=ja」が付いています
- WordPressの検索例:日本語版でも、英語の語句「newsletter signup wordpress」のままです
確認した日付(2026年10月8日)時点で、内容の差は見つかりませんでした。
古いブログ記事との違い
このページは、2016年8月23日付のブログ記事を、2021年12月に変換したものです。更新履歴には「ブログ記事から大きな変更はない」という趣旨の記載があります。
今回、そのブログ記事の英語版も開いて読みました。ブログ記事と現在のページを比べると、書かれている範囲に違いがあります。
| 観点 | 2016年のブログ記事(2017年1月の追記を含む) | 現在のページ |
|---|---|---|
| 順位への言及 | 2017年1月10日以降、モバイル検索結果から来た閲覧者が内容に届きにくいページは、順位が下がることがあると書いている。同時に、多数ある順位の要素の1つにすぎないとも書いている | 「順位」の語が無い。理由は、内容の把握が難しくなり検索でのパフォーマンスが悪くなる可能性、と説明している |
| 対象の場面 | モバイル検索結果から移動した場面 | 「モバイル」「スマートフォン」の語が無い |
| 例外の例 | Cookieや年齢確認など、法的な義務に基づく表示。公開されていない内容へのログイン画面。適度な大きさで閉じやすいバナー | 法律で義務づけられた表示(例は年齢確認)。Cookie、ログイン画面の記述は無い |
2021年12月の最初のガイドラインの文面と、2025年12月10日の更新で何が変わったかは、確かめられませんでした。この表は、ブログ記事と現在のページの比較です。
このページから、言えること・言えないこと
| 言えること(ページに書かれている範囲) | 言えないこと |
|---|---|
| 煩わしい表示は、閲覧者の信頼を損なうおそれがある、検索エンジンが内容を把握しにくくなる、とGoogleは説明している | ポップアップを出すと順位が下がる(このページに順位の記載は無い) |
| 画面の一部だけを使うバナーが、代わりの方法として挙がっている | バナーにすれば順位が上がる |
| 義務の表示は、このガイドラインの対象外 | 義務の表示なら、転送のやり方も自由 |
| 全URLを1つの同意ページへ転送すると、そのページだけが検索結果に残る | メール登録用のポップアップは、すべて禁止 |
中小企業の視点で、どう受け取るか
ここからはGoogleの説明とは別の、私の読み取りです。
1. まず、自社のサイトを「初めて来た人」の目で見る
スマートフォンで、閲覧の履歴を残さないモード(シークレットタブ)を開き、自社のトップページと、よく見られる記事を1つ開きます。画面が止まったように見える表示が出ないか、10秒ほど眺めます。
ページの途中までスクロールしたときに出る表示も、確かめる対象です。自分のスマートフォンは、すでに閉じた表示を覚えていて、出ないことがあります。
2. 出している部品の出どころを探す
WordPressの場合は、管理画面の左メニュー「プラグイン」から「インストール済みプラグイン」を開きます。名前に、ポップアップ、メール登録、クーポン、チャットが入るものが対象です。
テーマの設定画面や、外部の配信ツールで出している場合もあります。誰かに頼んで入れた表示は、持ち主が分からなくなりやすい部分です。
3. 全面表示は、バナーに置き換える候補にする
ページの説明に沿うなら、ページ全体を覆う表示を、画面の端の小さな帯に変えるのが第一候補です。メール登録の案内も、記事の末尾や横に置く方法があります。
登録数への影響は、このページの範囲の外です。
登録数は、置き換えの前後で記録して比べてください。同じ主題の実務の手順は、ポップアップでメルマガ登録者を増やす方法の記事にまとめています。
4. 年齢確認や同意の画面が必要なら、転送の作りを開発担当者に聞く
表示が義務の業種では、「内容の上に重ねているか」「全URLを1つのページへ転送していないか」を、制作会社や担当者に確かめます。前者がオーバーレイ、後者が転送です。
Search Consoleの「URL検査」でURLを調べ、「公開URLをテスト」の結果にあるスクリーンショットを見る方法もあります。Googleがどう表示を受け取るかの、目安になります。
この手順は、私が付け加えた確認方法です。
弊社のサイトで確かめたこと
2026年10月8日に、kenkyo.aiで次の確認をしました。見たのは、外から取得できる情報だけです。
| 確認 | 結果 |
|---|---|
| トップページのHTMLを取得して、表示の部品を読んだ(curl -sL https://kenkyo.ai/) | HTTPの応答は200。画面に重なる部品は2つだけで、検索窓の表示と、スマートフォン用メニューの覆い。どちらも、閲覧者がボタンを押したときに開く作りだった |
| スマートフォンの幅(390×844)で、トップページを開いて4秒待ち、画面に固定された要素を調べた | 対話窓(ダイアログ)は0個。固定された要素は、右下のGoogle reCAPTCHAのバッジ1つで、画面の約5% |
| 記事ページ1つ(アパレルの集客を扱う記事)で、先頭、30%、60%、95%の位置までスクロールして同じ調査をした | どの位置でも、対話窓は0個。先頭と30%の位置では固定された要素はバッジだけで、60%と95%の位置では、右下に目次ボタンとページ先頭へ戻るボタン(画面の約2%)が加わった |
この確認で言えるのは、上の条件のとき、画面をさえぎる表示は出ていなかった、ということです。確認した範囲は、スマートフォンの幅と、上の2ページに限ります。
よくある質問
煩わしいインタースティシャルを出すと、検索順位は下がりますか
順位が下がるという記載は、現在の公式ページから見つかりませんでした。書かれているのは、閲覧者の信頼を損なうことと、検索エンジンが内容を把握しにくくなり、検索でのパフォーマンスが悪くなる可能性です。
2016年のブログ記事には、モバイル検索から来た閲覧者を対象に、順位が下がることがあるという記載がありました。現在のページは、その書き方を引き継いでいません。
Cookieの同意バナーやログイン画面も、インタースティシャルの対象ですか
現在のページは、Cookieの同意バナーとログイン画面に触れていない書き方です。「法律で義務づけられている場合」を除く、という書き方で、義務の表示を別枠にしています。
Cookieとログイン画面を例外に挙げていたのは、2016年のブログ記事です。現在のページでの扱いは、不明です。
メール登録のポップアップは、使ってはいけませんか
ページは、使うこと自体を認めています。避けるよう勧めているのは、ページ全体を覆うことと、別のページへ転送することの2点です。
まとめ:今日できる1つのこと
スマートフォンで、シークレットタブから自社のトップページを開き、10秒間、何も触らずに眺めてください。画面の大半を覆う表示が出たら、その部品の名前を管理画面で探して、メモに残します。
この記事は、Google検索セントラル解説の一覧の一本です。ほかのページの解説も、順次公開しています。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
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