生成AIに「この症状なら何科ですか」「この地域で◯◯を診てもらえる医院はどこですか」と尋ねる患者が増えています。そこで自院の名前が出るかどうか。気になって調べると、LLMO対策という言葉に行き当たります。
ただ、そこで紹介されている施策の多くは、クリニックではそのまま使えません。医療広告ガイドラインがあるためです。患者の声を載せる、症例写真を並べる、他院より優れていると書く。一般の業種で有効とされる手法の一部は、医療機関では禁止されています。
合同会社謙虚は、ウェブサイトから要素を引き算して、訪れた人が迷わず次の一歩へ進む形へ組み直す仕事をしています。3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。
この記事では、規制の中で何ができて、何をしても意味がないのかを分けてお伝えします。結論を先に言うと、クリニックがやるべきことは、他業種より少なくなります。
結論:新しいことをするより、正確に書くほうが効きます
生成AIが医療に関する質問へ答えるとき、参照する情報の性質が他の分野と違います。健康や生命に関わる領域では、出典のはっきりした情報が優先されます。
これはクリニックにとって不利ではありません。逆です。正確に書いた情報が、正確に扱われる領域です。誇張した表現で目立とうとする戦略が効かない代わりに、地道に整えた情報が拾われます。
そして、医療広告ガイドラインが禁止している表現は、生成AIに引用されにくい表現とかなり重なります。ガイドラインを守ることが、そのまま対策になっている部分があります。
やることは3つに絞れます
| 順 | やること | ガイドラインとの関係 |
|---|---|---|
| 1 | 患者が実際に打つ言葉で、症状のページを作る | 問題なし |
| 2 | 診療内容とリスクを、事実のまま書く | 限定解除の要件そのもの |
| 3 | 地図サービスの情報を埋める | 問題なし |
この3つ以外は、優先度が大きく下がります。理由は記事の後半でお伝えします。
患者は、生成AIに何と聞いているか
対策を考える前に、実際にどう聞かれているかを知る必要があります。検索窓に打ち込む言葉と、生成AIに話しかける言葉は違います。
検索と生成AIでは、言葉の長さが変わります
| 検索窓に打つ言葉 | 生成AIに聞く言葉 |
|---|---|
| 頭痛 何科 | 朝起きたときだけ頭が痛いのですが、何科に行けばいいですか |
| ◯◯市 皮膚科 | ◯◯市で、子どものアトピーを診てくれる皮膚科を探しています |
| インプラント 費用 | インプラントを検討していますが、費用がどう決まるのか教えてください |
| 歯科 怖い | 歯医者が苦手なのですが、麻酔で痛くない治療をしている医院はありますか |
右の列を見てください。状況が具体的に添えられています。患者は、自分の事情を説明したうえで答えを求めています。
これが意味するのは1つです。症状名だけを並べたページより、「こういう状況の人が来ています」と書かれたページのほうが、材料として使われやすくなります。
聞かれ方は、大きく4つに分かれます
- 何科に行けばいいか(症状から診療科を探している)
- この地域でどこに行けばいいか(医院を探している)
- この治療はどういうものか(治療内容を知りたい)
- この医院はどうか(すでに候補があり、確かめている)
4つ目が来る時点で、患者はほぼ決めかけています。ここで出てくる情報が古かったり、そもそも見つからなかったりすると、その時点で候補から外れます。
いま自院が出てくるかを、10分で確かめる
対策を始める前に、現状を確かめてください。費用はかかりません。
手順
主要な生成AIを開いて、上の4つの型で質問を投げます。このとき、医院名では聞かないでください。医院名で聞けば当然出ます。患者は医院名を知らない状態で聞いています。
投げる質問の例です。自院の診療内容に合わせて言い換えてください。
- 「◯◯市で、△△を診てもらえる医院を教えてください」
- 「△△という症状は、何科を受診すればいいですか」
- 「△△の治療を受けるとき、医院を選ぶ基準を教えてください」
出てこなかったときに、控えておくこと
自院が出てこなかった場合、代わりに何が出てきたかを控えてください。そこに出てきたものが、いまその質問で使われている情報源です。
多くの場合、次のどれかが出てきます。
- 地図サービスに登録された医院の情報
- 医療系のポータルサイトに載っている情報
- 学会や公的機関が出している解説
- 他院が自院サイトに書いている解説
4つ目が出てきた場合、それは自院にもできることです。他院が書いていて自院が書いていない、という状態です。
この確認は月に1度、同じ質問で繰り返してください。出方が変わったかどうかが分かります。
医療広告ガイドラインと、LLMO対策がぶつかる3つの場所
ここが、クリニックが他業種の記事をそのまま真似できない理由です。
2018年の医療法改正で、医療機関のウェブサイトも医療広告規制の対象になりました。以前は「広告」に当たらないとされていた自院サイトが、規制の中に入っています。
一般に有効とされるLLMO対策のうち、ここに抵触するものが3つあります。
1つ目:患者の体験談
生成AIに引用されやすくする施策として、実際の声を載せることがよく挙げられます。ところが医療機関では、治療内容や効果に関する患者の体験談は、広告として掲載できません。
これは、後述する限定解除の要件を満たしても解除されません。掲載できないものとして扱ってください。
ただし、体験談のすべてが禁止されているわけではありません。治療内容や効果に触れない範囲、たとえば院内の設備や対応についての感想は、扱いが異なります。判断に迷う場合は、掲載前に確認してください。
2つ目:治療前後の写真
いわゆるビフォーアフターの写真です。これも、そのままでは掲載できません。
ただし、こちらは条件付きで可能になります。治療内容、費用、主なリスクと副作用を併記すれば、掲載が認められる形になります。写真だけを並べる形が禁止されている、と理解してください。
そして、この条件は結果的にLLMO対策としても有効に働きます。治療内容と費用とリスクが揃って書かれたページは、生成AIが答えを作るときの材料として、写真だけのページよりはるかに使いやすくなります。
3つ目:他院との比較や、最上級の表現
「地域で最も」「日本一の」「絶対に安全な」。この種の表現は、比較優良広告や誇大広告に当たります。
そしてこれは、生成AIに引用されるという観点でも意味がありません。根拠のない最上級の表現は、AIが答えを作るときの材料になりません。数字も出典もない主張は、そのまま使えないためです。
ここは、規制と対策が完全に一致している場所です。守ることで損をしません。
限定解除という仕組みがあります
医療広告は、原則として広告できる事項が限られています。ただし、ウェブサイトなどの媒体では、一定の要件を満たすことでこの限定が解除されます。
主な要件は次のとおりです。
- 問い合わせ先を明記していること
- 自由診療については、治療内容を明記していること
- 自由診療については、標準的な費用を明記していること
- 自由診療については、主なリスクと副作用を明記していること
この4つを見て、気づくことがあるはずです。限定解除の要件を満たす作業は、そのまま「AIが引用しやすいページを作る作業」になっています。
治療内容が書いてある。費用の考え方が書いてある。リスクが書いてある。問い合わせ先がある。これは、患者が知りたいことがそろっている状態です。生成AIが答えを作るときに、材料として使いやすい形です。
なお、要件の詳細は厚生労働省が公表している医療広告ガイドラインに記載されています。改定されることがあるので、実際の掲載前には最新版を確認してください。
診療科によって、聞かれ方が変わります
ここまでクリニック全般として書いてきましたが、診療科によって患者の聞き方が変わります。自院の科から先に見てください。
| 診療科 | いちばん多い聞かれ方 | 先に作るページ |
|---|---|---|
| 内科・小児科 | この症状は何科か | 症状から診療科を案内するページ |
| 皮膚科 | この見た目は何か | 症状ごとの解説と、受診の目安 |
| 歯科 | この治療はどういうものか | 治療内容と、通院回数と、リスク |
| 眼科 | いつ受診すべきか | 放置してよい症状と、急ぐ症状の切り分け |
| 整形外科 | 整骨院とどちらへ行くか | それぞれで何ができるかの整理 |
| 美容・自由診療 | 費用とリスクはどうか | 治療内容・費用・リスクを揃えたページ |
内科と皮膚科は、患者が科を決められていません
この2つは、来院前の段階で「どこに行けばいいか分からない」という状態の患者が多くなります。この状態の患者は、まだどの医院も候補に入れていません。
だから、症状から診療科を案内するページが効きます。「この症状なら内科です」「この症状は皮膚科ですが、こういう場合は先に別の科へ」。ここで見つかると、そのまま来院につながります。
作るときのコツは、症状を医学用語で書かないことです。患者が打つのは「手のひら ぶつぶつ 痒い」であって、正式な疾患名ではありません。正式名称を知っていたら、そもそも調べる必要がありません。
歯科と眼科は、判断の材料を求められています
この2つは、症状が出ていても受診を先延ばしにされやすい科です。患者が聞いているのは「いま行くべきか」です。
効くのは、放置してよい症状と急ぐ症状を切り分けたページです。「これは様子を見て構いません」と書けることが、信用につながります。すべてを受診が必要と書くと、判断の材料になりません。
整形外科は、比較の質問が来ます
整骨院、接骨院、整体との違いを聞かれます。ここは書き方に注意が必要です。
他の施設が劣っているという書き方は、比較優良広告に当たる可能性があります。それぞれで何ができるか、制度としてどう違うかを、事実として並べてください。優劣ではなく役割の違いとして書けば、問題になりません。
自由診療は、費用とリスクを書くことが要件です
美容や自由診療を扱う場合、限定解除の要件として、治療内容と費用とリスクの記載が求められます。
これは負担に見えますが、生成AIが答えを作るときの材料としては、いちばん揃った形です。患者が知りたいことがそのまま書かれている状態になります。義務として書くのではなく、材料として書いてください。
LLMOという言葉そのものの整理は、LLMO対策に新しい道具は要りませんでまとめています。
第1の門と第2の門。順番を間違えると効きません
生成AIの回答に自院が出るまでには、通る門が2つあります。ここを分けて考えないと、手をつける場所を間違えます。
| 第1の門 | 第2の門 | |
|---|---|---|
| 何が起きる場所か | 情報源として拾われる | 回答の中で引用される |
| やること | 検索されている言葉でページを作る | 引用されやすい書き方にする |
| 従来との違い | 従来のSEOそのもの | 書き方の工夫 |
検索エンジン側の公式ドキュメントによれば、AIによる回答に引用されたリンクの多くは、自然検索の上位から来ています。つまり、検索で上位に入っていないページは、AIの回答の候補にも上がりにくいということです。
第1の門で止まっている状態で書き方だけを整えても、読む相手がいません。ほとんどのクリニックは、まだ第1の門にいます。
自院がどちらの門にいるかを見分ける
検索の管理ツールを開いて、表示回数を見てください。
医院名以外の言葉で表示されている回数が月に数十回しかない場合、第1の門にいます。この段階でやるのは、書き方の工夫ではなく、検索されている言葉でページを作ることです。
クリニックで、検索需要のある言葉の作り方
第1の門を通るために、どの言葉を狙うか。クリニックの場合、効くのは掛け算です。
| 掛け算の型 | 例 | 患者の状態 |
|---|---|---|
| 地域 × 診療科 | ◯◯市 皮膚科 | 医院を探している |
| 症状 × 診療科 | 手のひら 湿疹 何科 | どこに行けばいいか分からない |
| 治療名 × 疑問 | インプラント 痛み | 治療を検討している |
| 対象 × 症状 | 子ども 中耳炎 繰り返す | 家族のことで困っている |
2つ目の型を、特にお勧めします。「何科に行けばいいか分からない」患者は、まだどの医院も候補に入れていません。ここで見つかると、そのまま来院につながる確率が高くなります。
そして、この型のページは書きやすいはずです。日々の診療で、患者からいちばんよく聞かれている質問だからです。
書く前に、10秒で確かめてください
狙う言葉を決めたら、検索窓に打ち込んで、下に出る候補の数を見てください。
| 候補の数 | 意味 | どうするか |
|---|---|---|
| 0件 | 誰も打っていない | その言葉では作らない |
| 1〜2件 | 実在するが末端 | 単独のページにせず、別のページの見出しで拾う |
| 3件以上 | 下に広がりがある | ここを狙う |
この確認にかかる時間は、1語あたり10秒です。
自社ではこれを、3つのドメインを並行して運用して確かめました。書いているのは同じ人間で、記事の作り方も公開の頻度も同じです。変えているのは、狙う言葉の選び方だけです。
| 直近28日の実測 | 言いたいことから選んだ側 | 検索されている言葉から選んだ側 |
|---|---|---|
| 公開している記事 | 450本 | 653本 |
| 10位以内に入った記事 | 43本 | 157本 |
| 10位以内1本あたりの表示回数 | 2.0回 | 46.2回 |
23倍の差が出ました。順位はどちらも取れていて、クリック率もどちらも正常です。違ったのは、その順位が何回画面に出たかだけでした。
ページを1枚作るのに数時間かかるなら、その前の10秒で、その数時間が無駄になるかどうかが分かります。
第2の門。引用されやすい書き方は、測られています
第1の門を通ったページについては、書き方が効きます。ここには実験で測られた数値があります。
2024年にKDDという国際会議で発表された、Aggarwalらによる「Generative Engine Optimization」という研究です。生成AIの回答に引用されやすくなる書き方を、施策ごとに比べています。
| 書き方 | 引用されやすさの変化 |
|---|---|
| 専門家の発言などを直接引用する | +41.0% |
| 数字を入れる | +30.6% |
| 文章を読みやすく整える | +28.0% |
| 出典を明記する | +27.5% |
| キーワードを詰め込む | −8.3% |
1つ、この研究について正直にお伝えしておくことがあります。実験に使われたプログラムを読むと、引用や出典を生成させる際に、実在しない情報源を作ってよいという指示が含まれていました。つまりこの数値は、本物の出典を付けた場合ではなく、出典らしきものが付いている場合の効果です。
自社では同じことをしていません。医療の分野なら、なおさらです。実在しない出典を付けたページは、読んだ人が1つ確かめた時点で信用を失います。クリニックにとって、失った信用を取り戻すコストは、順位1つの価値をはるかに超えます。
クリニックで、この4つをどう書くか
数値の傾向は参考にできます。ガイドラインの範囲で、次のように置き換えられます。
| 施策 | クリニックでの書き方 |
|---|---|
| 直接引用 | 学会の診療指針や、公的機関の資料から、該当する記述を引く |
| 数字を入れる | 治療にかかる回数、1回あたりの時間、通院の期間 |
| 出典を明記 | 引いた指針や資料の名称を、本文の中に文章として書く |
| 読みやすく整える | 患者の質問と、それへの答えの形で並べる |
1行目が、いちばん効いて、いちばんクリニックに向いています。学会の指針を引くことは、ガイドラインに抵触しません。むしろ、根拠のある記述として扱われます。
2行目の数字にも注意点があります。治療の成功率や効果の割合を出す場合は、誇大広告に当たらないよう、出典と条件を必ず添えてください。回数や時間や期間なら、この心配がありません。
キーワードの詰め込みは、逆に下がります
表の最終行を見てください。唯一マイナスです。
「◯◯市 歯科 ◯◯市 歯医者 ◯◯市 インプラント」のように地域名と診療科を並べる書き方が、いまだに行われています。効かないだけでなく、下がる方向に働きます。
地図サービスの情報が、思ったより効きます
クリニック特有の話として、これを外せません。
生成AIに「この地域で◯◯を診てもらえる医院は」と聞いたとき、回答の材料として地図サービスに登録された情報が使われることがあります。営業時間、住所、診療科目、提供している診療内容。
ここが空欄だったり、古かったりすると、材料が足りません。サイトをどれだけ整えても、この情報が欠けていると、地域の質問で候補に上がりません。
確かめる項目
- 診療時間が最新か。臨時休診の反映はどうしているか
- 診療科目が、実際に診ている範囲と一致しているか
- 提供している診療内容の項目が埋まっているか
- 電話番号とウェブサイトのURLが正しいか
- 写真が、いまの院内の様子と一致しているか
1つ目が抜けているクリニックが多くあります。年末年始や学会での休診が反映されていないと、来院した患者が閉まった扉の前に立ちます。この情報は、AIの回答にもそのまま使われます。
自院サイトと、記載を一致させてください
もう1つ重要なのがこれです。地図サービスに書いてある診療時間と、自院サイトに書いてある診療時間が違う。この状態だと、どちらが正しいかを機械が判断できません。
医院名の表記、住所の書き方、電話番号。細かいところですが、揃えてください。揃っていることが、その情報が信頼できる根拠として働きます。
症状のページを、どう書くか
いちばん効くページなので、書き方を具体的にお伝えします。
見出しは、患者の言葉のまま置きます
「◯◯症の診断と治療」ではなく、「手のひらにぶつぶつができて痒いとき、何科に行けばいいか」。患者が打ち込む言葉を、そのまま見出しにしてください。
正式な疾患名は、本文の中で「これは医学的には◯◯と呼ばれます」と添える形にします。順序が逆になると、探している人に届きません。
並べる順番は、患者が知りたい順です
| 順 | 書くこと | 目安の長さ |
|---|---|---|
| 1 | この症状は何科か。急ぐか、様子を見てよいか | 3〜4行 |
| 2 | どういう状態なのか(医学的な説明) | 1段落 |
| 3 | 受診したら何をするか(検査・診察の流れ) | 1段落 |
| 4 | 治療の内容と、通院の回数や期間 | 1段落 |
| 5 | 受診前にやってよいこと、やらないほうがよいこと | 箇条書き |
| 6 | 参照した診療指針の名称 | 1〜2行 |
1番を先頭に置いてください。患者が最初に知りたいのは、行くべきかどうかです。ここを最後に書くと、そこまで読まれません。
5番を入れている医院は少ないのですが、ここが読まれます。「受診まで冷やしてよいか」「市販薬を使ってよいか」。実際に聞かれている質問だからです。
6番を必ず入れてください
学会が出している診療指針や、公的機関の資料。参照したものの名称を、本文の中に文章として書いてください。
先ほどの研究で、出典の明記は引用されやすさを27.5%押し上げていました。そして医療の分野では、出典のはっきりした情報が優先される傾向が、他の分野より強く出ます。
ここは、書ける医院と書けない医院がはっきり分かれる場所です。診療にあたっている人が書いていれば、参照した指針の名前は当然出せます。外注して一般論だけで書かれたページには、これが入りません。
やらなくていいことが、3つあります
LLMO対策として提案されることのうち、優先度を大きく下げていいものです。
1つ目:AI向けの案内ファイルの設置
サイトの内容をAI向けに要約したファイルを置く、という施策があります。検索エンジン側は、公式ドキュメントで、検索自体がこれを使っていないと明言しています。
ある調査では、137,210のドメインを調べた結果、設置されたファイルの97%に一度もリクエストが来ていませんでした。
置くこと自体に害はありません。害があるのは、置いたことで対策が済んだと考えて、本来の作業に手が回らなくなる場合です。
2つ目:AI専用の構造化データ
検索結果での見え方を整えるための記述です。導入している医院は多いのですが、これを入れたから回答に出るという性質のものではありません。検索エンジン側も、順位を決める要素ではないと説明しています。
ただし、診療時間や住所の構造化データには別の意味があります。地図サービスや検索結果に正しい情報を渡す役割があるので、そちらは入れておく価値があります。
3つ目:文章を細切れにする作業
AIが読みやすいように、1文を短く、段落を細かく、という指導があります。これも必須ではありません。
効くのは、質問と答えの形に整えることのほうです。患者が実際に聞く質問を見出しにして、その下に答えを書く。この形は、患者にとっても読みやすくなります。
口コミへの対応が、そのまま材料になります
生成AIが医院について答えるとき、地図サービスや医療系サイトの口コミを参照することがあります。ここで見られているのは、点数だけではありません。
返信が書かれているかどうかが見られています
口コミに医院からの返信が付いていると、その返信も文章として読まれます。点数の低い口コミに、丁寧な返信が付いている状態は、悪い材料ではありません。
むしろ、返信が1件も無い状態のほうが、材料が薄くなります。医院の姿勢を示す文章が、そこに存在しないためです。
返信で書いてはいけないこと
ここに医療広告ガイドラインが関わります。返信の中で、診療内容や効果に触れると、扱いが変わることがあります。
また、投稿者が患者であることを前提にした返信は、個人情報の扱いとして問題になる場合があります。「その節はご来院いただきありがとうございました」と書くと、その人が患者であることを医院が認めた形になります。
安全な形は、来院の事実に触れず、一般的な方針を述べることです。「ご指摘いただいた点について、院内で共有し、改善に取り組んでおります」。この範囲なら問題になりません。
点数を上げようとしないでください
口コミの投稿を患者に依頼する行為は、各サービスの規約で制限されていることがあります。それ以前に、依頼して集めた口コミは内容が似通うので、材料としての価値が上がりません。
効くのは、既存の口コミに返信することです。依頼するより、返すほうが早く、規約にも触れません。
保険診療だけの医院も、やる意味はあります
「自由診療をやっていないので、集患に力を入れる必要がない」という声をいただくことがあります。ここは分けて考えてください。
効くのは、患者数ではなく患者の中身です
保険診療は点数が決まっているので、来院数を増やすことが直接の目的になりにくい面はあります。ただ、症状のページを整えると、来院する患者の質が変わります。
受診前に症状の説明を読んできた患者は、診察室での説明が短くて済みます。何を心配して来たのかが整理されているので、問診が早く終わります。1人あたりの診療時間が変わると、同じ時間で診られる人数が変わります。
もう1つあります。自院の診療範囲に合わない患者が減ります。「この症状はうちでは扱っていません」という説明に費やしていた時間が、来院前に解決します。
紹介と、指名の受診が増えます
症状の解説を読んで来た患者は、その医院を選んだ理由を持っています。近いから来た患者と、読んで来た患者では、その後の通院の継続率が変わります。
この差は、点数には現れません。現れるのは、予約の埋まり方と、再診率のほうです。
効果は、順番に3つ測ります
やったことが効いているかどうか。測り方が決まっていないと、続けるかどうかの判断ができません。
| 順 | 測るもの | 手間 | 分かること |
|---|---|---|---|
| 1 | 生成AIに聞いて、出方を控える | 月に10分 | いま出ているか |
| 2 | 検索の管理ツールで、表示回数を見る | 月に10分 | 拾われる側に入ったか |
| 3 | 問診票に「何で当院を知ったか」を足す | 1行足すだけ | 実際の来院につながったか |
3つ目が、いちばん精度が高くなります
問診票に選択肢を1つ足すだけです。「インターネットで検索して」に加えて、「生成AIに聞いて」を並べてください。
ここに答えが集まると、アクセス解析では追えなかった経路が見えます。生成AIの回答を読んで、その場ではリンクを押さず、後から医院名で検索して来る患者がいるためです。その来院は、アクセス解析では検索経由として記録されます。
つまり、解析上の数字は実態より小さく出ます。小さく出る前提で、増えているか減っているかだけを見てください。
0という数字には、2つの意味があります
測って0だったとき、来ていないのか、記録されていないのかを先に切り分けてください。
自社では、これで一度つまずいています。日報に「クリック0人」と出続けていたので押されていないと判断していましたが、実際は計測の仕掛けが1行も入っていませんでした。押されても記録されない状態だったということです。
問診票の項目を足していない状態で「生成AI経由は0人」と判断すると、同じ間違いになります。
90日の進め方
院長または事務長が、他の業務と並行して進める前提です。
| 時期 | やること | この時点で分かること |
|---|---|---|
| 1週目 | 生成AIに4つの型で質問して、出方を控える | いまの立ち位置 |
| 1週目 | 地図サービスの5項目を埋める | 地域の質問での材料がそろう |
| 2週目 | よく聞かれる質問を10個書き出し、候補の数で絞る | 作る価値のあるページが3〜5枚残る |
| 3〜8週目 | 残った言葉のページを、2週に1枚ずつ作る | 検索の管理ツールに表示が出はじめる |
| 9週目 | 自由診療のページに、内容と費用とリスクを揃える | 限定解除の要件を満たす |
| 10〜12週目 | 各ページに、学会の指針からの引用を1つずつ足す | 引用の材料が増える |
| 毎月1回 | 1週目と同じ質問を投げ、出方の変化を見る | 効いているかどうか |
1週目に2つ入れているのは、地図サービスの作業が最も早く効くためです。その日のうちに反映されます。
一方、ページを作る作業は、検索結果に安定して出るまで早くて2か月かかります。だから2週目には始めます。時間のかかるものを先に始めて、待っている間に効きの早いものをやる。この順番だと、90日のあいだ手が止まりません。
よくいただく質問
患者の声を載せられないなら、何を載せればいいですか
治療内容と、リスクと、通院の実際です。
「この治療は何回の通院で、1回あたりどのくらいの時間がかかり、どういうリスクがあるか」。患者が本当に知りたいのはここです。体験談より、こちらのほうが判断の材料になります。
そして、この情報は限定解除の要件でもあります。載せる義務があるものを、丁寧に載せるだけで足ります。
ホームページ制作会社にLLMO対策を依頼するとき、何を確かめればいいですか
3つあります。
1つ目は、作業の中身が第1の門と第2の門のどちらかです。ファイルの設置と構造化データだけで構成された見積もりは、検索エンジン側が不要と明言している領域に費用を払う形になります。
2つ目は、狙う言葉をどう選ぶかです。ここで検索需要を確かめる工程が入っていないと、誰も打っていない言葉のページが積み上がります。
3つ目は、医療広告ガイドラインを理解しているかです。他業種と同じ提案書を出してくる場合、体験談や比較優良の表現が入っている可能性があります。掲載してから指摘を受けると、直す手間が二重にかかります。
効果はどのくらいで出ますか
地図サービスの情報を埋める作業は、その日から効きます。
ページを作る作業は、検索結果に安定して出るまで早くて2か月、遅いと半年です。ここを短くする方法はありません。
生成AIの回答での出方は、同じ質問でも揺れます。1回の確認では判断できないので、月に1度、同じ質問で確かめてください。
分院がある場合、どう作ればいいですか
地域名を含む質問で候補に上がるのは、その地域に紐づいた情報です。分院ごとに、地図サービスの登録と、サイト内のページを分けてください。
ただし、診療内容の解説ページまで分院ごとに複製しないでください。同じ内容のページが複数あると、自院のページ同士が同じ検索結果で競合します。解説は1枚にまとめて、各分院のページからリンクを送る形にしてください。
SNSはやったほうがいいですか
生成AIが参照している情報には、自院サイト以外のものも多く含まれています。ただし、SNSに書いた内容がそのまま材料になるかというと、そこは分野によって差があります。
医療の分野では、出典のはっきりした情報が優先される傾向があります。限られた時間を配分するなら、自院サイトの診療内容のページを整えるほうが先です。
すでに検索上位にあるページも書き換えるべきですか
ここは注意が必要です。先ほどの研究には続きがあり、施策の効果が検索順位によって反転することが報告されています。すでに上位にあるページに同じ施策を足すと、下がる方向に働く場合があります。
3位以内に入っているページは、触らないでください。触るなら、検索結果に出ているタイトルと説明文の調整だけにとどめてください。
まとめ
クリニックのLLMO対策について、お伝えしたことを整理します。
やることは3つです。患者が実際に打つ言葉で症状のページを作ること、診療内容とリスクを事実のまま書くこと、地図サービスの情報を埋めること。
医療広告ガイドラインが禁止している表現と、生成AIに引用されにくい表現は、かなり重なります。根拠のない最上級の表現も、出典のない主張も、どちらの観点でも使えません。守ることで損をしません。
そして、限定解除の要件を満たす作業は、そのままAIが引用しやすいページを作る作業になっています。治療内容、費用、リスク、問い合わせ先。載せる義務があるものを丁寧に載せると、材料がそろいます。
やらなくていいことも3つあります。AI向けの案内ファイル、AI専用の構造化データ、文章を細切れにする作業。どれも、検索エンジン側が必須ではないと説明しています。
まず、10分だけ使ってください
生成AIを開いて、患者が打ちそうな質問を4つ投げる。自院が出てくるか、出てこないなら代わりに何が出てくるかを控える。
ここから始めてください。出てきたものが、いまその質問で選ばれている情報源です。自院に足りていないものが、そこに書かれています。
控えた内容を見れば、次に作るべきページが決まります。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
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