料金表はデザインした画像で載せている。会社案内はパンフレットのPDFをそのまま置いている。
サービスの紹介は動画にまとめてある。
中小企業のサイトでよく見かける、手軽で見栄えのよい作り方です。
ところが、ChatGPTやGeminiなどのAI検索で自社のことを尋ねると、料金や対応エリアが答えに出てこないことがあります。原因のひとつとして考えられるのが、大事な情報が画像・PDF・動画の中にしかない状態です。
この記事は、自社サイトを点検するWeb担当者に向けて書きました。PDF、画像のalt、画像の中の文字、図表、動画の順に説明し、最後に料金表とパンフレットの直し方をまとめます。
Googleの公式ページは、2026年10月18日に開いて確かめました。書き方の型や例は、筆者の提案です。
例に出てくる会社名・製品名・日付は、すべて架空です。
ページの文字がJavaScriptで後から描かれる場合は、別の記事で扱っています。この記事は、文字が画像・PDF・動画の中に閉じ込められている場合に絞ります。
先に結論:画像・PDF・動画の情報を伝える6つの方針
要点を、先に表にします。
| 番号 | 方針 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 大事な情報は、HTMLの文字でも書く | 画像や動画の中の文字は、正しく読まれるとは限らない |
| 2 | PDFは文字を選べる形にして、タイトルとリンクの文言を整える | Googleは、PDFのタイトルをファイル内の情報とリンクの文言から決めると説明している(2011年の記事) |
| 3 | 画像には、内容に合ったaltを付ける | Googleは、altを画像を理解する手がかりに使う |
| 4 | 図表は、altに要点、本文に詳しい説明を書く | Googleの技術文書向け教材が、この分け方を勧めている |
| 5 | 動画を載せたページに、要約・チャプター・文字起こしを添える | 動画の中身を、ページ上の文字でも伝えられる(筆者の提案) |
| 6 | 料金表とパンフレットは、HTMLのページを正本にして、PDFは写しにする | 質問に合う部分を、ページ単位で見つけてもらいやすくなる(筆者の提案) |
方針の1が土台で、2から5は、媒体ごとの具体的なやり方です。6は、1から5を自社サイトに当てはめた形です。
使った情報源
この記事の公式情報は、Googleの公式ページとYouTubeのヘルプです。
| 情報源 | 確かめた内容 |
|---|---|
| Google検索セントラル「Googleがインデックスできるファイル形式」 | PDFや画像、動画の形式が索引の対象に含まれること |
| Google検索セントラルのブログ「検索結果のPDF」(2011年9月) | PDFの文字、画像、タイトル、重複、noindexの扱い |
| Google検索セントラル「画像SEOのベストプラクティス」 | altの役割、画像の埋め込み方、ファイル名 |
| Google検索セントラル「動画SEOのベストプラクティス」 | 動画の見つけ方、索引の条件、キーモーメント |
| Googleの技術文書向け教材「わかりやすいaltテキストの書き方」 | altの長さ、複雑な図の扱い、装飾画像の扱い |
| Google検索セントラル「検索に出したくない情報を黒塗りする方法」 | 画像や文書に残る、見えない情報への注意 |
| Google検索セントラルの生成AI機能のガイド2本 | AI Overviewsなどに追加の技術要件がないこと |
| YouTubeヘルプ「動画チャプター」 | チャプターを付けるための条件 |
ChatGPTやPerplexityなど、Google以外のAIサービスが画像やPDFをどこまで読むかについては、確かめられた公式の説明がありません。そのため、この記事では「Googleでは」と範囲を限って書きます。
なぜ、画像・PDF・動画の中の情報はAI検索に伝わりにくいのか
検索エンジンは、画像やPDFの文字を読める場合がある
Googleの公式ページには、索引に入れられるファイル形式が一覧になっています。PDF、Word、Excel、PowerPointなどの文書に加えて、画像や動画の形式も含まれています。
つまり、PDFや画像そのものが検索の対象になることは、公式に書かれています。画像の中の文字については、黒塗りの注意を述べた公式ページに、文字認識の技術で検索できる状態になりうるとあります。
読める場合があることと、正しく読まれることは別
ここからは筆者の考えです。文字認識は、文字の大きさ、書体、背景との色の差、表の作りによって、読み間違えることがあります。
たとえば、料金表の桁が1つ抜けたり、表の行と列がずれたりすると、誤った数字が回答の材料になるおそれがあります。読めることを当てにするよりも、最初から文字として書いておくほうが確実です。
Google以外のAIサービスは、確かめられなかった
ChatGPT、Claude、Perplexityなどが、PDFや画像の中の文字を回答に使うかどうかは、確かめられた公式の説明がありません。
分からない以上、どのサービスでも確実に読める形にしておくのが安全です。その形が、HTMLの文字です。
Googleは「特別な追加要件はない」と案内している
Googleは、AI OverviewsやAI Modeに表示されるために、追加の技術要件はないと案内しています。専用の機械向けファイルやAI向けのテキストファイル、特別な構造化データも要らないとあります。
同じ案内に、重要な内容を文字で読める状態にしておくこと、文章を質の高い画像や動画で補うことが、基本として挙がっています。画像と動画は、文章の代わりにはならず、文章を補うものという位置づけです。
PDFを検索とAIに伝わりやすくする
GoogleはPDFを索引に登録できる
Googleの公式ページは、PDFを索引に入れられる形式として挙げています。形式は、ファイルを取得したときの応答のContent-Typeで判定されるとあります。
2011年9月のGoogle公式ブログにも、PDFの扱いがまとまっています。古い記事なので、細かな挙動は今と違う可能性があります。
以降の説明では、2011年の記事に基づく部分に「2011年の記事」と添えます。
文字を選べるPDFかどうかが分かれ目になる
2011年の記事は、パスワードで保護されておらず、暗号化もされていないPDFなら、文字を索引に入れられると説明しています。目安として、PDFの文字をコピーして普通のテキスト文書に貼り付けられるなら、その文字は索引に入れられるはずとも書かれています。
文字が画像として埋め込まれている場合は、文字認識の処理をかけることがある、とされています。PDFは、作られ方で2種類に分けて考えると整理しやすくなります。
| 種類 | 作られ方 | 文字の扱い | 伝わりやすさの見込み |
|---|---|---|---|
| 文字を選べるPDF | WordやPowerPointなどから、PDFとして書き出す | 文字データとして入っている | 高い |
| 画像だけのPDF | 紙をスキャンする、画像をまとめて1つのPDFにする | 文字は画像の一部になっている | 文字認識に頼るため、読み間違いが起きうる |
見込みの列は、2011年の記事の説明をもとにした筆者の整理です。
自分のPDFを見分ける方法
PDFをブラウザやPDFビューアで開き、文字をマウスでなぞって選べるかを試します。次に、ページ内の検索で、本文中の言葉を探してみます。
選べず、検索にも当たらなければ、画像だけのPDFです。その場合は、次の順で対応します。
- 元の制作データを探す。パンフレットなら、デザイナーや印刷会社に元データがないかを尋ね、文字を選べる形で書き出し直してもらう
- 元データがなければ、文字認識の機能を持つ編集ソフトで文字を埋め込む。金額・電話番号・住所は、必ず目で確かめる
- 重要な内容を、HTMLのページに書き起こす(後の節で説明します)
パスワードや暗号化はかけない
公開して読んでほしい資料に、閲覧用のパスワードや暗号化をかけると、2011年の記事の説明では索引に入れられなくなります。
会員向けの資料など、公開しない前提のものは別です。見せたい資料と、見せない資料を分けて管理します。
PDFの中の画像は、索引に入らないとされている
2011年の記事には、PDFの中の画像は、当時は索引に入れていないとあります。画像を検索で見つけてほしいなら、その画像を載せたHTMLのページを作るよう案内されています。
この点が今も同じかどうかは、確かめられませんでした。PDFに入れた写真や図は、HTMLのページにも置いておくのが安全です。
PDFのタイトルは、2つの手がかりで決まる
2011年の記事によると、検索結果に出るPDFのタイトルは、主に2つの要素で決まります。ファイルに入っているタイトル情報と、そのPDFへ向かうリンクの文言です。
Googleは、この2つの両方を整えるよう勧めています。タイトル情報が空欄のままだったり、作業用のファイル名が入っていたりしないかを確かめます。
PDFのタイトル情報は、PDFの文書プロパティで設定できます。WordやPowerPointから書き出す場合は、書き出す前のファイル情報にタイトルを入れておくと、引き継がれることが多いです。
メニューの名前は、ソフトや版によって違います。手元のソフトで、文書のプロパティや文書情報にあたる画面を探してください。
ファイル名とリンクの文言を整える
ファイル名とリンクの文言は、筆者の提案を含みます。リンクの文言は、2011年の記事の説明にある「リンクの文言がタイトルの手がかりになる」点に沿った提案です。
| 項目 | 避けたい例 | 整えた例(架空) |
|---|---|---|
| PDFのタイトル情報 | 作業用の名前、空欄 | サンプル商事 会社案内 2026年度版 |
| ファイル名 | 20260401_final2.pdf | company-profile-2026.pdf |
| リンクの文言 | こちら、ダウンロード | 会社案内(PDF・2026年度版) |
リンクの文言に「こちら」だけを使うと、何の資料か分かりません。資料の名前を、そのまま書きます。
PDFの重複と古い版を整理する
HTMLとPDFに同じ内容があるとき
2011年の記事は、可能なら内容のコピーは1つだけ公開するよう勧めています。難しい場合は、優先する版を示す方法が挙がっています。
優先する版のURLをサイトマップに入れる方法と、正規のURLを指定する方法です。PDFには、HTTPヘッダーのlinkでrel=”canonical”を指定できます。
現在のGoogleの公式ページにも、PDFなど非HTMLの文書に、このヘッダーで正規のURLを伝えられるとあります。ただし、この方法はウェブ検索の結果に対応するもので、サーバーの設定変更が要ります。
制作会社やサーバーの管理者に依頼してください。
古い年度のPDFを残さない
古い年度の料金表やチラシのPDFが残っていると、古い内容が読まれ続けるおそれがあります。これは筆者の推測ですが、AIが古い数字を拾う原因になりえます。
古いPDFへの対応は、次のように選びます。
| やりたいこと | 方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| PDFを完全に消す | サーバーから削除する | 古いURLを知っている人は、読めなくなる |
| 検索に出したくないが、残したい | HTTPヘッダーのX-Robots-Tagにnoindexを指定する | 反映は、Googleが再び取得したときに行われる |
| 新しい版に置き換える | 同じ内容の新しいPDFを用意し、案内のリンクを更新する | 古いURLの扱いを決めておく |
noindexは、robots.txtで止めると読まれない
noindexは、ページの検索結果からの除外を指示する仕組みです。PDFのような非HTMLのファイルには、メタタグを書けないため、HTTPヘッダーで指定します。
Googleは、noindexを効かせるには、そのURLをrobots.txtで止めないよう案内しています。止めていると、Googleがnoindexの指示を読めないからです。
反映までは、数か月かかることもあります。
急いで消したいときは、検索結果の削除を依頼する仕組みがあります。ただし、削除の依頼には期限があるため、ファイルの削除やnoindexと組み合わせます。
PDFと画像に残る「見えない情報」に注意する
見えない文字や履歴が、検索に出ることがある
Googleは、公開する文書や画像に、目に見えない情報が含まれることがあると注意しています。変更履歴、切り取ったはずの画像の元の全体、ファイルに入ったメタデータなどです。
これらは、別の形式に書き出しても残る場合があります。画面で見えない状態でも、検索エンジンや読み上げソフトが読み取れることがあります。
黒い四角を重ねても、黒塗りにならない
文字を小さくする、背景と同じ色にする、画像で覆うといった方法は、人の目には見えなくなっても、黒塗りの代わりになりません。Googleは、黒い四角を文字の上に置く方法を避けるよう案内しています。
見せたくない情報は、専用の黒塗りの機能で、ファイルから完全に取り除きます。画像に埋め込む前に切り取りや加工を済ませ、PNGなどの平らな形式で書き出す手順も、公式ページに載っています。
公開してしまったときの手順
黒塗りが不十分なファイルが検索に出てしまったときの手順を、公式ページから表にまとめます。
| 順番 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | 公開中のファイルを、サイトから取り除く | これ以上の取得を止める |
| 2 | Search Consoleの削除ツールで、検索結果からの削除を依頼する | 検索に出なくする(確認済みのサイトが対象) |
| 3 | 直したファイルを、別のURLで公開する | 古い版が索引に残るのを避ける |
| 4 | そのファイルへのリンクを更新する | 新しいURLにたどり着けるようにする |
| 5 | 同じファイルを載せている他のサイトにも、削除を依頼する | 転載先に残らないようにする |
ファイル名やURLに、人名やメールアドレスを入れないことも、公式ページは勧めています。料金表や契約書の控えを公開する前に、一度確かめてください。
画像のaltを書く
altは、画像を理解する手がかりになる
altは、画像タグに付ける代替テキストです。Googleの画像SEOのページは、画像に付ける追加情報のうち、最も重要なものだと説明しています。
Googleは、altに加えて、画像認識の技術とページの内容を組み合わせて、画像の主題を理解します。画面読み上げソフトを使う人や、通信が遅い環境の人にも、altは役立ちます。
altの書き方の目安
Googleの技術文書向け教材から、書き方の目安を整理します。
- 短い句か、1〜2文で書く
- 「画像」「写真」などの語で始めない。画像であることは、読み上げソフトが伝える
- そのページの文脈で、画像が何を伝えているかを書く
- 装飾だけの画像や、ページの文章と同じ内容の画像は、空のaltにする
- 同じ画像を繰り返し使うときは、altもそろえる
altを付けないと、読み上げソフトがファイル名を読み上げることがある、とも書かれています。画像ごとに、使うか空にするかを決めておきます。
悪い例と良い例
altの例を、表にします。会社名や数字は架空です。
| 画像 | 避けたいalt | 整えたalt(架空の例) |
|---|---|---|
| 施工後の外壁の写真 | alt="画像1" |
alt="築30年の木造住宅の外壁を白に塗り替えた後の様子" |
| スタッフの集合写真 | alt="リフォーム 塗装 外壁 屋根 安い 地域名" |
alt="塗装職人5名が店舗の前に並んだ集合写真" |
| 無料見積もりのバナー(リンク) | alt="バナー" |
alt="無料見積もりの申し込みフォームへ" |
| 見出しの横の飾り | alt="アイコン" |
alt="" |
キーワードを詰め込まない
Googleは、altにキーワードを並べる書き方を、利用者にとって悪い体験になり、スパムと見なされるおそれがあると警告しています。公式ページには、犬の画像に関連語を延々と並べた悪い例が載っています。
公式ページは、altなしとキーワードの羅列を悪い例に挙げています。短い一語を「より良い」、状況が分かる一文を「最良」としています。
リンクになっている画像のalt
画像をリンクにするときは、altがリンクの文言として働きます。Googleは、リンク画像のaltをアンカーテキストとして使うと説明しています。
そのため、バナーのaltには「バナー」と書かず、リンク先で何ができるかを書きます。
imgタグで埋め込み、ファイル名と置き場所を整える
Googleは、画像をimg要素のsrc属性で埋め込むよう案内しています。CSSの背景画像は、索引に入れないと書かれています。
ファイル名は、短くて内容の分かるものが望ましいとされ、公式ページではIMG00023.JPGよりもmy-new-black-kitten.jpgが良い例です。画像は、内容に関係する文章の近くに置きます。
レスポンシブ画像でsrcsetやpictureを使う場合は、代わりのURLをsrc属性に必ず入れておくよう案内されています。
画像の中の文字だけで伝えない
画像の文字は、文字として読まれない前提で考える
Googleの開発者向け文書のスタイルガイドは、文字や、コードの例、ターミナルの出力を画像にせず、実際の文字で書くよう定めています。これは、Googleが自社の文書を書くときの規則です。
検索のための規則ではありませんが、考え方は参考になります。画像に入れた文字は、選べず、ページ内の検索にも当たらないからです。
画像に文字を入れた場合に起きやすいこと
中小企業のサイトでは、次のような作り方をよく見ます。
- トップの大きな画像に、実績や営業時間の文字を入れている
- 営業日のカレンダーや臨時休業の案内を、画像で作って貼っている
- キャンペーンの期間と条件を、チラシの画像だけで告知している
- 地図の画像に、住所や最寄り駅を書き込んでいる
画像に文字を入れること自体は、悪いことではありません。問題は、その情報が画像の中にしかない状態です。
共有用の画像に文字を入れると、使われにくい場合がある
Googleは、ページの代表画像を指定するときの注意として、ロゴのような汎用の画像や、文字の入った画像を避けるよう案内しています。構造化データやog:imageに指定する画像の話です。
代表画像は、検索結果やDiscoverで使われる画像の候補になります。文字入りの画像は、代表画像には向きにくいと考えておきます。
直し方:画像は残して、同じ内容を本文にも書く
画像を作り直す必要はありません。画像のそばに、同じ情報を本文として書きます。
| 画像の内容 | 本文に書くこと(架空の例) |
|---|---|
| キャンペーンのチラシ | 見出し、期間(2026年4月1日〜5月31日)、対象、内容を箇条書きにする |
| 営業日のカレンダー | 通常の営業時間と定休日を文章にし、臨時休業は日付つきの一覧にする |
| 地図 | 住所、最寄り駅からの道のり、駐車場の有無を文章で書く |
| 実績のバナー | 実績の内容と、数字の集計時点を文章で書く |
画像の中の文字が長いときは、altに全部を入れず、本文に書きます。altは「何の画像か」を短く伝える場所です。
図表・グラフ・地図は、本文でも説明する
altに要点、本文に詳しい説明を書く
グラフ、流れ図、地図のように情報量の多い画像は、短いaltだけでは説明しきれません。Googleの技術文書向け教材は、altに短い説明を書き、詳しい説明を本文か別のページに書くよう勧めています。
画像と詳しい説明が離れている場合は、説明のある場所をaltに書く方法も紹介されています。たとえば「ルート図(休憩所の場所は『途中の休憩』の節に記載)」のような書き方です。
古い属性のlongdescは、読み上げソフトの対応が十分でないため、避けるよう書かれています。
グラフは、結論を一文で書く
グラフには、データの表を同じページに載せる方法が挙がっています。そこに、筆者の提案として、グラフから言える結論を一文で書くことを足します。
| 置く場所 | 書くこと(架空の例) |
|---|---|
| alt | 2022年から2026年までの年間導入件数を示す棒グラフ |
| 本文の一文 | 年間の導入件数は、2022年から毎年増え、2026年は2022年の約2倍になりました |
| 本文の表 | 年ごとの件数を、年と件数の2列で並べる |
AIに拾ってほしいのは、グラフの形よりも、グラフから言えることです。結論の一文があれば、そのまま回答の材料にしてもらえます。
表は、画像にせずHTMLの表で作る
比較表やスペック表を、表計算ソフトの画面を撮った画像で貼っている場合は、HTMLの表に作り直します。これは筆者の提案です。
HTMLの表なら、行と列の関係がそのまま伝わります。どのプランに何が含まれるかを、取り違えられにくくなります。
流れ図は、番号つきの手順でも書く
Googleの教材は、フローチャートや図について、図の工程や各部分を本文で説明するよう勧めています。申し込みから納品までの流れを図にしているなら、図の下に番号つきの手順を添えます。
- お問い合わせ(フォームまたは電話)
- オンラインでのヒアリング
- お見積もりの提出
- ご契約と着手
- 納品と確認
内容は架空の例です。図の見た目はそのまま残せます。
画像マップは使わない
Googleの開発者向けスタイルガイドは、画像マップを使わず、画像のあとに文字の参照一覧を置くよう定めています。画像マップは、アクセシビリティの問題があり、ブラウザごとの対応も揃っていないからです。
エリアごとにリンクを貼る日本地図のような作りは、文字のリンク一覧に直せます。
動画の中身を、ページの文字で伝える
Googleが動画を見つける条件
Googleは、video、embed、iframe、objectの各要素で埋め込まれた動画を見つけられると説明しています。URLの断片で動画を読み込む作りは、おおむね対応していないとあります。
JavaScriptで動画を差し込む場合は、URL検査ツールの表示で、描画後のHTMLに動画が出ているかを確かめます。スワイプやクリック、入力といった操作をしないと動画が読み込まれない作りも、避けるよう案内されています。
動画が索引に入るための条件
動画が索引に入るための条件を、公式ページから表にまとめます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 動画を載せたページが索引に入っている | そのページが検索で良好に評価されていることも前提とされる |
| 動画がページに埋め込まれている | 他の要素の後ろに隠れていない |
| 有効なサムネイルがある | 安定したURLで、継続して取得できる |
| 会員限定などの場合 | 有料コンテンツの構造化データを付ける |
ページが索引に入っていても、動画も必ず索引に入るとは限らない、とも書かれています。
専用のページが必要になる場合
動画の機能を狙うなら、動画ごとの専用ページを用意するよう案内されています。ただし、事業にとって意味がある場合に限る、という条件つきです。
公式ページは、専用ページにあたる例と、あたらない例を分けています。
| 専用ページにあたる | 専用ページにあたらない |
|---|---|
| 動画のランディングページ | 埋め込み動画を紹介するブログ記事 |
| テレビ番組の再生ページ | 商品ページの360度動画 |
| ニュース動画の再生ページ | 複数の動画を並べた一覧ページ |
専用ページにあたらないページでも、動画つきの文字結果や画像結果として表示される可能性はあります。サービス紹介のページに動画を埋め込む使い方も、問題はありません。
サムネイルを安定したURLで用意する
動画には、有効なサムネイル画像が要ります。配信の仕組みによってはURLがすぐ失効するため、動画ごとに1つの安定したURLを使うよう案内されています。
サムネイルは、Googleのクローラーが取得できる場所に置きます。robots.txtでの遮断や、ログインの要求は避けます。
動画ファイルを取得できるようにする
動画のプレビューやキーモーメントといった機能には、Googleが動画ファイルを取得できることが必要です。動画のURLを、noindexやrobots.txtで遮断しないよう案内されています。
動画をYouTubeなどの外部サービスに置いている場合は、その動画ファイルへのアクセスを外部サービスが許可しているかも関係します。
キーモーメントと、YouTubeのチャプター
キーモーメントは、動画の区切りに移動できる機能です。Googleは自動で区切りを見つけようとしますが、自分で伝えることもできます。
自分で伝えるときは、構造化データのClipかSeekToAction、またはYouTubeの説明欄を使います。
自分で指定した情報が優先される、と公式ページにあります。YouTubeでチャプターを付ける条件は、YouTubeのヘルプにあります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 最初の時刻 | 00:00 から始める |
| 時刻の数 | 3つ以上を、昇順で並べる |
| 各チャプターの長さ | 10秒以上 |
| 補足 | チャプターを使えない場合は、詳細機能の利用申請が要ると書かれている |
説明欄に時刻と見出しを書く形です。
- 00:00 この動画で分かること
- 01:15 アカウントの作成
- 04:30 初期設定のポイント
- 08:10 よくあるつまずきと対処
要約・チャプター・文字起こしを、ページの文字で添える
ここからは筆者の提案です。公式ページには、動画で話した内容を文字にして読ませる方法の説明が見当たりませんでした。
それでも、動画を載せたページに文字を添えておけば、動画を再生できない環境でも内容が伝わります。
- 要約:動画で何が分かるかを3〜5行で書く
- チャプター:時刻と見出しの一覧にする
- 文字起こし:話した内容を読みやすく整えて載せる
文字起こしは、自動字幕で下書きを作り、固有名詞や数字を人が直す方法が効率的です。折りたたみ表示にする場合も、文字がページのHTMLに入っていることを確かめます。
料金表・会社案内を、画像やPDFだけで公開している場合の直し方
ここが、中小企業のサイトで最も効果を出しやすい部分だと、筆者は考えています。ここまでの内容を、1つのページに当てはめた形です。
よくある状態
- 料金のページを開くと、デザインした料金表の画像が1枚貼ってあるだけ
- 「会社案内はこちら」からPDFが開くが、サイトに会社概要が数行しかない
- サービスの詳細は「パンフレット(PDF)をご覧ください」で済ませている
この状態だと、「このお店の料金は?」「どんな会社?」と尋ねられたときに、答えの材料になる文字がサイトにほとんどありません。
手順1:画像とPDFの中身を、文字に書き出す
料金表やパンフレットに書かれている情報を、まず文字に書き出します。文字を選べるPDFなら、そのままコピーできます。
画像の場合は、文字認識の機能を使うか、手で打ち直します。数字は、元の資料と1つずつ見比べて確かめます。
手順2:料金ページをHTMLの表にする
料金ページは、見出しと表で組み直します。次の表は、組み直した料金ページの例です。
プラン名と内容は架空で、金額の欄は自社の数字を入れる前提にしています。
| プラン | 月額(税込・2026年4月改定) | 含まれる内容 |
|---|---|---|
| ライト | (自社の金額を記入) | 月1回の訪問点検 |
| スタンダード | (自社の金額を記入) | 月2回の訪問点検、電話相談 |
| プレミアム | (自社の金額を記入) | 週1回の訪問点検、電話相談、緊急対応 |
表の下には、料金に含まれないものを書きます。部品の交換費用や、対応エリア外の出張費などです。
書くときの注意点は、次のとおりです。
- 税込か税抜かと、いつ時点の料金かを書く
- 含まれるものと、含まれないものを分けて書く
- 「要相談」の場合も、目安や見積もりに必要な情報を文字で書く
- デザインした料金表の画像は、表の上か下に残してもよい
手順3:会社案内は、項目ごとにページを分ける
パンフレットは、1つのPDFに会社概要、沿革、サービス、実績、代表のあいさつがまとまっていることが多いです。ウェブでは、内容ごとにページや見出しを分けるほうが、質問に合う部分を見つけてもらいやすくなります。
| パンフレットの内容 | 載せる先の例 |
|---|---|
| 会社名、所在地、設立、代表者、事業内容 | 会社概要のページ(表の形式) |
| サービスの説明、特長、対象のお客様 | サービス紹介のページ(サービスごとに見出し) |
| 導入事例、実績 | 事例のページ |
| 代表のあいさつ、理念 | 代表あいさつのページ |
| 対応エリア、営業時間、連絡先 | 会社概要のページとフッター |
ページを分ける考え方は、記事にQ&Aを入れる場合の考え方にも通じます。
手順4:PDFは、印刷用の写しとして残す
PDFは、タイトル情報を入れ、リンクの文言を具体的にして、HTMLのページからリンクします。HTMLとPDFの内容を更新するときは、両方を同時に直すルールを決めておきます。
古い年度のPDFが残っていないかも、このときに点検します。
公開前のチェックリスト
- [ ] 公開しているPDFは、文字を選べて、ページ内検索もできる
- [ ] 文書プロパティのタイトルに、内容の分かる名前が入っている
- [ ] ファイル名が、内容の分かる英数字になっている
- [ ] PDFへのリンクの文言が、資料の名前になっている
- [ ] 公開する資料に、閲覧用のパスワードをかけていない
- [ ] 古い年度の料金表などのPDFが、残っていない
- [ ] 見せたくない情報を、専用の機能で取り除いてある
- [ ] PDFの重要な内容が、HTMLのページにも載っている
画像と図表
- [ ] 内容のある画像には、何を伝えているか分かるaltが付いている
- [ ] altにキーワードを詰め込んでいない
- [ ] 装飾だけの画像は、空のaltになっている
- [ ] リンクになっている画像のaltで、リンク先が分かる
- [ ] 営業時間・料金・キャンペーンの条件が、画像の中だけに書かれていない
- [ ] グラフの結論が、本文に一文で書かれている
- [ ] 比較表や料金表が、画像にせずHTMLの表になっている
動画
- [ ] 動画を載せたページに、要約・チャプター・文字起こしがある
- [ ] 動画のサムネイルが、安定したURLで取得できる
- [ ] 動画ファイルのURLを、robots.txtやnoindexで遮断していない
- [ ] YouTubeの説明欄に、00:00から始まるチャプターを3つ以上入れている
動画の構造化データの書き方は、別の記事にまとめています。
自分のサイトを点検する方法
ページ内検索で、重要な言葉を探す
料金のページを開き、ブラウザのページ内検索で「税込」や「営業時間」などの言葉を探します。見つからなければ、その情報は文字になっていません。
画像を表示しない状態で読む
ブラウザの設定や拡張機能で画像を非表示にして、ページを読みます。それでも必要な情報が読み取れれば、文字で伝わっています。
ページのソースを見て、altを確かめる
ページ上で右クリックし、ページのソースを表示します。画像のタグに、altが入っているかを確かめます。
Search ConsoleのURL検査で、Googleが受け取ったHTMLを見る
Googleは、実装の確認に、Search ConsoleのURL検査ツールを使うよう案内しています。Googleが受け取ったHTMLを見られるため、動画や文字がHTMLに出ているかの確認に使えます。
よくある質問
Q1. PDFを公開するのは、やめたほうがよいですか。
やめる必要はありません。印刷したい人や、社内で回覧したい人には、PDFが便利です。
PDFだけに情報を置かず、HTMLのページにも同じ内容を載せるのがおすすめです。PDFは、文字を選べる形にして、タイトル情報を入れます。
Q2. Googleが画像の文字を読めるなら、altや本文は要りませんか。
要ります。文字認識は読み間違えることがあり、Google以外のAIサービスが画像をどこまで読むかは、確かめられた公式の説明がありません。
altと本文の文字は、画面読み上げソフトを使う人にも必要です。
Q3. altは、どのくらいの長さで書けばよいですか。
短い句か、1〜2文が目安です。長い説明が必要な図表は、altに要点だけを書き、詳しい内容を本文に書きます。
Q4. 動画の文字起こしを全文載せると、ページが長くなります。
要約とチャプターを先頭に置き、全文は折りたたみ表示にする方法があります。折りたたむ場合も、文字がページのHTMLに入っていることを確かめます。
Q5. 料金を公開したくない場合は、どうしたらよいですか。
金額を出さない判断もありえます。その場合も、料金は条件で変わること、見積もりに必要な情報、見積もりまでの流れを、文字で書いておきます。
言える範囲を書いておくと、AIが曖昧な推測で答える場面を減らせると考えられます。
Q6. ChatGPTなどは、PDFの中身を読んでくれますか。
確かめられた公式の説明が見つかっていないため、断定できません。どのサービスで読まれても困らないように、大事な内容はHTMLの文字でも書いておくのが安全です。
まとめ
画像・PDF・動画は作りやすい反面、中の情報がAI検索に文字として伝わりにくいことがあります。Googleが文字認識で処理する場合があっても、正しく読まれる保証はありません。
次の点を意識して、自社サイトを点検してください。
- 大事な情報は、HTMLの文字で書き、画像・PDF・動画は補足にする
- PDFは文字を選べる形にし、タイトル情報とリンクの文言を整える
- 画像には、ページの文脈に合ったaltを付け、キーワードを詰め込まない
- 図表は、altに要点、本文に詳しい説明を書く
- 動画のページには、要約・チャプター・文字起こしを添える
- 料金表とパンフレットは、HTMLのページを正本にして、PDFは写しにする
まずは、料金のページと会社概要のページを開いて、ページ内検索で「料金」「営業時間」「所在地」を探してみてください。見つからない言葉があれば、そこが最初に直す場所です。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
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