「業界の言葉をお客様に毎回説明している」「自社のサービス名の意味が、人によって違って伝わっている」。専門性のある商材を扱う中小企業では、こうした悩みをよく聞きます。
その対策として役に立つのが、用語集や定義ページです。この記事では、定義文の型、ページの分け方、用語どうしのリンク、構造化データの扱い、量産してはいけない理由までを順に説明します。
AI検索とは、GoogleのAI OverviewsやAI Mode、ChatGPTやPerplexityの検索機能のように、AIが検索結果をもとに回答を作る仕組みです。言葉の意味を尋ねる質問は、こうした場面でも身近な質問の形です。
内容は、2026年10月18日にGoogleの公式文書とschema.orgの仕様を開いて確かめました。文例はすべて説明のために作った架空のもので、実在の企業やサービスとは関係ありません。
先に結論 定義文は型で書き、ページは増やしすぎない
結論を、確認できたことと筆者の判断に分けて並べます。
| 論点 | 確認できたこと | 筆者の判断 |
|---|---|---|
| AI機能の技術要件 | 補足リンクになるには、インデックスされ、スニペット付きで表示できることが条件。追加の技術要件はない | 用語集も、読者が意味をすぐ確かめられるページとして作る |
| 構造化データ | AI機能のために、特別なschema.orgの構造化データを足す必要はない | DefinedTermは、入れても入れなくてもよい任意の作業 |
| 検索ギャラリー | Googleの構造化データ一覧に、DefinedTermとDefinedTermSetは載っていない | 検索結果の見た目が変わることは期待しない |
| 量産 | 付加価値のないページを大量に作る行為は、スパムポリシーの対象になりうる | 用語の数を目標にしない |
公式が言っていること
Googleは、AI Overviewsなどの補足リンクになる条件を、通常の検索の技術要件を満たすことと説明しています。AI専用のファイルやマークアップは、必要ないとされています。
この説明は、Googleの「AI features and your website」というページに書かれています。2026年10月18日の時点で、本文の更新日は2025年12月10日でした。
この記事の立場
定義が明確で、読者がその場で意味を確かめられるページは、人にとっても機械にとっても扱いやすい。これが筆者の考えです。
AIが実際にどの文章を選ぶのかは、公式資料から確かめられませんでした。そのため、定義文の型は、読者に伝わる文章の作り方として紹介します。
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文章の書き方は、引用されやすい段落の作りで扱っています。
構造化データ全般は、中小企業の構造化データ入門にまとめました。
この記事は、用語集と定義ページに絞って説明します。
「〇〇とは」に答えるページが役に立つ理由
言葉の意味を確かめる場面は多い
お客様は、知らない言葉に出会うと、まず意味を調べます。検索窓に入力する人もいれば、AIに「〇〇とは何ですか」と尋ねる人もいます。
その入り口にあたるページに、言い切った定義が1文あれば、読者はそこで迷いが解けます。定義があいまいで説明があちこちに散らばっていると、別のサイトの説明が読まれることになります。
Googleが求める技術面は通常の検索と同じ
Googleの文書によると、AI Overviewsなどの補足リンクになる条件は、ページがインデックスされ、スニペット付きで表示できることです。AI機能のための追加の技術要件はないと明記されています。
同じ文書は、基本のSEOがそのまま役に立つとして、いくつかの項目を挙げています。robots.txtやCDNでクロールを許可すること、内部リンクで見つけやすくすること、重要な内容を文字で用意することなどです。
用語集の作り方は、この基本の延長にあります。特別な裏技を探す必要はありません。
社内の説明が楽になる
用語集には、検索やAIとは別の効果もあります。営業やサポートの担当者が、URLを送るだけで言葉の意味を説明できるようになります。
社内でも、同じ言葉を同じ意味で使うための基準になります。新しく入った人への教育資料としても使えます。
用語集が向かないケース
用語集は、すべての会社に必要なページとは限りません。お客様が意味を尋ねる専門用語がほとんどない業種では、作る手間に見合わないことがあります。
その場合は、サービス紹介ページの中で、言葉の意味を一言添える方法で足ります。次の章から、作ると決めた場合の進め方を説明します。
定義文の型 「〇〇とは、△△のために□□する××のこと」
定義文は、次の型で書くと、短くても情報が欠けにくくなります。
〇〇とは、△△のために□□する××のことです。
4つの部品の意味を、表で整理します。
| 部品 | 意味 | 書くときの問い |
|---|---|---|
| 〇〇 | 定義する用語 | 読者が検索する表記は何か |
| ×× | 何の仲間か(上位の分類) | 手法、書類、指標、サービス、設備のどれか |
| □□ | 何をするか(働きや特徴) | 同じ仲間のほかのものと何が違うか |
| △△ | 何のためか(目的) | 誰が、どんなときに使うか |
いちばん大切なのは「何の仲間か」
4つの中で最初に決めたいのは、××にあたる分類です。分類がないと、読者は、それが物なのか、作業なのか、数字なのかを判断できません。
たとえば「リードタイム」を「期間のこと」と言い切れば、読者は時間に関する言葉だと分かります。ここに「働き」と「目的」を足すと、定義として完成します。
1文目のあとに足す4つの補足
1文で言い切ったら、用語に合わせて、次の補足から必要なものを選んで足します。
- 具体例:「たとえば〜の場合、〜します」
- 似た用語との違い:「△△と混同されやすいですが、〜である点が異なります」
- 数字や条件:根拠のある数字だけを書く
- 自社での使い方:「当社では〜の意味で使っています」
補足は2文目以降に置きます。すべてを入れる必要はありません。
1文目に詰め込まない
1文目に条件や例外を詰め込むと、何の定義なのかがぼやけます。最初に言い切り、補足は後ろに回します。
言い切る文は短いほど、読者も拾いやすくなります。目安として、1文は90文字以内に収めます。
避けたい書き方
定義文には、読者を迷わせる典型的な型があります。
- 「〇〇とは、〇〇することです」のように、同じ言葉で説明する循環した定義
- 「一概には言えません」で始まり、答えが3段落目にある構成
- 宣伝文句だけが並び、用語の意味が書かれていない定義
- 「業界初」「最高水準」など、根拠を示せない言葉
最後の項目は、定義文に限らず、事実を伝えるページ全般で避けたい書き方です。
書き換え例 悪い例と良い例
型を当てはめた書き換え例を、2つ紹介します。文例は、すべて説明のために作った架空のものです。
例1 分類がなく、何の話か分からない
| 文章 | |
|---|---|
| 悪い例 | リードタイムは、ものづくりにおいてとても重要です。短ければ短いほどお客様に喜ばれます。当社では業界トップクラスのスピードを実現しています。 |
| 良い例 | リードタイムとは、注文を受けてから商品をお客様に届けるまでにかかる期間のことです。製造業では、材料の調達、加工、検品、出荷にかかる日数を合計して示すことが多い言葉です。 |
悪い例には、定義がありません。重要だと述べるだけで、読者は言葉の意味を知ることができません。
良い例は、1文目で分類(期間)と範囲を言い切っています。そのあとに、数え方の説明を続けました。
良い例には、もう1文足せます。始まりと終わりをどの時点にするかは会社によって違うため、見積書では起点と終点を確認するよう添える書き方です。
例2 略語の正式名称と意味がない
| 文章 | |
|---|---|
| 悪い例 | MOQについてはお問い合わせください。商品によって異なります。 |
| 良い例 | MOQ(Minimum Order Quantity、最小発注数量)とは、1回の注文で受け付ける最も少ない数量のことです。仕入れ先が、製造や梱包の効率を保つために設定します。 |
略語は、正式名称と日本語訳を、最初に1回書きます。「お問い合わせください」だけでは、読者も機械も意味を知ることができません。
良い例の2文目は、目的を補っています。誰がなぜ決めるのかが分かると、読者は交渉の余地があるかを推測できます。
例3 自社だけの言い回しで説明している
| 文章 | |
|---|---|
| 悪い例 | 当社のサンプル方式とは、独自のノウハウを活かした、他社にはない取り組みです。 |
| 良い例 | 当社のサンプル方式(架空の名称)とは、注文の前に、少量の試作品を無料で見ていただく進め方のことです。 |
悪い例は、何をするのかが書かれていません。「独自」「他社にはない」は、読者が確かめられない言葉です。
良い例は、何を、いつ、どうするのかを書きました。独自の名称でも、中身を一般的な言葉で言い換えると、読者に伝わります。
定義文を1文だけ切り出して読む
書き上げた定義文は、その1文だけを切り出して読み、意味が通じるかを確かめます。前後の文章が見えなくても、何の仲間で、何のためのものかが伝わる文が理想です。
「これ」「同社」「上記」のような指示語が入っていれば、用語名や固有名詞に書き直します。ページの一部だけが読まれる場面を想定した、簡単な点検です。
悪い例に共通する3つの特徴
3つの悪い例には、共通点があります。分類がない、目的がない、読者が確かめられる事実がない、の3つです。
定義文を書いたら、この3点を自分で読み返してみてください。1つでも欠けていれば、書き直しの合図です。
1用語1ページか、1ページにまとめるか
すべての用語に、個別のページを作る必要はありません。次の表を目安に、2つに分けます。
| 個別ページにする用語 | 1ページの用語集にまとめる用語 |
|---|---|
| 実際に「〇〇とは」で調べられている | 記事や資料で補足的に出てくるだけ |
| 図、手順、比較、具体例が必要で、説明が長くなる | 1〜3文で十分に説明できる |
| 自社の商品やサービスに直結している | 一般的な言葉で、自社ならではの説明がない |
| 似た用語との違いをよく聞かれる | 似た用語と混同されることがほとんどない |
迷ったら、まず1ページの用語集で公開します。説明が足りない用語だけを、あとから個別ページに切り出すのが安全です。
最初から数百の個別ページを作ると、中身の薄いページが大量にできてしまいます。この点は、後の章で詳しく説明します。
1ページの用語集の作り方
1ページにまとめる場合は、次の形を基本にします。
- 五十音順などで並べ、ページの上部に索引(ア行、カ行など)を置く
- 各用語を見出し(H3など)にして、ページ内リンク用の名前(アンカー)を付ける
- 各用語の最初の1文を、定義文の型で書く
- 用語が多いときは、「発注に関する用語」のように分類で見出しを分ける
アンカーとは、ページ内の特定の場所へ直接移動するための目印です。URLの末尾に「#lead-time」のように付けて使います。
アンカーの限界を知っておく
アンカーを付けると、読者はその用語の位置へ直接移動できます。社内の資料や記事から、特定の用語へリンクするときにも便利です。
一方、Googleは、URLの「#」以降(フラグメント)について、ページの内容を切り替える目的で使わないよう案内しています。そして、検索では一般にフラグメントには対応していないと説明しています。
この説明から、1ページの用語集のなかの個々の用語は、検索結果では別々のURLとして扱われにくいと考えられます。用語ごとに独立した検索結果を狙いたいときは、個別のURLを持つページが必要になります。
個別の定義ページの作り方
個別ページは、次の順に組み立てます。
- 「〇〇とは」の見出し
- 定義文と、補足の2〜3文
- 具体例や図
- 似た用語との違い(表)
- 自社での使い方
- 関連用語へのリンク
- 更新日と、内容を確認した担当者
冒頭の定義文だけで、答えが分かるように書くのがポイントです。ページ全体の見出しの付け方は、見出し単位で伝わるページ構成でも説明しています。
用語どうしのリンクの張り方
定義文の中の用語をリンクする
定義文に別の専門用語が出てきたら、その用語の定義へリンクします。読者は、知らない言葉をその場で確かめられます。
Googleのリンクに関する文書によると、Googleがたどれるリンクは、一般に、href属性を持つa要素に限られます。リンクの文言(アンカーテキスト)は、内容が分かる具体的で簡潔な言葉にするよう勧められています。
用語集では、用語名そのものをリンクの文言にするのが、いちばん自然です。次は、検品という用語へリンクした例です。
<p>リードタイムとは、注文を受けてから商品を届けるまでの期間のことです。
材料の調達、加工、<a href="/glossary/#inspection">検品</a>、出荷にかかる日数を合計して示します。</p>
「こちら」「詳しくはこちら」を避ける
同じ文書は、「Click here」や「Read more」のような汎用的な文言を、悪い例として挙げています。リンクの文言だけを読んで、行き先が分かるかを確かめるよう勧めています。
用語集でも同じです。「詳しくはこちら」とせずに、「検品の定義」のように、行き先の内容が分かる言葉にします。
リンクしすぎない
出てくる言葉をすべてリンクすると、かえって読みにくくなります。同じ用語へのリンクは、その定義の中で最初に出たところの1回にとどめます。
読者が知らない可能性の高い用語だけを選んで、リンクを張ります。残りは、定義の最後に「関連用語」の欄を設けて、まとめます。
記事や商品ページからも用語集へリンクする
ブログ記事、商品ページ、よくある質問のページでも、専門用語が初めて出るところから用語集へリンクします。
どこからもリンクされていない孤立したページは、読者にも検索エンジンにも見つけてもらいにくくなります。用語集は、サイト内の言葉の辞書として、あちこちから参照される場所に育てます。
用語集への入り口を決める
用語集のトップページは、ヘッダーやフッターのメニューから1クリックで開ける場所に置きます。
営業資料やメールの署名にも、用語集のURLを入れておくと、お客様が自分で調べる助けになります。
同義語・略語・英語表記の扱い
ページは分けず、1つの定義にまとめる
同じ意味の言葉ごとに定義ページを作ると、中身がほぼ同じページが並びます。どれが正式な説明なのか、読者にも検索エンジンにも分からなくなります。
代表の表記を1つ決めて定義を書き、ほかの表記は「別名」として本文に載せます。
| 項目 | 書き方の例(架空) |
|---|---|
| 見出し | MOQ(最小発注数量) |
| 別名 | 最低発注数量、最低ロット、Minimum Order Quantity |
| 定義文 | MOQとは、1回の注文で受け付ける最も少ない数量のことです。 |
代表表記の決め方
代表の表記は、お客様が実際に使っている言葉を優先します。問い合わせメールや、社内に残っている相談の記録を見ると、よく使われる表記が分かります。
業界団体や公的機関の資料で使われている表記も、判断の材料になります。社内の呼び方が業界の呼び方と違うときは、業界の呼び方を代表にします。
1ページの用語集では、別名も索引に載せます。「最低ロット → MOQを参照」のように、代表の表記へ案内します。
すでに重複ページがあるときの直し方
同じ意味の用語ページがすでに複数あるときは、内容を代表のページに統合します。古いURLからは、代表のページへ転送(リダイレクト)します。
Googleの文書によると、重複するページの代表を伝える方法には強さの順があります。転送が強いシグナル、rel=”canonical”も強いシグナル、サイトマップへの記載は弱いシグナルとされています。
ただし、Googleは別の文書で、正規URLの指定は「ヒント」であり、ルールではないと説明しています。Googleが、こちらの指定と違うページを選ぶこともあります。
転送できないときは、rel=”canonical”で代表のページを示す方法があります。まず転送を検討するのが、確実な順番です。
自社独自の用語を作るときの注意
独自のサービス名や手法名は、ほかとの違いを伝えるのに役立ちます。一方で、読者はその言葉をまだ知りません。
説明の仕方を誤ると、誤解されたり、読み飛ばされたりします。
一般的な言葉とセットで定義する
独自用語を定義するときは、××(何の仲間か)に、一般的な言葉を入れます。次は、架空の名称を使った例です。
〇〇メソッド(架空の名称)とは、問い合わせの記録からよくある質問のページを作るための、当社の進め方のことです。
一般的な「よくある質問の作成」の手順に、問い合わせの分類方法と更新の担当ルールを加えたものだと説明を続けます。
「一般的な△△の一種」と書けば、読者は、すでに知っている知識と結び付けて理解できます。
一般用語を自社の意味で上書きしない
広く使われている言葉を、自社だけ別の意味で使うのは避けます。意味の範囲が違うときは、違いをはっきり書きます。
たとえば「当社の検品には、一般的な検品に加えて、梱包の確認も含まれます」と書けば、読者は範囲の違いを理解できます。
表記をそろえ、誇張しない
独自用語は、全角と半角、カタカナと英字、スペースの有無まで、サイト全体で1つの表記にそろえます。表記が揺れると、同じものだと気付いてもらえません。
「業界初」「No.1」のような宣伝文句は、定義文に入れません。定義文は、意味を伝える文章です。
構造化データ DefinedTermは入れるべきか
schema.orgにある用語のための型
schema.orgは、構造化データの語彙を公開しているプロジェクトです。用語集のための型として、DefinedTermとDefinedTermSetが用意されています。
| 型・プロパティ | schema.orgでの説明 |
|---|---|
| DefinedTerm | 正式な定義を持つ語、名称、略語、語句。用語集や辞書の文脈でよく使われる |
| DefinedTermSet | 用語の集まり。分類体系、用語集、辞書、列挙など |
| name | 定義する用語を書く |
| description | 用語の定義を書く |
| hasDefinedTerm | 用語の集まりに含まれる用語 |
| inDefinedTermSet | その用語を含む用語の集まり |
| termCode | 用語の集まりの中で、その用語を識別する英数字のコード |
| alternateName | 別名(すべての型で使える) |
Googleの検索ギャラリーには載っていない
Googleは、検索結果の表示を変える構造化データの一覧を、検索ギャラリーとして公開しています。2026年10月18日の時点で、この一覧にDefinedTermとDefinedTermSetは載っていませんでした。
したがって、マークアップを入れても、用語に関する特別な表示が出ることは期待できません。前に紹介したとおり、Googleは、AI機能のために特別な構造化データを足す必要はないとも説明しています。
DefinedTermを入れれば、AI検索に引用されやすくなる。そう言える根拠は、公式資料からも、筆者の調べた範囲でも見つかりませんでした。
それでも入れるなら
Google以外のサービスが、この型をどう使うのかは、公開された情報から分かりません。そのため、入れるかどうかは任意です。
入れるなら、守ることがあります。Googleの構造化データのポリシーは、読者に見えない内容をマークアップしないよう求めています。
そのため、ページに表示している用語と定義を、そのまま書きます。
次は、1ページの用語集に付ける例です。URLと用語は、すべて架空です。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "DefinedTermSet",
"name": "製造・物流用語集",
"url": "https://www.example.com/glossary/",
"hasDefinedTerm": [
{
"@type": "DefinedTerm",
"name": "MOQ(最小発注数量)",
"alternateName": ["最低発注数量", "最低ロット"],
"description": "MOQとは、1回の注文で受け付ける最も少ない数量のことです。",
"url": "https://www.example.com/glossary/#moq"
},
{
"@type": "DefinedTerm",
"name": "リードタイム",
"description": "リードタイムとは、注文を受けてから商品をお客様に届けるまでにかかる期間のことです。",
"url": "https://www.example.com/glossary/#lead-time"
}
]
}
この記述は、JSON-LDという書き方です。ページ内のscript要素(種類はapplication/ld+json)の中に入れます。
構造化データを入れるなら、先にOrganizationなど、Googleが対応している型を整えるほうが、効果を確かめやすくなります。全体像は、中小企業の構造化データ入門で説明しています。
薄いページを量産しないための注意
Googleのスパムポリシーが挙げている行為
Googleのスパムポリシーには、「大量生成コンテンツの不正使用(scaled content abuse)」という項目があります。主に検索順位を操作する目的で、読者にほとんど価値のないページを大量に作ることを指します。
ポリシーは、作り方を問わないとしています。2024年3月のGoogleの告知でも、自動化、人手、その組み合わせのどれで作ったかは問わないと説明されました。
ポリシーが挙げている例は、次のとおりです。
- 生成AIなどのツールで、読者への付加価値がないまま、多数のページを作る
- ほかのサイトの内容を、同義語への置き換えや翻訳などの自動変換で加工し、多数のページを作る
- 複数のページの内容を、付加価値なくつなぎ合わせる
用語集は、この落とし穴にはまりやすいページです。辞書と同じ内容を機械的に量産すると、これらの例に近づきます。
誘導ページにも注意する
スパムポリシーには、誘導ページ(doorway abuse)という項目もあります。似た検索語句のためにページを作り、最終的な行き先より役に立たない中継のページへ人を導く行為です。
検索語句ごとに、ほぼ同じ内容の用語ページを作って、1つのページへ案内するだけの作りは、これに近づきます。同義語は、前の章のとおり、1つの定義にまとめます。
量産にならないための問い
個別ページを作る前に、次の4つの問いに答えてみてください。
- その用語について、自社だからこそ書ける説明(現場の具体例、自社の経験、よくある誤解)があるか
- 一般的な辞書やほかのサイトを読めば済む内容になっていないか
- 実際に、お客様が意味を聞いてきた、または検索している用語か
- 担当者が内容を確認し、誤りがあれば直せる体制があるか
どれにも当てはまらない用語は、個別ページにしません。1ページの用語集に短く載せるか、載せない判断をします。
AIで下書きを作るときの注意
Googleの生成AIに関する文書は、生成AIが、題材の調査や、元の内容に構造を足すことに役立つ場合があるとしています。一方で、読者への付加価値なしに多数のページを作ると、スパムポリシーに違反するおそれがあるとしています。
下書きにAIを使う場合は、社内の専門家が内容を確認します。そのうえで、自社の具体例を足してから公開してください。
作成の手順
作業の流れを、図にまとめます。
手順1 用語を集める
問い合わせメール、営業の議事録、見積書から、お客様に意味を聞かれた言葉を書き出します。社内で説明に困った言葉も、候補に入れます。
手順2 代表表記と別名を決める
集めた言葉のなかで、同じ意味のものをまとめます。お客様がよく使う表記を代表にして、残りは別名として控えます。
手順3 ページの分け方を決める
前の章の表を使って、個別ページにする用語と、1ページの用語集に載せる用語に分けます。
手順4 定義文を書き、現場に確認してもらう
型に沿って定義文を書きます。書いた文章は、現場の担当者に読んでもらい、言葉の使い方が実態と合っているかを確かめます。
手順5 リンクを張り、見直す日を決める
用語どうしのリンクと、記事や商品ページからのリンクを張ります。見直しの周期は、半年に1回など、あらかじめ決めておきます。
公開前のチェックリスト
公開前に、次の表で確認します。
| 区分 | 確認すること |
|---|---|
| 定義文 | 1文目が「〇〇とは、〜のことです」で言い切られている |
| 定義文 | 1文目に、何の仲間か(分類)が入っている |
| 定義文 | 1文目に、何のためか、または何をするかが入っている |
| 定義文 | 循環した定義になっておらず、その部分だけ読んでも意味が分かる |
| 定義文 | 根拠のない数字や「業界初」などの宣伝文句がない |
| ページ構成 | 個別ページと1ページの用語集を、基準に沿って分けた |
| ページ構成 | 同義語、略語、英語表記を1つの定義にまとめ、別名として書いた |
| ページ構成 | 同じ意味のページが複数ある場合は、統合して転送した |
| リンク | 定義文に出てくる別の専門用語から、その定義へリンクした |
| リンク | リンクの文言が用語名で、「こちら」のような汎用的な言葉ではない |
| リンク | 記事、商品ページ、よくある質問のページから、用語集へリンクした |
| 独自用語 | 一般的な言葉とセットで定義し、表記をサイト全体でそろえた |
| 品質 | 各用語に自社ならではの情報があり、担当者が内容を確認した |
| 構造化データ | 入れる場合は、ページに表示している内容と一致している |
よくある失敗
用語の数を目標にしてしまう
「用語ページを大量に作れば、流入が増える」と考えて、辞書と同じ内容を量産するケースです。Googleのスパムポリシーに近づくうえ、読者の役にも立ちません。
数を目標にせず、お客様が実際に意味を聞いてくる言葉から始めます。
定義が長く、答えが遠い
最初の段落で背景や歴史を語り、定義が3段落目に出てくるケースです。読者は、知りたい答えを探して離れてしまいます。
1文目に定義を置き、背景は後ろに回します。
社内の言葉をそのまま載せる
社内でしか通じない略称や、社内の呼び方をそのまま見出しにするケースです。お客様が調べる言葉と合っていないため、見つけてもらえません。
見出しには、お客様が使う表記を使い、社内の呼び方は別名に入れます。
載せたまま更新しない
商品の仕様や社内の制度が変わったのに、用語集が古いままのケースです。古い定義は、お客様の誤解を生みます。
更新日をページに書き、見直しの周期を決めておきます。更新の流れは、記事テンプレートの公開後の見直しも参考になります。
よくある質問
Q1. 用語集には、何語くらい載せればよいですか?
決まった数はありません。お客様が実際に意味を聞いてくる言葉から始めます。
数を目標にすると、薄いページが増えやすくなります。筆者の判断としては、最初は少ない語数で公開し、問い合わせの内容を見ながら増やす進め方が安全です。
Q2. 一般的な用語は、辞書と同じ説明になってしまいます。載せる意味はありますか?
一般的な定義だけなら、載せる意味は小さいと考えます。業界での使われ方、現場の具体例、お客様がよく誤解する点など、自社の経験から書ける情報を足すことで価値が生まれます。
足せる情報がない用語は、短い説明にとどめるか、載せない判断もあります。
Q3. DefinedTermの構造化データは入れたほうがよいですか?
必須ではありません。Googleの検索ギャラリーに掲載はなく、Googleは、AI機能のために特別な構造化データは不要としています。
入れる場合は、ページに表示している内容と一致させてください。
Q4. 独自用語を作れば、AIが覚えて答えてくれますか?
保証はありません。AIの説明が、何を材料に作られるのかは、公式資料から確かめられませんでした。
まず自社のサイトで、一般的な言葉とセットで明確に定義し、表記を統一することが出発点です。
Q5. 用語集を1ページにまとめると、検索で不利になりますか?
不利になると言い切れる資料は、見つかりませんでした。ただし、Googleは一般にURLのフラグメントに対応していないため、1ページの中の個々の用語は、別々のURLとしては扱われにくいと考えられます。
個々の用語で調べられたい場合は、重要な用語だけを個別ページに切り出す方法があります。
まとめ
用語集と定義ページは、「〇〇とは」と調べる読者に、短く正確に答えるページです。営業やサポートの説明を楽にする道具にもなります。
AI検索のための特別な技術はありません。Googleの説明するとおり、インデックスされ、スニペット付きで表示できる状態を保ち、読者に分かりやすく書くことが基本です。
- 定義文は、分類と目的を入れて1文で言い切る
- 個別ページは、本当に必要な用語だけにする
- 同義語、略語、英語表記は、1つの定義に集める
- 用語どうしは、用語名でリンクする
- 独自用語は、一般的な言葉とセットで定義する
- DefinedTermは任意で、数を増やすことは目的にしない
まずは、最近の問い合わせメールを読み返し、意味を聞かれた言葉を10個書き出すところから始めてください。
参照した公式文書と仕様
2026年10月18日に確認しました。
- Google検索セントラル、AI Features and Your Website(developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features)
- Google検索セントラル、スパムポリシー(developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies)
- Google検索セントラル、2024年3月のコアアップデートとスパムポリシーの告知
- Google検索セントラル、生成AIコンテンツの利用に関するガイダンス
- Google検索セントラル、リンクをクロール可能にする方法(developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/links-crawlable)
- Google検索セントラル、重複URLの統合と正規化に関する文書
- Google検索セントラル、URL構造のベストプラクティス
- Google検索セントラル、構造化データの一般的なポリシーと検索ギャラリー
- schema.org、DefinedTerm と DefinedTermSet の定義ページ
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
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