Googleアナリティクス(GA4)を入れる。広告の成果を測るタグを貼る。
問い合わせ用のチャットツールを置く。
どれも、いまの中小企業のサイトではごく普通のことです。
ただ、これらの多くは「訪問者のブラウザから、自社以外の会社へ情報を送る仕組み」です。
2023年6月16日に、この送信を利用者に知らせるルールが始まりました。電気通信事業法の外部送信規律です。
「うちのサイトも対象なのか」「何を公開すればいいのか」と迷う担当者は少なくありません。
この記事は、対象になるかの考え方、公表ページの作り方、個人情報保護法との関係、タグの棚卸しとプライバシーポリシーの見直しまでを、手順にまとめた手引きです。
総務省、個人情報保護委員会、Googleの公式ページは、2026年10月17日に開いて確かめました。制度や画面は変わることがあるため、実施の前に最新の公式情報を見てください。
この記事は一般的な情報提供です。個別の会社が対象になるかを判断するものではありません。
先に結論 対象かを確かめ、棚卸しをして、公表する
最初に、進める順番を表にまとめます。
| 順番 | やること | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 自社サイトの中身を整理する | 会社案内だけか、情報提供やコミュニティ機能もあるか |
| 2 | 外部送信規律の対象かを確かめる | 総務省のFAQで、ページごとに確かめる |
| 3 | 動いているタグを棚卸しする | 制作会社の記憶に頼らず、実際の通信を見る |
| 4 | 公表ページを作り、リンクを置く | 日本語で、平易な言葉で書く |
| 5 | プライバシーポリシーと突き合わせる | 食い違いがないようにする |
| 6 | 更新の担当と時期を決める | タグを足すたびに見直す |
対象かどうかに迷ったときも、手順3から先は同じ作業です。
対象外と判断できても、送信内容を整理して公開しておくことは、訪問者への説明として役に立ちます。
そもそも外部送信とは何か
タグを貼ると、訪問者のブラウザが外部へ情報を送る
タグとは、ページに埋め込む短いプログラムです。
ページを開いた人のブラウザが、タグの指示に従って、Googleや広告会社などのサーバーに情報を送ります。
送られる情報の例は、次のとおりです。
- 見ているページのURLと、見た日時
- 直前に見ていたページ
- ブラウザの種類やOS、画面の大きさ
- IPアドレス
- Cookie(ブラウザに保存される小さなデータ)に入った、識別用のID
GA4の公式ヘルプには、クライアントIDを「_ga」という名前のCookieに保存すると書かれています。
既定で集められる情報は、ユーザー数、セッションの統計、おおよその位置情報、ブラウザとデバイスの情報です。
Googleが示す、送信される情報の種類
Googleは、外部送信規律の通知や公表の参考になるページを、事業者向けに公開しています。
Googleアナリティクスについて、次の情報が送られると整理されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 送信先 | Google LLCとその関係会社 |
| 送られる情報 | 通信に通常使われるシステム・デバイス・ネットワークの情報、位置情報、サイトやアプリ上での行動データ、閲覧ページのデータ、ユーザー識別子(Cookie、端末識別子など) |
| 利用目的 | 利用者による閲覧の傾向や履歴の分析 |
このページには、2023年6月16日時点の情報に基づくという注記があります。
設定によっては、表にない情報も送られます。自社の設定を必ず確かめてください。
外部送信規律が求めることは単純
総務省の案内ページによると、求められるのは、利用者が確認できる機会を与えることです。
方法は、次の4つのうちのどれかです。
| 方法 | 中身 |
|---|---|
| 通知 | ポップアップなどで、利用者に知らせる |
| 公表 | 利用者が容易に知り得る状態に置く |
| 同意 | 利用者の同意を得る |
| オプトアウト | 利用者の求めに応じて、送信や利用を止める |
通知か公表のときに示す事項は、3つです。
- 送信される利用者に関する情報の内容
- その情報を取り扱う者の氏名または名称
- その情報の利用目的
つまり、同意バナーは必須ではありません。
公表ページを作り、分かりやすい場所からリンクする方法が、現実的な対応です。
ただし、個人情報保護法やGoogleの規約が、別に同意を求めることはあります。後の章で触れます。
この記事の範囲
扱うこと
- 外部送信規律の対象になるかの考え方
- 公表ページの作り方と記載例
- 個人情報保護法との関係
- タグの棚卸しの手順
- プライバシーポリシーの見直しと、Google側の要件
扱わないこと
- 個別の会社が対象になるかの法的な判断
- 海外の法令への対応
- 同意管理ツール(CMP)の製品比較
判断に迷うときは、総務省の窓口や専門家に相談してください。
自社サイトは対象になるのか
外部送信規律は、すべてのサイトに一律にかかるルールではありません。ここが、いちばん迷うところです。
対象になるのは4種類のサービス
総務省のFAQ(問1-9)によると、対象は次の4種類のサービスです。ブラウザやアプリを通じて提供されるものに限られます。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| メッセージの媒介 | メール、ダイレクトメッセージ、参加者を限定したWeb会議システム |
| SNSなど | SNS、電子掲示板、動画共有サービス、オンラインショッピングモール |
| オンライン検索 | Web全体を対象にした検索サービス |
| 各種情報のオンライン提供 | ニュース配信、気象情報、動画配信、地図 |
規律を負う事業者は、電気通信事業者か、第三号事業を営む者です(問1-8)。第三号事業とは、登録や届出が要らない電気通信事業のことです。
自社商品の販売や会社案内は、対象外
FAQの問1-12と問1-13では、小売業者が自社サイトで自社の商品を売る場合は、電気通信事業に当たらないとされています。
実店舗がなく、Webだけで売っている場合も同じです。
総務省の案内ページにも、企業のホームページ運営や個人ブログは電気通信事業に当たらず、対象にならないと書かれています。
FAQには、次の整理もあります。
- サービスの案内ページは、対象外(問1-18)
- 来店予約のページは、対象外(問1-19)
- ユーザーサポートページやポータルは、元のサービスが対象なら対象(問1-18)
対象かどうかは、ページごとに考える
FAQの問2-12では、同じサイトの中でも、ページによって扱いが分かれると説明されています。
ニュース配信のページは対象です。同じサイトの会社案内のページは、自社の情報発信なので対象になりません。
つまり、サイト全体を一括して判断せずに、提供している役務ごとに確かめます。
中小企業のサイトでの迷いどころ
典型的なサイトに当てはめると、次のように整理できます。
| サイトの中身 | 考え方の目安 |
|---|---|
| 会社概要、サービス紹介、採用情報、問い合わせフォーム | 自社の情報発信なので、対象外と考えられる |
| 自社商品のECサイト | FAQの問1-12と問1-13により、対象外 |
| 複数の出品者が売るモールやマッチングの場 | FAQの問1-14と問2-6により、対象 |
| 求人・転職の情報提供サイト | FAQの問2-7により、対象 |
| 会員同士の交流の場、口コミの投稿機能 | SNSや電子掲示板に当たるかを確かめる |
| 他社や業界のニュースを継続して配信するメディア | 各種情報のオンライン提供に当たるかを確かめる |
自社の商品や考え方を伝える記事が中心のオウンドメディアは、企業のホームページ運営に近い位置にあります。
一方で、他社や業界の情報を広く配信するサイトは、ニュース配信に近づきます。境界は、公式資料で確かめてください。
勘違いしやすい3つの点
総務省のFAQには、よくある勘違いに答える項目があります。
- Cookieを使っていなくても、外部へ情報を送るプログラムを送っていれば、規律の対象になりうる(問1-7)
- ニュース配信は、利用者が少なくても対象になる(問1-11)
- 運営者自身のサーバーへの送信も、「利用者以外の者の電気通信設備」への送信に含まれる(問1-16)
対象外でも、公表しておくと安心
対象外と判断できたときでも、送信内容を公開しておくことをおすすめします。
判断を誤って、実は対象だったという場合の備えになるからです。また、後で説明するGA4の利用規約では、規律の対象かどうかにかかわらず、Cookieなどの開示が求められています。
総務省に確認したいとき
総務省の案内ページには、問い合わせ先として、総合通信基盤局 電気通信事業部 利用環境課が載っています。電話番号は03-5253-5847です。
FAQは順次追加されます。最新版を確認してから問い合わせると、話が早く進みます。
公表しなくてよい送信
外部送信規律には、例外があります。総務省の案内ページでは、次の4つが示されています。
| 例外 | 内容 |
|---|---|
| サービス提供に必要な情報 | OSや画面・言語の設定、ブラウザの情報、ユーザー認証やセキュリティ対策に必要な情報など |
| 運営者が利用者に送った識別符号 | First Party Cookieに保存したIDなど |
| 利用者が同意した情報 | 能動的に同意した場合に限る |
| オプトアウトの措置を講じている情報 | 所定の事項を示し、利用者が適用を求めていない場合 |
「真に必要な情報」は狭く考える
総務省・個人情報保護委員会のガイドライン解説(2026年6月14日版)では、考え方が次のように示されています。
- 運営者自身に送られる情報は、原則として「真に必要な情報」に当たる
- 運営者以外に送られる情報は、原則として「真に必要な情報」に当たらない
- ただし、利用者が希望しているサービスを提供するのに、どうしても送る必要がある情報は例外
GA4や広告のタグは、Googleや広告会社に情報を送ります。つまり、運営者以外への送信です。
運営者が発行したIDでも、安心はできない
FAQの問6-3と問6-4では、First Party Cookieに保存されたIDと一緒に送られるほかの情報は、除外されないとされています。
そのIDを使って第三者に情報を送る場合も、サービスの提供に欠かせない場合を除き、除外されません。
GA4は主にファーストパーティCookieを使います。ただ、送信先はGoogleです。
「だから対象外」とは考えず、公表の対象として整理しておくのが安全です。
公表ページの作り方
対象になるかもしれないと思ったら、公表ページを作ります。公表ページの書き方には、総務省令とFAQで細かい決まりがあります。
書き方のルール
実務向けに整理すると、次のとおりです。
| 項目 | ルール | 根拠(FAQ) |
|---|---|---|
| 言語 | 日本語で書く。外国語を併記するのは望ましい | 問3-1、問3-3 |
| 表現 | 専門用語を避け、平易な言葉にする | 問3-1、問3-4 |
| 文字の大きさ | 拡大・縮小の操作をしなくても読める大きさ | 問3-2 |
| 表示する場所 | 外部送信を行うページか、そこから容易に到達できるページ | 問3-2 |
| リンクの置き方 | 遷移先に該当事項があると、利用者に分かる形でリンクする | 問3-11 |
| 情報の内容 | 実際に送られる情報を、利用者が認識できるように書く | 問4-7 |
| 送信先 | 法人名を書く。サービス名のほうが知られているなら併記 | 問4-2 |
| 利用目的 | 原則として、自社と送信先の双方の目的を書く | 問4-3 |
平易かどうかは、想定される一般的な利用者の知識や理解力を基準に判断するとされています(問3-4)。
文字数が多いときは、ページを階層化したり、見やすい文字色にしたりすることが望ましいと書かれています。
利用目的は、リンクだけでは足りないことがある
送信先の利用目的は、送信先のプライバシーポリシーなどへのリンクで示せます(問4-5、問4-6)。
ただし、リンクを出すだけでなく、リンク先の内容の概略も添えることが望ましいとされています。
リンク先が英語など日本語以外の場合は、リンクの表示だけの対応は認められません(問4-5)。
日本語で概略を書き添えてください。
Googleについては、FAQの問4-8が、Googleの参考ページを案内しています。
公表ページの構成例
ページ名は、「外部送信について」「利用者情報の外部送信について」など、内容が分かるものにします。
構成の例は、次のとおりです。
- はじめに(このページの目的を1〜2文で)
- 送信先ごとの一覧表
- 送信を止めたいときの方法
- 制定日、改定日、問い合わせ先
記載例
よくある構成のサイトを想定した例です。実際の送信内容は、タグの設定で変わります。
必ず自社の棚卸し結果に合わせて書き換えてください。
| 送信先 | サービス名 | 送信される情報 | 当社の利用目的 | 送信先での利用目的 |
|---|---|---|---|---|
| Google LLC | Googleアナリティクス | 閲覧したページのURL、閲覧日時、参照元、ブラウザや端末の情報、IPアドレス、Cookieに保存された識別子 | サイトの利用状況の分析と改善 | 利用者の閲覧の傾向や履歴の分析(概略を日本語で書き、リンクを添える) |
| (広告会社名) | (広告サービス名) | 閲覧したページのURL、閲覧日時、Cookieの識別子、広告を押した情報 | 広告の効果測定と配信の最適化 | (送信先のポリシーの概略とリンク) |
| (SNS運営会社名) | (SNSボタン・埋め込み) | 閲覧したページのURL、ブラウザの情報、Cookieの識別子 | 記事の共有機能の提供 | (送信先のポリシーの概略とリンク) |
| (チャットツール提供会社名) | (チャットサービス名) | 閲覧したページのURL、チャットに入力された内容、ブラウザの情報 | お問い合わせへの対応 | (送信先のポリシーの概略とリンク) |
表の下には、送信を止める方法を書きます。
各事業者が用意するオプトアウトの方法か、ブラウザの設定でCookieを削除・ブロックする方法を案内します。
リンクの置き場所
全ページのフッターに、「外部送信について」へのリンクを置きます。
リンクの名前で中身が分かるようにしておくと、「該当事項があると分かる形」という要件に沿いやすくなります。
FAQの問3-13には、ウェブサイトのトップページに表示する方法も考えられるという記述があります。
通知・公表・同意・オプトアウトの選び方
4つの方法のうち、中小企業にとって現実的なのは公表です。それぞれの特徴を比べます。
| 方法 | 向いている場面 | 手間 |
|---|---|---|
| 公表 | 送信内容が安定しているサイト | ページを1つ作り、リンクを置く |
| 通知 | ポップアップで知らせたい場合 | 画面の作り込みが必要 |
| 同意 | 個人情報保護法や海外の規制で同意が要る場合 | 同意の取得と記録の仕組みが必要 |
| オプトアウト | 利用者に送信を止める手段を用意できる場合 | 申込みの受付方法などを示す必要がある |
同意を使う場合の注意
総務省の案内ページは、同意を取る場合に、あらかじめチェックを付けておくなど、利用者が能動的に同意したとはいえない方法をとらないよう求めています。
オプトアウトを使う場合の注意
オプトアウトを使うときは、措置を講じていること、停止するのが送信か利用か、受付方法、サービスの制限の有無などを、利用者が容易に知り得る状態に置く必要があります。
受付方法は、ボタンの操作、指定フォームへの入力、リンクの表示などが例に挙がっています(問5-3)。
個人情報保護法との関係
外部送信規律は、電気通信事業法のルールです。Webサイトのタグは、個人情報保護法にも関係します。
2つは目的も対象も違うので、別々に確かめます。
Cookieは「個人関連情報」に当たりうる
個人情報保護委員会のQ&A(Q8-1)では、Cookieなどの端末識別子は、個人情報に当たらない場合でも、通常は「個人関連情報」に当たると整理されています。
個人関連情報とは、生存する個人に関する情報のうち、個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報のどれにも当たらないものです。
Cookieなどが、ほかの情報と容易に照合できて、特定の個人を識別できるなら、全体として個人情報になります。
たとえば、会員ログインやフォーム送信で、氏名やメールアドレスと閲覧履歴を結びつけている場合です。
第三者へ提供するときの「確認」の義務
個人情報保護法の第31条第1項には、個人関連情報を第三者に提供するときの定めがあります。
提供先が、それを「個人データとして取得することが想定される」ときは、本人の同意が得られていることなどを、提供元が事前に確認しなければなりません。
要点は、次のとおりです。
| 論点 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 適用される場面 | 提供先が個人データとして取得すると想定される場合に限る(提供のすべてには適用されない) | Q8-3 |
| 判断する時点 | 提供する時点 | Q8-4 |
| 同意を取る主体 | 原則は提供先。条件を満たせば、提供元が代行することも認められる | 通則編ガイドライン |
| 例外規定 | 個人データにある、委託や共同利用に相当する例外はない | Q8-8 |
| 契約での対応 | 提供先が個人データとして使わない旨を契約で定めていれば、通常は想定されない | 通則編ガイドライン |
他社のタグを貼るだけなら、「提供」に当たらないことがある
Q8-10には、自社のサイトに他社のタグを置き、他社が閲覧履歴を取得している場合の考え方が載っています。
自社がその閲覧履歴を取り扱っていなければ、自社が提供したことにはならない、という整理です。
この場合、第31条第1項は適用されないと考えられています。ただし、個別の事案ごとに判断するとも書かれています。
つまり、「タグを貼る=必ず確認義務がかかる」わけではありません。
一方で、自社が持つ会員IDやフォームの入力内容をタグに渡して送る場合は、自社からの提供に当たる可能性があります。
2026年の改正法も頭に入れておく
個人情報保護委員会の案内ページによると、「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律」は、2026年7月10日に成立し、7月17日に公布されました。
概要資料には、電話番号、メールアドレス、Cookie IDなど、特定の個人への連絡に使える記述が含まれる個人関連情報について、不適正な利用と不正な取得の禁止を導入すると書かれています。
施行は、原則として公布の日から2年を超えない範囲です。政令やガイドラインは、これから整備されます。
いま必要な対応は現行法で考え、改正の内容は、委員会の案内ページで確かめてください。
実務での確認ポイント
次の順で、タグごとに整理します。
| 順番 | 確認すること | 見るもの |
|---|---|---|
| 1 | 送信先が、直接情報を取得するだけのタグか | タグの仕様、送信先のポリシー |
| 2 | 自社が持つ情報(会員IDなど)を、タグに渡していないか | 実際の通信、タグの設定 |
| 3 | 氏名やメールアドレスが、URLや送信内容に入っていないか | 開発者ツールのNetwork |
| 4 | 送信先が、受け取った情報を個人データと結びつける想定はないか | 契約、送信先の規約 |
GA4の利用規約でも、個人を特定できる情報をGoogleに送らないことが求められています。
自社サイトで使っているタグを棚卸しする
公表ページを作るにも、プライバシーポリシーを見直すにも、まず「自社サイトで何が動いているか」を把握する必要があります。
担当者の記憶や制作会社への確認だけに頼らず、実際に調べるのが確実です。
ステップ1 関係者に聞き取る
制作会社、広告代理店、社内の各部署に、サイトに入れたツールを聞いて一覧にします。
解析、広告、チャット、フォーム、ヒートマップ、動画の埋め込みなどです。解約済みのツールのタグが残っていないかも確かめます。
ステップ2 Googleタグマネージャーで確認する
GTMを使っているなら、管理画面でタグの一覧と、動く条件(トリガー)を確認します。
「プレビュー」を押すと、新しいタブでTag Assistantが開きます。サイトのURLを入力すると、そのページで実際に配信されたタグを確かめられます。
ただし、HTMLに直接貼られたタグや、WordPressのプラグインが出すタグは、GTMの一覧に出てきません。
次のステップと組み合わせて確かめてください。
ステップ3 ブラウザの開発者ツールで通信を見る
Chromeの開発者ツールを使うと、ページを開いたときの通信先を一覧で見られます。
- 調べるページをChromeで開き、開発者ツールを開く(Macは Command+Option+J、Windowsは Control+Shift+J)
- Networkパネルを選ぶ
- 「Preserve log」にチェックを入れる(ページを移っても記録が残る)
- ページを再読み込みして、サイト内をいくつか移動する
- 問い合わせの完了画面など、成果測定のタグが動きやすいページも見る
- フィルターの「3rd-party requests」で、自社ドメイン以外への通信に絞る
- 通信を選び、Payloadタブで送られている内容、Cookiesタブでクッキーを確かめる
- Initiatorで、その通信を起こしたスクリプトをたどる
メニューの表示名は、版によって異なることがあります。
ステップ4 棚卸し表にまとめる
調べた結果は、次の表にまとめると、公表ページにそのまま写せます。
| ツール名 | 送信先の会社名 | 設置方法 | 動くページ | 送られる主な情報 | 利用目的 | 送信先ポリシーのURL | 確認日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| GA4 | Google LLC | GTM | 全ページ | URL、日時、端末情報、Cookie ID | アクセス解析 | (URL) | (日付) |
| (広告タグ) | (会社名) | 直貼り | 完了画面 | URL、Cookie ID、成果情報 | 効果測定 | (URL) | (日付) |
使っていないタグは、この機会に削除します。
GA4の計測設定を見直すときは、GA4で問い合わせ完了を計測する設定手順も参考になります。
プライバシーポリシーの見直し手順
棚卸しができたら、プライバシーポリシーを見直します。外部送信の公表を別ページにする場合も、ポリシーの中に入れる場合も、内容が食い違わないようにします。
手順1 現状のポリシーと棚卸し表を突き合わせる
棚卸し表のツールがポリシーに書かれているかを確かめます。
もう使っていないツールが残っていないか、「アクセス解析ツール等」のようなあいまいな書き方になっていないかも見ます。
手順2 個人情報保護法の公表事項を確認する
外部送信とは別に、個人情報保護法は、保有個人データに関する事項の公表を求めています。
「安全管理のために講じた措置」もその1つです。個人情報保護委員会のQ&A(Q9-3)では、ホームページに安全管理措置の概要と問い合わせ窓口を載せ、具体的な内容は問い合わせに応じて遅滞なく回答する方法でもよいとされています。
手順3 外部送信の記載を足す
前の章の記載例を参考に、送信先ごとの情報と、送信を止める方法を書きます。
フッターから、その章へ直接飛べるリンクを用意します。
手順4 社内で確認して公開する
タグを入れる可能性のある部署に、内容を確認してもらいます。
改定日を明記して公開します。必要なら、法務の担当者や専門家にも見てもらいます。
手順5 更新のルールを決める
新しいタグは、事前にWeb担当者へ申請してもらいます。
追加や削除のたびに、棚卸し表と公表ページを更新します。半年に1回は、開発者ツールで通信を確かめると、内容が古くなりません。
Google側の要件
法令とは別に、使っているツールの利用規約にも、開示の義務があります。ここでは、Googleのツールのポイントだけ触れます。
GA4の利用規約とポリシー
Googleアナリティクスのヘルプには、サイトでGoogleアナリティクスを使うときは、使っていることと、データが収集・処理される仕組みを開示する必要があると書かれています。
利用規約の第7条では、次のことが求められています。
- プライバシーポリシーを公開し、Cookieなどの使用を通知する
- Googleアナリティクスの使用と、データが収集・処理される仕組みを開示する
- 法律で義務付けられている場合は、同意を得る合理的な努力を払う
- 個人を特定できる情報をGoogleに送らない
開示の方法として、「Googleのサービスを使用するサイトやアプリから収集した情報のGoogleによる使用」のページへのリンクを、目立つように表示する方法が示されています。
これらは、外部送信規律の対象かどうかにかかわらず、GA4を使うすべてのサイトに関わります。
EEA向けの同意モード
EEA(欧州経済領域)の利用者がいるサイトは、Googleの「EUユーザーの同意ポリシー」に関係します。
タグマネージャーのヘルプには、同意モードに、ad_user_dataとad_personalizationの2項目が加わったと書かれています。
Google認定の同意管理ツール(CMP)を使う方法もあります。該当する場合は、各ヘルプで最新の要件を確認してください。
公表までのチェックリスト
| 確認すること | 済 |
|---|---|
| 自社サイトの内容を整理した | □ |
| 総務省のFAQで、対象になるかをページごとに確かめた | □ |
| GTMのタグ一覧とプレビューで、動いているタグを確認した | □ |
| 開発者ツールで、GTM以外のタグも含めて通信を確認した | □ |
| 送信先ごとに、情報・送信先・利用目的をまとめた | □ |
| 公表ページを、日本語で平易に書いた | □ |
| 全ページから、フッターなどでたどれるようにした | □ |
| 自社の情報をタグに渡していないか確かめた | □ |
| プライバシーポリシーの公表事項に、漏れがないか確かめた | □ |
| GA4の規約とポリシーの要件を確かめた | □ |
| タグを足すときの更新ルールを決めた | □ |
売れるサイトはみな謙虚 公表も足さずに絞る
ここまで、確かめることを並べてきました。最後に、増やさない考え方を紹介します。
「売れるサイトはみな謙虚」は、大きく見せる言葉や仕掛けを足すより、訪れた人が迷う要素を引くほうが、次の一歩につながるという考え方です。
外部送信の公表にも、そのまま当てはまります。
使わないタグを外す
送信先が増えるほど、公表ページの行も、確かめる手間も増えます。
使っていない解析ツールや、昔の広告のタグは、外します。外すだけで、説明する量が減ります。
公表ページを短く保つ
利用者が読める量に絞ると、実際に読まれるページになります。
送信先ごとの一覧表と、送信を止める方法。まずはこの2つがあれば足ります。
更新の担当を1人決める
担当が決まっていないと、タグが増えても、公表ページは古いままになります。
新しいタグは担当者に申請する、と決めるだけで、食い違いは減ります。
よくある質問
Q1. 当社はCookieを使っていませんが、対象になりますか
Cookieを使っていないことは、対象かどうかの決め手になりません。
総務省のFAQ(問1-7)では、利用者の端末から外部に情報を送るよう指令するプログラムを送る行為全般が規律の対象で、Cookieを使っていなくても対象になりうるとされています。
そもそも電気通信事業に当たるかどうかを、先に確かめてください。
Q2. 同意バナーは必ず出す必要がありますか
外部送信規律では、必須ではありません。通知、公表、同意、オプトアウトのどれかで足ります。
ただし、個人情報保護法やGoogleの規約、EEAの利用者への対応で、同意が必要になる場合があります。
Q3. 公表ページに、Googleの利用目的を全部書き写す必要はありますか
全部を書き写す必要はありません。
送信先の利用目的が書かれたページへのリンクと、その内容の概略を日本語で添える方法が認められています(問4-5、問4-6)。
Q4. 自社のブログにも、公表は必要ですか
企業のホームページ運営や個人ブログは、電気通信事業に当たらず、対象外とされています。
ただし、他社の情報を広く配信するなど、各種情報のオンライン提供に近い運営の場合は、確かめが必要です。
まとめ
外部送信規律への対応は、次の順で進めると迷いにくくなります。
| 順番 | 要点 |
|---|---|
| 1 | 総務省のFAQで、ページごとに対象かどうかを確かめる |
| 2 | GTMと開発者ツールで、動いているタグを棚卸しする |
| 3 | 送信先・情報・利用目的を、日本語で平易に公表する |
| 4 | 個人関連情報の扱いを、個人情報保護法の面から確かめる |
| 5 | プライバシーポリシーと公表ページの食い違いをなくす |
| 6 | タグを足すたびに、更新する |
最初から完璧を目指す必要はありません。
まずはタグの棚卸しから始めて、使っていないものを外すだけでも、説明すべき範囲は小さくなります。
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