ホームページの見出しを考えようとして、白い画面の前で手が止まる。
何か参考にしようと同業他社のページを開いてみても、どこが良いのか言葉にできず、結局は似たような文章ができあがる。そんな相談はよく届きます。
この止まり方を減らす道具が、スワイプファイルです。反応が取れていそうな広告やページを集めて、「なぜ効いているのか」を書き添えてためておく資料のことを指します。
この記事では、スワイプファイルの意味から、中小企業のホームページに生かすための集め方と作り方、まねしてよい部分と写してはいけない部分の線までを順に説明します。
読み終えたときに、自社のページで最初に見本を当てる場所が1つ決まっている状態を目指します。
先に答え スワイプファイルは「効いた理由」をためておく引き出し
先に、いまの状況ごとに何をすればよいかを表にまとめます。
理由と手順は、このあとの節で1つずつ説明します。
| いまの状況 | 起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 見出しや文章を考えるたびに手が止まる | 手本が頭の中にしかなく、毎回ゼロから考えている | 良いと感じた広告やページを、理由のメモつきで1か所に集め始める |
| 他社のページを見るが、良さを言葉にできない | 見た印象だけが残り、使える形になっていない | 1件ごとに「誰に・何を約束・どう信じさせる・何をしてもらう」の4項目を書く |
| 保存した画像がたまる一方で使っていない | 集めた理由が書かれておらず、あとで探せない | 使う場面(見出し・お客様の声・申し込み欄など)で分けて保存し直す |
| 他社の文章をそのまま使いたくなる | 表現まで借りると、著作権や検索の面で問題になりうる | 借りるのは順番や考え方だけにして、文は自社の言葉で書く |
| 何から集めればよいか分からない | 集める目的が決まっていない | 次に直すページの場所を1つ決め、その場所の見本だけを10件集める |
スワイプファイルは、集めた数で役に立つ道具ではありません。
10件でも、理由が書いてあれば明日から使えます。理由の無い300件は、探すだけで1日が終わります。
1件ごとに理由が書いてあり、使う場面ですぐに取り出せることが、ほかの資料との違いです。
スワイプファイルとは 意味と成り立ち
スワイプファイルは、広告やセールスレター、ウェブページの文章などから、参考になるものを集めて保管しておく資料のことです。
英語の「スワイプ」には、手早く持っていくという意味があります。そこから、文章を書く人が手本を「持ち帰って」ためておく束を、こう呼ぶようになりました。
もとは広告の書き手の道具
新聞広告やダイレクトメールが主な販売の手段だった時代から、広告の文章を書く人たちは、反応の良かった広告を切り抜いて手元に置いていました。
新しい商品の広告を頼まれたとき、白紙から考えるより、過去に売れた広告の組み立てを見ながら書くほうが、早く、外れにくいからです。
いまは紙の切り抜きに限らず、ウェブページの画面の保存や、メールの転送、メモの記録など、集め方の幅が広がっています。
呼び名は書き手によって違い、「ネタ帳」「見本帳」「お手本集」と呼ぶ人もいます。中身が「手本と、その理由」の組み合わせであれば、呼び方はどれでも構いません。
この記事では、ホームページの文章を直すために会社でためておく見本の束を、まとめてスワイプファイルと呼びます。
テンプレート集との違い
文例やテンプレートの本も、手本を集めたものという点では似ています。
違いは、スワイプファイルが自分で選び、自分で理由を書いた資料だという点です。
他人が整理したテンプレートは、誰にでも当てはまる形にならされています。自分で集めた見本には、自社の業種や客層に近いものが自然と集まります。
| 比べる点 | スワイプファイル | テンプレート集 | 他社のページをその都度見る |
|---|---|---|---|
| 誰が選ぶか | 自分(自社) | 本や講座の作り手 | 自分(ただしその場限り) |
| 理由が書いてあるか | 自分で書く | 一般論として書かれている | 書かれていない |
| 自社の業種への近さ | 集め方しだいで近くなる | 業種を問わない形になっている | 近いが、同じ業界の言葉に寄りやすい |
| あとで探せるか | 使う場面で分けておけば探せる | 目次から探せる | 探し直しになる |
| 向いている使い方 | 見出し・構成・言い回しの引き出し | 最初の1本を書く足場 | 相場観をつかむ |
写経との関係
スワイプファイルとよく一緒に語られるのが、売れた広告を手で書き写す「写経」です。
スワイプファイルが手本をためる作業だとすると、写経はためた手本を1本ずつ体に通す作業にあたります。
写経に効果があるのかどうかは、この記事の後半で研究の結果も交えて取り上げます。先に結論だけ書くと、集めて理由を書く作業のほうが、中小企業の担当者には始めやすく、続けやすいと考えています。
中小企業のホームページでスワイプファイルが役に立つ場面
スワイプファイルは、広告の書き手だけの道具ではありません。
ホームページを自社で直している会社ほど、使える場面があります。文章を書く専門の人がいないぶん、手本があるかどうかで書く速さが大きく変わるからです。
見出しを考えるとき
ページのいちばん上の見出しは、読み手がそのページを読むかどうかを決める場所です。
ここで手が止まるとき、見本の見出しを10本並べて「誰に向けているか」「何を約束しているか」を見比べると、自社の見出しに足りない要素が見えてきます。
見出しを10本並べると、同業の見出しが「安心」「丁寧」「実績」といった似た言葉で埋まっていることにも気づくはずです。自社の見出しも同じ言葉で埋まっていたら、そこが最初に直す場所になります。
見出しの作り方そのものは、キャッチコピーの作り方を5つの手順で説明した記事にまとめています。
見出しの下の数行を書くとき
見出しの次に来る数行は、読み手が本文へ進むかどうかを決めます。
見本の書き出しを並べると、困っている場面から入るもの、問いかけから入るもの、数字から入るものなど、入り方の種類が分かります。
この部分の書き方は、リードコピーの書き方の記事で詳しく扱っています。
料金や流れを説明するとき
料金表や、申し込みから納品までの流れの説明は、書き手が分かっているぶん、読み手にとって分かりにくくなりがちな場所です。
見本を集めると、段階を3つに分けて図で示すもの、日数を添えるもの、「この段階では費用がかかりません」と書き添えるものなど、読み手の迷いを減らす工夫がいくつも見つかります。
自社のページと見比べて、読み手が「次に何が起きるのか」を知らないまま申し込みを迫られていないかを確かめます。
お客様の声や事例を並べるとき
お客様の声は、載せ方で効き方が変わります。
見本を集めると、写真の有無、肩書きの書き方、悩みと結果を並べる順番などに、いくつかの決まった形があると分かります。
申し込みボタンのまわりを直すとき
ボタンの文言や、その近くに置く一言は、短いぶん見本の差がはっきり出ます。
「送信」と書くか、「無料で相談する」と書くか、その下に「返信は1営業日以内」と添えるか。見本を集めると、こうした小さな違いを比べられます。
| 直したい場所 | 集める見本 | 見本から見るところ |
|---|---|---|
| ページいちばん上の見出し | 同業と異業種の見出し10本 | 誰に向けているか、何を約束しているか |
| 見出しの下の数行 | 読み進めたくなった書き出し | 最初の1文の入り方、本文へ渡す一言 |
| お客様の声・事例 | 信じられると感じた声の載せ方 | 悩みと結果の順番、名前や業種の出し方 |
| 料金・流れの説明 | 分かりやすいと感じた説明 | 段階の分け方、表や図の使い方 |
| 申し込みボタンのまわり | 押したくなったボタンと添え書き | ボタンの文言、不安を消す一言 |
何を集めるか 社外の見本と社内の言葉
スワイプファイルというと、有名な広告や売れたセールスレターを集めるものだと思われがちです。
中小企業のホームページに使うなら、集める先を4つに分けて考えると偏りが出にくくなります。
1つ目 同業他社のページ
同じ地域、同じ業種の会社のページは、読み手が比べている相手そのものです。
ただし、同業のページだけを集めると、業界の言い回しに引っぱられ、どの会社も同じように見える文章になりやすい点に気をつけます。
同業のページは「相場を知るため」と割り切り、見出しや約束の言葉を借りる先には使わないほうが、結果として自社の言葉が立ちます。
同業のページで見るとよいのは、むしろ「どこも書いていないこと」です。10社のページを並べて、どの会社も料金の目安や工期を書いていなければ、それを書くだけで読み手にとっての違いになります。
2つ目 異業種の広告やページ
手本として借りる価値が高いのは、むしろ異業種の見本です。
たとえば、リフォーム会社が通信講座の申し込みページの「始める前の不安に答える段」を見て、自社の「工事の前の不安に答える段」に置き換える。業種が離れているので、言葉が似すぎる心配もありません。
異業種の見本は、自社と同じ「読み手の迷い」を抱えている商売から選ぶと当てはめやすくなります。高い買い物で失敗したくない、初めてで勝手が分からない、といった迷いは、業種が違っても共通しています。
3つ目 お客様の問い合わせ文と口コミ
見落とされやすいのが、自社に届いた問い合わせのメールや、口コミに書かれた言葉です。
お客様が自分の言葉で書いた悩みは、そのまま見出しや書き出しの材料になります。「どの会社に頼めばいいか分からない」「見積もりが高いのか安いのか判断できない」といった言い方は、売り手が考えるより具体的です。
口コミの集め方は、口コミを増やす方法の記事で扱っています。
4つ目 営業や電話で出てくる言葉
対面の営業や電話で、お客様が納得した説明や、よく聞かれる質問も、ためておく価値があります。
話し言葉で何度も通じている説明は、ページに載せても通じやすいからです。社内で「この説明だと分かってもらえる」という言い回しがあれば、日付をつけて記録しておきます。
反対に、営業の場で何度説明しても伝わらない点があれば、それも記録します。ページでも同じところで読み手が止まっている可能性が高いからです。
| 集める先 | 集めやすさ | 向いている使い道 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 同業他社のページ | 探せばすぐ見つかる | 相場観、抜けている説明の確認 | 言葉まで似ると埋もれる |
| 異業種の広告・ページ | 日ごろ目に入るものを残す | 構成や順番を借りる | 自社の客層に合うかを確かめる |
| お客様の問い合わせ文・口コミ | 自社にすでにある | 見出しや書き出しの言葉 | 個人が分かる部分は伏せる |
| 営業・電話の言葉 | 記録する習慣が要る | 説明の段、よくある質問 | 話し言葉は短く整えてから載せる |
4つのうち、3つ目と4つ目は自社にしかない材料です。
他社がまねできない言葉は、ここから出てきます。
社外の見本から借りるのは組み立てで、ページに載せる言葉はこの2つから持ってくる、と役割を分けておくと迷いません。
スワイプファイルの作り方 5つの手順
ここからは、スワイプファイルを作る手順を順に説明します。
全体の流れを先に図で示します。
大事なのは、集めた見本がそのまま自社のページに入るわけではないという点です。途中で「理由」と「型」に置き換える段があります。
見本から取り出すのは理由と型だけで、ページに載せる文は毎回自社の言葉で書きます。確かめた結果が、次に集める見本の選び方を変えます。
手順1 直す場所を1つ決めてから集める
最初にやることは、集め始めることより、何のために集めるかを決めることです。
「良さそうなものは全部残す」と始めると、数か月で数百枚の画像がたまり、どれも使われないまま終わります。
次に直すページの場所を1つ決めます。たとえば「トップページの見出し」「料金の説明」「問い合わせフォームの上の一言」のどれかです。
決めた場所の見本を、まずは10件集めます。10件あれば、共通している要素と、外れている要素が見えてきます。
3件だと、たまたま似ているだけなのか、ほかの見本にも共通しているのかが分かりません。
反対に30件を超えると、見比べるだけで1日かかります。最初の目安として10件がちょうどよい数です。
場所を1つに絞ると、普段の生活で目に入る広告の見え方も変わります。「料金の説明」と決めておけば、飲食店のメニュー表や、携帯電話の料金の案内にも目が止まるようになります。
手順2 保存するときに出典と日付を残す
見本を保存するときは、どこで見たか(ページの住所や広告の載っていた媒体)と、見た日付を必ず一緒に残します。
ウェブページは書き換わります。半年後に同じページを開いても、保存したときの文章が残っているとは限りません。
出典を残しておく理由はもう1つあります。あとで本文に引用したくなったときや、社内の誰かが「これはどこのページか」と確かめたいときに、元をたどれるからです。
出典の無い見本は、使ってよいかどうかの判断もできなくなります。この点は、後半の著作権の節で詳しく説明します。
保存するときに、どの場所の見本として残すのか(見出し・お客様の声・申し込み欄など)も一緒に書いておきます。
一覧表の「使う場面」の列です。ここが空いていると、見本が増えたときに探せなくなります。
手順3 なぜ効いていると思ったかを4項目で書く
スワイプファイルの中身で最も大事なのは、見本そのものより、添えるメモのほうです。
見本を見て「良い」と感じた理由を、次の節で説明する4つの項目に分けて書きます。誰に向けているか、何を約束しているか、どう信じさせているか、何をしてもらおうとしているか、の4つです。
書くのは1項目につき1行で足ります。長い分析を書こうとすると続きません。
保存したその日に書くのがこつです。1週間たつと、なぜ良いと思ったのかを思い出せなくなっていることがよくあります。
うまく言葉にならないときは、「自分がどこで読み進めたくなったか」「どこで押したくなったか」の場所に印をつけるだけでも構いません。印の場所を後で見返すと、理由が見えてくることがあります。
手順4 順番と考え方だけを型にする
4項目のメモがたまったら、見本の文章から言葉を外し、順番と考え方だけを取り出します。
たとえば、ある見本の書き出しが「まだ始めていない人に、始めない理由を3つ挙げてから、その3つに1つずつ答える」という組み立てだったとします。
型にすると「読み手が動かない理由を先に並べる→1つずつ答える」となります。これなら、どの業種のどの商品にも当てはめられますし、元の文章の言葉は1語も残りません。
もう1つ例を挙げます。ある見本の申し込みボタンの上に「申し込み後に電話がかかってくることはありません」と書いてあったとします。
この一言の型は「読み手が申し込みの直後に心配することを、ボタンの手前で先に打ち消す」です。自社に当てはめると、たとえば工務店なら「見積もりだけでも訪問の日程を決めなくて大丈夫です」という一言になるかもしれません。
型は、一覧表の「型」の列に、1行で書き残しておきます。型の列だけを読み返すと、自社で使える組み立ての引き出しが一目で見渡せます。
手順5 自社の言葉で書き、数字で確かめる
型が取り出せたら、自社のお客様の悩みと、自社のサービスの事実を当てはめて、文章を書きます。
ここで使う言葉は、手順の前半で集めた「お客様の問い合わせ文」や「営業で通じた説明」から持ってくると、自社らしさが出ます。
書き直したら、公開する前の数字を控えておき、2週間から4週間たってから同じ数字と比べます。見るのは、その場所を過ぎた人の割合や、問い合わせの件数です。
効いたかどうかの結果は、スワイプファイルのその見本のメモに書き足します。効かなかった見本にも印をつけておくと、次に集めるときの目が育ちます。
| 手順 | やること | 終わったかの目安 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|
| 1 目的を決める | 次に直す場所を1つ選ぶ | 「何の見本を集めるか」を1行で言える | 全部を一度に直そうとする |
| 2 保存する | 見本・出典・日付をまとめて残す | どの見本も元のページにたどれる | 画像だけ保存して出典が消える |
| 3 理由を書く | 4項目を1行ずつ書く | 見本ごとに4行のメモがある | 「なんとなく良い」で止まる |
| 4 型にする | 言葉を外して順番と考え方を取り出す | 元の言葉が1語も残っていない | 言い回しまで持ってきてしまう |
| 5 書いて確かめる | 自社の言葉で書き、前後の数字を比べる | 結果を見本のメモに書き足した | 公開して終わり、比べない |
1件ごとに書く4つの項目
手順3で書く4つの項目を、1つずつ説明します。
この4つは、広告やページが読み手を動かすときに必ず通る段を、順に並べたものです。
誰に向けているか
最初に見るのは、その見本が誰に話しかけているかです。
「中小企業の経営者に」では広すぎます。「従業員10人前後で、社長が自分で採用もしている会社」のように、どこまで狭く絞っているかを書き出します。
反応が取れている見本ほど、読み手を狭く決めていることが多いと気づくはずです。
自社のページに当てはめるときは、自社のお客様のうち、いちばん多い人か、いちばん来てほしい人を1人決めて、同じ細かさで書いてみます。
何を約束しているか
次に、読み手がそのページを読み終えたら、あるいは申し込んだら、何が手に入ると言っているかを書きます。
商品の特徴を並べているのか、使ったあとの読み手の状態を書いているのか。この違いをメモしておくと、自社のページを見直すときの物差しになります。
約束が具体的な見本ほど、「いつまでに」「何が」がはっきりしています。「初回の相談で」「工事の翌日から」のような時点が書いてあるかも見ておきます。
どう信じさせているか
約束は、信じてもらえなければ効きません。
見本がどんな材料で信じさせているかを書きます。お客様の声、数字、写真、資格や許可の番号、手順の細かさ、返金や保証の条件などです。
自社に同じ材料があるかどうかも、この欄に一言添えておくと、次の作業が早くなります。
何をしてもらおうとしているか
最後に、見本が読み手に最終的に何をしてほしいのかを書きます。
電話なのか、資料の請求なのか、来店の予約なのか。そして、その行動の手前に、どんな一言を置いて背中を押しているかを書き留めます。
してもらう行動が1つに絞られているかも見どころです。電話・メール・資料請求・来店のボタンがすべて同じ大きさで並んでいる見本は、読み手を迷わせていることがあります。
| 項目 | 見本から書き出すこと | メモの例(架空の整体院のページ) |
|---|---|---|
| 誰に向けているか | 読み手をどこまで絞っているか | デスクワークで夕方に腰が重くなる40代の会社員 |
| 何を約束しているか | 読み終えた後・申し込んだ後に手に入るもの | 初回で、痛みの原因がどこにあるかが分かる |
| どう信じさせているか | 声・数字・写真・手順など信じる材料 | 施術の流れを5段階の写真で見せている |
| 何をしてもらうか | 最後の行動と、その手前の一言 | 予約ボタンの上に「当日の着替えは不要です」 |
表の右の列のように、1項目1行で十分です。
この4行があるだけで、半年後に見返したときにも、なぜその見本を残したのかがすぐに分かります。
4項目を書いていると、見本の中に欠けている項目が見つかることもあります。たとえば、約束ははっきりしているのに信じさせる材料が無い見本です。
そうした見本には「信じさせる材料なし」と書いておきます。良い見本だけでなく、欠けている見本も、自社のページで同じ欠け方をしていないかを確かめる材料になります。
保存の方法 紙とデジタルのどちらで持つか
スワイプファイルを持つ形は、大きく分けて紙とデジタルの2つです。
どちらが正しいということはありません。社内で誰が使うかと、どの場面で取り出すかで決めます。
紙のファイルで持つ
チラシやダイレクトメール、雑誌の広告など、紙で届いたものは紙のまま保存できます。
紙の良いところは、机の上に何枚も並べて見比べられることです。見出しだけを横に並べると、画面で1枚ずつ見るより違いが目に入ります。
一方で、社内の別の人と共有しにくく、探すのにも時間がかかります。
フォルダと一覧表で持つ
ウェブページは、画面の保存(スクリーンショット)と、ページの住所を一覧表にまとめる形が扱いやすいです。
一覧表には、保存日、出典、使う場面、4項目のメモ、結果の欄を作ります。画像のファイル名に保存日と場面を入れておくと、あとから並べ替えができます。
共有しやすい反面、保存の手間が軽いぶん、目的なく集めすぎる傾向があります。手順1の「直す場所を1つ決める」を守ることが、ここで効いてきます。
メモの道具で持つ
普段使っているメモの道具に、見本の画像と理由をまとめて書く人もいます。
思いついたときにすぐ書けるのが利点ですが、メモが日記のように時系列で埋もれやすいので、使う場面ごとの見出しやタグをつけて整理しておきます。
| 持ち方 | 向いている会社 | 良いところ | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 紙のファイル | 担当者が1人で、紙の販促物が多い | 並べて見比べやすい | 共有しにくく、探しにくい |
| フォルダと一覧表 | 複数人でホームページを直している | 共有でき、並べ替えができる | 目的なく集めすぎる |
| メモの道具 | 外出が多く、思いついたときに残したい | すぐに書ける | 時系列で埋もれる |
| 紙とデジタルの併用 | 紙の販促物とウェブの両方を作っている | 媒体ごとに扱いやすい | 2か所に分かれて探し直しになる |
どの形を選んでも、一覧の列は同じにしておきます。保存日、出典、使う場面、4項目のメモ、結果の5つです。
列が揃っていれば、あとで形を変えたくなったときにも移しやすくなります。
写経は必要か 書き写す前に知っておきたいこと
スワイプファイルの話になると、必ずと言ってよいほど出てくるのが写経です。
売れた広告を、一字一句、手で書き写す練習のことで、文章を書く仕事の人の間では昔から勧められてきました。
写経のねらい
写経を勧める人が挙げるねらいは、広告がどう注意を引き、どんな欲求に触れ、どういう順番で申し込みまで連れていくのかという組み立てを、体に覚えさせることです。
読むだけだと流してしまう段の切り替わりや、1文の長さの変化に、書き写すと否応なく気づかされます。
組み立てが頭に入っていると、新しい商品の文章を考えるときに「この商品なら、あの見本の組み立てが使える」と思い出しやすくなる、という説明です。
手で書くほうが身につくかは研究でも割れている
手で書くことが理解を深めるのかについては、心理学の研究があります。
2014年に心理学の学術誌に発表されたミューラーとオッペンハイマーの研究は、講義のメモを手書きで取った学生のほうが、パソコンで取った学生より、内容を理解しているかを問う問題で成績が良かったと報告し、広く知られるようになりました。
ところが、2019年に教育心理学の学術誌に発表されたモアヘッド、ダンロスキー、ローソンによる再現実験では、元の研究ほどはっきりした差は確かめられませんでした。
著者たちは、手書きとパソコンのどちらが学習に有利かは、まだ決着がついていないとまとめています。
つまり、「手で書くから身につく」と言い切れるだけの根拠は、いまのところありません。
どちらの研究も、講義のメモの取り方を調べたもので、広告の書き写しを直接調べたものではない点にも注意が要ります。
書き写しの効き目を語るときは、「書き手の実感」と「研究で確かめられたこと」を分けて受け取るのが妥当です。
書き写すなら目的を絞る
それでも、写経に意味が無いわけではありません。
書き写す間は、見本の1文1文に目を止めざるをえないので、読み流しを防ぐ効果は確かにあります。
ただ、中小企業の担当者が、本業の合間に長い広告を何本も書き写すのは現実的ではありません。
やるなら、手順1で決めた場所の見本だけを、その部分だけ書き写します。見出しの下の5行だけ、申し込み欄の手前の段落だけ、という具合です。
書き写したあとに、4項目のメモを書く。ここまでやって、はじめて写経がスワイプファイルの一部になります。
| やり方 | かかる時間 | 身につくこと | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 見本を集めて4項目のメモを書く | 1件10分ほど | 見本の組み立てを言葉にする力 | 本業の合間にホームページを直す担当者 |
| 直す場所の部分だけ書き写す | 1件15分ほど | 1文の長さや段の切り替わりへの気づき | 自分で文章を書く機会が多い人 |
| 広告を全文書き写す | 1本で数時間 | 長い文章の流れの体感 | 文章を書くことを仕事にする人 |
| 見本を読むだけ | 1件数分 | 相場観(ただし残りにくい) | まず雰囲気をつかみたい人 |
表の時間はあくまで目安です。
どのやり方を選んでも、最後に4項目のメモが残っていれば、スワイプファイルとして使えます。
スワイプファイルの使い方 見本を自社のページに生かす
スワイプファイルがたまってきたら、実際に自社のページを直すときに使います。
使うときに守りたいことは3つです。
借りるのは型だけにする
見本から持ってくるのは、手順4で取り出した順番と考え方だけです。
言い回しが気に入っても、文はそのまま使いません。理由は2つあり、1つは後で説明する著作権の問題、もう1つは、借りた言葉は自社のお客様の言葉と違うので、読み手に響きにくいことです。
業種を変えて借りる
同業の見本の型を借りると、読み手から見て同じようなページが並ぶことになります。
型は、なるべく業種の離れた見本から借ります。下の表は、異業種の見本から型を取り出し、別の業種に当てはめた例です(いずれも架空の例です)。
| 見本の業種 | 取り出した型 | 当てはめた業種 | 当てはめた文の例 |
|---|---|---|---|
| 通信講座 | 始めない理由を先に3つ挙げ、1つずつ答える | 税理士事務所 | 「顧問料が見合うか分からない」「今の記帳で困っていない」「相談しづらい」に順に答える段を作る |
| 料理教室 | 初回に持ち帰れるものを1つだけ約束する | 部品加工 | 「初回の打ち合わせで、図面の加工できる箇所とできない箇所を印をつけてお返しします」 |
| 旅館 | 到着から出発までを時刻で並べる | リフォーム | 「工事の前日」「当日の朝」「工事中」「引き渡しの日」に何が起きるかを順に書く |
| 学習塾 | 向いていない人をはっきり書く | 整体院 | 「骨折の疑いがある方は、先に病院の受診をお勧めしています」と最初に書く |
| 家電の通販 | よくある質問をボタンのすぐ上に置く | 結婚相談所 | 申し込みボタンの直前に「入会前に何を聞かれますか」への答えを置く |
どの例も、元の見本の言葉は1語も使っていません。
残っているのは「理由を先に並べる」「1つだけ約束する」といった組み立てだけです。
1回に変える場所は1つにする
見本がたまると、あれもこれも直したくなります。
ただ、見出しと書き出しと申し込み欄を同時に変えると、問い合わせが増えても減っても、どれが効いたのか分かりません。
1回に変えるのは1か所にして、2週間から4週間、前後の数字を比べます。結果を見本のメモに戻すところまでが、スワイプファイルの使い方です。
比べる数字は、変えた場所によって選びます。
見出しや書き出しを変えたなら、そのページで下まで読み進めた人の割合を見ます。申し込み欄の手前を変えたなら、フォームを開いた人のうち送信まで進んだ人の割合を見ます。
月の問い合わせが数件の会社では、数字の差がたまたまなのかを見分けにくいこともあります。その場合は期間を長めに取り、変えた日と内容を一覧表に書いておくと、あとで振り返れます。
業種別 最初の10件をどこから集めるか
集め始めるときにいちばん迷うのが、最初の10件をどこから持ってくるかです。
業種ごとに、集めやすく、型を借りやすい先を表にまとめます。ここに挙げたのは一例で、自社の客層に近い商売を探すのが基本です。
| 自社の業種 | 最初に直したい場所の例 | 型を借りやすい異業種 | 自社の中で集める言葉 |
|---|---|---|---|
| 士業(税理士・行政書士など) | 相談の申し込み前の不安に答える段 | 習い事・通信講座の申し込みページ | 初回の相談で最初に聞かれる質問 |
| リフォーム・住宅設備 | 工事の流れの説明 | 旅館・ホテルの滞在の案内 | 工事後のお客様の一言、見積もり時の質問 |
| 整体・美容など来店型 | 初回の予約ボタンのまわり | 飲食店の予約ページ | 予約の電話でよく聞かれること |
| 製造業・部品加工 | 問い合わせ前に図面を送ってもらう案内 | 写真の現像やプリントの注文ページ | 営業が「これで通じた」説明 |
| 人材・採用支援 | 料金の考え方の説明 | 保険や通信の料金の比べ方のページ | 契約しなかった会社が挙げた理由 |
表の右の列は、どの業種でも必ず社内にある材料です。
社外の見本10件に対して、社内の言葉を5件ほど混ぜておくと、型を当てはめるときの言葉に困りません。
集める時間を決めておく
スワイプファイルは、思い出したときにだけ集めると、なかなかたまりません。
週に1回、15分だけ集める時間を決めておくと、2か月ほどで1つの場所につき10件前後の見本がそろいます。
日ごろ届く広告メールやチラシを捨てる前に1度見て、残すかどうかを決める、という習慣だけでも十分です。
社内に複数の人がいるなら、集める係を交代で回すのも1つの方法です。人によって目に止まる見本が違うので、1人で集めるより偏りが出にくくなります。
残す基準を1つ持つ
残すかどうかで迷ったら、「自分がつい読み進めたか」「つい押したくなったか」の1点で決めます。
上手な文章かどうかで選ぶと、整っているだけで読み手を動かさない見本が混ざります。自分が実際に動かされたものは、何かしら理由があります。
著作権の線 まねしてよい部分と写してはいけない部分
スワイプファイルを作るうえで、いちばん気をつけたいのが著作権です。
見本を集めることも、型を借りることも、やり方を間違えなければ問題になりにくい作業です。ただ、線の位置を知らないまま進めると、気づかないうちに越えてしまいます。
守られているのは表現 アイデアは対象外
著作権法は、守る対象である著作物を、第2条第1項第1号で次のように定めています。
「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」
文化庁が公表した「著作権テキスト(令和7年度版)」によると、この定義のもとでは「『アイデア』など(表現されていないもの)が著作物から除かれます」。
同じテキストは、「ありふれたもの」(誰が表現しても同じようなものになるもの)も創作性があるとはいえない、とも説明しています。
スワイプファイルに当てはめると、見本の「理由を先に3つ並べて1つずつ答える」という組み立ては、アイデアの側に入ります。一方で、見本の文章そのものは表現の側です。
手順4で言葉を外して型だけを取り出すのは、この線を越えないためでもあります。
なお、短い言い回しが著作物にあたるかどうかは、個別の事情で判断が分かれます。迷う表現は使わないのがいちばん安全です。
同じテキストは、特許権がアイデアを守り、著作権は表現を守るという違いにも触れています。スワイプファイルで借りてよいのは、あくまで組み立てや考え方の側だと覚えておけば、判断に迷う場面はかなり減ります。
私的使用の例外は仕事には使えない
「自分で使うだけなら、コピーしても問題ない」と考える人は少なくありません。
著作権法第30条は、私的使用のための複製として、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使うことを目的とするときに、使う本人が複製できると定めています。
ただし、文化庁の著作権テキストは、この例外の条件として「個人的に又は家庭内など、限られた範囲内での使用を目的とすること(仕事での利用は対象外)」と明記しています。
会社のホームページを直すために集めるスワイプファイルは、仕事での利用です。他社の文章をまるごと写して社内のフォルダで共有する使い方は、この例外に頼れないと考えておくほうが安全です。
そこで、保存するときは、文章の全文を写すより、出典の住所と保存日、それに自分で書いた4項目のメモを中心にします。
自分の言葉で書いたメモは、自社の資料です。見本の全文が必要になったら、出典から元のページを開けば足ります。
本文で触れるなら引用のルールに従う
自社の記事やページで、他社の見本の一部を紹介したくなることもあります。
著作権法第32条は、公表された著作物の引用を認めたうえで、「その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」としています。
引用する部分をかぎかっこなどで分けること、出典を示すこと、自分の文章が主で引用が従になっていることが、一般に求められる形です。
スワイプファイルの中身を、そのままページに載せて「参考例」として並べるのは、この形から外れやすいので避けます。
| やりたいこと | 著作権の面で起きうること | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 見本の組み立てを自社のページに使う | アイデアの側なので、通常は問題になりにくい | 型だけを取り出し、文は自社の言葉で書く |
| 見本の言い回しをそのまま使う | 表現の利用になり、問題になりうる | お客様の問い合わせ文など、自社の言葉に置き換える |
| 他社の文章を全文写して社内で共有する | 仕事での利用なので、私的使用の例外に頼れない | 出典の住所・保存日・自分のメモを残す |
| 自社の記事で見本の一部を紹介する | 引用の条件を満たさないと問題になりうる | かぎかっこで分け、出典を書き、自分の解説を主にする |
| 他社の写真や図をそのまま使う | 写真や図形も著作物にあたりうる | 自社で撮影・作成したものを使う |
この表は一般的な考え方を整理したものです。
実際に使ってよいか迷う個別の場面では、弁護士など専門家に確認してください。
検索と広告表示の線 文を借りたページが損をする理由
著作権とは別に、他社の文章を借りたページは、検索と広告表示のルールの面でも不利になります。
Googleは言い換えただけの転載を不正な行為に挙げている
Googleが公表している検索のスパムに関するポリシー(2026年9月2日更新)によると、他のサイトのコンテンツを集めて転載する行為は「スクレイピング」と呼ばれ、不正な例が挙げられています。
その中には、次の例があります。
「他のサイトのコンテンツをコピーし、(語句を類義語に置き換えたり自動化された手法を使用したりして)若干の修正を加えたうえで転載する」
見本の文章の言葉を少し入れ替えて自社のページに載せるやり方は、この例に近い形になります。
同じポリシーは、元のソースを引用もせず、独自のコンテンツや価値を加えずに転載することも、不正な例として挙げています。
検索から見ると、見本に似せたページは、元のページより先に表示される理由がありません。自社にしかない事実やお客様の言葉が入っているページだけが、比べられたときに選ばれる理由を持ちます。
手順4で型だけを取り出し、手順5で自社の言葉で書き直すのは、検索の面でも意味があります。
他社の数字や「No.1」は借りられない
見本の中に、「満足度No.1」や「導入実績◯◯社」といった言葉が入っていることがあります。
強い言葉なので型として借りたくなりますが、こうした表示は、自社に根拠が無ければ使えません。
消費者庁は、2024年9月26日に公表した「No.1表示に関する実態調査報告書」の公表文で、「『顧客満足度No.1』などのいわゆるNo.1表示等は、その表示が合理的な根拠に基づかず、事実と異なる場合には、実際のもの又は競争事業者のものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認され、不当表示として景品表示法上問題となります」と述べています。
スワイプファイルのメモに「どう信じさせているか」を書くときは、自社に同じ根拠があるかも一緒に書いておきます。根拠が無い材料は、型として借りる対象から外します。
| 見本にある信じさせる材料 | 借りる前に確かめること | 自社に根拠が無いときの代わり |
|---|---|---|
| 「満足度No.1」などの順位 | 調査の対象・方法・時期を示せるか | 実際にいただいた声を、名前の出し方の許可を取って載せる |
| 「導入実績◯◯社」などの件数 | 数えた範囲と時点を説明できるか | 数えられる範囲の事実(創業からの年数など)を書く |
| 「必ず効果が出る」などの約束 | 例外が無いと言い切れるか | どんな状況の人に合うかを書く |
| 専門家や団体の推薦 | 実際に推薦を受け、掲載の了承があるか | 持っている資格や許可の番号を書く |
| 期間限定の値引き | 本当に期限があるか | 受付できる件数など、事実の範囲で書く |
AIに文章を書かせるときこそスワイプファイルが要る
いまは、売れた広告をまとめてAIに読み込ませれば、スワイプファイルは要らないのではないか、という声も聞きます。
実際には逆で、AIで文章を書く会社ほど、自社のスワイプファイルが役に立ちます。理由は2つです。
AIに渡す材料になる
ChatGPTやClaudeのような生成AIは、渡された材料と指示に沿って文章を作ります。
材料が「売れる文章を書いて」という一言だけだと、どの会社にも当てはまる、よく見かける言い回しが出てきます。
スワイプファイルの4項目のメモと、自社のお客様の問い合わせ文を一緒に渡すと、型と自社の言葉の両方がそろった状態で書かせられます。
このとき、他社の文章の全文は渡さず、自分で取り出した型と、自社の言葉だけを渡します。出てきた文章が見本に似すぎるのを防ぐためです。
頼み方の例を挙げます。「型は『読み手が動かない理由を先に3つ並べ、1つずつ答える』。読み手は従業員10人前後の会社の社長。お客様の言葉は『顧問料が見合うか分からない』『今の記帳で困っていない』。この材料で、相談ページの書き出しを3案書いてください」。
材料がここまでそろっていると、出てくる案が自社の話になります。案を選ぶときも、4項目のどれが強いかで比べられます。
出てきた文章の良し悪しを判断する物差しになる
AIが書いた文章は、文法の上では整っています。
問題は、それが読み手を動かすかどうかを、書かせた側が判断できるかです。4項目で見本を見る目が育っていれば、AIの文章にも同じ4項目を当てて、足りないところを見つけられます。
「誰に向けているかが広すぎる」「信じさせる材料が無い」と言葉にできれば、次にAIへ出す指示もはっきりします。
AIに頼るほど、どの会社のページも似た言い回しになりやすくなります。だからこそ、自社のお客様の言葉と、自社で確かめた見本の型が、ほかの会社との違いを作る材料として残ります。
| AIの使い方 | 起きやすいこと | スワイプファイルでの補い方 |
|---|---|---|
| 「売れる見出しを書いて」とだけ頼む | どの会社にも当てはまる見出しが出る | 4項目のメモと、お客様の言葉を添えて頼む |
| 他社のページを読み込ませて書かせる | 元の文章に似すぎた文が出る | 全文は渡さず、取り出した型だけを渡す |
| 出てきた文章をそのまま載せる | 良し悪しを判断しないまま公開する | 4項目を当てて、欠けている項目を直す |
| 何本も書かせて選ぶ | 選ぶ基準が無く、好みで決まる | 効いた見本のメモと見比べて選ぶ |
スワイプファイルでよくある失敗
スワイプファイルは始めやすい道具ですが、続けているうちに使われなくなることも多い道具です。
よくある失敗と、その直し方をまとめます。
集めることが目的になる
最もよくあるのが、集めること自体が楽しくなり、使わないまま増え続ける失敗です。
見本が100件あっても、直したページが1つも無ければ、成果はゼロです。直す場所が決まっていない見本は、いったん集めるのをやめます。
目安として、見本が10件たまったら、その場所を直すまでは次の場所の見本を集めないと決めておくと、集めすぎを防げます。
有名な広告ばかり集める
昔から名作と言われる広告は、学ぶところが多いのは確かです。
ただ、時代も国も商品も違う広告ばかりだと、中小企業のホームページにどう当てはめるかで止まります。名作は数件にとどめ、いま日本で目に入る広告やページを中心に集めます。
担当者の頭の中にしか無い
担当者が1人で集めていると、その人が異動や退職をしたときに、スワイプファイルごと消えます。
一覧表の列をそろえ、社内の共有の場所に置いておけば、次の担当者も同じ見本から始められます。
効いたかどうかを確かめない
見本の型を当てて書き直したのに、その後の数字を見ないまま次の場所に移ってしまう失敗もよくあります。
確かめないと、どの見本が自社のお客様に効くのかが分からないままです。効いた見本と効かなかった見本の区別がつくようになると、スワイプファイルは自社専用の資料に育っていきます。
| よくある失敗 | 起きていること | 直し方 |
|---|---|---|
| 見本がたまるだけで使っていない | 直す場所が決まっていない | 次に直す場所を1つ決め、それ以外の見本は集めない |
| なぜ残したか思い出せない | 理由のメモが無い | 4項目を1行ずつ書き足す |
| 書いた文章が見本に似すぎる | 言い回しまで借りている | 型だけを取り出し、言葉は自社の資料から持ってくる |
| 有名な広告ばかりで当てはめられない | 自社の商売から遠すぎる | いま目に入る国内のページを中心に集め直す |
| 担当者が替わると消える | 個人の端末にしか無い | 列をそろえた一覧表を共有の場所に置く |
よくある質問
スワイプファイルとは何ですか
反応が取れていそうな広告やウェブページ、お客様の言葉などを集め、なぜ効いているのかのメモをつけて保管しておく資料です。
文章を書くときに白紙から考えず、手本の組み立てを見ながら書くために使います。
スワイプファイルの作り方を一言で言うと
直す場所を1つ決め、その場所の見本を10件、出典と日付つきで集め、1件ごとに「誰に・何を約束・どう信じさせる・何をしてもらう」の4項目を書きます。
そのうえで、言葉を外して順番と考え方だけを型にし、自社の言葉で書いて数字で確かめます。
他社のページを保存して社内で共有しても問題ありませんか
文化庁の著作権テキストは、私的使用のための複製の例外について「仕事での利用は対象外」と説明しています。
会社で使うスワイプファイルは、全文の写しより、出典の住所・保存日・自分で書いたメモを中心にしておくのが安全です。個別の判断に迷うときは専門家に確認してください。
写経はやったほうがいいですか
手で書き写すほうが身につくかどうかは、研究でも結論が出ていません。
やるなら、次に直す場所の見本の、その部分だけを書き写し、最後に4項目のメモを書きます。時間が取れない場合は、メモを書くだけでも十分に役立ちます。
スワイプファイルの見本をAIに読み込ませてもよいですか
他社の文章の全文を渡すと、出てくる文章が元に似すぎることがあります。
渡すのは、自分で取り出した型と、自社のお客様の言葉にとどめます。出てきた文章は、4項目を当てて点検してから使います。
まとめ
スワイプファイルは、反応が取れていそうな見本を集め、なぜ効いているのかを書き添えてためておく資料です。
中小企業のホームページに生かすなら、集める先を同業・異業種・お客様の言葉・営業の言葉の4つに分け、社内にしかない言葉を必ず混ぜます。
作り方は、直す場所を1つ決める、出典と日付をつけて保存する、4項目で理由を書く、順番と考え方だけを型にする、自社の言葉で書いて数字で確かめる、の5つの手順です。
著作権が守っているのは表現で、アイデアは対象外です。私的使用の例外は仕事には使えないので、全文を写すより、出典と自分のメモを残します。
見本の文を借りないことは、検索や広告表示のルールの面でも自社を守ります。
まずは、次に直す場所を1つだけ決めるところから始めてください。
今日できる点検
最後に、今日のうちに確かめられることを表にまとめます。
上から順に、できたものに印をつけていってください。
| 点検すること | 確かめ方 | できていなかったら |
|---|---|---|
| 次に直す場所が1つ決まっているか | 「何の見本を集めるか」を1行で書けるか試す | トップの見出し・料金の説明・申し込み欄から1つ選ぶ |
| 手元の見本に出典と日付があるか | 保存済みの画像を5件開いて、元のページにたどれるか見る | 一覧表を作り、出典と保存日の列を足す |
| 見本に理由のメモがあるか | 1件ごとに4項目が書けるか試す | 今日は3件だけ、4項目を1行ずつ書く |
| 自社のページに他社の言い回しが残っていないか | トップの見出しと最初の3行を、参考にしたページと見比べる | お客様の問い合わせ文から言葉を拾って書き直す |
| 根拠の無い「No.1」や件数が無いか | ページ内の順位や数字に、説明できる根拠があるか確かめる | 根拠を示せない表示は外し、事実の範囲の書き方に変える |
| 社内の言葉を集めているか | 最近の問い合わせメールを3通読み返す | お客様の悩みの言い方を、そのまま一覧に書き写す |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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