コンテンツマーケティングは、始めてみたものの成果が出ないという声も多い施策です。一方で、地道な取り組みを積み重ねて明確な数字を残している企業も存在します。この記事では、実名で公開されている企業の事例をもとに、成果につながる共通点と、明日から着手できる実践ステップを解説します。
コンテンツマーケティングは実際にどれだけ成果が出ているのか
ファストマーケティング株式会社が2024年に実施した調査(コンテンツマーケティングに取り組む経営者・役員・会社員240名対象)によると、2023年の取り組みに対して8割弱が成果を実感したと回答し、64.7%が前年度より予算を増額したと答えています。多くの企業が手応えを感じつつ投資を拡大している分野だといえます。
実名企業に学ぶ、成果につながった4つの事例
具体的にどのような施策が成果につながっているのか、実名で公開されている事例を見ていきましょう。
1. ユアマイスター株式会社|流入2倍・CV6倍
ハウスクリーニングなどのサービスを扱うECプラットフォーム企業です。オウンドメディア「YOURMYSTAR STYLE」でのSEOと、Instagram・TikTokなどのSNSを組み合わせたマルチチャネル戦略を展開し、1年で流入数が2倍、コンバージョン数が6倍になったと報告されています。SNSで潜在層の認知を獲得し、検索エンジンから流入する顕在層には記事の文脈に沿ったCTAを配置するという、チャネルごとの役割分担が特徴です。
2. 日本コンベンションサービス株式会社|CV数5倍(3年)
1967年創業のコンベンション専門会社です。従来は対面営業が中心でしたが、コーポレートサイトのリニューアルとコンテンツSEOに着手。検索意図が明確な「ミドルワード」への対策と、広告用LPとSEOコンテンツを連携させる導線設計、事例コンテンツの拡充を進めた結果、3年間で問い合わせ数を約5倍に伸ばしています。社内勉強会を通じた意識改革も、成果を支えた要因として挙げられています。
3. 富士フイルム株式会社(写真年賀状サービス)|流入172%増・注文114%増
年賀状の発行枚数が毎年約5%ずつ減少するという逆風の市場で、コンテンツマーケティングを導入した事例です。従来は担当者の感覚に頼っていたコンテンツ制作を、分析ツールによる検索意図の把握に基づいた設計へと切り替えました。その結果、自然検索からの流入数が前年比172%、サイトからの注文件数が前年比114%となり、広告費を抑えながらROIを前年比2割改善しています。
4. 株式会社クラシコム(北欧、暮らしの道具店)|月間PV約1,600万
自社ECサイト単独の運営でありながら、月間PV数約1,600万・月間UU数約150万という規模を達成している事例です(2017年時点)。商品のスペックを羅列するより、スタッフ自身が商品にまつわる暮らしの物語を継続的に発信することを重視し、「読みもの」と「お買いもの」を一体化させたサイト構成が特徴です。価格競争に陥りやすいEC業界において、指名買いを生み出す強力な参入障壁になっています。
4つの事例に共通する3つのポイント
- 単発の記事施策で終わらせていない:ユアマイスターはSNSとSEOを役割分担させ、富士フイルムはツールによる検証プロセスを組み込むなど、いずれも複数の施策を連携させています。
- 社内の意識・体制まで変えている:日本コンベンションサービスは社内勉強会を通じて意識改革を行い、富士フイルムは感覚頼りの制作からツールに基づく検証プロセスへと切り替えています。コンテンツマーケティングを一部門の業務ではなく、全社の取り組みにしている点が共通しています。
- 数字で振り返る仕組みを持っている:流入数・CV数・PV数など、施策の前後で比較できる指標を継続的に見ています。
実践ステップ:何から始めるか
STEP1:現状分析(目安1週間)
Google Analyticsとサーチコンソールで、直帰率・滞在時間・流入経路・検索順位といった現状の数値を確認します。あわせて、上位表示している競合サイトのコンテンツ量や更新頻度も把握しておきましょう。
STEP2:戦略立案(目安2週間)
年間・月間のコンテンツカレンダーを作成し、集客用(ハウツー・用語解説)・教育用(事例紹介・比較記事)・転換用(サービス紹介・FAQ)の3種類にコンテンツを分類します。あわせて、PV・エンゲージメント・コンバージョンそれぞれのKPIを設定します。
STEP3:実行体制の構築(目安1ヶ月)
内製・外注・ハイブリッドのいずれで進めるかを決め、レビュー体制と更新ルールを整備します。特に「誰が最終チェックをするか」を決めておかないと、更新が属人化して継続できなくなります。
STEP4:効果測定と改善(毎月)
PV数や流入経路だけでなく、読了率やコンバージョン率も含めて確認し、パフォーマンスの低い記事から優先的にテコ入れします。日本コンベンションサービスの事例が示す通り、成果が出るまでには年単位の時間がかかることも珍しくありません。
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