先日、Q&Aサイトでこのような相談を見かけました。会社のホームページを作って1年、毎日のように検索順位を気にしているけれど、アクセス数が思ったより少ない。そもそも自分のサイトのアクセス数がどのくらいで、それが多いのか少ないのか、判断する物差しが分からない。回答欄には「とにかく記事を増やしましょう」「広告を出しましょう」といった声が並んでいましたが、相談した本人が本当に知りたかったのは、その手前にある物差しのほうだったはずです。同じ不安を抱えている中小企業の経営者や担当者は、決して少なくありません。
この記事は、アクセス数の正しい調べ方と目安の考え方を整理したうえで、その先にある一番大事な問いに答えます。アクセス数を増やす作業に手をつける前に、自社サイトでまず確認すべき数字が1つあります。ここが決まらないまま集客に予算を投じると、人は増えても問い合わせは増えないという、一番もどかしい事態になりがちです。読み終えたときに、御社が明日から見る数字が1つに絞れている状態を目指します。専門の道具も予算もいりません。無料のツールと、電卓1つでできる割り算があれば足ります。
そもそもアクセス数とは何を数えているのか
アクセス数という言葉は、日常会話では便利ですが、実は複数の異なる数え方をひとまとめにした呼び名です。同じ1人の訪問でも、どの単位で数えるかによって、記録される数は1にも2にも5にもなります。この違いを押さえないまま数字を比べると、多い少ないの判断そのものが狂います。たとえば制作会社から「先月のアクセスは3000でした」と報告を受けても、それが3000人なのか、3000回の訪問なのか、3000ページの表示なのかで、意味はまるで変わります。まずは物差しの目盛りを合わせるところから始めます。
Googleが提供する無料の計測ツールであるアナリティクス(GA4)では、人を数える単位、訪問を数える単位、ページの表示を数える単位が、それぞれ別の指標として並んでいます。どれも「アクセス」と呼べてしまうため、社内で報告する人と受け取る人が別の単位を思い浮かべていると、話がすれ違います。御社の会議で誰かが「先月のアクセスは1000」と言ったとき、それが人の数なのか、訪問の数なのか、ページ表示の数なのかを、まず確かめてください。ここを共通の言葉にしておくだけで、その後の議論の質が変わります。
ページビュー数は表示されたページの延べ数
ページビュー数は、サイト内のページが表示された回数の合計です。1人の訪問者が5ページを見て回れば、それだけで5と数えられます。数字が大きくなりやすいため、報告書の見栄えは良くなります。ただし、その中身が「1人が延々と回遊した結果」なのか「たくさんの人が1ページずつ見た結果」なのかは、この数字だけでは分かりません。ページビュー数が先月の1.5倍に伸びていても、訪問した人そのものが1.5倍に増えたとは限らないのです。会社案内のページを社員が繰り返し開いただけでも、この数字は膨らみます。規模の判断に使うには、注意のいる指標です。
セッション数は訪問のひとまとまり
セッション数は、サイトに来てから離れるまでの一連の行動を1回として数えた数です。同じ人が朝の通勤中と夜の帰宅後に別々に訪れれば、セッションは2と記録されます。広告や検索から何回サイトに入ってきたか、という流入の勢いを見るのに向いた指標です。Googleが公開しているアナリティクスのヘルプによると、一定時間の操作が途切れると、その後の訪問は新しいセッションとして数え直される仕組みになっています。時間帯をまたいだ訪問が別々に数えられるのは、このためです。広告を出した日に何回サイトへ入ってもらえたかを追うなら、この数字を見ます。
ユーザー数はサイトに来た人の数
ユーザー数は、サイトを訪れた人そのものの数に最も近い指標です。同じ人が1日に3回訪れても、ユーザーとしては1と数えられます。集客がどれだけの人数に届いているかを見るなら、この数字が出発点になります。3つの指標のうち、事業の実感に一番近いのはユーザー数です。問い合わせは人が起こす行動なので、何人に届いたかを土台に考えると、後の判断がぶれません。報告を受けるときも、まずユーザー数を尋ね、そこからセッションやページビューへ話を広げると、数字の意味を取り違えずに済みます。制作会社や広告の担当者と話すときも、この順で数字を確認する習慣をつけると、専門用語に押し切られずに、自分の言葉で状況を把握できます。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| ページビュー数 | ページが表示された延べ回数を数えている。1人の回遊でも数字が伸びる | 回遊の深さを見る参考にとどめ、集客の規模の判断には使わない |
| セッション数 | 訪問のひとまとまりを数えている。同じ人の再訪も別に数える | 流入の勢いを追う指標として、広告や検索の反応を見るときに使う |
| ユーザー数 | 訪れた人そのものに近い数を数えている。事業の実感に一番近い | 集客が何人に届いたかの土台として、目標設計の出発点に置く |
| 直帰したセッション | 入口の1ページだけ見て離れた訪問を数えている | 入口ページの内容と検索の言葉が合っているかを見直す材料にする |
自社サイトのアクセス数の調べ方
自社のアクセス数は、無料のツールを2つ入れておけば、後からいつでも正確に振り返れます。1つはGoogleアナリティクス、もう1つはGoogleのサーチコンソールです。前者はサイトに来た後の動きを、後者はサイトに来る前の検索の様子を見せてくれます。両方をそろえると、入口の手前から出口までが一本の線でつながって見えます。片方だけだと、検索での見え方か、来訪後の動きか、どちらかが欠けた片目の状態になります。導入は1日で終わる作業なので、まだなら今日のうちに手配してください。制作会社に任せきりで自社の管理画面を一度も見たことがない、という状態は、御社の数字を他人に預けているのと同じです。まずは自分の目で数字を見られる状態を作ることが、すべての出発点になります。
アナリティクスで人数と訪問を見る
アナリティクスを導入するには、計測用のコードをサイトの全ページに埋め込みます。制作会社に頼んで作ったサイトなら、管理画面やタグ管理の仕組みから設定できることがほとんどです。設定が終われば、レポート画面でユーザー数、セッション数、ページビュー数を日ごと月ごとに追えるようになります。まず見るのは、月単位のユーザー数の推移です。ここで比べる相手を間違えないでください。去年の同じ月と今年を並べると、季節の波に惑わされずに増減が読めます。先月と今月を並べる見方は、季節の山と谷をそのまま増減と取り違えやすいので避けます。たとえば年度末に問い合わせが集中する事業なら、3月と4月を比べても意味が薄いのです。
サーチコンソールで検索の入口を見る
サーチコンソールは、検索結果に自社ページが何回表示され、何回押されたかを見せてくれるツールです。表示回数、クリック数、掲載順位、クリック率の4つが並びます。アクセスが少ないと感じたとき、原因が「検索で表示されていない」のか「表示はされているが押されていない」のかを、ここで切り分けられます。Googleが公表している検索の解説によれば、この2つは打ち手がまったく違います。表示が少ないなら、そもそも検索されている言葉と中身が合っていない。表示は多いのに押されないなら、タイトルや説明文の見え方に原因がある。先に切り分けておくと、効かない場所に力を注ぐ無駄を避けられます。
調べるときに間違えやすいこと
アクセス数を測るとき、自分自身や社内からのアクセスが混ざっていると、数字が実態より膨らみます。特に更新作業の多いサイトでは、担当者が毎日開くだけで、それがアクセスとして積み上がります。社内のネットワークからのアクセスを計測から外す設定を、最初に入れておいてください。もう1つ、計測コードが一部のページに入っていないと、そのページの訪問がまるごと記録から漏れます。新しく追加したページに設定を入れ忘れる事故は、現場で本当によく起きます。数字が不自然に少ないと感じたら、実際の減少だと決めつける前に、コードの入り忘れをまず疑ってください。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 計測コード未設置 | 訪問があっても記録されず、数字が実態より小さく出る | 全ページにコードが入っているかを確認し、抜けを埋める |
| 社内アクセス混入 | 担当者や関係者の閲覧が積み上がり、数字が膨らむ | 社内ネットワークからのアクセスを計測対象から外す |
| 単月だけで比較 | 季節や曜日の波を増減と取り違える | 前年の同じ月と並べ、波を除いてから増減を読む |
| 指標の取り違え | 人数と訪問と表示を混同し、報告がすれ違う | 会議では必ず単位を言い添え、ユーザー数を土台にする |
競合や他社のアクセス数の調べ方
自社の数字だけを見ていると、それが業界の中で高いのか低いのか判断できません。同業のサイトがどのくらいのアクセスを集めているかを知ると、目標の当たりがつきます。ただし、他社の正確なアクセス数を外から知る方法はありません。外部から見えるのは、あくまで推定値です。この前提を忘れると、当てにならない数字に振り回されて、本来やるべき自社の改善から目がそれてしまいます。他社の数字は、あくまで自社の現在地を相対的に眺めるための背景として使います。
推定ツールの考え方
他社サイトのアクセス規模を推定するツールは、検索での順位や被リンクの状況などから、おおよその訪問数を割り出します。同業のサイトを10社ほど並べて眺めると、その業界でよく見られるアクセスの帯が見えてきます。桁が1つ違う相手と自社を比べても意味は薄いので、事業の規模や地域が近い相手を選ぶのが要点です。地域密着で商圏の限られた事業なら、同じ商圏の同業を物差しにしてください。全国に向けて発信している大手を基準にすると、桁が違いすぎて、届かない目標に落ち込むだけになります。比べる相手を正しく選ぶことが、目安づくりの半分を占めます。
推定値をうのみにしない
推定ツールが出す数字は、実際のアナリティクスの数値と何倍もずれることがあります。特にアクセスの少ないサイトほど、推定の誤差は大きくなります。他社の推定アクセスが自社の3倍と出たとしても、実際は2倍だったり同程度だったりする可能性は十分あります。推定値は「桁の感覚をつかむ」ためだけに使い、1桁の細かい差で一喜一憂する使い方は避けてください。自社の判断の土台は、あくまで自社の正確な計測に置きます。他社が3000で自社が500なら、桁が1つ違うという事実だけを受け取り、その差を埋める前にまず自社の到達の割合を見る、という順番を守ります。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 大手を物差しにする | 桁が違う相手と比べ、届かない目標に落ち込む | 規模と地域が近い同業を選び直して比較する |
| 推定値を実数扱い | ずれの大きい推定を正確な数字と思い込む | 桁の感覚をつかむ用途に限り、細かい差は無視する |
| 順位だけを見る | 順位が上がっても表示が少なく、訪問につながらない | 表示回数とクリック率を合わせて見て、実際の流入を測る |
| 比較先が少なすぎる | 1社だけと比べ、その相手の特殊事情に引きずられる | 同業を10社ほど並べ、よく見られる帯を把握する |
アクセス数の目安をどう決めるか
アクセス数の目安を、業界の平均値から探そうとする人は多いです。しかし、世の中に出回っている「業界平均アクセス数」の数字は、集計の対象も方法もばらばらで、自社に当てはめられる保証がありません。目安は、御社の目標から逆算して自分で作るものです。外から借りてきた数字は、集計の前提が違うため、そのまま当てはめると判断を誤ります。この作り方を一度覚えれば、他社の数字や根拠のあいまいな平均値に振り回されなくなります。自分の物差しを持つことが、落ち着いて運用を続ける支えになります。
一般的な平均に意味が薄い理由
同じ業界でも、地域密着の小さなサイトと全国展開の大手サイトでは、アクセスの桁がまったく違います。両者を混ぜて平均を出しても、どちらにも当てはまりません。さらに、平均という数字は一部の巨大サイトに引っ張られて、実態より高く出やすい性質があります。「業界平均は月1万アクセス」という数字を見て自社の月500と比べ、落ち込む必要はありません。比べるべき相手は、御社が達成したい問い合わせ件数のほうです。年に数件の大型案件で成り立つ事業と、毎日小さな注文を積み上げる事業では、必要なアクセスの桁がそもそも違います。同じ物差しで測ること自体に無理があるのです。
目標の問い合わせ件数から逆算する
目安を作る手順はこうです。まず、月に何件の問い合わせがほしいかを決めます。次に、訪問した人のうち何割が問い合わせに至るか、という割合を仮に置きます。この割合が分からなければ、まずは0.5%ほどで見積もっておくと大きく外しません。あとは、ほしい件数をこの割合で割れば、必要なアクセス数が出ます。たとえば月に10件の問い合わせがほしくて、割合を0.5%と置くなら、必要なアクセスは月2000です。この2000という数字が、御社にとっての目安になります。月5件でよければ1000、月30件を狙うなら6000。目標が動けば目安も動く、という関係が一度で腑に落ちます。ここで大事なのは、この目安が「今の到達の割合を前提にした数字」だという点です。到達の割合を0.5%から1%へ上げられれば、同じ月10件でも必要なアクセスは半分の1000で済みます。集客を増やす道と、割合を上げる道の2つがあり、後者のほうが多くの場合、少ない労力で効きます。
業界やサイトの種類による差
問い合わせに至る割合は、扱う商品やサイトの作りによって変わります。高額で検討期間の長い商材は割合が低めに、日常的に使うサービスは高めに出る傾向があります。数十万円の設備を売る事業と、その場で申し込める安価なサービスでは、同じアクセスでも問い合わせの起きやすさが違うのです。最初は0.5%で見積もり、実際に数か月運用して自社の割合が見えてきたら、その実測値に置き換えてください。仮の数字で立てた目安を、自社の現実の数字で上書きしていく。この更新を続けると、目安はどんどん自社の実態に近づいていきます。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 月1件ほしい | 割合0.5%なら、必要なアクセスは月200が目安 | まず入口ページ1枚を検索の言葉に合わせて整える |
| 月5件ほしい | 割合0.5%なら、必要なアクセスは月1000が目安 | 問い合わせページへの導線を全ページに置く |
| 月10件ほしい | 割合0.5%なら、必要なアクセスは月2000が目安 | よく読まれる入口から順に、内容を厚くしていく |
| 月30件ほしい | 割合0.5%なら、必要なアクセスは月6000が目安 | 検索で表示される言葉の種類を増やし、入口を広げる |
アクセス数が少ないと感じたときにまず疑うこと
アクセスが少ないと感じたとき、いきなり広告や記事を増やす前に、原因の在り処を切り分けると無駄が減ります。少なさには、そもそも検索で見つけてもらえていない場合と、見つけてもらえているのに押されていない場合の2通りがあります。この2つは打ち手がまったく違うため、先に見分けます。ここを飛ばして手を打つと、効かない場所に力を注ぐことになります。検索で表示すらされていないサイトにタイトルの工夫をしても、そもそも見える舞台に立てていないので効果は出ません。順番として、まず舞台に立てているかを確かめます。
計測が正しく入っているかを先に見る
数字が急に少なくなった、あるいは想定よりはるかに小さいときは、実際にアクセスが減ったのではないかと慌てる前に、計測が壊れている可能性を先に潰します。サイトの改修で計測コードが外れる事故は珍しくありません。自社サイトを28日単位で測り直したときの記録に、こんな一文が残っています。「順位は取れている。クリック率も普通。ただ表示される回数が少ない」。順位という一部分だけを見ていると、この状態は見過ごされます。数字の異常は、実態の変化と計測の不具合を切り分けるところから始めてください。
指名検索と一般検索の内訳を見る
検索から来る訪問には、会社名や店名で直接調べて来る指名検索と、悩みや商品名で調べて来る一般検索があります。指名検索ばかりでアクセスが少ないなら、まだ会社を知らない人に届いていないという状態です。一般検索がほとんどないなら、悩みを抱えた人が検索する言葉と、サイトの中身がかみ合っていない可能性が高いです。自社サイトを測り直したとき、担当者が「1位を取っても、その言葉では月に2回しか表示されない」とこぼしたことがあります。上位に入っていても、検索する人のいない言葉では人は来ません。サーチコンソールで、どんな言葉で表示されているかを一覧で見ると、この内訳が読み取れます。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 数字が急減した | 実態の減少か計測の故障かが分からない | 計測コードの生存を先に確認し、故障を切り分ける |
| 表示は多いが押されない | 検索結果に出ているのに、タイトルが選ばれていない | タイトルと説明文を、検索する人の言葉に書き直す |
| 指名検索ばかり | 既に知っている人しか来ておらず、新規に届かない | 悩みの言葉での入口ページを増やし、間口を広げる |
| 一般検索がほぼ無い | 検索する言葉とサイトの中身がかみ合っていない | 実際に検索されている言葉を調べ、その言葉で書く |
アクセス数を増やす前に見るべき1つの数字
ここが、この記事で一番伝えたいところです。アクセス数を増やす作業に入る前に、御社が確かめるべき数字は1つに絞れます。それは、サイトに来た人のうち、問い合わせという最後の行動まで到達した人の割合です。完了した問い合わせの数を、アクセスの数で割った値になります。この1つの数字が低いまま入口を広げても、通り抜けていくだけの人が増え、問い合わせはほとんど増えません。逆にこの数字を先に上げておけば、同じアクセスからでも成果が増え、そのうえで集客を増やした分が素直に上乗せされます。
その1つの数字とは何か
図のサイトAとサイトBは、入口のアクセスがどちらも月1000で同じです。違うのは、問い合わせページまで到達できた人の数だけです。サイトAは5人、サイトBは40人。この差が、そのまま問い合わせ件数の差になります。アクセスという入口の数が同じでも、途中まで進めた人の割合が8倍違えば、結果も8倍違います。増やす前に見るべきなのは、入口の数より、この到達の割合のほうです。多くの経営者はアクセスの数字ばかりを追いますが、事業を動かしているのは、その内側にある小さな割合です。
なぜ増やす前にこれを見るのか
到達の割合が低いサイトで先にアクセスを増やすと、増えた人のほとんどが問い合わせにたどり着かないまま去っていきます。予算をかけて集めた訪問が、そのまま漏れていく状態です。先に到達の割合を上げておけば、同じ数のアクセスからでも問い合わせが増えます。そのうえでアクセスを増やせば、増やした分が素直に問い合わせの増加へつながります。順番が逆になると、投じた予算の多くが無駄になります。広告に力を入れる前に、まず受け皿の割合を確かめる。この一手間が、同じ予算からの成果を何倍にも変えます。
その数字の出し方
計算は単純です。ある月の問い合わせ完了数を、その月のアクセス数で割ります。月1000アクセスで問い合わせが5件なら、割合は0.5%です。この数字を毎月記録し、上がっているか下がっているかを追います。金額の話は出てきません。必要なのは、問い合わせの数とアクセスの数、この2つだけです。まずは直近3か月分をさかのぼって計算し、御社の現在地を数字で押さえてください。3か月分を並べると、その月かぎりのたまたまの上下に惑わされずに、傾向として上がっているのか下がっているのかが見えてきます。ここが、すべての判断の出発点になります。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 割合を測っていない | アクセスは見ているが、到達の割合を出していない | 問い合わせ完了数をアクセス数で割り、現在地を出す |
| 割合が0.1%未満 | 入口に人は来るが、ほぼ全員が問い合わせせず去る | アクセスを増やす前に、導線と入口の内容を直す |
| 割合が0.5%前後 | 標準的な水準まで到達の割合が育っている | この割合を保ったまま、入口ページの数を増やす |
| 割合が1%以上 | 到達の割合が高く、集客の増強が素直に効く状態 | 安心してアクセスを増やす作業に予算を配る |
アクセスを増やせば問い合わせが増えるという思い込み
アクセスを増やせば、その分だけ問い合わせも増えるはずだ。この考えは直感的で分かりやすいですが、実際には成り立たないことがよくあります。問い合わせは、アクセスした人が入口から出口まで進んで初めて生まれます。途中の道が細ければ、入口をいくら広げても、出口にたどり着く人はほとんど増えません。この構造を理解すると、なぜアクセスを増やす前に到達の割合を見るのかが腑に落ちます。集客の予算を組む前に、まずこの構造を社内で共有しておくと、後の意思決定が速くなります。
底に穴が空いたバケツのたとえ
集客をバケツに水を注ぐことにたとえると、分かりやすくなります。アクセスを増やすのは、注ぐ水の量を増やす作業です。しかし、バケツの底に大きな穴が空いていれば、水を注いでも溜まりません。この穴が、途中で去っていく人の多さです。穴をふさがないまま注ぐ量だけ増やすと、こぼれる量も同じだけ増えるだけです。まず穴をふさぎ、それから注ぐ量を増やす。この順番が、投じた力を溜める唯一のやり方です。広告代理店から集客の提案を受けたとき、自社のバケツに穴が空いていないかを先に確かめると、その提案が今の自社に効くかどうかを冷静に判断できます。
実際に起きること
到達の割合を放置したままアクセスだけを増やすと、報告書の数字は華やかになります。ページビューが伸び、訪問者が増え、グラフは右肩上がりになります。ところが問い合わせ件数はほとんど動きません。数字が伸びているのに成果が出ないという、一番もどかしい状態です。目を向けるべきは、見栄えの良い大きな数字のほうではありません。事業につながる小さな割合のほうです。逆に、到達の割合を先に上げておくと、アクセスが横ばいでも問い合わせが増えていきます。グラフの派手さと事業の実りは、必ずしも一致しないのです。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 穴を放置して注ぐ | アクセスは増えるが、問い合わせは横ばいのまま | まず到達の割合を上げ、それから集客を増やす |
| 見栄えの数字を追う | ページビューの伸びに満足し、成果を見失う | 報告の主役を問い合わせ件数と到達の割合に変える |
| 広告で一気に増やす | 予算で集めた訪問が、到達せずに漏れていく | 漏れを止めてから広告を回し、投じた分を回収する |
| 順番が逆になる | 集客が先行し、受け皿が追いつかず取りこぼす | 受け皿を整えてから、集客の量を段階的に増やす |
その1つの数字を改善する順番
到達の割合を上げると決めたら、闇雲に手をつける前に、見る場所の順番を決めます。訪問した人は、入口に着き、サイト内を移動し、問い合わせページに進み、最後に送信します。この4つの段階のうち、どこで一番人が抜けているかを見つけ、抜けの大きい場所から順に直します。全部を一度に直そうとすると力が分散するため、1か所ずつ潰します。どこで抜けているかは、アナリティクスでページごとの離脱の様子を見れば当たりがつきます。感覚で決めず、数字が示す場所から手をつけてください。
入口はどのページに着地しているか
訪問者が最初に開くページを、着地ページと呼びます。着地はトップページであることが多いと思われがちですが、実際には検索でたどり着いた個別のページであることがほとんどです。トップページから入る人は、思っているより少ないのです。この着地ページの内容が、検索した人の期待と合っていないと、その場で去られます。「料金を知りたくて検索したのに、会社の理念ばかり書いてあった」といったずれが、去られる典型です。サーチコンソールで表示されている言葉と、実際の着地ページの中身がかみ合っているかを、まず突き合わせてください。ここが合っていないと、後の段階をいくら直しても人は先に進みません。
経路は問い合わせページへ進めているか
着地ページで去られなかった人が、次に問い合わせページへ進めるかどうかを見ます。問い合わせへの入り口が、ページの下の方に小さく置かれているだけだと、多くの人はその存在に気づきません。どのページからでも、問い合わせへの入り口が目に入る状態を作ります。文章の中のリンク1本だけで済ませず、押しやすい形の案内を、読み進めた自然な位置に置いてください。読んでいて「これは自分の悩みの話だ」と感じた、まさにその場所に案内があると、人は自然に次へ進みます。導線は、置く場所と見え方で成果が変わります。
出口はフォームを通過できているか
問い合わせページまで進んだ人が、そこで離脱していないかを見ます。入力する項目が多すぎたり、必須の欄が並びすぎていたりすると、人はそこで手を止めます。項目を、事業に本当に必要なものだけに絞ります。名前と連絡先と用件があれば足りる場面で、細かい属性や、答えにくい質問まで求めていないか、御社のフォームを一度自分で入力してみてください。スマートフォンで、通勤中に片手で入力してみると、負担の大きさが実感できます。ここまで来た人を取りこぼすのは、集客のどの漏れよりももったいない漏れです。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 着地ページ | 検索の期待と中身が合わず、開いてすぐ去られる | 表示されている言葉と着地の内容を突き合わせて直す |
| サイト内の経路 | 問い合わせへの入り口が小さく、気づかれない | 読み進めた自然な位置に、押しやすい案内を置く |
| 問い合わせページ | 項目が多く、入力の途中で手を止められる | 必要な項目だけに絞り、入力の負担を軽くする |
| 送信後の対応 | 返信が遅く、問い合わせた人の熱が冷める | 受付の自動返信を用意し、初動の速さを保つ |
アクセス数の見方でよくある誤解
アクセス数にまつわる数字は、直感で解釈すると逆の判断をしてしまうものがいくつかあります。数字の大小がそのまま良し悪しに直結しない場面を知っておくと、無駄な対策や、逆効果の対策を避けられます。ここでは、現場で特に多い取り違えを整理します。良かれと思って打った手が、実は数字の読み違いから来ていた、という失敗は珍しくありません。
ページビューが多いほど良いサイトなのか
ページビューが多いことは、必ずしも良い状態を意味しません。目当ての情報が見つからず、あちこち探し回った結果ページビューが伸びている場合もあります。この場合、数字は大きくても、訪問者は迷っています。料金のページを探して5ページも開かせているなら、それは回遊の多さという長所というより、案内の分かりにくさの表れです。ページビューの多さを喜ぶ前に、その回遊が目的の達成につながっているのか、それとも迷子の記録なのかを見分けてください。問い合わせに近づく回遊なら良い数字、当てもなく彷徨う回遊なら見直しの合図です。見分ける手がかりは、回遊の行き先です。サービスの説明から料金、そして問い合わせページへと進む回遊は、目的に向かう良い動きです。逆に、同じ階層のページを行ったり来たりしているなら、探しものが見つかっていない合図です。アナリティクスでページの移動の様子を見れば、この2つはすぐ見分けられます。
直帰率が高いのは悪いことなのか
1ページだけ見て去る訪問の割合を直帰率と呼びます。これが高いと悪いと決めつけられがちですが、ページの役割によります。知りたいことが1ページで完結し、満足して去ったなら、直帰は問題ではありません。電話番号や営業時間を調べに来た人が、それを見てすぐ電話をかけるために去るのは、むしろ望ましい行動です。直帰率だけを見て慌てる前に、そのページが何のために存在しているかを踏まえて判断してください。ページごとに役割は違うので、サイト全体の直帰率を1つの数字で良し悪しと決める見方は、実態を映しません。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| ページビュー至上 | 迷子の回遊まで良い数字として数えている | 回遊が問い合わせに近づいているかで良し悪しを見る |
| 直帰率を一律に嫌う | 満足して去った訪問まで失敗と見なしている | ページの役割を踏まえ、直帰の意味を場面ごとに判断する |
| 順位だけで安心する | 上位でも表示が少なく、訪問につながっていない | 順位と表示回数を並べ、実際の流入で成否を測る |
| 平均滞在時間の誤読 | 長い滞在を一律に良い状態と思い込む | 目的の行動に向かう滞在かどうかで中身を見分ける |
規模や段階に応じた見るべき数字
アクセスの規模によって、注目すべき数字は変わります。月に数十しか訪問がない段階と、月に数千の訪問がある段階では、打つべき手も、見るべき指標も違います。自社が今どの段階にいるかを見極め、その段階に合った数字を追ってください。段階に合わない数字を追うと、まだ意味を持たないデータに時間を使うことになります。母数の小さいうちに割合を細かく分析しても、数字が跳ねやすく、判断を誤るだけです。段階ごとに、力を注ぐ場所を切り替えていきます。
月100アクセス未満の段階
この段階では、割合を細かく見ても、母数が小さすぎて数字が安定しません。100人のうち1人が問い合わせるかどうかで、割合は0%にも1%にも跳ねます。まずやるべきは、入口ページの数を増やし、検索で表示される言葉の種類を広げることです。1つか2つのページしかない状態から、悩みごとに応えるページを少しずつ足していきます。割合の分析は、アクセスがある程度たまってから始めれば十分です。今は、そもそも見つけてもらう入口を作る時期です。悩みの言葉を1つ選び、それに丁寧に答える1ページを作る。この積み重ねが土台になります。
月数百から千の段階
訪問がこの規模になると、到達の割合を測る意味が出てきます。問い合わせ完了数をアクセス数で割り、現在地を数字で押さえます。同時に、着地ページのどこで人が抜けているかを見て、抜けの大きい場所から直します。入口を増やす作業と、割合を上げる作業を、並行して進められる段階です。ここで割合を育てておくと、次の段階でアクセスを増やしたとき、その効果が大きくなります。数字がある程度たまっているので、どのページがよく読まれているかも見えてきます。読まれているページから優先して手を入れると、限られた時間で成果が出やすくなります。
月数千以上の段階
この規模になれば、到達の割合が数字としてはっきり読めます。割合が標準的な水準に達しているなら、安心してアクセスを増やす作業に予算を配れます。割合がまだ低いなら、集客を増やす前に、そこを上げるほうが投資効率は高くなります。どのページが問い合わせを生んでいるかも見えてくるので、成果の出ている入口を厚くし、そこに似たページを増やす、という攻め方に移れます。この段階では、勘に頼らず、数字が示す勝ち筋をなぞる形で運用できます。うまくいっている型を見つけ、それを横に広げていく。ここまで来ると、投じた力が読みやすい成果として返ってきます。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 月100未満 | 母数が小さく、割合の数字が安定しない | 入口ページを増やし、表示される言葉を広げる |
| 月数百から千 | 割合が意味を持ち始め、抜けどころが見える | 現在地を数字で押さえ、抜けの大きい場所から直す |
| 月数千以上 | 割合がはっきり読め、成果ページも見えてくる | 割合が十分なら集客を増やし、成果ページを厚くする |
| 季節変動が大きい | 繁忙期と閑散期でアクセスの桁が変わる | 前年の同じ月と比べ、波を除いて増減を判断する |
流入経路ごとにアクセスの意味を読む
同じ1件のアクセスでも、どこから来たかによって意味が変わります。検索から来た人、ブックマークや直接入力で来た人、他のサイトのリンクから来た人では、御社への関心の度合いも、次に取る行動も違います。アクセス数を合計だけで見ていると、この違いが平らにならされて見えなくなります。アナリティクスでは流入元ごとに数字を分けて見られるので、合計を眺める前に、まず内訳へ目を向けてください。内訳が読めると、増やすべき経路と、守るべき経路が見分けられます。
検索からの流入は悩みの深さを映す
検索から来た人は、何かを調べたくてサイトにたどり着いています。「地域名と業種」で調べて来たのか、「具体的な悩みの言葉」で調べて来たのかによって、関心の段階が違います。悩みの言葉で来た人ほど、問い合わせに近い場所にいます。サーチコンソールでどんな言葉が入口になっているかを見て、問い合わせに近い言葉での流入が増えているかを追ってください。検索流入は、悩みの言葉に応える入口ページを足すことで、時間をかけて厚くしていける経路です。
直接の流入は信頼の蓄積を映す
ブックマークや、会社名の直接入力で来る人は、すでに御社を知っている人です。この流入が増えているなら、名刺や紹介、過去のやり取りを通じて、御社を覚えている人が増えているという合図です。新規の集客とは別に、この既存の関心を取りこぼさないことも大切です。直接来た人が、迷わず問い合わせページへ進めるかを確かめてください。知っている人ほど、探す手間には敏感です。トップページから用件へ進む道が分かりやすいと、この経路の到達の割合が上がります。
参照やSNSからの流入は広がりを映す
他のサイトのリンクや、SNSの投稿から来る人は、御社が話題にのぼった結果として訪れています。この経路は波が大きく、投稿や掲載のたびに跳ねて、その後は落ち着きます。一時の跳ねに一喜一憂せず、その波が来たときに、来た人を受け止める入口が整っているかを見てください。話題を見て初めて来た人は、御社をまだ深く知りません。何をしている会社かが一目で伝わる状態を保つことが、この経路を成果に変える条件です。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 検索からの流入 | 悩みを抱えた人が、言葉で調べてたどり着いている | 悩みの言葉に応える入口ページを足し、経路を厚くする |
| 直接の流入 | すでに御社を知る人が、名前を頼りに戻ってきている | トップから用件へ進む道を分かりやすく整える |
| 参照からの流入 | 他のサイトで紹介され、そこから訪れている | 何をする会社かが一目で伝わる状態を保つ |
| SNSからの流入 | 投稿のたびに跳ね、その後は落ち着く波がある | 波が来たときに受け止める入口を整えておく |
アクセス数を毎月同じ形で振り返る
アクセス数は、毎月同じ形で記録して初めて意味を持ちます。ある月は詳しく分析し、次の月は忙しくて見ない、という見方では、変化を追えません。凝った資料はいりません。数分で書ける簡単な形を決めて、それを毎月同じ欄に書き続けるほうが、はるかに役に立ちます。同じ形で並べると、数字の動きが自然に目に入り、いつもと違う変化に早く気づけます。振り返りは、続けられる軽さで設計することが何より大切です。
毎月同じ指標を同じ順で並べる
まず並べるのは、ユーザー数、問い合わせ完了数、そして2つを割った到達の割合の3つです。この3つを、毎月同じ順で1行に書きます。指標を欲張って増やすと、記録するのが負担になり、続きません。3つだけなら、月末の数分で終わります。半年並べば、季節の波も、じわじわとした変化も、1つの表の中で見えるようになります。この記録は、数字を集める作業というより、変化に気づくための仕組みです。負担なく続けてください。
変化の理由を1つだけメモする
数字が動いた月は、その理由として思い当たることを1つだけ書き添えます。「入口ページを2枚足した」「フォームの項目を減らした」といった、自分で打った手を記録に残すのです。理由を1つに絞るのは、あれもこれもと書くと、どの手が効いたのか後で分からなくなるからです。打った手と数字の動きが並んで残ると、次に何をすればよいかが、記録そのものから見えてきます。これが、御社だけの改善の教科書になっていきます。
次の1手を1つだけ決める
振り返りの最後に、翌月に試す手を1つだけ決めます。到達の割合が低いなら受け皿の改善、割合が十分ならアクセスを増やす作業、というふうに、その月の数字が示す方向へ1手を選びます。同時にいくつも動かすと、効いた手が特定できません。1か月に1手、という遅さに見えるやり方が、結局は一番速く着実に進みます。1年続ければ、御社のサイトには12の改善が積み上がっています。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 記録の形 | 月ごとに見る指標がばらばらで、比べられない | ユーザー数と完了数と割合の3つを毎月同じ順で並べる |
| 変化の理由 | 数字は残るが、打った手の記録が残っていない | 動いた月に、打った手を1つだけメモとして残す |
| 次の1手 | あれもこれもと同時に動かし、効いた手が不明 | その月の数字が示す方向へ、翌月の1手を1つ決める |
| 続ける軽さ | 凝った資料を作ろうとして、途中でやめてしまう | 数分で終わる形にし、同じ欄に書き続ける |
よくある質問
アクセス数はどのくらいから多いと言えますか
絶対的な基準はありません。多い少ないは、御社が達成したい問い合わせ件数と、到達の割合から逆算した目安に対して判断します。月に10件の問い合わせがほしくて割合が0.5%なら、目安は月2000アクセスです。この目安に届いていれば十分、届いていなければ増やす余地がある、という見方をします。他社の平均値と比べる必要はありません。自社の目標に対して足りているかどうかだけが、判断の基準になります。同じ月2000でも、月1件で満足な事業なら十分すぎる数字であり、月30件を望む事業なら足りない数字です。多い少ないは、いつも御社の目標との関係で決まります。
アクセス数を増やすのに一番効くのは何ですか
状況によって答えが変わります。到達の割合が低いなら、増やす作業の前に、その割合を上げるほうが効きます。割合が十分なら、検索で表示される言葉の種類を増やし、悩みに応える入口ページを足していくのが基本です。どこが弱いかを先に切り分けてから手を打つと、同じ労力でも成果の出方が変わります。まず現在地の数字を押さえてください。弱点の分からないまま万能薬を探しても、時間だけが過ぎていきます。
アクセスはあるのに問い合わせが来ないのはなぜですか
到達の割合が低い状態が疑われます。入口には人が来ているのに、問い合わせページまで進む人が少ない、あるいは進んでもフォームで離脱している可能性があります。着地ページ、サイト内の経路、問い合わせページの3か所を順に見て、どこで人が抜けているかを特定してください。抜けの大きい場所を直すのが、最短の対策になります。アクセスをさらに増やす前に、まずこの漏れを止めるほうが、費用をかけずに問い合わせを増やせます。
無料のツールだけで十分にアクセス数を測れますか
測れます。Googleのアナリティクスとサーチコンソールの2つがあれば、サイトに来た後の動きと、来る前の検索の様子の両方を追えます。有料の推定ツールは、他社の規模の当たりをつけるときに補助として使う程度で十分です。自社の判断の土台は、無料で正確に測れる自社の計測に置いてください。まずは2つの無料ツールを正しく設定するところからです。道具を増やすより、今ある無料の道具を正しく使うほうが先です。
アクセス数が急に減ったらどうすればいいですか
実際に減ったのか、計測が壊れたのかを先に切り分けます。サイトの改修で計測コードが外れると、実態は変わらなくても数字だけが落ちます。コードの生存を確認して問題がなければ、サーチコンソールで表示回数と順位の変化を見ます。表示が減っているなら検索での評価の変化、順位はそのままで押されていないなら見え方の問題、と原因を絞り込んでいきます。慌てて新しい施策を打つ前に、まず何が起きたのかを数字で確かめる。ここを飛ばさないでください。
小さな会社がアクセス数で消耗しないために
アクセス数は、毎日見ていると心が振り回されやすい数字です。昨日より減った、あの会社より少ない、と気にし始めると、本業の時間まで削られていきます。小さな会社ほど、数字に使える時間は限られています。だからこそ、見る頻度と見る対象を絞り、消耗しない付き合い方を最初に決めておくことが大切です。数字は御社の判断を助ける道具であって、御社を追い詰めるための試験の点数ではありません。
毎日見る数字と月に一度見る数字を分ける
アクセス数そのものは、月に一度まとめて見れば十分です。日々の細かな上下は、天気や曜日で揺れるので、毎日追っても判断の材料になりません。毎日見てよいのは、問い合わせが届いたかどうか、という結果のほうです。過程の数字を毎日眺めて一喜一憂するより、結果の数字を確実に受け取り、過程は月に一度落ち着いて振り返る。この切り分けが、限られた時間を守ります。
他社との比較は年に一度で足りる
他社のアクセス規模は、推定値である以上、頻繁に見ても精度は上がりません。同業の帯を確かめるのは、年に一度、目標を見直す時期に合わせれば足ります。それ以外の時期は、自社の去年の同じ月と比べるほうが、はるかに確かな判断ができます。比べる相手を自社の過去に定めると、他社の動きに心を乱されず、自分の歩幅で改善を積み重ねられます。他社との競争に神経を使う代わりに、自社の前進を測ることへ集中してください。
数字が動かない時期を恐れない
入口ページを足しても、検索で評価されて人が来るまでには時間がかかります。数か月は数字が動かないこともあります。この静かな時期に手を止めてしまうと、それまでの積み重ねが実を結ぶ手前で途切れます。動かない時期は、失敗の証というより、仕込みの期間だと受け止めてください。到達の割合という内側の数字を整えながら、入口を静かに増やし続けてください。ある時期から、積み上げた分がまとめて数字に表れ始めます。
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 毎日数字を見て疲れる | 日々の細かな上下に心が振り回されている | アクセスは月に一度、結果の問い合わせだけ毎日見る |
| 他社が気になり続ける | 推定値の他社比較を頻繁に見て消耗している | 他社比較は年に一度に絞り、普段は自社の過去と比べる |
| 数字が動かず不安 | 仕込みの時期を失敗と受け取り、手を止めかける | 内側の割合を整えながら、入口を静かに増やし続ける |
| 本業の時間が削られる | 数字を見る作業そのものが負担になっている | 見る頻度と対象を絞り、判断に必要な分だけ見る |
まとめ
アクセス数は、ページビュー、セッション、ユーザーという複数の数え方をまとめた呼び名です。まず単位をそろえ、無料のアナリティクスとサーチコンソールで正確に測るところから始めます。目安は業界平均から借りて当てはめるものではありません。御社が達成したい問い合わせ件数から逆算して、自分で作ります。そして、増やす作業に入る前に、問い合わせ完了数をアクセス数で割った到達の割合を確かめます。この1つの数字が低いまま入口を広げても、人は通り抜けるだけで問い合わせは増えません。先に割合を上げ、それからアクセスを増やす。この順番が、投じた力を成果に変える道です。ここまで読んで、やることが多いと感じたかもしれません。けれど、明日やるのは1つだけで足ります。明日、御社が最初に開くのは、問い合わせ完了数とアクセス数を並べた画面です。その割り算1つが、次に直す場所を静かに教えてくれます。そこから先は、月に1手ずつ進めれば十分です。数字は、多いか少ないかで一喜一憂するために見るものではありません。次の一歩を決めるための道具です。
その日にできる点検
| 分類 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 計測の確認 | 全ページに計測コードが入っているか未確認 | 主要ページを開き、計測コードの生存を1件ずつ確認する |
| 単位の統一 | ユーザー数と訪問数と表示数を混同している | 今月の数字を、ユーザー数を主役にして書き出す |
| 目安の逆算 | 目安を業界平均で考え、自社に合っていない | ほしい問い合わせ件数を0.5%で割り、目安を出す |
| 到達の割合 | 到達の割合をまだ計算していない | 直近3か月の完了数をアクセス数で割り、現在地を出す |
| 抜けどころ | どの段階で人が抜けているか把握していない | 着地と経路とフォームを見て、抜けの大きい所を特定する |
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