「オウンドメディアを始めたいが、担当は自分1人で、ほかの仕事もある」。
中小企業やBtoB企業では、よくある状況です。
勢いで書き始め、半年後に更新が止まり、「成果があったのか分からない」で終わる例も少なくありません。
多くの場合、原因は書く力にはありません。「何のためにやるか」「何で良し悪しを判断するか」「毎月どの順番で何をするか」を、最初に決めていないことにあります。
この記事では、社員1〜2人で回すことを前提に、オウンドメディア(自社で運営する情報発信サイトやブログ)の始め方と続け方を整理します。
2026年10月17日に確かめたGoogleの公式ヘルプとガイドラインをもとに、目的とKPI、テーマ、月4本の作業表、制作フロー、取材、著者情報、リライトと統廃合まで、そのまま使える形でまとめました。
公式の内容は更新されます。実際に設定する前に、最新のヘルプも合わせて確認してください。
先に結論 目的を1文で決め、少ない指標で回す
最初に、この記事の結論を表にまとめます。
| 決めること | 結論 | 理由 |
|---|---|---|
| 目的 | 「誰が何を検討するときに役立ち、問い合わせにつなげるか」を1文で書く | 何を書くか、何で評価するかの判断軸になる |
| 指標 | 見つけられたか、次の行動をしたか、商談に役立ったかの3段階に絞る | 少人数では、多くの数字を追えない |
| テーマ | 営業とサポートに来る質問から作る | お客様の言葉で書け、問い合わせに近い |
| 作業量 | 慣れるまでは月2本、慣れたら月4本 | 止めるより、減らして続けるほうが仕組みが残る |
| 著者情報 | 誰が、どのように、なぜ作ったかを示す | Googleのガイドラインが、この観点を勧めている |
| 見直し | 公開から3か月後に、リライトか統合かを決める | 増やすだけでは、似た記事と古い記事がたまる |
どれも、特別な道具は要りません。表計算シートが1枚と、GA4、Search Consoleがあれば始められます。
全体の流れ
作業は、目的、指標、テーマ、制作、見直しの順に進めます。
最初の1手
今週中に、営業とサポートの担当者へ「お客様によく聞かれる質問を3つ教えてください」と頼んでみてください。
その3つが、最初の3本の記事の種になります。
まず「何のためにやるか」を1文で決める
目的が決まっていないと、何を書いても正解になり、評価もできません。
BtoBのオウンドメディアの役割は、商談の手前を手伝うこと
BtoBの商品は、検討する人が複数いて、比較の期間も長くなりがちです。
担当者は、問い合わせの前に自分で調べ、上司に説明する材料を集めます。オウンドメディアが最も役に立つのは、この「問い合わせ前の調べもの」の段階です。
目的を書く型
目的は、次のように1文で書いておきます。
「○○(業種・職種)の担当者が、△△を検討するときに必要な情報を提供し、自社への問い合わせ・相談につなげる」
この1文が、「誰の、どんな調べものの役に立つ記事か」を判断する軸になります。
「認知を広げる」のような目的だけでは、判断軸になりません。
記事数やPVを目標にしない理由
記事数やPV(ページの閲覧数)は、数えやすい数字です。
その反面、目標にすると、本数を守るために、自社と関係の薄いテーマや、問い合わせにつながらない話題に寄りがちです。
Googleは、人を第一に考えたコンテンツのガイドラインで、特定の文字数に合わせて書いていないかを、自問する項目に挙げています。Googleが優先する文字数は存在しないと、明記されています。
本数や文字数は、作業量の目安にはなりますが、成果の物差しにはなりません。
KPIの決め方 問い合わせと商談への貢献をどう見るか
KPI(重要業績評価指標。目的に近づいているかを測る数字)は、少人数なら3段階に絞ると扱いやすくなります。
| 段階 | 見る数字 | 主な道具 | 見る頻度 |
|---|---|---|---|
| 1 見つけてもらえているか | 表示回数、クリック数 | Search Console | 月1回 |
| 2 読んで次の行動をしたか | キーイベント(問い合わせ、資料請求など)の数 | GA4 | 月1回 |
| 3 商談に役立ったか | 記事を読んだ人からの商談数、営業が記事を使った回数 | 社内の顧客リストと営業メモ | 四半期に1回 |
3段階目は、ツールでは取れません。社内の情報で補います。
3段階目を社内の情報で補う方法
次の3つが、手軽に始められる方法です。
- 問い合わせフォームに「当社を知ったきっかけ」の選択肢を入れ、「ブログ・コラム記事」を加える
- 営業担当に、商談で記事のURLを送った回数や、お客様から「記事を読みました」と言われた件数をメモしてもらう
- 四半期ごとに、問い合わせから商談になった件数のうち、記事を読んでいた人の割合を数える
粗い数字でも、「記事が商談に役立った具体例」が集まれば、続ける理由になります。
GA4でキーイベントを設定する
GA4(Google Analytics 4)では、サイト上の行動を「イベント」として記録します。その中で、事業にとって重要なものを「キーイベント」としてマークします。
以前「コンバージョン」と呼ばれていたものに近い考え方です。
Googleのヘルプで確かめた主な点
GA4のヘルプで確かめた点を、表にまとめます。
| 項目 | ヘルプの内容 |
|---|---|
| 設定に必要な権限 | マーケティング担当者以上の権限が必要 |
| 設定できる数 | 標準のプロパティで最大30個のイベント |
| 反映の時期 | マークした時点以降のレポートに反映。過去のデータは変わらない |
| 表示までの時間 | 標準レポートに出るまで、最大24時間かかる |
| page_viewの扱い | そのままキーイベントにすると、すべてのページ表示が数えられる |
page_view(ページ表示)は、そのままキーイベントにしません。
送信完了ページの表示などに絞った新しいイベントを作り、それをキーイベントにする方法が、ヘルプで案内されています。
キーイベントの候補
BtoBのオウンドメディアでは、たとえば次のものが候補になります。
- 問い合わせフォームの送信(送信完了ページの表示で判定すると分かりやすい)
- 資料請求や、ホワイトペーパーのダウンロード申し込み
- セミナーや相談会の申し込み
GA4の推奨イベントには、generate_leadがあります。ヘルプでは、ユーザーが問い合わせのためにフォームまたはリクエストを送信したときに使うイベントと説明されています。
設定に自信がなければ、制作会社に「問い合わせ完了をgenerate_leadで記録し、キーイベントにしてほしい」と伝えれば、話が通じます。
キーイベントは、最初は2〜3個に絞れば十分です。
記事ごとの貢献を見る
GA4のランディングページのレポートは、訪問者が最初に開いたページごとの集計です。キーイベントの指標も含まれるため、「どの記事から入った人が問い合わせたか」の目安が分かります。
画面の場所は、ヘルプによると、レポートの「エンゲージメント」の下の「ランディングページ」です。見当たらない場合は、編集者以上の権限を持つ人が、左側のナビゲーションに追加し直せます。
数字の読み方の注意
ただし、BtoBでは、記事を読んだ数日後に会社名で検索して戻り、問い合わせることもよくあります。
この数字は「その記事が入口になった訪問で何が起きたか」を示すもので、貢献のすべてではありません。
Search Consoleの数字の読み方
Search Consoleは、Google検索での見え方を確認できる無料の道具です。
検索パフォーマンスのレポートで、まず見る数字は4つです。
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| クリック数 | Google検索の結果からサイトをクリックした回数 |
| 表示回数(インプレッション) | サイトが検索結果に表示された回数 |
| CTR(クリック率) | クリック数を表示回数で割った値 |
| 平均掲載順位 | 検索結果での、最上位の平均の位置 |
ヘルプは、掲載順位のみに注目せず、表示回数とクリック数の傾向を見ることを、通常は勧めています。
ページ単位で見る理由
グラフはサイト全体の集計で、「ページ」のタブはページごとの集計です。
そのため、合計がグラフと一致しない場合があります。記事ごとの判断は、ページのタブで行います。
過去と比べるときの注意
過去と比べるときには、注意があります。
Search Consoleのヘルプの「データの異常」のページによると、2025年5月13日から2026年4月27日まで、ロギングエラーにより、表示回数が正確にレポートされませんでした。現在は解決済みです。
影響を受けたのは、表示回数と、関連する指標(CTRと平均掲載順位)です。クリック数は影響を受けていません。
この期間をまたいで比べるときは、クリック数を中心に見ます。数字が急に変わったときは、まずこのページを確認します。
テーマの決め方 社内に来る質問がいちばんの材料
テーマの材料は、社内にあります。
営業とサポートへの質問を集める
営業やサポートの担当者に、お客様から実際に聞かれた質問を集めてもらいます。
手順は、次のとおりです。
- 共有の表計算シートを1枚用意する。列は「日付」「聞かれた質問(お客様の言葉のまま)」「聞いてきた人の業種・役職」「検討のどの段階か」「回答のポイント」
- 営業とサポートの担当者に、「説明に5分以上かかった質問を、1週間に1つでいいので書いてほしい」と頼む
- 月に1回、質問を眺めて、似たものをまとめてテーマ候補にする
ポイントは、お客様の言葉のまま書くことです。
社内で「導入支援」と呼ぶものを、お客様は「最初の設定はどこまでやってもらえるの?」と聞いています。見出しにも、お客様の言葉を使います。
検討段階ごとに記事を用意する
集めた質問を、お客様の検討段階で分けると、足りないテーマが見えてきます。
| 検討段階 | お客様の状態 | 記事の例 | 記事の最後に置く誘導 |
|---|---|---|---|
| 課題に気づく | 困りごとはあるが、解決策は分からない | ○○の作業に時間がかかる原因と見直し方 | 関連記事、メールマガジン |
| 解決策を調べる | 方法の種類や相場感を知りたい | ○○の方法3つの比較と向き不向き | 資料請求、チェックリストの配布 |
| 比較・選定する | 候補を絞り、社内で説明したい | ○○を選ぶときの確認項目、導入までの流れと期間 | 相談会、問い合わせ |
| 導入・活用する | 使い始めた、またはこれから使う | 導入後の最初の1か月でやること | サポート窓口、事例 |
少人数なら、まず「解決策を調べる」と「比較・選定する」の段階を厚くします。
問い合わせに近く、商談でもそのまま使えるからです。
テーマ候補を絞る3つの質問
候補が多いときは、次の3つで点数をつけて、上から書きます。
- 営業やサポートで、実際に何回聞かれたか(多いほど優先)
- 自社だからこそ書ける経験や事例があるか(あるほど優先)
- 記事を読んだ人が、自社の商品やサービスを検討する可能性があるか(高いほど優先)
2つ目は、特に大切です。
Googleの人を第一に考えたコンテンツのガイドラインには、実体験や深い知識を示せているかを自問する項目があります。ほかのサイトをまとめ直しただけの記事より、自社の現場の経験が入った記事のほうが、読者の役に立ちます。
編集カレンダーを作る
テーマが決まったら、公開の予定を1枚の表に並べます。
少人数の運営では、カレンダーが「次に何をやるか」を毎回考える手間を減らしてくれます。
カレンダーに入れる項目
表計算シートで十分です。列は次の6つで足ります。
| 列 | 書く内容 | 役割 |
|---|---|---|
| 公開予定日 | 月の第何週かまで決める | 遅れに気づく |
| テーマ | お客様の言葉で書いた題の案 | 何の記事か迷わない |
| 検討段階 | 課題に気づく、調べる、比較するなど | 偏りを見つける |
| 担当 | 書く人と、確認する人 | 抜けを防ぐ |
| 取材相手 | 営業、サポート、開発など社内の誰か | 一次情報を確保する |
| 状態 | 企画、取材済み、執筆中、確認中、公開済み | 進み具合を見る |
最初は3か月分の枠だけ作り、中身は直近の1か月分を埋めます。先まで細かく決めても、営業の状況が変わるたびに崩れるからです。
月4本の週ごとの作業表
月に4本は、週に1本のペースです。1人が兼務で回す場合の例を、表にします。
| 週 | 主な作業 | 目安の時間(例) |
|---|---|---|
| 第1週 | 質問シートからテーマを1つ選び、取材を済ませる | 1時間半 |
| 第2週 | 構成案を作り、本文を書く | 3時間 |
| 第3週 | 社内で確認を受け、直して公開する | 2時間 |
| 第4週 | 先月分の数字を見て、リライトの候補を1つ選ぶ | 1時間 |
目安の時間は、あくまで一例です。記事の長さや、取材の相手の忙しさによって変わります。
最初の数か月は、この表の1.5倍かかっても問題ありません。続けて型ができると、時間は減っていきます。
時間が取れない月の決め方
繁忙期は、必ず来ます。そのときに「全部止める」と「ゼロにする」のどちらかになると、再開が重くなります。
あらかじめ、次の2段階を決めておきます。
- 通常の月は4本。新規の記事を書く
- 忙しい月は2本。新規を1本、リライトを1本にする
本数を減らす決まりを先に作っておけば、止まった気持ちにならず、続けている状態を保てます。
1本の記事ができるまでの流れ
1本の記事を、同じ手順で作ります。手順が決まっていれば、担当者が替わっても迷いません。
7つの手順
| 手順 | やること | 担当の例 |
|---|---|---|
| 1 企画 | テーマと、読んでほしい人、読んだ後にしてほしい行動を決める | 編集担当 |
| 2 取材 | 社内の詳しい人に、30分話を聞く | 編集担当と現場の担当 |
| 3 構成 | 見出しだけを並べ、順番を決める | 編集担当 |
| 4 執筆 | 取材のメモをもとに、本文を書く | 編集担当 |
| 5 確認 | 事実の誤りと、社外に出せない情報がないか見てもらう | 現場の担当、責任者 |
| 6 公開 | 題、説明文、画像、内部リンクを整えて出す | 編集担当 |
| 7 見直し | 公開から1か月後に数字を見る | 編集担当 |
特に大切なのは、2番目の取材と、5番目の確認です。この2つに現場の人が関わることで、他社の記事との差が生まれます。
構成案を先に作る
いきなり本文を書くと、途中で話が広がりすぎます。
先に、見出しだけを並べた構成案を作ります。構成案の段階で、現場の担当に見てもらうと、書き直しが少なくなります。
構成案を作るときは、次の問いに答えられるかを確かめます。
- この記事を読むのは、誰か
- 読む前に、その人は何に困っているか
- 読み終えたとき、その人は何を判断できるようになるか
- 自社でなければ書けない内容は、どの見出しに入るか
4つ目が答えられなければ、企画の段階に戻ります。
公開前の確認表
公開前の見直しを、毎回同じ表で行います。
| 確認する項目 | 見ること |
|---|---|
| 題 | お客様の言葉で書かれているか。内容と食い違っていないか |
| 冒頭 | 誰の、どんな困りごとに答える記事かが、最初の数行で分かるか |
| 数字や制度 | 出典を確かめたか。確かめた日を記録したか |
| 社外に出せない情報 | お客様の名前、社内の数字、契約の内容が入っていないか |
| 次の行動 | 記事の最後に、読者が次に取れる行動が1つ書かれているか |
| 内部リンク | 関連する自社の記事へのリンクが入っているか |
| 著者情報 | 誰が書いたか、どんな立場の人かが分かるか |
数字や制度の記述は、特に注意が必要です。BtoBでは、読者が社内で説明する際に、そのまま引用することがあるためです。
公開から1か月後に見るもの
公開した後は、1か月たってから数字を見ます。直後に見ても、検索結果に載るまでに時間がかかるため、判断できません。
見る項目は、次の3つに絞ります。
| 見る項目 | 使う道具 | 判断 |
|---|---|---|
| 検索での表示回数とクリック数 | Search Console | 表示されていない場合は、題と内容のずれを疑う |
| 記事から入った訪問者の行動 | GA4のランディングページ | 読まれていても動きがない場合は、記事の最後の誘導を見直す |
| 営業や問い合わせでの反応 | 営業担当への聞き取り | 数字に出ない効果を拾う |
3つ目の営業担当への聞き取りは、見落とされがちです。「商談の前にあの記事を読んだと言われた」という一言は、数字より重い情報になります。
社内取材のやり方 30分で一次情報を集める
少人数のオウンドメディアでは、書く人が分野の専門家とは限りません。その差を埋めるのが、社内の詳しい人への取材です。
取材を頼むときの伝え方
忙しい現場の担当に頼むときは、負担の小ささを先に伝えます。
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| 時間 | 30分だけ。準備は不要 |
| 形 | 質問に答えてもらうだけ。文章は書いてもらわない |
| 使い道 | お客様からよく聞かれる質問への答えを、記事にまとめる |
| 確認 | 出す前に、内容の確認をお願いする |
記事を書く負担を相手に渡さないことが、続けるための条件です。
取材で聞く5つの質問
質問は、毎回同じ型にします。型があれば、準備に時間がかかりません。
- この質問は、お客様のどんな状況から出てきますか
- 一般的な答えと、御社の現場で実際にやっている答えは、どこが違いますか
- 判断を間違えやすいのは、どの場面ですか
- 断ったほうがよい相談は、どんなときですか
- 最後に、お客様に一言だけ伝えるなら何ですか
2番目と3番目の答えが、他社の記事にはない部分になります。4番目の「断る場面」は、読者に信頼される内容になりやすい項目です。
取材のメモを記事にするとき
話を聞いたら、その日のうちにメモを整理します。時間がたつと、話の細かい部分を忘れるためです。
メモは、次の形に分けておくと、本文に書き起こしやすくなります。
| 区分 | 書くこと |
|---|---|
| 事実 | 手順、期間、条件など、確かめられる内容 |
| 経験 | 現場で起きたこと、失敗したこと |
| 判断 | 担当者が「こうする」と決めている基準 |
| 未確認 | 言い切れず、後で確かめるべきこと |
未確認の項目は、本文に書く前に、必ず確認を取ります。
録音を使うときの注意
取材を録音する場合は、相手に必ず伝えて、許可を取ります。
社外のお客様の話が含まれる録音は、保管の場所と期間を決めておきます。記事が公開できたら、録音は消す決まりにしておくと安心です。
取材の相手が見つからないとき
社内に詳しい人が少ない場合は、営業の担当者が受けた相談を、思い出せる範囲で話してもらうだけでも材料になります。
足りない部分は、公式の資料や、公的機関が公表している情報で補います。その場合も、出典と確かめた日を、必ず記録に残します。
著者情報で誰が書いたかを示す
記事の最後や冒頭に、書いた人の情報を置きます。
BtoBの読者は、記事の内容を社内の稟議や比較の資料に使うことがあります。誰が書いた記事かが分かると、その判断がしやすくなります。
Googleのガイドラインが示す3つの視点
Googleの人を第一に考えたコンテンツのガイドラインには、「誰が」「どのように」「なぜ」作ったかを、読者に分かる形で示す考え方が書かれています。
| 視点 | 読者に伝えること |
|---|---|
| 誰が | 記事を書いた人、監修した人は誰か |
| どのように | 取材や調査など、どのように作ったか |
| なぜ | 読者の役に立つために作ったという目的 |
これは、検索順位を上げる特別な操作ではありません。読者が記事を信頼するために必要な情報を、素直に書くという意味です。
著者の紹介に書くこと
著者の欄には、次の4つを書きます。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 名前と役職 | 営業部 ○○(実名、または役職名) |
| 経験 | この分野で、どんな仕事を何年担当しているか |
| この記事での役割 | 執筆、監修、取材協力のどれか |
| 最終更新日 | 内容を最後に確かめた日 |
経験の欄には、実際の経歴だけを書きます。資格や年数を大きく見せる必要はありません。
実名を出せないときの代わり
社内の事情で、担当者の実名を出せない場合があります。
その場合は、役職と担当分野だけでも示します。「製造業のお客様の導入を担当するサポート担当」のように書けば、立場は伝わります。
現場の担当者と無理なく協力する
オウンドメディアは、記事を書く人だけでは完結しません。取材と確認で現場の協力が要ります。
協力を続けてもらうための3つの工夫
| 工夫 | 内容 |
|---|---|
| 月の依頼を1回にまとめる | 取材は月初の1日にまとめて行う |
| 反応を伝える | 記事を読んだお客様の声や数字を、担当者に共有する |
| 成果を共有する | 商談で記事が使われた場合は、その担当者に伝える |
協力してもらった記事が役立ったと分かると、次の依頼が通りやすくなります。
責任者に最初に決めてもらうこと
責任者には、次の3つを最初に決めてもらいます。
- 確認は何営業日以内に返すか
- 社外に出せない情報の範囲はどこまでか
- 記事の公開を止められるのは誰か
この3つが決まっていないと、確認待ちで公開が遅れ、カレンダーが崩れます。
公開した記事を育てる リライトと見直し
新しい記事を増やし続けると、古い記事が放置されます。少人数で回すなら、月に1本は既存の記事の見直しに回すほうが、積み上がりが早くなります。
リライトする記事の選び方
候補は、Search Consoleの「ページ」のタブから選びます。
| 状態 | 見つけ方 | 直す方向 |
|---|---|---|
| 表示されているが、クリックが少ない | 表示回数が多く、クリック数が少ないページ | 題と冒頭を、読者の言葉に近づける |
| 読まれているが、問い合わせにつながらない | GA4のランディングページで、キーイベントが少ない | 記事の最後の誘導と、関連記事の案内を見直す |
| 内容が古くなった | 制度、価格、画面の説明が変わっている | 数字と手順を、最新の公式情報で確かめ直す |
| 公開後に、ほとんど表示されない | 表示回数がごく少ない | テーマが合っているか、題が内容とずれていないかを疑う |
1か月に1本でも続ければ、1年で12本の記事が良くなります。
リライトで変えるもの、変えないもの
直すときは、記事全体を書き換える必要はありません。
| 変えるもの | 変えないほうがよいもの |
|---|---|
| 古くなった数字、制度、画面の説明 | 読者に役立っている部分 |
| 題と冒頭の数行 | 記事の住所(URL) |
| 記事の最後の誘導 | 主題そのもの |
| 追加できる現場の経験 | すでに取材で得た一次情報 |
URLは、むやみに変えません。外部のサイトや、社内の資料からリンクされている場合があるからです。
更新した日を記録する
内容を確かめた日を、記事の中に書いておきます。読者は、いつ時点の情報かを知りたいからです。
内容を変えていないのに日付だけ新しくするのは、読者を誤解させる行為です。確かめた日と、変えた内容を、社内の記録に残します。
記事の整理 統合と削除の考え方
記事が増えると、似たテーマの記事が重なります。
重なった記事を放置すると、読者はどれを読めばよいか分からなくなります。
整理する前に確かめること
| 確かめること | 見る場所 |
|---|---|
| 同じ質問に答える記事が複数ないか | 記事の一覧と、お客様の質問シート |
| 検索で、複数の記事が同じ言葉で表示されていないか | Search Consoleの検索クエリ |
| 他のページや外部のサイトからリンクされていないか | 内部リンクの一覧、外部のリンク |
| 営業が資料として使っていないか | 営業担当への聞き取り |
営業が使っている記事は、数字が小さくても残す判断があります。
統合と削除の選び方
| 判断 | 向いている場合 |
|---|---|
| 1本にまとめる | 同じ質問に答えていて、片方に不足がある |
| 記事を残して直す | テーマは必要だが、情報が古い |
| 削除する | 内容が誤っていて、直す価値もない |
削除は、最後の手段です。まずは、まとめるか直すかを検討します。
続かなくなる原因と対策
オウンドメディアは、始めるよりも、続けるほうが難しい仕事です。
典型的な止まり方を、先に知っておきます。
| 止まる原因 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 担当者1人に任せきり | 異動や繁忙期で止まる | 手順書を残し、確認だけでも別の人が見る |
| 取材が続かない | 現場の協力が得られない | 取材は月1回にまとめ、成果を共有する |
| 数字が出るまで待てない | 3か月で止める判断をしてしまう | 見直しの時期を、あらかじめ決める |
| 本数の目標が高すぎる | 質が落ちて、確認が間に合わない | 本数を減らす決まりを先に作る |
| 成果の測り方が曖昧 | 続ける理由を説明できない | 冒頭で決めた1文の目的に戻る |
どれも、人の努力不足ではありません。仕組みで防げる問題です。
3か月ごとに見直す
3か月に1度、次の3つを確かめます。
- 目的の1文は、今も正しいか
- 追っている指標のうち、使われていないものはないか
- 取材を頼める相手は、増えたか、減ったか
見直しの結果、続けないという判断をしてもかまいません。理由を残しておけば、次に再開するときの材料になります。
売れるサイトはみな謙虚 引き算のオウンドメディア
ここまで、少人数で続ける仕組みの話をしてきました。この考え方に、名前を付けて紹介します。
「売れるサイトはみな謙虚」という考え方です。大きく見せる言葉や機能を足していくより、訪れた人が迷う要素を引いていくほうが、次の一歩を踏み出してもらえるという見方です。
オウンドメディアにも、そのまま当てはまります。
引くもの
| 引くもの | 引いたあとの状態 |
|---|---|
| 毎週更新するという目標 | 続く本数だけが残る |
| 追いかける指標の数 | 見るべき数字が目立つ |
| 似たテーマの重複記事 | 読者が迷わず1本にたどり着く |
| 大きく見せる言い回し | 現場の経験だけが残る |
引いても残すもの
残すのは、お客様の質問に正面から答える中身、確かめた日、書いた人の名前、記事の最後の次の一歩です。
この4つがあれば、本数が少なくても、読者に役立つ記事になります。
よくある質問
Q1. 担当が1人しかいなくても続けられますか
続けられます。ただし、最初から月4本を目標にしないでください。
月2本から始めて、取材と確認の流れが固まってから増やすほうが、止まりにくくなります。
Q2. 記事の制作を外部に頼む場合も、社内取材は必要ですか
必要です。外部の人は、御社の現場の経験を知らないためです。
外部に頼む場合も、取材の時間を社内で確保し、公開前の確認は社内で行う前提で進めます。
Q3. 成果が出るまで、どのくらいかかりますか
期間は、サイトの状況やテーマによって大きく違い、保証できません。
まず、3か月ごとに指標と目的を見直し、動きのあった記事から学ぶ形にします。
Q4. 本数と質は、どちらを優先すべきですか
少人数では、質を優先します。
確認が間に合わないほど本数を増やすと、誤った情報を出すリスクが上がります。続けられる本数を先に決めてください。
Q5. 長く更新が止まっているブログは、どこから手をつければよいですか
まず、既存の記事の棚卸しから始めます。
古くなった記事を直し、重なった記事を整理してから、新しい記事を足します。棚卸しの手順は、別の記事でまとめています。
今日できる点検
次の表で、現状を10分で確かめられます。
| 区分 | 確認する項目 | 状態 |
|---|---|---|
| 目的 | オウンドメディアの目的を、1文で書ける | □ |
| 指標 | 追う指標を、段階ごとに2〜3個に絞った | □ |
| 計測 | 問い合わせの完了を、キーイベントにしている | □ |
| テーマ | 営業とサポートから、質問を集める表がある | □ |
| 計画 | 3か月分のカレンダーの枠がある | □ |
| 取材 | 取材を頼める社内の相手が、2人以上決まっている | □ |
| 確認 | 確認を返す日数と、社外に出せない情報の範囲を決めた | □ |
| 著者 | 記事に、書いた人と最終更新日が書かれている | □ |
| 見直し | 月に1本、リライトに回す枠がある | □ |
全部にチェックが入らなくても、問題ではありません。入っていない行が、次にやることです。
まとめ
社員1〜2人で回すオウンドメディアは、本数の多さよりも、続けられる仕組みで決まります。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 目的 | 何のためにやるかを、1文で決める |
| 指標 | 段階ごとに2〜3個。GA4とSearch Consoleの数字を使い分ける |
| テーマ | 営業とサポートに来る質問を材料にする |
| 計画 | 月4本を上限にし、忙しい月は2本に落とす |
| 制作 | 取材30分、構成、執筆、確認、公開の手順を固定する |
| 信頼 | 書いた人と最終更新日を示す |
| 育てる | 月に1本、既存の記事を見直す |
| 見直し | 3か月ごとに目的と指標を確かめる |
最初の一歩は、目的を1文で書き出すことです。
オウンドメディアの目的やテーマの決め方、その先のサイトの導線の見直しに迷うときは、初回60分のオンライン相談でお話しできます。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
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