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  3. アンゾフの成長マトリクスとは 中小企業が成長の順番を決める4象限の使い方

アンゾフの成長マトリクスとは 中小企業が成長の順番を決める4象限の使い方

2026 11/06
2026年11月6日
中野輝規
アンゾフの成長マトリクスとは 中小企業が成長の順番を決める4象限の使い方

4つの戦略の名前は言える。市場浸透、新製品開発、新市場開拓、多角化。それでも、自社の「次の一手」をどの枠に入れればよいのかが、決まらない。

この記事は、そういう状態の経営者とWeb担当者に向けて書きました。4つの戦略の名前を覚える記事ではありません。自社の今の仕事を4つの枠のどこに置き、どの順番で新しいことを足し、自社サイトにどのページを足すのかを、1つずつ結びつける記事です。

使った事実は、書いた日に開いて確かめたものだけです。この枠を最初に発表した論文の書誌記録、中小企業庁の経営のヒントのページ、中小企業庁が2026年4月に閣議決定された白書にあわせて公開した概要資料を、2026年11月6日に開きました。確かめられなかった点は、書かずに省いています。

目次

先に答え:アンゾフの成長マトリクスとは、成長の道を4つに分ける2つの軸の表

結論から言います。アンゾフの成長マトリクスとは、会社が成長する道を、「製品」と「市場」の2つの軸で4つに分けて考える表です。

製品の軸は「既存」と「新規」、市場の軸も「既存」と「新規」に分かれます。2つの軸を掛け合わせると、4つの枠ができます。

中小企業庁の経営のヒントのページでも、成長戦略を製品と市場の2軸に置き、それぞれを既存と新規に分けた表として説明されています。

4つの枠を、1枚の表にします。

既存の市場(今のお客様) 新規の市場(新しいお客様)
既存の製品 市場浸透:今のお客様に、今の商品をもっと売る 新市場開拓:今の商品を、新しいお客様に売る
新規の製品 新製品開発:今のお客様に、新しい商品を売る 多角化:新しいお客様に、新しい商品を売る

この表の読み方は、左上から右下へ進むほど、会社にとって未知の部分が増える、というものです。左上は今の商売そのものです。右下は、お客様も商品も初めてです。

成長マトリクスの使いどころは、「どれをやるか」より「どの順でやるか」

表を見ると、4つから1つを選ぶ話に見えます。実際の中小企業では、4つを同時に選ぶことはありません。人も時間も足りないからです。

使いどころは、順番を決めることです。未知の部分が少ない枠から足していき、手応えを確かめてから、次の枠へ進みます。

この順番の考え方は、後ろの節で、自社サイトの新しいページの足し方に結びつけます。

「成長ベクトル」「アンゾフのマトリクス」は同じ表を指して使われる

検索すると、「成長ベクトル」「アンゾフのマトリクス」という呼び名も出てきます。どれも、製品と市場の2軸で成長の道を整理する同じ表を指す言葉として、解説ページで使われています。

ただし、「成長ベクトル」という呼び名の出どころは、今回確かめられませんでした。そのため、この記事では呼び名の由来には踏み込みません。表の中身は、どの呼び名でも同じです。

表を書く前に、2つの軸の言葉を決めておく

表を使うときの最初のつまずきは、「既存」と「新規」の線をどこに引くかです。線を引かないまま4つの枠に入れようとすると、人によって答えが変わります。

中小企業では、次のように決めておくと、社内で話がそろいます。

軸 「既存」とみなす範囲 「新規」とみなす範囲
製品 今、価格表に載せて売っている商品・サービス 価格表に載っていない商品・サービス
市場 過去1年に取引のあったお客様と、同じ種類のお客様 過去1年に取引が無く、種類も違うお客様

この線は、自社で決めて構いません。大切なのは、決めた線を紙に書いておくことです。あとから「あの案件は既存だった」と言い合う状態を防げます。

線の引き方は、後ろの節の「境目の判定」で、もう一度使います。

5フォース分析との違いを、1行で

同じ日に公開した姉妹記事に、5フォース分析の記事があります。5フォース分析は、今いる業界が儲けやすいかを、外側から見る道具です。

成長マトリクスは、どの方向へ伸びるかを、自社の側から並べる道具です。外を見る道具と、進む方向を並べる道具で、役割が違います。

先日見かけたQ&Aサイトの悩み:男性向けの商品を女性向けに変えたら、どの枠か

ここで、先日Q&Aサイトで拝見した悩みを紹介します。投稿者は、中小企業診断士の試験の勉強をしている方でした。

内容を要約すると、次のようなものでした。男性向けの商品に少し手を加えて、女性向けの商品にする。この場合、新市場開拓にあたるのか。それとも、商品自体を新しくしているから、新製品開発にあたるのか。どちらなのかが分からない、という質問です。

回答は「重い方で決める」という見方だった

回答は、基本は新市場開拓にあたると思う、という内容でした。理由は、これまで売ってこなかったお客様の層へ変えるからです。商品の機能はほとんど変えず、売り方を変える必要があります。

新製品開発は、お客様を変えずに、そのお客様が持つ別の困りごとを、新しい機能や商品で取りに行く場合だと説明されていました。

さらに、程度によっては、お客様も困りごとも変わるのだから、多角化にあたりそうだ、とも書かれていました。つまり、どちらの変化が大きいかで決める、という見方です。

質問者の迷いは、境目の判定にある

この質問のつまずきは、4つの名前を知らないことではありません。自分の商売の変化を、4つの枠のどれに入れるかの判定が、決まらないことです。

判定が決まらないと、リスクの大きさも読めません。リスクが読めないと、新しいことに人と時間をどこまでかけてよいのかも決まりません。

この悩みは、テストの中だけの話ではありません。自社の「次の一手」を考えるときにも、同じ形で起きます。

この記事で答える3つのこと

この記事は、質問者の悩みに沿って、次の3つに答えます。

  1. 4つの枠を、出どころで確かめた意味どおりに読む
  2. 自社の変化を、境目で迷わず4つの枠に入れる判定の順番を持つ
  3. 枠を決めたあと、自社サイトにどのページを、どの順番で足すかを決める

3つめが、検索で上位に出てくる解説にあまり書かれていない部分です。解説は、4つの戦略の説明と、大きな会社の例で終わるものが多く、読み終えたあとに手が止まります。

出どころ:論文と公的なページで確かめたこと

誰が、いつ、何と言ったのかを、開いて確かめた範囲で書きます。

論文の書誌記録で確かめた:1957年の雑誌論文

2026年11月6日に、図書館の書誌記録を開いて確かめました。イゴール・アンゾフが、米国の経営学の雑誌の1957年9・10月号に載せた論文の題名は、「多角化のための戦略」と訳せます。巻と号、掲載ページも記録されていました。

この論文に、製品と市場を軸にした表が入っていたことは、複数の解説で書かれています。ただし、論文の本文そのものは、今回開けませんでした。そのため、この記事では、論文の本文を引用しません。

論文の本文について確かめられた範囲は、題名、掲載誌、掲載号までです。

中小企業庁のページで確かめた:人物と4つの戦略の説明

中小企業庁が運営する経営のヒントのページを、同じ日に開きました。ページには、アンゾフは1918年から2002年に生きた、ロシア系米国人の経営学者で、「戦略的経営の父」とも呼ばれる、と書かれています。

最も有名な業績が、成長マトリクスと呼ばれる枠組みであること、成長戦略を製品と市場の2軸に置き、それぞれを既存と新規に分けたことも、同じページで確かめました。

つまり、人物と、4つの枠の基本の説明は、公的なページで確かめられた内容です。

確かめられなかったこと

最後に、確かめられなかった点を、先に書いておきます。

表の4つの枠の呼び名は、解説ごとに少しずつ違います。新市場開拓を「市場開拓戦略」と書くページもあります。製品開発を「新製品開発戦略」と書くページもあります。

この記事では、中小企業庁のページに合わせて、市場浸透、新製品開発、新市場開拓、多角化と書きます。

4つの戦略を、中小企業の言葉に直す

中小企業庁のページの説明を土台に、中小企業の現場の言葉に直して読みます。どの枠も、「今のお客様」「今の商品」を基準に読むと、迷いが減ります。

市場浸透:今のお客様に、今の商品を、もっと買ってもらう

左上の枠です。お客様も商品も、今のままです。変えるのは、買ってもらう回数、量、気づいてもらう機会です。

中小企業庁のページでは、この枠の課題を、製品の認知を上げることと、購入の意欲を高めることだと説明しています。

新しい設備も、新しい商品も要りません。そのため、4つの枠の中で、未知の部分が最も少ない枠です。

自社サイトでの例は、すでに問い合わせの多いサービスのページを読みやすくする、問い合わせの入口を目立たせる、といった手直しです。

市場浸透で動かすこと 例 未知の部分
認知 今のお客様が使う言葉で、サービスの名前を説明する 少ない
購入の意欲 見積もりの流れと期間を、先に書く 少ない
買う回数 納品後の連絡の約束を、ページに載せる 少ない

新製品開発:今のお客様に、新しい商品を売る

左下の枠です。お客様は今のままで、商品を新しくします。

中小企業庁のページでは、既存市場のニーズに合う商品を作ること、競合と差別化できる商品を作ること、この2つを重要な点としています。

この枠の強みは、お客様のことをすでに知っている点です。何に困っているか、何を比べているかが、これまでの取引から分かっています。

弱みは、商品を作る手間と、売れなかったときの在庫や時間の損です。

自社サイトでの例は、今のお客様向けに新しいサービスのページを足す、既存のサービスに追加の選択肢のページを足す、といったものです。

新市場開拓:今の商品を、新しいお客様に売る

右上の枠です。商品は今のままで、お客様を変えます。

中小企業庁のページによると、この枠は「既存の製品やサービスを新しい市場に投入して、勝負します。」という戦略です。競合がいる市場なら、商品力に加えて、営業力や販売の経路といった「売る力」が勝負を左右することが多い、との説明が続きます。

既存商品の海外進出も、この枠の一例と考えられる、とも書かれています。

この枠で変わるのは、お客様の言葉づかいと、お客様が使う情報の探し方です。商品の中身は、そのままです。同じ商品でも、新しいお客様には、同じ説明が通じません。

自社サイトでの例は、新しいお客様の種類ごとに、入口のページを足すことです。

多角化:新しいお客様に、新しい商品を売る

右下の枠です。お客様も商品も、初めてです。

中小企業庁のページによると、多角化は「新しい市場に新しい製品やサービスを投入する戦略です。」と説明されています。ほとんど経験のない市場で新しい商品を出すため、マーケティングと開発の費用がかかるリスクがある、と説明しています。それでも新しい収益源を求めるときに取られる、高いリスクと高い見返りの戦略、という位置づけです。

アンゾフは、この枠を、最もリスクの高い成長戦略としたことも、同じページで確かめました。

多角化の4つの型:中小企業庁のページの分類

同じページには、多角化の4つの型も書かれています。

型 内容(中小企業庁のページの説明) 例(同ページ)
水平型 既存の技術と関連の高い新商品を、既存と似た市場に出す 自動車メーカーが、バイクを作る
垂直型 既存の技術と関連の低い新商品を、既存と似た市場(川上・川下など)に出す スーツ販売店が、スーツの製造も行う
集中型 既存の技術と関連の高い新商品を、異なる市場に出す カメラメーカーが、医療用のレンズを開発する
集成型 既存の技術も市場も、まったく異なる事業に進む 具体例の記載なし。リスクを抑えるため、フランチャイズへの加盟が取られることもある、と記載

集中型は、自社の強みを中心軸にして、同心円状に広げるため、「同心円的多角化」とも呼ばれる、と同じページに書かれています。

集成型は、他の3つに比べて、相乗効果が低く、リスクも高い、とされています。

4つの枠を、4つの観点で並べて比べる

4つの枠を、同じ観点で並べると、違いが見えてきます。観点は、未知の部分、先に要る力、失敗したときの損、自社サイトの動きの4つです。

枠 未知の部分 先に要る力 失敗したときの損 自社サイトの動き
市場浸透 お客様も商品も既知 今の商売を伝える力 小さい 今のページを直す
新製品開発 商品だけが未知 商品を作る力 作った分の手間と在庫 新しいサービスのページを足す
新市場開拓 お客様だけが未知 売る力と、言葉を集める力 営業の時間 新しいお客様の入口を足す
多角化 お客様も商品も未知 両方の力 大きい 小さな試しのページから足す

この表のとおり、左上から右下へ進むほど、先に要る力が2つに増えていきます。

公的なページの言葉と、弊社の言い換えを並べる

中小企業庁のページの言葉は、教科書の言葉です。社内で話すときは、次のように言い換えると、通じやすくなります。

中小企業庁のページの呼び名 弊社の言い換え 社内での一言
市場浸透戦略 今のお客様に、もっと使ってもらう 「今のお客様の、使い道を増やそう」
新製品開発戦略 今のお客様に、新しい提案をする 「お客様の次の困りごとに、答えよう」
新市場開拓戦略 今の商品を、別のお客様へ届ける 「あのお客様にも、使えるはずだ」
多角化戦略 新しいお客様に、新しい商品を出す 「小さく試して、反応を見よう」

言い換えの欄は、弊社の整理です。呼び名を変えても、4つの枠の中身は変わりません。

境目の判定:どの枠か迷ったときの、3つの問い

この記事の中心の節です。男性向けの商品を女性向けに変えた例のように、境目の変化は、必ず出てきます。

迷ったときに、順番に自分へ聞く問いを、3つ決めておきます。

問い1 今のお客様が、そのまま買ってくれる話か

最初の問いは、お客様です。今のお客様が、何も変えずに買ってくれる話なら、市場は「既存」です。

答えが「いいえ」なら、市場は「新規」です。呼び名、買う場面、予算を決める人のどれかが変わるなら、新規とみなします。

男性向けを女性向けに変える例は、お客様が変わるため、市場は新規です。

問い2 今の価格表に、そのまま載せられる商品か

次の問いは、商品です。今の価格表に、そのまま1行足せるなら、製品は「既存」の延長です。

新しく作るもの、新しく仕入れるもの、新しい技術が要るものなら、製品は「新規」です。

商品にほんの少し手を加えるだけなら、問い3で重さを見ます。

問い3 変わった部分は、どちらの方が大きいか

お客様が変わり、商品も少し変わる。境目の悩みの大半は、これです。

このときは、変わった部分の大きさを比べます。お客様の言葉づかいと探し方が大きく変わるなら、新市場開拓として動きます。商品の中身を大きく作り変えるなら、新製品開発として動きます。

両方が大きく変わるなら、多角化として動きます。

判定の早見表

3つの問いを、1枚の表にします。

お客様が変わるか 商品が変わるか 当てはまる枠 動き方
変わらない 変わらない 市場浸透 認知と購入の手直し
変わらない 変わる 新製品開発 今のお客様への聞き取りから始める
変わる 変わらない 新市場開拓 新しいお客様の言葉を集める
変わる 大きく変わる 多角化 小さな試しを先に行う
変わる 少し変わる 新市場開拓(重い方) お客様の言葉を主に、商品は微調整

最後の行が、質問者の悩みの形です。重い方で決める、という回答の見方と、同じ結論になります。

判定は、書き方で外れることがある

判定に正解がひとつだけあるとは限りません。多角化の分類についても、中小企業庁のページは4つの型を示していますが、解説ごとに分け方が少しずつ違います。

そのため、社内の話し合いでは、正しい枠を当てることより、「どちらの変化が大きいと考えたか」を、理由つきで残すことのほうが役に立ちます。

理由が残っていれば、数か月後に結果を見たときに、判断のどこが外れたのかを読み返せます。

判定を、社内に残す1行メモの形

判定の理由は、1行で残せます。次の形に、自社の言葉を入れます。

欄 書く内容 書き方の例
変えるもの お客様か、商品か、両方か お客様を変える
変わらないもの そのまま使える資産 今の商品と、今の価格表
重い方 どちらの変化が大きいか お客様の言葉づかい
当てはまる枠 4つのどれか 新市場開拓
外れたら見直す点 あとで読み返す手がかり 問い合わせの内容が想定と違ったら、重い方の判断を見直す

この5つを書いておくと、結果が出たときに、どこで読み違えたのかが分かります。

リスクの順番:左上から足していく理由

4つの枠は、並べ方に意味があります。未知の部分が少ない順に足していくと、失敗したときの損が小さく済みます。

低い順は、市場浸透、新製品開発と新市場開拓、多角化

中小企業庁のページは、多角化を、最もリスクの高い成長戦略としています。逆から読むと、市場浸透は、最もリスクの低い枠です。

新製品開発と新市場開拓は、その間にあります。どちらが先かは、会社によって違います。お客様のことをよく知っている会社は、新製品開発が先です。商品に自信がある会社は、新市場開拓が先です。

次の表に、順番の目安をまとめます。

順番 枠 動かす前に確かめること 動かす期間の目安
最初 市場浸透 今のお客様が、なぜ買ってくれているか 日常の仕事の中で
次 新製品開発または新市場開拓 お客様の声か、新しいお客様の言葉 数か月の試し
最後 多角化 先の3つの枠で、手応えが出ているか 小さな試しから

「期間の目安」は、弊社の整理です。公的な資料の数字ではありません。

順番は、固定の規則として守るものではありません。会社の人数、取引先の偏り、手元の記録の量で、入れ替わります。入れ替えるときは、その理由を1行メモに書いておきます。

多角化を最後に置くのは、足りない力が2つになるから

多角化は、お客様のことも、商品のことも、これから学ぶ必要があります。学ぶことが2つ同時に増えると、どちらも浅くなりがちです。

先に市場浸透を固めておくと、今のお客様の言葉と、今の商品の強みが、手元にそろいます。この2つは、多角化の企画を立てるときの材料になります。

そのため、多角化は、前の3つの枠を動かした結果を見てから決めます。

公的な数字で見る:成長に向けた投資をした企業は、付加価値額の増え方が大きい傾向

ここでは、成長に向けた動きと、結果との関係を、公的な資料で確かめます。

中小企業庁は、2026年4月24日に閣議決定された、2026年版の中小企業白書と小規模企業白書の概要を公表しています。この概要を、2026年11月6日に開きました。

白書の概要に載っていた数字

概要には、白書が掲載した令和7年度の中小企業の経営課題と事業活動に関する調査をもとに、「成長に向けた設備投資」への取り組みと、付加価値額の増え方を比べた図があります。ここでの成長に向けた設備投資とは、2019年以降に、生産能力の拡大や新事業への進出など、売上高を増やすために行った設備の新設と増強のことです。

付加価値額の増加率は、2024年と2019年を比べたものです。中央値は、取り組んだ企業で22.0%、取り組んでいない企業で15.2%でした。

区分 回答数 付加価値額の増加率(中央値)
成長に向けた設備投資に取り組んだ 6,665社 22.0%
取り組んでいない 5,042社 15.2%

白書の概要によると、成長投資を実施している企業は、実施していない企業と比べて、付加価値額の増加率が大きい傾向にある、と書かれています。

業種別の取り組み状況

同じ図には、業種別の取り組み状況も載っています。

業種 取り組んだ割合
製造業 68.7%
運輸業・郵便業 64.9%
建設業 54.8%
情報通信業 50.7%
卸売業 47.7%

小売業は50.4%、宿泊業・飲食サービス業は67.8%でした。業種によって、取り組みの割合に差があります。

この数字の読み方と、読めないこと

この数字から言えるのは、成長に向けた投資をした企業のほうが、5年間の付加価値額の増え方が大きい傾向がある、という点です。

言えないことが、3つあります。

1つめは、因果です。投資をしたから増えたのか、増えた会社が投資をしたのかは、この図では分かりません。

2つめは、4つの枠との対応です。この調査の「成長に向けた設備投資」は、設備の話です。市場浸透や多角化といった、4つの枠で区切った数字ではありません。

3つめは、サイトの直し方との関係です。ホームページの更新に限った数字は、この図に出ていません。

この記事では、成長に向けて動いた企業の数字を、「動けば必ず増える」という根拠としては使いません。「動いた企業が実際にこれだけある」という事実として読みます。

やり方の順番:6つの手順で、1枚の表にする

ここからが、実際の手順です。1枚の紙と、過去1年の売上の記録があれば進められます。

手順1 今の商売を、製品とお客様の2列で書き出す

左の列に、今売っている商品とサービスを書きます。右の列に、過去1年に取引のあった、お客様の種類を書きます。

お客様の種類は、「築20年以上の戸建てを持つ家族」のように、買う場面が見える書き方にします。「個人」「法人」の2つに分けただけでは、あとで枠に入れるときに線が引けません。

この書き出しが、表の「既存」の中身になります。

手順2 新しく足したいことを、思いつく分だけ書く

次に、新しく足したいことを、遠慮なく書き出します。「新しい商品」「新しいお客様」「両方」のどれかに、必ず入ります。

この段階では、実現できるかどうかは考えません。数は、5つから10個ほどを目安にします。

手順3 前の節の3つの問いで、枠に入れる

書き出した1つ1つに、境目の判定の3つの問いを当てます。入れた枠と、その理由を、1行メモに残します。

迷ったものは、重い方で決めます。理由の欄に、迷ったことも書いておきます。

手順4 低い順に並べて、最初の1つを決める

枠に入れたものを、市場浸透、新製品開発と新市場開拓、多角化の順に並べます。そして、いちばん上にあるものから、最初の1つを選びます。

市場浸透の案がすでにあるなら、そこから動きます。案が無いなら、手順1に戻って、今のお客様が買ってくれた理由を、聞いて確かめます。

手順5 確かめる数字を、1つだけ決める

最初の1つを動かすときに、結果を見る数字を、1つだけ決めます。多いと、どの数字を信じるかで揉めます。

問い合わせの件数、見積もりの依頼数、資料の請求数など、すでに記録が取れるものから選びます。

手順6 サイトに足すページを決める

最後に、手順4で選んだ1つのために、自社サイトに足すページを決めます。市場浸透なら、今のページの直し方です。新市場開拓なら、新しいお客様の入口のページです。

ページの具体は、後ろの節で、枠ごとに書きます。

6つの手順を、1枚に並べる

6つの手順を、出てくるものと一緒に並べます。

手順 やること 出てくるもの 使う時間の目安
1 今の商品とお客様を書く 「既存」の一覧 30分
2 足したいことを書く 5つから10個の案 30分
3 3つの問いで枠に入れる 1行メモ 1時間
4 低い順に並べる 最初の1つ 30分
5 確かめる数字を決める 数字1つ 15分
6 足すページを決める ページの一覧 30分

時間の目安は、弊社の整理です。社内に記録が無いときは、手順1に時間がかかります。

手順の途中で、よく詰まる3つの点

手順を進めると、詰まる場所は、だいたい決まっています。

詰まる場所 起きていること 動き方
手順1 お客様の記録が残っていない 直近の請求書や見積もりを10件ほど見て、お客様の種類を拾う
手順3 案が全部、多角化に見える 「今の価格表に載せられるか」の問いに戻る
手順5 確かめる数字が、記録されていない 今日から、問い合わせの件数だけ記録を始める

詰まったときは、完璧な答えを出そうとしません。仮の答えを置いて、次の手順に進みます。仮の答えは、3か月後の見直しで直せます。

1人で書かず、3人で書く

この表は、1人で書くと、書いた人の見方に偏ります。社長、現場の担当者、問い合わせを受ける人の3人で、同じ紙を見ながら書くのが理想です。

とくに、問い合わせを受ける人は、お客様が実際に口にした言葉を知っています。「既存」と「新規」の線は、その言葉を聞くと、引きやすくなります。

3人で意見が割れたときは、1行メモの「重い方」の欄を、そのまま話し合いの題にします。

4象限から、足すページへ今の顧客と商品紙に書き出す迷えば重い方象限を決める4つから1つリスクで並べ足す順を決める低い順に1つ選ぶページを足す1ページずつ

中小企業の例:架空の3社で、4つの枠に入れてみる

ここからは、架空の3社で、手順を通してみます。3社とも、実在する会社ではありません。特徴は、中小企業でよくある形から作りました。

架空の例1 地方都市の和菓子店:店頭が中心で、通販は小さく続けている

社員は6人です。看板商品は、季節の生菓子と、日持ちのする焼き菓子です。お客様の中心は、店の近くに住む人と、年に数回、法事や来客用に買う人です。

手順1で書き出すと、「既存」の中身は次のようになります。

軸 今の中身
製品 生菓子、焼き菓子の詰め合わせ
市場 近所の家族、法事や来客の用意をする人

手順2で、足したいことを書き出しました。4つの枠に入れた結果が、次の表です。

足したいこと 当てはまる枠 理由(1行メモ)
法事の注文を、予約の電話から、ページの申し込みにも広げる 市場浸透 お客様も商品も同じ。入口だけ増やす
子ども向けの、小さな菓子のセットを作る 新製品開発 お客様は同じ。商品だけ新しい
近隣の会社の手土産需要を、取りに行く 新市場開拓 商品は同じ。お客様の言葉が違う
洋菓子の専門店を、別の街に出す 多角化 お客様も商品も違う

低い順に並べると、最初の1つは、法事の注文を申し込めるページにすることです。すでに電話の注文は多く、記録が取れています。確かめる数字は、ページからの申し込み件数に決めました。

架空の例2 金属部品を加工する町工場:BtoB

社員は10人です。得意なのは、薄い板金の曲げ加工です。取引先は、近隣の機械メーカー3社に偏っています。

手順1で、お客様の種類を「機械メーカーの設計担当」「機械メーカーの購買担当」の2つに分けて書きました。

足したいこと 当てはまる枠 理由(1行メモ)
既存の取引先に、加工できる材料の一覧を見せる 市場浸透 取引先は同じ。知られていない強みを伝える
既存の取引先向けに、組み立てまで引き受ける 新製品開発 お客様は同じ。サービスが新しい
食品機械のメーカーの、試作の依頼を取りに行く 新市場開拓 加工の技術は同じ。お客様の業界が違う
自社ブランドの家庭用品を作って売る 多角化 お客様も商品も違う

この会社では、取引先が3社に偏っているため、新市場開拓を先に動かすことにしました。市場浸透の余地は、すでに小さいからです。

枠の順番は、会社の状況で変わります。取引先が偏っている会社は、「低い順」より、リスクの分散を先に考える場合があります。この点は、後ろの節でもう一度触れます。

架空の例3 個人経営の整体院:口コミと紹介が中心

施術者は1人です。お客様は、肩や腰の不調を抱える、近所の働く世代が中心です。

足したいこと 当てはまる枠 理由(1行メモ)
予約の空き状況を、ページで見やすくする 市場浸透 お客様も施術も同じ。入口を直す
自宅で続けられる体の動かし方の講座を、新しく作る 新製品開発 お客様は同じ。商品が新しい
高齢の方向けの、出張の施術を始める 新市場開拓 施術は同じ。お客様の層と場所が違う
健康食品の販売を始める 多角化 お客様も商品も違う

施術者は1人です。出張を始めると、店で施術できる時間が減ります。そのため、新市場開拓は、時間の取り合いを先に確かめてから動くことにしました。

3社を並べると、足すページが会社ごとに違う

3社の最初の1つを、並べます。

会社 最初に動かす枠 最初に足すページ 確かめる数字
和菓子店 市場浸透 法事の注文の申し込みページ ページからの申し込み件数
町工場 新市場開拓 食品機械メーカー向けの加工事例のページ 試作の見積もり依頼の件数
整体院 市場浸透 空き状況が分かる予約のページ ページ経由の予約件数

同じ表を使っても、3社の最初の1ページは、まったく違います。表は、答えを出す道具ではありません。自社の事情を整理する道具です。

枠ごとに、自社サイトに足すページを決める

枠が決まると、サイトに足すページも決まります。枠ごとの足し方を、書いておきます。

市場浸透の枠:今のページを、今のお客様の言葉に直す

新しいページを足す前に、今のページを直します。今のお客様が、どの言葉で探し、どの順番で迷うかを、問い合わせの記録から拾います。

直す場所は、サービスの説明のページ、料金の考え方のページ、問い合わせの入口の3つです。

直す場所 直し方
サービスの説明 お客様が使う言葉で、1行目を書き直す
料金の考え方 見積もりが決まる条件を、先に書く
問い合わせの入口 問い合わせの前に聞かれやすいことを、先に答える

新製品開発の枠:新しいサービスのページを、今のお客様の通り道に置く

新しい商品は、今のお客様が見るページの、近くに置きます。今のお客様が、すでに読んでいるページから、1回のクリックでたどり着ける場所です。

ページの題は、お客様の困りごとの言葉にします。新商品の名前は、まだ誰も検索していないからです。

新市場開拓の枠:新しいお客様ごとに、入口のページを分ける

新しいお客様は、今のお客様と、探し方が違います。同じページに、新しいお客様向けの説明を足すと、今のお客様にも読みにくくなります。

そのため、お客様の種類ごとに、入口のページを別に作ります。ページの題には、そのお客様が使う言葉を入れます。

町工場の例なら、「食品機械の試作」という、食品機械メーカーの設計担当が使う言葉を、題に入れます。

多角化の枠:まず、小さなページを1つだけ置く

多角化は、未知の部分が最も大きい枠です。サイトでも、大きな部屋を作らず、小さなページを1つだけ置いて、反応を見ます。

反応が無ければ、そのページを消して、次の案に移ります。サイト全体を作り替えるのは、反応が出てからです。

多角化の小さな試しの例:3社の場合

多角化の案を、3社それぞれで小さな試しに直すと、次のようになります。

会社 多角化の案 小さな試し やめる目安
和菓子店 洋菓子の専門店を別の街に出す 期間を決めて、洋菓子の予約の受け付けページを1つ置く 期間内に、予約が入らなかったとき
町工場 自社ブランドの家庭用品を作る 試作品の写真と、欲しい人への問い合わせの欄を載せた1ページ 問い合わせが来なかったとき
整体院 健康食品の販売を始める 施術のあとに、お客様へ口頭で聞く 欲しいという声が出なかったとき

3社とも、大きな投資の前に、「欲しい人がいるか」を確かめる試しを置いています。試しの前に、やめる目安を決めておくと、引き返す判断が早くなります。

最初の1ページの見出しを、お客様の言葉で書いてみる

最初の1ページは、見出しの書き方で、読まれ方が大きく変わります。3社の見出しの案を、直す前と後で並べます。

会社 直す前の見出し 直した後の見出し 直した理由
和菓子店 心を込めた、こだわりの和菓子 法事の菓子を、いつまでに、どこで注文できるか お客様が知りたい期限と方法に、先に答える
町工場 高い技術力で、お客様の課題を解決 食品機械の試作で、薄い板を何ミリまで曲げられるか 設計担当が探す言葉に合わせる
整体院 一人ひとりに合わせた、丁寧な施術 予約の空きは、今週のどの曜日か 迷う場面に、先に答える

直した後の見出しは、どれも質問の形に近くなっています。お客様は、サイトを開く前に、頭の中に質問を持っているからです。

見出しの下には、質問への答えを、1文で置きます。そのあとに、詳しい説明を続けます。

枠ごとに、確かめる数字を決める

枠ごとの確かめる数字を、まとめます。

枠 確かめる数字の例 見るタイミング
市場浸透 今のページからの問い合わせ件数 1か月ごと
新製品開発 新しいサービスのページの閲覧数と、問い合わせの内容 1か月ごと
新市場開拓 新しいお客様の入口ページからの問い合わせ件数 2か月ごと
多角化 小さなページへの反応の有無 3か月ごと

見るタイミングは、弊社の目安です。問い合わせが月に数件しかない会社は、期間を長めにします。

数字は、1つの枠につき1つだけ決めます。数字が増えるほど、結果の読み方で意見が割れ、次の判断が遅れます。

よくある間違った進め方と、その末路

ここまでの手順を、崩してしまう進め方があります。4つ挙げます。

間違い1 大きな会社の例を、そのまま自社に写す

解説ページには、大きな会社の事例が並びがちです。そのまま写すと、人も資金も違う会社の動きを、自社の計画にしてしまいます。

自社の「既存」の中身を書き出さないまま事例を読むと、どの枠の話なのかも読み違えます。

事例は、枠の意味を理解する材料にとどめます。自社の計画は、手順1の書き出しから作ります。

間違い2 多角化を、最初の案にする

新しい収益源が欲しいとき、いちばん目立つのは多角化です。ところが、多角化は、お客様も商品も未知の枠です。

先に市場浸透や新製品開発で手応えを確かめないまま多角化を始めると、失敗したとき、原因が商品なのかお客様なのかが分かりません。

結果として、人と時間だけが減り、本業の手入れも遅れます。

間違い3 4つの枠を、同時に動かす

4つの枠すべてに案を出し、すべてを同時に動かす計画も、よく見ます。人が足りない会社では、どの案も中途半端に終わります。

動かすのは、最初の1つだけにします。結果が出てから、次の1つに移ります。

間違い4 表を書いて、そこで終わる

最後は、表が完成して満足してしまうことです。表が1枚増えても、お客様の目に見えるサイトは、何も変わりません。

表の最後の欄に、足すページの名前と、確かめる数字を書いて、初めて計画になります。

偏りが大きいときは、低い順より分散を先にする

町工場の例で触れたとおり、取引先が少数に偏っている会社は、順番が変わることがあります。取引先が減ったときの傷が大きいからです。

その場合は、新市場開拓を先に動かします。ただし、確かめる数字は、必ず先に決めておきます。

順番は固定の規則ではありません。理由を1行メモに残して動くことが、守る点です。

解決策:「売れるサイトはみな謙虚」の考え方で、足すページを選ぶ

ここからが、この記事の仕上げです。決めた枠を、サイトの足すページに写す作業を、「売れるサイトはみな謙虚」という考え方で進めます。

この考え方は、ウェブサイトから要素を引き算して、訪れた人が迷わず次の一歩に進める形に組み直す、というものです。

成長マトリクスに当てはめると、新しいページを足す前に、今のページから引く作業が先に来ます。

謙虚とは、足す前に、今の言葉を減らすこと

新しいページを足すと、サイトの目次が増えます。目次が増えるほど、訪れた人は、どこから読めばよいのか迷います。

そのため、足す前に、今のページの自慢の言葉を減らします。「業界トップクラス」「安心の品質」「お客様第一」のような言葉は、どの会社のサイトにも並んでいて、お客様は読み飛ばしています。

自慢を減らすと、約束も小さくなります。約束が小さいほど、中身との食い違いも減ります。

足すページの基準は、枠のどこに答えているか

新しく足すページを、次の3つの問いで確かめます。

問い 「いいえ」のとき
そのページは、決めた枠の、最初の1つに答えているか 今回は足さない
訪れる人が使う言葉で、題が付いているか 題を直す
自社が、実際に約束できる内容か 約束を小さくする

3つとも「はい」になるページだけを、足します。「いいえ」が残るページは、まだ作りません。

1週間で、最初の1ページを足す進め方

サイトの全部を直す必要はありません。1週間で、最初の1つ分のページを足します。

日 作業 使う時間の目安
1日目 1行メモの枠と理由を、お客様の言葉の1文にする 1時間
2日目 その1文を、新しいページの見出しにする 1時間
3日目 見出しの下に、お客様が比べたい点を、順に書く 2時間
4日目 今のページの自慢の言葉を、後ろに回す 30分
5日目 書いていない人に読んでもらい、伝わったか聞く 30分

足りない作業は、翌週に回します。急いで書くと、サイトの言葉が、急いだ言葉になります。

3か月後に、表を見直す

3か月たったら、1枚の表を見直します。見るのは、次の3点です。

見る点 確かめること 外れたときの直し方
確かめる数字 決めた数字が動いているか 動いていないページに戻る
問い合わせの内容 想定したお客様から来ているか 枠の判定を見直す
次の枠 手応えが出た枠の、次の案は何か 低い順で、次の1つを選ぶ

見直しは、表を捨てる作業ではありません。ずれた欄を1つ直す作業です。

隣の道具との並べ方:成長マトリクスの前後に置く道具

成長マトリクスは、1つの道具です。ほかの道具と並べると、使いどころが見えてきます。弊社の過去の記事のうち、隣り合う道具を、1つずつ紹介します。

道具 見るもの 成長マトリクスとの関係(弊社の整理)
5フォース分析 業界の儲けやすさを決める5つの力 進む方向を並べる前に、今いる業界の強い力を知る
3C分析 顧客・競合・自社 「既存」と「新規」の線を引く材料を、集める
SWOT分析 自社の強み・弱みと、外の機会・脅威 強みを、どの枠で生かすかを考える
STP分析 誰に絞り、どの位置を取るか 新市場開拓の「新しいお客様」を、1つの集まりに絞る
4P分析 商品・価格・流通・販促の整合 決めた枠で、売り方がそろっているかを見る

隣の道具を使うかどうかは、会社によって違います。成長マトリクスだけで、足すページが決まる会社もあります。

戦略全体の中の位置と、小さな会社の戦い方

戦略全体の中で、成長マトリクスがどこに入るかは、マーケティング戦略の記事で、道具を並べる順番として書きました。

小さな会社が、どこに力を集めるかの考え方は、ランチェスター戦略の記事にまとめています。

どちらの記事も、4つの枠の話を繰り返していません。この記事とは、答える問いが違います。

よくある質問

Q. 成長マトリクスは、中小企業や個人事業にも使えますか?

使えます。むしろ、人も時間も限られる会社ほど、順番を決める意味があります。

「既存」と「新規」の線を、自社の価格表と過去1年の取引で決めておくことが条件です。

Q. 新しいお客様向けの商品が、既存商品の少しの手直しなら、どの枠ですか?

お客様が大きく変わるなら、新市場開拓として動きます。商品の中身が大きく変わるなら、新製品開発です。

迷ったら、変わった部分が大きい方で決めます。理由は、1行メモに残します。

Q. 多角化は、避けたほうがよいのですか?

避ける必要はありません。中小企業庁のページでも、新しい収益源を求めるときに取られる戦略として説明されています。

ただし、未知の部分が最も大きいため、先に別の枠で手応えを確かめます。始めるときは、小さな試しから入ります。

Q. 「成長ベクトル」と、この表は同じものですか?

どちらの呼び名も、製品と市場の2軸で成長の道を整理する表を指して、解説ページで使われています。

呼び名の出どころは、今回確かめられなかったため、書いていません。表の中身は、どちらの呼び名でも同じです。

Q. 分析のあと、サイトはどこから直せばよいですか?

最初の1つの枠に答える、1ページから始めます。市場浸透なら、今のサービスの説明のページを、お客様の言葉に直すところからです。

新しいページを足すときは、足す前に、今のページの自慢の言葉を1つ減らします。

まとめ:成長マトリクスは、足す順番を決めるために使う

アンゾフの成長マトリクスとは、製品と市場を、既存と新規に分けて、成長の道を4つに整理する表です。4つは、市場浸透、新製品開発、新市場開拓、多角化です。

論文は、1957年の米国の経営学の雑誌に載ったものと、図書館の書誌記録で確かめました。人物と4つの枠の基本は、中小企業庁のページで確かめました。いずれも2026年11月6日です。

使いどころは、順番を決めることです。未知の部分が少ない枠から足し、多角化は最後に置きます。

境目で迷ったら、お客様が変わるか、商品が変わるかを問い、変わった部分が大きい方で決めます。

中小企業庁の2026年版の白書の概要によると、成長に向けた設備投資に取り組んだ企業の付加価値額の増加率は、中央値で22.0%でした。取り組んでいない企業は15.2%でした。動いた企業の方が、増え方が大きい傾向があります。

枠が決まったら、最初の1つに答える、1ページを足します。表を書いて終わりにせず、1ページ足すところまでを、1週間の仕事にしてください。

今日できる点検

点検すること 見る場所 直すこと
「既存」の商品とお客様を、紙に書けるか 価格表と、過去1年の取引の記録 無ければ、まず書き出す
足したいことが、4つの枠に入っているか 手順2の書き出し 3つの問いで、枠に入れ直す
最初の1つが、未知の少ない枠から選ばれているか 低い順の並べ表 多角化が先頭なら、順番を入れ替える
最初の1つに答える、ページの題があるか 自社サイトの目次 無ければ、見出しだけでも先に作る
今のページの1行目は、同業に言える言葉になっていないか 自社のトップページ お客様が比べたい点に答える1文に差し替える
確かめる数字が、1つに決まっているか 1行メモの最後の欄 問い合わせの件数など、記録から取れる数字を選ぶ

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この記事を書いた人

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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