レンタルサーバーを乗り換える、あるいはCDNを入れる。サイトのアドレス(URL)は変わらなくても、裏側の引っ越しをすると、Google検索に影響が出ないか心配になります。
この記事は、Google検索セントラルのページ「Changing your hosting」を英語版の原文から読んで整理します。英語版と日本語版の比べ読み、更新の経緯、弊社のサイトで確かめたことも書きます。
合同会社謙虚は、3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。サーバーやDNSの変更は数字を大きく動かしうる作業なので、Googleが手順をどこまで具体的に示しているかを原文で確かめました。
結論:3行で言うと
- このページの対象は、URLが変わらないホスティングの変更です。ホスティング会社の切り替えと、CDN(コンテンツを世界各地のサーバーから配る仕組み)への移行が含まれます
- 手順は「新環境の準備」「DNSの切り替え」「トラフィックの監視」「旧環境の停止」の4段階です。準備段階で、Googlebotが新環境に入れることとSearch Consoleの所有権確認が残ることを確かめ、移転の開始時にテスト用のブロックを外します
- 移転の直後にGooglebotのクロール頻度が一時的に下がるのは、通常の動きとされています。旧環境を止めるのは、旧環境へのアクセスがゼロになってからです
このページの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題(英語) | Changing your hosting |
| 日本語版の題名 | ホスティングの変更 |
| 英語版の最終更新日 | 2025年12月10日 |
| 日本語版の最終更新日 | 2025年12月31日 |
| Google検索セントラルの中の位置(章) | 左の目次の「サイトの移転と変更」の章に入っています。URLの階層は「crawling-indexing」です |
| 直近の主な更新 | 変更履歴でこのページが出てくるのは、2020年11月のサイト再編の記載(旧題名)だけで、その後の更新の記載は見つかりませんでした。保存された過去の版を比べると、2024年3月18日の更新日の版で段落が1つ減っています(詳しくは後の節) |
Googleがこのページで言っていること
対象と、全体の4段階
ページの冒頭は、ホスティングの変更とは何かを定めています。ホスティング会社を切り替えること、またはCDNに移ることです。
ユーザーに見えるURLを変える移転は、このページの対象外です。その場合は別ページ「Site moves with URL changes」から始めるよう、案内が付いています。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1. 新環境の準備 | 新しいサーバーへ内容を上げる、またはCDNと元のサーバーを設定して、テストする |
| 2. 移転の開始 | ドメインのDNS設定を、新環境を指すように変える。これが実際の移転で、アクセスが新環境へ流れ始める |
| 3. トラフィックの監視 | 旧環境と新環境のアクセスを見比べる |
| 4. 旧環境の停止 | Googlebotを含む全員が新環境から正しく受け取っており、旧環境を使う人がいないと確認できたら止める |
新環境の準備:コピーとテスト
サイトの「コピー」が何を指すかは、使っているCMSで変わります。HTMLファイルを複製するだけの場合もあれば、データベースを書き出して新環境で読み込む場合もあります。
コピーしたら、利用者が触る機能を一通りテストします。ページ、画像、フォーム、PDFなどのダウンロードが対象です。
提案されているテストの工夫は3つあります。IP制限をかけたテスト環境を作ること、新しいサイトをブラウザで開いて全要素を見ること、仮のホスト名(例:beta.example.com)で公開テストをすることです。
仮のホスト名を使うと、Googlebotが届くかどうかも試せます。ただしテスト用サイトが誤ってインデックスに載らないよう、ページのHTMLかHTTPヘッダーにnoindexのrobotsルールを入れる、と書かれています。
新環境にGooglebotが入れるかを確かめる
Search Consoleのアカウントがまだなければ、作って、Googleのアクセスとトラフィックを見られるようにします。仮のホスト名を作った場合は、そのプロパティも確認します。
新環境にGooglebotが入れるかは、Search ConsoleのURL検査ツールで確かめます。
注意の囲みでは、ファイアウォールやDoS(サービス拒否攻撃)対策の設定が、GooglebotによるDNSやホスティング会社のサーバーへのアクセスを止めていないかの確認を求めています。本物のGooglebotかどうかを見分ける方法は、別のページ(Googlebotの確かめ方)にリンクされています。
DNSのTTLを下げる
DNSの設定は、通信事業者(ISP)側で一定時間、覚えられています。この「覚えておく時間」がTTLです。
TTLを短くしておくと、新しい設定が行き渡るのが早くなり、移転が速く進みやすくなる、と書かれています。目安として、移転の少なくとも1週間前に、数時間などの控えめに短い値へ下げることを検討してください、とあります。
Search Consoleの所有権確認が、移転後も続くか
ページは、所有権の確認方法のうちHTMLファイル、metaタグ、Googleアナリティクスの3つについて、移転での落とし穴を挙げています。HTMLファイルで確認しているなら、そのファイルを新環境のコピーにも入れ忘れないこと。
CMSのテンプレートにmetaタグを入れている、あるいはGoogleアナリティクスで確認している場合は、新しいCMSのコピーにも同じものが入っているかを確かめます。
移転の開始:ブロックの解除とDNSの更新
新環境を作っている間、robots.txtでクロールを全面的に止めたり、noindexのmetaタグやHTTPヘッダーでインデックス登録を止めたりすることがあります。移転を始める準備ができたら、新環境のコピーからそうしたブロックをすべて外します。
そのうえで、DNSレコードを新しいホスティング会社を指すように更新します。やり方はDNSの提供元に問い合わせてください、という書き方です。
移転後の監視
監視する項目は3つです。旧サーバーと新サーバーのサーバーログ、公開されている各種のDNS確認ツール、Search Consoleの「インデックス カバレッジ」のグラフです。
ログでは、旧サーバーのアクセスが減り、新サーバーのアクセスが同じだけ増える動きが見えるはずだ、と説明されています。DNS確認ツールでは、世界各地のISPが新しい設定に更新されているかを見ます。
「インデックス カバレッジ」のリンク先を今日開いたところ、現在のヘルプの題名は「Page indexing report」(日本語版は「ページ インデックス登録レポート」)でした。レポートの名前が変わっただけで、同じ場所を指しています。
Googlebotのクロール頻度の注意書き
ホスティングを変えた直後に、Googlebotのクロール頻度が一時的に下がるのは通常の動きとされています。その後の数日で着実に上がり、移転前より高くなることもあります。
理由は、クロール頻度が多くのシグナルで決まっており、ホスティングが変わるとそのシグナルも変わるからです。新環境で深刻な問題や遅延が起きない限り、Googlebotは必要な範囲で、できる限り速くクロールしようとする、と書かれています。
旧環境の停止
旧ホスティング会社のサーバーログを見て、そちらへのアクセスがゼロになったら、旧環境を止められます。これでホスティングの変更が完了です。
英語版と日本語版の違い
英語版の最終更新日は2025年12月10日、日本語版は2025年12月31日です。日本語版のほうが21日新しい日付です。
両方を節ごとに読み比べました(確認日:2026年10月8日)。4段階の概要、準備の3項目、TTL、所有権確認、移転の開始、監視、クロール頻度、旧環境の停止、いずれも内容の差は見つかりませんでした。
更新の経緯:保存された過去の版との比較
Google検索セントラルの更新情報(変更履歴)を調べると、このページは2020年11月11日のサイト再編の記載に、旧題名の「Move a site without URL changes」で名前が出てきます。
ただし、その後の更新を知らせる記載は見つかりませんでした。そこでInternet Archiveに保存された過去の版を取り出し、本文の文字を比べました。
保存の間隔があるため、「いつ変わったか」は保存日の間の範囲でしか言えません。ページに表示される最終更新日を合わせて示します。
| 保存日(ページの最終更新日) | その版の特徴 |
|---|---|
| 2022年12月8日(2022年9月16日) | 題名は「Move a site without URL changes」。概要が5項目で、最初が「サイト移転のFAQと基本情報を見る」。テストの助言に「可能なら、本番アクセスの一部で新サイトを試す」があり、クロール頻度の回復は「数週間」。Search Consoleでクロール頻度の上限を手動で設定せず「Googlebotに任せる」設定にしておく、という段落もあった |
| 2023年11月27日(2023年11月17日) | 題名が「Changing your hosting」に変わり、ホスティングの変更の定義が冒頭に入った。概要は4項目に。サイトのコピーはCMSによって意味が違うという説明、公開テスト時のnoindexの助言、Googlebotの確かめ方へのリンクが加わり、クロール頻度の回復は「数日」に。クロール頻度の上限を手動設定しない段落は残っていた |
| 2024年8月24日(2024年3月18日) | クロール頻度の上限を手動設定しない段落が消えた。変わった理由は、私が確認できた範囲では書かれていない |
| 2025年3月1日・7月18日・12月18日の版(更新日は2025年2月4日・3月6日・12月10日) | 本文の文字もHTMLの構造も、2024年8月の版と同じ。更新日だけが動いている |
URLの末尾は「site-move-no-url-changes」のまま、題名だけが変わりました。古い変更履歴や目次の記載に「Move a site without URL changes」と出てくるのはそのためです。
このページから、言えること・言えないこと
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| URLが変わらないホスティング変更は、準備・DNS切り替え・監視・旧環境の停止の4段階で進める | URLやドメインが変わる移転にも、そのまま使える(その場合は別のガイドを読む) |
| 移転直後のクロール頻度の一時的な低下は、通常の動き。数日かけて上がり、移転前より高くなることもある | クロール頻度が下がれば、順位も下がる(このページに順位の話は出てきません) |
| TTLを下げておくと、新しい設定が行き渡りやすくなる | TTLを下げれば、切り替えが即座に終わる(ISPのキャッシュ次第) |
| 旧環境へのアクセスがゼロになってから止める | DNSを切り替えた日に、旧環境を解約してよい |
| 新環境にGooglebotが入れるかは、URL検査ツールで確かめる | 新しいホスティングにすれば、検索順位が上がる |
中小企業の視点で、どう受け取るか
ここからはGoogleの説明とは別の、私の読み取りです。従業員数人〜数十人の会社が、WordPressのサイトで引っ越しをする場面を想定しました。
1. DNSを誰が持っているかを、切り替えの前に確かめる
手順の2番目の「DNS設定の更新」を実行するには、DNSを管理している場所が分からないと始まりません。ドメインを取った会社の管理画面か、レンタルサーバー会社の管理画面のどちらかであることが多いです。
切り替える前に、現在のDNSレコード(A、CNAME、MX、TXTなど)の一覧を保存しておくと安心です。
MXはメールの行き先を決めるレコードなので、写し忘れるとメールに影響が出ます。この点はGoogleのページに出てこない、実務上の注意です。
2. Search Consoleの所有権確認の方法を、移転前に書き出す
Search Consoleの「設定」にある「所有権の確認」を開くと、今どの方法で確認されているかが分かります。HTMLファイル、metaタグ、Googleアナリティクス、Googleタグ マネージャー、DNS(ドメイン名プロバイダ)などです。
確認の方法は複数追加できる、と所有権確認のヘルプ(英語版)に書かれています。1つが外れたときの備えになる、という説明です。
WordPressなら、metaタグがテーマやプラグイン由来のことが多く、新環境へ同じものが入るかを確かめます。
ドメインプロパティで確認している場合は、DNSレコード(TXTまたはCNAME)を使う方法です(ヘルプで確認)。DNSの管理先が変わるなら、新しい管理先に同じレコードを入れる必要があります。
3. テスト用のブロックを、WordPressの設定も含めて外す
新環境を仮のホスト名で試すとき、noindexを入れるのはページの助言どおりです。WordPressの「設定」→「表示設定」にある「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れて試す人もいると思います。
公開前にチェックを外し、robots.txtにも全面禁止の指定が残っていないかを、新環境で実際のURLを開いて確かめます。ページが、新環境のコピーからブロックをすべて外すよう念を押している点は、WordPressの設定にも当てはまります。
4. 旧環境の解約日を、アクセスがゼロになった後に決める
旧サーバーの契約更新日が近いと、アクセスがゼロになる前に解約したくなります。ページは、ログでアクセスがゼロになってから止める順序を示しているので、更新日が迫るなら、旧環境の契約を1か月延ばす判断も選べます。
弊社のサイトで確かめたこと
2026年10月8日に、kenkyo.aiに対して次の確認を行いました。移転の作業ではなく、このページが挙げる項目を現物で確かめた記録です。
dig +noall +answer kenkyo.ai A
dig +noall +answer kenkyo.ai NS
dig +noall +answer @(上で出たネームサーバー) kenkyo.ai A
curl -sL https://kenkyo.ai/robots.txt
curl -sI https://kenkyo.ai/
curl -sL https://kenkyo.ai/ (HTMLの head を読む)
curl -sI -A "Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)" https://kenkyo.ai/
curl -sI -A "Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)" https://kenkyo.ai/robots.txt
| 確認 | 結果の要点 |
|---|---|
| DNSのTTL | Aレコードの有効期間(TTL)は3600秒(1時間)でした。ネームサーバーに直接尋ねても同じ値でした |
| robots.txt | 禁止(Disallow)はWordPressの管理画面(/wp-admin/)だけでした。サイト全体を止める指定は見当たりません |
| noindexの有無 | トップページのヘッダーに X-Robots-Tag はなく、HTMLのrobotsのmetaタグは max-image-preview:large だけでした |
| 所有権確認のタグ | トップページのHTMLの head に、google-site-verification のmetaタグが入っていました |
| Googlebotを名乗った取得 | User-AgentにGooglebotを指定して、トップとrobots.txtのヘッダーを取得すると、どちらも200でした |
限界も書いておきます。metaタグがあることは確かめましたが、Search Consoleがその方法で所有権を確認しているかは、管理画面を見られないので分かりません。
Googlebotを名乗った取得は、名前を名乗っただけの確認です。本物のGooglebotが届くかどうかは、ページが勧めるURL検査ツールで確かめる必要があります。
よくある質問
ホスティングの変更をすると、Google検索の順位は下がりますか
このページは、順位が下がるとも上がるとも書いていません。書かれているのは、手順を踏んで影響を最小限にすること、移転直後にクロール頻度が一時的に下がるのは通常だということです。
ホスティングの変更が終わったら、旧サーバーはいつ止めてよいですか
ページは、旧ホスティング会社のサーバーログを見て、旧環境へのアクセスがゼロになったら止められる、としています。DNSを切り替えた日ではなく、アクセスの推移で判断します。
ホスティングの変更と、URLの変わるサイト移転は同じ手順ですか
別の手順です。このページはURLが変わらない場合だけを扱い、ユーザーに見えるURLを変えるときは「Site moves with URL changes」から始めるよう案内しています。
まとめ:今日できる1つのこと
Search Consoleの「設定」→「所有権の確認」を開いて、今の確認方法を1行でメモしてください。引っ越しの予定がなくても、DNSやテンプレートを触る人が変わったときに、所有権が静かに外れる事故を防げます。
この記事は、Google検索セントラル解説の一覧の一本です。ほかのページの解説も、順次公開しています。
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