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  3. 道の駅の集客は通る車を寄る人に変える段階で決まる 立ち寄りからレジまでの点検

道の駅の集客は通る車を寄る人に変える段階で決まる 立ち寄りからレジまでの点検

2026 10/07
2026年10月7日
中野輝規
道の駅の集客は通る車を寄る人に変える段階で決まる 立ち寄りからレジまでの点検

土曜の昼、駐車場は半分以上埋まっています。

トイレの前には列ができているのに、売場のレジに並んでいる人は数えるほどしかいない。

道の駅の運営に関わっている方なら、この景色に覚えがあると思います。

この記事は、道の駅の駅長や運営会社(指定管理者)の担当者に向けて書いています。

道の駅に商品を出している生産者や、売場や食堂に入っているテナントの方にも、同じ話が当てはまります。

観光施設全般の集客は観光施設の集客について書いた記事に、温泉を併設している施設の話は温泉の集客について書いた記事にまとめています。

この記事で扱うのは、道の駅という施設にだけ起きる2つの悩みです。

1つは、前の道路を車がたくさん通っているのに、寄ってもらえないという悩みです。

もう1つは、寄ってくれた人が、トイレだけ借りて、何も買わずに出ていくという悩みです。

あわせて、国土交通省が公表している資料のうち、一次資料で確かめられた数字だけを使って、いまの道の駅の状況を整理します。

読み終えたときに、自分の道の駅のページと売場で、最初に直す場所が1つ決まっている。

そこをこの記事のゴールにしています。

目次

Q&Aサイトで見かけた、道の駅の建設計画への疑問

先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。

投稿されたのは2026年の4月で、お住まいの自治体で道の駅の建設計画が進んでいる方からの相談でした。

市の試算では、通る車の数がそのまま買う人の数になっていた

投稿者が疑問に思ったのは、自治体が出した「レジを通る人の数」の見積もりでした。

市の計算は、前の道路の交通量に、立ち寄る割合の補正、1台あたりの乗車人数、年間の日数を掛けるものだったそうです。

投稿者は、この式で出るのは本来、施設に来る人の総数のはずだと感じていました。

ところが市は、近くにある別の道の駅に同じ式を当てはめると、実際のレジ通過者の数のほうが多かったので、式の答えをそのままレジ通過者の数として売上を見積もっていました。

見込みが外れたとき、次の世代に負担が残る

投稿者が心配していたのは、見積もりが大きすぎた場合のことです。

前提が崩れたときに、その道の駅が赤字になり、あとの世代に重い負担を残すのではないか。

そう強い懸念を書いていました。

この記事は、その自治体の計画の良し悪しを論じるものではありません。

どこの自治体かも書かれていませんでしたし、書かれた数字を外から確かめることもできないからです。

ただ、この質問の中には、すでに開業している道の駅の運営にもそのまま当てはまる問いが入っていました。

回答に並んだのは、3つの見積もりと、売場に並ぶ商品の話だった

回答は、いくつか付いていました。

開業前のレジ通過者の数は、最高・普通・最低の3つの場合に分けて見積もるべきだ、という意見がありました。

冷やかしで立ち寄った人はレジを通らないので客にはならず、お金を使って初めて客になる、という指摘もありました。

近くに別の道の駅があるなら、同じ需要を2つの施設で分け合うので、見込みは半分ほどに見るのが妥当だ、という見方もありました。

そして、道の駅の成否は、魅力のある商品を毎日出してくれる出荷者を集められるかにかかっている、という回答もありました。

通る車の数と、レジを通る人の数は、別の数字

この質問と回答を読んで、私が注目したのは、次の点です。

通る車の数、寄る人の数、レジを通る人の数は、並べて書くと同じ流れの数字に見えますが、それぞれ別の人の数です。

前を通る車の中の何割かが寄り、寄った人の何割かが売場を回り、売場を回った人の何割かが買う。

この流れのどこかで、人は必ず減っていきます。

道の駅の集客を考えるときは、減る場所がどこなのかを先に知らないと、手を打つ場所を間違えます。

これは道の駅の運営が入り込みやすい落とし穴です

平日の駐車場が空いているとき、運営の現場では「もっと知ってもらわなければ」と考えるのが自然です。

知られていないなら、知らせる量を増やせばいい。

そう考えて、イベントを増やし、投稿を増やし、看板を増やす。

ところが、知らせる量を増やしても、駐車場の車は増えたのに、レジを通る人の数はほとんど変わらないということが、よくあります。

寄る人が増えても、買う人が増えない場所で止まっているのに、手を打つのが「寄る人を増やすこと」のままだからです。

前を通る人と、寄る人と、買う人は、それぞれ別の人

前の道路を通る人の多くは、道の駅に用がありません。

目的地へ向かう途中で、トイレが近くなった人、少し休みたい人、運転を代わりたい人が、駐車場に入ります。

その人たちの目的は、休憩です。

休憩に来た人が売場を回って何かを買うのは、売場に「買う理由」があったときだけです。

駅長が数える「来場者」と、売場の出荷者が数える「お客様」は、同じ言葉でも、見ている段階が違います。

「寄る理由」と「買う理由」は、別に用意する

寄る理由は、駐車場とトイレがきれいで、入りやすいことです。

買う理由は、売場に入ったときに、今日ここでしか買えないものが目に入ることです。

この2つを混ぜて「魅力のある道の駅にしよう」と言っていると、何を直せばいいのかが決まりません。

道の駅の集客に取り組むときは、まず「寄る理由」と「買う理由」を別々の紙に書き出してみてください。

自分の駅の寄る理由が「通り道にあるから」だけだと分かったとき、手を打つ場所が見えてきます。

いまの状態 現場に出ること 先に手を打つ場所
駐車場は混むのにレジが空いている トイレだけ使って出ていく人が多い 入口から売場までの動線に、今日の売り物を見せる
平日の昼間に人が来ない 駐車場に大型車だけが並ぶ 平日の昼に寄る人向けの案内を作る
週末だけ売場がにぎわう 平日の出荷者の商品が余る 平日に買う人に向けた売り場の見せ方を作る
出荷者の商品が売れ残る 同じ商品が毎日並び、動きがない 誰が、いつ、何を出すかをページで見せる
初めての人しか来ない 常連が育たない また来る理由になる旬の入荷を知らせる

国土交通省の資料で見る、道の駅のいまの姿

ここから、国土交通省が公表している資料で確かめられた数字を使って、道の駅の現在地を整理します。

自分の駅の数字と並べて読めるように、出典と時期を一緒に書いておきます。

登録は1,234駅になり、最初の登録は103駅だった

国土交通省の発表によると、令和8年9月4日の第65回登録の時点で、全国の道の駅は1,234駅になりました。

制度が始まった第1回の登録は平成5年4月22日で、そのときの駅数は103駅でした。

30年あまりで、10倍以上に増えたことになります。

駅が増えるということは、同じ道を走る人の休憩先が増えるということでもあります。

道の駅の集客は、新しくできた駅の分だけ、昔より選ばれにくい環境になっています。

登録の要件に、売上や来場者数の目標は入っていない

国土交通省の登録要件には、無料で24時間使える駐車場とトイレ、子育て応援施設、情報を提供する施設、地域振興施設、バリアフリーへの対応などが並んでいます。

いずれも、施設の備えに関する条件です。

要件の一覧には、売上の水準も、来場者数の目標も出てきません。

つまり、道の駅という看板は、人が来ることまでは約束してくれません。

駐車場とトイレがそろっていれば、国の基準は満たせます。

そこから先の「寄ってもらう」「買ってもらう」は、駅ごとの仕事です。

令和8年3月の資料に出ている、4つの数字

国土交通省の道路局が令和8年3月にまとめた施策のフォローアップ資料には、道の駅の取り組みの進み具合が数字で載っています。

その中から、お客様の動き方に関わるものを抜き出します。

項目 取り組みの開始時 2025年の実績 対象
キャッシュレスの導入 40% 87%(1,074駅) 全道の駅(1,231駅)
外国人観光案内所の認定 10% 23%(246駅) 観光案内所のある道の駅(1,053駅)
24時間使えるベビーコーナー 4% 26%(314駅) 全道の駅
訪日外国人の道の駅の認知度 19% 32% 空港やレンタカー店舗、道の駅で聞いた調査(回答3,039人)

キャッシュレスの導入が進んだ結果、レジの前で支払い方法が理由で買うのをやめる場面は、少なくなっているはずです。

その一方で、売場に入ってもらうところまでの課題は、この表の数字では動いていません。

道の駅は、通る人のための場所として始まった

道の駅の集客が難しいのは、制度の成り立ちに理由があります。

国土交通省の第3ステージの資料には、次の一文があります。

「道の駅」は、制度発足から『通過する道路利用者のサービス提供の場』として、全国各地に広がりました。

最初から、通り過ぎる人のための場所だったのです。

3つのステージで、道の駅に求められる役割は変わってきた

同じ国土交通省の資料では、道の駅の歩みが3つのステージに分けられています。

ステージ 始まった年 資料に書かれている位置づけ
第1ステージ 1993年 『通過する道路利用者のサービス提供の場』
第2ステージ 2013年 『道の駅自体が目的地』
第3ステージ 2020年 『地方創生・観光を加速する拠点』

第1ステージの道の駅は、休憩のための場所でした。

第2ステージで、道の駅そのものを目的に訪れる人が出てきます。

第3ステージでは、地域の観光や防災の拠点としての役割が加わりました。

目的地になった駅も、最初は通過する人の場所だった

国土交通省の資料には、目的地として選ばれるようになった道の駅の取り組みも、例として紹介されています。

ただ、その駅も出発点は、通る人が休む場所です。

休憩の場所が目的地に変わるまでには、寄る理由と、買う理由を、時間をかけて積み上げてきたはずです。

通る車の数が多いだけの場所が、そのまま目的地になることはありません。

自分の駅が、いまどのステージにいるのかを一度書き出してみると、次の一手が決めやすくなります。

道の駅の集客は、ほかの観光施設と何が違うのか

観光施設の集客と、道の駅の集客は、同じ言葉で語られがちです。

実際には、条件がかなり違います。

来る理由が、もともと休憩であること

遊園地や温泉の来場者は、その施設に行くと決めて、家を出ています。

道の駅の来場者の多くは、別の場所に向かう途中で、休憩のために立ち寄っています。

目的地の施設は「来てもらう」ことが仕事ですが、道の駅は「来た人に、休憩のついでに売場を回ってもらう」ことが仕事になります。

売る人が、運営会社だけではないこと

道の駅の売場には、地元の生産者が出荷した商品が並びます。

食堂や売店には、テナントとして入っている事業者もいます。

運営会社が集客に動いても、売場に魅力のある商品を出す人がいなければ、買う理由は生まれません。

この記事の冒頭で紹介したQ&Aの回答にも、出荷者を集められるかが成否を分ける、という意見がありました。

毎日の入荷が、そのまま売場の顔になること

道の駅の売場は、出荷の内容で、毎日顔が変わります。

朝の入荷が少ない日は、売場の棚が寂しくなり、寄った人が買わずに出ていきます。

観光施設にはない、この日替わりの性質は、弱点にもなりますが、うまく見せれば「また来る理由」にもなります。

比べる点 目的地型の観光施設 道の駅
来る人の目的 その施設に行くこと 移動の途中の休憩
売る人 施設の運営者が中心 運営会社に加えて、生産者とテナント
売場の中身 大きくは変わらない 出荷の状況で毎日変わる
集客で先に整えること 来る前の案内 寄る理由と、買う理由の両方

道の駅の集客でよく打たれる手と、止まる場所

ここまでで、道の駅の集客は「通る」「寄る」「買う」の3段階に分かれることが見えてきました。

よく打たれる手を、この3段階に当てはめると、効く場所と効かない場所がはっきりします。

イベントや投稿は、どの段階に効くのか

季節のイベントや、SNSでの投稿は、多くの道の駅が取り組んでいる打ち手です。

これらは主に、「寄る」段階に働きます。

知らなかった人に存在を知らせ、寄るきっかけを作る手だからです。

ところが、寄った人が売場に入って買うかどうかは、イベントの有無とは別の問題です。

寄る人が増えても、売場に買う理由がなければ、レジを通る人は増えません。

看板や駐車場の整備は、通る人にしか届かない

道路沿いの看板や、駐車場の案内は、前を通る人に「ここに道の駅がある」と知らせます。

こちらは「通る」から「寄る」への入口を広げる手です。

ただし、看板を見て寄った人も、トイレ休憩が目的であれば、売場を素通りします。

看板に「地元の朝採れ野菜あります」のように買う理由を載せていれば、寄った理由が売場に向かいます。

看板に載せる言葉が、そのまま、寄った人の次の行動を決めます。

売場の見せ方は、買う段階にいちばん近い手

売場の入口に、今日の入荷と、いまの時期だけの商品を置く。

これだけで、トイレ休憩のつもりで入った人の足が止まります。

売場の見せ方を直す手は、イベントや看板に比べて地味です。

けれども、寄った人が買う人に変わる場所に、直接働くのはこの手だけです。

出荷者の入荷情報は、寄る前と買う前の両方に効く

今日の朝は何が入ったのか、誰が出荷したのかを、売場と公式ページの両方で見せます。

公式ページで見た人は、それを目当てに寄ります。

売場で見た人は、その場で手に取ります。

入荷の情報は、1つの発信で、寄る段階と買う段階の両方に働く、数少ない打ち手です。

打ち手 主に効く段階 効きにくい段階
イベント 寄る 買う
SNSの投稿 寄る 買う
道路沿いの看板 通る→寄る 買う
売場の見せ方の改善 買う 通る→寄る
出荷者の入荷情報の発信 寄る・買う 通る

通る、寄る、買うの3段階で、どこで人が減るかを見る

道の駅の集客を、3つの段階に分けて見ます。

人は、段階を進むたびに減っていきます。

減り方が大きい場所が、先に手を打つ場所です。

通る人が寄る人に変わるところ

1段階目は、前の道路を通る車が、駐車場に入ってくるかどうかです。

ここで効くのは、道路から見えること、入りやすいこと、「ここで休める」と分かることです。

この段階は、立地と看板で、ほとんどが決まります。

寄る人が買う人に変わるところ

2段階目は、駐車場に入った人が、売場で何かを買うかどうかです。

多くの道の駅が足りていないのは、この段階です。

寄った人は、休憩に来ています。

その人に買う理由を見せるのは、売場の入口に何が置いてあるかと、いまの時期だけの商品がどこにあるかです。

買う人がまた来る人に変わるところ

3段階目は、一度買った人が、次の機会にもう一度寄ってくれるかどうかです。

通りかかる道が同じ人にとって、道の駅は毎回寄れる場所です。

一度買った商品が良かった、旬のものが毎回違った、という体験は、次に通るときの「寄る理由」になります。

道の駅で通る人が買う人になるまでの流れ前の道を通る車で通りかかる休憩したい駐車場に寄る休憩に入る理由があれば売場で買う今日の入荷を見る良かったらまた寄る旬の入荷を知る

レジを通る人の数を、開業前も開業後も、別々に数える

冒頭のQ&Aで話題になったのは、開業前の見積もりでした。

すでに開業している道の駅にとっても、数え方を分けることは、同じように大事です。

数える場所を3つに分ける

数える場所は、駐車場に入った車の台数、売場に入った人の数、レジを通った人の数の3つです。

3つを並べて記録すると、どの段階で人が減っているかが数字で見えます。

仮に、ある日の駐車場に入った車が100台、売場に入った人が60人、レジを通った人が20人だったとします。

この例であれば、駐車場に入った人の多くは売場に入っているので、減っているのは売場からレジの間です。

手を打つ場所は、駐車場から離れて、売場の中になります。

駐車場の整備に手を入れても、この日の数字は動きません。

「冷やかし」は、数えるときに分けておく

Q&Aの回答にあった「冷やかしで入った人は、レジを通らないので客にならない」という指摘は、運営の現場でも当てはまります。

売場に入って、何も買わずに出ていった人は、来場者の数には入りますが、売上には入りません。

この2つを混ぜて報告していると、来場者が増えたのに売上が伸びない理由が分からなくなります。

駅長が見る数字と、出荷者が見る数字を、同じ表にそろえておくと、話し合いが噛み合います。

近くに別の道の駅があるときの見方

Q&Aの回答には、近くに別の道の駅があれば、需要を分け合うので見込みを半分ほどに見る、という意見もありました。

分け合い方は、その地域によって違います。

ただ、近くに別の道の駅がある場所で、同じ数を見込む計画は、前提が甘くなりやすいというのは、そのとおりだと思います。

すでに近くに別の道の駅がある駅は、同じ道を通る人に「自分の駅を選ぶ理由」を、はっきり持っている必要があります。

数える場所 数え方の例 見えること
駐車場に入った車 入口の通過台数 通る人から寄る人への変換
売場に入った人 入口の人数 駐車場から売場への動線
レジを通った人 レジの会計件数 買う理由があったかどうか
同じ人の再来 会員やポイントの利用 また来る理由があったかどうか

寄る前に伝える、道の駅の公式ページの役割

道の駅は通る人のための場所として始まったので、これまでの集客は、道路沿いの看板と、駐車場に入ってからの案内が中心でした。

いまは、運転の合間にスマートフォンで調べて、寄る場所を決める人がいます。

そこで効いてくるのが、道の駅の公式ページです。

国の資料でも、情報提供はWebで行えるとされている

国土交通省の令和7年2月の資料には、道の駅の情報提供の機能は、Webで行ってもよいと書かれています。

あわせて、案内員を置くことは必須としない、とも書かれています。

道の駅の情報提供は、窓口で人が案内する形から、来る前にページで見てもらう形へ、広がっているのです。

ページが整っている駅は、寄る前の段階で、買う理由を伝えられます。

寄るかどうかは、ページで決まる

道の駅のページを開いた人が知りたいのは、行ったら何があるかです。

営業時間、駐車場の場所、トイレの使いやすさ、今日の入荷、食堂のメニュー。

この中で、いちばん更新されていないものが、その駅の弱点になります。

古い情報が載ったままのページを見た人は、寄る前に別の駅を探します。

今日の入荷が、毎日の寄る理由になる

道の駅には、観光施設にはない強みがあります。

今日、何が入ったのかを毎日見せられることです。

朝採れの野菜、旬の果物、地元の加工品。

出荷者が決まれば、「今日の入荷」は、前日の夜か当日の朝に決まります。

その内容を、ページと売場の両方に出すだけで、寄る理由と買う理由が同時に伝わります。

更新が続かない理由を、先に取り除いておく

道の駅のページが古くなる理由は、たいてい、書く人がいないことです。

駅長が兼務していて手が回らない。

出荷者から入荷の連絡が届くのが、売場に並ぶ直前になる。

こうした事情は、どの駅にもあります。

だから、更新の頻度を高く決める前に、誰が、いつまでに、何を渡すのかを決めておきます。

出荷者がスマートフォンで写真を1枚送るだけの形にしておけば、続けやすくなります。

訪日の人にも、来る前に伝える

国土交通省の令和8年3月の資料では、訪日外国人の道の駅の認知度は、開始時の19%から、2025年の実績で32%に上がりました。

外国人観光案内所に認定された駅も、観光案内所のある駅の23%になっています。

これから道の駅に寄る人の中には、日本語を読まない人が、いままでより多く含まれます。

営業時間、トイレの場所、決済の方法のような基本の情報は、短い言葉で、ページにも載せておくと、寄るかどうかの判断を助けます。

ページに載せるもの 寄る前の人にとって 更新の頻度
営業時間と定休日 行けるかどうかの確認 変わったらすぐ
駐車場の場所と台数 大型車や家族連れの判断 変わったときだけ
今日の入荷 寄る理由と買う理由 毎日
食堂の本日のメニュー 昼食の行き先 毎日
トイレ・ベビーコーナーの場所 休憩の安心 変わったときだけ
出荷者の紹介 また来る理由 月に1回ほど

売れるサイトはみな謙虚

ここまでの話を、ひとつの考え方にまとめておきます。

道の駅のページを作るとき、最初に駅の紹介や、地域の魅力、運営方針を長く書いてしまうことがあります。

読む人は、その駅に行ったら自分が何をできるかを探して、ページの中を行き来することになります。

道の駅を主役にせず、寄る人を主役にする

寄る人が、いつ行けば、何を買えて、どこで休めるのかを先に書く。

道の駅は、その時間の案内役として、後ろに控える。

駅の自慢を前に出すより、寄る人の一日の中に、自分の駅をどう置くかを書きます。

この考え方を、私たちは「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。

出荷者の顔を、前に出す

道の駅の売場の主役は、出荷者の商品です。

運営会社の自慢より、誰がどんな畑で作ったのかを書いたほうが、読む人は買う理由を持てます。

出荷者の紹介は、道の駅のページの中で、いちばん「謙虚」な部分です。

運営は、出荷者が目立つ場所を用意する役目に徹します。

言いすぎないことが、信頼になる

「日本一」「絶対に美味しい」のような強い言葉は、寄る人が確かめられません。

確かめられる言葉を並べるほうが、信頼されます。

今朝入荷した、出荷者の名前が分かる、先着の数が決まっている。

こうした具体的な言葉が、寄る理由になります。

駅長、運営会社、出荷者、テナント、それぞれの立場でできること

道の駅の集客は、立場によって、手を打てる場所が違います。

自分の立場で動かせる範囲を、先に決めておくと、動きが止まりません。

駅長と運営会社(指定管理者)ができること

駅長と運営会社は、道の駅全体の動線と、公式ページを持っています。

駐車場から売場までの導線、売場の入口に置くもの、公式ページの更新の担当を決めること。

この3つが、運営会社の動かせる範囲です。

特に、公式ページの更新を誰がやるのかが決まっていない駅は、情報が古くなりがちです。

出荷者ができること

出荷者は、自分の商品を、売場でも、公式ページでも見えるようにできます。

商品にひと言の説明を添える、今日の入荷を運営に伝える、売場の棚に生産者の名前を置く。

どれも、売場の買う理由を増やす手です。

出荷者が自分の商品を知らせてくれると、運営会社が毎日の入荷を書く手間も減ります。

売場や食堂のテナントができること

テナントの事業者は、売場や食堂で、寄った人の足を止める役目を担っています。

食堂の本日のメニューを入口に出す、売店の限定の商品を目立たせる。

そして、公式ページにも同じ情報が載るように、運営会社に共有します。

寄った人が最初に目にするものを決めるのは、テナントの店先です。

立場 先に決めること 渡す相手
駅長・運営会社 公式ページの更新の担当と頻度 出荷者とテナント
出荷者 今日の入荷と商品の説明 運営会社
テナント 店先に出す今日のおすすめ 運営会社
3者で 週に1回の売れ行きの共有 お互い

地図検索と口コミの情報を、公式のページとそろえる

道の駅に寄る人の多くは、運転しながら、地図アプリで近くの休憩先を探します。

そのとき最初に見るのは、公式のページよりも、地図に出ている情報です。

地図に出る営業時間が違うと、寄った人が帰る

地図に出ている営業時間が、実際と違っている道の駅は少なくありません。

閉まっているのに開いていると書かれていれば、せっかく寄った人は、がっかりして帰ります。

その人は、次に通るときも寄らないかもしれません。

営業時間、定休日、臨時休業は、公式のページを直したら、地図の情報も同じ日に直します。

口コミへの返信は、次に寄る人に向けて書く

口コミに返信を書くとき、書いた本人だけでなく、その返信を読む次の人に向けて書きます。

「売場が空いていた」という声には、入荷の時間帯と、今日の入荷の見方を伝えます。

「トイレがきれいだった」という声には、掃除の時間帯を添えるだけで、運営の姿勢が伝わります。

悪い声にも、言い訳を並べず、事実と改善の予定を短く書きます。

写真は、売場の「いま」を見せる

地図に載せる写真は、建物の外観だけでは、寄る理由になりません。

売場に並んでいる、今日の野菜や果物の写真が載っていると、それを目当てに寄る人が出てきます。

写真は、出荷者の手で、毎朝1枚撮るだけでも、公式のページの更新を助けます。

休憩の安心も、寄る理由として見せる

道の駅に寄る人の最初の目的は休憩なので、トイレやベビーコーナーの様子は、それだけで寄る理由になります。

国土交通省の令和8年3月の資料によると、24時間使えるベビーコーナーのある道の駅は、取り組みの開始時の4%から、2025年の実績で26%(314駅)になりました。

子ども連れの人は、寄る前に、使いやすい休憩先かどうかを知りたがっています。

トイレとベビーコーナーの場所と写真を、公式のページと地図の両方に載せておくと、その家族が選ぶ駅の候補に入れます。

寄った家族が売場を回ってくれれば、買う人にも変わります。

よくある質問

Q. 駐車場は混むのに売れません。最初に何を数えればいいですか?

駐車場に入った車、売場に入った人、レジを通った人の3つを、同じ日に数えてください。

3つを並べると、どの段階で人が減っているかが分かります。

減っている段階が分かれば、イベントや看板を増やす前に、その段階に手を打てます。

Q. 平日の集客は、どこから手をつければいいですか?

平日にしか見られない道の駅の様子を、ページに書くところから始めてください。

平日の昼は、売場が空いていて、出荷者と話ができ、朝の入荷がゆっくり選べます。

その様子が、平日に休みが取れる人が寄る理由になります。

Q. 出荷者が少なく、売場が寂しいときは、どうすればいいですか?

売場に出ていない理由を、出荷者に聞いてみてください。

出荷の手間、運び込みの時間、売れ残りの負担のどれかが障害になっていることが多いからです。

障害が分かれば、出荷者が増える前に、いまの出荷者の商品を見せる工夫から始められます。

Q. 近くに別の道の駅があります。どう差をつければいいですか?

同じ道を通る人に、自分の駅を選ぶ理由を、はっきり持ってもらうことです。

出荷者の名前、今日の入荷、食堂の本日のメニューなど、その日その駅でしか出せないものを前に出します。

他の駅と同じことを、大きく見せても、選ぶ理由にはなりません。

Q. 公式のページとSNSは、どちらを先に整えるべきですか?

先に整えるのは、公式のページです。

SNSは、流れていくので、営業時間や駐車場のような変わらない情報を置く場所に向きません。

公式のページに基本の情報をそろえてから、今日の入荷をSNSで知らせると、2つがつながります。

まとめ

道の駅の集客は、通る車の数だけを見ていても、レジを通る人の数は動きません。

国土交通省の資料によると、道の駅は1,234駅になり、制度の発足から、通過する道路利用者のサービス提供の場として広がってきました。

登録の要件に、来場者や売上の目標は入っていないので、寄ってもらうことと、買ってもらうことは、駅ごとの仕事です。

通る人、寄る人、買う人は、それぞれ別の数字です。

どの段階で人が減っているかを、駐車場、売場、レジの3か所で数えて、減っている場所に手を打ちます。

そして、道の駅を主役にせず、寄る人を主役にして、運営は案内役として後ろに控える。

その考え方が「売れるサイトはみな謙虚」です。

今日できる点検

最後に、今日のうちに自分の道の駅のページと売場で確かめられることを表にまとめました。

全部を一度に直す必要はありません。

いちばん気になった1か所から始めてください。

点検する場所 確かめること 直すときの方向
3か所の数え方 駐車場、売場、レジの数を同じ日に数えているか 同じ表にそろえて、1週間分を並べる
売場の入口 今日の入荷と旬の商品が目に入るか 入口の目の高さに、今日の入荷を置く
公式ページの今日の入荷 今日の入荷が、今日のうちに載っているか 出荷者の写真を、更新の担当に送る形にする
営業時間 公式ページと地図の情報が同じか 違っていれば今日のうちにそろえる
出荷者の紹介 名前と、作っている人の言葉が載っているか 1人分から、ひと言と写真を載せる
平日の案内 平日に寄ると何がいいかが書いてあるか 空いた売場とゆっくり選べる朝を書く
食堂とテナント 本日のメニューが公式ページにも出ているか 運営会社への共有の手順を決める

点検してみて、どこから手をつければいいか迷ったときは、駐車場、売場、レジの3か所を、同じ日に数えるところから始めてください。

その3つの数字が並ぶと、自分の駅で人が減っている場所が見えます。

次の土曜が来る前に、自分の道の駅のページを、初めて寄る人の目で上から読んでみてください。

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この記事を書いた人

中野輝規のアバター 中野輝規

合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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