昼の12時。
駐車場の端に車を停めて、鍋に火を入れ、メニューの看板を立てる。
準備は整っているのに、目の前を通る人は、ちらりと見るだけで通り過ぎていきます。
キッチンカーを営んでいる方なら、この景色に覚えがあると思います。
この記事は、キッチンカー(移動販売)を営む個人事業主や、少人数で回している事業者の方に向けて書いています。
出店する場所はあるのに、お客が並ばない。
イベントに出れば売れるが、平日の出店は静かで、その差が大きい。
SNSを毎日更新しているのに、売上に結びついている手応えがない。
こうした悩みを抱えている方に、いちばん役立つように組み立てました。
この記事で扱うのは、キッチンカーの集客が「出店する前」にほとんど決まってしまうという話です。
店を構える飲食店は、お客が来るのを待てます。
車で動く商売は、出店先の人の流れと、出店先の主催者の告知を借りて、その日の売上を作っています。
借りるものが自分の手元にないので、出店前に「何を借りられるのか」を確かめた回数が、そのまま売上の差になります。
メニューの考え方や、車の仕様、開業の手順は、この記事では扱いません。
すでに車を持ち、出店を重ねている方が、「出店の前後」に何を足せば売上が動くのかに絞ります。
あわせて、気象庁と総務省が公表している数字のうち、一次資料で確かめられたものだけを使って、いまのキッチンカーを取り巻く環境を整理します。
読み終えたときに、次の出店の前に主催者へ聞くことが1つ決まっている。
そこをこの記事のゴールにしています。
状況別に、どこから読めばいいか
キッチンカーの悩みは、人によって出どころが違います。
イベントの日だけ売れる方と、毎日同じ場所に立っている方とでは、先に直すところが変わります。
次の表に、よくある4つの状況と、読むと役に立つ節をまとめました。
自分に近い行から読み始めてもかまいません。
| 状況 | 起きていること | 最初に読む節 |
|---|---|---|
| イベントの日は売れるが、平日が静か | 人の流れを借りられる日と借りられない日の差が大きい | 「お客を3つに分けて、それぞれに届く手を打つ」 |
| 出店のたびに、売上が大きく変わる | 出店先ごとの条件を、比べる材料がない | 「出店の前に、主催者へ聞くことを決める」 |
| SNSを更新しても、売上に響かない | 投稿を見た人が、車に出会えない | 「お客を3つに分けて、それぞれに届く手を打つ」 |
| 暑さや雨の日に、出店を迷う | 出す日と休む日の基準がない | 「暑い日と雨の日の出店を、前もって決めておく」 |
どの状況でも、土台になる考え方は同じです。
車の中を磨く前に、車の外で起きていることを先に確かめます。
その考え方を、相談の実例から順に見ていきます。
Q&Aサイトで見かけた、ショッピングモールに出店したキッチンカーの相談
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿されたのは2023年の夏で、キッチンカーを運営している方からの相談でした。
見込みを聞いて引き受けたのに、閑古鳥だった
まず、投稿者に起きたことを順に整理します。
投稿者は、大手の不動産会社が運営するショッピングモールのイベントに、出店を頼まれたそうです。
主催するイベント会社が、その不動産会社の関連会社だったこともあり、前の年の実績を見せてもらい、1日の売上の見込みまで聞いたうえで引き受けました。
ところが、当日の告知は商業施設のホームページに載っているだけでした。
猛暑への備えもなく、会場は閑古鳥が鳴く状態だったといいます。
出店した5台のキッチンカーの売上は、聞いていた見込みの1割から3割ほどにとどまりました。
悪かったのは1台だけではありません。会場にいた5台が、揃って同じ状態でした。
売れる車と売れない車が分かれたのであれば、車ごとの工夫の差だと考えられます。
全部の車が売れなかったのなら、原因は車の外、つまり人が来る仕組みの側にあります。
2週間後の出店は、前提そのものが消えていた
投稿者は、2週間後にも同じ会場に出店する約束をしていました。
主催者からは、その回は場所と内容が変わると伝えられます。
人気グループのステージイベントが同じ日に開かれるため、キッチンカーは2台に絞られるが、ステージの集客が見込めるので売上は減らない、という説明でした。
ところが、あとで主催者に確認すると、そのステージイベント自体がなくなっていました。
しかも、それが分かったのは「今日」だと言われたそうです。
残りは2週間足らずで、ほかの出店先を探す余裕もありません。
仕込みの量も、スタッフの手配も、すでに前提を置いて動き出しています。
約束を前提にして動いている出店者ほど、前提が消えたときの負担が大きくなります。
規約に中止の記載がなく、補償を求められるのかという問い
投稿者が知りたかったのは、売上の補償か、それに見合う買い取りを主催者に求められないか、ということでした。
出店の規約には、イベントが中止になった場合の記載が一切なかったそうです。
寄せられた回答は1件でした。
場所を借りて商売する短い仕事は、貸す側の都合で急に中止になることがあり、補償もないのが普通だという見立てです。
文句を言うと紹介してくれた会社に迷惑がかかって、結局は出店する側が泣き寝入りになるので、その覚悟がないならこの形の仕事は向かない、という厳しい内容でした。
回答は「補償の有無」だけを見ていた
この回答は、確かに現実の一面を言い当てています。
ただ、投稿者の悩みの根は、補償をもらえるかどうかの手前にあります。
「前の年の実績」と「売上の見込み」を、主催者の口から聞いただけで出店を決めたことです。
見込みの中身も、告知の方法も、中止になったときの扱いも、出店を決める前に確かめる場面がありませんでした。
この相談を読むと、出店の前に確かめておくことが決まっていない、という問題が見えてきます。
確認が抜けるのは、断りにくい気持ちがあるから
出店の前の確認が抜けるのには、理由があります。
頼まれて出る出店は、断ると次の声がかからなくなるかもしれない、という気持ちが働きます。
大手の関連会社が主催だと、条件を細かく聞くことが失礼に感じられて、つい「大丈夫そうだ」と受け止めてしまいます。
空いている日を埋めたい気持ちも、確認を後回しにさせます。
けれど、売上の見込みを聞いたあとに、告知の方法と中止の扱いを聞くことは、失礼にあたりません。
出店者と主催者が、同じ日の成功を目指すために必要なやりとりです。
聞いたうえで、条件が合わなければ断る。
その判断の基準を持っているかどうかが、出店先を選ぶときの強みになります。
| 相談の中で起きていること | その奥にある問題 | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 見込みの1割から3割しか売れなかった | 見込みの根拠を聞いていなかった | 前の年の来場者数と、出店した台数 |
| 告知が施設のホームページだけだった | 誰がどこで告知するかを決めていなかった | 主催者の告知の場所と、時期 |
| 猛暑への備えがなかった | 暑さ対策の分担が書かれていなかった | 日よけと休める場所の有無 |
| 内容が変わっても連絡が遅かった | 変更の連絡の約束がなかった | 変更や中止を伝える期限 |
| 規約に中止の記載がなかった | 中止の扱いを決めずに出店した | 中止のときの返金や代替の取り決め |
これはキッチンカーの9割が入り込む落とし穴です
売上が思わしくない日があると、原因を探します。
味を変えたほうがいいのか、値段が高いのか、看板が目立たないのか。
自分の車の中に答えを探すのは、自然な動きです。
試作を重ね、価格を見直し、看板の色まで変える。
手を動かしている間は、前に進んでいる実感があります。
その実感が、本当の原因から目をそらさせてしまうこともあります。
ところが、並ばない原因が車の外にあるときは、車の中をどれだけ磨いても売上は動きません。
この記事で「9割」と書いたのは、統計の数字ではありません。
出店の相談を受けていると、ほとんどの方が最初に「味」や「値段」の話から始める、という実感を言葉にしたものです。
場所があれば、お客が来ると考えてしまう
出店できる場所が見つかると、ほっとします。
場所さえあれば、あとは作って売るだけだと感じるからです。
けれど、場所は「そこを通る人」を連れてきてくれるだけで、「あなたの車に寄る人」までは連れてきてくれません。
通る人のうち、何人が足を止めるのか。
足を止めた人のうち、何人が買うのか。
この2つの数字は、場所を決めた時点では誰にも分かっていません。
主催者の見込みは、自分の売上ではない
相談の投稿者が聞いていた売上の見込みは、主催者の側から出た数字でした。
主催者にとっての見込みは、出店者を集めるための材料でもあります。
ですから、数字が嘘かどうかを疑う前に、その数字が自分の売上と同じ意味を持っているのかを確かめたいところです。
前の年の来場者が多くても、その年の出店台数が増えていれば、1台あたりのお客は減ります。
見込みを聞いたときは、その数字がどの条件で出たのかを、一緒に聞いておきます。
何台が出て、何人が来て、何時から何時までの数字なのか。
この3点が分かれば、自分の車に当てはめたときの売上を、自分で見積もれます。
出店の数を増やしても、同じ穴が広がるだけになる
売上が足りないとき、出店の回数を増やして取り返そうとします。
週に3回の出店を5回にすれば、単純に売上も増えるように見えます。
しかし、出店のたびに確認を省いていれば、条件の悪い出店が増えるだけになります。
しかも、移動と仕込みと片づけの時間が増えて、体力と時間が先に尽きていきます。
出店の回数を増やす前に、1回ごとの出店の質を確かめる。
この順番が、続けられる商売のかたちを作ります。
お客の側から見ると、キッチンカーは見つけにくい
お客の目線に立って、通りがかりの場面を思い浮かべてみます。
昼どきの駐車場で、見慣れない車が1台停まっています。
遠くからは、飲食の車なのか、工事の車なのかも分かりません。
近づいて看板を読み、値段を確かめ、並ぶかどうかを決める。
この間に、お客は何度も「やめておこう」と思える機会があります。
店舗なら、看板と入口とガラス越しの様子で、中の雰囲気が一度に伝わります。
車は、窓の大きさも看板の面積も限られています。
その小さな面で、何の店で、何を売り、いくらなのかを伝えきる必要があります。
車の側から見ると当たり前の情報が、お客の側には届いていないことが、並ばない大きな原因です。
お客が車の前で立ち止まり、買わずに離れるまでの場面を、表にまとめました。
| 場面 | お客の頭の中 | 車の側でできること |
|---|---|---|
| 遠くから見える | 何の車なのか分からない | 屋根や側面に、料理の名前を大きく書く |
| 近づいて看板を見る | 値段と量の見当がつかない | 看板の最初に、人気の1品と量の目安を載せる |
| 前で立ち止まる | 並んでいる人がいないと不安になる | 最初のお客の対応を急ぎ、列の見え方を整える |
| 注文を迷う | どれがいちばん人気なのか分からない | 迷ったときの1品を、決めて見せる |
| 離れて去る | 次にまた会えるのか分からない | 次の出店先を、その場で伝える手段を渡す |
表の最後の行が、この記事全体の軸になります。
車は動く商売なので、その場で買ってもらえなかった人にも、次に会う機会をどう残すのかが問われます。
並ばない原因は、味の前にあることが多い
並ばない車の前では、お客が迷っています。
何の車なのか遠くから分からない。
いくらで、何が食べられるのかが読み取れない。
そもそも今日ここにいることを、知らなかった。
こうした「味に出会う前」の段階で、お客は離れていきます。
味を磨く前に、出会うまでの道筋を整えるほうが、売上の動きは早く表れます。
整える順番を決めるために、次の章からは、公的な数字を手がかりに、キッチンカーを取り巻く環境から確かめていきます。
| いまの状態 | 数字や現場に出ること | 先に手を打つ場所 |
|---|---|---|
| イベントの日だけ売れる | 平日の売上が極端に低い | 平日の出店先を、人の流れで選び直す |
| 並ぶ人が少ない | 通りがかりの人が素通りする | 遠くからでも何の車か分かる表示 |
| 足を止めても買わない | メニューを見て離れる人が多い | 看板の最初に、いちばん売りたい1品 |
| 常連が増えない | 初めての人ばかりで、再来が少ない | 次の出店先を伝える手段を作る |
| 主催者の告知に頼っている | 告知が弱いと売上も落ちる | 自分の告知の窓口を1つ持つ |
公的な数字で見る、いまのキッチンカーを取り巻く環境
キッチンカーの売上は、車の中の工夫だけでは決まりません。
天気、人の動き、連絡の手段、営業の決まり。
車の外にある条件が、毎日の売上に影響しています。
この章では、公的な機関が公表している数字のうち、一次資料で確かめられたものだけを選びました。
数字は、自分の出店に置き換えたときに初めて役に立ちます。
読みながら、自分の車なら何に当たるのかを重ねてみてください。
夏の暑さは、屋外で並ぶお客の足を止める
キッチンカーは、屋外で売る商売です。
お客も、日差しの下で並んで待つことになります。
気象庁が公表した2025年の天候のまとめによると、全国153の気象台等のうち132地点で、夏の平均気温が歴代1位の高温となった(9地点のタイ記録を含む)と記されています。
同じ資料に、全国のアメダス地点で観測された猛暑日の地点数の積算が書かれています。
比較できる2010年以降で最も多かった2024年の8,821地点を超えて、2025年は9,385地点になりました。
さらに、日本の夏の平均気温の基準値からの偏差は+2.36℃で、これまで最も高かった2023年と2024年の+1.76℃を0.60℃上回り、3年連続の記録的な高温の夏になったと報告されています。
暑い夏は、3年続けて記録を更新した状態です。
特別な年に備える話として片づけず、毎年の前提として準備しておく必要があります。
相談の投稿者が出店した会場にも、猛暑への備えがなかったと書かれていました。
暑さで人が外に出なくなる昼の時間帯に、日よけも休める場所もない会場で待っていても、お客は来にくくなります。
天気は選べないが、出店の判断は選べる
暑さそのものは、キッチンカーの側でどうにもできません。
選べるのは、暑い日にどこへ出て、どの時間に売るかです。
日陰があり、冷房の効いた建物の近くで人が休める場所なら、暑い日でも足を止めるお客がいます。
反対に、日陰のない広場では、涼しい朝夕の時間に売るほうが、お客と出会いやすくなります。
暑い日の出店判断は、その日の朝に気持ちで決めると迷います。
出店の前に、暑さの基準と、出る場所の条件を決めておくと、判断が早くなります。
具体的な基準の作り方は、後の章でまとめます。
連絡の手段は、LINEがほぼ全世代に届いている
出店の場所が毎回変わる車にとって、「次にどこで会えるか」を伝える手段は、売上の土台です。
総務省の令和7年版情報通信白書には、「LINEの利用率は、全体で2014年の55.1%から2024年には94.9%へと増加した」と書かれています。
高齢の世代でも、60代の利用率が2014年の11.3%から2024年には91.1%に増えたと報告されています。
同じ白書は、XやInstagramの利用率も伸びており、2024年には全体の半数程度が使い、50代でも4割以上が使っていると述べています。
この数字から読み取れるのは、お客の年齢が上でも下でも、連絡の手段を持っていれば届く可能性が高い、ということです。
お客が使っている手段に合わせて、次の出店先を知らせる窓口を用意しておく価値があります。
SNSの投稿は、見つけてくれた人にしか届かない
白書の数字には、見落としやすい点が1つあります。
XやInstagramの利用率が全体の半数程度ということは、残りの半数は、そもそもその場所を見ていないということです。
さらに、利用している人のうち、自分の投稿を見つけてフォローしてくれる人は、ごく一部です。
つまり、投稿を毎日続けても、見ている人は、すでに自分を知っている人が中心になります。
初めて前を通る人に届けるには、投稿の前に、車そのものの見え方を整える必要があります。
反対に、一度買ってくれた人に次の場所を知らせるなら、投稿よりも、登録してもらった窓口のほうが確実に届きます。
SNSは、新しい人に見つけてもらう場所としては弱く、知っている人に知らせる場所としては強い、という性質があります。
この性質を踏まえて、役割を分けて使います。
窓口がなければ、せっかく足を止めてくれたお客も、次の機会には会えません。
営業許可は、出店先の自治体ごとに確かめる
出店先を広げるときに、見落とされやすいのが営業許可の扱いです。
大阪府の資料によると、自動車による移動の食品営業は、営業所のある自治体ごとに食品衛生法に基づく営業許可が必要で、ほかの自治体にまたがって営業するときは、それぞれの自治体で許可を受ける必要があると説明されています。
同じ資料は、厚生労働省が2019年12月の通知で、関係する自治体の間で基準や監視の方法が調整されていれば、営業車が属する主たる施設のある自治体だけが許可を行う取扱いでもよいと示した、と紹介しています。
自治体どうしの調整があるかどうかで、他の地域に出られるかが変わるので、出店先の自治体の保健所に事前に確かめる必要があります。
道路の上で営業する場合は、営業許可とは別に、道路の使い方についての許可が必要になることもあります。
人の流れが多い場所だからといって、すぐに車を停めて売れるわけではありません。
集客の話に入る前に、そこで売ってよいのかを確かめておくことが、出店先選びの入口です。
出店先で売ってよいかを、集客の前に確かめる
許可の確認は、集客とは別の事務に見えます。
けれど、売れる場所だと思って出た先で、売ってはいけないと言われると、その日の仕込みがすべて無駄になります。
主催者がいる出店なら、許可の確認先が主催者に決まっている場合もあります。
ふだんの出店先では、場所の持ち主が、車を停めてよいかを決めています。
確認する相手と内容を、表にまとめます。
| 確認する相手 | 確かめること | 確かめる時期 |
|---|---|---|
| 出店先の自治体の保健所 | 自分の営業許可で、その地域で売れるか | 出店を決める前 |
| 場所の持ち主や管理者 | 車を停めて売ってよいか、電気や水の使い方 | 出店を決める前 |
| 道路を管理する窓口や警察署 | 道路の上で売る場合の、使い方の許可 | 出店を決める前 |
| 主催者 | 出店者への連絡の方法と、中止のときの扱い | 契約を交わす前 |
どれも、集客の工夫の前に済ませておく土台です。
許可があいまいなまま出店して、当日に止められる事態は避けたいところです。
数字を、自分の出店に置き換える
ここまでの数字を、自分の出店に置き換えてみます。
| 公的な数字 | 数字が示す環境 | 自分の出店で確かめること |
|---|---|---|
| 猛暑日の地点数の積算が、2025年に9,385地点で過去最多 | 昼の屋外で待つ人が少なくなる日が増える | 暑い日の出店時間と、日よけの有無 |
| 夏の平均気温の偏差が+2.36℃で、3年連続の記録的な高温 | 暑さの対策が、特別な年の対策ではなくなる | 夏の出店先の選び方と、休む日の基準 |
| LINEの利用率が、2024年に94.9% | 連絡の手段は、ほぼ全世代に届く | 次の出店先を知らせる窓口が1つあるか |
| 60代のLINE利用率が、2024年に91.1% | 年上のお客にも、同じ窓口が使える | 窓口の入口が、車に表示されているか |
| 営業許可は出店先の自治体ごとに確認が要る | 広げた出店先で、売れない日が出る | 出店先の自治体の取扱いを、事前に聞いたか |
キッチンカーの集客が、店舗の集客と違う理由
ここまでの環境の話を踏まえて、キッチンカーの集客がほかの商売と何が違うのかを整理します。
同じ飲食でも、店舗と車では、お客との出会い方が大きく違います。
違いが分かれば、店舗向けの集客の話を、そのまま車に当てはめて失敗することを避けられます。
店は動かず、車は動く
まず、店舗と車の違いを表で並べます。
| 項目 | 店舗 | キッチンカー |
|---|---|---|
| 場所 | 同じ場所に建っている | 日によって変わる |
| 再来の手がかり | 場所を覚えていれば足りる | 次の出店先を知る手段が要る |
| 告知の場所 | 店の前と、地図の情報 | 出店先と、自分の窓口の両方 |
| 売上の波 | 曜日と季節 | 曜日と季節に加えて、出店先ごとの差 |
| 天気の影響 | 屋内なので小さい | 屋外なので大きい |
| 場所の都合 | 自分で決められる | 貸す側の都合で変わることがある |
表の中で、車の欄だけが「次に会う手段」を必要としています。
店舗は、同じ場所に建っています。
一度来た人は、場所を覚えて、また来ることができます。
車は、今日はここ、明日はあちらと、動いて売ります。
一度買ってくれた人が気に入っても、次にどこにいるのかが分からなければ、また買うことができません。
店舗にとって当たり前の「また来てもらえる」という前提が、車では最初から成り立たないのです。
この前提の違いを置き去りにして、店舗向けの集客の方法をそのまま使うと、どこかで噛み合わなくなります。
出店先の人の流れを、借りている
店舗は、自分で選んだ場所に、自分で人を呼びます。
車は、人が集まる場所に出向いて、その流れを借りて売ります。
借りている間は、売上の何割かが、出店先の人の流れで決まります。
人の流れが読める場所なら、通りがかりの人が自然に集まります。
流れが読めない場所だと、どれだけ工夫しても、前を通る人そのものが少ないままです。
相談の投稿者が出店した会場は、告知が施設のホームページだけで、もともと人の少ないイベントだったと書かれていました。
借りられる流れが細い場所では、売上の上限もそこで決まります。
売上は、車の外の要素の掛け算で動く
売上を分けて考えると、どこに手を打つかが見えてきます。
| 売上を作る要素 | 誰が決めるか | 自分で動かせる範囲 |
|---|---|---|
| 前を通る人の数 | 出店先の立地と、主催者の告知 | 出店先を選ぶことで、間接的に動かせる |
| 足を止める人の割合 | 車の見た目と、看板の読みやすさ | 看板と表示で、直接動かせる |
| 買う人の割合 | メニューの分かりやすさと、列の見え方 | メニューの見せ方で、直接動かせる |
| 1人あたりの購入額 | セットの組み方と、追加の提案 | メニューの組み方で、直接動かせる |
| 再び買いに来る人の数 | 次の出店先を知る手段があるか | 窓口を作ることで、直接動かせる |
この表で目立つのは、いちばん上の行です。
前を通る人の数は、出店先の側で決まり、自分では直接動かせません。
だからこそ、出店先を選ぶ段階で、前を通る人の数を確かめておくことが、売上を作る最初の仕事になります。
イベント出店と平日の出店は、別の商売として考える
イベントに出る日は、主催者が人を集めてくれます。
告知も主催者がするので、自分の仕事は、集まった人に売ることに絞られます。
平日の出店は、これと違います。
人の流れは、その場所のふだんの動きだけです。
イベントの日の売上を基準にして平日の出店を見ると、いつも「悪い」と感じてしまいます。
比べる基準が違うからです。
イベントの日は、人を集める力を借りた売上です。
平日の出店は、自分の車の見え方と、ふだんの人の流れだけで決まる売上です。
2つを別の商売として分けて記録すると、どちらに手を打つべきかが見えてきます。
イベントでは、主催者の告知を確かめること。
平日では、人の流れの読み方と、車の見え方を整えること。
この切り分けができていないと、イベントの好調に安心して、平日の弱さに気づくのが遅れます。
店舗向けの集客の話は、車ではそのまま効かない
集客の本や講座で語られる方法の多くは、店舗を前提に作られています。
車に当てはめるときは、前提を置き換える必要があります。
| 店舗向けの方法 | 店舗での前提 | 車で置き換えること |
|---|---|---|
| 近所にチラシを配る | 店の場所が動かない | チラシに次の出店先を書き、場所が変わっても使えるようにする |
| 地図の情報を整える | 検索する人が場所を探しに来る | 出店予定を、検索から見つかる1ページにまとめる |
| ポイントカードを配る | 同じ店に何度も来る | 出店先が変わっても、同じカードで通じるようにする |
| 口コミの投稿をお願いする | 店名で検索して来る | 車の名前と出店の様子を、写真と一緒に残す |
| 看板を店の前に出す | 道を通る人が見る | 遠くからでも読める車体の表示を作る |
どの行も、前提を置き換えれば使えます。
置き換えずに使うと、効果が出ないままに手間だけがかかります。
1回の出会いで終わらせない
車の商売では、1回の出会いが、そのまま1回の売上で終わりがちです。
新しいお客に出会っても、次に会う手段がなければ、毎回ゼロからお客を探すことになります。
出店先を変えるたびに、一から人の流れを借り直す商売です。
毎回ゼロから始める商売は、体力も気持ちも消耗します。
その場で買ってもらうことに加えて、次に会う約束を渡す。
この2段構えが、車の商売を安定させます。
具体的な手の打ち方は、後の章で順番に説明します。
よくある打ち手と、その先に起きること
並ばない日が続くと、キッチンカーの運営者は、いくつかの打ち手を試します。
どれも、一度はやってみる価値のあるものです。
ただ、出店の前に確かめることを決めないまま続けると、手間ばかりが増えていきます。
ここでは、よく見かける5つの打ち手を取り上げて、その先で起きがちなことを順に見ていきます。
出店の回数を、とにかく増やす
売上が足りないと感じたとき、いちばん手っ取り早いのは、出店の回数を増やすことです。
週に3回だった出店を、週に5回にする。
休みの日も、イベントの声がかかれば出る。
回数を増やせば、その分だけ売上が積み上がるように見えます。
ところが、出店先を吟味しない回数の増加は、条件の悪い出店が増えるだけで終わります。
移動と仕込みと片づけの時間も、出店の回数と同じだけ増えていきます。
体が疲れると、料理の質も、接客の笑顔も、少しずつ落ちていきます。
売れない出店先を何度も回るより、売れる出店先を見つけて通うほうが、同じ時間で売上は伸びます。
値引きとおまけで、足を止めてもらう
足を止めないお客に、値下げやおまけを用意する。
一時的には、手に取る人が増えることがあります。
しかし、値引きで来たお客は、値引きそのものを目当てにしています。
値引きをやめると、元の売上に戻ります。
しかも、値下げをすると、1食あたりの手元に残る分が減ります。
多くの人が並ばない日に値引きをしても、前を通る人の数は変わりません。
お客が足を止めない原因が、値段にあるのかどうかを確かめる前に値下げをすると、利益だけが細っていきます。
足を止めない理由の多くは、値段より前の段階、つまり「何の車か分からない」にあります。
SNSに、毎日投稿する
写真を撮って、毎日投稿する。
手間はかかりますが、費用がかからないので、取り組みやすい打ち手です。
ただ、投稿を見てくれる人の多くは、すでに自分を知っている人です。
初めて車の前を通る人に、投稿が届くことは多くありません。
さらに、投稿を見て興味を持った人が、次に知りたいのは「今日はどこにいるのか」です。
そこで答えが見つからなければ、興味はそのまま流れていきます。
毎日投稿していても売上に結びつかないと感じる方の多くは、この「次にどこで会えるか」の答えが、投稿の中で探しにくくなっています。
投稿の回数を増やすより、出店の予定を探しやすく置くほうが、売上には近道です。
大きな看板やのぼりで、目立たせる
遠くから目立つように、看板やのぼりを大きくする。
通りがかりの人の目に入りやすくなるので、一定の効果があります。
けれど、目立つだけで、何を売っているのかが読み取れなければ、近づいても迷わせるだけです。
大きな文字が、店の名前だけで埋まっているケースがよくあります。
お客が知りたいのは、店の名前より、何が食べられて、いくらなのかです。
目立たせることと、伝えることは、別の仕事です。
目立たせたあとに、料理の名前と値段と量の目安を、近づいた人が数秒で読み取れるようにします。
有名なイベントだけに、出店を絞る
大きなイベントなら、人がたくさん集まるので、売れると考える。
確かに、人が多い日は、売れる機会も増えます。
ただ、人が多いイベントには、出店する車も多く集まります。
相談の投稿者の会場でも、5台が同じ場所に出て、揃って伸び悩んでいました。
イベントの規模より、自分の車と同じ種類の料理を売る車が何台いるのか、昼の時間帯に人がどこに集まるのか、のほうが売上に直結します。
名前の知られたイベントに出ることを目的にすると、出店の条件を確かめる機会を逃します。
| よくある打ち手 | その先で起きがちなこと | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 出店の回数を増やす | 条件の悪い出店が増え、体力が先に尽きる | 出店先ごとの売上を、1回ずつ記録しているか |
| 値引きとおまけを用意する | 値引きをやめると戻り、利益が細る | 足を止めない理由が、値段にあるのか |
| SNSに毎日投稿する | 見ている人は、すでに知っている人が中心 | 投稿の中で、次の出店先が探しやすいか |
| 看板やのぼりを大きくする | 目立つだけで、中身が伝わらない | 料理の名前と値段が、近くで読めるか |
| 有名なイベントに絞る | 同じ種類の車が重なり、1台あたりが減る | 出店する車の数と、種類の重なり |
打ち手を試す前に、1回ごとの出店を記録する
どの打ち手も、効いたのかどうかは、記録がなければ分かりません。
値下げをした日に売れたのか、天気が良かっただけなのか、記録のない状態では区別がつきません。
効果を見極めるには、同じ出店先、同じ曜日、同じ時間帯で、条件を1つだけ変えて比べます。
条件を一度にいくつも変えると、何が効いたのか分からなくなります。
たとえば、看板の文字を変えた週は、メニューも値段も変えずにおきます。
記録は、手書きのノートでも、スマートフォンのメモでも十分です。
大事なのは、出店の日のうちに書くことです。
翌日に思い出して書くと、天気や時間帯の記憶があいまいになります。
打ち手を増やす前に、今ある出店の記録を整えるほうが、結果として近道になります。
同じ打ち手を、別の出店先で試して比べる
1つの出店先だけで結果を判断すると、その場所の特徴に引きずられます。
駅前では効いた看板が、住宅街では効かないこともあります。
同じ打ち手を、性格の違う2つの出店先で試して、結果を並べて見ます。
どちらでも効いたなら、その打ち手は、場所を選ばず使える可能性が高くなります。
片方でしか効かなかったなら、効いた場所の特徴に、理由が隠れています。
この比べ方なら、特別な道具も費用もいりません。
出店を続けながら、少しずつ、自分の車に合う打ち手を絞り込めます。
出店先の主催者に任せきりにすると起きること
相談の投稿者に起きたことは、特別な不運ではありません。
主催者に集客を任せる出店は、構造として、同じ穴を持っています。
主催者の側にも事情があり、悪意があるとは限りません。
それでも、確認を決めていないと、同じことが何度も起きます。
主催者の告知は、主催者の都合で決まる
主催者が告知をするとき、いちばん大切にするのは、イベント全体の見え方です。
個々の出店者の売上までは、気を配る余裕がない場合がほとんどです。
相談の会場では、告知が商業施設のホームページに載っただけでした。
主催者にとっては、決められた手順を果たしたことになります。
けれど、出店者の売上を作るには、告知を見た人が実際に足を運ぶ必要があります。
告知の場所が1つだけだと、見ていない人には、イベントがあることすら届きません。
告知を主催者の仕事と決めつけず、告知の中身と場所を、出店の前に聞いておきます。
口頭の見込みは、契約に残らない
相談の投稿者は、売上の見込みを、口頭で聞いて出店を決めました。
口頭で聞いた数字は、あとから「そう言った記憶はない」と言われると、確かめようがありません。
見込みは、あくまで過去の実績からの予想です。
その年の天気と、出店台数と、告知の出来で、結果は大きく変わります。
書面に残るのは、規約と契約の内容だけです。
出店の前に、見込みの前提を、メールなどの文字で残してもらっておくと、あとで状況を整理しやすくなります。
文字に残すことは、相手を疑う行為ではありません。
お互いの認識をそろえておくための、ふつうの手順です。
規約にない事態は、補償の話になりにくい
相談の投稿者は、規約にイベント中止の記載がないことに気づきました。
記載がなければ、中止になったときの返金や補償の話をするための土台がありません。
寄せられた回答が、泣き寝入りになりやすいと述べたのも、この土台のなさから来ています。
補償を求められるかどうかは、事情によって変わるため、法律の専門家に相談する場面も出てきます。
ただ、相談する前の段階で、出店者にできることがあります。
出店を決める前に、中止や内容の変更があったときの扱いを、規約に書いてもらえないかを聞くことです。
書いてもらえない場合は、そのこと自体が、出店先を選ぶ判断の材料になります。
断れる基準を持たないと、悪い条件が続く
頼まれた出店を断るのは、勇気がいります。
次の声がかからなくなるかもしれない、という不安があるからです。
けれど、条件の悪い出店を受け続けると、売上が伸びないまま、時間だけが過ぎていきます。
断る基準が決まっていれば、迷う時間も減ります。
たとえば、告知の場所が1つしかない出店、中止の扱いが書かれていない出店、前の年の来場者数を教えてもらえない出店は、条件がそろうまで保留にする、と決めておきます。
基準を持っておくと、断るときも「条件が合えば出たい」という伝え方ができます。
断ることは、関係を切る行為とは違い、条件をそろえるための交渉の入口です。
連絡の窓口が決まっていないと、確認が流れる
出店の相談は、最初に話した担当者と、当日の現場にいる担当者が別の人であることがよくあります。
事前に聞いた内容が、当日の現場に伝わっていない。
そんな行き違いが起きるのは、連絡の窓口が決まっていないからです。
出店の前に、困ったときに連絡する人と、その連絡手段を1つだけ決めてもらいます。
電話に出られない時間帯がある場合は、メッセージで連絡できる手段も聞いておきます。
当日の朝に出店の可否を連絡する場合は、何時までに連絡が来るのかも確かめます。
天気や設営の都合で出店が危うくなる日は、連絡が遅いほど仕込みの材料が無駄になります。
窓口が1つに決まっていれば、確認の抜けも、責任の押し付け合いも、起きにくくなります。
出店の条件と売上の関係を、自分で記録しておく
主催者と話をするとき、記録のない出店者は、感覚でしか話せません。
「売れなかった」と伝えても、相手は「天気のせいでは」と返すことができます。
出店の日ごとに、天気、来場者の多さの印象、売れた数、売れ残った数、並んだ時間帯をメモしておきます。
メモがあれば、同じ主催者の次の出店で、前回との違いを具体的に話せます。
たとえば、昼のピークが想定より早く終わったのであれば、出店の時間を前倒しする交渉ができます。
売れ残りが多い日の共通点が分かれば、仕込みの量も調整できます。
記録は、主催者との交渉に使えるだけでなく、次の出店先を選ぶときの判断材料にもなります。
出店料の考え方を、売上の予想と並べて見る
出店料は、金額の大小だけで判断すると、見誤ります。
見るべきなのは、出店料と、その日に見込める売上の関係です。
出店料が安くても、人が集まらない場所では、材料と手間の分だけ赤字になります。
出店料が高くても、昼に確実に人が流れる場所なら、利益が残ることもあります。
どちらが得かは、過去の出店の記録と並べないと分かりません。
売上の見込みを、主催者の口頭の説明だけでなく、自分の記録で裏づけておくと、決断が速くなります。
最初の数回は、出店料の安い場所で実績を積む、と決めておくのも1つの方法です。
出店の見送りも、記録に残しておく
断った出店や、見送った出店も、理由と日付を書き残しておきます。
あとで条件が改善されたとき、前回なぜ見送ったのかを、すぐに思い出せます。
主催者に再度声をかけられたときも、前回の理由を伝えれば、話が早く進みます。
見送りの記録がたまると、自分が避けたい条件の傾向も見えてきます。
その傾向は、次の出店先を選ぶ基準を、より具体的にしてくれます。
出店の実績だけでなく、断った実績も、商売の大事な資産になります。
出店の見送りを重ねていると、不安になる日もあります。
そんなときは、記録を読み返して、自分が決めた基準を思い出します。
基準があれば、焦りから条件の悪い出店を受けてしまう場面を減らせます。
売上の波がある商売だからこそ、判断の軸は、気持ちの外に置いておくのが安全です。
| 確認の項目 | 聞く相手 | 残し方 |
|---|---|---|
| 連絡の窓口と手段 | 主催者の担当者 | メールやメッセージで、名前と連絡先を残す |
| 当日の出店可否の連絡時刻 | 主催者の担当者 | 時刻を文字にして保存する |
| 過去の来場者の傾向 | 主催者、または前回の出店者 | 聞いた内容と日付を、自分の記録に書く |
| 自分の出店の実績 | 自分自身 | 天気と売れた数と時間帯を、毎回メモする |
| 主催者に任せきりの状態 | 起きやすいこと | 出店前にできること |
|---|---|---|
| 告知の場所を聞いていない | 告知が弱いと売上が落ちる | 告知の場所と時期を、確かめる |
| 見込みを口頭で聞いただけ | 結果が違っても確かめようがない | 見込みの前提を、文字で残してもらう |
| 中止の扱いが決まっていない | 中止のときの負担が出店者に集中する | 中止と変更の扱いを、規約に書いてもらう |
| 断る基準がない | 条件の悪い出店が続く | 受ける条件と保留する条件を、先に決める |
出店先に着く前に、お客を3つに分けて考える
ここからは、直す場所の話に入ります。
キッチンカーの前に立つお客は、全員が同じ理由で来ているわけではありません。
誰に向けて何を伝えるのかを決めるために、まずお客を3つに分けて見ます。
分け方は難しくありません。
車の前に来るまでの道すじで、3つの種類に分かれます。
通りがかりで、たまたま目に入った人
1つ目は、その場所を通りがかって、車を初めて見た人です。
何を売っているのか、いくらなのか、待たずに買えるのかを、数秒で判断します。
この人たちは、車の名前を知りません。
だから、車の前面に、料理の名前と値段と量の目安が読める形で出ているかが、そのまま売上を左右します。
人の流れを借りている出店では、お客の多くがこの種類です。
ここで伝わらなければ、列はできません。
すでに車を知っていて、探してきた人
2つ目は、以前に買ったことがある人や、投稿で見て覚えていた人です。
この人たちは、今日その場所にいるかどうかだけを確かめて、足を運びます。
探してもらえるかどうかは、出店の予定がすぐに見つかるかで決まります。
予定が分からなければ、この人たちは、今日は来られないかもしれない、と考えて別の店に行きます。
常連のお客は、売上の土台になります。
その土台に、次の出店先を伝える仕組みがあるかどうかを、確かめておきます。
告知を見て、目的を持って来た人
3つ目は、主催者の告知や、出店の案内を見て、イベントそのものを目当てに来た人です。
この人たちは、会場に着く前から、何かを食べるつもりで来ています。
ただ、会場にはほかの車も並んでいるので、どの車に行くかは、現地で決めます。
選ばれるには、告知の段階で、自分の車の名前と料理が、読まれる位置に載っていることが助けになります。
相談の投稿者の会場では、5台の車が同じ告知に載っていたため、どの車も目立たなかったと考えられます。
3つの割合は、出店先ごとに違う
3つの種類の割合は、出店先によって大きく変わります。
住宅街の平日の昼は、常連の割合が高くなります。
観光地の週末は、通りがかりの割合が高くなります。
大きなイベントでは、目的を持って来た人の割合が高くなります。
自分の出店先が、どの割合に近いのかを知ると、先に直す場所が決まります。
常連が多い場所なら、出店の予定を探しやすくすることが先です。
通りがかりが多い場所なら、車の前面の情報を整えることが先です。
| お客の種類 | 車の前で決めること | 先に整える場所 |
|---|---|---|
| 通りがかりの人 | 何の車か、いくらか、待たずに買えるか | 車の前面の料理名と値段と量の目安 |
| 車を知っている人 | 今日その場所にいるか | 出店の予定をまとめたページ |
| 告知を見て来た人 | 数ある車の中から、どれを選ぶか | 告知に載る車の名前と料理の説明 |
出店の予定を、1ページにまとめて置く
お客を3つに分けて見ると、車を知っている人が、予定を探して迷う場面が目立ちます。
その迷いを減らす、いちばん確実な方法が、出店の予定を1ページにまとめることです。
SNSの投稿は、時間がたつと流れて、探しにくくなります。
1ページにまとめておけば、お客はいつでも同じ場所で、次の出店先を見つけられます。
日付と場所と時間を、最初に書く
ページの最初に置くのは、直近の出店予定です。
日付、出店する場所の名前、営業を始める時刻と終える時刻の3つを、表にして並べます。
場所の名前は、地図で調べられる呼び名に合わせます。
「駅前の広場」とだけ書くと、同じ名前の広場が複数ある場合に、お客が迷います。
Googleマップで検索して出てくる施設名を書いておけば、お客は地図を開くだけで、迷わずにたどり着けます。
売り切れの時刻を、目安で添える
車の営業は、材料がなくなった時点で終わります。
お客にとっては、行ってみたら売り切れだった、という体験が、最も記憶に残ります。
そこで、これまでの記録から、売り切れやすい時刻の目安を添えておきます。
「12時半ごろに売り切れることがあります」と書いておくだけで、お客は早めに来ようと考えます。
売り切れの目安は、お客を急がせるために書くのではありません。買えなかったときの落胆を減らすために書きます。
目安を書くには、前の章で触れた出店ごとの記録が役に立ちます。
雨の日と中止の扱いを、書いておく
天気が悪い日の営業は、お客にとって最も不安な点の1つです。
雨の日に出店するのか、中止にするのか、その判断をいつ、どこで知らせるのかを、ページに書いておきます。
判断の時刻を決めておけば、お客は当日の朝に、そのページを確認すればよくなります。
主催者のあるイベントでは、中止の判断は主催者に従う場合があります。
その場合は「主催者の判断に従います」と書き、主催者の告知の場所も一緒に載せます。
メニューと量の目安を、写真と一緒に載せる
お客は、来る前に、何が食べられるのかを知りたがっています。
主なメニューの名前と、1人前の量の目安を、写真と一緒に載せます。
量が分かると、昼ごはんとして足りるのか、軽く食べたいときに向くのか、お客が自分で判断できます。
季節や仕入れで内容が変わる場合は、変わる部分と変わらない部分を分けて書きます。
アレルギーの原因となる食材の扱いは、保健所や出店先に確認した決まりに沿って、同じ言葉で載せます。
自分の解釈で言い換えると、お客に誤解を与えるおそれがあります。
問い合わせの窓口を、1つだけ決める
予定のページには、問い合わせの窓口を、1つだけ載せます。
電話、メッセージ、SNSの連絡先を何種類も並べると、どれに連絡すればいいのか、お客が迷います。
出店中は、電話に出られないことがほとんどです。
返信がしやすい手段を1つ選んで、返信できる時間帯も、ページに書いておきます。
LINEを窓口にする場合は、車の前面にQRコードを貼っておくと、並んでいる間に登録してもらえます。
更新の日を決めて、守る
1ページにまとめても、更新されなければ、古い予定が残ってお客を迷わせます。
そこで、予定を更新する曜日と時刻を、あらかじめ決めておきます。
たとえば、毎週日曜の夜に、翌週の分を更新する、と決めます。
決めた日に更新できなかったときは、ページの上に「更新が遅れています」と一言書いておきます。
古い予定が載っているよりも、遅れを正直に書いてあるほうが、お客の信頼を保てます。
| 載せる項目 | 書き方の例 | 避けたい書き方 |
|---|---|---|
| 出店の日付と時間 | 日付、場所の名前、営業の開始と終了の時刻を表にする | 「今週は駅前あたりにいます」と書く |
| 場所の名前 | 地図で調べられる施設名に合わせる | 通称や、略した呼び名だけを書く |
| 売り切れの目安 | 「12時半ごろに売り切れることがあります」 | 何も書かず、現地で売り切れを知らせる |
| 雨の日の扱い | 判断の時刻と、知らせる場所を書く | 「天気しだいです」とだけ書く |
| 問い合わせの窓口 | 返信しやすい手段を1つだけ載せる | 連絡先を、何種類も並べる |
車の前面を、3秒で読める形に整える
通りがかりの人にとって、車の前面が、最初で最後の説明の場になります。
足を止めるかどうかは、数秒で決まります。
その数秒で読めるように、前面の情報を、順番を決めて整えます。
何を売っているかが、最初に読める
車の前面でいちばん大きく書くのは、料理の種類です。
店の名前は、そのあとで構いません。
初めて見る人は、店の名前を読んでも、何の車かが分かりません。
「ケバブ」「唐揚げ」「クレープ」のように、料理の種類が1語で分かる言葉を、遠くからも読める大きさで置きます。
店の名前は、料理の種類の下に、小さめに添えます。
看板メニューと、いくらかを近くで読める
遠くから料理の種類を見て、足を止めた人が、次に見るのは、メニューと値段です。
メニューは、品数を絞って並べます。
品数が多いと、お客は選べずに、そのまま離れてしまいます。
看板のメニューを1つ決めて、写真と値段を、いちばん目立つ位置に置きます。
値段は、近づいた人が、立ち止まらなくても読める大きさにします。
量の目安と、待ち時間が分かる
お客が気にするのは、味より前に、量と待ち時間のことがあります。
量は、実物の写真や、手のひらと比べた大きさで示すと、一目で伝わります。
待ち時間は、1人あたりの目安を「注文から受け取りまで約5分」のように書いておきます。
待ち時間が見えると、昼休みが短いお客でも、並んでよいかどうかを判断できます。
見えない待ち時間は、お客に、並ぶこと自体を避けさせます。
並び方と、注文の場所を示す
初めて車を見た人は、どこに並べばいいのか、どこで注文するのかが分かりません。
床に印をつけたり、のぼりで列の位置を示したりして、並び方を見せます。
注文の窓口と、受け取りの窓口が別の場合は、それぞれに矢印で案内を出します。
最初に並んだ人が、迷わず動く姿を、後ろの人が見ると、列はさらに伸びます。
列ができているという事実が、次のお客にとっては、おいしいという目印になります。
読み取りに時間のかかる情報は、予定のページに任せる
車の前面に、情報を詰め込みすぎると、どれも読まれなくなります。
出店の予定や、こだわりの説明、アレルギーの詳しい扱いは、予定のページに任せます。
前面には、ページへ案内する小さなQRコードを1つだけ置きます。
前面では、数秒で読める情報だけを見せて、詳しく知りたい人を、ページへ導きます。
役割を分けると、前面もページも、どちらも読みやすくなります。
| 車の前面に置くもの | 目安の大きさ | 読ませたい人 |
|---|---|---|
| 料理の種類 | 遠くからも読める大きさ | 通りがかりの人 |
| 看板メニューと値段 | 近づいたら立ち止まらず読める大きさ | 足を止めた人 |
| 量の写真と待ち時間 | 窓口の近くで読める大きさ | 並ぶか迷っている人 |
| 並び方の案内 | 床や窓口の近くに置く | 初めて並ぶ人 |
| QRコード | 小さく1つだけ | 詳しく知りたい人 |
売れるサイトはみな謙虚という考え方を、車に当てはめる
ここまでの話を、ひとつの考え方にまとめておきます。
ページの最初に、車の自慢や、店主の経歴を並べると、読む人は、自分がいつ、どこで、何を食べられるのかを探して、ページの中を行き来することになります。
お客が知りたいことを先に書き、自分の車は、その案内役として後ろに控える。
この考え方を、私たちは「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。
車を主役にせず、お客の昼ごはんを主役にする
キッチンカーの運営者は、自分の料理に誇りを持っています。
その気持ちは、そのまま伝えたくなります。
ただ、お客は、自分の昼ごはんを探しているところです。
ページの最初に、料理へのこだわりを長く書くよりも、今日どこで、何時に、いくらで食べられるのかを先に書きます。
こだわりは、その答えを見たあとに、読みたい人が読めるところに置きます。
言いすぎないほうが、信頼される
「地域で一番おいしい」「絶対に後悔しない」といった言葉は、お客に疑いを持たせます。
読む人は、そのような言葉を、すでに数えきれないほど見ているからです。
代わりに、実際の材料の産地、仕込みの手順、1人前の量を、そのまま書きます。
事実だけが並んでいるページは、控えめに見えます。
けれど、読む人は、控えめな書き方のほうに、信頼を置きます。
足りないことも、正直に書く
車には、店と違って、できないことがたくさんあります。
席がない、雨の日は営業できない、材料がなくなると終わる、などです。
できないことを隠すと、お客は期待して来て、がっかりします。
できないことを先に書いておけば、お客は、それを分かったうえで来ます。
謙虚に書くことは、弱みを見せることとは違います。
お客が自分で判断できる材料を、すべて出しておくことです。
初めて見る人の目で、前面とページを読み直す
謙虚に書けているかどうかは、自分では判断しにくいものです。
車の前面とページを、初めて見る人の目で、上から順に読み直してみます。
最初の3秒で、何の車か、いくらか、今日はどこにいるのかが分かるか。
分からない部分があれば、その部分だけを直します。
直す場所は、多くの場合、1つか2つに絞られます。
全部を一度に直す必要はなく、先に直した1つが、売上の変化を教えてくれます。
変化が見えたら、次の1つに進みます。
この繰り返しが、出店前に決めておくという考え方の、実際の動きになります。
1か月で、出店前の確認を仕組みにする
ここまでの話を、実際の1か月に置き換えてみます。
全部を一度に直そうとすると、手が止まります。
1週間に1つだけ、決めて動くことを、おすすめします。
1週目は、過去の出店を振り返る
最初の週は、新しいことを始めません。
これまでの出店を、記憶や手元の記録から、振り返ります。
出店した日、場所、売れた数、天気、並んだ時間帯を、1枚の表に並べます。
記録が足りない部分は、空欄のままで構いません。
並べてみると、売れる出店先と、売れない出店先の違いが、はっきり見えてきます。
違いが見えたら、売れない出店先の共通点に、印をつけておきます。
2週目は、出店先に聞くことを決める
2週目は、出店先に確認する項目を、紙に書き出します。
告知の場所と時期、中止の扱い、同じ種類の車の数、連絡の窓口、前回の来場者の傾向を、確認の項目にします。
次に出店の話が来たら、この紙を見ながら、主催者に聞きます。
聞く内容があらかじめ決まっていれば、話の流れで聞きそびれることが減ります。
答えは、メールやメッセージなどの文字で残してもらいます。
3週目は、車の前面と予定のページを整える
3週目は、お客に向けた情報を、整えます。
車の前面は、料理の種類、看板メニューと値段、量と待ち時間の順に、読み直します。
出店の予定のページは、日付と場所と時間を表にして、1ページにまとめます。
整える場所は、全部でなくて構いません。
通りがかりが多い出店先なら前面を、常連が多い出店先なら予定のページを、先に直します。
4週目は、変わったことを記録で確かめる
最後の週は、整えたあとの出店を、記録で見直します。
前面を直した出店で、立ち止まる人は増えたのか。
予定のページを作った出店で、常連のお客は、来やすくなったのか。
数字がはっきり変わらなくても、お客の反応や、問い合わせの内容に、変化が出ていることがあります。
次の月は、記録から見つけた、次に直す場所に進みます。
予定が詰まらない週があっても、止めない
1か月の途中で、出店が重なって、確認や整備の時間が取れない週もあります。
そのときは、その週のやることを、翌週に回して構いません。
大事なのは、1週間に1つ、小さく進めるという形を、崩さないことです。
進まなかった週があっても、振り返りの表と、確認項目の紙は、手元に残っています。
それを見れば、すぐに再開できます。
| 週 | やること | 残すもの |
|---|---|---|
| 1週目 | 過去の出店を振り返る | 日付と場所と売れた数の表 |
| 2週目 | 出店先に聞くことを決める | 確認項目の紙と、主催者の回答の記録 |
| 3週目 | 車の前面と予定のページを整える | 直した前と後の写真 |
| 4週目 | 変わったことを記録で確かめる | 次の月に直す場所のメモ |
平日の出店を、イベントの出店とは別に組み立てる
イベントの出店は、1回で大きく売れる可能性があります。
平日の出店は、1回あたりの売上は小さくても、同じ場所に通うことで、少しずつ積み上がります。
両方を同じやり方で考えると、どちらも中途半端になります。
平日は、同じ場所に通って常連を作る
平日の昼は、オフィスや工場で働く人が、毎日同じ時間に、食事を探します。
その人たちは、1度買った車の、次の出店日を覚えています。
同じ曜日の同じ時間に、同じ場所へ通うと、お客は車が来る日を、予定に入れるようになります。
出店の曜日と場所を、ページで固定して知らせると、常連の数が増えやすくなります。
場所を毎回変えると、せっかくの常連が、車を探せなくなります。
平日の出店先は、使ってよいかを先に確かめる
オフィスの敷地や、駐車場の一角は、持ち主や管理者が決まっています。
無断で営業すると、トラブルのもとになります。
営業をしてよいかどうかは、敷地の持ち主や管理者に、事前に確認します。
あわせて、出店する自治体の保健所に、営業許可の範囲を確かめます。
大阪府の資料によると、ほかの自治体にまたがって営業するときは、それぞれの自治体で許可を受ける必要があります。
確認が済んでいない場所に、先に出店して、あとから止められることがないようにします。
平日と週末で、メニューの量を変える
平日の昼は、休憩時間が短い人が多く、すばやく受け取れる料理が好まれます。
週末は、ゆっくり食べる人が多く、量や見た目に、満足を感じやすくなります。
平日用と週末用で、看板メニューを分けると、それぞれの場所で選ばれやすくなります。
分けるのが難しければ、平日は受け取りの早い1品に絞り、週末は品数を増やす、という使い分けでも構いません。
出店の記録を見ると、どちらの場所で、どの品がよく出るのかが見えてきます。
平日の告知は、前日の夜に1回だけ出す
平日の昼に来るお客は、前日の夜か、当日の朝に、今日の出店先を確かめます。
そこで、前日の夜に、翌日の出店先と時間を、1回だけ知らせます。
何度も告知を出すと、同じ内容の投稿が並んで、かえって読まれなくなります。
予定のページには、いつでも最新の内容が載っているようにして、告知は、ページへ案内する役にとどめます。
告知の文章は、毎回、同じ形にしておくと、書く手間も減ります。
暑い日と雨の日に、営業の基準を決めておく
天気の悪い日と、極端に暑い日は、お客も出歩かなくなります。
同時に、車の中で働く人の体にも、負担がかかります。
その日の気分で営業を決めると、迷っている間に、仕込みの時間が過ぎていきます。
数字で、営業を見送る基準を決める
気象庁の2025年の天候のまとめによると、全国153の気象台等のうち132地点で、夏の平均気温が歴代1位の高温となりました。
屋外での営業は、近年、体に厳しい条件になっています。
「気温がこの数字を超えたら、営業の時間を短くする」「雨がこの強さなら、出店を見送る」というように、基準を数字で決めておきます。
基準が決まっていれば、当日の朝に迷わずに、お客への連絡を出せます。
基準の数字は、出店を続けながら、自分の体と売上の記録を見て、調整していきます。
お客への連絡の手順を、先に作っておく
営業を見送るときは、お客に、早く知らせる必要があります。
連絡の手段は、予定のページと、LINEなどの窓口の2つに絞ります。
連絡を出す時刻も、あらかじめ決めておきます。
たとえば、営業の2時間前までに、見送りの判断を出す、と決めます。
連絡の文章も、ひな形を作っておくと、当日の朝の負担が減ります。
仕込みの量を、天気予報に合わせて調整する
天気が崩れる予報の日は、仕込みの量を減らしておきます。
売れ残りが多い日の記録を見ると、天気との関係が、はっきり分かります。
雨の日に売れ残りが出やすい料理は、前日のうちに、量を抑えて準備します。
逆に、暑い日に売れやすい料理は、天気予報を見て、多めに準備しておきます。
天気と売上の関係を、記録から読み取れるようになると、仕込みの無駄が減っていきます。
| 判断の場面 | 先に決めておくこと | 残す記録 |
|---|---|---|
| 暑い日の営業 | 営業を短くする気温の目安 | 気温と売れた数の記録 |
| 雨の日の営業 | 見送る雨の強さの目安 | 雨の日の売れ残りの数 |
| お客への連絡 | 連絡の手段と、連絡を出す時刻 | 送った文章と時刻 |
| 仕込みの量 | 天気ごとの仕込みの目安 | 天気ごとの売れ残りの数 |
よくある質問
Q. 主催者には、出店の前に何を聞けばいいですか?
告知の場所と時期、中止のときの扱い、出店する車の数と種類、当日の連絡の窓口を、まず聞いてください。
売上の見込みを聞いたときは、その前提を、メールなどの文字で残してもらうと安心です。
答えにくそうな項目があれば、それも、出店先を選ぶ材料になります。
Q. SNSは、毎日投稿したほうがいいですか?
回数よりも、次の出店先が探しやすいかどうかを、先に確かめてください。
毎日投稿していても、予定が流れて探せないと、お客は来られません。
予定を1ページにまとめて、そのページへの入口を、車の前面とSNSのプロフィールに置いておくと、投稿の回数が少なくても成り立ちます。
Q. 売れない日は、値段を下げたほうがいいですか?
先に、足を止めない理由が、値段にあるのかを確かめてください。
何の車か分からないことが理由なら、値下げをしても、前を通る人の数は変わりません。
値段を変えるときは、1つの出店先で、条件を1つだけ変えて、記録を取りながら試します。
Q. 営業許可は、ほかの自治体でも使えますか?
大阪府の資料によると、自動車による移動の食品営業は、ほかの自治体にまたがって営業するときは、それぞれの自治体で許可を受ける必要があると説明されています。
自治体によって扱いが違う場合もあるので、出店する地域の保健所に、事前に確かめてください。
出店先の主催者が、許可の確認をしてくれると思い込まず、自分でも確かめておくと確実です。
Q. イベントが中止になったとき、補償は求められますか?
規約の内容と、中止になった事情によって、答えが変わります。
規約に中止の扱いが書かれていない場合は、補償の話をする土台が弱くなりやすいのが現実です。
実際に困っている場合は、法律の専門家や、地域の相談窓口に相談してください。
次の出店からは、中止や変更の扱いを、出店の前に規約へ書いてもらえないかを聞いておきます。
まとめ
キッチンカーの集客は、出店の回数を増やしたり、値下げをしたり、SNSの投稿を増やしたりする前に、出店先を決める前の確認で、大半が決まります。
気象庁の2025年の天候のまとめによると、全国153の気象台等のうち132地点で、夏の平均気温が歴代1位の高温となり、屋外の営業の条件は近年きびしくなっています。
総務省の令和7年版情報通信白書では、LINEの利用率が2024年に全体で94.9%と書かれており、次の出店先を伝える窓口は、ほぼ全世代に届きます。
出店前に、告知の場所、中止の扱い、同じ種類の車の数を確かめ、条件がそろった出店先に通う。
車の前面は、3秒で読める形に整え、出店の予定は1ページにまとめて置く。
自分の車を主役にせず、お客の昼ごはんを主役にして、車は案内役として後ろに控える。
その考え方が「売れるサイトはみな謙虚」です。
今日できる点検
最後に、今日のうちに自分の車で確かめられることを、表にまとめました。
全部を一度に直す必要はありません。
いちばん気になった1か所から始めてください。
| 点検する場所 | 確かめること | 直すときの方向 |
|---|---|---|
| 出店先ごとの記録 | 日付、場所、天気、売れた数が残っているか | 今日の出店から、1行ずつメモを始める |
| 主催者への確認 | 告知の場所と中止の扱いを聞いて、文字で残しているか | 次の出店の前に、確認の項目を紙に書き出す |
| 車の前面 | 料理の種類が、遠くから読めるか | 店の名前より、料理の種類を大きくする |
| 看板メニューと値段 | 近づいた人が、立ち止まらず読めるか | 品数を絞って、看板メニューを1つ決める |
| 量と待ち時間 | 量の写真と、待ち時間の目安があるか | 写真と、注文から受け取りまでの目安を足す |
| 出店の予定のページ | 日付と場所と時間が、1ページにまとまっているか | 地図で調べられる施設名で、表にまとめる |
| 問い合わせの窓口 | 手段が1つに決まっているか | 返信しやすい手段を1つだけ載せる |
点検してみて、どこから手をつければいいか迷ったときは、次の出店の前に、主催者に聞くことを紙に1枚書くところから始めてください。
その1枚があれば、出店先の選び方も、車の前面も、予定のページも、同じ基準の上で整えられます。
次の出店の日に、自分の車を、初めて通りがかる人の目で、3秒だけ眺めてみてください。
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