ホームページは作ったものの、問い合わせが来ない。どこをどう変えればよいのか決まらない。個人事業主の方や小規模な店舗のオーナーの方から、この形の相談がよく届きます。
直す場所を1つだけ選ぶなら、トップページです。なかでも、セクションをどの順番で並べるか。この並び順が、訪れた人が読み進めるかどうかを大きく左右します。
この記事では、セクションの種類と役割を整理したうえで、並び順の決め方を4つの段階に分けて解説します。判断の根拠には、Google が公式ドキュメントで示している自己評価の項目を使います。
トップページで決まるのは、読み進めるかどうかです
トップページは、サイトの入り口です。訪れた人が最初に目にする場所であり、ここで「自分に関係のあるサイトかどうか」の判断が行われます。
役割を分けると、3つになります。
| 役割 | 果たせているときの状態 | 果たせていないときの状態 |
|---|---|---|
| 自分ごとだと感じてもらう | 誰向けの何かが、最初の画面で分かる | 会社の紹介だけが並んでいる |
| サイト内を回ってもらう | 次に読む場所が示されている | メニューを探させている |
| 次の一歩へ進んでもらう | 問い合わせや予約の入口が迷わず見つかる | 入口が最下部に1つだけある |
3つとも、セクションの配置で決まります。デザインの美しさより、並び順のほうが先に効きます。
セクションの種類と、それぞれの役割
トップページに置けるセクションには、いくつかの型があります。先に一覧で確かめておきます。
| セクション | 置く位置 | そこで伝えること |
|---|---|---|
| ヘッダー | 最上部に固定 | サイト名と、どこへ行けるか |
| ファーストビュー(ヒーローセクション) | 開いた瞬間に見える範囲 | 何をしている会社で、誰の何が解決するか |
| 課題の提示 | 2番目 | 読者が抱えている状態を言葉にする |
| サービス紹介 | 3番目 | その課題にどう対応するか |
| 実績・お客様の声 | 4番目 | 同じ立場の人がどうなったか |
| お知らせ | 中盤から下 | いま動いている会社だと伝える |
| 行動の入口 | 最下部と、各節の切れ目 | 次に何をすればよいかを1つだけ示す |
| フッター | 最下部 | 会社情報、規約、連絡先 |
すべてを置く必要はありません。むしろ、置くセクションを減らすほうが読み進めてもらえます。迷う分岐が増えるほど、読者はそこで止まります。
並び順を決める4つの段階
段階1:このページで達成したいことを1つ決める
最初に決めるのは、トップページで何を達成したいかです。ここが複数あると、並び順が決まりません。
| 業種の例 | 達成したいこと | 優先して置くセクション |
|---|---|---|
| 地域の工務店 | 施工事例を見てもらい、資料請求につなげる | 施工事例を早い位置に |
| オンラインのスクール | 無料の体験に申し込んでもらう | サービス内容と料金を早めに |
| 法人向けの受託開発 | まず問い合わせの前に検討材料を渡す | 対応できる範囲と、できない範囲 |
3行目にある「できない範囲」は、抜けやすい項目です。対応できない条件を先に書いておくと、合わない相談が減り、合う相談が残ります。問い合わせの件数より、内容のほうが変わります。
段階2:訪れる人が知りたい順に並べ替える
次に、そのページを訪れる人が何を知りたいのかを書き出します。自社が伝えたい順ではなく、読者が知りたい順に並べ替えます。
工務店を探している人であれば、どんな家を建てているのか、どんな人が作っているのか、信頼できる会社なのか、という順で気になります。スクールを探している人であれば、どんな内容なのか、いくらなのか、本当に効果があるのか、という順です。
この順番は、想像で決めずに確かめられます。既存のお客様に、契約を決める前にいちばん気になっていたことを聞いてください。1人に聞くだけでも、想像との差が見つかります。
段階3:最初の画面(ヒーローセクション)に入れるものを絞る
優先順位が付いたら、いちばん上の画面に何を入れるかを決めます。ここに入れるのは、次の2つだけで足ります。
- 何をしている会社で、誰の何が解決するのか
- 次に進むための入口を1つ
ここに自社の実績や受賞歴を置きたくなりますが、順番としてはあとです。最初の画面に置くのは、読者自身の状況のほうです。読んだ人が「これは自分の話だ」と思えた時点で、続きが読まれます。
この段階でいちばん多い失敗は、盛り込みすぎです。3つの訴求を並べると、どれも印象に残りません。1つに絞ってください。
段階4:出して、測って、入れ替える
並び順を決めたら公開し、実際の動きを見ます。アクセス解析で確かめるのは3つです。
| 見るもの | 読み取れること | 低いときにやること |
|---|---|---|
| 最初の画面で離脱する割合 | 自分ごとだと感じてもらえているか | ファーストビューの文言を書き直す |
| どこまで読まれているか | 途中で止まっている場所はどこか | 止まっている手前のセクションを短くする |
| 入口が押された数 | 次の一歩に進めているか | 入口の位置と文言を変える |
変更したら、しばらく置いて様子を見てください。1週間の上下は、通常の変動と区別が付きません。そして、一度に複数の箇所を変えると、どれが効いたのか分からなくなります。変えるのは1か所ずつです。
配置の例を3つ挙げます
自社に近いものを出発点にしてください。そのまま使うためではなく、どこを入れ替えるかを考えるための土台です。
地域に根ざしたビジネス(工務店、美容室など)
- ファーストビュー(地域名+何をする会社か)
- どんな困りごとに対応しているか
- 施工事例やお客様の声(写真を添えて)
- 料金の考え方
- 行動の入口(問い合わせ、来店予約)
- 会社概要とアクセス
オンラインで完結するサービス
- ファーストビュー(誰の何が解決するか)
- いま起きている困りごとの言語化
- サービスの内容
- 導入した事例
- 料金
- 行動の入口(無料の体験、資料請求)
- よくある質問
ネットショップ
- ファーストビュー(いま押している商品や企画)
- よく売れている商品
- 新着の商品
- カテゴリー一覧
- お客様の声
- 行動の入口(購入、会員登録)
3つに共通しているのは、実績やお客様の声を料金や申し込みの手前に置いている点です。判断材料を渡してから、決断を求める順番になっています。
Google が示している、ページの自己評価項目
配置を考えるときに、あわせて確かめておきたい項目があります。Google 検索セントラルの「ページ エクスペリエンスについて」に、自己評価の問いが並んでいます。原文から引きます。
ページの Core Web Vitals は良好な状態ですか。
ページは安全な方法で配信されていますか。
コンテンツはモバイル デバイス上で適切に表示されていますか。
コンテンツに、主要なコンテンツを妨害したり注意をそらしたりするほどの大量の広告を掲載することを回避できていますか。
ページで煩わしいインタースティシャルの使用が避けられていますか。
サイト訪問者が、ページのメイン コンテンツとその他のコンテンツを簡単に区別できるようにページが設計されていますか。
最後の1行が、セクション配置の話とそのまま重なります。メインの内容と、それ以外を簡単に区別できるか。トップページに要素を詰め込むほど、この条件から離れます。
4行目と5行目も、実務でよく引っかかります。開いた瞬間に画面を覆う告知や、読み始めたところで出てくる案内は、読者の動きを止めます。入口を増やすことと、進んでもらうことは別の話です。
直すときに気をつけること
先に控えを取る
配置を変える前に、いまの状態を控えておいてください。変更後に数字が下がった場合、戻す先が必要になります。控えを取らずに変えると、下がったときに元に戻せません。
スマートフォンで確かめる
パソコンの画面で整えた並び順は、スマートフォンでは縦に一列に並びます。横に置いた2つの要素が、上下になります。変更したら、必ず手元の端末で開いて確かめてください。
画像の重さを確かめる
ファーストビューに大きな画像や動画を置くと、表示が遅くなります。Google が自己評価の項目に Core Web Vitals を挙げているとおり、表示の速さは評価の対象に入っています。画像は、掲載する大きさに合わせて縮小してから置いてください。
装飾を足しすぎない
動きのある装飾を足すと、読者の視線がそこで止まります。止めたい場所は、伝えたい文言と入口のはずです。装飾は、読ませたい場所から視線を奪う側に働くと考えて足してください。
トップページの配置に関するよくある質問
セクションはいくつ置けばよいですか
数を先に決める必要はありません。決めるのは、そのページで達成したいことを1つに絞ることです。絞れていれば、必要なセクションは自然に決まります。迷ったときは、削る方向で考えてください。削って成果が落ちたら戻せます。
お客様の声は、どこに置けばよいですか
料金や申し込みの入口より手前です。判断材料を渡してから決断を求める順番になります。なお、実名や写真を載せる場合は、掲載の許可を毎回あらためて確認してください。以前いただいた許可が、今回も有効とは限りません。
お知らせは必要ですか
更新を続けられるなら置いてください。更新が止まったお知らせは、逆の印象を与えます。半年以上更新できていないなら、外すほうが無難です。
並び替えが管理画面からできません
使っているテーマの仕様で、並び替えに対応していない場合があります。テーマの説明書を確かめてください。それでも動かない場合は、他のプラグインとの干渉や、キャッシュが残っている可能性があります。キャッシュを消してから、もう一度確かめてください。作業の前に、必ず控えを取っておきます。
デザインを変えれば問い合わせは増えますか
見た目より先に、並び順と文言のほうが効きます。同じデザインでも、最初の画面に書く1文を変えるだけで動きが変わります。デザインの作り直しは費用も期間もかかるため、先に並び順と文言で試してください。
まとめ:並び順は、読者の知りたい順に決めます
この記事の内容を、手を動かす順に並べ直します。
- トップページで達成したいことを1つに決める
- 訪れる人が知りたい順に、セクションを並べ替える
- 最初の画面には、誰の何が解決するかと、入口を1つだけ置く
- 公開して、離脱と到達と入口の3つを測る
- 1か所ずつ変えて、しばらく置いてから判断する
この5つに、新しい道具は出てきません。必要なのは、何を載せないかを決めることです。Google の自己評価の項目にも、メインの内容とそれ以外を簡単に区別できるかという問いが入っています。足すより、減らすほうが先に効きます。
今日できることを1つ挙げるなら、自社のトップページをスマートフォンで開いて、最初の画面に何が書かれているかを読み上げてみてください。そこに読者自身の状況が書かれていないなら、直す場所はそこです。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
初回は無料・60分・オンライン完結・その場で契約のお願いはいたしません

