SEOを始めようとして、何から読めばよいのか迷うことがあります。Googleは、その入口として「SEOスターターガイド」を公開しています。
この記事は、英語版の原文を通読したうえで、中小企業が手を動かす順に要点を絞って解説します。日本語版との違いと、更新の経緯も確かめました。
合同会社謙虚は、3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。手をつけなくてよいことまで公式が挙げており、時間の使い道を決める基準になります。
結論:3行で言うと
- 公式は、読みやすく、独自で、新しく、読者の役に立つ内容を作ることが、ガイドの他のどの提案よりも検索結果での存在感に影響しそうだと書いています
- Googleで自動的に1位になる秘訣はありません。変更が反映されるまで数時間から数か月かかり、判断は数週間待ってからと勧めています
- 公式は「注力しなくてよいこと」を自分で挙げています。メタキーワード、文字数の目標、見出しの数、ドメイン名のキーワードなどです。E-E-A-Tはランキング要因ではないとも書いています
このページの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題(英語) | Search Engine Optimization (SEO) Starter Guide |
| 日本語版の題名 | 検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド |
| 英語版の最終更新日 | 2025年12月10日 |
| 日本語版の最終更新日 | 2025年12月18日 |
| Google検索セントラルの中の位置 | URLの区分は fundamentals(基礎)。ガイド自身が、検索の基本事項(Search Essentials)の次の段階と位置づけています |
| 直近の主な更新 | 2024年2月2日に大きく見直されました。2025年の日付更新では、本文に差を見つけられませんでした |
Googleがこのページで言っていること
前提:秘訣はなく、効果の確認には数週間かかる
ガイドは冒頭で、こう述べています。”There are no secrets here that’ll automatically rank your site first in Google (sorry!)”
和訳すると、サイトを自動的にGoogleで1位にする秘訣は、このガイドにはありません、ごめんなさい、という意味です。
Googleは完全に自動の検索エンジンで、サイトを公開すれば、通常は自動で見つけます。変更の反映には数時間から数か月かかり、効果の判断は数週間待ってからが目安です。
目に見える変化が出ない変更もあります。満足できなければ、事業の都合が許す範囲で、変更を重ねて試すよう勧めています。
見つけてもらう:まずsite:検索で確かめる
- 自社のドメインを「site:」の演算子で検索し、結果が出れば索引に登録されています。出ない場合は、技術要件を確かめてから先へ進みます
- 新しいページが見つかる主な道は、すでに巡回したページからのリンクです。サイトマップ(載せたいURLを並べたファイル)の送信は任意で、CMSが自動で作る場合もあります
- CSSやJavaScriptを隠すと、Googleがページを理解できなくなります。見え方の確認には、Search ConsoleのURL検査ツールを使います
サイトの整理:今すぐ作り直さなくてよい
整理されていなくても、検索エンジンはおそらくそのまま理解すると書かれています。中小企業がまず押さえる点は2つです(数千URLを超えるサイト向けのディレクトリ分けは省きます)。
- URL:意味のある言葉を入れます。ランダムな識別子だけの並びは、利用者の役に立ちにくいとされています。URLの一部は、検索結果にパンくずリストとして出ることがあります
- 重複コンテンツ:同じ内容が複数のURLで見える状態です。スパムポリシーの違反ではありませんが、利用者を混乱させ、巡回の資源も無駄にしえます。使わないURLからの転送(リダイレクト)が基本で、できなければ rel=”canonical” で正規のURLを示します
ただし、気にしすぎなくてよいとも書かれています。正規化を自分でしなくても、Googleが自動で試みるからです。
役に立つ内容を作る
ガイドが、他の提案より影響しそうだと書いているのが、この章です。そうした内容の性質として、4つが挙がっています。
- 読みやすく、整理されている:誤字脱字を直し、長い文章は段落と見出しで区切ります
- 独自である:他人の内容を、一部でも写しません
- 新しい:必要なら更新し、的外れになったら削除します
- 役に立ち、信頼でき、利用者を第一に考えている:専門家や経験者という情報源を示すと、専門性が伝わると例示されています
読者の検索語を予想することも勧められています。詳しい人は「シャルキュトリ」と検索し、そうでない人は「チーズボード」と検索する、という例です。
すべての言い方を予想する必要はありません。Googleの言語照合のしくみは、その言葉をそのまま使っていなくても、ページと質問の関係を理解できると書かれています。
リンクの文字(アンカーテキスト)は、リンク先の中身を伝える言葉にします。
信頼できない外部ページにリンクするなら、nofollow などの注釈を付けます。コメント欄など利用者が書き込めるリンクにも、CMSで自動的に付けます。
検索結果での見え方:タイトルとスニペット
検索結果の見出しにあたるタイトルリンクは、title要素の言葉やページ内の見出しなどから作られます。良いタイトルは、ページごとに固有で、明確で簡潔で、内容を正確に表します。
見出しの下の説明文(スニペット)は、ページの実際の内容から作られ、まれにメタディスクリプションが使われます。良いメタディスクリプションは、短く、ページごとに固有で、要点を含みます。
そのほか:画像、動画、宣伝
画像は鮮明なものを使い、関連する文章の近くに置き、代替テキスト(alt属性)で内容を短く説明します。動画が中心のページは、単独のページに埋め込み、タイトルと説明を書きます。
宣伝で最も効果的で長続きする方法の一つが、口コミだとされています。名刺やポスターへのURLの掲載も勧められています。
やりすぎは逆効果で、検索結果の操作とみなされる手法もあると注意されています。
注力しなくてよいこと
ガイドの後半に、よく見かける考え方への公式の見解がまとまっています。全体の方針は「自分の事業にとって最善のことをする」です。
| 項目 | 公式の書き方(要約) |
|---|---|
| メタキーワード | Google検索はキーワードのメタタグを利用しない |
| キーワードの乱用 | 利用者をうんざりさせ、スパムポリシーの違反になる |
| ドメイン名やURLパスのキーワード | 順位の面では、パンくずに出る以外の効果はほとんどない。TLDは特定の国の利用者を狙うときだけ意味があり、それでも弱い |
| 内容の最小・最大の長さ | 長さだけでは順位に関係しない。魔法の文字数はない |
| サブドメインかサブディレクトリか | 事業にとって意味のある方でよい |
| PageRank | 基本のしくみの1つだが、ランキングの信号は他にも多い |
| 重複コンテンツの「ペナルティ」 | 複数のURLで見えても問題ない。手動対策の対象ではない。他人の内容の複写は別の話 |
| 見出しの数と順序 | Google検索では、順序が崩れていても問題ない。理想の数もない。多いと感じたら、おそらく多すぎる |
| E-E-A-T | ランキング要因だと考えること。答えは “No, it’s not.”(いいえ) |
英語版と日本語版の違い
日本語版(2025年12月18日)は、英語版(2025年12月10日)より8日新しい更新です。日本語版が遅れている状態ではありません。
保存した原文を節ごとに突き合わせ、2026年10月8日の公開ページでも日付と漫画の有無を確かめました。
英語版にだけある節や文は、見つかりませんでした。日本語版にだけある漫画が1つと、訳の違いが3つありました。
| 箇所 | 英語版(正) | 日本語版 |
|---|---|---|
| 漫画 | ありません | 「Google がコンテンツを見つけられるようにする」の節に、画像8点の漫画があります。猫カフェの店長が、クロール、インデックス登録、検索結果の提供という3つの段階を学ぶ筋書きです |
| 役に立つ内容の影響 | この内容は、ガイドの他のどの提案よりも、検索結果での存在感に影響しそうだ(will likely influence) | 「存在感を高めるには…他のどの方法よりも有効であると考えられます」。「影響する」が「有効」に変わり、効果を言い切る響きに近づいています |
| 見出しの目安 | 見出しが多すぎると感じたら、おそらく多すぎる | 「リンクの数が多すぎると感じる場合」と、リンクの話に読める訳です |
| 節の名前 | Things we believe you shouldn’t focus on(注力しなくてよいと考えること) | 「Google が重要でないと考えること」。私の読み取りでは、助言が評価の響きになっています |
私の読み取りでは、実務への影響が大きいのは見出しの目安の行です。日本語版だけを読むと、リンクを減らす話だと受け取りかねません。
英語版を正とすると、リンクの数への助言は、このページにはありません。
更新の経緯
- 2022年7月6日:変更履歴に、入門向けの重複ガイドを整理した記録があります。理由は、これらがスターターガイドの内容と重複していたからです
- 2024年2月2日:変更履歴に「スターターガイドの刷新」があり、同日の公式ブログに詳しく書かれています。用語集、構造化データ、モバイル対応、サイトの成果の分析の節を削除し、動画の節と「注力しなくてよいこと」の節、「効果が出るまでの時間」の節を加えました
- 2024年3月から2025年10月の間:インターネットアーカイブの保存版(2024年3月3日と2025年10月25日)を比べると、本文の変化は1か所だけでした。公式アカウントの案内先(SNS)が1つ増えています
- 2025年12月10日:2025年10月25日の保存版、同年12月24日の保存版、現在の版を比べても、本文の文面とリンク先は同じでした。変更履歴でこのページを名指ししていたのは、上の2件だけです
このページから、言えること・言えないこと
| 言えること(このページの記述) | 言えないこと(私の読み取り) |
|---|---|
| 役に立つ内容を作ることが、他の提案より存在感に影響しそうだと書かれている | 書き方の型を守れば、順位が上がる |
| 文字数に魔法の数字はない | 短い記事でも長い記事でも、検索では同じ扱いになる |
| E-E-A-Tはランキング要因ではない | 専門家や経験者の情報源を示さなくてよい(役に立つ内容の性質として、ガイド自身が例示している) |
| 重複コンテンツは手動対策の対象ではない | 他人の内容を写してよい(複写は別の話だと明記されている) |
| 変更の反映には数時間から数か月かかる | 変更すれば必ず効果が出る(変化が出ないこともあると明記されている) |
中小企業の視点で、どう受け取るか
ここからはGoogleの説明とは別の、私の読み取りです。手を動かす順に4つ挙げます。
1. 自社が索引に載っているかを、最初に確かめる
Googleで「site:自社のドメイン」を検索し、主要なページが出るかを見ます。
出ない場合は、WordPressの管理画面の「設定」から「表示設定」を開き、「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックが入っていないかを確かめます。
次に、Search Consoleの画面上部の検索ボックスに、調べたいページのURLを入れます。そのURLがGoogleに登録されているかが分かります。
2. 書く前に、読者の言葉を知る
Search Consoleの左メニュー「パフォーマンス」にある検索結果のレポートで、「クエリ」の表を見ます。すでに自社のページが表示されている検索語が分かります。
検索語の選び方と、順位だけを追って伸び悩む原因は、SEO対策で順位も問い合わせも伸びない原因にまとめています。この記事は公式ページの読み解き、そちらは実務の手順という分担です。
3. タイトル、説明文、画像の説明を、ページごとに書き分ける
多くのWordPressテーマでは、投稿のタイトルがそのままtitle要素になります。ブラウザで「ページのソースを表示」を開き、titleを探して、ページごとに違う言葉で内容を正確に表しているかを見ます。
画像の説明は、メディアライブラリの「代替テキスト」欄に入力します。変更した日をメモに残し、数週間待ってから、Search Consoleで表示回数とクリック数を見直します。
4. 「注力しなくてよいこと」に、時間を使わない
メタキーワードの設定、文字数の目標、見出しの数の調整、ドメインの取り直しは、公式が重視していない項目です。その時間を、役に立つ内容を作ることに回せます。
リンクについて、ガイドは2つのことを書いています。PageRankは数ある信号の1つであることと、新しいページが見つかる主な道はリンクであることです。
被リンクをどう考え、何を点検するかは、被リンク対策はもう古いのかで扱っています。ガイドを引いた箇所は、原文の内容と一致しています。
弊社のサイトで確かめたこと
ガイドの内容のうち、外から確かめられる範囲を、2026年10月8日に kenkyo.ai で確かめました。使ったコマンドは次のとおりです。
curl -sL https://kenkyo.ai/robots.txt
curl -sL https://kenkyo.ai/sitemap.xml
curl -sI http://kenkyo.ai/
curl -sI https://www.kenkyo.ai/
curl -sI https://kenkyo.ai/hirinku-taisaku
curl -sL https://kenkyo.ai/ (トップと記事2本のHTMLを保存して読む)
- robots.txt:Disallow の指定は /wp-admin/ の1つだけで、管理画面の通信用ファイルは許可されています。サイトマップの場所を示す行が2つあります。記事の巡回を妨げる指定はありませんでした
- サイトマップ:sitemap.xml は正常に返り、7つの下位サイトマップをまとめた索引でした。ファイル内のコメントに、WordPressのSEOプラグインが動的に作ったと書かれています
- URLの一本化:http から https、www から www なし、末尾のスラッシュなしからありの3通りが、すべて301で1つのURLに集まりました。ガイドの「1つの内容は1つのURLで」と同じ向きです
- canonical とタイトル:トップと記事2本は、どれも自分自身のURLを指していました。メタディスクリプションは記事ごとに別の文で、キーワードのメタタグは3ページとも付いていませんでした
- 見出し:トップページにh1が2つありました。ガイドは見出しの数や順序を問題にしないので、直す優先度は低いと読みました
- 画像の代替テキスト:記事名と同じファイル名の画像のaltは、被リンクの記事では記事の題名、もう1本の記事では「magnifier」の1語でした。後者は、内容を説明する文に直す候補です
- 構造化データ:記事ページに BlogPosting と BreadcrumbList がJSON-LDで入っていました。ガイドは、パンくずは構造化データでも影響できると書いています
site:検索の結果とSearch Consoleの数字は、この作業では見ていません。
よくある質問
SEOスターターガイドに、Googleで1位になる方法は書かれていますか
書かれていません。ガイド自身が、サイトを自動的に1位にする秘訣はないと述べています。
書かれているのは、見つけてもらう、役に立つ内容を作る、検索結果での見え方を整える、といった基本の取り組みです。
SEOスターターガイドでは、E-E-A-Tはランキング要因ですか
このページは、ランキング要因ではないと、ひとこと言い切っています。
ただし同じページで、役に立つ内容の性質として、専門家や経験者という情報源を示すことを例に挙げています。ランキング要因ではないことと、読者に信頼される内容を書くことは、別の話です。
SEOスターターガイドのとおりに直したら、どのくらいで結果が分かりますか
数時間で反映される変更もあれば、数か月かかる変更もあります。判断の目安は、数週間待ってからです。
変更した日と内容を記録しておくと、後から振り返れます。
まとめ:今日できる1つのこと
自社のドメインを「site:」で検索し、主要なページが出るかを確かめてください。出ないページがあれば、Search ConsoleのURL検査ツールにそのURLを入れて、登録の状況を見ます。
確かめた日と結果をメモに残しておけば、次の変更の効果を判断する材料になります。
この記事は、Google検索セントラル解説の一覧の一本です。ほかのページの解説も、順次公開しています。
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