平日の枠が埋まらず、予約サイトで値段を下げると、ようやく組数が入る。
自社のホームページにも予約の画面はあるのに、そこから入る予約は少ない。
この記事は、そうした悩みを抱える地方や郊外のゴルフ場の支配人の方と、営業や予約の担当の方に向けて書いています。
最初に、ゴルフ場を実際に選んでいるのは誰なのかを整理します。
次に、その人が予約サイトを使う理由と、自社サイトで予約してもらうために何をどの順番で直せばよいのかを見ていきます。
読み終えたときに、自社サイトで最初に直す場所が1つ決まっている。
そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、ゴルフ場の手数料の悩み
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
ゴルフ場に勤める知人がこぼしていたこと
投稿者は、ゴルフ場で働く知人から、予約サイトに払う手数料がかなり重いという話を聞いたそうです。
ゴルフ場は予約サイトにどれくらい払っているのか、平日に4人で回った場合ならいくらになるのか、という質問でした。
回答者が書いた中身
ベストアンサーに選ばれた回答は、聞いた記憶として、プレー代の1割から2割くらいではないかと書いていました。
あとから補足があり、3割以上を払っているゴルフ場もあるようだ、と続いていました。
別の回答者は、払い方にはプレー代に応じた割合と年間の契約と、その組み合わせがあり、サイトでの扱われ方によっても変わると書いていました。
そして、予約サイトごとに管理のやり方が違うので、二重予約のような苦情の処理が大変だと聞いた、と添えていました。
どれも伝え聞きの話です。
それでも、ゴルフ場の現場が予約サイトに何を払い、何に手を取られているのかは、この短いやり取りからよく伝わってきます。
ゴルファーの側から届いた質問
同じQ&Aサイトには、ゴルファーの側からの質問もありました。
予約サイトでゴルフ場を予約したあと、そのゴルフ場のホームページを見たら、直接予約のほうが安く設定されていた。
昼食などの中身も同じに見えるが、取り直したほうがよいのか、という相談です。
ベストアンサーは、予約サイトを2つとゴルフ場のホームページの3つを必ず見比べよう、と答えていました。
そして、ゴルフ場が自社のページを安くしているのは、予約サイトに手数料を払うより実入りが大きいからだろう、と続けていました。
これは9割のゴルフ場が陥る罠です
2つの質問を並べると、ゴルフ場とゴルファーの間で何が起きているのかが見えてきます。
ゴルフ場は手数料を減らしたくて、自社のページの値段を下げる。
ゴルファーは、値段を見比べたうえで、慣れた予約サイトから予約する。
自社のページは、値下げの比較表の1行として見られているだけです。
予約サイトに載せた日から、客は増えた
古いやり取りの中には、近所のゴルフ場の支配人が、予約サイトに載せたとたんにお客様が増えたと話していた、という回答もありました。
行くたびに、今日はネットのお客様ばかりだと言っていたそうです。
予約サイトが集客の力を持っていることは、支配人なら誰もが肌で知っています。
だからこそ、やめるわけにはいかない。
問題は、予約サイトに載せていることそのものより、自社サイトが予約サイトと同じ土俵で値段だけを比べられていることにあります。
値下げで並ぶ場所に、自分から入っている
予約サイトの一覧では、エリアと日付で絞り込んだゴルフ場が、値段の安い順に並びます。
隣のゴルフ場が値段を下げれば、こちらも下げないと一覧の下に沈む。
その一覧で選ばれ続けるには、値段で勝つしかありません。
自社サイトの予約画面に、予約サイトと同じプランを同じ並びで載せ、少しだけ安くする。
これは、値下げ競争の場所を1つ増やしているのと変わりません。
自社サイトが、予約サイトの写しになっている
地方や郊外のゴルフ場の自社サイトを開くと、たいていトップにコースの空撮写真があり、コース紹介、料金、予約の順にメニューが並んでいます。
予約のボタンを押すと、日付とプランの一覧が出てくる。
中身は、予約サイトで見られる情報とほぼ同じです。
予約サイトで見られるものしか無いのなら、ゴルファーは使い慣れた予約サイトで予約します。
ポイントも貯まり、過去の予約もそこにまとまっているからです。
支配人の側から見ると、自社サイトは会社の顔として作ったものです。
けれども、予約を取る人の側から見ると、予約サイトと並べて比べる候補の1つにすぎません。
| 読んでいるあなたのゴルフ場の状況 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 平日の枠が予約サイトの値下げでしか埋まらない | 一覧の中で値段だけで比べられている | 値段以外に比べてもらえる材料を自社サイトに置く |
| 自社サイトの予約が全体のごく一部 | 自社サイトが予約サイトの写しになっている | 予約サイトに無い情報を、予約の前に読ませる |
| 自社予約を安くしたのに増えない | 安さだけでは、慣れた予約サイトから乗り換えない | 予約を取る人の手間が減ることを書く |
| コンペの問い合わせが電話でしか来ない | コンペの段取りが自社サイトに書かれていない | 幹事が知りたい流れと決まりを1ページにまとめる |
| 一度来た組が次は別のゴルフ場へ行く | 来場のあとに、次の予約の入口を渡していない | 帰りぎわに、次に予約するときの近道を渡す |
表のどの行に近いかを1つ決めておくと、この先の話を自社に当てはめやすくなります。
予約サイトの一覧で、見られている時間は短い
予約サイトでゴルフ場を探す人は、日付とエリアで絞り込み、出てきた一覧を上から順に眺めます。
1つのゴルフ場に目を止める時間は、ほんの数秒です。
その数秒で目に入るのは、値段とスタートの時間と、評価の点数くらいしかありません。
コースの良さや、スタッフの気配り、昼食のおいしさは、一覧の上では伝わらないのです。
自社サイトは、その数秒では伝わらないことを伝えられる、ほぼ唯一の場所です。
ところが、その自社サイトが一覧と同じことしか書いていなければ、伝える機会を自分で手放していることになります。
数字で見る、ゴルフ場のいま
予約サイトとの付き合い方を考える前に、ゴルフ場を取り巻く数字を確かめておきます。
使うのは、全国のゴルフ場の経営者団体である日本ゴルフ場経営者協会が、ゴルフ場利用税の納付をもとに毎月公表している利用者数の速報値です。
利用者数は、コロナ禍の前を上回っている月もある
日本ゴルフ場経営者協会の速報値によると、2025年11月の全国のゴルフ場の利用者数は、前の年の同じ月より28万7千人多い861万3千人でした。
協会はこの月の数字について、「コロナ禍前の2019年との比較でも、全国の総利用者数は469千人増(+5.8%)と、この間、約80のゴルフ場が閉場していることを考えると、依然、高い水準を保っています。」と書いています。
ゴルフをする人が急にいなくなったわけではありません。
ゴルフ場の数が減るなかで、残ったゴルフ場で回る人は、まだ一定の数がいるのです。
暑さと天気で、月ごとの数字が大きく振れる
一方で、月ごとの数字は天気に大きく左右されています。
同じ協会の速報値では、2025年6月の利用者数は前の年の同じ月より26万6千人少ない774万8千人で、3.3%減っていました。
7月も前の年より5万1千人少なく、協会はその理由を「記録的な猛暑が原因と考えられます。」と書いています。
そして11月の速報では、「こうしたデータから夏季の集客力強化の重要度が増しているのが分かります。」とまとめていました。
暑い時期と雨の多い時期に、どうやって予約を取るのか。
これは、どのゴルフ場にも年々重くなっている宿題です。
高齢のゴルファーの来場が、減り始めている
もう1つ見ておきたいのが、70歳以上の高齢のゴルファーの動きです。
ゴルフ場利用税は、70歳以上の方などが非課税になるため、非課税で回った人の数から、おおよその動きがつかめます。
2025年10月の速報で、協会は次のように書いています。
「非課税措置の導入により記録が残る2003年以降、コロナ禍の2020年を除き、増加を続けてきた高齢ゴルファーのプレー機会が減少し、今後は下降線をたどっていくことが予想されます。」
同じ月の非課税の利用者は214万8千人で、全体の848万3千人のうち、およそ4人に1人を占めていました。
これまで平日の枠を支えてきた常連の高齢のゴルファーが、少しずつ来られなくなっていく。
その穴を、予約サイトの値下げだけで埋め続けるのは、年を追うごとに苦しくなります。
余暇の市場全体でも、ゴルフ場は伸び悩んでいる
日本生産性本部が2025年10月に公表したレジャー白書の速報では、スポーツの分野について「ゴルフ練習場は横ばいだが、ゴルフ場はマイナスに転じた。」と書かれていました。
余暇に使われるお金の全体は、コロナ禍の前を上回るところまで戻っています。
その中で、ゴルフ場は前の年より減った側に入りました。
ゴルファーの財布の中で、ほかの楽しみと取り合いになっているとも読めます。
| 時期 | 公表された数字や言葉 | ゴルフ場の集客にとっての意味 |
|---|---|---|
| 2025年6月 | 利用者数が前年同月より3.3%減 | 暑い時期の予約は、天気しだいで大きく減る |
| 2025年7月 | 減少の要因は「記録的な猛暑」と協会が説明 | 暑さへの備えを、予約の前に伝える必要がある |
| 2025年10月 | 非課税の利用者が全体のおよそ4人に1人 | 平日を支えた高齢の常連が減っていく |
| 2025年11月 | 2019年同月より5.8%多い | ゴルフをする人はまだいる。取り合いの相手が変わった |
| 2025年(レジャー白書) | 「ゴルフ場はマイナスに転じた」 | 余暇のほかの楽しみと、お金と時間を取り合っている |
数字を並べると、ゴルフ場がやるべきことの向きが見えてきます。
来てくれる人はまだいる。
その人たちに、値段以外の理由で自社を選んでもらう工夫が要る、ということです。
ゴルフ場を選んでいるのは、1組に1人の幹事
では、その「来てくれる人」は、どうやってゴルフ場を選んでいるのでしょうか。
ここで大事なのは、ゴルフ場の予約は、たいてい1組の中の1人が代表して取っていることです。
4人分の予定を背負って探している
友人同士の4人で回るときも、会社の付き合いで回るときも、予約を取るのは1人です。
この記事では、その人を幹事と呼びます。
幹事は、ほかの3人の都合を聞き、日程を決め、ゴルフ場を探し、予約を取り、当日の集合時間を伝えます。
雨が降りそうなら、行くか行かないかの判断も幹事に回ってきます。
Q&Aサイトには、ゴルフ場の予約を初めて任されて、7人で行くのだが予約の仕方や注意することを教えてほしい、という質問もありました。
7人だと、4人と3人の2組に分けるのか、組み合わせをどう決めるのか。
慣れていない人ほど、わからないことが一度に押し寄せます。
幹事が比べているのは、値段だけではない
幹事は、自分のお金だけで決めているわけではありません。
ほかの3人に「ここにしたよ」と伝えたときに、文句が出ないかを気にしています。
遠すぎないか、コースが難しすぎないか、昼食はどうか、当日に揉めごとが起きないか。
値段は、そのうちの1つにすぎません。
それでも予約サイトでは値段が一番目立つので、結果として値段で決まっているように見えるのです。
予約サイトは、幹事の手間を減らしたから選ばれた
予約サイトが広く使われるようになったのは、安いからだけではありません。
日付とエリアで一度に探せる、空いている時間がすぐわかる、ほかの人の感想が読める、予約の記録が1か所に残る。
どれも、幹事の手間を減らす仕組みです。
幹事にとって予約サイトは、4人分の段取りを少しでも楽にしてくれる道具になっています。
ゴルフ場の自社サイトが選ばれるには、この幹事の手間を、予約サイト以上に減らす必要があります。
値段を下げる競争から、幹事の手間を減らす競争に、土俵を移すということです。
| 幹事が予約の前に確かめること | 見つからないときに起きること | 自社サイトに置くもの |
|---|---|---|
| 人数が4人に満たなくても回れるか | 2人や3人の組は、別のゴルフ場を探す | 2人や3人で回れる日と、その決まり |
| 雨の日にどうなるか | 中止の判断を迷い、決めやすいところを選ぶ | 雨の日の判断の目安と、連絡の期限 |
| 当日の流れと集合の時間 | 遅刻や迷子で揉めるのを恐れる | 到着から精算までの流れと、受付の場所 |
| 会計を個別にできるか | 当日の精算が面倒になり、敬遠される | 精算の方法と、領収書の分け方 |
| ほかの3人が満足しそうか | 無難な有名どころを選ぶ | どんな組に向くコースかを、具体的に書く |
この表の右の列が、自社サイトに置くべきものです。
予約サイトの一覧では伝えきれないことばかりなので、ここで差がつきます。
予約サイト頼みのゴルフ場が選びがちな遠回り
自社サイトからの予約を増やそうとして、どのゴルフ場でもよく選ばれる手があります。
どれも間違いとまでは言えませんが、幹事の手間を減らすことにはつながりにくいものです。
自社サイトの予約だけを、少し安くする
最もよく見かけるのが、自社サイトからの予約を予約サイトより少し安くする手です。
Q&Aサイトのゴルファーのように、気づいた人は取り直してくれます。
けれども、気づくのは、予約サイトとゴルフ場のページを両方見比べる、値段に敏感な人だけです。
そうした人は、次に別のゴルフ場が安くなれば、そちらへ移ります。
しかも、自社サイトの値段は予約サイトの担当者からも見えます。
予約サイトの側でも割引の企画が組まれれば、差はすぐに縮まります。
値段の差だけで乗り換えてもらう方法は、続ければ続けるほど、自社の取り分を削っていきます。
もう1つ見落とされがちなのが、値段を下げた自社予約で来た組が、その値段を基準に覚えてしまうことです。
次に通常の値段で予約しようとしたとき、高くなったと感じて、また別の安いゴルフ場を探し始めます。
空撮写真とコースの格を、大きく語る
次によく見かけるのが、トップに空撮写真や動画を大きく置き、名設計者の手によるコース、戦略性の高いレイアウト、といった言葉を並べる自社サイトです。
コースの良さを伝えたい気持ちはよくわかります。
ただ、幹事が最初に知りたいのは、4人がその日を無事に楽しめるかどうかです。
戦略性の高いコースと書かれると、初心者の混じった組の幹事は、かえって迷います。
コースの格を語る言葉は、ゴルフ場の自己紹介にはなっても、幹事の不安を減らす言葉にはなっていません。
同じ写真と同じ言葉は、近くのゴルフ場の自社サイトにも並んでいます。
空から撮った緑のコースは、どこのゴルフ場もよく似て見えるのです。
広告を足し、予約サイトの上位の枠を買う
予約サイトの中で上位に出るための広告や、検索の広告を足す手もあります。
一時的に予約は増えますが、広告を止めると元に戻ります。
そして、広告で連れてきたお客様も、結局は予約サイトの中で値段を見比べてから予約します。
広告を足すほど、予約サイトに払うお金は増えていくのです。
イベントを増やして、話題を作る
周年記念のイベントや、季節ごとのコンペを企画する手もあります。
Q&Aサイトには、10周年を迎えるゴルフ場の支配人が、面白くて人の集まるイベントが思いつかないと相談している質問もありました。
イベントは、すでにそのゴルフ場を知っている人を呼び戻すには役に立ちます。
けれども、イベントの告知を予約サイトにしか載せていなければ、その申し込みもまた予約サイトを通ります。
イベントを企画する前に、その申し込みを自社サイトで受ける形になっているかを確かめておく必要があります。
予約の画面だけを、新しくする
予約の仕組みを新しいものに入れ替える手もあります。
画面が見やすくなり、スマートフォンからも予約しやすくなるのは良いことです。
ただ、予約の画面にたどり着く前に、幹事がそのゴルフ場に決めていなければ、画面がいくら使いやすくても予約は入りません。
予約の画面は出口です。
出口を磨く前に、そこまで歩いてきてもらう道を整える必要があります。
予約の仕組みの入れ替えは、作業が大きく、担当者の手も長く取られます。
先に道を整えておけば、入れ替えたあとの画面にも、迷わずに人が流れてきます。
| よく選ばれる遠回り | 起きやすい結果 | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 自社予約だけを少し安くする | 値段に敏感な人しか乗り換えず、取り分が減る | 自社予約だけの手間の減らし方を書く |
| 空撮写真とコースの格を語る | 初心者の混じる組の幹事が迷う | どんな組に向くコースかを具体的に書く |
| 広告を足して上位に出る | 止めると戻り、予約サイトへの支払いが増える | 広告の前に、自社サイトで答える中身をそろえる |
| イベントを増やす | 申し込みが予約サイト経由になる | 申し込みを自社サイトで受ける形にする |
| 予約の画面だけを新しくする | 決める前の人には届かない | 予約の画面の前に、幹事の疑問に答えるページを置く |
表の左の列に、いま取り組んでいることが入っていないかを確かめてみてください。
遠回りの根っこにある思い込み
5つの遠回りには、共通する思い込みがあります。
ゴルファーは、値段とコースの良さでゴルフ場を選んでいる、という思い込みです。
お客様を、1人のゴルファーとして見ている
値段を下げる、コースの格を語る、どちらも、目の前の1人のゴルファーに向けた打ち出し方です。
けれども、実際に予約のボタンを押すのは、ほかの3人の分まで背負った幹事です。
幹事は、自分がプレーを楽しめるか以上に、4人の1日が揉めずに終わるかを気にしています。
ゴルファーとして見るか、幹事として見るかで、自社サイトに書くべきことはまったく変わります。
幹事は、責任を負いたくない
幹事の気持ちを一言で言えば、自分の選んだゴルフ場で失敗したくない、です。
遠かった、高かった、雨の日に連絡がつかなかった、精算で揉めた。
どれも、責められるのはゴルフ場より先に幹事です。
だから幹事は、迷ったときに、みんなが知っている無難なゴルフ場か、予約サイトで点数の高いゴルフ場を選びます。
予約サイトの点数は、知らない誰かが付けたものですが、幹事にとっては責任を分け合える根拠になります。
「点数が高かったから選んだ」と言えれば、当日に何かあっても、幹事1人のせいにはなりにくいのです。
その選び方なら、失敗しても自分のせいにされにくいからです。
自社サイトの仕事は、幹事を安心させること
ここまでをまとめると、自社サイトの仕事は、コースの自慢や値下げの告知とは別のところにあります。
幹事が「ここなら大丈夫」と思える材料を、予約の前に1つずつ手渡すことです。
人数が欠けたらどうなるか、雨の日はどうなるか、当日は何時にどこへ行けばよいか、精算はどうするか。
こうした疑問に先回りして答えてあるゴルフ場は、幹事にとって、責任を負わずに済む安全な選択肢になります。
そして、一度そう感じた幹事は、次の会も、その次の会も、同じゴルフ場に予約を入れてくれます。
売れるサイトはみな謙虚という考え方を、ゴルフ場に当てはめる
私たちは、ホームページの直し方を「売れるサイトはみな謙虚」という考え方でお伝えしています。
主役はお客様で、ゴルフ場は脇役に回ります。
ゴルフ場のサイトなら、お客様とは予約のボタンを押す幹事のことです。
主役を幹事に置き直す
謙虚なサイトでは、ゴルフ場は主役を降り、幹事の段取りを手伝う案内役に回ります。
コースの自慢から書き始めるのをやめ、幹事が抱えている困りごとから書き始めるのです。
たとえば、トップの最初の画面に「4人の予定を合わせて予約を取る方へ」と書き、その下に、人数、雨の日、当日の流れ、精算の4つの案内を並べる。
これだけで、幹事は「ここは自分のことを分かっている」と感じます。
コースの写真は、その下に置けば十分です。
書き足すより、引き算で残す
謙虚なサイトに直すときは、ページを増やすより、いまあるものを引き算するところから始めます。
トップに並んでいる支配人の挨拶、ゴルフ場の歴史、設計者の紹介は、幹事が予約の前に読むものではありません。
これらは別のページに移し、トップには幹事の疑問に答える案内だけを残します。
残すものが少ないほど、幹事は迷わずに次の一歩へ進めます。
自社で予約する理由を、手間で示す
自社サイトで予約してもらう理由は、値段の差より、幹事の手間が減ることで示します。
たとえば、自社サイトから予約した組には、前日の夕方に天気と当日の流れをまとめた連絡を送る。
人数の変更を、電話をかけずにページから直せるようにする。
組み合わせの希望や、送迎の手配を、予約のときに一緒に受け付ける。
どれも、予約サイトの画面では受け付けにくい中身です。
こうした手間の減り方を、予約のボタンのすぐ近くに書いておきます。
幹事の当日を、先回りして書く
幹事がいちばん気にしているのは、当日に何が起きるかです。
予約を取った日から、精算を終えて帰る日までの流れを、自社サイトに1ページで書いておくと、幹事の不安は大きく減ります。
予約の日から前日まで
予約が入ったら、すぐに確認の連絡を送ります。
そこには、予約の中身と、人数や時間を変えるときの方法、キャンセルの期限を書いておきます。
幹事はこの連絡を、そのままほかの3人に転送します。
転送しやすい短い文にしておくと、それだけで幹事の手間が1つ減ります。
前日には、天気の見通しと、到着の目安の時間、受付の場所をまとめた連絡を送ります。
雨が心配な日は、ここで判断の目安も伝えておきます。
到着から受付まで
当日の朝、幹事が最も困るのは、ほかの3人が受付の場所や時間を知らずに迷うことです。
自社サイトの当日の案内ページに、駐車場から受付までの道順を写真で載せておきます。
スタートの何分前までに受付を済ませればよいか、練習場は使えるか、朝食は取れるかも書いておきます。
このページのアドレスを確認の連絡に入れておけば、幹事は「ここを見ておいて」と送るだけで済みます。
精算と帰りぎわ
最後の精算も、幹事が気をもむ場面です。
1人ずつの会計ができるのか、まとめて払うのか、領収書を分けられるのか。
これを先に書いておけば、当日に4人でカウンターの前で相談する時間がなくなります。
そして、精算のときに、次の予約の入口を手渡します。
これは後の節で詳しく書きます。
| 当日の場面 | 幹事が困ること | 自社サイトと連絡で先回りすること |
|---|---|---|
| 予約の直後 | ほかの3人に何を伝えればよいか | 転送しやすい短い確認の連絡を送る |
| 前日 | 雨や暑さで行くかどうか迷う | 天気の見通しと判断の目安を伝える |
| 到着から受付 | 同伴者が場所や時間を知らずに迷う | 駐車場から受付までの道順を写真で載せる |
| 精算 | 会計の分け方で揉める | 1人ずつの会計と領収書の分け方を書く |
| 帰りぎわ | 次の会の予約がまた手間になる | 次に予約するときの近道を手渡す |
人数と組数の変更を、どう扱うか
幹事にとって、人数の変更は避けられない悩みです。
1人の都合が悪くなっただけで、組の人数が欠け、追加の料金がかかるのではないか、断られるのではないかと心配になります。
2人や3人の組の扱いを、先に書く
2人や3人で回れる日があるのか、その場合に追加の料金がかかるのかを、自社サイトに書いておきます。
ここで金額を細かく書く必要はありません。
まずは、2人でも回れる日があること、その日の探し方、追加の料金がかかる場合があることを書きます。
Q&Aサイトの古い回答には、1人でも予約を受け付けて、3人そろったらゴルフ場から連絡してもらえれば、もっとゴルフに行く機会が増える、という声もありました。
人数がそろわない人の受け皿をつくることは、平日の枠を埋める手にもなります。
人数が減ったときの連絡先を、1つに絞る
人数が減ったときにどこへ連絡すればよいかが、予約サイト経由と自社サイト経由で違っていると、幹事は迷います。
自社サイトから予約した組には、人数の変更をページから直せる仕組みか、少なくとも直通の連絡先を1つ用意します。
当日の朝に1人来られなくなったとき、何時までに誰に連絡すればよいかも書いておきます。
7人や10人の会の組み分けを手伝う
Q&Aサイトの7人の幹事の質問のように、4人で割り切れない人数の会は、組み分けで迷います。
4人と3人に分けるのか、3人と2人と2人にするのか、スタートの時間を続けて取れるのか。
自社サイトに、5人から12人くらいまでの組み分けの例を載せておくと、幹事は電話をかけずに見通しを立てられます。
人数ごとの組み分けを表にしておけば、そのまま予約の画面に進んでもらえます。
| 会の人数 | 幹事が迷うこと | 自社サイトに載せる組み分けの例 |
|---|---|---|
| 2人 | 2人で回れる日があるか | 2人で回れる日の探し方と、決まりの書き方 |
| 3人 | 1人分の料金が増えるか | 3人で回れる日と、合わせられる組があるか |
| 5人から7人 | 4人と1人や3人に分けられるか | 2組に分けるときの組み方と、続けたスタート |
| 8人から12人 | 組み合わせと集計をどうするか | 組み合わせの決め方と、コンペの案内ページ |
| 当日に1人欠ける | 何時までに誰に連絡するか | 当日の連絡先と、受付の時間 |
雨と暑さの日の約束を、先に書いておく
日本ゴルフ場経営者協会の毎月の速報によると、ゴルフ場の利用者数は天気と暑さに大きく左右されます。
雨や暑さで予約が減るのは避けられませんが、予約の前の不安を減らすことはできます。
雨の日の判断の目安を書く
雨の予報が出たとき、幹事は行くかどうかを決めなければなりません。
そのときに困るのは、キャンセルの料金がいつからかかるのか、ゴルフ場がクローズするのはどんなときか、が分からないことです。
自社サイトに、雨の日の判断の目安と、キャンセルの期限、クローズになったときの扱いを書いておきます。
前日の連絡でも、同じ内容を短く伝えます。
雨の日の約束がはっきりしているゴルフ場は、幹事にとって、天気が怪しい日でも予約を入れやすいゴルフ場になります。
暑い日の備えを、予約の前に見せる
夏の暑さも、協会が集客の大きな課題として挙げていました。
暑い日のプレーで同伴者が体調を崩せば、それも幹事の心配の種になります。
日陰で休める場所、カートの屋根、氷や飲み物を手に入れられる場所、暑い日のスタートの時間の選び方を、自社サイトにまとめておきます。
熱中症への備えを先に見せておくことは、高齢の同伴者を連れて回る幹事にとって、予約を決める理由になります。
| 天気の場面 | 幹事の迷い | 先に書いておく約束 |
|---|---|---|
| 前日に雨の予報 | 行くか中止にするか決められない | 判断の目安と、キャンセルの期限 |
| 当日の朝に雨 | ゴルフ場が開いているか分からない | クローズの判断と、その連絡の方法 |
| 途中で雨が強まる | 途中でやめた場合の扱いが分からない | 途中でやめたときの精算の決まり |
| 真夏の日中 | 同伴者の体調が心配 | 休める場所と、涼しい時間のスタート |
| 高齢の同伴者がいる | 無理をさせないか不安 | 暑い日の備えと、休みながら回れる工夫 |
コンペの幹事を迎える1ページをつくる
友人同士の4人の会より、もっと手間の多いのが、会社や仲間うちのコンペの幹事です。
コンペは組数がまとまり、毎年同じ時期に開かれることも多いので、一度選ばれれば長く続く予約になります。
コンペの幹事が抱えている仕事
コンペの幹事は、参加者を集め、組み合わせを決め、賞品をそろえ、成績を集計し、表彰の進行まで受け持ちます。
その間に、参加者からの問い合わせにも答えなければなりません。
ゴルフ場を選ぶとき、幹事が見ているのは、この仕事をどこまで手伝ってもらえるかです。
自社サイトに置くコンペの案内
コンペを受けるゴルフ場なら、自社サイトにコンペの幹事向けの案内を1ページ用意します。
何組から受けられるか、組み合わせ表はどう渡せばよいか、成績の集計を手伝ってもらえるか、表彰の部屋は使えるか。
申し込みから当日までの段取りを、日付の順に書いておきます。
このページがあるだけで、幹事は電話をかける前に、自分の会に合うかどうかを判断できます。
来年の同じ時期を、その場で押さえる
コンペが終わったあとの帰りぎわは、次の予約をいただく絶好の場面です。
来年の同じ時期の枠を、その場で仮に押さえられるようにしておく。
それを自社サイトのコンペの案内にも書いておく。
幹事にとっては、来年の会場探しの手間が1つ消えます。
| コンペの段取り | 幹事の手間 | ゴルフ場が手伝えること |
|---|---|---|
| 参加者を集める | 日程と会場を伝える案内を作る | 案内に使える文と、コースの紹介文を渡す |
| 組み合わせを決める | 人数の変更のたびに組み直す | 組み合わせ表を受け取り、変更に応じる |
| 成績を集計する | 当日に急いで計算する | 集計の手伝いと、成績表の用意 |
| 表彰をする | 場所と進行を考える | 表彰に使える部屋と、進行の目安 |
| 次の会場を探す | 来年また一から探す | 来年の同じ時期を、その場で仮に押さえる |
予約サイトとの付き合い方
ここまで読んで、予約サイトをやめるべきだと感じた方もいるかもしれません。
その必要はありません。
予約サイトは、はじめての組に出会う入口
予約サイトは、まだ自社を知らないゴルファーに見つけてもらうための入口として、強い力を持っています。
近所の支配人が「今日はネットのお客様ばかり」と話していたように、予約サイトに載せることで来場は確かに増えます。
はじめての組との出会いは予約サイトに任せ、2回目からの予約を自社サイトで受ける。
この役割の分け方が、無理のない付き合い方です。
予約サイトの紹介文から、自社サイトへの道をつくる
予約サイトのゴルフ場の紹介欄には、自社サイトにある当日の案内や、雨の日の約束の中身を、短く書いておきます。
予約サイトから来た組にも、確認の連絡で自社サイトの当日の案内ページを伝えます。
はじめての組が自社サイトを一度でも開けば、次に予約するときの入口がそこにできます。
予約サイトの紹介欄に書ける文字数や中身には、サイトごとの決まりがあります。
その決まりの範囲で、自社サイトでしか読めない案内があることを伝えるだけで十分です。
宿泊業でも、予約サイトとの付き合い方は同じ悩みとして語られています。
宿の場合の考え方は、ホテルの集客は公式サイトで迷わせないことから 予約サイト頼みを抜ける直し方にまとめています。
| 予約の経路 | 担う役割 | ゴルフ場がすること |
|---|---|---|
| 予約サイト | まだ自社を知らない組との出会い | 紹介欄に、自社サイトの案内の中身を短く書く |
| 自社サイト | 2回目からの予約と、幹事の手間を減らす | 当日の案内、雨の日の約束、コンペの案内を置く |
| 電話 | 細かな相談と、急ぎの変更 | 自社サイトの案内と同じ内容で答える |
| 帰りぎわの手渡し | 次の予約の入口 | 次に予約するときの近道を手渡す |
来場した幹事と、次の予約でつながる
自社サイトの予約を増やすうえで、最も確かな相手は、すでに一度来てくれた幹事です。
帰りぎわに、次の予約の近道を渡す
精算のときに、自社サイトの予約ページにつながる案内を手渡します。
紙のカードでも、レシートに印字した二次元コードでもかまいません。
そこに、自社サイトから予約するとどんな手間が減るのかを、1行で書いておきます。
幹事が次の会を企画するとき、そのカードが手元にあれば、予約サイトを開く前に自社サイトを開いてくれます。
連絡先をいただいた幹事に、季節の便りを送る
自社サイトから予約した幹事には、季節の空き状況や、2人や3人で回りやすい日の案内を、ときどき送ります。
送る回数は多くなくてかまいません。
次の会を考え始める時期に、ゴルフ場の名前を思い出してもらえれば十分です。
常連の高齢のゴルファーの次を育てる
日本ゴルフ場経営者協会の速報によると、平日を支えてきた高齢のゴルファーは、少しずつ減っていくと見込まれています。
その常連の方が、子どもや孫の世代を連れてくる日を、自社サイトで後押しする工夫も考えられます。
初めてコースに出る人を連れてくる幹事向けに、回りやすい時間や、ゆっくり回れる日を書いておく。
それは、次の世代の幹事を育てることにつながります。
よくある質問
Q1. 予約サイトへの掲載をやめたほうがよいですか
やめる必要はありません。
予約サイトは、まだ自社を知らない組と出会う入口として役に立ちます。
はじめての組は予約サイトから、2回目からは自社サイトから、という役割の分け方を目指してください。
Q2. 自社サイトの予約を安くすれば、直接予約は増えますか
値段の差だけでは、慣れた予約サイトから乗り換える人は限られます。
値段の差より、幹事の手間が減ることを、予約のボタンの近くに書いてください。
Q3. コースの写真や設計者の紹介は、載せないほうがよいですか
載せてかまいません。
ただし、トップの最初の画面には、幹事の疑問に答える案内を先に置き、写真や紹介はその下か、別のページに置きます。
Q4. 人手が足りず、前日の連絡まで手が回りません
まずは、雨の日の約束と当日の流れを1ページにまとめ、そのページのアドレスを予約の確認の連絡に入れるところから始めてください。
1ページあれば、電話での説明も短くなり、かえって手間が減ります。
Q5. コンペの問い合わせを、自社サイトで受けるには何から始めればよいですか
何組から受けられるかと、申し込みから当日までの段取りを、日付の順に1ページに書くところから始めてください。
問い合わせの入口は、そのページの最後に1つだけ置きます。
まとめ
ゴルフ場の利用者は、コロナ禍の前を上回る月もあり、ゴルフをする人はまだいます。
一方で、暑さと天気で月ごとの数字は大きく振れ、平日を支えてきた高齢のゴルファーは減り始めています。
予約サイトの一覧では、ゴルフ場は値段で比べられます。
自社サイトがその写しになっていれば、値下げの競争の場所が1つ増えるだけです。
ゴルフ場を選んでいるのは、1組に1人の幹事です。
幹事は、4人の1日が揉めずに終わるかを気にし、失敗の責任を負わずに済むゴルフ場を探しています。
人数が欠けたとき、雨の日、当日の流れ、精算、コンペの段取り。
こうした幹事の疑問に、予約の前に先回りして答えておくこと。
それが、予約サイト頼みを抜けて、自社サイトに予約が戻ってくる道です。
ほかの業種での例や、より詳しい考え方は、合同会社謙虚のトップページでもご紹介しています。
今日できる点検
最後に、今日のうちに確かめられることを表にまとめます。
| 点検すること | 確かめ方 | できていなかったら |
|---|---|---|
| トップの最初の画面に幹事向けの案内があるか | スマートフォンで自社サイトを開く | 人数、雨の日、当日の流れ、精算の案内を並べる |
| 2人や3人で回れるかが書いてあるか | 料金のページを読む | 2人や3人で回れる日と、その決まりを書く |
| 雨の日の約束が書いてあるか | 予約の確認の連絡を読み返す | 判断の目安と、キャンセルの期限を書く |
| 当日の流れが1ページにまとまっているか | 駐車場から受付までの説明を探す | 道順の写真と、受付の時間を載せる |
| 帰りぎわに次の予約の入口を渡しているか | 精算のときに渡しているものを見る | 自社サイトの予約ページにつながるカードを作る |
いま自社サイトを開き、最初の画面に幹事の疑問に答える言葉があるかを確かめてください。
コースの写真と挨拶しか無いなら、そこが最初に直す場所です。
次の週末までに、雨の日の約束を1行だけでも書き足してみてください。
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