15,000円のフライパンに予約が殺到した理由
愛知県の小さな町工場で作られた、ある鉄のフライパンの逸話をご存知でしょうか。その価格は1枚15,000円。ニトリなどの量販店に行けば3,000円で買えるフライパンがある中で、なんと5倍の価格設定です。普通に考えれば「高すぎて売れない」と思われるでしょう。
しかし、このフライパンは一時期「予約3年待ち」になるほどの大ヒット商品となりました。彼らがやったことは、ただフライパンを作っただけではありません。顧客に対して明確な「買う理由」を作り出したのです。
顧客は無意識に「自分を納得させる理由」を探している
人は買い物をする際、必ず「それをなぜ選んだのか」という理由を無意識に探しています。「一番安いから」「デザインがカッコいいから」「近所だから」。日用品のようなコモディティであっても、そこには必ず理由が存在します。
では、あの15,000円のフライパンの「買う理由」は何だったのか。それは、「厚さが通常の2倍あり、1.2kgもあって重すぎる」という特徴を逆手に取ったアピールでした。
「1.2kgもある分厚い鉄フライパン。だからこそ温度が下がらず、世界で一番お肉が美味しく焼けるのです」。この一言が、「美味しいお肉を家で食べたい」という顧客に強烈な買う理由(納得感)を与え、価格差を吹き飛ばすほどのヒットを生み出したのです。
「買う理由」は意図的に作り出せる
あなたの会社の商品が「他社と似たり寄ったりで差別化が難しい」と悩んでいるなら、無理に奇抜な新機能を追加する必要はありません。元P&Gの天才マーケター、ジェリー・オブライエンによれば、人が商品を買う理由は大きく分けて17パターンあり、それらを意図的に商品に当てはめることでヒットを生み出せると言います。
「この商品はなぜ他でもない自社から買うべきなのか?」。その理由を顧客任せにするのではなく、売り手側から明確に提示してあげることが、コモディティ化から抜け出し、価格競争を終わらせる最も確実な戦略です。
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