Gemini SEO対策とは、結局何をすればよいのか。Google検索のSEOとは別に、何か用意しなければならないのか。
中小企業の経営者やWeb担当者に向けて、Googleの公式文書を当日(2026年10月25日)に開いて確かめた範囲だけで答えを書きます。
先に答え:Gemini SEOは、公式にはSEOの外に別枠がない言葉
結論から書きます。「Gemini SEO対策」という名前の公式な手法は、今回開いた文書のどこにも見つかりませんでした。
それどころか、検索セントラルの3つの文書(AI機能とウェブサイト、生成AI機能向けの最適化、サードパーティの助言の評価)には、「Gemini」という語が1か所も出てきません。
Googleの検索セントラルは、AIによる概要やAIモードについて、次のように書いています。
「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。」
追加の要件も特別な最適化もない。これが、Google自身が文書に残している答えです。
先に結論を3行で書く
自社サイトで直す場所は、次の3行にまとまります。
- Google検索のSEOで直す場所は、そのままGemini SEOの土台になる
- Geminiアプリ、AIモード、AIによる概要では、回答の出し方とリンクの出し方が違う
- 「Gemini専用」として売られている対策には、公式に根拠が見当たらないものが混じっている
この記事では、この3つを順に切り分けます。最後に、1枚の点検表を持ち帰れる形にしました。
「Gemini SEO」を3つの層に分けて見る
同じ言葉の中に、性質の違う話が重なっています。先に全体を表で見てください。
| 層 | 中身 | 公式の文書での扱い | 自社の動き方 |
|---|---|---|---|
| 共通の層 | クロールされる、インデックスされる、役立つ内容を書く | 検索セントラルに基本として書かれている | 通常のSEOを続ける |
| 出方が違う層 | Geminiアプリ、AIモード、AIによる概要ごとの表示 | 各ヘルプに表示の仕組みが書かれている | 仕組みを知ったうえで、直す場所を選ぶ |
| 根拠が見当たらない層 | Gemini専用をうたう追加作業 | 不要と明記されたものがある | 費用をかける前に公式で確かめる |
この表の3行目が、いちばん相談の多い部分です。
この記事で確かめた文書と日付
開いたのは次の6つです。いずれも日本語版を、2026年10月25日に開きました。
| 文書 | 画面に出ていた更新日 |
|---|---|
| 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」 | 2025年12月31日 |
| 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」 | 2026年10月9日 |
| 検索セントラル「サードパーティの SEO ツール、サービス、アドバイスの使用に関する Google 検索のガイダンス」 | 2026年6月10日 |
| Gemini アプリ ヘルプ「Gemini アプリの関連ソースを表示する」 | 日付の表示なし |
| Google 検索ヘルプ「AI による概要」「AI モード」 | 日付の表示なし |
| Google AI for Developers「Google 検索によるグラウンディング」 | 2026年10月13日 |
日付が書かれていない文書は、当日の内容として扱っています。更新される可能性があるので、実際に直す前にもう一度開いてください。
先に断っておくこと
Gemini SEOを実践すれば、Geminiに紹介される。そう約束できる材料は、公式の文書にありません。
検索セントラルによると、「インデックス登録と配信は保証されているものではありません」とのことです。この記事は、直す順番を決めるための整理です。保証の話はしていません。
先日Q&Aサイトで拝見した悩みと、そこに混ざっている3つの話
先日、Q&Aサイトでこのような悩みを拝見しました。
自分で作っているコンテンツの認知を、お金をかけずに増やす方法を教えてほしい、という質問です。
回答欄には、Geminiに「ホームページの検索順位を上げる方法は時代遅れですか?」と聞いた結果を貼った人がいました。Geminiの答えは、SEOは時代遅れではないが、SEOだけで認知を増やす戦略は難しくなっている、という趣旨でした。
質問者が混ぜている3つの話
この質問には、よく似ているのに別の話が3つ重なっています。
1つ目は、Googleの検索結果に出ること。2つ目は、AIの回答の中で自社が紹介されること。3つ目は、GeminiというAIに聞いて、答えをもらうことです。
「Gemini SEO」と検索する経営者やWeb担当者が知りたいのは、2つ目でしょう。ところが解説ページを開くと、3つ目の「Geminiを使ってSEO作業を楽にする話」が同じ画面に並びます。
経営者が最初につまずく場所
つまずく場所は、自分が知りたいのがどの話か、検索した時点で決まっていないことです。
「GeminiでSEO」と打つと、Geminiに記事を書かせる方法も、自社がGeminiに載る方法も、同じ結果の一覧に出てきます。この記事は、2つ目の話だけを扱います。
Geminiを使ってキーワードを調べたり、文章を整えたりする使い方は、扱いません。
「Gemini」という名前が指す、4つの場所
同じ「Gemini」という名前で、自社のサイトとの関わり方が違う場所が4つあります。ここを混ぜたまま対策を探すと、話が噛み合いません。
4つの場所を、公式の言葉で並べる
| 場所 | 何をする場所か | 自社サイトとの関わり |
|---|---|---|
| Geminiアプリ | 利用者がGeminiと会話する | 回答の下に「ソース」として公開ウェブサイトのリンクが出ることがある |
| AIモード | Google検索の中で、AIが回答とウェブリンクを返す | 質問を分解して検索し、参考になるウェブサイトへのリンクを出す |
| AIによる概要 | 検索結果の上に出る要約 | 主な情報と関連リンクが出る |
| Gemini API | 開発者が自分のアプリにGeminiを組み込む | 開発者の設定で、Google検索につなぐ機能がある |
4行目のAPIは、サイト運営者が触る場所ではありません。ただ、「GeminiはGoogle検索につながる」という説明の出どころは、ここにあります。
4つの場所のうち、この記事の中心になるもの
自社が気にすべき中心は、AIモードとAIによる概要です。検索セントラルが、サイト所有者向けの文書として書いている場所だからです。
Geminiアプリは、Geminiアプリ側のヘルプに、ソースの出し方が書かれています。ここは本文の後半で扱います。
Geminiアプリが自社サイトをどう参照するか、Google-Extendedとの関係は、別の記事「Geminiアプリは自社サイトをどう参照し、引用するのか」で詳しく説明しています。この記事では繰り返しません。
呼び名が変わっても、共通する前提
検索セントラルは、AIによる概要とAIモードの両方で「クエリ ファンアウト」という手法を使う場合がある、と書いています。
関連する複数のサブトピックやデータソースに対して検索を実行し、それをもとに回答を組み立てる手法です。
つまりAIは、利用者が入力した1つの質問だけでなく、そこから派生した複数の検索を使って回答を作ります。この点は、後の節でもう一度使います。
なぜ「Gemini SEO」という言葉だけが独り歩きしたのか
公式の文書に載っていない言葉が、なぜ解説ページや提案資料に並ぶのか。仕組みを先に押さえておくと、売り込みの言葉を落ち着いて読めます。
1つの名前の下に、複数の製品が入っている
Geminiは、アプリの名前であり、AIモデルの名前であり、開発者向けAPIの名前でもあります。Google検索のAIモードのヘルプにも、AIモードでGeminiのモデルを選べる、という記述があります。
名前が1つなので、「Geminiに載る」と言われても、どの画面の話なのかが決まりません。提案を受けたときは、最初にこの点を聞き返してください。
呼び名が増えるほど、商品の入り口が増える
検索セントラルは、サードパーティの助言について、次のように書いています。
「インターネット上には、SEO、検索結果、AI 機能(回答エンジン最適化(AEO)や生成エンジン最適化(GEO)と呼ばれることもあります)に関連する第三者の SEO に関するアドバイスが多数あります。」
AEO、GEO、LLMO、そしてGemini SEO。呼び名は違っても、Google検索の側から見れば、扱う対象は同じ検索の仕組みです。
Googleの立場は、はっきり書かれている
最適化に関するガイドには、AEOとGEOについて次の一節があります。
「Google 検索の観点から見ると、生成 AI 検索向けに最適化することは、検索エクスペリエンス向けに最適化することであるため、SEO であることに変わりはありません。」
この一節を読めば、「Gemini用に別のSEOを始めましょう」という提案が、公式の説明とずれていることが分かります。ただし、ずれていても悪意があるとは限りません。業界の呼び名を、そのまま商品名にしているだけの場合もあります。
共通の部分:Google検索のSEOと、そのまま同じこと
ここからが本題の1つ目です。Gemini SEOと呼ばれる作業のうち、Google検索のSEOと共通する部分を、公式の文書から取り出します。
追加の技術要件はない
AIによる概要やAIモードでサポートリンクとして表示される条件は、検索セントラルの文書に3つだけ書かれています。
ページがインデックスに登録されていること。Google検索でスニペットが表示されること。検索の技術的要件を満たしていること。
文書には「これ以外に追加の技術要件はありません」と続きます。
公式が挙げている基本の作業を、表で見る
「AI 機能とウェブサイト」の文書は、SEOのベストプラクティスとして次の項目を挙げています。それぞれが自社のどこに当たるかを並べました。
| 公式に書かれた作業 | 自社で見る場所 | 見方の目安 |
|---|---|---|
| クロールが robots.txt に加え、CDNまたはホスティングでも許可されている | サーバーの設定、robots.txt | Search Consoleで取得に失敗していない |
| 内部リンクから簡単に見つけられる | 主要ページへの導線 | トップや一覧から数回のクリックで届く |
| 優れたページ エクスペリエンス | スマートフォンでの表示 | 読み込みと操作で迷わない |
| 重要なコンテンツをテキストで提示する | 画像の中に文字を埋めていないか | 見出しと本文がHTMLの文字になっている |
| 画像や動画でテキストを補う | 実物の写真や図 | 本文の内容と一致している |
| 構造化データを、表示されるテキストと一致させる | 構造化データのコード | 画面に無い内容を書いていない |
| Merchant Centerとビジネス プロフィールの情報を最新にする | 店舗や商品の情報 | 営業時間や住所が実態と合っている |
この表のどの行も、AIが登場する前から、SEOの基本として書かれてきた内容です。新しい名前は付いていますが、作業の中身は変わっていません。
「独自性のあるコンテンツ」が、公式の中心に置かれている
2026年10月9日に更新された最適化のガイドは、コンテンツについて次のように書いています。
「ユニークかつ魅力的で役立つと感じるコンテンツを作成すれば、このガイドで説明している他のどの提案よりも、生成 AI 検索でのウェブサイトのプレゼンスを長期的に高めることができると考えられます。」
つまり、公式がいちばん上に置いているのは中身です。特別なタグは、この一節に出てきません。
「コモディティ化されたコンテンツ」への注意
同じガイドには、住宅購入のヒントを例にした説明があります。
誰でも発信できる一般的な知識だけのページは、読者に独自の洞察をほとんど提供しない。一方、経験に基づく見解のあるページは、独自性がある、という整理です。
文書の例では、「検査を免除して費用を節約した理由:下水道管の内部調査」のような、体験に根ざした題材が独自性のある側の例として挙げられています。自社の現場にしかない話を、1ページに1つ入れることが、ここでの直し方になります。
出方が違う部分:Geminiアプリ・AIモード・AIによる概要
2つ目の層です。同じGoogleのAIでも、画面ごとに表示のされ方が違います。違いを知ると、自社がどこを見て確認すればよいかが分かります。
Geminiアプリは「ソース」を出すことがある
Geminiアプリのヘルプには、回答の内容に関連するソースが示されることがある、と書かれています。ソースがある場合は、回答の下または回答内に「ソース」ボタンが表示されます。
ボタンを押すと、右側に関連リンクのパネルが開きます。リンクには、一般公開されているウェブサイトのほか、利用者がアップロードしたファイルなども含まれる、とあります。
「ソースが出ない回答」も、公式に書かれている
見落としやすいのが、次の一文です。
「すべての回答に関連リンクやソースが含まれるわけではありません。」
回答の下に「ソース」ボタンが出ない場合は、その回答ではGeminiアプリがリンクを提供しなかったという意味だ、とも書かれています。
この仕様から分かるのは、Geminiアプリでは、自社サイトがソースに入る場合も、そもそもリンクが出ない場合もある、という点です。リンクが出ない回答に向けて、サイト側ができる工夫は、今回開いた文書には書かれていませんでした。
Geminiアプリが引用するときの表示
ヘルプには、ウェブページよりも大量のテキストを直接引用している場合は、ソースのリストにそのウェブページのリンクが表示される、とあります。
ウェブからの画像が回答に含まれるときも、ソースとリンクが示されると書かれています。自社の写真や図が、出典つきで使われる場面があるということです。
AIモードは、質問を分けて検索する
AIモードのヘルプは、質問をサブトピックに分割し、それぞれを複数のデータソースで同時に検索したうえで、結果を統合して回答する、と説明しています。
回答の品質や有用性に十分な信頼性がない場合は、AIモードでは一連のウェブリンクが表示されることがある、という記述もあります。
AIモードは、利用者がURLを質問バーに貼って、そのウェブページについて質問することもできます。自社サイトのURLが、質問の材料としてそのまま使われる場面があります。
AIによる概要は、毎回は出ない
検索セントラルによると、AIによる概要は「従来の検索結果に対して付加価値があるとシステムが判断した場合にのみ表示されるため、通常はトリガーされません」とのことです。
Google検索のヘルプには、この機能を無効にすることはできないが、検索後に「ウェブ」フィルタを選ぶと、AIによる概要のない文字のリンクだけが表示される、とあります。
3つの画面を、1枚の表で比べる
| 比べる点 | Geminiアプリ | AIモード | AIによる概要 |
|---|---|---|---|
| 自社サイトが出る形 | 「ソース」ボタンの先の関連リンク | 回答とウェブリンク | 要約と関連リンク |
| 必ず出るか | 出ない回答もある | 質問ごとに回答の出方が変わる | 付加価値があると判断された検索のみ |
| 公式が書く表示の条件 | ヘルプにリンクの出し方が書かれている | インデックス、スニペット、技術要件 | AIモードと同じ要件 |
| 使うモデルや手法 | 開いた文書には記載なし | 概要と異なる場合がある | 異なる場合がある |
| 自社が確認する場所 | 手元で質問して見る | Search Console | Search Console |
AIモードとAIによる概要で、モデルや手法が違う場合がある。この点は、検索セントラルが「表示される回答やリンクの内容にも違いがあります」と書いています。
同じ質問を打っても、画面によって自社が出たり出なかったりする。その差は仕様です。
「Gemini専用」として語られるが、公式に根拠が見当たらないもの
3つ目の層です。ここは、公式の文書が「必要ない」と書いているか、そもそも記述がないものを集めました。
先に断っておくと、これらを実施すること自体が禁止されているわけではありません。公式が根拠を示していないものに、時間や費用をかける前に立ち止まってほしい、という整理です。
専用ファイルやAI向けのマークアップを作る
検索セントラルの最適化ガイドは、次のように書いています。
「Google 検索(生成 AI 機能を含む)で表示されるようにするために、機械可読ファイル、AI テキスト ファイル、マークアップ、またはマークダウンを新たに作成する必要はありません。」
llms.txtのようなファイルを作ること自体は、他のサービスのために維持するなら問題ない、とも書かれています。ただしGoogle検索では無視されるので、表示や順位には影響しません。
コンテンツを細かく切り分ける
「AIに読ませやすいように、文章を短い塊に分けましょう」という提案があります。これについて、ガイドはこう書いています。
「AI がコンテンツをより深く理解できるようにするために、コンテンツを細かく分割する必要はありません。」
理想的なページの長さというものもない、とあります。人間の読者にとって読みやすい長さと構成にすることが、公式の答えです。
AI向けに文章を書き換える
「AIが引用しやすい言い回しに直す」という作業も、同じガイドの中で扱われています。
「生成 AI 検索向けの書き方をする必要はありません。」
AIは類義語や、利用者が探しているものの一般的な意味を理解するので、同じ単語が使われていない内容でも提示できる、と続きます。ロングテールのキーワードが不足していると心配する必要もない、とあります。
構造化データへの過剰な取り組み
構造化データは、ここで少し注意が要ります。
「生成 AI 検索に構造化データは必要ありません。」
一方で、リッチリザルトの対象になるために役立つので、SEO戦略全体の一部として使い続けることは勧められています。「Gemini用に特別なスキーマを足す」という話と、「通常のSEOとして構造化データを正しく入れる」という話は、別の話です。
派生する質問ごとにページを量産する
クエリ ファンアウトの仕組みを知ると、「派生する質問をすべてページにしよう」と考えたくなります。ガイドは、これに強く釘を刺しています。
ユーザーが検索する可能性のあるバリエーションごとにコンテンツを個別に作ることは、主に検索ランキングや生成AIの回答を操作する目的で行うなら、スパムに関するポリシーの大量生成されたコンテンツの不正使用に違反する、と書かれています。
ページ数が多いからといって、サイトの品質や関連性が高くなるわけではない、という記述もあります。
世の中の「言及」を探し回る
Googleのガイドによると、ウェブ全体で不正確な「言及」を探すことは、「一見すると役立ちそうですが、実際にはそれほど役に立ちません」とのことです。
コアのランキングシステムは高品質のコンテンツに重点を置き、他のシステムがスパムをブロックする。生成AI機能はその両方に依存している、という説明です。
順位や表示を約束するツール
最後は、ツールの話です。ガイドは、サードパーティのツールについてこう書いています。
「サードパーティ ツールが Google 内部のランキング システムや AI システムにアクセスすることはできません。」
Geminiでの順位を数字で出す、と言うツールを見かけたら、その数字がどこから来ているのかを聞いてください。公式は、そのようなデータにはアクセスできないと書いています。
ここまでを、売り文句と公式の記述で一覧にする
| よく聞く売り文句 | 公式の記述 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| Gemini用の専用ファイルを置く | 新たに作成する必要はない。Googleは使わない | 後回しにしてよい |
| 文章をAI向けに細かく分ける | 細かく分割する必要はない | 読者に合う長さで書く |
| AI向けの言い回しに書き換える | 生成AI検索向けの書き方をする必要はない | 通常の文章を直す |
| 専用の構造化データを足す | 特別なschema.orgマークアップは不要 | 通常の構造化データを正確に |
| 派生した質問をすべてページ化する | 大量生成されたコンテンツの不正使用に当たる恐れ | 1ページ1テーマを守る |
| Geminiの順位を保証する | 順位の保証は書かれていない。ツールは内部データに届かない | 根拠の説明を求める |
この一覧の「判断の目安」は、公式の記述から導いた、この記事での整理です。Googleが個々のサービスを評価した結果ではありません。
専用対策の前にある壁:弊社の実測と、AI利用の広がり
公式に根拠のない作業を省くと、時間と費用が空きます。その空いた分を、どこに回すかを決めるための数字を2つ置きます。
弊社の実測:社名を入れない質問では、ほとんど引用されなかった
弊社は2026年10月に、Claudeで各2回、社名を入れずに事業に関わる11問を質問しました。合計22回の回答のうち、弊社のページが引用元に入ったのは1回でした。
この値は、記事を公開する前の基準として、10月2日に設定を読み込まない条件で測り直したものです。
測ったのは、Anthropic社のClaudeです。Geminiではありません。GoogleのAIモードやAIによる概要の結果でもなく、Gemini SEOの対策をした前後の比較でもありません。
この実測から言えることと、言えないこと
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| 社名を出さない質問では、弊社のページが引用元に入った回数は22回中1回だった | Geminiでも同じ割合になる |
| 測った時点では、引用はほとんど無かった | 対策をすれば引用が増える |
| 条件を書けば、第三者が同じ方法で測り直せる | 回数が少ないので、割合の精密な議論ができる |
この測定から読み取れるのは、測った時点では引用がほとんど無かった、という事実までです。
引用を増やす方法の検証は、これからの作業になります。
AI利用は広がっている
総務省が2026年7月に公表した令和8年版情報通信白書は、2025年度の個人向け調査で、何らかの生成AIサービスを使ったことがあると回答した人の割合が、日本で58.8%だったと示しています。前年度の調査では26.7%でした。
1年で2倍以上に伸びたことになります。ただし、この数字は生成AI全体の利用経験です。Geminiだけの利用者数ではありません。
Geminiの利用者数は、Googleの公式発表に当たれなかったので、この記事には書きません。
3つの層を、図で見る
ここまでの切り分けを、1枚にまとめます。
図を左から右へ読むと、自社が整えられるのは、3番目の「ページを選ぶ」で対象になる自社のページだけだと分かります。
自社サイトで直す場所を決める:答えを受け止めるページを整える
3つの層を切り分けたので、ここからは自社サイトで何を直すかの話です。共通の層に作業を集めると、Google検索にもGeminiにも効く側の作業だけが残ります。
Google検索のAI機能が回答の材料にするのは、一般公開されていて、クロールできるページです。その受け皿を整える作業を、4つに絞りました。
1ページに、1つの問いの答えを置く
AIモードとAIによる概要は、質問を複数のサブトピックに分けて検索します。ガイドの例では、「雑草だらけの芝生を直す方法」という質問から、「芝生に最適な除草剤」「化学薬品を使わずに雑草を除去する方法」「芝生の雑草を防ぐ方法」といった派生する検索が生まれます。
自社の記事でも同じことが起きます。1つの質問の背後に、いくつもの小さな疑問が並んでいます。
新しいページを増やす前に、既存のページの見出しで、その小さな疑問に答えられているかを見てください。答えが無いなら、同じページの中に短い見出しを足します。
自社にしか書けない体験を、1ページに1つ入れる
公式が挙げる「独自の視点」は、体験談や、掘り下げた経験に基づく内容です。既存の情報を言い換えただけのページは、すでに他の場所で手に入る情報の繰り返しだ、と書かれています。
自社の場合は、お客様から実際に聞かれた質問、失敗した事例、判断を変えた理由が材料になります。
たとえば、従業員20人の食品加工会社が「業務用の冷凍食品の選び方」を書くとします。一般論だけで書くと、他社のページと同じ内容になります。そこに「自社の工場で温度管理の基準を見直したきっかけ」を1つ入れるだけで、他のページに無い情報が生まれます。これは架空の例です。
会社や店舗の基本情報を最新にする
検索セントラルは、Merchant Centerとビジネス プロフィールの情報を最新にするよう挙げています。生成AIによる回答には、商品リスティングやローカルビジネスの情報が含まれる場合がある、とも書かれています。
営業時間、所在地、電話番号、取り扱い商品。この4つが、公式サイトと外部の登録情報で食い違っていないかを確かめてください。
技術の土台を点検する
AIによる概要やAIモードのサポートリンクになるための条件は、インデックスされていること、スニペットが表示されること、技術要件を満たしていること、の3つでした。
自社のページがSearch Consoleでインデックスされているか。重要な文章がHTMLの文字になっていて、画像の中に埋まっていないか。この2点は、30分あれば確かめられます。
自社で決められること、決められないこと
AIの時代になって、「自社で操作できる範囲」が分かりにくくなりました。公式の文書から、操作できる範囲を表にしました。
表示を制限する仕組み
| やりたいこと | 公式に書かれた手段 | 補足 |
|---|---|---|
| 検索用のクロールを管理する | Googlebot に対する robots.txt の指定 | 検索の結果とAI機能の両方に関係する |
| 検索に表示される情報を制限する | nosnippet、data-nosnippet、max-snippet、noindex | AI機能に表示される内容にも使える制御として書かれている |
| Googleの他のシステムでのAI学習やグラウンディングを制限する | Google-Extended | 詳細は別の記事で解説 |
| Geminiアプリの回答にリンクを出させる | 開いた文書には手段の記載なし | 自社で決められない |
3行目のGoogle-Extendedの扱いは、「Geminiアプリは自社サイトをどう参照し、引用するのか」で説明しています。この記事では、結論だけを置きます。
決められないことに、時間を使わない
Geminiアプリの回答にリンクを出させる方法は、今回開いた文書に書かれていませんでした。
リンクを提供しない回答があることは、ヘルプに書かれています。決められないものに時間を使うより、決められる範囲の質を上げるほうが、結果として近道です。
制限したいときに起きる、よくある行き違い
プレビュー コントロールを設定したのに、AI機能に内容が表示されてしまう、という相談があります。検索セントラルは、この場合の確認手順を書いています。
URL検査ツールでGooglebotが取得したHTMLを確認すること。再クロールされるまで、数日から数か月かかる場合があること。変更後は、再クロールをリクエストできること。
設定したその日に反映されない、という点を知っておくと、慌てずに済みます。
効果の測り方:Search Consoleで見えることと、見えないこと
対策をしたら、結果を見たくなります。公式の文書で確かめた範囲で、見える部分と見えない部分を分けます。
AIモードとAIによる概要は、Search Consoleに入っている
検索セントラルによると、AI機能に表示されたサイトも、Search Consoleの全検索トラフィックに反映されます。具体的には、検索タイプが「ウェブ」のパフォーマンス レポートに含まれます。
2026年10月9日更新のガイドには、生成AI機能でのパフォーマンスを測定するために、Search Consoleの生成AIパフォーマンス レポートを使うよう書かれています。Search Consoleの見方は、「Google検索セントラル解説 AI機能とウェブサイト」で詳しく説明しています。
AIによる概要からのクリックについて
同じ文書は、次のように書いています。
「AI による概要が表示される検索結果ページからのクリックは、より質が高いことが確認されています。」
理由は、ユーザーがサイトに長く滞在する傾向があるためとされています。この数字そのものは文書に載っていないので、割合は書きません。
Geminiアプリは、同じ方法では測れない
Geminiアプリ経由の訪問を、Search Consoleで分けて見る方法は、今回開いた文書には書かれていませんでした。
測る方法がない領域では、自分で質問して、結果を記録します。質問の文、日時、使った画面(アプリかAIモードか)、ログインの有無。この4つを控えておくと、後から同じ条件で測り直せます。
手元の確認は、毎回条件を書く
先ほどの弊社の実測も、Claude、各2回、2026年10月という条件を書きました。条件が書かれていない測定値は、読む側が信頼してよいかを判断できません。
自社で測るときも、同じ形式で残してください。AIの回答は質問のたびに変わるので、1回の結果で結論を出さないことも大切です。
提案を受けたときに、制作会社やツールの担当者へ聞く質問
最後に、外部の提案を評価するための質問をまとめます。検索セントラルの「サードパーティの助言を評価する」ガイドの考え方に沿っています。
公式の考え方:助言を公式ガイダンスに照らす
ガイドは、実装を検討している助言について、公式のSEOガイドと照らし合わせて慎重に評価し、自分で判断することを勧めています。
また、Googleはサードパーティのサービスを評価していないので、Googleに「容認」されていると主張するサービスには注意するよう書いています。
質問を表にする
| 聞くこと | 良い答えの形 | 注意が要る答えの形 |
|---|---|---|
| その作業の根拠は、Googleのどの文書か | 文書名と該当箇所を示せる | 「業界では常識」で終わる |
| Gemini専用に追加する作業は何か | 通常のSEOとの差を具体的に説明できる | 専用ファイルやタグの話だけ |
| 順位や表示を保証するか | 保証できないと説明する | 期間と順位を約束する |
| 数字の出どころはどこか | 測定の条件を書ける | 内部指標と言うだけ |
| 一般論でない、自社の独自性をどう扱うか | 取材や社内の資料を材料にする | 既存記事の言い換え |
この表のうち、1行目と4行目は、無料でできる質問です。答えを聞くだけで、提案の質の見当がつきます。
AIモード側の整理は、「AIモードでSEOはどう変わる」で説明しています。AI検索対策全体の進め方は、「LLMO対策のやり方」にまとめました。
よくある質問
Q1. Gemini SEO対策は、Google検索のSEOとは別に必要ですか?
別枠の対策が必要だとは、公式の文書に書かれていません。検索セントラルは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もない、と書いています。
通常のSEOで、ページがインデックスされ、スニペットが表示される状態にしておくことが、土台になります。
Q2. Geminiアプリに、自社サイトを載せる方法はありますか?
Geminiアプリのヘルプには、ソースと関連リンクが示されることがある、と書かれています。一方で、すべての回答にソースが含まれるわけではありません。リンクを提供しない回答もあるとされています。
載せるための設定や申請は、今回開いた文書には見当たりませんでした。サイト側でできるのは、一般公開され、クロールでき、役立つ内容を書くことまでです。
Q3. llms.txtを置けば、Geminiに引用されやすくなりますか?
検索セントラルによると、Google検索はこのようなファイルを使わないので、置いても表示や順位に影響しません。
他のサービスのために置くのは自由です。ただ、Geminiに有利になる、という根拠は公式の文書にありません。
Q4. AIモードやAIによる概要に出たかどうかは、どう確かめますか?
Search Consoleのパフォーマンス レポートで、検索タイプ「ウェブ」の数字に含まれます。2026年10月9日更新のガイドには、生成AIパフォーマンス レポートで測定する、とも書かれています。
画面ごとに分けた数字の見方は、レポートの画面で確かめてください。
Q5. 小さな会社は、まず何から始めればよいですか?
最初の1歩は、主要なページが検索にインデックスされているかの確認です。次に、会社や店舗の基本情報が、公式サイトと外部の登録情報で一致しているかを見ます。
その後、お客様からよく聞かれる質問を1つ選び、自社にしか書けない体験を入れて、1ページに答えを書きます。
まとめ:Gemini SEOは、3つに分けて考える
この記事の結論を、もう一度並べます。
「Gemini SEO対策」と呼ばれるものは、Google検索のSEOと共通する部分、画面ごとに表示のされ方が違う部分、公式に根拠が見当たらない部分の3つに分けられます。
共通の部分は、インデックス、スニペット、技術要件、役立つ独自の内容です。ここに作業を集めるのが、公式の文書に沿った進め方です。
表示が違う部分は、Geminiアプリ、AIモード、AIによる概要で、リンクの出し方も出る条件も違います。リンクが出ない回答があることは、ヘルプにも書かれています。
根拠が見当たらない部分は、専用ファイル、文章の細分化、AI向けの書き換え、順位の保証です。費用をかける前に、公式の文書で確かめてください。
保証できるものは、どの層にもありません。保証できる範囲は、自社のページの質と、技術の土台までです。
次の1か月の進め方
最初の週は、点検表の上4行を確かめます。技術の土台に問題があれば、他の作業より先に直します。
2週目から3週目は、売上や問い合わせに近いページを1つ選び、自社にしか書けない体験を入れて書き直します。書き直す前後の日付を控えておくと、変化を後から見直せます。
4週目は、Search Consoleの数字と、手元で質問して記録した結果を並べます。数字が動いていなくても、慌てて専用の対策を足す必要はありません。公式の文書に根拠のある作業を、続けられているかを見てください。
この記事で確かめた資料
2026年10月25日に開いた資料と、そこから使った内容を並べます。
| 資料 | 使った内容 |
|---|---|
| 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」(2025年12月31日更新) | 追加の要件がないこと。表示の技術要件。ベストプラクティスの一覧。Search Consoleでの測定 |
| 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」(2026年10月9日更新) | 独自性のあるコンテンツ。する必要のないこと。クエリ ファンアウトの説明。生成AIパフォーマンス レポート |
| 検索セントラル「サードパーティの SEO ツール、サービス、アドバイスの使用に関する Google 検索のガイダンス」(2026年6月10日更新) | 助言を公式ガイダンスに照らすこと。サードパーティ サービスはGoogleが評価していないこと |
| Gemini アプリ ヘルプ「Gemini アプリの関連ソースを表示する」 | ソースボタン。ソースが無い回答があること。直接引用の表示 |
| Google 検索ヘルプ「AI による概要」「AI モード」 | 表示の条件。ウェブフィルタ。クエリ ファンアウトの説明 |
| Google AI for Developers「Google 検索によるグラウンディング」(2026年10月13日更新) | モデルが検索の要否を判断し、検索結果に基づいて引用つきで回答する流れ。開発者向けの機能であること |
| 総務省「令和8年版情報通信白書」第Ⅰ部第1節 | 日本の生成AI利用経験率58.8%(2025年度個人向け調査)、前年度26.7% |
| 弊社の測定(2026年10月、Claude、各2回) | 社名なしの質問で、22回中1回の引用 |
今日できる点検
次の表の項目を、上から順に確かめてください。1項目あたり15分ほどで終わります。
| 点検の項目 | 確かめる場所 | 合格の目安 | 直すこと |
|---|---|---|---|
| 主要ページがインデックスされている | Search Consoleのページ レポート | 重要なページに登録の問題が出ていない | 原因を確かめ、再クロールをリクエストする |
| robots.txtとCDNがクロールを許可している | robots.txtとホスティングの設定 | 検索のクローラーが遮断されていない | 遮断の設定を外す |
| 重要な文章がHTMLの文字になっている | ページのソース | 見出しと本文を選択してコピーできる | 画像の中の文字を本文に書き起こす |
| 構造化データが画面の内容と一致している | リッチリザルト テスト | 画面に無い内容を含んでいない | 本文を先に直してから修正する |
| 会社や店舗の基本情報が一致している | 公式サイトとビジネス プロフィール | 営業時間、所在地、電話番号が同じ | 古い情報の側を直す |
| 主要ページに自社の体験が1つ入っている | 売上上位のページ | 一般論だけのページがない | お客様の質問や失敗事例を足す |
| 派生する疑問が見出しで拾えている | 主要ページの見出し | 小さな疑問に答える見出しがある | 新規ページを作る前に見出しを足す |
| 「Gemini専用」の提案に根拠を聞いた | 提案資料、制作会社とのやり取り | 公式のどの文書か示される | 示されない作業は後回しにする |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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