民泊を始めて、予約サイトに物件を載せた。写真も業者に頼んできれいに撮ってもらった。
それなのに、繁忙期以外は予約が埋まらず、料金を下げても思ったほど動かない。予約サイトの手数料を引くと、手元に残るものは想像よりずっと少ない。
この記事は、そうした悩みを抱える民泊のホストの方と、民泊の運営を請け負っている会社でウェブの集客を担当している方に向けて書いています。
集客の手法を並べる前に、民泊に泊まろうとしている人が、予約の直前に何をためらっているのかを整理します。そのうえで、物件の紹介ページや自分の宿のホームページのどこから直せば、初めての宿泊者が安心して予約でき、次の旅行でもまた選んでくれるのかを順番に見ていきます。
読み終えたときに、自分の宿のページで最初に直す場所が1つ決まっている。そこをこの記事のゴールにしています。
一棟貸しの古民家、マンションの一室、家主が同じ建物に住む形の民泊。形は違っても、泊まる人がためらう理由はよく似ています。
この記事では、住宅宿泊事業法に基づいて届け出た民泊を中心に書き、形によって違いが出るところだけを補足します。
Q&Aサイトに並ぶ、泊まる人の不安
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿者は、民泊に一度泊まってみたいと考えている女性の方でした。ネットの予約ページを見ると、一軒家を丸ごと借りられて、ロフトまで付いていて、普通の家より快適そうに見える。
料金も手頃だ。ところが、民泊について調べると「女性の一人旅は危ない」という話がたくさん出てくる。
どんなことが危ないのか、なぜ民泊に反対する人がいるのか、教えてほしいという内容です。
回答には、厳しい言葉が並んでいました。見知らぬ人が出入りすることで、マンションのオートロックが意味をなさなくなる。
宿泊者は鍵を受け取るだけで家主と顔を合わせないので、何かあっても注意する人がいない。夜中に騒ぐ、ごみを散らかす、部屋番号を間違えて別の部屋の扉を叩き続ける。
近隣に住む人たちの不安や怒りが、そのまま書き込まれていました。
この投稿はずいぶん前のものです。その後、住宅宿泊事業法が施行され、民泊には届出や標識の掲示、安全のための設備が義務づけられました。
けれども、このQ&Aは今も検索すると上のほうに出てきます。民泊に泊まろうとしている人の多くは、予約の前に同じような話を目にしています。
泊まる人は、安さと快適さの裏側を気にしている
この投稿から分かるのは、泊まる人が民泊に惹かれる理由と、ためらう理由が、同時に存在しているという事実です。広い部屋、台所付き、家族や仲間とまとまって泊まれる、料金が手頃。
こうした魅力は、予約ページの写真を見れば伝わります。
一方で、ためらう理由のほうは、写真には写りません。本当にこの物件は届け出ている正規の宿なのか。
夜中に何かあったとき、誰に連絡すればよいのか。近所の人から迷惑がられていないか。
女性だけで泊まっても大丈夫なのか。こうした不安は、予約ページの説明文の中にも、たいてい書かれていません。
写真が魅力的であるほど、泊まる人は「本当に大丈夫だろうか」と慎重になります。ホテルであれば、フロントに人がいて、建物の管理も行き届いているだろうと、説明がなくても想像できます。
民泊にはその前提がないぶん、泊まる人は紹介ページの中に、ホテルなら当たり前にある安心の代わりを探しています。きれいな写真だけが並び、不安に答える材料がないページは、予約の直前で閉じられていきます。
ホストが伝えていることと、泊まる人が知りたいこと
民泊の紹介ページでよく見かける内容と、泊まる人が予約の直前に知りたい内容を並べてみます。
| ホストがよく載せている内容 | 泊まる人が知りたいこと | ずれが生む結果 |
|---|---|---|
| 部屋と設備の写真 | この宿は届け出ている正規の宿か | 快適そうだが、信用してよいか分からない |
| 最寄り駅からの距離 | 夜に着いても迷わず入れるか | 近いのは分かるが、到着の流れが見えない |
| 定員と寝具の数 | 女性だけや子ども連れでも安心か | 人数は合うが、安全面が分からない |
| 無人で手続きできる便利さ | 困ったときに誰に連絡できるか | 便利そうだが、かえって心細い |
| 周辺の観光地の紹介 | 近所の人に迷惑をかけないか | 楽しそうだが、気兼ねが残る |
左の列はどれも大切な情報です。ただ、予約ボタンを押す直前のためらいには、右の列のほうがずっと近いところにあります。
とくに無人で手続きできることは、ホストにとっては売りのつもりでも、初めての人には「何かあっても誰もいない」と読めてしまいます。
泊まる人の顔ぶれで、不安の中身は変わる
民泊に泊まる人は、旅行の目的も同行者もさまざまです。誰と泊まるかによって、予約の前に気にすることの中身が変わります。
自分の宿がどんな人に選ばれやすいかを思い浮かべながら、次の表を見てください。
| 泊まる人 | 予約の前に気にすること | 紹介ページで答えておきたいこと |
|---|---|---|
| 女性だけの旅行 | 夜の出入りと鍵の安全 | 鍵の仕組みと周辺の夜の様子 |
| 小さな子ども連れの家族 | 階段や段差、騒いだときの近所の目 | 部屋の段差と、子どもの声への配慮の考え方 |
| 高齢の親を連れた旅行 | 駅からの坂道と、布団かベッドか | 道のりの様子と寝具の種類 |
| 海外からの旅行者 | 言葉が通じるか、ごみの分け方 | 連絡に使える言葉と、ごみの出し方の図 |
| 仕事での長期滞在 | 仕事ができる机と通信の速さ | 机の大きさと通信の環境 |
同じ宿でも、泊まる人の顔ぶれによって、先に知りたいことは違います。すべてに答えようとすると説明が長くなるので、まず自分の宿を選んでくれることの多い人を1つか2つに絞り、その人たちの不安から答えていくと、紹介ページの説明に筋が通ります。
国の数字で見る、民泊の今
民泊を取り巻く状況は、ここ数年で大きく変わりました。観光庁が公表している「住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況一覧」の令和8年7月15日時点の数字を見てみます。
この一覧によると、全国でこれまでに届け出られた件数は65,837件です。そのうち、事業を廃止したものが23,767件あり、差し引いた届出住宅の数は42,070件でした。
届け出たうちのおよそ3件に1件が、すでに事業をやめていることになります。
廃止の理由は一様ではありません。ただ、始めてみたものの予約が思うように入らず、手間と費用に見合わずにやめたホストが一定数いることは、想像に難くありません。
一方で、4万件を超える民泊が今も営業しているということは、泊まる人から見れば、選択肢がそれだけ多いということでもあります。
選択肢が多いほど、選ばれる理由が要る
4万件を超える民泊の中から、泊まる人は自分の旅行に合う1軒を選びます。予約サイトで地域と日付を入れると、似たような写真と料金の物件がずらりと並びます。
その中で選ばれるには、ほかの物件との違いを、泊まる人に伝わる形で見せなければなりません。
| 物件の見せ方 | 泊まる人の受け取り方 | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 写真の美しさで競う | どの物件もきれいに見える | 違いが分からず、料金で選ばれる |
| 料金の安さで競う | 安いのはありがたいが、少し不安 | 安さに見合う不安を感じて見送られる |
| 設備の多さで競う | 便利そうだが、決め手にならない | 同じ設備の物件と比べられ続ける |
| 安心の材料を見せる | ここなら大丈夫そうだ | 慎重な人から先に選ばれる |
表の最後の行が、この記事で扱う方向です。写真や料金や設備で競うと、同じ土俵の物件と比べられ続けます。
安心の材料は、ほかの物件がまだ十分に見せていない部分です。慎重な人ほど、そこを見て宿を決めています。
なぜ民泊の紹介ページは、泊まる人の不安に答えないのか
泊まる人の不安に答えていない紹介ページが多いのは、ホストの手抜きから来るものとは限りません。民泊のページが作られるときの流れそのものに、不安への答えが抜け落ちやすい仕組みがあります。
ページを作るとき、見ているのは写真と料金
民泊を始めるとき、多くのホストがまず力を入れるのは写真です。予約サイトの一覧では、最初の1枚の写真で目に留まるかどうかが決まる、と言われます。
広角のレンズで部屋を広く見せ、明るい時間に撮り、寝具や小物を整えて並べる。写真の出来が予約の数を左右する、という話は間違っていません。
次に力を入れるのが料金です。周辺の物件と比べながら、曜日や季節ごとに料金を上げ下げする。
予約の入り具合を見ながら、細かく調整していく。運営を代行する会社に任せている場合も、写真と料金の調整が主な仕事になっていることがよくあります。
こうしてできあがった紹介ページは、一覧の中で目立ち、条件で絞り込まれたときに残ることを目的にしています。運営の代行を請け負う会社にとっても、写真と料金は成果が数字で見えやすい部分です。
写真を撮り直せば一覧でのクリックが増え、料金を調整すれば予約の数が動きます。一方で、説明文を書き直したことの効き目は、すぐには数字に表れません。
そのため、説明文は運営を始めたときに書いたまま、何年も手が入っていないことがよくあります。
一覧で目に留まった人が、詳しいページを開いたあとに何を確かめたいのか。そこまで考えて作られたページは、まだ多くありません。
法律で決まっていることが、泊まる人には伝わっていない
住宅宿泊事業法には、ホストが守らなければならないことがいくつも定められています。たとえば、第6条には、次のような定めがあります。
「非常用照明器具の設置、避難経路の表示その他の火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置」
また、第13条には、標識についての定めがあります。
「住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令・厚生労働省令で定める様式の標識を掲げなければならない。」
届け出た民泊は、こうした安全の措置を講じ、届出番号の入った標識を掲げています。泊まる人が知りたがっている「正規の宿か」「何かあったときに大丈夫か」という問いに対して、ホストはすでに答えを持っているのです。
ところが、紹介ページを見ると、そのことがほとんど書かれていません。届出番号は予約サイトの決まった欄に小さく表示されるだけで、非常用の照明や避難経路の案内は、到着してから初めて目にします。
守っていることを見せていないために、守っていない物件と同じように見えてしまいます。
| 法律で求められていること | ホストがしていること | 泊まる人への伝わり方 |
|---|---|---|
| 届出と標識の掲示 | 玄関に標識を掲げている | 予約の前には見えない |
| 非常用照明と避難経路 | 設備を整えている | 到着してから知る |
| 宿泊者名簿の作成 | 本人確認をしている | 手続きの手間としか思われない |
| 周辺への配慮の説明 | ハウスルールを渡している | 注意書きの多さに身構える |
| 苦情への対応 | 連絡先を掲げている | 自分が困ったときの連絡先と結びつかない |
右の列を読むと、ホストが守っていることの多くが、泊まる人には安心の材料として届いていないことが分かります。同じことでも、見せ方を変えれば、予約の前の不安に答える材料になります。
予約サイトの中では、宿の個性が消えていく
予約サイトは、民泊に人を集める入口としてとても役に立ちます。旅行を計画している人が最初に探しに来る場所であり、決済や言葉の壁も肩代わりしてくれます。
ただ、予約サイトの中だけで勝負しようとすると、宿の個性は消えていきます。
予約サイトの紹介ページには、決まった項目と決まった形式があります。写真、設備の一覧、定員、料金、評価の点数。
どの物件も同じ枠の中に情報を入れるので、泊まる人から見ると、どれも似たような宿に見えます。枠の中に収まらないこと、たとえばホストがどんな思いでこの家を整えたか、近所の人とどう付き合っているか、困ったときにどう動くか。
そうした情報を伝える余地は、ほとんどありません。
近所の目は、泊まる人にも伝わっている
Q&Aサイトの回答には、民泊の近くに住む人たちの不安や怒りが書き込まれていました。こうした声は、泊まる人の耳にも届いています。
民泊について調べると、近隣とのもめごとの話がいくつも出てくるからです。
泊まる人の中には、「自分が泊まることで、近所の人に迷惑がられるのではないか」と気にする人がいます。とくに日本人の旅行者や、小さな子ども連れの家族は、近所の目を気にしながら滞在することを嫌がります。
せっかくの旅行なのに、廊下を歩くたびに気を遣い、子どもが声を上げるたびにひやひやする。そうした滞在を想像すると、民泊を選ぶのをやめてホテルにしようと考えます。
ホストが近所の人とどう付き合っているかは、泊まる人にとって、気兼ねなく過ごせるかどうかの手がかりになります。近所に宿のことを説明している、苦情の窓口を掲げている、ごみの出し方を地域の決まりに合わせている。
そうした取り組みを紹介ページで伝えれば、泊まる人は安心して滞在を思い描けます。
予約サイトに頼り切ると、何が起きるか
予約サイトに頼り切った集客には、いくつか避けにくい問題があります。どれも、始めた直後には見えにくく、しばらく経ってから効いてきます。
評価が少ないうちは、一覧に埋もれる
予約サイトの一覧では、評価の点数や件数が多い物件が上に表示されやすくなります。始めたばかりの物件は評価がないため、一覧の下のほうに置かれ、詳しいページを開いてもらう機会そのものが少なくなります。
評価を集めるには泊まってもらう必要があり、泊まってもらうには一覧で目に留まる必要がある。始めたばかりのホストは、この循環の外側から入っていかなければなりません。
多くのホストは、ここで料金を下げて最初の宿泊者を集めようとします。
手数料と料金の調整で、手元に残るものが減る
予約サイトを通した予約には手数料がかかります。一覧で目に留まるために料金を下げ、そこから手数料を引くと、清掃や消耗品や光熱費をまかなったあとに残るものは、想像よりずっと少なくなります。
しかも、料金で選んだ宿泊者は、次の旅行でも料金で宿を選びます。同じ地域に泊まるときでも、もっと安い物件が見つかれば、そちらに移っていきます。
料金を下げて集めた宿泊者は、次の予約につながりにくいのです。
| 予約サイトの中での状態 | 起きやすいこと | 残る課題 |
|---|---|---|
| 評価がまだない | 一覧の下に埋もれる | 最初の宿泊者を料金で集めがちになる |
| 料金を下げて埋めている | 予約は入るが残るものが少ない | 料金で選ぶ人は料金で離れる |
| 評価の点数に一喜一憂する | 1件の低評価で予約が止まる | 評価の理由を先回りして防げていない |
| 規約の変更に振り回される | 表示順や手数料が突然変わる | 自分では何も決められない |
| 泊まった人と直接つながれない | 次の旅行の案内ができない | 何度泊まっても毎回初対面になる |
表の最後の行は、とくに見落とされがちです。予約サイトを通して泊まった人とは、宿泊が終わると連絡が途切れます。
次の旅行のときに思い出してもらう手段がなく、よい滞在をしてくれた人とも、毎回初対面からやり直すことになります。
予約が埋まらないときに選びがちな手
予約が思うように入らないとき、ホストがまず考えるのは、料金をさらに下げること、写真を撮り直して部屋を飾ること、掲載する予約サイトを増やすことです。
どれもすぐに始められて、少しの間は動きが出ます。ただ、どれも泊まる人のためらいには答えていません。
料金をさらに下げると、不安が増える
料金を下げれば、条件で絞り込んでいる人の目に留まりやすくなります。空いている日を埋めるための値下げは、宿の運営でよく使われる手です。
ただ、周辺の物件より明らかに安い料金は、泊まる人に別の印象も与えます。この料金で大丈夫なのか、何か問題がある物件なのではないか。
とくに民泊に初めて泊まる人や、女性だけで泊まる人は、安さの理由を気にします。値下げで目に留まっても、安さの理由が分からないまま予約を見送られることがあります。
値下げで集まった宿泊者は、次も料金で宿を選びます。料金を元に戻すと予約が止まり、また下げる。
この繰り返しの中で、清掃や備品にかけられる手間が削られ、評価の点数が下がり、さらに料金を下げなければならなくなる。こうした悪循環に入ってしまうホストは少なくありません。
写真を撮り直し、部屋を飾り立てる
予約が入らない理由を写真に求めて、撮り直しを頼むホストもいます。家具を買い足し、照明を変え、小物を並べて、見栄えのする部屋に整える。
写真はたしかに見違えるほどよくなります。
ところが、写真がよくなっても、泊まる人の不安は写真には写りません。正規の宿かどうか、困ったときに誰に連絡できるか、近所に迷惑をかけないか。
写真が華やかになるほど、泊まる人は「本当にこの通りなのか」と慎重になります。部屋を飾り立てることにかけた費用と時間が、予約の数に見合わないことがよくあります。
| 選びがちな手 | 増えるもの | 増えないもの |
|---|---|---|
| 料金をさらに下げる | 一覧で目に留まる回数 | 安さに対する安心 |
| 写真を撮り直す | 一覧でのクリック | 正規の宿だという確信 |
| 家具や小物を買い足す | 写真の見栄え | 困ったときの連絡先の分かりやすさ |
| 予約サイトを増やす | 掲載される場所 | 宿を選ぶ理由 |
| 無人の手続きを増やす | ホストの手間の軽さ | 初めての人の心強さ |
表の右の列は、どれも泊まる人が予約の直前に確かめたいことです。左の手をいくら重ねても、右の列は埋まりません。
無人化を進めるほど、心細さが増す
民泊の運営では、鍵の受け渡しを暗証番号にし、案内をすべてメッセージで済ませ、ホストが一度も顔を合わせずに宿泊が終わる形が広がっています。ホストにとっては手間が減り、宿泊者にとっても好きな時間に到着できるという利点があります。
便利さと心細さは、表裏の関係にある
無人で手続きできることは、慣れた旅行者にとっては便利です。一方で、民泊に初めて泊まる人にとっては、心細さの原因にもなります。
夜遅くに着いて暗証番号がうまく開かなかったら。部屋に入ってお湯が出なかったら。
近所の人に声をかけられたら。そのとき、誰に連絡すればよいのか、どれくらいで返事が来るのかが分からないと、不安は大きくなります。
Q&Aサイトの回答にあった「宿泊者は鍵を受け取るだけで家主と顔を合わせない」という言葉は、近隣の人の不安として書かれたものです。けれども、同じことを泊まる人の側から見れば、「何かあっても誰もいない」という不安になります。
無人でも、人の気配は伝えられる
無人で手続きできる仕組みそのものを、やめる必要はありません。大切なのは、無人であっても、困ったときにすぐに人とつながれることを、予約の前に伝えておくことです。
連絡の手段と、返事が来るまでの目安の時間。夜間や早朝に何か起きたときの対応。
近くに駆けつけられる人がいるかどうか。こうしたことを紹介ページに書いておけば、無人の手続きは「便利なうえに、困ったときも安心」という見え方に変わります。
| 無人の仕組み | 慣れた旅行者の受け取り方 | 初めての人の受け取り方 | 添えるとよい説明 |
|---|---|---|---|
| 暗証番号の鍵 | 好きな時間に入れて便利 | 開かなかったらどうしよう | 開かないときの連絡先と対応の流れ |
| メッセージでの案内 | やりとりが気楽 | 返事が来なかったらどうしよう | 返事までの目安の時間 |
| 対面なしの手続き | 手間がかからない | 誰の家か分からず心細い | ホストの顔写真と一言のあいさつ |
| 夜間の無人 | 静かで過ごしやすい | 何かあったら誰もいない | 夜間の緊急の連絡先と駆けつける人 |
無人の仕組みに一言の説明を添えるだけで、同じ仕組みが初めての人にとっての安心に変わります。
説明を添えるときは、うまくいかなかった場合の流れを具体的に書くのがこつです。「暗証番号で開かない場合は、玄関の横にある鍵の箱の番号をメッセージでお送りします。
それでも開かない場合は、近くに住むスタッフが20分ほどで伺います」。ここまで書いてあれば、夜遅くに着く人も、女性だけで泊まる人も、うまくいかなかったときの自分の動きを思い描けます。
うまくいく場合の説明は、どの宿にも書いてあります。うまくいかない場合の説明こそが、ほかの宿との違いになります。
掲載先を増やしても、選ぶ理由は増えない
1つの予約サイトで予約が埋まらないと、ほかの予約サイトにも掲載を広げるホストがいます。掲載先が増えれば、目に留まる機会も増える、という考えです。
同じ説明を、同じ形で並べているだけ
掲載先を増やしても、それぞれの予約サイトに載せる説明は、たいてい同じ写真と同じ文章です。どの予約サイトでも、周辺の似た物件と並べられ、写真と料金と評価で比べられます。
掲載先が増えても、選ばれる理由が増えたわけではありません。
さらに、掲載先が増えると、予約の管理や料金の調整、メッセージへの返事の手間も増えます。二重に予約が入らないよう気を配り、それぞれの予約サイトの規約の変更にも目を通さなければなりません。
手間が増えたぶん、泊まる人を迎える準備にかけられる時間が減っていきます。
増やす前に、1つのページを厚くする
掲載先を増やす前に、1つの紹介ページを厚くすることを考えてください。泊まる人が予約の直前に確かめたいことに、そのページがどこまで答えているか。
答えていない項目が多いなら、掲載先を増やしても、答えていないページが増えるだけです。
1つのページで不安に答えられるようになれば、その説明をほかの予約サイトにも自分の宿のホームページにも使い回せます。答えの厚いページを1つ作るほうが、薄いページを増やすより、ずっと早く効いてきます。
たとえば、同じ地域で似た広さの一軒家が2軒並んでいるとします。1軒は写真が20枚あり、説明文は設備の一覧だけ。
もう1軒は写真が10枚で、説明文の冒頭に届出番号と、到着の流れと、困ったときの連絡先が書いてある。慎重な旅行者がどちらを選ぶかは、はっきりしています。
写真の枚数を増やすより、説明文の最初の数行を書き直すほうが、手間も費用もかかりません。
売れるサイトはみな謙虚という考え方
ここまで見てきた問題には、共通する原因があります。紹介ページが、宿の側から語られていることです。
部屋の広さ、設備の充実、写真の美しさ、立地の便利さ。どれもホストが伝えたいことで、泊まる人が予約の前に確かめたいこととは順番が違います。
私たちは、この順番を入れ替えることを「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。主役の座を、宿から泊まる人へ譲るということです。
ホストは、初めての土地で不安を抱えている旅行者の道案内をする立場に回ります。
主役を、泊まる人の側に置く
主役を入れ替えると、紹介ページの最初に置くものが変わります。これまで「駅から徒歩5分、広々とした一軒家」と書いていた場所に、「初めて民泊に泊まる方へ。
届け出た宿として、到着から出発まで困ったときにすぐ連絡がつく形で運営しています」と書く。部屋の広さや設備は消さずに、その下に置き直します。
泊まる人がページを開いて最初に知りたいのは、この宿に泊まって大丈夫かどうかです。大丈夫だと思える材料を先に渡し、そのうえで部屋の魅力を見せれば、写真の美しさは「ここなら安心して楽しめる」という期待として受け取られます。
ホストは道案内に回る
道案内に回るというのは、泊まる人が迷わずに済むよう、ホストの側が先回りして道筋を示すことです。到着したらどう入るのか、困ったらどこに連絡するのか、近所の人とはどう接すればよいのか、出発のときに何をすればよいのか。
こうした道筋を、予約の前に差し出します。
「うちの宿を選んでください」と訴えるより、「民泊を選ぶときは、ここを確かめてください」と伝えるほうが、慎重な旅行者は耳を傾けてくれます。
確かめる項目を示したホストが、その項目に一番誠実に答えているなら、選ばれるのは自然な流れです。売り込まなくても、確かめた結果として選ばれる。
それが謙虚なサイトの考え方です。
説明文の書き出しを比べてみる
主役を入れ替えるとはどういうことか、説明文の書き出しで比べてみます。
入れ替える前の書き出しは、たとえば次のようなものです。「駅から徒歩5分。
築浅の一軒家を丸ごと貸し切り。最大8名まで宿泊可能で、広いリビングと最新の設備を備えています。
観光にも便利な立地です」。宿の魅力は伝わりますが、泊まる人の不安には一言も触れていません。
入れ替えたあとの書き出しは、次のようになります。「住宅宿泊事業法に基づいて届け出た宿です。
到着の日は、駅から宿までの道順と鍵の開け方を写真付きでお送りします。滞在中に困ったことがあれば、メッセージには30分以内にお返事し、夜間は電話でもつながります。
駅から徒歩5分の一軒家で、最大8名まで泊まれます」。
後者の書き出しには、宿の魅力も入っています。違うのは順番だけです。
不安への答えが先にあると、そのあとに続く駅からの近さや広さが、安心して楽しめる理由として読まれます。
予約の前に答えておく5つのこと
では、具体的に何を紹介ページに書けばよいのか。泊まる人が予約の前にためらう理由をもとに、答えておきたい項目を5つに絞りました。
1. 届け出た正規の宿であること
届出番号を、紹介ページの最初のほうに書きます。予約サイトの決まった欄に表示されているだけでは、泊まる人の目にはなかなか留まりません。
説明文の冒頭で「住宅宿泊事業法に基づいて届け出た宿です」と一言添え、届出番号を示し、玄関に標識を掲げていることを書いておきます。
標識の写真を1枚載せるのも効果があります。法律で決まった様式の標識は、泊まる人にとって、ここが正規の宿だという目に見える証しになります。
守っていることを見せるだけで、守っていない物件との違いがはっきりします。
2. 到着から入室までの流れ
最寄り駅から宿までの道順、建物の入口、鍵の開け方、部屋に入ってから最初にすること。到着から入室までの流れを、順番に書きます。
夜に着く人のために、夜の道の様子や、建物の入口の明るさにも触れておきます。
図のように、到着の前から出発のあとまで、各段階でホストが何を約束するかを並べておくと、泊まる人は予約の前に滞在の全体を思い浮かべられます。初めての人ほど、流れが見えているだけで安心します。
3. 困ったときの連絡先と、返事の目安
連絡の手段と、返事が来るまでの目安の時間を書きます。「メッセージには30分以内にお返事します」「夜間は電話でもつながります」といった具体的な約束です。
近くに駆けつけられる人がいる場合は、そのことも書いておきます。
鍵が開かない、お湯が出ない、忘れ物をした。困りごとの例と、そのときの対応を短く並べておくと、泊まる人は「何かあっても大丈夫だ」と思えます。
困ったときの連絡先が見えている宿は、無人の手続きであっても心細くありません。
4. 安全のための設備と、女性や家族への配慮
非常用の照明、避難経路の案内、消火器、火災警報器。法律で求められている安全のための設備を、紹介ページで説明します。
そのうえで、女性だけで泊まる人や、小さな子ども連れの家族への配慮があれば書いておきます。
鍵が内側から二重にかけられる、窓に補助の鍵が付いている、共用部分に防犯の設備がある、ほかの宿泊者と顔を合わせない動線になっている。こうした説明は、Q&Aサイトの投稿者のような不安を抱えている人に、直接届きます。
5. 近所の人と、気持ちよく過ごすための約束
ごみの出し方、夜の静かな時間、共用部分の使い方、喫煙の場所。いわゆるハウスルールを、注意書きの羅列にせず、近所の人と気持ちよく過ごすための約束として書きます。
「この家は住宅地の中にあります。夜10時以降は窓を閉めて過ごしていただくと、近所の方も安心して休めます」といった書き方です。
約束の理由を添えて書くと、泊まる人は身構えずに受け止められます。近所に配慮している宿だと分かれば、泊まる人自身も「気兼ねなく過ごせる宿だ」と感じます。
| 答えておく項目 | 置く場所 | 泊まる人の変化 |
|---|---|---|
| 届け出た正規の宿であること | 説明文の冒頭 | 信用してよい宿だと分かる |
| 到着から入室までの流れ | 写真のすぐ下 | 夜に着いても迷わないと思える |
| 困ったときの連絡先と返事の目安 | 設備の説明の前 | 無人でも心細くないと分かる |
| 安全のための設備と配慮 | 定員と寝具の説明の横 | 女性や家族でも安心だと思える |
| 近所と気持ちよく過ごす約束 | 予約ボタンのすぐ上 | 気兼ねなく過ごせると感じる |
宿の形によって、先に答えることは変わる
5つの答えはどの民泊にも当てはまりますが、宿の形によって、泊まる人が特に気にすることは少しずつ違います。自分の宿の形に合わせて、どこを厚く書くかを決めてください。
家主が同じ建物に住む形
家主が同じ建物に住んでいる民泊は、困ったときにすぐ人がいるという強みを持っています。この強みは、書かなければ伝わりません。
「同じ建物の1階に住んでいます。何かあればいつでも声をかけてください」と一言書くだけで、無人の民泊との違いがはっきりします。
一方で、家主と顔を合わせることを気詰まりに感じる人もいるので、生活の場所が分かれていることや、必要なとき以外は干渉しないことも書いておきます。
一棟貸しの形
一軒家を丸ごと貸す民泊は、家族や仲間で気兼ねなく過ごせることが魅力です。その反面、周りに誰もいない心細さと、近所の目の両方を気にされやすい形でもあります。
駆けつけられる人がどこにいるか、夜の周辺の様子、庭や駐車場の使い方と、近所の方への配慮を具体的に書いておくと、泊まる人は安心して予約できます。
マンションの一室の形
マンションの一室を使う民泊は、Q&Aサイトの回答で近隣の不安が一番強く書かれていた形です。泊まる人も、そのことを知っています。
管理組合の規約で民泊が認められていることや、共用部分での過ごし方の約束を紹介ページに書いておくと、泊まる人は「この宿は建物の人たちに認められている」と受け取れます。
オートロックの暗証番号の扱いなど、建物の安全を守るための工夫も書いておきます。
| 宿の形 | 泊まる人が特に気にすること | 厚く書くところ |
|---|---|---|
| 家主が同じ建物に住む | 家主との距離感 | すぐに頼れることと、干渉しないこと |
| 一棟貸し | 周りに誰もいない心細さ | 駆けつけられる人と夜の周辺の様子 |
| マンションの一室 | 建物の住人の目 | 規約で認められていることと共用部分の約束 |
| 古民家や地方の一軒家 | 設備の古さと交通の便 | 水回りや冷暖房の状態と、駅からの足 |
宿の形ごとの強みと弱みを正直に書くと、泊まる人は自分の旅行に合うかどうかを予約の前に判断できます。合わない人が予約を見送ってくれることは、低い評価を防ぐことにもつながります。
予約サイトと自分の宿のページをつなぐ
紹介ページで予約の前の不安に答えられるようになったら、予約サイトと自分の宿のホームページの役目を分けて、つないでいきます。
予約サイトには、入口と決済の役目を持たせる
予約サイトは、旅行を計画している人が最初に探しに来る場所です。決済や言葉の壁も肩代わりしてくれます。
予約サイトの紹介ページには、先ほどの5つの答えの要点を載せ、泊まる人が一覧から詳しいページを開いたときに、不安がすぐに解けるようにしておきます。
予約サイトの中では、外部のサイトへの案内や、予約サイトを通さない予約の誘導が禁止されていることがよくあります。規約は必ず確かめ、許されている範囲の中で説明を厚くしてください。
自分の宿のページには、選ぶ理由と再訪の役目を持たせる
自分の宿のホームページは、予約サイトの枠には収まらない情報を伝える場所です。ホストがどんな思いでこの家を整えたか、近所の人とどう付き合っているか、この地域でどう過ごすとよいか。
予約サイトでは伝えきれない、選ぶ理由を書きます。
また、一度泊まってくれた人が次の旅行で思い出してくれたときに、たどり着ける場所にもなります。予約サイトで検索し直さなくても、宿の名前で探せば見つかる。
直接予約できる仕組みを用意しておけば、手数料をかけずに迎えることもできます。
| 場所 | 役目 | 載せるもの |
|---|---|---|
| 予約サイトの紹介ページ | 入口と決済 | 5つの答えの要点と写真 |
| 自分の宿のホームページ | 選ぶ理由と再訪の受け皿 | ホストの思いと地域の過ごし方 |
| 宿の中の案内 | 滞在中の安心 | 困ったときの連絡先と近所との約束 |
| 出発のあとの連絡 | 次の旅行へのつなぎ | お礼と、また来てもらうための案内 |
それぞれの場所に役目を分けると、どこから来た人も、迷わずに予約までたどり着けるようになります。予約サイトに頼る割合も、少しずつ下げていけます。
評価とまた来たい気持ちは、予約の前に育つ
民泊の集客というと、新しい宿泊者を増やすことに目が向きがちです。けれども、宿の運営を安定させるのは、よい評価を積み重ねることと、一度泊まった人が次の旅行でもまた選んでくれることです。
低い評価の多くは、予約の前の説明不足から生まれる
民泊の評価で点数が下がる理由を見ていくと、「思っていたのと違った」という声がよく出てきます。駅から近いと思ったのに坂道がきつかった。
夜は静かにと言われたのに、そのことを知らずに大人数で予約してしまった。鍵の開け方が分からず、連絡してもすぐに返事が来なかった。
どれも、予約の前に知っていれば、覚悟して泊まれたことです。あるいは、自分の旅行に合わないと分かって、予約を見送れたことです。
予約の前に答えておく5つのことは、集客のためであると同時に、低い評価を先回りして防ぐためのものでもあります。説明が行き届いた宿ほど、「書いてある通りだった」という評価が集まります。
評価の文章に「説明の通り」「案内が丁寧」という言葉が並ぶと、それを読んだ次の旅行者も、この宿は説明を信じてよい宿だと受け取ります。
予約の前の説明と、滞在のあとの評価が、互いを裏付け合う形になります。低い評価が1件ついたときも、説明にそのことが先に書いてあれば、次の旅行者は落ち着いて読み流せます。
また来たい気持ちは、出発の日につくられる
一度泊まった人が次の旅行でもまた選んでくれるかどうかは、出発の日の体験で大きく変わります。チェックアウトの手順が分かりやすく、忘れ物をしたときの対応も約束されている。
出発のあとに、お礼と一緒に、次の季節のこの地域の楽しみ方が一言届く。こうした小さな積み重ねが、「またあの宿に泊まりたい」という気持ちを育てます。
予約サイトの規約で、宿泊のあとの連絡の方法が決められている場合があります。規約で許された範囲の中で、お礼を伝え、次の旅行のときに宿の名前で探してもらえるよう、宿の名前を覚えやすくしておくことが大切です。
| 宿泊者の声の書き方 | 読んだ人の受け取り方 | 不安への効き目 |
|---|---|---|
| きれいな部屋でした | どの宿も同じことを書かれている | 小さい |
| 駅から近くて便利でした | 立地は分かるが、安心は分からない | 小さい |
| 女性2人で泊まったが、鍵が二重で安心して眠れた | 自分たちでも大丈夫だ | 大きい |
| 夜遅くに着いたが、道順の説明の通りで迷わなかった | 到着の流れが見える | 大きい |
| 鍵が開かず連絡したら、10分で電話がかかってきた | 困ったときの対応が見える | 大きい |
宿泊者の声を自分の宿のホームページに載せるときは、必ずご本人の許可を取ってください。予約サイトの評価を転載する場合も、予約サイトの規約を確かめてからにします。
直接予約の受け皿は、小さく始める
自分の宿のホームページで直接予約を受ける場合も、最初から大がかりな仕組みを作る必要はありません。空いている日の確かめ方と、問い合わせの方法と、支払いの流れ。
この3つが分かれば、一度泊まったことのある人は安心して直接予約してくれます。
直接予約では、予約サイトが肩代わりしてくれていた本人確認や、宿泊者名簿の作成、キャンセルの取り決めを、ホスト自身が行うことになります。
住宅宿泊事業法で求められている手続きを漏らさないよう、予約サイトで行っている手順を書き出し、直接予約でも同じことができるかを確かめてから始めてください。
キャンセルの条件は、予約サイトの条件とそろえておくと、泊まる人が迷いません。
直接予約の受け皿は、最初は一度泊まった人に限って案内するくらいで十分です。初めての人は予約サイトから、二度目からは直接予約で、と入口を分けておけば、手数料を抑えながら、予約サイトで新しい人に見つけてもらうことも続けられます。
よくある質問
Q. 始めたばかりで評価がありません。何から書けばよいですか
評価がなくても書けるのが、届け出た正規の宿であることと、困ったときの連絡先と返事の目安です。この2つは、運営を始めたその日から書けます。
評価が集まるまでの間は、この2つを丁寧に書くことが、評価の代わりに安心の材料になります。
Q. 安全の設備を細かく書くと、かえって危ない宿に見えませんか
安全の設備を書かないでいると、泊まる人は分からないことを理由に不安を大きくします。非常用の照明や避難経路の案内は、法律で求められている設備です。
それを説明している宿は、きちんと運営している宿だと受け取られます。書き方を「備えている」という事実の説明にとどめれば、危ない宿に見えることはありません。
Q. ハウスルールを書くと、堅苦しい宿だと思われませんか
注意書きを並べるだけだと、堅苦しく見えます。近所の人と気持ちよく過ごすための約束として、理由を添えて書けば、泊まる人は身構えずに受け止められます。
約束の多さより、理由の分かりやすさのほうが印象を左右します。
Q. 自分の宿のホームページは、本当に必要ですか
予約サイトだけでも予約は入ります。ただ、予約サイトの枠には収まらない情報を伝える場所と、一度泊まった人が宿の名前で探したときにたどり着ける場所があると、選ばれる理由と再訪の受け皿の両方を持てます。
最初は1ページだけでも構いません。
Q. 運営を代行会社に任せていますが、同じことができますか
できます。代行を任せている場合は、紹介ページの文章を誰が書き、誰が直すのかを確かめてください。
5つの答えの中身は、ホストが一番よく知っていることです。ホストが材料を渡し、代行会社がそれを紹介ページに反映する、という役割の分け方をすると、進めやすくなります。
今日できる点検
自分の宿の紹介ページを開いて、次の項目を確かめてください。当てはまらない項目が見つかったら、そこが最初に直す場所です。
| 点検する項目 | 確かめ方 | 当てはまらないときに直すこと |
|---|---|---|
| 届出番号が説明文の冒頭で分かるか | 説明文の最初の3行を読む | 届け出た宿であることと番号を書く |
| 到着から入室までの流れが書いてあるか | 写真の下を見る | 道順と鍵の開け方を順番に書く |
| 困ったときの連絡先と返事の目安があるか | ページ全体を探す | 連絡手段と返事までの時間を約束する |
| 安全の設備が説明されているか | 設備の一覧を見る | 非常用照明と避難経路の案内を加える |
| 女性や家族への配慮が書いてあるか | 定員の説明の周りを見る | 鍵や動線の配慮を具体的に書く |
| ハウスルールに理由が添えてあるか | ハウスルールを読む | 近所と過ごす約束として書き直す |
6つの項目のうち、1つでも直せば、泊まる人の不安は1つ減ります。全部を一度に直す必要はありません。
これまでに届いたメッセージの中で、予約の前に聞かれた質問を読み返すと、どこから直すべきかが見えてきます。宿泊者から一番よく聞かれることから、1つずつ書き足していってください。
まとめ
観光庁の数字では、全国で4万件を超える民泊が営業している一方、これまでに届け出た宿のおよそ3件に1件が事業をやめています。選択肢が多い中で選ばれるには、写真や料金や設備で競う前に、泊まる人が予約の前に抱えている不安に答える必要があります。
料金を下げる、写真を撮り直す、無人の仕組みを増やす、掲載先を増やす。どれも、不安に答えるという土台がないままでは、手間と費用だけが増えていきます。
先に、届け出た正規の宿であること、到着から入室までの流れ、困ったときの連絡先と返事の目安、安全の設備と配慮、近所と気持ちよく過ごす約束を、紹介ページに書いてください。
主役を宿の側から、泊まる人の側へ移す。ホストは道案内に回り、泊まる人が確かめたいことに先に答える。
そうして選ばれた宿泊者は、書いてある通りだったという評価を残し、次の旅行でもまた宿の名前を思い出してくれます。宿泊者から一番よく聞かれることを1つ選び、その答えを今日、紹介ページに書き足すところから始めてみてください。
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