ChatGPTに広告が出るようになった。自社は出稿したほうがよいのか、それとも回答に出る側のページを整えるほうが先なのか。この記事は、そう迷っている中小企業の経営者とWeb担当者に向けて書いています。
OpenAIの公式ページとヘルプセンターを、2026年10月26日に実際に開いて確かめた範囲だけで答えます。報道の数字や日付は、公式で確かめられたものだけを使います。
先に答え:まず受け皿のページを整え、そのうえで出稿を検討する
結論から書きます。中小企業は、広告の出稿を決める前に、自社サイトの受け皿のページを整えるのが先です。
理由は2つあります。1つは、ChatGPTの広告枠と回答の本文は、公式の説明で別の仕組みとして扱われていることです。広告を出しても、回答の本文に自社が出やすくなるとは書かれていません。
もう1つは、広告を出すときにも、遷移先のページが審査と配信の材料に使われることです。受け皿のページを整える作業は、広告を出す場合でも出さない場合でも無駄になりません。
広告と回答は、別々に考える
公式の言葉で整理すると、こうなります。広告は有料の掲載で、回答の下に別枠で表示されます。回答の本文は、広告主が形作ることも順位を変えることもできません。
だから「広告を出すか、回答に出る側を整えるか」は、どちらか一方を選ぶ問いとは違い、順番と配分の問いです。この記事では、その順番を決める材料を並べます。
出稿を急がなくてよい会社
次に当てはまる会社は、出稿を急ぐ必要がありません。
- 公式の広告ポリシーで、自社の業種が対象外になっている会社
- 遷移先にできるページが、まだ1つもない会社
- 広告の成果を測る手段を、まだ持っていない会社
逆に、出稿を検討してよい会社の条件は、後の節で表にします。
回答側の整えを急ぐ会社
自社の名前や商品について、AIが聞かれて答える場面が増えている会社は、回答側の整えを先に進める価値があります。広告は予算を止めれば止まりますが、整えたページは残るためです。
ただし、整えれば回答に出る、という保証はありません。その点は、弊社が自社で測った数字を使って、後の節で正直に書きます。
この記事で確かめたこと・確かめられなかったこと
最初に、確かめられた範囲を表にします。
| 知りたいこと | 答え | 確かめた資料 |
|---|---|---|
| 広告は誰に表示されるか | 無料版とGoプランの利用者。Plus、Pro、Business、Enterprise、Eduには表示されない | OpenAIの公式ページとヘルプセンター |
| 広告は回答に影響するか | 影響しない。広告は別のシステムで配信される | OpenAIヘルプセンター |
| 広告はどこに出るか | 回答の下に出る。画像生成中の広告形式も試験中 | OpenAIヘルプセンター |
| 日本で広告は始まったか | 2026年8月11日付の更新で、日本での提供開始が書かれている | OpenAIの公式ページ |
| 日本の事業者は出稿できるか | 広告マネージャーの提供状況表で、日本は提供中 | OpenAIヘルプセンター |
| 出稿の費用はいくらか | この記事では書かない | 金額は変わりうるため |
日付についての断り
日本での開始日は、報道によって伝える日付が食い違っています。この記事では、公式ページに日付つきで書かれていたもの以外は、日付として使いません。
公式の日本語ページには、2026年8月11日付で、広告が英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国で提供を開始したという更新の注記があります。この日付を、公式で確かめた日として使います。
用語を先にそろえる
この記事には、似た言葉がいくつか出てきます。混ざったまま読むと判断を誤るため、先に意味をそろえておきます。
| 用語 | この記事での意味 | 出どころ |
|---|---|---|
| 広告枠 | 回答の下に出る、スポンサー表示つきの有料の掲載 | OpenAIヘルプセンター |
| 回答の本文 | 利用者の質問に対してChatGPTが書く答えそのもの | OpenAIの公式ページ |
| 広告マネージャー | 広告主が登録し、キャンペーンを作り、数字を見る管理画面 | OpenAIヘルプセンター |
| ランディングページ | 広告をクリックした人が着地する、広告主のページ | OpenAIヘルプセンター |
| 受け皿のページ | 1つの質問に1ページで答え切る、自社サイトのページ。弊社の呼び方 | 弊社の用語 |
読み方の約束
「公式」と書いたときは、OpenAIが運営するページに、その内容が書かれていたことを指します。報道や他社の解説だけに書かれていたことは、公式と呼びません。
「弊社の読み方」「弊社の推測」と書いた部分は、公式の記述から導いた考えです。公式の文面と区別して読んでください。
なぜいま、この判断が必要になったのか
ChatGPTの広告は、2026年2月9日の米国での試験から始まり、数か月のうちに日本を含む市場へ広がりました。広告主向けの窓口も、ベータの段階とはいえ、自社で操作できる形で開かれています。
窓口が開かれた以上、取引先や代理店から「出稿しないのか」と聞かれる場面は増えます。そのとき、公式の言葉で自社の考えを説明できる状態にしておくことが、この記事の目的の1つです。
判断を誤りやすい3つの場面
判断を誤りやすいのは、次の場面です。1つは、広告を出せば回答にも出ると思い込む場面です。もう1つは、自社の業種が対象かどうかを確かめずに、予算の相談を始める場面です。最後は、遷移先のページが整っていないのに、配信の設定から始める場面です。
どれも、公式の文面を先に読めば避けられます。次の節から、その文面を順に見ていきます。
Q&Aサイトで見かけた「AIが無料で使えなくなるのか」という不安
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。投稿した方は、ChatGPTが広告を出すというニュースを見て、今後AIが無料で使えない世界になるのではないかと心配していました。
あわせて、広告に反対する人たちが無料のAIを続けるような動きは出てくるものなのか、という疑問も書かれていました。利用者として、先行きを案じている内容です。
回答は「無料は残るが制限は厳しくなるかも」だった
付いた回答は複数ありました。無料はお試しとして残るだろう、ただし制限は厳しくなるかもしれない、という見方が目立ちました。
広告を出す理由について、運営会社がまだ黒字になっていないからだ、と説明する回答もありました。いずれも回答者の見立てで、公式の説明とは別のものです。
公式の説明は、少し違う言い方をしている
OpenAIの公式の日本語ページは、広告の目的をこう説明しています。無料版とGoプランを高速で信頼性の高い状態に保つには、大規模なインフラと継続的な投資が必要で、広告はその取り組みの資金に充てられる、という趣旨です。
あわせて、広告を表示したくない場合は、PlusかProにアップグレードするか、無料プランで広告をオプトアウトして、1日あたりの無料メッセージ数を減らすことで対応できる、とも書かれています。
事業者が読み取ること
この質問は、利用者の目から見た不安です。事業者の目で読み直すと、別の景色になります。
ChatGPTに広告が出ることで、ChatGPTの画面が、企業が費用をかけて存在を示せる場所になったということです。同時に、画面の主役である回答の本文は、広告とは別の仕組みで決まります。
悩みの根は、同じところにある
利用者は「無料でなくなるのか」を気にします。事業者は「広告を出すべきか、出さなくても紹介されるのか」を気にします。
どちらも、ChatGPTの画面の中で、お金が動く部分と、そうでない部分の境目が見えないことから生まれる疑問です。次の節で、その境目を公式の言葉で引きます。
広告枠と回答の本文は、公式の説明でどう分けられているか
境目を引く材料は、OpenAIの公式ページとヘルプセンターにあります。それぞれの記述を、そのまま近い言葉で見ていきます。
公式ページの記述
OpenAIの日本語の公式ページには、次の記述があります。
「広告は ChatGPT の回答に影響を与えません。回答は、ユーザーにとって最も役立つ内容に基づいて最適化されています。」
続けて、広告が表示される場合は必ずスポンサー提供であることが明示され、通常の回答とは視覚的に区別される、と書かれています。
ヘルプセンターの記述
ヘルプセンターの日本語の記事は、さらに踏み込んでいます。
「広告は当社のチャットモデルとは別個のシステムで配信されており、広告主が ChatGPT の回答を形成、順位付け、変更することはできません。」
この一文が、広告枠と回答の本文を分ける、いちばん大事な線です。広告主がお金を払っても、回答の中身を動かすことはできない、と公式が書いています。
広告は、推薦ではない
ヘルプセンターには、もう1つ大事な記述があります。広告は有料掲載であり、広告が表示されても、OpenAIが広告主やその製品、サービスを支持または推奨しているわけではない、という内容です。
つまり、広告に出ていることは、ChatGPTが自社を勧めていることとは別の話です。利用者がそう受け取るかどうかは別として、公式の立場はこうです。
広告枠と回答の本文を、表で並べる
| 比べる点 | 広告枠 | 回答の本文 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 有料の掲載。スポンサーと明示される | 利用者にとって役立つ内容に基づく |
| 表示される場所 | 回答の下の別枠 | 回答そのもの |
| 自社が関われる範囲 | 広告マネージャーで出稿する | 自社サイトのページが、情報源として読まれる側に回る |
| 広告主の影響 | 自社の広告の内容と設定を決められる | 回答を形成、順位付け、変更することはできない |
| 費用 | 掲載に費用がかかる | 掲載そのものに費用はかからない |
| 続けるために必要なこと | 出稿を続ける | ページを正確に保ち、更新する |
「広告を出せば回答にも出る」という誤解を、公式はどう扱っているか
広告の出稿が回答の本文に影響しない、という説明は、公式の複数のページで一貫しています。2026年2月9日の最初の発表にも、2026年3月26日の更新にも、回答は独立しており公平性を保つ、という趣旨が書かれています。
ですから、広告を出すことを、回答に出るための近道として考えるのは、公式の説明と合いません。広告は広告として、回答は回答として、別々に成果を見る必要があります。
弊社の読み方
ここから先は、公式の記述から弊社が導く読み方です。広告の効果は、広告のクリックと、遷移先のページでの行動で測ります。
回答側の効果は、AIの回答に自社が紹介されるかどうかで測ります。別の物差しで測るものを、同じ予算の枠で比べないことが、判断を誤らない第一歩です。
日本での提供状況:公式で確かめられた日付と範囲
次に、日本の事業者にとって大事な、提供状況を確かめます。報道に頼らず、公式のページに書かれた範囲だけを並べます。
公式ページの更新注記を時系列で読む
OpenAIの日本語の公式ページには、更新の注記が日付つきで残っています。時系列にすると、次のとおりです。
| 日付 | 公式ページに書かれていること |
|---|---|
| 2026年2月9日 | 米国で広告のテストを開始。無料版とGoプランのログイン済みの成人が対象 |
| 2026年3月26日 | 米国以外への展開を、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの試験導入から始める |
| 2026年5月7日 | 今後数週間以内に、英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国でパイロットの展開を拡大する予定 |
| 2026年8月11日 | 広告は、英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国で提供を開始した。今年中にさらに市場を広げる |
日本の開始日について、書けること
この表から、公式の文書で日付つきで確かめられるのは、2026年5月7日に拡大の予定が示されたことと、2026年8月11日付で提供開始が書かれたことの2つです。
報道の中には、これ以外の日付を開始日として伝えるものがあります。公式ページの注記からは、その日付を確かめられなかったため、この記事では使いません。
事業者側の窓口の状況
出稿する側の窓口は、広告マネージャーという管理画面です。ヘルプセンターの提供状況の表には国ごとの状況があり、2026年10月26日に開いた時点で、日本は「提供中」と記載されていました。
同じページには、自社で操作する広告マネージャーを使うには、広告を出して請求を受ける法人が、表に載っている国に所在している必要がある、という注意書きがあります。海外の法人を通すか、国内の法人が直接出すかで、条件が変わりうる点に注意してください。
広告マネージャーは、まだベータ
ヘルプセンターのよくある質問には、現在の段階が書かれています。ChatGPTの広告はベータの段階で、拡大の初期にあり、2月から4月の集中的なパイロットを経て、広告マネージャーのベータで自社操作の登録を広げている、という趣旨です。
ベータの間は、配信の仕組み、広告枠、広告の形式、購入や測定の方法が変わっていく、とも書かれています。いま調べた内容が、数か月後も同じとは限りません。
成果の目安は、まだ公式にない
同じよくある質問には、広告主や業種、キャンペーンの種類をまたいだ成果の目安は、まだない、とはっきり書かれています。成果は、目的、クリエイティブ、遷移先のページ、利用者との関連性、設定全体で決まる、という説明です。
「この業種なら、これくらいの成果が出る」という数字を、公式は出していません。そうした数字を見かけたら、出どころを確かめてください。
広告枠の中身:何が表示され、どう選ばれるのか
出稿を考えるなら、まず広告がどんな形で出て、何を材料に選ばれるのかを知る必要があります。ヘルプセンターの「ChatGPTでの広告」の記事と、広告の基本を説明した記事から、確かめられたことを整理します。
広告の形
広告は、ChatGPTの回答の下に表示されます。ヘルプセンターの記事には、1つの広告に含まれる要素が列挙されています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 広告主の名前 | どの会社の広告かを示す |
| ファビコン | 広告主のロゴとして表示される小さな画像 |
| タイトル | 見出しにあたる短い文 |
| コピー | 説明文 |
| ランディングページ | クリックした先のページ |
| 画像 | 広告のクリエイティブとなる画像 |
1回の回答に、広告は1つ
日本語のヘルプセンターの記事には、回答の下に広告ユニットが1つ表示される、と書かれています。1つのユニットには、1枚または複数枚の画像が含まれる場合があります。
さらに、画像生成の最中に表示される、複数の画像を使った視覚的な広告形式も、試験中だと書かれています。広告の形式は、今後も増えていく前提で読んでください。
何を材料に、広告が選ばれるのか
ヘルプセンターの記事は、広告システムが考慮する材料を挙げています。現在の会話の文脈と意図、広告のランディングページ、タイトル、コピー、広告主が提供するコンテキストの情報などです。
広告のパーソナライズが有効な場合は、ChatGPT全体での利用状況から選ばれた一部のシグナルも考慮される、と書かれています。
検索連動広告の「キーワード」とは違う
広告主は、広告グループの単位で、自社の商品やサービスが関連しそうな会話、話題、キーワードを説明するコンテキストのヒントを与えられます。
ただしヘルプセンターは、このヒントは完全一致のキーワードとは違い、特定の会話での配信を保証するものでもない、と明記しています。「このキーワードで必ず出る」という使い方はできません。
表示順は、関連性と入札で決まる
複数の広告が表示の対象になった場合は、関連性や広告主の入札額など、複数の要素を考慮して最初に出す広告が決まる、と日本語のヘルプセンターは説明しています。
英語の基本の記事には、関連性で重みづけをした第二価格のオークションで選ぶ、という説明があります。入札の金額は変わりうるため、この記事では書きません。
課金の考え方
課金は、表示回数に基づくものと、有効なクリックに基づくものがあります。目的として、表示、クリック、コンバージョンのいずれかを選べます。
コンバージョンを目的にした場合も、課金は有効なクリックに対して行われる方式がある、と書かれています。成果が出なかった表示に払う費用を抑えるには、どの方式で課金されるかを、出稿前に画面で確かめてください。
出稿できる会社、できない業種:公式の広告ポリシーを読む
次に、自社が出稿の対象になるかどうかです。ここは、広告ポリシーを読めば、業種によって結論が大きく変わります。
広告ポリシーの位置づけ
OpenAIの広告ポリシーには、広告の配置に関する方針と、広告の内容に関する方針が書かれています。2026年10月26日に開いた時点の記述を、近い言葉で整理します。
配置の方針:避けられる場面
広告は、安全で、適切で、利用者の信頼とブランドの安全性に沿った会話の近くにだけ置く、という方針です。そのため、次のような場面には広告が出ません。
| 避けられる場面 | 例 |
|---|---|
| 不適切な話題 | 児童の安全、危険な行為、詐欺、政治的な内容、規制対象の商品、自傷など |
| 利用者が傷つきやすい場面 | 感情的に頼っている状況、心や体の健康の会話、繊細な相談 |
ここから分かるのは、悩みの相談や健康の話題の最中には、広告が出る設計になっていません。
内容の方針:当面の対象
広告ポリシーは、最初の試験期間中は、広告が主に消費者向けの分野に限られると書いています。例として、生活用品や家庭用品、地域のサービス、旅行や体験、デジタル商品や教育が挙げられています。
地域のサービスが例に入っている点は、店舗型の中小企業にとって読み落とせません。ただし、これは試験期間中の記述で、分野は広がる可能性があると、同じ文書に書かれています。
制限のある分野
金融、医療、法律の分野は、個別の審査で承認される可能性があるものの、段階的に導入している、と書かれています。審査は、ケースごとに人の手で行われるという説明です。
さらに、金融と医療の広告は、米国外では原則として禁止、と書かれています。法律サービスの広告は、米国で、広告を出す法域の弁護士資格を持つ広告主に限り認められる、という内容です。
士業や医療機関の読者へ
日本で事務所や医院を営んでいる方は、この記述を、そのまま自社に当てはめて読んでください。現時点の広告ポリシーの文面からは、日本での出稿は難しい分野に当たる可能性があります。
その場合、広告という手段は選べず、回答の本文に出る側を整えることが、ChatGPTの画面で存在を示せる、ほぼ唯一の道になります。判断は、最新の広告ポリシーを自社で読んでから行ってください。
そのほかの禁止分野
アルコールとたばこ、ギャンブル、成人向けの内容、模倣品などは、現時点で禁止と書かれています。求人や不動産の個別の物件を直接広告することも禁止で、物件や求人の一覧を載せたサイトへの誘導にとどめる必要があります。
広告の内容が誤解を招くものであってはならず、効果の誇張や根拠のない主張は、どの分野でも禁止です。ChatGPTの画面そっくりに見せる広告も認められていません。
業種別に、出稿の見通しを表にする
| 自社の業種 | 公式の広告ポリシーから読めること | 出稿の見通し |
|---|---|---|
| 飲食店、小売店、美容室など地域のサービス | 地域のサービスが、当面の対象分野の例に入っている | 検討の余地がある |
| 宿泊、体験、旅行 | 旅行や体験が、対象分野の例に入っている | 検討の余地がある |
| 通販、生活用品 | 生活用品や家庭用品が、対象分野の例に入っている | 検討の余地がある |
| 学習教材、デジタル商品 | デジタル商品や教育が、対象分野の例に入っている | 検討の余地がある |
| 金融、保険、融資 | 米国外では原則として禁止と書かれている | 現時点では難しい |
| 医療、クリニック、サプリメント | 米国外では原則として禁止と書かれている | 現時点では難しい |
| 法律、士業 | 米国で資格を持つ広告主に限ると書かれている | 現時点では難しい |
| 求人、不動産の個別の物件 | 個別の掲載の直接広告は禁止と書かれている | 一覧サイトへの誘導にとどめる |
出稿の窓口と流れ:公式で確かめた範囲
出稿の窓口と流れも、公式のページで確かめられる範囲があります。金額に関わる部分は、変わりやすいため書きません。
登録は、広告専用のサイトから
OpenAIの公式ページには、広告に興味のある企業は、広告専用のサイトで登録する案内が出ています。登録後は、広告マネージャーに移り、アカウントの作成、キャンペーンの作成、手順を説明したヘルプの記事の閲覧ができる、と書かれています。
ヘルプセンターのよくある質問には、自分の国で広告マネージャーがまだ使えない場合でも、アカウントを作れば、使えるようになった時点で通知される、と書かれています。ただし、アカウントを作っても、国が対応するまでは使えません。
キャンペーンの作り方
広告専用サイトの説明は、3つの手順で書かれています。キャンペーン、予算、目標を設定する。広告の詳細を一括アップロードするか、画面で作る。配信して、測定し、最適化する。
手順そのものは単純です。難しいのは、遷移先のページと、広告の文面と、測定の仕組みを、事前に準備しておくことです。
配信の前に必要な確認
よくある質問には、広告が配信されないときの確認項目が挙がっています。それは、そのまま出稿前の準備の項目として読めます。
| 確認項目 | 公式の説明の要点 |
|---|---|
| 審査の状況 | 広告は審査を通らないと配信されない |
| アカウントの確認 | 確認が必要な場合は、画面に表示が出る |
| 予算 | 上限に達すると配信されない |
| 終了日 | 終了日を過ぎると配信されない |
| 支払いの状況 | 支払い方法に問題があると配信されない場合がある |
予算は、日ごとに増減する
ヘルプセンターは、ベータの間、広告の支出の積み上がり方は、構成、目的、設定によって変わると説明しています。1日の予算は、1日あたりの平均を設定するもので、上限は日と週の単位で、設定額の倍数になる場合がある、とも書かれています。
予算の使われ方に波があることを、前提にしてください。月の予算を決める場合は、日ごとの数字を気にしすぎず、期間全体の結果を見るほうが現実的です。
出稿の窓口が、中小企業に開かれた意味
自社で操作する窓口が日本で提供中であることは、中小企業にとって意味があります。代理店を通さなくても、自社で試すことが、仕組みの上では可能になっているからです。
ただし、仕組みの上で可能なことと、自社にとって得なことは別の問いです。次の節からは、後者を判断する材料を足していきます。
広告の審査では、何が見られるのか
ヘルプセンターのよくある質問には、広告は審査を通らないと配信されない、と書かれています。広告マネージャーの画面では、配信中か配信停止中かが表示され、配信停止中の場合は、理由を画面で確かめられます。
審査の対象には、広告の文面や画像だけでなく、遷移先のページも含まれます。広告ポリシーには、承認された広告であっても、禁止された内容を含む遷移先にリンクしてはならない、という趣旨の記述があります。
たとえば、食品の宅配の広告から、酒類の宅配のページへ誘導することは認められません。広告の見た目と、遷移先の中身が、最後まで一貫している必要があります。
遷移先のページは、アプリのリンクより通常のページ
ヘルプセンターの手引きは、遷移先には、直接開ける通常のウェブページを使うよう勧めています。アプリストアのリンク、深いリンク、文書ファイル、ログインが必要な宛先は、審査に足りる情報が読み取れない場合がある、とも書かれています。
予約サイトや会員制のページを遷移先にしたい場合は、公開されている説明ページを別に用意したほうが、審査も通りやすくなります。
配信の「関連性」は、広告主の自己申告だけでは決まらない
広告のコンテキストのヒントは、広告主が入力します。しかし配信の判断には、ランディングページ、タイトル、コピーも使われます。ヒントだけを工夫しても、ページの中身が違えば、関連性は高く評価されない可能性があります。
これは公式の記述から導いた弊社の読み方です。ヒントに書いた話題と、ページに書いてある内容を、一致させておくことが基本です。
利用者側にも、広告を管理する画面がある
日本語のヘルプセンターには、利用者が広告を管理できる、と書かれています。広告を閉じてフィードバックを送る、特定の広告が表示された理由を確かめる、広告に使われるデータを消す、といった操作ができます。
広告のパーソナライズをオフにしても、いま開いているチャットの文脈に基づく広告は表示されることがある、とも書かれています。オフにした利用者にも、会話の話題に合った広告は届きうる、という意味です。
広告を見ているのは、どんな利用者か
広告は無料版とGoプランの利用者にだけ表示されます。つまり、上位のプランを使っている人には、自社の広告は届きません。
仕事でChatGPTを使い込んでいる人ほど、有料のプランを選んでいる可能性があります。これは弊社の推測で、公式が利用者の属性を書いているわけではありません。自社の顧客が広告を見る側にいるかどうかは、出稿の前に考えておく価値があります。
広告の遷移先は、読まれる前提で作る
ランディングページは、審査の対象になり、配信の材料にもなります。詳しくは後の節で書きますが、広告の文面と遷移先の内容が食い違っていると、審査で止まったり、関連性が低いと判断されたりする可能性があります。
広告のためだけに、新しいページを急いで作る必要はありません。すでに自社サイトにある、質問に答えるページを遷移先に選べるかどうかを、先に見てください。
弊社が出稿の話をしない理由
この記事には、費用の目安や、成果の見込みの数字を載せていません。公式が成果の目安をまだ出していない以上、数字を書けば、根拠の薄い数字を並べることになるためです。
必要なのは、自社の条件で小さく試し、自社の数字で判断することです。その試し方は、後の節で書きます。
回答の本文に出る側:公式が書いている仕組み
ここからは、広告ではない側、つまり回答の本文に自社が出る側の話です。公式の文書で確かめられることは多くありません。確かめられた範囲を、先に切り出します。
公式が書いているのは、クローラーの区別
OpenAIの開発者向けページ「OpenAIのクローラーの概要」は、OpenAIが複数のクローラーを目的別に使い分けていると説明しています。ここに、回答の側と広告の側の両方の手がかりが書かれています。
OAI-SearchBot:検索の結果に出すためのクローラー
文書は、OAI-SearchBotについて、ChatGPTの検索機能の結果にウェブサイトを表示するために使うと説明しています。
「OAI-SearchBot のオプトアウトをしているサイトは、ChatGPT の検索回答には表示されませんが、ナビゲーション用のリンクとして表示される場合があります。」
また、サイトが検索結果に表示されるようにするには、robots.txtでOAI-SearchBotを許可することを推奨する、とも書かれています。これは、回答の本文に出る側を整える、最初の確認項目です。
GPTBot:学習のためのクローラー
GPTBotは、生成AIの基盤モデルの学習に使われる可能性のある内容を集めるためのクローラーです。GPTBotを禁止すると、そのサイトの内容は学習に使わないでほしいという意思表示になります。
文書には、これらの設定は互いに独立していると書かれています。たとえば、検索に出るためにOAI-SearchBotは許可し、学習に使われないようにGPTBotは禁止する、という組み合わせができます。
ChatGPT-User:利用者の操作で動くもの
ChatGPT-Userは、利用者がChatGPTに質問したときなど、利用者の操作に応じてページを開くときに使われます。文書は、自動で巡回するためのものではない上に、検索に表示されるかどうかを決めるものでもない、と書いています。
検索からの除外や自動巡回の管理には、OAI-SearchBotを使うように、と案内されています。
robots.txtを直しても、反映には時間がかかる
文書には、robots.txtを更新してから、検索の側のシステムが調整されるまで、約24時間かかることがある、と書かれています。許可の設定を直した直後に、結果が変わらなくても、焦らず1日待ってください。
引用の仕組みは、別の記事に詳しく書いた
回答の本文がどんな情報源を引用するのかという仕組みは、弊社の別の記事「ChatGPT searchはどんな情報源を引用するのか」に、公式の説明をもとにまとめました。検索の対策としての書き方は、「ChatGPT SearchのSEO対策」で扱っています。
この記事では、その中身を繰り返さず、広告との関係に絞って話を進めます。
広告と回答を、中小企業の目線で比べる
ここまでの公式の記述をもとに、中小企業が判断するときの比較表を作ります。比べる軸は、費用、速さ、続けやすさ、測りやすさ、自社でコントロールできる範囲です。
比べる軸を決める
比較は、軸を決めないと「どちらが優れているか」の水掛け論になります。中小企業にとっての軸は、次の5つに絞れます。
| 軸 | 広告枠 | 回答の本文 |
|---|---|---|
| 始めるまでの速さ | 登録と審査を終えれば、出稿の準備ができる | ページを整えて、クローラーに読まれるまで待つ |
| 費用のかかり方 | 配信するたびに費用が発生する | ページ作りの手間は要るが、掲載そのものに課金はない |
| 続けるしくみ | 出稿をやめれば表示も止まる | 整えたページは、公開している間は残る |
| 測りやすさ | 広告マネージャーで表示回数やクリック数が見える | 引用されたかどうかは、自分で記録しないと分からない |
| 自社で決められること | 文面、遷移先、配信の設定 | 自社サイトのページの中身だけ |
広告枠の強み:確実に画面に出せる可能性
広告は、条件を満たして審査を通れば、自社の存在を画面に示せる手段です。配信されるかどうかは関連性と入札で決まるため、必ず出るわけではありませんが、回答の本文より、自社の意思が反映される余地は大きいです。
表示回数やクリック数などは、広告マネージャーで見られます。数字が出る点は、広告の大きな利点です。
広告枠の弱み:止めると何も残らない
広告は有料の掲載なので、出稿を止めると表示も止まります。遷移先のページが整っていなければ、クリックされても、問い合わせにつながりません。
また、配信が決まる材料にランディングページが使われるため、ページの質が低いと、広告の効率にも響きます。ページを整えない広告は、費用をかけて質の低いページに人を送る行為になりかねません。
回答の本文の強み:広告の費用がかからず、ページが残る
回答の本文に出る側を整える作業は、掲載のたびに費用がかかりません。整えたページは、検索でも使われ続けるため、広告より長く価値が残ります。
回答の本文は、広告とは別に、利用者にとって役立つ内容が選ばれる、と公式が説明しています。質問に正面から答えるページを持つ会社が、選ばれる側に立てます。
回答の本文の弱み:保証がなく、測りにくい
回答の本文に出るかどうかは、保証されません。弊社が2026年10月に、Claudeで各2回ずつ測った結果では、社名を入れない質問に対して、自社の記事が引用元に入ったのは、22回中1回でした。
引用されたかどうかを測る画面も、公式には用意されていません。自分で質問を決めて、定期的に聞き、記録する手間がかかります。
比較からの答え
どちらにも強みと弱みがあり、片方で全部は賄えません。広告は速く、測りやすい。回答の本文は、長く残る。この性質の違いから、順番と配分を決めるのが現実的です。
その順番を決めるのが、受け皿のページの有無です。次の節で、広告と回答の両方を支える、共通の土台を見ます。
3つの会社を例に、比べ方を当てはめる
ここまでの比較を、具体的な会社に当てはめます。以下は説明のための例で、実在の会社の話ではありません。数字も書きません。
例1:地域で営む飲食店
地域のサービスは、広告ポリシーで当面の対象分野の例に挙がっています。この会社は、広告を検討できる側にいます。
ただし、遷移先に使えるのは、メニューや営業時間、アクセスが文字で読めるページです。画像のメニューだけのページは、審査でも回答の側でも読み取りにくいため、先に文字で書き直す必要があります。
例2:法人向けの業務を請け負う会社
法人向けのサービスは、分野の例に直接は挙がっていません。広告ポリシーの対象に当たるかどうかは、自社で文面を確かめる必要があります。
この会社の顧客は、仕事の相談をChatGPTに持ち込む可能性があります。そのとき、広告よりも、質問に答えるページが材料になる場面のほうが多いと考えられます。これは弊社の推測です。
例3:士業の事務所
法律サービスの広告は、米国で資格を持つ広告主に限る、と広告ポリシーに書かれています。日本の士業の事務所は、現時点の文面では、広告の窓口に入りにくい分野です。
この事務所にとって、ChatGPTの画面で存在を示せる道は、回答の本文に出る側です。相談の質問に正確に答えるページを、地道に増やすことが主な手段になります。
3つの例を、表でまとめる
| 例 | 広告の見通し | 先に整えるもの |
|---|---|---|
| 地域の飲食店 | 検討の余地がある | 文字で読めるメニューと営業時間のページ |
| 法人向けの請負 | 自社で文面を確認 | 質問に答えるページ |
| 士業の事務所 | 現時点では難しい | 相談の質問に正確に答えるページ |
同じ受け皿のページが、広告と回答の両方を支える
広告枠と回答の本文は別の仕組みですが、自社サイトのページを材料にする点は共通しています。公式の文書から、その接点を拾います。
広告の審査では、遷移先のページが読まれる
OpenAIの開発者向けページには、OAI-AdsBotというクローラーが載っています。広告として提出されたページが、ポリシーに沿っているかどうかを確かめるために、ページを訪れる、と説明されています。
さらに、広告をいつ利用者に表示するのが最も関連性が高いかを判断するために、そのページの内容を使うこともある、と書かれています。ヘルプセンターの「クローラーを許可する手引き」にも同じ記述があります。
広告で必須のクローラーは、OAI-AdsBot
ヘルプセンターの手引きは、OAI-AdsBotを必ず許可するように求めています。あわせて、OAI-AdsBotとOAI-SearchBotの両方を許可することを推奨しています。
つまり、広告を出すために許可するクローラーと、回答の本文に出るために許可するクローラーは、別のものです。片方だけ許可しても、もう片方は通りません。
許可の設定が、多層で止まりやすい
手引きには、クローラーが失敗する原因として、3つの層が挙がっています。robots.txt、ウェブの防御サービスによる遮断、人間かどうかの確認の仕組みです。
防御サービスは、正当なクローラーを自動の不正アクセスと取り違えて、アクセスを拒否することがあると書かれています。自社のサイトを預けている制作会社に、遮断の設定が入っていないかを確かめる価値があります。
許可の設定を、表にまとめる
| クローラー | 役割 | 公式の位置づけ |
|---|---|---|
| OAI-AdsBot | 広告として提出されたページの審査と、表示の判断 | 広告を出すなら必ず許可 |
| OAI-SearchBot | ChatGPTの検索結果にサイトを出す | 許可を推奨 |
| GPTBot | 生成AIの学習に使われる可能性のある内容の収集 | 許可するかは自社の方針で決める |
| ChatGPT-User | 利用者の操作に応じたページの閲覧 | 自動の巡回には使われない |
広告のために作ったページが、回答の側でも働く
広告の遷移先として整えたページは、質問に答える内容であれば、回答の側の材料にもなりえます。反対に、広告専用の、売り込みだけのページは、回答の側では使われにくいと考えられます。これは弊社の推測です。
だから、遷移先のページを新しく作るときは、広告のコピーを並べるより、利用者の疑問に答える形で作るほうが価値があります。広告の費用が、そのままページ資産への投資になります。
受け皿のページとは何か
弊社が受け皿のページと呼ぶのは、1つの質問に1ページで答え切る、自社サイトのページです。「○○とは」「○○の選び方」「○○はいくらかかるのか」といった、利用者が実際に聞く疑問を1つ決め、その答えを冒頭に書きます。
受け皿の考え方は、AIモードの広告について書いた記事にも詳しく書きました。Googleの側でも、ChatGPTの側でも、広告に頼る前にこのページを持つことが土台になります。
自社はどちらを先にするか:状況別の判断
ここまでの材料を、判断に使える形にします。自社の状況を3つの質問で確かめ、広告と回答のどちらを先にするかを決めてください。
質問1:自社の業種は、出稿の対象になりうるか
最初の分かれ目は、広告ポリシーです。先ほどの業種別の表で「現時点では難しい」に当たる業種は、広告を選べません。
その場合は、迷う余地がありません。回答の本文に出る側を整えることに、時間と手間を使ってください。広告の窓口が閉じているなら、広告について悩む時間は、ページを整える時間に回せます。
質問2:問い合わせを受ける準備は、できているか
業種が対象になりうる場合の次の分かれ目は、受け皿のページです。広告をクリックした人が着地するページが、質問に答えていて、次の一歩が分かる状態でしょうか。
準備ができていないなら、出稿より先にページを整えます。広告の費用をかけて、整っていないページに人を送ると、その費用は問い合わせにつながりません。
質問3:結果を測る手段は、あるか
3つ目は、測る手段です。広告マネージャーで表示回数やクリック数は見られますが、その先の問い合わせや来店につなげて見る仕組みは、自社で用意する必要があります。
ヘルプセンターには、広告の遷移先のURLに追跡用のパラメーターを付ければ、既存の分析ツールで広告からの流入を見られる、と書かれています。測る手段がないまま出稿すると、結果が良かったのか悪かったのかが分かりません。
3つの質問から、結論を出す
| 質問1:業種が対象 | 質問2:受け皿がある | 質問3:測れる | 先にやること |
|---|---|---|---|
| いいえ | どちらでも | どちらでも | 回答の本文に出る側を整える |
| はい | いいえ | どちらでも | 受け皿のページを作ってから、出稿を検討する |
| はい | はい | いいえ | 測る仕組みを先に作る |
| はい | はい | はい | 小さく出稿し、回答側の整えも並行する |
迷ったときの原則
表のどの行にも共通している原則が1つあります。広告に予算を回す前に、受け皿のページを持っていることです。
この原則は、弊社の考えです。公式が「ページを先に整えよ」と書いているわけではありません。ただし、広告の審査にも配信にも遷移先のページが使われる、という公式の記述と矛盾しません。
出稿を急ぎたくなる場面と、待ってよい場面
「他社が出し始めたから」という理由で、急いで出稿を決める場面があります。公式は、成果の目安をまだ出していない、と明記しています。他社の動きだけを理由にした出稿は、根拠が弱くなります。
反対に、待ってよい場面もあります。ベータの間は、仕組みが変わると公式が書いているため、様子を見ながら、小さく始めるほうが、変更への対応が楽になります。
規模別の考え方
| 会社の規模と状況 | 向いている進め方 |
|---|---|
| 1人から数人で、ホームページの記事が少ない | 受け皿のページを増やすことを優先。出稿は後回し |
| 数十人で、すでに広告を運用している | 広告の予算の一部を、試験的に回す。遷移先を整える |
| 店舗型で、地域の顧客が中心 | 地域のサービスが対象分野に入っている点を確認。まず小さく試す |
| 士業や医療機関 | 広告ポリシーを自社で確認。回答側の整えを先に進める |
| 通販で商品数が多い | 商品情報の正確さを保つ。検索結果に出る側を整える |
受け皿のページを作る:1質問に1ページ
回答の本文に出る側を整える作業の中心は、受け皿のページです。広告の遷移先としても使えるため、ここに手間をかける価値があります。
質問を、利用者の言葉で決める
最初にやるのは、自社の商品やサービスについて、利用者が実際にAIに聞きそうな質問を書き出すことです。社名を入れない質問を、10個ほど並べてください。
たとえば、地域の工務店なら「リフォームの費用は何で決まるのか」、学習塾なら「中学生の内申点を上げる方法は」といった形です。自社のサービス名は使わず、利用者の悩みの言葉で書くのがコツです。
ページの冒頭に、答えを書く
質問が決まったら、1ページに1つの質問を割り当て、冒頭に答えを書きます。答えを後ろに回すと、回答を作る側が、ページの先頭から答えを拾えません。
冒頭の2〜3段落で、質問への直接の答えを書き、その後に理由、条件、例外を足します。長い前置きは不要です。
事実は、数字と日付で書く
営業時間、対応地域、所要期間、手順などの事実は、曖昧な言い方を避け、数字と日付で書きます。「多くの」「かなり」といった言い方は、確かめる手がかりになりません。
自社の事実を正確に書くことは、広告の審査でも求められます。広告のポリシーは、誤解を招く内容と、根拠のない主張を、どの分野でも禁止しているためです。
費用や条件は、変わりうることも書く
費用や条件は変わりやすい情報です。ページには、最終の更新日を書いておき、変更があれば直す習慣をつけてください。
古い情報が残っていると、AIが古い内容を紹介する原因になります。ページを直す習慣は、広告の遷移先としても、回答の材料としても、信頼を保つ役目を果たします。
質問ページの設計を、表にまとめる
| 項目 | 書くこと | 確かめること |
|---|---|---|
| 質問 | 利用者の言葉で、1ページに1つ | 社名を入れなくても通じるか |
| 冒頭の答え | 2〜3段落で、直接の答えを書く | 最初の画面で答えが読めるか |
| 根拠 | 事実、数字、日付、出典 | 古い情報が混ざっていないか |
| 条件と例外 | 当てはまらない場合を正直に書く | 誇張が入っていないか |
| 次の一歩 | 問い合わせや予約の方法 | 迷わず進めるか |
| 更新日 | 最終の更新日を書く | 3か月ごとに見直しているか |
書いたページの置き場所
作ったページは、自社サイトの中で、トップページや関連するページから、リンクでたどれる場所に置きます。孤立したページは、クローラーにも利用者にも見つけにくくなります。
ページ同士のリンクの張り方や、考え方の全体像は、LLMO対策のやり方をまとめた記事に詳しく書きました。
受け皿のページが足りないときの優先順位
質問を10個書き出しても、全部のページを一度に作る必要はありません。順番をつけて、少しずつ増やしてください。
| 優先順位 | 選ぶ質問 | 理由 |
|---|---|---|
| 高い | 問い合わせの直前に聞かれる質問 | 答えがあれば、次の行動につながりやすい |
| 中くらい | 比較や選び方の質問 | 検討中の人に読まれる |
| 低い | 一般的な用語の質問 | 他の情報源との競争が激しい |
ページを作ったあとに、やること
ページは、作って終わりではありません。公開したあと、約1か月は記録の表で様子を見て、回答に変化があるかを確かめます。
変化がなくても、すぐに書き直す必要はありません。質問の言葉が実際に聞かれているものとずれていないか、ページの冒頭に答えが書かれているか、クローラーが通れるかを、順に点検してください。
よくある行き止まり
| 行き止まり | 起きる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 広告が審査で止まる | 遷移先でクローラーが遮断されている | 防御サービスの設定を見直す |
| 広告をクリックされても問い合わせが来ない | 遷移先が質問に答えていない | 冒頭に答えを書き直す |
| 数字が合わない | 審査用の訪問が流入に混ざっている | 分析ツールの設定を確かめる |
| 回答に自社が出ない | 質問のずれやクローラーの遮断 | 質問を見直し、許可を確かめる |
出稿する場合の準備と、小さな試し方
質問1から3をすべて満たし、出稿を試すと決めた場合の準備を書きます。金額は書きません。自社の予算の範囲で、小さく始めてください。
準備1:遷移先のページを決める
広告の遷移先は、広告の文面と同じ内容を、より詳しく説明するページにします。トップページに送ると、利用者は自分の疑問の答えを探し直さなければなりません。
質問に答えるページを遷移先にすれば、広告をクリックした人の疑問に、そのまま応えられます。
準備2:クローラーの許可を確かめる
先に書いたとおり、OAI-AdsBotは必ず許可する必要があります。robots.txt、ウェブの防御サービス、人間かどうかの確認の仕組みの3つの層を、制作会社と一緒に点検してください。
許可が通っていないと、審査で止まる可能性があります。ヘルプセンターは、手動での回避に頼らず、クローラーが通れるように直すことを求めています。
準備3:測る仕組みを作る
遷移先のURLに追跡用のパラメーターを付けます。ヘルプセンターには、こうしたパラメーターは広告のクリックでも保たれ、既存の分析ツールで流入の分析に使える、と書かれています。
広告マネージャーに、コンバージョンの測定を設定する方法もあります。自社の目的が問い合わせなら、問い合わせの完了ページを測定の対象にしてください。
準備4:審査用の巡回に注意する
ヘルプセンターには、広告の審査のために、クローラーが追跡用のパラメーターつきのページを訪れることがあると書かれています。外部の分析ツールが、この訪問を有料の流入として数えることがあるが、審査のための訪問は課金されるクリックではない、という説明です。
分析ツールの数字と、広告マネージャーの数字が合わない場合は、この点を疑ってください。
準備5:成果を見る期間を決める
ヘルプセンターによると、表示回数やクリック数などは約15分ごとに更新されますが、支出の数字は7〜8時間遅れる場合があります。表示された支出がゼロでも、費用が発生していないとは限りません。
毎日の数字に一喜一憂せず、1〜2週間などの期間を先に決めて、そこで判断するようにしてください。ベータの間は配信が揺れると公式が書いているため、短期の数字は参考程度に見ます。
出稿を始めたあとの見直し方
出稿を始めたら、広告マネージャーの数字と、自社の分析ツールの数字を、同じ日付で並べて見ます。ヘルプセンターによると、報告に載る指標は、表示回数、クリック数、支出、クリック率、平均のクリック単価、平均の表示単価、コンバージョンです。
この中で、中小企業がまず見るべきなのは、クリック数と、問い合わせの数です。クリックが多くても問い合わせが増えないなら、広告の文面か、遷移先のページに原因があります。
| 見る数字 | 低いときに疑うこと |
|---|---|
| 表示回数 | 関連性が低い、または審査や予算で止まっている |
| クリック数 | 広告のタイトルとコピーが、質問に応えていない |
| 問い合わせの数 | 遷移先のページが、質問に答えていない |
| 支出の消化 | 予算や終了日、支払い方法の設定 |
見直しは、期間を先に決めたうえで、その期間の終わりに行います。途中で設定を何度も変えると、何が効いたのかが分からなくなります。
小さな試験の進め方
| 段階 | やること | 判断の基準 |
|---|---|---|
| 1 | 遷移先のページを1つ選ぶ | 質問に答える内容になっているか |
| 2 | クローラーの許可と測定を整える | 審査で止まらない状態か |
| 3 | 小さい予算で、短期間配信する | 期間を先に決めたか |
| 4 | 問い合わせや来店まで追う | 広告経由の数字が見えるか |
| 5 | 続けるかどうかを、自社の数字で決める | 公式の目安がないため、自社の基準で決める |
回答の本文に出ているかを、自分で測る
広告は広告マネージャーで数字が見えますが、回答の本文に出ているかどうかは、自分で測るしかありません。測らないまま対策を続けると、効いているのかどうかが分からなくなります。
弊社が測った結果
弊社は2026年10月に、Claudeを使って、自社の記事が引用元に入るかどうかを測りました。社名を入れない11の質問を、それぞれ2回ずつ聞いた結果、引用元に入ったのは22回中1回でした。
この数字は、ChatGPTの広告や、ChatGPTの回答そのものを測ったものではありません。Claudeに聞いた結果で、条件も限られています。それでも、質問に答える記事を書いただけでは、引用は簡単には起きないという目安にはなります。
測る質問を、固定する
測るときのコツは、質問を固定することです。毎回違う質問を聞くと、前回との比較ができません。
社名を入れない質問を5〜10個決めて、同じ文面で、月に1回聞きます。聞いた日付、聞いた場所、回答に自社が出たか、出た場合は何と紹介されたかを、記録の表に残します。
記録の表の例
| 日付 | 質問 | 回答に自社が出たか | 引用元に入ったか | 紹介の内容は正しいか |
|---|---|---|---|---|
| 毎月1回 | 固定した質問1 | 出た・出ない | 入った・入らない | 正しい・誤りあり |
| 毎月1回 | 固定した質問2 | 出た・出ない | 入った・入らない | 正しい・誤りあり |
| 毎月1回 | 固定した質問3 | 出た・出ない | 入った・入らない | 正しい・誤りあり |
広告と回答の結果は、別の表に分ける
広告の結果は、広告マネージャーの数字と、自社の分析ツールの流入で見ます。回答の本文の結果は、先ほどの記録の表で見ます。
2つを同じ表に混ぜると、どちらの施策が効いたのかが分からなくなります。公式が、広告は回答に影響しないと説明している以上、結果も別々に管理するのが自然です。
結果が出ないときの考え方
月に1回の記録で、自社が出ない状態が数か月続くことは、珍しくありません。その場合は、受け皿のページの質問が、実際に聞かれている質問とずれていないかを見直します。
また、クローラーの許可が通っているかを、あらためて確かめます。OAI-SearchBotの許可を直してから、約24時間かかることも、念頭に置いてください。
利用者側の疑問と、GoogleのAIモードの広告との違い
利用者側の疑問に、一言で答える
この記事の読者は事業者ですが、ChatGPTを使う側として気になる点もあるはずです。公式で確かめられた範囲で、短く答えます。
広告を見たくない場合
日本語のヘルプセンターによると、PlusやPro、Business、Enterprise、Eduの各アカウントでは広告は表示されません。無料版の利用者は、広告をオプトアウトして、1日あたりの無料メッセージ数を減らす方法もある、と公式ページに書かれています。
広告の管理は、設定の中の「広告の管理」から行えます。広告のパーソナライズをオフにしたり、広告に使われたデータを消したりできます。
広告の質問に答えるときに、気をつけること
ChatGPTの広告についての質問が、仕事や相談の場で出たら、広告は有料の掲載であって、OpenAIが推奨しているわけではないことを伝えてください。公式のヘルプセンターに、そう書かれています。
回答に影響しないという説明は、OpenAIの公式の主張です。独立した第三者の検証結果ではないことは、分けて受け止めておく必要があります。
広告を出す側にとっての意味
利用者の側の管理機能が整っている以上、広告がオフにされたり、閉じられたりする前提で設計されている、ということです。広告の表示回数が、必ずしも見た人の数や関心の高さを示さない可能性を、頭に置いておきましょう。
GoogleのAIモードの広告との違い
ChatGPTの広告を考えるときに、GoogleのAIモードの広告と混ざってしまう方がいます。2つは別のサービスで、公式の説明も別々です。
弊社が確かめた、Googleの側の話
AIモードの広告については、弊社の別の記事「AIモードに広告は出るのか」で、公式の説明を確かめた範囲を書きました。日本での提供について、確認できた範囲と確認できなかった範囲が、そこに分けて書いてあります。
この記事では、ChatGPTの広告に絞りました。両方を見ている事業者は、それぞれの公式ページを別々に開いて、最新の状況を確かめてください。
共通して言えること
2つのサービスに共通して言えるのは、広告で出ることと、回答の本文で紹介されることは、別の経路だという点です。広告に予算を回しても、自社サイトのページが整っていなければ、回答の側の成果は動きません。
その点では、GoogleのAIモードでも、ChatGPTでも、受け皿のページを整える作業の価値は変わりません。
回答の本文に出る側は、広告をやめても残る
広告の効果は、出稿をやめた時点で止まります。一方、質問に答えるページは、公開している限り、検索でも回答の材料としても読まれうる状態で残ります。
ここは、広告と回答を比べたときの、いちばん大きな性質の違いです。ページを整える作業は、地味ですが、積み上がる資産になります。
公式の資料は、定期的に見直す
OpenAIのヘルプセンターによると、ベータの間は、配信の仕組み、広告枠、広告の形式、購入や測定の方法が変わっていきます。変更は、広告マネージャーのアカウントに登録したメールアドレスに知らされる、とも書かれています。
広告を出す場合も出さない場合も、3か月に1回は、公式の広告ポリシーと提供状況の表を開いて、自社の状況が変わっていないかを確かめてください。
よくある質問
Q. ChatGPTの広告は、日本ではいつから始まったのですか?
A. OpenAIの日本語の公式ページには、2026年8月11日付の更新として、広告が英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国で提供を開始したという注記があります。報道には別の日付もありますが、公式ページで日付つきで確かめられたのはこの注記なので、この記事ではこちらを使っています。
Q. 広告を出すと、ChatGPTの回答に自社が出やすくなりますか?
A. 公式は、出やすくならないと説明しています。ヘルプセンターに「広告主が ChatGPT の回答を形成、順位付け、変更することはできません」という趣旨の記述があり、広告は回答とは別のシステムで配信されます。
Q. 中小企業でも、自社で広告を出せますか?
A. ヘルプセンターの提供状況の表では、日本は自社操作の広告マネージャーが提供中です。ただし、広告を出して請求を受ける法人が、表にある国に所在している必要があります。業種によっては、広告ポリシーで難しい分野もあるため、最新の文面を確かめてください。
Q. 士業やクリニックは、出稿できますか?
A. 広告ポリシーの2026年10月26日時点の文面では、金融と医療の広告は米国外では原則として禁止、法律サービスは米国で資格を持つ広告主に限る、と書かれています。日本の事務所や医院が出稿できるかどうかは、この文面からは難しいと読めます。判断の前に、最新の文面を自社で確かめてください。
Q. 広告が出ない会社は、何をすればよいですか?
A. 回答の本文に出る側を整えます。OAI-SearchBotを許可し、利用者が実際に聞く質問に答える受け皿のページを作り、月に1回の記録で結果を見ます。成果は保証されませんが、整えたページは公開している間は残ります。
まとめ:順番は、受け皿のページが先
ChatGPTの広告は、無料版とGoプランの利用者に向けて、回答の下に別枠で表示されます。公式は、広告が回答に影響しないこと、広告主が回答を形成も順位付けも変更もできないことを説明しています。
日本では、2026年8月11日付で提供開始が公式ページに書かれ、広告マネージャーも日本が提供中です。ただしベータの段階で、成果の目安は公式にまだありません。
中小企業の判断は、業種が対象か、受け皿のページがあるか、結果を測れるか、の3つの質問で決まります。どの場合でも共通するのは、広告に予算を回す前に、質問に答える受け皿のページを持つことです。
この記事の内容は、2026年10月26日に公式の資料を開いて確かめた範囲です。ベータの間は仕組みが変わると公式が書いているため、実際に作業するときは最新の資料を確認してください。
この記事で確かめた資料
| 資料 | 確かめたこと |
|---|---|
| OpenAI公式ページ(日本語)「ChatGPTでの広告のテスト」 | 対象プラン、回答の独立性、各市場への展開の更新注記(2026年2月9日、3月26日、5月7日、8月11日) |
| OpenAIヘルプセンター「ChatGPTでの広告」(日本語) | 表示場所、広告が別システムであること、推奨ではないこと、管理機能 |
| OpenAIヘルプセンターの広告の基本の記事 | 広告の形式、選ばれる材料、コンテキストのヒント、課金の考え方、測定 |
| OpenAIヘルプセンターの広告のよくある質問 | ベータの段階、成果の目安がないこと、配信されない場合の確認項目 |
| OpenAIヘルプセンターの広告マネージャーの提供状況 | 日本が提供中であること、法人の所在地の条件 |
| OpenAIヘルプセンター「クローラーを許可する手引き」 | OAI-AdsBotの許可が必須であること |
| OpenAI開発者向けページ「OpenAIのクローラーの概要」 | OAI-SearchBot、OAI-AdsBot、GPTBot、ChatGPT-Userの役割 |
| OpenAIの広告ポリシー | 配信を避ける場面、当面の対象分野、制限のある分野 |
| 弊社の測定(2026年10月、Claude、各2回) | 社名なしの質問で、22回中1回の引用 |
今日できる点検
次の表の項目を、上から順に確かめてください。1項目あたり15分ほどで終わります。
| 点検の項目 | 確かめる場所 | 合格の目安 | 直すこと |
|---|---|---|---|
| 自社の業種が広告の対象か | OpenAIの広告ポリシー | 禁止や制限の分野に当たらない | 当たる場合は回答側の整えを優先 |
| OAI-SearchBotを許可している | robots.txtと制作会社への確認 | 許可されている | 遮断の設定を外す |
| 広告を出すなら、OAI-AdsBotを許可している | robots.txtと防御サービスの設定 | 審査用のクローラーが通る | 遮断の設定を外す |
| 質問に答えるページが1つ以上ある | 自社サイトのページ一覧 | 冒頭に答えが書いてある | 無ければ1ページ作る |
| 広告の遷移先にできるページがある | 候補のページの内容 | 広告の文面と内容が一致する | 内容を合わせる |
| 流入を測る準備がある | 分析ツールと追跡用のパラメーター | 広告からの流入を区別できる | パラメーターを付ける |
| 社名なしの質問を決めた | 月1回の記録の表 | 5〜10個の質問が固定されている | 質問を書き出す |
| 公式の資料を見直す日を決めた | カレンダー | 3か月に1回の確認日がある | 確認日を入れる |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
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