「メルマガに何を書けばよいか、毎回悩む」「資料請求してくれた人に、その後どう連絡すればよいか分からない」。
BtoBの中小企業から、よく聞くお悩みです。
メールは、展示会やWebサイトで接点を持った見込み客と、相手のペースで関係を続けられる手段です。一方で、送り方を間違えると、配信停止や迷惑メールの報告につながります。
この記事では、メールマーケティングの「中身」に絞って、実務でそのまま使える考え方と型をまとめます。
メルマガとステップメールの違い、資料請求後の5通のシナリオ、件名の書き方、配信頻度、セグメント、配信停止の考え方、効果測定、営業への引き渡し、特定電子メール法の要点の順に説明します。
Gmailの送信者のガイドライン、Appleのメールプライバシー保護、GA4のURL生成ツール、迷惑メール相談センターの解説は、2026年10月17日に公式の説明を開いて内容を確かめました。
メールを確実に届けるための技術設定(送信ドメイン認証)は、この記事では触れる程度にとどめます。
先に結論 メールで先に決める5つのこと
最初に、この記事の要点を表にまとめます。
| 工程 | 先に決めること | 決めないと起きること |
|---|---|---|
| 種類 | メルマガとステップメールのどちらから作るか | 両方を中途半端に始めて止まる |
| 中身 | 資料請求後の5通の流れ | 資料を送ったきりで関心が冷める |
| 約束 | 登録時に書く頻度と内容 | 約束より多く届いて配信停止が増える |
| 計測 | クリックと、その後の行動で判断する | 開封率だけを見て判断を誤る |
| 法令 | 同意の記録と、本文の表示事項 | 送ってはいけない相手に送ってしまう |
どの工程も、特別なツールは要りません。順番に決めていけば、1人でも運用できます。
最初に作るのは資料請求後のステップメール
手が回らない場合は、まず「資料請求後のステップメール」を1本作ります。次に、月1回のメルマガを始める順番がおすすめです。
資料請求をした人は、少なくともその時点では、テーマに関心を持っています。
関心が冷めないうちに補足の情報を届けられるのが、ステップメールの強みです。一度作れば自動で動くので、担当者の負担も読みやすくなります。
メルマガとステップメールの違い
どちらも登録者にメールを送る点は同じですが、送るきっかけと役割が違います。
メルマガ(一斉配信)
メルマガは、登録者全員、または特定のグループに、同じ日時に同じ内容を送るメールです。「月に1回、業界の話題と自社の事例を届ける」といった定期便がこれに当たります。
- きっかけ:送る側が決めた日時
- 内容:その時々の話題(お知らせ、コラム、事例、イベント案内など)
- 役割:思い出してもらう、関係を保つ、検討の時期が来たときに声をかけてもらう
ステップメール(自動配信)
ステップメールは、相手の行動をきっかけに、あらかじめ用意した複数のメールを、決まった間隔で自動的に送る仕組みです。
行動とは、資料請求、セミナー参加、問い合わせなどです。「資料請求の直後に1通目、3日後に2通目、7日後に3通目」というように、一人ひとりの起点から数えて送られます。
- きっかけ:相手の行動(登録した日、申し込んだ日)
- 内容:あらかじめ設計した、順番のある内容
- 役割:関心が高い時期に理解を深めてもらい、次の行動へ進んでもらう
使い分けの目安
| 項目 | メルマガ | ステップメール |
|---|---|---|
| 送るタイミング | 全員が同じ日時 | 一人ひとりの起点から数えて |
| 作る手間 | 毎回作る | 最初にまとめて作り、あとは見直し |
| 得意なこと | 関係の維持、話題の提供 | 関心が高い時期の理解促進 |
| 向いている場面 | 登録者全体への定期連絡 | 資料請求、セミナー参加、問い合わせの直後 |
| 失敗しやすい点 | ネタ切れ、売り込みの多さ | 作りっぱなしで内容が古くなる |
メールマーケティングの全体の流れ
全体像を図にしました。
接点を持った相手に、ステップメールで理解を深めてもらい、メルマガで関係を保ちます。
関心が高まった相手は営業に引き渡し、結果を数字で見直します。
運用の担当を決める
| 担当 | 主な仕事 | 頻度 |
|---|---|---|
| マーケティング担当 | 配信の作成、数字の確認 | 毎月 |
| 営業担当 | 引き渡しの基準づくり、商談の結果の共有 | 月に1回の共有 |
| 責任者 | 頻度の約束、法令の確認 | 定期の見直し |
資料請求後のステップメール 5通のシナリオ例
BtoBの資料請求を起点にしたステップメールの骨組みです。自社の商品やサービスに合わせて、中身を差し替えてください。
全体の設計図
| 通 | 送信のタイミング(目安) | 目的 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 1通目 | 直後(自動) | 資料を確実に届け、送信者を覚えてもらう | 資料のリンク、読みどころ、問い合わせ先 |
| 2通目 | 2〜3日後 | 資料の理解を助ける | よくある疑問への回答、資料の補足 |
| 3通目 | 5〜7日後 | 「自社でも使えそう」と思ってもらう | 近い業種や規模の導入事例 |
| 4通目 | 10〜14日後 | 検討の不安を減らす | 導入の流れ、費用の考え方、比較のポイント |
| 5通目 | 3週間前後 | 次の一歩を提案する | 個別相談、デモ、見積もりの案内 |
送信間隔の考え方
送信間隔に決まった正解はありません。次の3点で決めると、失敗しにくくなります。
- 検討期間の長さに合わせる。数日で決まる商材なら間隔を詰め、数か月かけて社内で検討する商材なら、後半ほど間隔を空けます
- 最初は詰め、後半は空ける。請求の直後は、相手が資料の内容をまだ覚えています
- 相手の営業日を意識する。土日や祝日、年末年始に届くと、休み明けの大量のメールに埋もれることがあります
途中で問い合わせや商談の申し込みがあった人には、残りのステップメールを止める設定にしておきます。
1通目 資料の送付(直後)
- 目的:資料を確実に届ける。誰からのメールかを覚えてもらう
- 件名の例:「【資料送付】〔サービス名〕の紹介資料をお届けします」
- 本文の骨子:請求へのお礼、資料のリンク(目立つ位置に1つ)、特に読んでほしい箇所、今後のメールの予告と配信停止の方法、問い合わせ先と担当者名
「今後どんなメールが届くか」を最初に予告しておくと、2通目以降が売り込みに見えにくくなります。
2通目 疑問への回答(2〜3日後)
- 目的:資料を読んで出てきそうな疑問に、先回りして答える
- 件名の例:「資料をご覧になった方から多いご質問を3つまとめました」
- 本文の骨子:前回の資料に触れる一文、よくある質問3つと短い回答、詳しい解説ページへのリンク(1つ)、返信の案内
営業や問い合わせ窓口に実際に寄せられた質問を集めると、そのまま材料になります。
3通目 導入事例(5〜7日後)
- 目的:「自社と似た会社でも使えている」と思ってもらう
- 件名の例:「〔業種〕の会社が、〔課題〕をどう解決したか」
- 本文の骨子:事例企業の概要、取り組んだこと、変化、事例ページへのリンク
事例は、業種や規模が読み手に近いほど伝わります。複数ある場合は、後述のセグメントで出し分けます。
掲載には、必ず先方の許可を取ってください。
4通目 検討の不安を減らす(10〜14日後)
- 目的:社内で検討するときに必要になる情報を渡す
- 件名の例:「導入までの流れと、社内で検討するときの確認ポイント」
- 本文の骨子:導入までの流れ、費用の考え方(何によって変わるか)、比較検討のチェック項目、社内説明用の資料のリンク
読んでいる担当者が、決裁者とは限りません。上司への説明に使える材料を渡すと、検討が進みやすくなります。
5通目 次の一歩の提案(3週間前後)
- 目的:個別相談、デモ、見積もりなど、具体的な次の行動を提案する
- 件名の例:「オンライン相談で、御社の場合の進め方をお伝えします」
- 本文の骨子:これまでのメールの振り返り、相談で分かること、申し込みのリンク(1つ)、今は情報収集の段階の人への別の選択肢
「今すぐでなくても構いません」という選択肢を添えると、押しつけがましさが和らぎ、メルマガにも自然につながります。
セミナー参加後のステップメールで変えるところ
セミナー(ウェビナー)の参加者向けも、骨組みは同じです。違いは次の表のとおりです。
| 通 | 変える内容 |
|---|---|
| 1通目 | 参加のお礼、録画と投影資料のリンク、アンケートのお願い |
| 2通目 | 当日の質疑応答で答えきれなかった質問への回答 |
| 3通目以降 | 資料請求向けと同じく、事例、検討の材料、次の一歩の順 |
| 申し込んだが参加しなかった人 | 別のシナリオに分け、「当日の録画をご覧いただけます」から始める |
アンケートで「個別相談を希望する」と答えた人は、ステップメールを待たずに、営業から直接連絡する流れにします。
ステップメールを作ったあとに見直すこと
ステップメールは、作って終わりにすると、内容が古くなります。
| 見直す点 | 確認の仕方 |
|---|---|
| リンク切れ | 各通のリンクを、半年に1回は自分で開いて確かめる |
| 内容の古さ | 料金、機能、事例の情報が、今の内容と合っているか |
| 反応の落ちる通 | 通ごとのクリック率を比べ、落ち込む通を書き直す |
| 営業との食い違い | 営業が商談で話す内容と、メールの説明が一致しているか |
通ごとに反応が落ちる原因は、内容が長い、リンクが複数ある、件名が中身と合っていない、のいずれかであることが多いものです。
一度に全部を直さず、1通ずつ直して、数か月の数字で比べます。
件名とプレヘッダーの書き方
受信箱で相手の目に入るのは、差出人名、件名、本文の冒頭(プレヘッダー)です。ここで開く価値があると思ってもらえなければ、本文は読まれません。
件名のコツ
| コツ | 具体的な書き方 |
|---|---|
| 具体的に | 「〇〇通信 Vol.12」より、中身が分かる言葉にする |
| 大事な言葉を前に | スマートフォンでは件名の後半が切れることがあるため、前半に置く |
| 対象を入れる | 「〇〇の担当者向け」など、読む人を絞る言葉を添える |
| あおらない | 「緊急」「必見」「今だけ」の多用は、信頼を損なう |
| 本文と一致させる | 件名で約束したことは、本文の最初に書く |
プレヘッダーのコツ
プレヘッダーは、受信箱で件名の横や下に表示される、本文の冒頭の短い文章です。
配信ツールに専用の入力欄があれば設定し、定型文が表示されるのを防ぎます。
- 件名の「補足」になる一文を書く
- 件名の繰り返しは避ける
件名の書き換えの例
件名は、読む人に「自分に関係がある」と伝わるかどうかで決まります。書き換えの考え方を表にしました。
| 直す前の型 | 直す方向 | 書き換えた例 |
|---|---|---|
| 〇〇通信 Vol.12 | 中身が分かる言葉にする | 〔作業名〕でよくある失敗と対策 |
| 【重要】お知らせ | 何のお知らせかを書く | 〔日付〕の営業日のご案内 |
| 新サービスのご案内 | 誰の何を解決するかを書く | 〔対象〕の〔課題〕を減らす新機能について |
| ご確認ください | 確認してほしい内容を書く | 〔資料名〕の読みどころを3つにまとめました |
〔 〕は、自社の内容に置き換えてください。
配信する曜日と時間の決め方
配信する曜日と時間に、全ての会社に当てはまる正解はありません。
最初は、読み手が仕事のメールを確認しそうな平日の時間帯に決め、数か月続けます。
そのうえで、クリックされた時間帯を配信ツールの記録から読み取り、少しずつずらして比べます。
一度に曜日と時間と件名を変えると、何が効いたのか分からなくなります。比べるときは、変える点を1つに絞ってください。
配信頻度の決め方
適切な頻度は、業種、商材、読者によって違い、決まった答えはありません。次の順番で決めると、無理がありません。
- 続けられる頻度から始める。専任の担当がいなければ、まず月1回を1年続けることを目標にします
- 登録時の約束を守る。「月1回程度」と書いたなら、それを大きく超えて送らないようにします
- 反応を見て調整する。配信停止や迷惑メールの報告が増えたら、頻度を下げます
- ステップメールとの重なりに注意する。ステップメールを受け取っている期間の人に、メルマガも届くと、短期間に通数が増えます
配信ツールで「ステップメールの配信中の人はメルマガから除く」設定ができるか、確認しておきます。
メルマガのネタに困らないための型
次のような型を順に回すと、ネタ切れを防げます。
| 回 | 型 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | お役立ち情報 | 「〇〇の作業でよくある失敗と対策」 |
| 2 | 事例 | 「△△業のお客様の取り組み」 |
| 3 | よくある質問 | 「最近いただいたご質問から」 |
| 4 | お知らせ | セミナー、新機能、営業日の案内 |
1通に詰め込みすぎず、「主な話題は1つ、主なリンクも1つ」を基本にすると、読む側も迷いません。
セグメントの分け方
セグメントとは、登録者を条件で分けたグループのことです。全員に同じメールを送るより、相手に合った内容を送るほうが、読まれやすくなります。
ただし、細かく分けすぎると、作るメールの数が増えて続かなくなります。中小企業では、2〜3種類の軸、各数グループから始めるのが現実的です。
よく使う分け方
| 軸 | 分け方の例 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 業種 | 製造業、建設業、サービス業など | 事例の出し分け |
| 会社の規模 | 従業員数の帯 | 導入の進め方の説明 |
| 検討段階 | 情報収集中、比較検討中、商談中、導入済み | 内容の深さ、送る頻度 |
| 接点 | 資料請求、セミナー参加、展示会で名刺交換 | ステップメールの種類 |
検討段階の判断
検討段階は、行動からおおよそ推し量れます。
| 段階 | 目安になる行動 |
|---|---|
| 情報収集中 | メルマガの登録のみ、一般的なコラムのクリックが中心 |
| 比較検討中 | 資料請求、料金や事例のページのクリック、セミナー参加 |
| 商談中 | 個別相談や見積もりの申し込み、営業との打ち合わせ中 |
| 導入済み | 契約済みの顧客 |
商談中と導入済みは、営業部門の顧客リストと突き合わせて更新しておきます。商談中の相手に、見込み客向けのメールが届かないようにするためです。
登録の経路ごとに入口のメールを変える
同じメルマガの登録でも、どこで登録したかによって、相手の関心は違います。
| 登録の経路 | 最初のメールの方針 |
|---|---|
| ブログ記事の下の登録フォーム | その記事に関連する資料や記事を案内する |
| 資料請求のフォーム | 資料のリンクと、ステップメールの予告 |
| セミナーの申込フォーム | 開催の案内と、当日までの準備 |
| 展示会での名刺交換 | 会ったお礼と、同意の確認(送ってよいかの案内) |
登録の経路を記録しておくと、あとでセグメントとして使えます。
配信停止は減らすより出しやすくする
配信停止が増えると、停止リンクを目立たなくしたくなりますが、逆効果です。
読みたくない人が止め方を見つけられないと、受信箱の「迷惑メールを報告」ボタンを押します。報告される割合が高くなると、メールサービス側で送信者の評価が下がり、読みたい人の受信箱にも届きにくくなるおそれがあります。
Gmailの送信者のガイドライン
Googleの公式ヘルプでは、2024年2月以降、Gmailのアカウント宛てに送る全ての送信者に、送信元ドメインのSPFまたはDKIMの設定や、迷惑メール率を0.3%未満に抑えることなどを求めています。
さらに、個人のGmailアカウントに24時間以内に約5,000件以上を送る一括送信者には、追加の要件があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認証 | SPFとDKIMに加えて、DMARCを設定する |
| 登録解除 | マーケティングやプロモーションのメールには、ワンクリックで登録解除できる仕組みを用意する |
| 迷惑メール率 | 0.1%未満を維持し、0.3%以上にならないようにする |
| 対象外 | パスワードの再設定や予約の確認などの取引上のメールは、ワンクリックの義務の対象外 |
| 登録解除の処理 | 48時間以内の対応が推奨されている |
| 2025年11月以降 | 要件を満たさない送信元への措置が強化されている |
ワンクリックの登録解除は、メールのヘッダー(受信者からは見えない管理情報)に、List-UnsubscribeとList-Unsubscribe-Postという項目を設定する仕組みです。
GoogleのFAQでは、mailtoのリンクだけ、またはメール本文の中のリンクだけでは、ワンクリックの要件を満たさないとされています。
多くの配信ツールに対応する機能があるため、自社のツールで有効になっているかを確認しましょう。迷惑メール率は、Googleの Postmaster Tools で確認できます。
配信数が5,000件に届かなくても、止めたい人が簡単に止められる状態は、届けたい人に届け続けるための前提です。
配信停止を出しやすくする実務のポイント
- 本文の末尾に、分かりやすい言葉で配信停止のリンクを置く
- 停止の手続きで、ログインや理由の入力を必須にしない
- 停止の申し出は、すぐに反映する
- 「セミナーの案内だけ受け取る」など、選択肢を用意できると、完全な停止を減らせる場合がある
効果測定 何を見て、どう改善するか
開封率は参考値として扱う
開封率は、メールの中に小さな画像を埋め込み、それが読み込まれたかどうかで「開いた」と判定するのが一般的な仕組みです。
ところが、Appleの公式ヘルプによると、メールプライバシー保護をオンにした受信者では、IPアドレスが隠され、メールを開いたかどうかが送信者に分からなくなります。
Macの説明では、この機能は、リモートコンテンツ(外部から読み込む画像など)を、メールの受信時にバックグラウンドで読み込む、とされています。
つまり、この機能を使っている受信者については、「画像が読み込まれた」ことが「開封した」ことを意味しません。開封率は、以前ほど正確な指標ではなくなっています。
開封率は、件名の良し悪しを比べる目安にとどめ、判断の中心は、次のクリックと、その後の行動に置きます。
クリック率を中心に見る
クリック率は、メールを受け取った人のうち、リンクをクリックした人の割合です。配信ツールによっては、開封者を分母にした数字を別の名前で出していることがあるため、定義を確認してください。
クリックは本人の操作がないと発生しないため、関心を測る指標として扱いやすくなります。
| 比べる観点 | 分かること |
|---|---|
| 話題(型)ごと | どの内容が関心を集めるか |
| リンクの位置 | 冒頭、中盤、末尾のどこが押されるか |
| ボタンと文字リンク | どちらが押されやすいか |
| セグメントごと | 業種や検討段階による違い |
GA4とUTMでメールの後を追う
クリックした人がサイトで何を見て、資料請求や問い合わせに至ったかは、GA4で計測します。
そのために、メール内のリンクにUTMパラメータ(URLの末尾に付ける目印)を付けます。
| パラメータ | 意味 | メールでの設定例 |
|---|---|---|
| utm_source | 参照元 | newsletter(メルマガ)、stepmail(ステップメール) |
| utm_medium | 媒体 | |
| utm_campaign | キャンペーン名 | 2026-10_case-study など |
| utm_content | 同じメール内のリンクの区別 | header_button、footer_link など |
Googleのヘルプで示されている注意点は、次のとおりです。
- 値は大文字と小文字が区別される。小文字に統一する
- utm_source、utm_medium、utm_campaign の3つは必ず設定する
- 同じメールに行動を促すリンクが複数あるときは、utm_content の値を変えると、どちらが効果的かを比べられる
- Googleが提供するURL生成ツールを使うと、入力ミスを減らせる
値の付け方は、社内の命名ルールとして共有しておきます。
毎月見る指標
| 指標 | 見る理由 |
|---|---|
| 配信数と不達 | 届いていない相手がいないか |
| クリック率(メールごと、型ごと) | どの内容に関心があるか |
| 配信停止数と迷惑メール率 | 頻度や内容が合っているか |
| GA4でのメール経由のセッション | メールがサイトへの入口になっているか |
| メール経由の資料請求と相談の申し込み | 最終的な成果 |
| ステップメールの通ごとのクリック率 | どの通で反応が落ちるか |
数字は、1回ごとの上下より、数か月の傾向で見ます。
営業への引き渡し
引き渡しの基準を決める
どんな行動をした人を営業に渡すかを、マーケティング担当と営業で、事前に合意しておきます。
| 行動 | 渡し方 |
|---|---|
| 個別相談、デモ、見積もりを申し込んだ | すぐに引き渡す |
| セミナーのアンケートで「相談したい」と答えた | すぐに引き渡す |
| 料金や導入の流れのページを、短期間に複数回見た | 候補として共有する |
| ステップメールの4〜5通目のリンクをクリックした | 候補として共有する |
最初は基準を厳しめにし、営業の感想をもとに調整します。
引き渡すときに伝える情報
次の情報をまとめて渡すと、営業は相手の関心に合わせて話を切り出せます。
- 会社名、担当者名、役職
- 最初の接点(請求した資料名、参加したセミナー名と日付)
- メールでクリックした内容(どの事例、どのページ)
- アンケートの回答や問い合わせの内容
引き渡したあとのメール
営業が連絡を始めた相手には、ステップメールや見込み客向けのメルマガを止めるか、内容を切り替えます。
商談が見送りになった相手は、営業から結果を戻してもらい、メルマガのリストに戻す流れも決めておきます。
特定電子メール法の表示義務(要点のみ)
広告や宣伝のメールを送る場合、日本では特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)を守る必要があります。
迷惑メール相談センターの解説と、総務省・消費者庁のガイドラインをもとに、要点だけを挙げます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 同意を得た相手に送る | 原則として、あらかじめ送信に同意した相手にだけ、広告や宣伝のメールを送れる(オプトイン) |
| 同意の記録 | 同意を得たことを示す記録を保存する |
| 本文に必ず表示する項目 | 送信者の氏名または名称、受信拒否の通知先(メールアドレスまたはURL)、その直前か直後に「受信拒否ができる」旨 |
| 任意の場所でよい項目 | 送信者の住所、苦情や問い合わせを受け付ける連絡先 |
| 名称の書き方 | 送信者の正式な氏名または名称を表示する |
| 受信拒否の申し出 | 拒否の通知を受けた相手には、それ以降送らない |
任意の場所でよい項目をリンク先に載せる場合も、その場所をメールの中で示します。何度もクリックしないとたどり着けない構成は避けてください。
また、ホームページで公表されているメールアドレスは、原則としてオプトインの例外とされています。ただし、受信を拒否する旨がアドレスとあわせて表示されている場合は、例外になりません。
法令の適用は個別の事情で変わるため、判断に迷う場合は、専門家に相談してください。
フォームには、「今後、メールでご案内をお送りします」と明記し、同意を得てから配信しましょう。
売れるサイトはみな謙虚 メールは足さずに引く
ここまで、メールの設計と運用を説明してきました。最後に、サイト全体の作り方についての考え方を1つ紹介します。
「売れるサイトはみな謙虚」という考え方です。大きく見せる言葉や機能を足していくより、訪れた人が迷う要素を引いていくほうが、次の一歩を踏み出してもらえるという見方です。
メールから引くもの
メールに当てはめると、引く対象は次のようになります。
| 引くもの | 引いたあとの状態 |
|---|---|
| 1通に詰め込んだ複数の話題 | 主な話題とリンクが1つになり、迷わない |
| あおる件名 | 中身が伝わる件名になり、信頼される |
| 見つけにくい配信停止のリンク | 止めたい人が止められ、迷惑メールの報告が減る |
| 約束より多い配信 | 登録時の約束どおりの頻度で届く |
| 開封率だけの判断 | クリックとその後の行動で判断できる |
謙虚なメールは読み続けられる
「今は情報収集の段階」という人に、別の選択肢を示すメールは、押しつけがましさがありません。
足すより引く。この姿勢が、メールを読み続けてもらう土台になります。
配信前の点検表
| 区分 | 確認すること |
|---|---|
| 中身 | 1通の主な話題とリンクが、それぞれ1つになっている |
| 中身 | 件名が本文の内容と一致している |
| 配信 | 登録時の約束より多く送っていない |
| 配信 | ステップメールの配信中の人に、メルマガが重なっていない |
| 停止 | 配信停止のリンクが、本文の末尾に分かりやすくある |
| 停止 | ワンクリックの登録解除が有効になっている |
| 計測 | リンクにUTMを付け、値を小文字に統一している |
| 法令 | 同意を得た相手にだけ送り、記録を保存している |
| 法令 | 送信者の名称と受信拒否の通知先を、本文に表示している |
| 引き渡し | 営業に渡す基準が、営業と合意されている |
よくある質問
Q1. メルマガとステップメールは、どちらから始めるべきですか
資料請求後のステップメールを1本作り、次に月1回のメルマガを始める順番がおすすめです。
関心が高い時期に自動で届くステップメールのほうが、少ない手間で成果につながりやすくなります。
Q2. 開封率は見なくてよいですか
見ても構いませんが、参考値として扱います。
Appleのメールプライバシー保護を使う受信者では、開いたかどうかが送信者に分からなくなるためです。
Q3. 配信数が少なくても、ワンクリックの登録解除は必要ですか
Gmailのガイドラインで義務とされるのは、個人のGmailアカウントに約5,000件以上を送る一括送信者です。
ただし、止めたい人が簡単に止められる状態は、配信数にかかわらず必要です。配信ツールの機能を確認しましょう。
Q4. 名刺交換した相手にメルマガを送ってよいですか
広告や宣伝のメールは、原則として、あらかじめ送信に同意した相手にだけ送れます。
名刺交換のときに、メールで案内を送ることを伝えて同意を得るなど、同意の取り方と記録を決めておいてください。
まとめ
- メルマガは関係の維持、ステップメールは関心が高い時期の後押しに使う。まず資料請求後のステップメールから作る
- ステップメールは「資料の送付、疑問への回答、事例、検討の材料、次の一歩」の流れが基本
- 件名は具体的に、大事な言葉を前に置く。頻度は続けられる範囲で、登録時の約束を守る
- 配信停止は出しやすくする。Gmailのワンクリックの登録解除にも対応する
- 開封率は参考値。判断は、クリックと、GA4とUTMで追うその後の行動で行う
- 営業に渡す基準を決め、特定電子メール法の同意と表示義務を守る
- 足すより引く。1通に1つの話題と1つのリンクにする
最初から完璧を目指す必要はありません。ステップメール1本と月1回のメルマガから始め、数字と営業の声を見ながら育てていきましょう。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
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