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  3. BtoB中小企業のメールマーケティング実務 メルマガとステップメールの使い分け、シナリオ例、効果測定まで【2026年10月版】

BtoB中小企業のメールマーケティング実務 メルマガとステップメールの使い分け、シナリオ例、効果測定まで【2026年10月版】

2026 10/17
2026年10月17日
中野輝規
BtoB中小企業のメールマーケティング実務 メルマガとステップメールの使い分け、シナリオ例、効果測定まで【2026年10月版】

「メルマガに何を書けばよいか、毎回悩む」「資料請求してくれた人に、その後どう連絡すればよいか分からない」。

BtoBの中小企業から、よく聞くお悩みです。

メールは、展示会やWebサイトで接点を持った見込み客と、相手のペースで関係を続けられる手段です。一方で、送り方を間違えると、配信停止や迷惑メールの報告につながります。

この記事では、メールマーケティングの「中身」に絞って、実務でそのまま使える考え方と型をまとめます。

メルマガとステップメールの違い、資料請求後の5通のシナリオ、件名の書き方、配信頻度、セグメント、配信停止の考え方、効果測定、営業への引き渡し、特定電子メール法の要点の順に説明します。

Gmailの送信者のガイドライン、Appleのメールプライバシー保護、GA4のURL生成ツール、迷惑メール相談センターの解説は、2026年10月17日に公式の説明を開いて内容を確かめました。

メールを確実に届けるための技術設定(送信ドメイン認証)は、この記事では触れる程度にとどめます。

目次

先に結論 メールで先に決める5つのこと

最初に、この記事の要点を表にまとめます。

工程 先に決めること 決めないと起きること
種類 メルマガとステップメールのどちらから作るか 両方を中途半端に始めて止まる
中身 資料請求後の5通の流れ 資料を送ったきりで関心が冷める
約束 登録時に書く頻度と内容 約束より多く届いて配信停止が増える
計測 クリックと、その後の行動で判断する 開封率だけを見て判断を誤る
法令 同意の記録と、本文の表示事項 送ってはいけない相手に送ってしまう

どの工程も、特別なツールは要りません。順番に決めていけば、1人でも運用できます。

最初に作るのは資料請求後のステップメール

手が回らない場合は、まず「資料請求後のステップメール」を1本作ります。次に、月1回のメルマガを始める順番がおすすめです。

資料請求をした人は、少なくともその時点では、テーマに関心を持っています。

関心が冷めないうちに補足の情報を届けられるのが、ステップメールの強みです。一度作れば自動で動くので、担当者の負担も読みやすくなります。

メルマガとステップメールの違い

どちらも登録者にメールを送る点は同じですが、送るきっかけと役割が違います。

メルマガ(一斉配信)

メルマガは、登録者全員、または特定のグループに、同じ日時に同じ内容を送るメールです。「月に1回、業界の話題と自社の事例を届ける」といった定期便がこれに当たります。

  • きっかけ:送る側が決めた日時
  • 内容:その時々の話題(お知らせ、コラム、事例、イベント案内など)
  • 役割:思い出してもらう、関係を保つ、検討の時期が来たときに声をかけてもらう

ステップメール(自動配信)

ステップメールは、相手の行動をきっかけに、あらかじめ用意した複数のメールを、決まった間隔で自動的に送る仕組みです。

行動とは、資料請求、セミナー参加、問い合わせなどです。「資料請求の直後に1通目、3日後に2通目、7日後に3通目」というように、一人ひとりの起点から数えて送られます。

  • きっかけ:相手の行動(登録した日、申し込んだ日)
  • 内容:あらかじめ設計した、順番のある内容
  • 役割:関心が高い時期に理解を深めてもらい、次の行動へ進んでもらう

使い分けの目安

項目 メルマガ ステップメール
送るタイミング 全員が同じ日時 一人ひとりの起点から数えて
作る手間 毎回作る 最初にまとめて作り、あとは見直し
得意なこと 関係の維持、話題の提供 関心が高い時期の理解促進
向いている場面 登録者全体への定期連絡 資料請求、セミナー参加、問い合わせの直後
失敗しやすい点 ネタ切れ、売り込みの多さ 作りっぱなしで内容が古くなる

メールマーケティングの全体の流れ

全体像を図にしました。

メールで見込み客を育てる流れ接点資料請求など登録自動配信理解を深める継続定期配信関係を保つ合意引き渡し基準を決める振り返り効果測定クリックで見る

接点を持った相手に、ステップメールで理解を深めてもらい、メルマガで関係を保ちます。

関心が高まった相手は営業に引き渡し、結果を数字で見直します。

運用の担当を決める

担当 主な仕事 頻度
マーケティング担当 配信の作成、数字の確認 毎月
営業担当 引き渡しの基準づくり、商談の結果の共有 月に1回の共有
責任者 頻度の約束、法令の確認 定期の見直し

資料請求後のステップメール 5通のシナリオ例

BtoBの資料請求を起点にしたステップメールの骨組みです。自社の商品やサービスに合わせて、中身を差し替えてください。

全体の設計図

通 送信のタイミング(目安) 目的 主な内容
1通目 直後(自動) 資料を確実に届け、送信者を覚えてもらう 資料のリンク、読みどころ、問い合わせ先
2通目 2〜3日後 資料の理解を助ける よくある疑問への回答、資料の補足
3通目 5〜7日後 「自社でも使えそう」と思ってもらう 近い業種や規模の導入事例
4通目 10〜14日後 検討の不安を減らす 導入の流れ、費用の考え方、比較のポイント
5通目 3週間前後 次の一歩を提案する 個別相談、デモ、見積もりの案内

送信間隔の考え方

送信間隔に決まった正解はありません。次の3点で決めると、失敗しにくくなります。

  1. 検討期間の長さに合わせる。数日で決まる商材なら間隔を詰め、数か月かけて社内で検討する商材なら、後半ほど間隔を空けます
  2. 最初は詰め、後半は空ける。請求の直後は、相手が資料の内容をまだ覚えています
  3. 相手の営業日を意識する。土日や祝日、年末年始に届くと、休み明けの大量のメールに埋もれることがあります

途中で問い合わせや商談の申し込みがあった人には、残りのステップメールを止める設定にしておきます。

1通目 資料の送付(直後)

  • 目的:資料を確実に届ける。誰からのメールかを覚えてもらう
  • 件名の例:「【資料送付】〔サービス名〕の紹介資料をお届けします」
  • 本文の骨子:請求へのお礼、資料のリンク(目立つ位置に1つ)、特に読んでほしい箇所、今後のメールの予告と配信停止の方法、問い合わせ先と担当者名

「今後どんなメールが届くか」を最初に予告しておくと、2通目以降が売り込みに見えにくくなります。

2通目 疑問への回答(2〜3日後)

  • 目的:資料を読んで出てきそうな疑問に、先回りして答える
  • 件名の例:「資料をご覧になった方から多いご質問を3つまとめました」
  • 本文の骨子:前回の資料に触れる一文、よくある質問3つと短い回答、詳しい解説ページへのリンク(1つ)、返信の案内

営業や問い合わせ窓口に実際に寄せられた質問を集めると、そのまま材料になります。

3通目 導入事例(5〜7日後)

  • 目的:「自社と似た会社でも使えている」と思ってもらう
  • 件名の例:「〔業種〕の会社が、〔課題〕をどう解決したか」
  • 本文の骨子:事例企業の概要、取り組んだこと、変化、事例ページへのリンク

事例は、業種や規模が読み手に近いほど伝わります。複数ある場合は、後述のセグメントで出し分けます。

掲載には、必ず先方の許可を取ってください。

4通目 検討の不安を減らす(10〜14日後)

  • 目的:社内で検討するときに必要になる情報を渡す
  • 件名の例:「導入までの流れと、社内で検討するときの確認ポイント」
  • 本文の骨子:導入までの流れ、費用の考え方(何によって変わるか)、比較検討のチェック項目、社内説明用の資料のリンク

読んでいる担当者が、決裁者とは限りません。上司への説明に使える材料を渡すと、検討が進みやすくなります。

5通目 次の一歩の提案(3週間前後)

  • 目的:個別相談、デモ、見積もりなど、具体的な次の行動を提案する
  • 件名の例:「オンライン相談で、御社の場合の進め方をお伝えします」
  • 本文の骨子:これまでのメールの振り返り、相談で分かること、申し込みのリンク(1つ)、今は情報収集の段階の人への別の選択肢

「今すぐでなくても構いません」という選択肢を添えると、押しつけがましさが和らぎ、メルマガにも自然につながります。

セミナー参加後のステップメールで変えるところ

セミナー(ウェビナー)の参加者向けも、骨組みは同じです。違いは次の表のとおりです。

通 変える内容
1通目 参加のお礼、録画と投影資料のリンク、アンケートのお願い
2通目 当日の質疑応答で答えきれなかった質問への回答
3通目以降 資料請求向けと同じく、事例、検討の材料、次の一歩の順
申し込んだが参加しなかった人 別のシナリオに分け、「当日の録画をご覧いただけます」から始める

アンケートで「個別相談を希望する」と答えた人は、ステップメールを待たずに、営業から直接連絡する流れにします。

ステップメールを作ったあとに見直すこと

ステップメールは、作って終わりにすると、内容が古くなります。

見直す点 確認の仕方
リンク切れ 各通のリンクを、半年に1回は自分で開いて確かめる
内容の古さ 料金、機能、事例の情報が、今の内容と合っているか
反応の落ちる通 通ごとのクリック率を比べ、落ち込む通を書き直す
営業との食い違い 営業が商談で話す内容と、メールの説明が一致しているか

通ごとに反応が落ちる原因は、内容が長い、リンクが複数ある、件名が中身と合っていない、のいずれかであることが多いものです。

一度に全部を直さず、1通ずつ直して、数か月の数字で比べます。

件名とプレヘッダーの書き方

受信箱で相手の目に入るのは、差出人名、件名、本文の冒頭(プレヘッダー)です。ここで開く価値があると思ってもらえなければ、本文は読まれません。

件名のコツ

コツ 具体的な書き方
具体的に 「〇〇通信 Vol.12」より、中身が分かる言葉にする
大事な言葉を前に スマートフォンでは件名の後半が切れることがあるため、前半に置く
対象を入れる 「〇〇の担当者向け」など、読む人を絞る言葉を添える
あおらない 「緊急」「必見」「今だけ」の多用は、信頼を損なう
本文と一致させる 件名で約束したことは、本文の最初に書く

プレヘッダーのコツ

プレヘッダーは、受信箱で件名の横や下に表示される、本文の冒頭の短い文章です。

配信ツールに専用の入力欄があれば設定し、定型文が表示されるのを防ぎます。

  • 件名の「補足」になる一文を書く
  • 件名の繰り返しは避ける

件名の書き換えの例

件名は、読む人に「自分に関係がある」と伝わるかどうかで決まります。書き換えの考え方を表にしました。

直す前の型 直す方向 書き換えた例
〇〇通信 Vol.12 中身が分かる言葉にする 〔作業名〕でよくある失敗と対策
【重要】お知らせ 何のお知らせかを書く 〔日付〕の営業日のご案内
新サービスのご案内 誰の何を解決するかを書く 〔対象〕の〔課題〕を減らす新機能について
ご確認ください 確認してほしい内容を書く 〔資料名〕の読みどころを3つにまとめました

〔 〕は、自社の内容に置き換えてください。

配信する曜日と時間の決め方

配信する曜日と時間に、全ての会社に当てはまる正解はありません。

最初は、読み手が仕事のメールを確認しそうな平日の時間帯に決め、数か月続けます。

そのうえで、クリックされた時間帯を配信ツールの記録から読み取り、少しずつずらして比べます。

一度に曜日と時間と件名を変えると、何が効いたのか分からなくなります。比べるときは、変える点を1つに絞ってください。

配信頻度の決め方

適切な頻度は、業種、商材、読者によって違い、決まった答えはありません。次の順番で決めると、無理がありません。

  1. 続けられる頻度から始める。専任の担当がいなければ、まず月1回を1年続けることを目標にします
  2. 登録時の約束を守る。「月1回程度」と書いたなら、それを大きく超えて送らないようにします
  3. 反応を見て調整する。配信停止や迷惑メールの報告が増えたら、頻度を下げます
  4. ステップメールとの重なりに注意する。ステップメールを受け取っている期間の人に、メルマガも届くと、短期間に通数が増えます

配信ツールで「ステップメールの配信中の人はメルマガから除く」設定ができるか、確認しておきます。

メルマガのネタに困らないための型

次のような型を順に回すと、ネタ切れを防げます。

回 型 例
1 お役立ち情報 「〇〇の作業でよくある失敗と対策」
2 事例 「△△業のお客様の取り組み」
3 よくある質問 「最近いただいたご質問から」
4 お知らせ セミナー、新機能、営業日の案内

1通に詰め込みすぎず、「主な話題は1つ、主なリンクも1つ」を基本にすると、読む側も迷いません。

セグメントの分け方

セグメントとは、登録者を条件で分けたグループのことです。全員に同じメールを送るより、相手に合った内容を送るほうが、読まれやすくなります。

ただし、細かく分けすぎると、作るメールの数が増えて続かなくなります。中小企業では、2〜3種類の軸、各数グループから始めるのが現実的です。

よく使う分け方

軸 分け方の例 使いどころ
業種 製造業、建設業、サービス業など 事例の出し分け
会社の規模 従業員数の帯 導入の進め方の説明
検討段階 情報収集中、比較検討中、商談中、導入済み 内容の深さ、送る頻度
接点 資料請求、セミナー参加、展示会で名刺交換 ステップメールの種類

検討段階の判断

検討段階は、行動からおおよそ推し量れます。

段階 目安になる行動
情報収集中 メルマガの登録のみ、一般的なコラムのクリックが中心
比較検討中 資料請求、料金や事例のページのクリック、セミナー参加
商談中 個別相談や見積もりの申し込み、営業との打ち合わせ中
導入済み 契約済みの顧客

商談中と導入済みは、営業部門の顧客リストと突き合わせて更新しておきます。商談中の相手に、見込み客向けのメールが届かないようにするためです。

登録の経路ごとに入口のメールを変える

同じメルマガの登録でも、どこで登録したかによって、相手の関心は違います。

登録の経路 最初のメールの方針
ブログ記事の下の登録フォーム その記事に関連する資料や記事を案内する
資料請求のフォーム 資料のリンクと、ステップメールの予告
セミナーの申込フォーム 開催の案内と、当日までの準備
展示会での名刺交換 会ったお礼と、同意の確認(送ってよいかの案内)

登録の経路を記録しておくと、あとでセグメントとして使えます。

配信停止は減らすより出しやすくする

配信停止が増えると、停止リンクを目立たなくしたくなりますが、逆効果です。

読みたくない人が止め方を見つけられないと、受信箱の「迷惑メールを報告」ボタンを押します。報告される割合が高くなると、メールサービス側で送信者の評価が下がり、読みたい人の受信箱にも届きにくくなるおそれがあります。

Gmailの送信者のガイドライン

Googleの公式ヘルプでは、2024年2月以降、Gmailのアカウント宛てに送る全ての送信者に、送信元ドメインのSPFまたはDKIMの設定や、迷惑メール率を0.3%未満に抑えることなどを求めています。

さらに、個人のGmailアカウントに24時間以内に約5,000件以上を送る一括送信者には、追加の要件があります。

項目 内容
認証 SPFとDKIMに加えて、DMARCを設定する
登録解除 マーケティングやプロモーションのメールには、ワンクリックで登録解除できる仕組みを用意する
迷惑メール率 0.1%未満を維持し、0.3%以上にならないようにする
対象外 パスワードの再設定や予約の確認などの取引上のメールは、ワンクリックの義務の対象外
登録解除の処理 48時間以内の対応が推奨されている
2025年11月以降 要件を満たさない送信元への措置が強化されている

ワンクリックの登録解除は、メールのヘッダー(受信者からは見えない管理情報)に、List-UnsubscribeとList-Unsubscribe-Postという項目を設定する仕組みです。

GoogleのFAQでは、mailtoのリンクだけ、またはメール本文の中のリンクだけでは、ワンクリックの要件を満たさないとされています。

多くの配信ツールに対応する機能があるため、自社のツールで有効になっているかを確認しましょう。迷惑メール率は、Googleの Postmaster Tools で確認できます。

配信数が5,000件に届かなくても、止めたい人が簡単に止められる状態は、届けたい人に届け続けるための前提です。

配信停止を出しやすくする実務のポイント

  • 本文の末尾に、分かりやすい言葉で配信停止のリンクを置く
  • 停止の手続きで、ログインや理由の入力を必須にしない
  • 停止の申し出は、すぐに反映する
  • 「セミナーの案内だけ受け取る」など、選択肢を用意できると、完全な停止を減らせる場合がある

効果測定 何を見て、どう改善するか

開封率は参考値として扱う

開封率は、メールの中に小さな画像を埋め込み、それが読み込まれたかどうかで「開いた」と判定するのが一般的な仕組みです。

ところが、Appleの公式ヘルプによると、メールプライバシー保護をオンにした受信者では、IPアドレスが隠され、メールを開いたかどうかが送信者に分からなくなります。

Macの説明では、この機能は、リモートコンテンツ(外部から読み込む画像など)を、メールの受信時にバックグラウンドで読み込む、とされています。

つまり、この機能を使っている受信者については、「画像が読み込まれた」ことが「開封した」ことを意味しません。開封率は、以前ほど正確な指標ではなくなっています。

開封率は、件名の良し悪しを比べる目安にとどめ、判断の中心は、次のクリックと、その後の行動に置きます。

クリック率を中心に見る

クリック率は、メールを受け取った人のうち、リンクをクリックした人の割合です。配信ツールによっては、開封者を分母にした数字を別の名前で出していることがあるため、定義を確認してください。

クリックは本人の操作がないと発生しないため、関心を測る指標として扱いやすくなります。

比べる観点 分かること
話題(型)ごと どの内容が関心を集めるか
リンクの位置 冒頭、中盤、末尾のどこが押されるか
ボタンと文字リンク どちらが押されやすいか
セグメントごと 業種や検討段階による違い

GA4とUTMでメールの後を追う

クリックした人がサイトで何を見て、資料請求や問い合わせに至ったかは、GA4で計測します。

そのために、メール内のリンクにUTMパラメータ(URLの末尾に付ける目印)を付けます。

パラメータ 意味 メールでの設定例
utm_source 参照元 newsletter(メルマガ)、stepmail(ステップメール)
utm_medium 媒体 email
utm_campaign キャンペーン名 2026-10_case-study など
utm_content 同じメール内のリンクの区別 header_button、footer_link など

Googleのヘルプで示されている注意点は、次のとおりです。

  • 値は大文字と小文字が区別される。小文字に統一する
  • utm_source、utm_medium、utm_campaign の3つは必ず設定する
  • 同じメールに行動を促すリンクが複数あるときは、utm_content の値を変えると、どちらが効果的かを比べられる
  • Googleが提供するURL生成ツールを使うと、入力ミスを減らせる

値の付け方は、社内の命名ルールとして共有しておきます。

毎月見る指標

指標 見る理由
配信数と不達 届いていない相手がいないか
クリック率(メールごと、型ごと) どの内容に関心があるか
配信停止数と迷惑メール率 頻度や内容が合っているか
GA4でのメール経由のセッション メールがサイトへの入口になっているか
メール経由の資料請求と相談の申し込み 最終的な成果
ステップメールの通ごとのクリック率 どの通で反応が落ちるか

数字は、1回ごとの上下より、数か月の傾向で見ます。

営業への引き渡し

引き渡しの基準を決める

どんな行動をした人を営業に渡すかを、マーケティング担当と営業で、事前に合意しておきます。

行動 渡し方
個別相談、デモ、見積もりを申し込んだ すぐに引き渡す
セミナーのアンケートで「相談したい」と答えた すぐに引き渡す
料金や導入の流れのページを、短期間に複数回見た 候補として共有する
ステップメールの4〜5通目のリンクをクリックした 候補として共有する

最初は基準を厳しめにし、営業の感想をもとに調整します。

引き渡すときに伝える情報

次の情報をまとめて渡すと、営業は相手の関心に合わせて話を切り出せます。

  • 会社名、担当者名、役職
  • 最初の接点(請求した資料名、参加したセミナー名と日付)
  • メールでクリックした内容(どの事例、どのページ)
  • アンケートの回答や問い合わせの内容

引き渡したあとのメール

営業が連絡を始めた相手には、ステップメールや見込み客向けのメルマガを止めるか、内容を切り替えます。

商談が見送りになった相手は、営業から結果を戻してもらい、メルマガのリストに戻す流れも決めておきます。

特定電子メール法の表示義務(要点のみ)

広告や宣伝のメールを送る場合、日本では特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)を守る必要があります。

迷惑メール相談センターの解説と、総務省・消費者庁のガイドラインをもとに、要点だけを挙げます。

項目 内容
同意を得た相手に送る 原則として、あらかじめ送信に同意した相手にだけ、広告や宣伝のメールを送れる(オプトイン)
同意の記録 同意を得たことを示す記録を保存する
本文に必ず表示する項目 送信者の氏名または名称、受信拒否の通知先(メールアドレスまたはURL)、その直前か直後に「受信拒否ができる」旨
任意の場所でよい項目 送信者の住所、苦情や問い合わせを受け付ける連絡先
名称の書き方 送信者の正式な氏名または名称を表示する
受信拒否の申し出 拒否の通知を受けた相手には、それ以降送らない

任意の場所でよい項目をリンク先に載せる場合も、その場所をメールの中で示します。何度もクリックしないとたどり着けない構成は避けてください。

また、ホームページで公表されているメールアドレスは、原則としてオプトインの例外とされています。ただし、受信を拒否する旨がアドレスとあわせて表示されている場合は、例外になりません。

法令の適用は個別の事情で変わるため、判断に迷う場合は、専門家に相談してください。

フォームには、「今後、メールでご案内をお送りします」と明記し、同意を得てから配信しましょう。

売れるサイトはみな謙虚 メールは足さずに引く

ここまで、メールの設計と運用を説明してきました。最後に、サイト全体の作り方についての考え方を1つ紹介します。

「売れるサイトはみな謙虚」という考え方です。大きく見せる言葉や機能を足していくより、訪れた人が迷う要素を引いていくほうが、次の一歩を踏み出してもらえるという見方です。

メールから引くもの

メールに当てはめると、引く対象は次のようになります。

引くもの 引いたあとの状態
1通に詰め込んだ複数の話題 主な話題とリンクが1つになり、迷わない
あおる件名 中身が伝わる件名になり、信頼される
見つけにくい配信停止のリンク 止めたい人が止められ、迷惑メールの報告が減る
約束より多い配信 登録時の約束どおりの頻度で届く
開封率だけの判断 クリックとその後の行動で判断できる

謙虚なメールは読み続けられる

「今は情報収集の段階」という人に、別の選択肢を示すメールは、押しつけがましさがありません。

足すより引く。この姿勢が、メールを読み続けてもらう土台になります。

配信前の点検表

区分 確認すること
中身 1通の主な話題とリンクが、それぞれ1つになっている
中身 件名が本文の内容と一致している
配信 登録時の約束より多く送っていない
配信 ステップメールの配信中の人に、メルマガが重なっていない
停止 配信停止のリンクが、本文の末尾に分かりやすくある
停止 ワンクリックの登録解除が有効になっている
計測 リンクにUTMを付け、値を小文字に統一している
法令 同意を得た相手にだけ送り、記録を保存している
法令 送信者の名称と受信拒否の通知先を、本文に表示している
引き渡し 営業に渡す基準が、営業と合意されている

よくある質問

Q1. メルマガとステップメールは、どちらから始めるべきですか

資料請求後のステップメールを1本作り、次に月1回のメルマガを始める順番がおすすめです。

関心が高い時期に自動で届くステップメールのほうが、少ない手間で成果につながりやすくなります。

Q2. 開封率は見なくてよいですか

見ても構いませんが、参考値として扱います。

Appleのメールプライバシー保護を使う受信者では、開いたかどうかが送信者に分からなくなるためです。

Q3. 配信数が少なくても、ワンクリックの登録解除は必要ですか

Gmailのガイドラインで義務とされるのは、個人のGmailアカウントに約5,000件以上を送る一括送信者です。

ただし、止めたい人が簡単に止められる状態は、配信数にかかわらず必要です。配信ツールの機能を確認しましょう。

Q4. 名刺交換した相手にメルマガを送ってよいですか

広告や宣伝のメールは、原則として、あらかじめ送信に同意した相手にだけ送れます。

名刺交換のときに、メールで案内を送ることを伝えて同意を得るなど、同意の取り方と記録を決めておいてください。

まとめ

  • メルマガは関係の維持、ステップメールは関心が高い時期の後押しに使う。まず資料請求後のステップメールから作る
  • ステップメールは「資料の送付、疑問への回答、事例、検討の材料、次の一歩」の流れが基本
  • 件名は具体的に、大事な言葉を前に置く。頻度は続けられる範囲で、登録時の約束を守る
  • 配信停止は出しやすくする。Gmailのワンクリックの登録解除にも対応する
  • 開封率は参考値。判断は、クリックと、GA4とUTMで追うその後の行動で行う
  • 営業に渡す基準を決め、特定電子メール法の同意と表示義務を守る
  • 足すより引く。1通に1つの話題と1つのリンクにする

最初から完璧を目指す必要はありません。ステップメール1本と月1回のメルマガから始め、数字と営業の声を見ながら育てていきましょう。

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この記事を書いた人

中野輝規のアバター 中野輝規

合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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