AISASという言葉を調べ始めると、5つの英単語が並んだ図が出てきます。意味はすぐに覚えられるのに、自社のホームページで何を直せばいいのかは、図のどこにも書かれていません。
この記事は、中小企業の経営者とWeb担当者に向けて書きました。AISASの意味、AIDMAとの違い、このモデルが生まれた背景を押さえたうえで、自社のホームページに各段の受け皿になるページがあるかを点検する手順まで進みます。
出典は、総務省とGoogle検索セントラルの公式ページで、記事を書いた2026年10月28日に開いて確かめたものだけを使いました。確かめられなかった年号や経緯は、書いていません。
先に答え:AISASは、注意・関心・検索・行動・共有の5段階で、ホームページには検索と共有の受け皿が要る
AISASは、人が商品やサービスを知ってから買い、感想を広めるまでの流れを、5つの段階で表したモデルです。インターネットの普及を受けて、国内の広告会社が提唱しました。
5つの段階は、Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)です。頭文字を並べて、読み方はアイサスです。
| 段階 | 日本語 | その段で人がしていること |
|---|---|---|
| Attention | 注意 | 商品や会社の存在を知る |
| Interest | 関心 | 自分に関係がありそうだと感じる |
| Search | 検索 | 自分で調べ、比べる |
| Action | 行動 | 買う、申し込む、問い合わせる |
| Share | 共有 | 感想や体験を人に伝える |
ホームページの担当者にとって大事なのは、5段のうち3段目と5段目です。検索の段で人が最後にたどり着く先は、多くの場合、自社のホームページです。共有の段で人が貼るリンクの先も、ホームページになります。
AISASを一文で言うと
人は広告で知り、気になったら自分で調べ、買ったら誰かに話す。この順番を5つの言葉にしたものが、AISASです。
調べる行動と話す行動が入っているところに、このモデルの特徴があります。広告を見せる側だけでなく、見る側が動くことを前提に作られています。
この記事で答える3つの問い
記事では、次の3つに順番に答えます。
| 問い | 答えのある場所 |
|---|---|
| 各段は、どういう意味か | 先に答え、各段の解説 |
| AIDMAとは、何が違うのか | AIDMAとの違いの節 |
| 自社のホームページで、何を点検するのか | 受け皿の点検の節、今日できる点検の表 |
先日見かけたQ&Aサイトの悩み:「明日の発表でAISASを、初見の人にわかるように説明したい」
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
質問した方は、翌日にマーケティングの企画を発表する予定でした。提案の土台にAISASを使うことは決めたものの、聞く人が初めて見ても理解できる説明文が書けず、言い回しを教えてほしいと書き込んでいました。
回答欄には、インターネットを前提に、人が商品を探し、買い、その後に取る行動を説明したモデルだという趣旨の返答が付いていました。間違いではありません。ただ、この説明を発表で読み上げても、聞く人の頭には何も残りません。
説明文に困る理由は、言葉の意味だけを集めているから
AISASを調べると、各段の定義は簡単に見つかります。定義を並べると、説明は完成したように見えます。
けれども、聞く側が知りたいのは、定義の先です。自分の仕事や自分の会社で、5段のどこに何を置けばいいのかが知りたいのです。
質問した方が説明文に困ったのは、文章力が足りないからではありません。言葉の意味だけを集めても、使い道が書かれていないという、モデルの教え方そのものの問題です。
経営者やWeb担当者の場合も、悩みの形は同じ
ホームページの担当者でも、同じ場面があります。社内の会議で、制作会社や上司から「AISASで考えよう」と言われ、頷いたものの、翌日から何をするのかが決まらない。
5段の名前は覚えられます。しかし、自社のホームページを開いて「検索の段の受け皿は、このページだ」と指させる人は、多くありません。
用語の暗記で止まると、起きること
| 止まる場所 | 起きること | 次の一手 |
|---|---|---|
| 5段の名前を覚えた | 会議で使える言葉は増える | 自社のページと1つずつ対応させる |
| 図を資料に貼った | 資料は整うが、ホームページは変わらない | 段ごとに、直すページを決める |
| 施策を一覧にした | 施策は増えるが、順番がつかない | 検索と共有の2段から始める |
この記事の残りは、この3つの行き止まりを、1つずつ越えるための説明です。
AISASの各段を1つずつ:自社のホームページに引き寄せて読む
各段の意味を、ホームページの担当者の目線で読み直します。ここで見るのは、その段で人が何を求めているか、自社のどこがそれに答えられるか、の2点です。
Attention(注意):存在を知ってもらう段
人が最初に、会社や商品の存在に気づく段です。広告、看板、紹介、SNSの投稿などが入り口になります。
ホームページはここでは主役になりにくく、入口の役目を他の媒体に任せます。ただし、気づいた人が最初に開くページが何になるかは、あらかじめ決めておけます。
Interest(関心):自分に関係があると感じる段
気づいた人が、自分の悩みや望みと結びつけて、もう少し知りたいと感じる段です。タイトルや一言の説明で、関係がありそうかどうかが判断されます。
Search(検索):自分で調べて比べる段
AISASで特に大事な段です。関心を持った人は、検索サービスで社名や商品名、悩みの言葉を打ち込みます。
比べる相手が並ぶのも、この段です。ホームページに、この人の疑問へ先回りして答えるページがあるかどうかで、次の行動に進む人の数が変わります。
Action(行動):買う、申し込む、問い合わせる段
調べ終えた人が、動く段です。問い合わせフォーム、予約ページ、購入ボタンが受け皿になります。行動の段は、検索の段で不安が解けていた人にだけ、静かに訪れます。
Share(共有):体験を人に伝える段
買った人や問い合わせた人が、感想を友人や同僚に伝え、投稿に書く段です。伝えた言葉は、次の人にとっての注意と関心の入口になります。
ここまでが、各段の意味です。段の名前を覚えたら、次は「自社のページ」と1つずつ結びつけます。
AIDMAとの違い:後半の2段が、検索と共有に入れ替わった
AIDMAは、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の5段階で、買うまでの心の動きを説明するモデルです。このモデルは、AISASより前から、広告や販売の現場で使われてきました。
2つのモデルは、最初の2段と最後の1段が同じです。違うのは、真ん中から後ろです。
| 並び | 1段目 | 2段目 | 3段目 | 4段目 | 5段目 |
|---|---|---|---|---|---|
| AIDMA | 注意 | 関心 | 欲求 | 記憶 | 行動 |
| AISAS | 注意 | 関心 | 検索 | 行動 | 共有 |
AIDMAの欲求と記憶が、検索に入れ替わりました。そして行動の後ろに、共有が新しく加わっています。
前提にしている買い方が違う
AIDMAは、広告を見た人が「欲しい」と思い、その気持ちを店頭に行くまで覚えておく、という買い方を前提にしています。だから4段目に記憶があります。
もう一方は、気になった人がその場で自分で調べられる環境を前提にしています。覚えておく必要がないので、記憶の段が検索に変わりました。
情報の流れる向きが違う
AIDMAでは、情報は会社から人へ、一方向に流れます。AISASでは、買った人が感想を書き、その感想を次の人が読みます。
行動の後ろの共有は、この変化を表した段です。会社が言わなくても、使った人の言葉が次の人に届いて、会社の評判の一部になります。
どちらが正しいかは、商品と買われ方で決まる
新しい方が常に正しい、とは言えません。買われ方が、モデルに合うかどうかで選びます。
| 商品の買われ方 | 合うモデル | 理由 |
|---|---|---|
| 店頭で見て、その場で決める日用品 | AIDMA | 見た記憶が購買に直結する |
| 比べて決める高額の買い物、サービス | AISAS | 買う前に必ず調べる |
| 法人向けの依頼、相談ごと | AISAS | 担当者が複数の会社を調べ、社内で共有する |
中小企業の経営者やWeb担当者が扱うサービスの多くは、買う前に調べられる商品です。そのため、検索と共有を含む側の考え方を借りる場面が多くなります。
どちらのモデルも、実際の買い物をそのまま写しているわけではない
2つのモデルとも、人が必ず順番どおりに動くことを表しているのではありません。検索から入って注意に戻る人もいれば、共有の投稿を見て、そのまま買う人もいます。
モデルは、自社の見落としを探すための地図です。段を飛ばした人が来ても受け止められるかを確かめる道具として使います。
用語を覚えても集客に効かない理由:図を配る人は、受け皿のページまで見てくれない
5段のモデルは、研修や資料で手軽に使える言葉です。図が1枚あれば、説明した気になれます。
けれども、図を配った人が、自社のホームページの中まで確かめてくれることは、ほとんどありません。ここに、用語が成果に結びつかない構造があります。
図は説明に便利で、点検には使われない
図を使った説明は、聞く側の理解が早いという利点があります。同じ理由で、図が出た時点で話が終わったことになり、次の作業が決まらないまま会議が閉じます。
5段の図は、描くのに時間がかかりません。会議の資料に1枚貼れば、議論は進んだように見えます。
点検には、自社のページを1枚ずつ開く作業が要ります。この作業は目立たず、資料にも残りにくいので、後回しになります。
各段の担当者が違うと、誰も全体を見ない
| 段 | 担当になりやすい部署 | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 注意・関心 | 広告、広報 | 目立つことだけを追う |
| 検索 | 制作会社、Web担当 | 検索順位だけを追う |
| 行動 | 営業 | 問い合わせの数だけを追う |
| 共有 | 誰も担当しない | 手つかずで残る |
特に、共有の段は担当が決まりにくく、手つかずになりがちです。検索で来た人が、自社ページの隅々まで読むことを、誰も確かめていません。
「全部の段に施策を打つ」は、予算と手間が足りなくなる
5段すべてに施策を置くと、小さな会社では手が回りません。広告にも、SNSにも、ホームページにも、少しずつ手を出して、どれも中途半端になります。
だから、5段を均等に頑張る必要はありません。自社の買われ方で、先に埋める段を選びます。次の節以降で、その選び方を説明します。
法人向けの買い方では、共有が社内で起きる
法人向けのサービスでは、共有の相手は、同じ会社の同僚や上司です。担当者は、候補の会社のページを社内に送り、意見を集めて決めます。
送られたページを、担当者以外の人が初めて読みます。会社名も仕事内容も知らない人が読んでも、何をしている会社なのかが3行で伝わるかどうかが、決め手になります。
構造的な欠陥は、用語に「点検の手順」が付いていないこと
この種の解説は、各段の定義と、他社の成功例で終わるものが大半です。自社で何を点検するのかという、最後の一歩が省かれています。
この記事が足したいのは、その一歩です。5段の名前を、自社のページの名前に置き換える作業を、順を追って示します。
多くの会社が選んでしまう進め方:段ごとに施策を買い足して、受け皿は後回しにする
5段のモデルを知った会社が最初にやりがちなのは、各段に1つずつ施策を割り当てることです。注意には広告、関心にはSNS、検索には順位対策、といった具合です。
施策の数は揃いますが、自社のホームページの中は何も変わりません。ここでは、よく見る3つの進め方と、その先で起きることを順に見ます。
広告を増やして、注意の段だけを広げる
広告費を増やすと、会社を知る人は増えます。知った人の次の動きは、検索です。
検索の段で、社名で調べた人が最初に見るのは、自社のホームページです。ここに会社の説明も、悩みへの答えもなければ、広告で得た注意は、検索の途中で消えます。
SNSの投稿を増やして、共有が起きるのを待つ
投稿を増やしても、共有の段は動きません。共有は、買った人や問い合わせた人が、人に伝えたくなったときに起きるものです。
伝えるときに貼るリンクの先がなければ、感想は文字だけで終わります。個別のURLを持った事例のページやお客様の声のページがあって、はじめて、共有が次の人の入口になります。
検索順位だけを追って、ページの中身を直さない
順位が上がれば、検索の段に人が来ます。来た人が、疑問への答えを見つけられるかどうかは、順位とは別の話です。
順位を追う作業だけが続くと、アクセスの数は増えて、問い合わせは増えないという状態になります。
| 進め方 | 起きること | 欠けているもの |
|---|---|---|
| 広告だけを増やす | 社名検索が増える | 社名で調べた人に答えるページ |
| 投稿だけを増やす | 反応は出るが、問い合わせにならない | 感想を受け止めるページ |
| 順位だけを追う | アクセスは増える | 疑問に先回りして答える中身 |
3つの進め方に共通する点
どの進め方も、人が来たあとの受け皿を後回しにしています。施策は、人を連れてくる側の仕事です。受け皿は、来た人を迎える側の仕事で、別の作業として組む必要があります。
検索と共有の段では、実際に人が動いている:総務省の調査で確かめた数字
検索と共有を優先する理由を、公的な統計で確かめます。総務省は2026年5月29日に、令和7年(2025年8月末時点)の通信利用動向調査の結果を公表しました。
インターネットを使う人の8割が、SNSを使い、7割強が検索サービスを使っている
総務省の令和7年通信利用動向調査によると、インターネット利用者の割合は個人全体で85.7%でした。
そのインターネット利用者のうち、利用目的や用途の1位は「SNS(無料通話機能を含む)の利用」で、割合は82.3%でした。「検索サービスの利用」は77.5%です。
| 利用目的・用途(インターネット利用者のうち) | 割合 | AISASの段との対応 |
|---|---|---|
| SNS(無料通話機能を含む)の利用 | 82.3% | 共有、注意 |
| 電子メールの送受信 | 78.2% | 行動(問い合わせ) |
| 検索サービスの利用 | 77.5% | 検索 |
| 動画投稿・共有サイトの利用 | 63.6% | 注意、関心 |
| ホームページやブログの閲覧、書き込み、または開設・更新 | 56.5% | 検索、関心 |
右端の列は、総務省の調査には載っていない、この記事が各用途を段に当てはめた読み方です。
この数字から言えること
調査が示しているのは、検索サービスとSNSが、インターネット利用者の大半に使われているという事実です。
これは、5段のうち検索と共有に関わる2つの行動が、ごく普通のものになっていることを意味します。自社の客も、買う前に調べ、買ったあとに話します。
数字の読み方で注意すること
この調査は、全国の個人を対象にした利用状況の調査です。自社の客が、同じ割合で検索やSNSを使うかどうかは、わかりません。
業種や客の年代で、割合は変わります。自社の数字は、あとで説明する点検の中で、自社のアクセス記録から確かめます。
AI検索の時代に、検索の段で変わったこと:Google検索セントラルで確かめた範囲
検索の段は、検索サービスに質問を入れて、結果のリンクから調べる行動でした。いまは、検索の画面の上に、AIがまとめた回答が出る場合があります。
Googleは検索セントラルの「AI機能とウェブサイト」で、AIによる概要とAIモードの仕組みを説明しています。確認した時点で、最終更新は2025年12月31日でした。
AIによる概要とAIモードは、リンクを添えて回答する
公式ページによると、AIによる概要は「ユーザーが複雑なトピックや質問の要点をすばやく把握できるようにし、詳細を確認するための関連リンクも提供します」。
AIモードは、さらなる調査や根拠、複雑な比較が必要な質問に向く機能で、AIによる総合的な回答と、参考になるウェブサイトへのリンクが得られると書かれています。
載るための追加の要件は無い
公式ページは、はっきりと次のように書いています。
「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。」
ページがAI機能でリンクとして表示されるには、インデックスに登録され、検索でスニペットが表示され、検索の技術的要件を満たしている必要があるとされています。これ以外の技術要件はありません。
変わったことと、変わらなかったこと
| 項目 | 変わったこと | 変わらなかったこと |
|---|---|---|
| 調べ方 | 質問の形で、まとめた回答が先に出る場合がある | 参考のリンクから、元のページに進める |
| ページに求められること | 公式に、特別な最適化は不要と書かれている | 検索の基本の作り方が引き続き重要 |
| 重要な内容の置き方 | テキスト形式で示すことが挙げられている | 内部リンクから見つけられること |
公式ページが挙げる基本には、重要なコンテンツをテキスト形式で提示すること、サイトの内部リンクから簡単に見つけられるようにすることが含まれています。
確かめられなかったこと
AIの回答で、自社のページが何回引用されるか、どの順に並ぶかは、公式ページに数字が書かれていません。したがって、この記事では、引用の確率や順位について書きません。
検索の段の受け皿を作る作業は、AI検索の時代でも、検索の基本に沿って進めればよいことが、公式ページから確かめられます。
各段の受け皿を点検する:「売れるサイトはみな謙虚」の考え方で、先に答えるページを並べる
ここまでの話を、自社のホームページの作業に変えます。軸にするのは、私が「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいる考え方です。
謙虚とは、会社が言いたいことを一度引いて、見に来た人が知りたいことに先に答える順番を守ることです。控えめに振る舞うという意味ではありません。
5段のモデルに当てはめると、段ごとに「この段の人は、いま何を知りたいのか」を1つ決め、その答えをホームページの中に置く作業になります。
5段を、自社のページの名前に置き換える
最初に、段の名前を、自社のホームページにある(あるいは無い)ページの名前に置き換えます。
| 段 | その段の人が知りたいこと | 受け皿になるページ | 無いときの影響 |
|---|---|---|---|
| 注意 | この会社は何をしているのか | トップページの最初の一文 | 知っても、何の会社かわからない |
| 関心 | 自分の悩みに関係があるか | 悩み別の入口ページ | 関係ないと判断される |
| 検索 | 他の会社と何が違い、本当に頼めるのか | 疑問に答えるページ、比較の材料のページ | 別の会社のページに移る |
| 行動 | どう申し込めばいいのか | 問い合わせ、予約のページ | 迷って閉じる |
| 共有 | 人に伝えるとき、何を見せればいいのか | 事例、お客様の声、会社を説明する1ページ | 話題が次の人に届かない |
この表の「無いときの影響」の列が、点検の目的です。あるかどうかを確かめて、無いものの影響が大きい段から埋めます。
点検は、自社のページを客の順に開くだけでできる
特別な道具は要りません。自社のホームページを、客と同じ順に、スマホで開きます。
検索の段なら、自社の社名と、自社が受ける悩みの言葉を、実際に検索窓に入れます。出てきたページを開き、答えが先頭に書かれているかを読みます。
検索の受け皿:悩みの言葉ごとに、答えが先に書かれたページを1枚置く
検索の段の受け皿は、検索される言葉と、1対1で結びつくページです。会社案内の1ページに、すべてを詰め込む形では、受け皿になりません。
検索される言葉の種類を、3つに分けて考える
| 言葉の種類 | 例 | 受け皿のページ |
|---|---|---|
| 社名・サービス名 | 会社名、商品名 | トップページ、サービスの説明ページ |
| 悩みの言葉 | 問い合わせが来ない、集客が続かない | 悩みに答える解説のページ |
| 比べる言葉 | 違い、選び方、費用の考え方 | 比較の基準を示すページ |
どの種類にも、受け皿が必要です。社名の検索にしか受け皿がない会社は、悩みの言葉で調べている、まだ会社を知らない人に出会えません。
答えは、ページの最初の数行に書く
検索から来た人は、ページを開いて数秒で、読み続けるかを決めます。最初の数行に、問いへの答えがあれば読み続けます。
答えを後ろに置いて、前振りから始めるページは、閉じられます。答えを先に書き、そのあとに理由と手順を書きます。
AIの回答にも使われる文章の書き方
先ほど確かめたとおり、Googleは、重要なコンテンツをテキスト形式で示し、内部リンクから見つけられるようにすることを、基本として挙げています。
画像の中の文字や、動画の中だけの説明は、テキストとして読まれません。答えは、文字で書いておきます。
悩みの言葉の拾い方は、トピッククラスターとは 悩みの地図からピラーとクラスターを決める作り方で、手順にまとめています。
自社の強みを、客の言葉で書き直す
自社の強みを「丁寧な対応」「高品質」といった言葉で書いても、調べている人の疑問には答えていません。
調べる人は「いつまでに終わるのか」「どこまで任せられるのか」を知りたがっています。強みは、この問いへの答えの形に直して書きます。
| 書きがちな言い方 | 客が知りたいこと | 書き直しの方向 |
|---|---|---|
| 丁寧な対応 | 連絡はどのくらいで返るのか | 返信の目安と、担当者の人数 |
| 豊富な実績 | 自分に近い例はあるか | 業種と悩み別の事例 |
| 安心のサポート | 困ったとき、誰が出るのか | 困ったときの窓口と流れ |
共有の受け皿:人に見せられる1枚のページを用意する
共有の段は、手つかずになりがちな段です。ここでの受け皿は、買った人や問い合わせた人が、人に見せたくなるページです。
共有されるページに必要な3つの条件
| 条件 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 個別のURLがある | 事例や声が、1件ごとに別のページになっている | 貼ったリンクが、そのまま元の内容に着く |
| 初めて読む人にも通じる | 業界用語を説明している | 同僚や上司が読めば、判断を支えられる |
| 何の会社か3行で伝わる | 会社の概要が、最初に書かれている | 送られた側が、迷わず次に進める |
事例のページは、客の言葉を軸に置く
事例のページを、会社の自慢話で埋める必要はありません。依頼の前の状況、決めた理由、依頼後に変わったこと、の順に、客の言葉を中心に書きます。
お客様の声を載せるときは、掲載の許可を必ず先に確認します。匿名で載せる場合も、業種と立場だけは書いて、誰の話かが想像できるようにします。
会社を説明する1ページは、検索の受け皿にもなる
共有された先で読まれるのは、会社を説明する1ページです。このページに、何を、誰に、どう提供しているのかが書かれていれば、検索の段の受け皿も兼ねます。
LLMOの考え方でこのページをどう作り直すかは、LLMO対策でホームページを作り直す前に 発注で決めることとページごとの中身で詳しく説明しています。
3C分析で、客と自社の言葉をそろえる
受け皿のページに書く言葉は、客の言葉と、自社の強みの接点から選びます。接点の見つけ方は、3C分析のやり方と例 表を埋めたのに決まらない人がHPの最初の一文を決める手順で、手順を示しています。
業種別に見る、先に埋める段の選び方
5段を均等に整える必要はありません。自社の客がどう買うかで、先に埋める段を決めます。
比べて決める高額のサービスは、検索の段から
工事、士業、制作、コンサルティングのように、客が複数の会社を比べて決めるサービスは、検索の段の受け皿が最初です。
悩みの言葉ごとの解説ページ、料金以外の判断基準を示すページ、依頼の流れのページを置きます。
店舗型の商売は、社名検索と地図の情報から
飲食店や美容室のような店舗型の商売は、社名やお店の名前で調べる人が中心です。受け皿は、営業時間、場所、メニューが最初の画面にあるページです。
店舗型でも、共有の段は強い味方になります。来た客が、店の様子を人に見せるときに貼るページがあると、新しい客が増えます。
法人向けの依頼は、共有の段まで見る
法人向けの依頼は、担当者が会社の中で候補を共有して決めます。社内に回るページが、何の会社かを3行で伝えているかが、結果を左右します。
| 業種の例 | 先に埋める段 | 最初に作るページ |
|---|---|---|
| 工務店・リフォーム | 検索 | 悩み別の解説と、工事の流れ |
| 士業・コンサルティング | 検索と共有 | 悩み別の解説と、会社を説明する1ページ |
| 飲食店・美容室 | 注意と行動 | 最初の画面の営業情報と、予約ページ |
| 製造・卸売の法人向け | 共有 | 社内に回せる、会社と製品の説明ページ |
よくある質問
Q. AISASとは、何の略ですか。
Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の頭文字を並べた言葉です。読み方はアイサスです。
人が商品を知ってから買い、感想を人に伝えるまでの流れを、5つの段階で表したモデルです。国内の広告会社が提唱しました。
Q. AIDMAとAISASの違いは、何ですか。
AIDMAは、注意、関心、欲求、記憶、行動の5段階です。もう一方は、注意、関心、検索、行動、共有です。
欲求と記憶が検索に入れ替わり、行動のあとに共有が加わりました。買う前に自分で調べられる環境と、買ったあとに感想が広がる環境が、前提になっています。
Q. 中小企業は、AISASのどの段から手を付ければいいですか。
検索の段から始めます。社名と悩みの言葉を検索窓に入れて、自社のページが出てくるか、開いて答えが先頭にあるかを確かめます。
次に、共有の段で人に見せられるページがあるかを確かめます。5段すべてを同時に直す必要はありません。
Q. AI検索の時代でも、検索の段の対策は必要ですか。
必要です。Google検索セントラルの「AI機能とウェブサイト」には、AIによる概要やAIモードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ないと書かれています。
検索の基本の作り方、つまり重要な内容をテキストで示し、内部リンクから見つけられるようにすることが、引き続き土台になります。
Q. 共有の段は、SNSに投稿すれば足りますか。
投稿だけでは足りません。共有されたときに、リンクの先で読まれるページが要ります。
事例やお客様の声のページに個別のURLがあるか、会社の概要が3行で伝わるページがあるかを確かめます。
まとめ
AISASは、注意、関心、検索、行動、共有の5段階で、買う前に調べ、買ったあとに話す人の動きを表したモデルです。AIDMAとは、欲求と記憶が検索に入れ替わり、共有が加わった点が違います。
総務省の令和7年通信利用動向調査によると、インターネット利用者の82.3%がSNSを、77.5%が検索サービスを利用しています。検索と共有は、いまの客にとってごく普通の行動です。
Googleの公式ページでは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、追加の要件も特別な最適化も不要だとされています。検索の段の受け皿は、基本の作り方で整えられます。
用語を覚えたら、自社のページを開いて、段ごとの受け皿の有無を確かめます。検索の段には、答えが先頭に書かれたページを、共有の段には、人に見せられる1枚のページを置きます。
「売れるサイトはみな謙虚」の考え方で、会社が言いたいことを一度引き、見に来た人が知りたいことに先に答える順番へ、ページを組み直してください。
今日できる点検
| 点検すること | 確かめ方 | 結果の使い方 |
|---|---|---|
| 社名で検索して、自社のページが出るか | スマホで社名を検索する | 出なければ、トップページの説明を見直す |
| 悩みの言葉で検索して、答えのページがあるか | 客が使う言葉を3つ検索する | 無ければ、1つ目の悩みから解説ページを作る |
| ページの最初の数行に、答えがあるか | 主要なページを上から読む | 前振りが長ければ、答えを先頭に移す |
| 重要な内容がテキストで書かれているか | 画像と動画の中だけの説明を探す | 見つけたら、文字で書き足す |
| 問い合わせ・予約までの道筋が短いか | トップから申し込みまでの操作を数える | 3回を超えるなら、導線を短くする |
| 事例やお客様の声に、個別のURLがあるか | 事例のページのURLを見る | 1つにまとまっていれば、1件ごとに分ける |
| 会社の概要が3行で伝わるか | 初めて見る人に読んでもらう | 伝わらなければ、冒頭の3行を書き直す |
| 先に埋める段を決めたか | 業種別の表と照らす | 決めた段のページ名を、今日書き出す |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
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